JP6643779B2 - 音響装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、ステレオ音の拡張機能を備えた装置に係わり、特にクロストークのキャンセル量を制御可能にしながらこの拡張機能を維持する音響装置に関する。
図7に示すように、左チャンネル信号および右チャンネル信号で成るステレオ信号を左スピーカ300と右スピーカ310とから出力する場合、左右2つのスピーカ300、310が近接していると、広いステレオ感を得ることができないが、クロストークキャンセル処理を適用することで、両スピーカ300、310から出力されるステレオ音の音像を広げることができる。左スピーカ300の出力音は、聴取者Mの左耳Z1と右耳Z2に届くと共に、右スピーカ310からの出力音も聴取者Mの左耳Z1と右耳Z2に届くので、図に示すように、両スピーカ300、310からの出力音が、聴取者Mの両耳Z1、Z2に到達する4つのパス「G11、G12、G21、G22」ができることになる。ここで、「クロストーク」とは、左スピーカ300、右スピーカ310からの出力音が聴取者Mの遠い側の耳まで到達するパス(G12、G21)のことである。
このクロストークのキャンセルを行うクロストークキャンセル処理を行うことによって、左スピーカ300の出力音が右耳Z2へ到達する音が抑圧されるため、左耳Z1と右耳Z2との間の音量差が未処理時より大きくなって、音像はより左方向から聞こえる。その結果、あたかも仮想左スピーカ305から音が出力されているように感じる。同様に、クロストークキャンセル処理を行うことによって、右スピーカ310からの音は仮想右スピーカ315から出力されているように感じられる。
特許文献1、2には、クロストークキャンセル処理を利用して音像調整を行う装置について開示している。特許文献1に記載の回路は、音像の定位を広い範囲で実現するクロストークキャンセル回路であって、ステレオの一方のチャンネルの楽音を遅延し減衰させて位相を反転し、他方のチャンネルから出力する回路であって、ステレオ入力される楽音信号の定位に応じて、少なくとも上記減衰量を制御する制御回路を備えたものである(例えば、特許文献1参照。)。つまり、このクロストークキャンセル回路では、楽音の定位の位置によって、キャンセル量を増減して明確な定位感を保っていた。
また、特許文献2に記載の装置によれば、音場効果付与手段が、3次元音場効果を入力音響信号に付与することによって、左右2チャンネルの音響信号を各々発生し、更に、クロストークキャンセル手段が、各チャンネルの音響信号を聴取者の正面に位置する2個のスピーカから各々発した場合に各々がクロストークを生じることなく聴取者の左右の耳に到達するように各音響信号に演算処理を施すことにより、2個のスピーカのみにより3次元音響空間相応の音場効果を得るものであった(例えば、特許文献2参照。)。
図8(a)にクロストークキャンセル処理部の構成例を示す。このクロストークキャンセル処理部400によれば、左チャンネル(Lch)の入力信号が、FIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答:以下「FIR」のは同様の意味)フィルタ100、FIRフィルタ110の各々で濾波され、同様に、右チャンネル(Rch)の入力信号が、FIRフィルタ120、FIRフィルタ130の各々で濾波される。そして、FIRフィルタ100の出力信号とFIRフィルタ120の出力信号とが加算器200で加算されて、この加算信号が右スピーカ310から出力される一方で、FIRフィルタ110の出力信号とFIRフィルタ130の出力信号とが加算器210で加算されて、この加算信号が左スピーカ300から出力される。これにより、パスG21とパスG12とがキャンセルされる。なお、FIRフィルタ100、FIRフィルタ110、FIRフィルタ120およびFIRフィルタ130の各々の伝達関数をH11、H12、H21、H22としている。
図8(a)のクロストークキャンセル処理部400におけるフィルタ数を半減させて演算量を削減した簡略型のクロストークキャンセル処理部410の構成例を図8(b)に示す。加算器202は、左チャンネル(Lch)の入力信号と、右チャンネル(Rch)の入力信号をFIRフィルタ120で濾波した信号とを加算し、この加算信号は右スピーカ310から出力される。同様に、加算器212は、右チャンネル(Rch)の入力信号と、左チャンネル(Lch)の入力信号をFIRフィルタ110で濾波した信号とを加算し、この加算信号は左スピーカ300から出力される。
この簡易型のクロストークキャンセル処理部410であっても、クロストーク成分(G12、G21)を抑圧することはできる。図8(a)における各フィルタの伝達関数を例えばH11で除すると、各FIRフィルタ100、110、120、130の伝達関数は「1,(H12/H11),(H21/H11),1(∵対称性よりH11=H12)」となり、図8(b)に示す簡易型の構成であってもクロストークキャンセル機能を有することは容易に想像できる。但し、図8(a)に示すクロストークキャンセル処理部400にあっては、数式上、クロストークを消去できることが保証されているが、図8(b)のクロストークキャンセル処理部410にあっては、クロストークを完全消去し得ることは保証されな。しかしながら、例えば次に示す応用例ではこのことは何ら問題とはならない。
さて、図9に、図8(b)に示すクロストークキャンセル処理部410を適用した従来のステレオ拡張機能を備えた装置の構成を示す。この従来装置においては、FIRフィルタ30、FIRフィルタ32、加算器50および加算器52が、図8(b)に示したクロストークキャンセル部410を構成している。左チャンネル側(Lch)の入力信号L0がハイパスフィルタ10で濾波されこの濾波後の信号L1がFIRフィルタ30に入力されると共に、右チャンネル側(Rch)の入力信号R0がハイパスフィルタ12で濾波されこの濾波後の信号R1がFIRフィルタ32に入力される。加算器50は、信号L1と、信号R1のFIRフィルタ32での濾波後の信号R2とを加算し、この加算結果を信号L3として出力し、同様に、加算器52は、信号R1と、信号L1のFIRフィルタ30での濾波後の信号L2とを加算し、この加算結果を信号R3として出力する。
つまり、低音域は音波の波長が長くなりクロストークキャンセルの効果が発揮されにくくなるため、ステレオ入力信号をローパスフィルタ20、22とハイパスフィルタ10、12とで2帯域に分割し、高音域側に対して簡易型のクロストークキャンセル処理を施す。そして、加算器54は、信号L0のローパスフィルタ20での濾波後の信号L5と、信号L3のローシェルビングフィルタ40での濾波後の信号L4とを加算して、この加算結果を信号L6として出力する一方、加算器56は、信号R0のローパスフィルタ22での濾波後の信号R5と、信号R3のローシェルビングフィルタ42での濾波後の信号R4とを加算して、この加算結果を信号R6として出力する。
かくして、左チャンネルおよび右チャンネルの各々の入力信号として信号L0、信号R0を入力し、信号L6、信号R6が各々装置の左チャンネルの出力信号(Lch出力)、右チャンネルの出力信号(Rch出力)となっていた。つまり、左・右のスピーカが近接している場合、簡易型のクロストークキャンセル処理を施した結果、低音域が減衰する傾向にあるため、ローシェルビングフィルタで所定周波数以下の信号を増幅し、分離した低音域信号を加算し出力していた。
特開平5−41900号公報(第2−3頁、第1図) 特開平10−70798号公報(第3−4頁、第4図)
しかしながら、上述したステレオ拡張機能における主要な処理は、クロストークキャンセル処理であるが、このクロストークキャンセル処理によって、入力されるステレオ信号にモノラル成分が多い信号の場合、中低音域の音量が未処理に比べ(即ちクロストークキャンセル処理を施さない場合と比べ)、抑圧されていた。その結果、センターに定位する音が左右に定位する音に比べ小さくなる場合がある。つまり、センターに定位するボーカル等がやせて聞こえる「中抜け」が発生する場合があった。
本発明は、かかる従来の課題を解決するためになされたもので、クロストークキャンセル量を調整制御し「中抜け」を防ぎ、音色の劣化も防止可能な音響装置およびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号の各々に対してクロストークをキャンセルする処理を施すクロストークキャンセル処理部と、
前記入力信号の各々に基づいて、クロストークキャンセル量を制御するための制御係数を求める制御係数演算部と、を備え、
前記クロストークキャンセル処理部は、
FIRフィルタと、このFIRフィルタの出力を入力する乗算部と、この乗算部による乗算結果を入力する加算器とで成る組を、左チャンネル用および右チャンネル用に2組有し、
各々のチャンネル用の前記乗算は、
前記制御係数演算部によって求めた前記制御係数と、対応する前記FIRフィルタの出力とを乗算した乗算結果を出力し、
一方チャンネル用の前記加算器が、他方チャンネルの前記入力信号と、前記一方チャンネルに対応する前記乗算結果とを加算する構成で、
前記制御係数演算部は、
前記左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号の各々をL、Rとし「CC=L×R/(L 2 +R 2 )」なる演算を行う瞬時相互相関演算部と、
この演算値CCのエンベロープを求めいくエンベロープ検出部と、
この求めたエンベロープに基づいて前記制御係数を求める係数変換部と、を含んで成ることを特徴とする構成である。
この発明において、「一方チャンネル」は左チャンネル(または右チャンネル)であり、「他方チャンネル」は、右チャンネル(または左チャンネ)である。つまり、「一方チャンネル」は、左チャンネルの場合と右チャンネルの場合とであり、各々の場合に対して、「他方チャンネル」は、右チャンネル、左チャンネルとなる。
この構成によれば、クロストークキャンセル処理部は、左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号の各々に対してクロストークキャンセル処理を施す。また、制御係数演算部は、左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号に基づいてクロストークキャンセル量を制御するための制御係数を求める。両チャンネルの各々のセットに対する乗算部は、この制御係数と、対応するチャンネル用のFIRフィルタの出力とを乗算し、この乗算結果を、対応するチャンネル用の加算器に入力する。加算器は、一方チャンネル側の入力信号と、他方チャンネル用の対応する乗算部の乗算結果とを加算する。この結果、制御係数kによってクロストークキャンセル量を制御することができる。
したがって、例えば、モノラル音の場合には制御係数kを小さくてクロストークキャンセル量を少量にする一方、ステレオ音の場合には、制御係数kを大きくてクロストークキャンセル量を多量にすれば、ステレオ音の拡張機能を維持しつつ、モノラル音に対する中低音域の音量の抑圧も阻止でき、この結果「中抜け」を防止することが可能になり、音色の劣化も防止可能となる。なお、本明細書では「モノラル音」とは「左右チャンネルの信号が同じである音」、「ステレオ音」は「左右チャンネルの信号の相関が低い、すなわち音が左右に広がっている音」を言う。
また、上記の音響装置のより具体的な形態は、前記クロストークキャンセル処理部を、前記入力信号の各々を対応するハイパスフィルタで濾波した濾波信号に対しクロストークをキャンセルする処理を施す構成であり、
前記処理が施されて前記クロストークキャンセル処理部から出力された一方チャンネル側信号をローシェルビングフィルタで濾波した信号と、他方チャンネル側の入力信号をローパスフィルタで濾波した信号とを加算する別の加算器を備えた構成である。
つまり、この構成は、入力信号の周波数帯域をハイパスフィルタとローパスフィルタとで2帯域に分割し、高音域側をクロストークキャンセル部に入力する一方、低音域側をローシェルビングフィルタの出力信号と加算するので、クロストークキャンセル効果が発揮されにくい低音域に対してはクロストークキャンセル処理を行わず、低音域に対しては装置出力の際の加算に使用する。その結果、「中抜け」や音質劣化を一層防止することが可能となる。
また、他の形態として、前記制御係数演算部は、前記入力信号の各々に替えて、前記濾波信号を使用し、この前記濾波信号に基づいて前記制御係数を求める構成とすることもできる。この構成によっても、ハイパスフィルタでの濾波信号を用いて制御係数を求めることによって、「中抜け」防止が可能になる。
更に、前記制御係数演算部を、前記左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号の各々をL、Rとし「CC=L×R/(L2+R2)」なる演算を行う瞬時相互相関演算部と、この演算値CCのエンベロープを求めていくエンベロープ検出部と、この求めたエンベロープに基づいて前記制御係数を求める係数変換部と、を含んで成る構成とすることもできる。この構成によれば、瞬時相互相関演算部は、左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号の各々をL、Rとし「CC=L×R/(L2+R2)」なる演算を行い、エンベロープ検出部はこの演算値CCのエンベロープを求めていき、係数変換部は、この求めたエンベロープに基づいて制御係数を求めるので、簡易な構成で演算量を削減可能にした制御係数演算部を実現できる。
両チャンネルの入力信号の相互相関関数をまともに演算した場合には演算量は相当なものとなる。そこで、本発明において、簡易型の相互相関関数として、「CC=L×R/(L2+R2)」なる相互相関演算を導入することで十分な効果を得ることが可能であることを確認している。ここでCCを「瞬時相互相関」と称しており、また、そのエンベロープ値CEを「瞬時相互相関値」と称している。そして、係数変換部が、エンベロープ検出部が求めたエンベロープ値CEに対する一次式で制御係数を求める構成とすれば、演算量が一層低減できる。
そして、この音響装置において、前記制御係数演算部の入力直前の信号をn分の1に間引くと共に、前記制御係数演算部の出力直後の信号をn倍(nは2以上の整数)とする構成とすれば、制御係数を求める演算の演算量を一層低減できるので好ましい。
また、本発明の他の態様は、FIRフィルタと、このFIRフィルタの出力を入力する乗算部と、この乗算部による乗算結果を入力する加算器とで成る組を、左チャンネル用および右チャンネル用に2組有する音響装置に、
左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号の各々に対してクロストークのキャンセル処理を行うクロストークキャンセル機能と、
前記左チャンネルおよび前記右チャンネルの前記入力信号に基づいてクロストークキャンセル量を制御するための制御係数を求める制御係数演算機能と、
前記左チャンネル用および前記右チャンネル用の各々の前記乗算が、前記制御係数演算機能によって求めた前記制御係数と、対応する前記FIRフィルタの出力とを乗算し乗算結果を出力する乗算機能と、
一方チャンネル用の前記加算器が、他方チャンネルに対する前記入力信号と、前記一方チャンネルに対応する前記乗算結果とを加算する加算機能と、を実現するためのプログラムであり、
前記制御係数演算機能は、
前記左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号の各々をL、Rとし「CC=L×R/(L 2 +R 2 )」なる演算を行う瞬時相互相関演算機能と、
この演算値CCのエンベロープを求めいくエンベロープ検出機能と、
この求めたエンベロープに基づいて前記制御係数を求める係数変換機能とを含む、ことを特徴とするプログラムとしている。
このプログラムは、例えばROM等の記録媒体に記録されており、CPU、DSP等のプロセッサが、RAM等のワークエリアを使用しながら、記録媒体に記録されたプログラムを実行する。これにより、入力機能、加算機能、制御係数演算機能等の各種機能が実現されるので、左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号に基づいてクロストークキャンセル量を制御するための制御係数が求めることができ、このプログラムによっても「中抜け」や音質劣化を防止できる。
本発明によれば、センターに定位するボーカル等がやせて聞こえる「中抜け」を防止し、音色の劣化も防止可能な音響装置等を提供することができるという効果が得られる。
第1実施形態の音響装置1の構成図である。 制御係数演算部60の構成を示すブロック図である。 CEと制御係数kとの関係を示すグラフである。 第2実施形態の音響装置2の構成図である。 制御係数の調整効果の説明図である。 CE、制御係数等の時間変化を示すグラフである。 ステレオ拡張のイメージの説明図である。 クロストークキャンセル処理部400、410の構成図である。 従来装置の構成図である。 音響装置の基本構成を示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
(基本構成・動作)
図10は本発明の実施形態である音響装置の基本構成図である。この音響装置は、左チャンネル(Lch)の入力信号L0と、右チャンネル(Rch)の入力信号R0の2チャンネルのステレオ入力である。この音響装置は、ステレオ信号に対してクロストークのキャンセル処理を施すクロストークキャンセル部410を有している。クロストークキャンセル処理部410は、FIRフィルタ30とこのFIRフィルタ30の出力を入力する乗算部70とこの乗算部70による乗算結果を入力する加算器52とで成る左チャンネル用のセット(組)と、FIRフィルタ32とこのFIRフィルタ32の出力を入力する乗算部72と、この乗算部72による乗算結果を入力する加算器50とで成る右チャンネル用のセット(組)とを2セット有している。
また、加算器50は、乗算部72の乗算結果X1と左チャンネルの入力信号L0とを加算する一方、加算器52は、乗算部70の乗算結果Y1と右チャンネルの入力信号R0とを加算するように構成されている。つまり、一方チャンネル用の加算器50(または52)が、他方チャンネルの入力信号L0(またはR0)と、一方チャンネルに対応する乗算結果Y1(またはX1)とを加算する構成である。そして、制御係数演算部63は、左右両チャンネルの入力信号L0、R0に基づいて、クロストーク量を調整制御するための制御係数kを求め、これを両乗算部70、72に対して出力する構成である。
制御係数を受け取った乗算部70は、FIRフィルタ30の出力結果にこの受け取った制御係数kを乗じた値Y1を加算器52に供給する構成である。同様に、乗算部72は、受け取った制御係数kと、FIRフィルタ32の出力結果とを乗じた値X1を加算器50に供給する構成である。すなわち、各々のチャンネル用の乗算器50(52)は、制御係数演算部63によって求めた制御係数と、対応するFIRフィルタ32(30)の出力とを乗算した乗算結果を出力するようになっている。
次に動作を説明すると、まず、ステレオ信号が入力されると、これがクロストークキャンセル処理部410に入力される。左チャンネル信号L0は、FIRフィルタ30で濾波され濾波信号L1となりこれが乗算部70に入力される。同様に、右チャンネル信号R0は、FIRフィルタ32で濾波され濾波信号R1となりこれが乗算部72に入力される。一方、制御係数演算部63は、左チャンネル信号L0と右チャンネル信号R0とに基づいて、制御係数kを求め、求めた制御係数kは、両乗算部70、72に供給される。すると、乗算部70は、FIRフィルタ30の出力信号L1と制御係数kとを乗じこの乗算結果Y1を加算器52に出力する。同様に、乗算部72は、FIRフィルタ32の出力信号R1と制御係数kとを乗じこの乗算結果X1を加算器50に出力する。そして、加算器50の加算結果が左チャンネル側の装置出力信号(Lch)になると共に、加算器52の加算結果が右チャンネル側の装置出力信号(Rch)になる。
ここで、後述する様に、制御係数演算部63は、その制御係数を変更制御するので、両チャンネル信号に対してクロストーク量のキャンセルの調整制御を制御できる。この結果、「中抜け」や音色の劣化を防止できる。詳細には後述するが、制御係数演算部63は、両チャンネル信号に対する一般的な相関関数ではない、「瞬時相関関数」を求め、この求めた「瞬時相関関数(CC)」に対する値である「瞬時相関関数値(CE)」を検出しこの検出した値(CE)に対して係数変換を行うことによって制御係数kを求める。このように、瞬時相関関数値を用いることにより演算量を極力低減することも可能である。
以下に、この基本構成に対してより具体的な応用構成として、第1、第2実施形態の音響装置1、2の構成、動作、効果等について説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態の音響装置1の構成を示す構成図である。この音響装置1は、左チャンネル(Lch)の入力信号L0と、右チャンネル(Rch)の入力信号R0の2チャンネルのステレオ入力である。音響装置1は、入力信号L0の高帯域(高音域)を濾波通過させるハイパスフィルタ10と、入力信号R0の高帯域(高音域)を濾波通過させるハイパスフィルタ12と、ハイパスフィルタ10の出力信号L1を濾波するFIRフィルタ30と、ハイパスフィルタ12の出力信号R1を濾波するFIRフィルタ32と、FIRフィルタ30の出力信号L2を入力する乗算部70と、FIRフィルタ32の出力信号R2を入力する乗算部72と、乗算器70の乗算結果を入力する加算器52と、乗算器72の乗算結果を入力する加算器50とを備えている。
FIRフィルタ30、FIRフィルタ32、乗算器70、乗算器72、加算器52および加算器50でクロストークをキャンセルするクロストークキャンセル部410を構成している。つまり、クロストークキャンセル処理部410は、FIRフィルタ30とこのFIRフィルタ30の出力を入力する乗算部70とこの乗算部70による乗算結果を入力する加算器52とで成る左チャンネル用のセット(組)と、FIRフィルタ32とこのFIRフィルタ32の出力を入力する乗算部72と、この乗算部72による乗算結果を入力する加算器50とで成る右チャンネル用のセット(組)とを2セット有している。
FIRフィルタ30は、左チャンネル信号のみが入力された場合に、図1では聴取者M(図1では不図示)のが図面左側方向に向けて正面を向き、図面上下方向に左右のスピーカが配置されていると想定した場合、左スピーカの音が左耳のみに音が到達するようにするためのフィルタである。同様に、FIRフィルタ32は、右チャンネル信号のみが入力された場合に、聴取者Mの右耳のみに音が到達するようにするためのフィルタである。かくして、クロストーク処理部410はクロストークをキャンセル(厳密には減衰)させることができる。
また、制御係数演算部60は、左チャンネル(Lch)の入力信号L0と、右チャンネル(Rch)の入力信号R0とを入力し、クロストークキャンセル量を制御するための制御係数kを求める。制御係数演算部60が求めた制御係数kは、乗算部70および乗算部72の各々に入力される。乗算部70は、FIRフィルタ30の出力信号L2と制御係数kとを乗じてこの乗算結果Y1を加算器52に出力するようになっており、同様に、乗算部72は、FIRフィルタ32の出力信号R2と制御係数kとを乗じてこの乗算結果X1を加算器50に出力するようになっている。
また、加算器50の加算結果を示す信号L3を所定通過周波数帯域で濾波して信号L4とするローシェルビングフィルタ40を備えており、同様に、加算器52の加算結果を示す信号R3を所定通過周波数帯域で濾波して信号R4とするローシェルビングフィルタ42を備えている。更に、左チャンネルの入力信号L0の低帯域(低音域)を濾波して信号L5とするローパスフィルタ20と、右チャンネルの入力信号R0の低帯域(低音域)を濾波して信号R5とするローパスフィルタ22とを備えている。
そして、ローシェルビングフィルタ40の出力信号L4とローパスフィルタ20の出力信号L5とを加算する加算器54を有していて、この加算器54の加算結果を示す信号L6は、音響装置1の左チャンネル(Lch)側の出力信号となっている。同様に、ローシェルビングフィルタ42の出力信号R4とローパスフィルタ22の出力信号R5とを加算する加算器56を有していて、この加算器56の加算結果を示す信号R6は、音響装置1の右チャンネル(Rch)側の出力信号となっている。
図2は制御係数演算部60の構成を示すブロック図である。制御係数演算部60は、瞬時相互相関演算部62と、エンベロープ検出部64と、係数変換部66を有して構成される。一般に、2つの時間関数f1(t)、f2(t)の相互相関関数は以下の式(1)のように演算で求まることが知られている。なお、Nは相互相関を演算する時間間隔Tを分割した区間数Nである。
C(τ)=(1/(N+1))×Σf1(t)・f2(t+τ)(式1)(但しΣはt=0からNまでの和)
式1による演算においては、或る一定の区間Tにおける信号を用いるため、最低でもその区間内での遅延が発生する。そこで、本発明では時間短縮や演算量低減のために瞬時の相互相関係数である「C(0)」が得られれば、精度的にも十分であることを確認した。そこでこれを「瞬時相互相関」、その値を「瞬時相互相関係数」と称している。
瞬時相互相関演算部62は、左チャンネルの入力信号を「L」、右チャンネルの入力信号を「R」とすると、「L×R/(L2+R2)(式2)」なる演算を行ってこれをCCとして出力する。つまり、CCを求める演算は、本発明で言う瞬時相互相関である。次に、エンベロープ検出部64は、瞬時相互相関演算部62が求めてCCに対するエンベロープを検出しこれをCEとする。CEは、本発明で言う瞬時相互相関係数である。エンベロープ検出部64は例えば簡易なローパスフィルタで実現可能である。具体的にはCEの値は、「−0.5〜+0.5」となり、左右の信号が同じであるモノラル信号の場合には「+0.5」、無相関であると「0」、逆相信号であると「−0.5」となる。
また、係数変換部66は、CEに対して1次変換式(定数を含む)を用いた変換を行って、制御係数「k」を求める。つまり、「k=−a×CE+z(式3)」なる1次関数式でCEから制御係数「k」を求めることができるので極めて簡易な構成で実現できることになる。制御係数「k」の最大値は「1.0」であり、制御係数「k」が大きくなるほどクロストークキャンセルの効果が発揮される一方、小さくなるほど(「0」に近づくほど)効果は無くなる。制御係数「k」の最大値は「1.0」である。入力されるステレオ信号の相関が低い場合には左右の広がりが大きいと判断して、制御係数を「1.0」に近づける一方、入力信号間の相関が高い場合にはモノラル成分が多いため制御係数を下げる処理を行う。但し、制御係数「k」には下限を設けて一定の効果を維持させるようにする。
一例として、(式3)における定数a、zを各々「2」、「1.3」とした場合には係数変換式は次に(式4)となる。
「k=−2×CE+1.3(0.15<CE<0.35),
k=1.0(CE≦0.15),
k=0.6(CE≧0.35)(式4)」
図3は瞬時相互相関係数CEと制御係数kとの関係を示すグラフである。CEの値が「0.15」以下の場合には制御係数kの値は一定値「1.0」となり、また、CEの値が「0.35」以上の場合には制御係数kの値は一定値「0.6」となる。また、CEが「0.15」よりも大きく、かつ、「0.35」よりも小さい場合には「k=−2×CE+1.3」なる変換式で求める値となる。制御係数「k」は最小値「0.6」で最大値が「1.0」となる。図3を参照すれば分かるように基本的にはCEが大きなほど、制御係数「k」の値は小さくなる。このようにして、制御係数演算部60は、左および右チャンネルの入力信号に基づいて制御係数「k」を求めることができる。
なお、音響装置1において、一例として、ハイパスフィルタ10、ハイパスフィルタ12、ローパスフィルタ20、ローパスフィルタ22のカットオフ周波数をそれぞれ「500(Hz)」に設定する。なお、フィルタ10、12、20、22のカットオフ周波数はスピーカの特性に応じて決定され例えば300乃至500(Hz)のカットオフ周波数に設定すれば良い。また、演算量を低減させるため、制御係数演算部60の入力直前の信号をn分の1に間引き、制御係数演算部60の出力直後の信号をn倍することもできる(但しnは2以上の整数)。
(動作)
次に動作を説明する。まず、左チャンネル(Lch)の入力信号L0は、ハイパスフィルタ10で濾波されクロストークキャンセル部410に入力される(信号L1)。次に、クロストークキャンセル部410に入力された信号L1はFIRフィルタ30で濾波される。すると、FIRフィルタ30での濾波信号L2は、乗算部70に入力される。同様に、右チャンネル(Rch)の入力信号R0は、ハイパスフィルタ12とFIRフィルタ32とで濾波され、FIRフィルタ32の出力信号R2は、乗算部72に入力される。
また、制御係数演算部60は、左チャンネル(Lch)、右チャンネル(Rch)のそれぞれの入力信号L0、R0を入力し、先に説明したようにして制御係数kを求める。この制御係数kは乗算部70、乗算部72の各々に出力される。そして、乗算部70は、信号L2と制御係数kとを入力して乗算を行ってその乗算結果を示す信号Y1を加算器52に入力する。同様に、乗算部72は、信号R2と制御係数kとを入力して乗算を行ってその乗算結果を示す信号X1を加算器50に入力する。
そして、加算器50は、信号L1と信号X1とを加算しこの加算結果信号L3をローシェルビングフィルタ40に入力すると共に、加算器52は、信号R1と信号Y1とを加算しこの加算結果信号R3をローシェルビングフィルタ42に入力する。また、加算器54は、ローシェルビングフィルタ40の出力信号L4と、ローパスフィルタ20の出力信号L5とを加算する。かくして、加算結果信号L6は、音響装置1の左チャンネル側の出力信号(Lch出力)となる。同様に、加算器56は、ローシェルビングフィルタ42の出力信号R4と、ローパスフィルタ22の出力信号R5とを加算し、その加算結果信号R6は、音響装置1の右チャンネル側の出力信号(Rch出力)となる。かくして、音響装置1は、例えば、ギターの楽音信号を左・右両チャンネルの入力信号L0、R0とし、左チャンネル側および右チャンネル側の各々として信号L6、R6を出力させることができる。ボーカル音等も同様に本装置1に適用可能である。
図5は制御係数kによる制御効果を示すシミュレーション結果のグラフである。この例では左チャンネル入力信号と右チャンネル入力信号とを同じ信号としたモノラル入力を想定している。横軸に周波数(Hz)、縦軸に出力相対振幅(dB)をとっており、制御係数「1.0」に対する周波数特性を符号Aで、また、制御係数「0.6」に対する周波数特性を符号Bで示している。モノラル音が入力された場合には、符号Aで示すように、約400(Hz)〜2k(Hz)の周波数帯域で振幅が低下し「中抜け」が生じているが、これに対して制御係数を「0.6」まで下げることによりクロストークキャンセル量を小さくする制御を行って、低下した振幅を持ち上げることができることが分かる(符号B参照)。かくして、制御係数kによるクロストーク量の調整制御はステレオ拡張機能を有する装置において有効であることが分かる。
また、図6(a)〜図6(d)は各々、左チャンネル入力信号(左信号)、右チャンネル入力信号(右信号)、瞬時相互相関係数CE、制御係数kの時間変化を示す実験値であり、横軸に時間(t)、縦軸に量をとって示している。左チャンネルと右チャンネルに信号が入力されて、瞬時相互相関係数CEが全体的に徐々に上昇していき、その結果、制御係数kが「1.0」から徐々に下がる傾向になっている様子が分かる。
この実施の形態によれば、ステレオの2つのチャンネルの各々が同じ音であるモノラル音の場合には制御係数kを小さくてクロストークキャンセル量を小量にする一方、左右チャンネルの信号の相関が低いすなわち音が左右に広がっている音であるステレオ音の場合には、制御係数kを大きくてクロストークキャンセル量を多量にする制御を行うことが可能となる。この結果、ステレオ音の拡張機能を維持しつつ、モノラル音に対する中低音域の音量の抑圧も阻止できて「中抜け」を防止し、音色の劣化も防止することが可能になる。
(第2実施形態)
(構成)
図4は、本発明の第2実施の形態の音響装置2の構成を示す構成図である。図1と同一符号の部分は、図1と同一の機能を有する。音響装置2は、音響装置1における制御係数演算部60に替えて制御係数演算部61を設けた点に特徴がある。この制御係数演算部61は、ハイパスフィルタ10、ハイパスフィルタ12の出力に基づいて、制御係数kを求める点に特徴がある。制御係数演算部61は、ハイパスフィルタ10およびハイパスフィルタ12の各々の出力信号L1、R1を入力し、入力した信号L1、信号R2を用いて制御係数kを求める。制御係数演算部2の具体的な構成は、図2に示したように、瞬時相互相関演算部62、エンベロープ検出部64および係数変換部66を有している。
つまり、瞬時相互相関演算部62は、(式2)を用いて、信号L1、信号Rから相互相関CC(「CC=L1×R1/(L12+R12)」)を求め、次いで、エンベロープ検出部64はCCのエンベロープCEを求めていき、係数変換部66は式(4)を利用しエンベロープCEから制御係数kを求めて出力する。そして、制御係数演算部61が出力した制御係数kは、乗算部70および乗算部72の各々に出力される。この結果、乗算部70は、信号L2と制御係数kとを入力し両者の乗算結果を求めて出力することが可能になる。同様に、乗算部72は、信号R2と制御係数kとを入力し両者の乗算結果を求めて出力することが可能になる。乗算部70、乗算部72の各々による乗算結果を示す信号Y1、X1は各々、加算器52、50に出力される。クロストークキャンセルは、低音域を除いた帯域に対してかかるので、第2実施形態では、低音域を除いた信号に基づいて制御係数kが生成されるため、低音域の影響を受けにくい利点がある。一方、第1実施形態では制御係数演算部への入力がハイパスフィルタを通らないため、フィルタによる遅延の影響を受けず素早い反応が可能となる。
したがって、加算器50は信号L1と信号X1を加算し、この加算結果を示す信号L3はローシェルビングフィルタ40に入力されるように構成されている。同様に、加算器52は信号R1と信号Y1を加算し、この加算結果を示す信号R3はローシェルビングフィルタ42に入力されるように構成されている。その余の構成については図1に示す音響装置1と同様である。また、演算量を低減させるため、制御係数演算部61の入力直前の信号をn分の1に間引き、制御係数演算部61の出力直後の信号をn倍することができる点も同様である(但しnは2以上の整数)。
(動作)
次に、動作を説明する。まず、左チャンネル(Lch)の入力信号L0は、ハイパスフィルタ10で濾波されクロストークキャンセル部410に入力される(信号L1)。次に、クロストークキャンセル部410に入力された信号L1はFIRフィルタ30で濾波される。すると、FIRフィルタ30での濾波信号L2は乗算部70に入力される。同様に、右チャンネル(Rch)の入力信号R0は、ハイパスフィルタ12とFIRフィルタ32とで濾波され、FIRフィルタ32の出力信号R2は乗算部72に入力される。
また、制御係数演算部61は、ハイパスフィルタ10、ハイパスフィルタ20の各々の出力信号L1、R1を入力して、制御係数kを求める。求められた制御係数kは乗算部70、乗算部72の各々に出力される。そして、乗算部70は、信号L2と制御係数kとを入力して乗算を行いその乗算結果を示す信号Y1を加算器52に入力する。同様に、乗算部72は、信号R2と制御係数kとを入力して乗算を行いその乗算結果を示す信号X1を加算器50に入力する。加算器50は、信号L1と信号X1とを加算し、この加算結果信号L3をローシェルビングフィルタ40に入力すると共に、加算器52は、信号R1と信号Y1とを加算し、この加算結果信号R3をローシェルビングフィルタ42に入力する。
また、加算器54は、ローシェルビングフィルタ40の出力信号L4とローパスフィルタ20の出力信号L5とを加算する。かくして、加算結果信号L6は、音響装置2の左チャンネル側の出力信号(Lch出力)となり、同様に、加算器56は、ローシェルビングフィルタ42の出力信号R4とローパスフィルタ22の出力信号R5とを加算し、その加算結果信号R6は、音響装置2の右チャンネル側の出力信号(Rch出力)となる。このようにして、音響装置1と同様に、音響装置2は、例えばギターの楽音信号を左・右両チャンネルの入力信号L0、R0とし、左側チャンネルおよび右側チャンネルの各々の信号として信号L6、R6を出力することができる。ボーカル音等も同様に本装置2に適用可能である。
このような構成の音響装置2にあっても、音響装置1と同様、センターに定位するボーカル等がやせて聞こえる「中抜け」を防止し音色の劣化も防止可能とする。
以上説明してきた装置は、ハードウエアで回路として実現することもできるし、ソフトウエアで実現することも可能である。ソフトウエアの場合、プロセッサ(CPU、DSP等)が、記録媒体(ROM等)に記録されたプログラムを、ワークエリア(RAM等)を使用しながら実行することによって、音響装置1、音響装置2を実現することが可能である。
なお、以上述べてきた本発明の実施形態に対して種々の変形を施すことも可能である。例えば、各フィルタのカットオフ周波数や周波数特性自体を若干変更すること等も可能である。
以上説明してきたように、本発明によれば、例えばギターの楽音信号に対して利用することができる。
1 音響装置
2 音響装置
10 ハイパスフィルタ
12 ハイパスフィルタ
20 ローパスフィルタ
22 ローパスフィルタ
30 FIRフィルタ
32 FIRフィルタ
40 ローシェルビングフィルタ
42 ローシェルビングフィルタ
50 加算器
52 加算器
54 加算器
56 加算器
60 制御係数演算部
61 制御係数演算部
63 制御係数演算部
62 瞬時相互相関演算部
64 エンベロープ検出部
66 係数変換部
70 乗算部
72 乗算部
410 クロストークキャンセル処理部

Claims (7)

  1. 左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号の各々に対してクロストークをキャンセルする処理を施すクロストークキャンセル処理部と、
    前記入力信号の各々に基づいて、クロストークキャンセル量を制御するための制御係数を求める制御係数演算部と、を備え、
    前記クロストークキャンセル処理部は、
    FIRフィルタと、このFIRフィルタの出力を入力する乗算部と、この乗算部による乗算結果を入力する加算器とで成る組を、左チャンネル用および右チャンネル用に2組有し、
    各々のチャンネル用の前記乗算は、
    前記制御係数演算部によって求めた前記制御係数と、対応する前記FIRフィルタの出力とを乗算した乗算結果を出力し、
    一方チャンネル用の前記加算器が、他方チャンネルの前記入力信号と、前記一方チャンネルに対応する前記乗算結果とを加算する構成で、
    前記制御係数演算部は、
    前記左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号の各々をL、Rとし「CC=L×R/(L 2 +R 2 )」なる演算を行う瞬時相互相関演算部と、
    この演算値CCのエンベロープを求めいくエンベロープ検出部と、
    この求めたエンベロープに基づいて前記制御係数を求める係数変換部と、を含んで成ることを特徴とする音響装置。
  2. 請求項1に記載の音響装置において、
    前記クロストークキャンセル処理部は、
    前記入力信号の各々を対応するハイパスフィルタで濾波した濾波信号に対しクロストークをキャンセルする処理を施す構成であり、
    前記処理が施されて前記クロストークキャンセル処理部から出力された一方チャンネル側信号をローシェルビングフィルタで濾波した信号と、他方チャンネル側の入力信号とをローパスフィルタで濾波した信号とを加算する別の加算器を備えたことを特徴とする音響装置。
  3. 請求項2に記載の音響装置において、
    前記制御係数演算部は、
    前記入力信号の各々に替えて、前記濾波信号を使用し、
    この前記濾波信号に基づいて前記制御係数を求める音響装置。
  4. 請求項1、2および3の内のいずれか一項に記載の音響装置において、
    前記係数変換部は、
    前記エンベロープ検出部が求めたエンベロープ値CEに対する一次式で前記制御係数を求めることを特徴とする音響装置。
  5. 請求項1、2、およびの内のいずれか一項に記載の音響装置において、
    前記制御係数演算部の入力直前の信号をn分の1に間引くと共に、前記制御係数演算部の出力直後の信号をn倍(nは2以上の整数)とすることを特徴とする音響装置。
  6. 請求項1、2、3、およびの内のいずれか一項に記載の音響装置において、
    前記一方チャンネルおよび他方チャンネルの入力信号は、
    ギターの楽音信号、ボーカル音を含むことを特徴とする音響装置。
  7. FIRフィルタと、このFIRフィルタの出力を入力する乗算部と、この乗算部による乗算結果を入力する加算器とで成る組を、左チャンネル用および右チャンネル用に2組有する音響装置に、
    左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号の各々に対してクロストークのキャンセル処理を行うクロストークキャンセル機能と、
    前記左チャンネルおよび前記右チャンネルの前記入力信号に基づいてクロストークキャンセル量を制御するための制御係数を求める制御係数演算機能と、
    前記左チャンネル用および前記右チャンネル用の各々の前記乗算が、前記制御係数演算機能によって求めた前記制御係数と、対応する前記FIRフィルタの出力とを乗算し乗算結果を出力する乗算機能と、
    一方チャンネル用の前記加算器が、他方チャンネルに対する前記入力信号と、前記一方チャンネルに対応する前記乗算結果とを加算する加算機能と、を実現するためのプログラムであり、
    前記制御係数演算機能は、
    前記左チャンネルおよび右チャンネルの入力信号の各々をL、Rとし「CC=L×R/(L 2 +R 2 )」なる演算を行う瞬時相互相関演算機能と、
    この演算値CCのエンベロープを求めいくエンベロープ検出機能と、
    この求めたエンベロープに基づいて前記制御係数を求める係数変換機能と、を含む、ことを特徴とするプログラム。
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