JPH10126898A - 音像定位装置及び音像定位方法 - Google Patents

音像定位装置及び音像定位方法

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JPH10126898A
JPH10126898A JP8298081A JP29808196A JPH10126898A JP H10126898 A JPH10126898 A JP H10126898A JP 8298081 A JP8298081 A JP 8298081A JP 29808196 A JP29808196 A JP 29808196A JP H10126898 A JPH10126898 A JP H10126898A
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sound
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Application number
JP8298081A
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English (en)
Inventor
Kenji Kamata
健二 鎌田
Akihiro Fujita
明裕 藤田
Takatsugu Kuwano
孝嗣 桑野
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、簡単且つ廉価な回路又は簡単な処
理によって音像を3次元空間の任意の位置に定位させる
ことができ、しかもリアルタイム性に優れた音像定位装
置を提供する。 【解決手段】第1及び第2チャンネル信号に基づいて音
を発生させることにより音像を定位させる音像定位装置
であって、外部からの入力信号を、音像定位方向に応じ
た両耳間時間差をおいて第1の信号及び第2の信号とし
て順次出力する両耳間時間差信号生成手段11と、該音
像定位方向に応じた左用頭部音響伝達関数と右用頭部音
響伝達関数との比で成る比関数に従って該両耳間時間差
信号発生手段からの第1の信号を処理する頭部音響伝達
関数比処理手段13とを備え、該頭部音響伝達関数比処
理手段からの信号を左チャンネル信号、該両耳間時間差
信号発生手段からの第2の信号を右チャンネル信号とし
て各々出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子楽器、
ゲーム機、音響機器(例えばミキサー)等に用いられる
音像定位装置に関し、特に、3次元空間の任意の位置に
音像を定位させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、左チャンネル用及び右チャンネル
用のステレオ信号を生成し、これらを左右のスピーカに
各々供給して同時に発音させることにより音像を定位さ
せる技術が知られている。この音像定位技術は、主とし
て左右の音量のバランスを変えることにより音像を定位
させるもので、左右のスピーカを結んだ線上にしか音像
を定位させることかできない。
【0003】ところが、近年、左右のスピーカを結ぶ線
の上のみならず、3次元空間の所望の位置に音像を定位
させる技術が開発されている。かかる技術を利用した音
像定位装置として、入力信号を頭部音響伝達関数を用い
て処理することにより、音像を定位させるものが知られ
ている。ここに、頭部音響伝達関数とは、音源からの音
波が、頭部、耳介、肩等の反射、回折、共振による作用
を受けて人間の耳(鼓膜)に至るまでの伝達系を表す関
数である。
【0004】この従来の音像定位装置では、ヘッドホン
受聴の場合は、音源から受聴者の左右各々の耳に至る経
路の頭部音響伝達関数及び左右スピーカから受聴者の左
右各々の耳に至る経路の頭部音響伝達関数を予め測定し
ておく。そして、これら2つの頭部音響伝達関数によっ
て処理された音が受聴者の耳介付近で等しくなるよう
に、左右スピーカに供給する信号を制御することにより
音像を定位させる。なお、スピーカ受聴の場合は、左ス
ピーカから右耳及び右スピーカから左耳に至る経路の頭
部音響伝達関数をも測定しておき、これらの経路を通し
て受聴者に到達する音(クロストーク音)を上記のヘッ
ドホン受聴の場合の音から除去することにより、恰もヘ
ッドホン受聴の場合と同じ状況を作りだし、これにより
音像を定位させる。
【0005】かかる従来の音像定位装置の一例を図12
に示す。図12において、データメモリ50は、遅延係
数、フィルタ係数及び増幅係数を1セットとし、これを
受聴者に対する音源の方向、換言すれば音像を定位させ
る方向(角度)毎に記憶している。例えば、10度おき
に音像定位方向を制御する音像定位装置では、36個の
係数セットが記憶される。何れの係数セットが読み出さ
れるかは、外部から供給される音像定位方向データによ
って決定される。そして、読み出された遅延係数は両耳
間時間差信号生成器51に、フィルタ係数は左用頭部音
響伝達関数処理器52及び右用頭部音響伝達関数処理器
53に、増幅係数は左用増幅器54及び右用増幅器55
にそれぞれ供給される。
【0006】両耳間時間差信号生成器51は、例えば遅
延器で構成されており、音源からの音が受聴者の左右各
々の耳に到達する時間差をシミュレートする。この両耳
間時間差信号生成器51には、例えばモノラルの入力信
号と遅延係数とが入力される。遅延係数は、音像定位方
向に対応した両耳間時間差を有する第1の信号及び第2
の信号を作成するために使用される。
【0007】ここで、受聴者に対する音源の方向、即ち
音像定位方向(角度)は、受聴者の正面を0度とし、図
13に示すように定義する。両耳間時間差は、一般に、
音源が0度方向で最小になり、この0度から90度方向
に変化するに連れて増大し、90度方向で最大になる。
更に、この90度から180度方向に変化するに連れて
減少し、180度の方向で最小になる。同様に、両耳間
時間差は、180度から270度方向に変化するに連れ
て増大し、270度の方向で最大になる。この270度
から0度方向に変化するに連れて減少し、0度方向で最
小になる。両耳間時間差信号生成器51に供給される遅
延係数は、上記各角度に応じた値を有する。
【0008】両耳間時間差信号生成器51は、音像定位
方向データが0度以上180未満を表しているときは、
入力信号をそのまま(又は所定時間だけ遅延させて)第
1の信号として出力すると共に、該第1の信号から遅延
係数に応じた両耳間時間差だけ遅れた第2の信号を出力
する。同様に、音像定位方向データが180度以上36
0度未満のときは、入力信号をそのまま(又は所定時間
だけ遅延させて)第2の信号として出力すると共に、該
第2の信号から遅延係数に応じた両耳間時間差だけ遅れ
た第1の信号を出力する。この両耳間時間差信号生成器
51からの第1の信号は左用頭部音響伝達関数処理器5
2に、第2の信号は右耳頭部音響伝達関数処理器53に
それぞれ供給される。
【0009】左用頭部音響伝達関数処理器52は、例え
ば6次のFIRフィルタで構成されており、左耳に入る
音の頭部音響伝達関数をシミュレートする。この左用頭
部音響伝達関数処理器52には、上記第1の信号及び左
用のフィルタ係数が入力される。この左用のフィルタ係
数は、頭部音響伝達関数をシミュレートするために使用
される。即ち、左用頭部音響伝達関数処理器52は、左
用のフィルタ係数をFIRフィルタの係数として用いる
ことによって、頭部音響伝達関数のインパルス列を入力
信号に畳み込む。この左用頭部音響伝達関数処理器52
からの信号は左用増幅器54供給される。
【0010】右用頭部音響伝達関数処理器53は、右耳
に入る音の頭部音響伝達関数をシミュレートする。この
右用頭部音響伝達関数処理器53には、第2の信号及び
右耳用のフィルタ係数が供給される点を除けば、その構
成及び動作は上述した左用頭部音響伝達関数処理器52
と同じである。この右用頭部音響伝達関数処理器53か
らの信号は右用増幅器55に供給される。
【0011】左用増幅器54は、左耳に入力される音の
音圧レベルをシミュレートし、左チャンネル信号として
出力する。同様に、右用増幅器55は、右耳に入力され
る音の音圧レベルをシミュレートし、右チャンネル信号
として出力する。この構成により、例えば、音源の方向
が90度である場合は、左耳に入る音の音圧レベルは最
大となり、右耳に入る音の音圧レベルは最小となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の音像定位装置では、左用頭部音響伝達関数処理
器及び右用頭部音響伝達関数処理器を各別に備えている
ので、合計で12次のフィルタが必要となる。従って、
上記頭部音響伝達関数処理器をハードウエアで構成する
場合は遅延素子及び増幅器の数が膨大となり、コストア
ップを招くと共に装置の外形が大きくなる。また、上記
頭部音響伝達関数処理器をデジタルシグナルプロセッサ
(以下、「DSP」という)等によるソフトウエア処理
で構成する場合は処理量が膨大となる。従って、リアル
タイムで処理するためには高速動作可能なDSPを用い
なければならず、コストアップを招くという問題があ
る。
【0013】更に、音像定位方向毎に係数セットを予め
記憶しておく必要があるので大容量のメモリを必要とす
る。音像定位の精度を向上させるために音像を定位させ
る方向を細かく制御しようとすれば、更に大容量のメモ
リが必要となる。また、音像を定位させる方向が変化す
る度に係数セットを入れ替える必要があるので、リアル
タイム性に劣るという問題がある。
【0014】そこで、本発明の目的は、簡単且つ廉価な
回路又は簡単な処理によって音像を3次元空間の任意の
位置に定位させることができ、しかもリアルタイム性に
優れた音像定位装置及び音像定位方法を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の音像定位装置
は、上記目的を達成するために、第1チャンネル信号と
第2チャンネル信号とに基づいて音を発生させることに
より音像を定位させる音像定位装置であって、外部から
の入力信号を、音像定位方向に応じた両耳間時間差をお
いて第1の信号及び第2の信号として順次出力する両耳
間時間差信号生成手段と、該音像定位方向に応じた左用
頭部音響伝達関数と右用頭部音響伝達関数との比で成る
比関数に従って該両耳間時間差信号発生手段からの第1
の信号を処理する頭部音響伝達関数比処理手段、とを備
え、該頭部音響伝達関数比処理手段からの信号を第1チ
ャンネル信号、該両耳間時間差信号発生手段からの第2
の信号を第2チャンネル信号として各々出力するように
構成されている。
【0016】ここで、両耳間時間差とは、音源からの音
が受聴者の左右各々の耳に到達する時間差をいう。この
両耳間時間差は、受聴者に対する音源の方向、換言すれ
ば音像定位方向によって異なる。上記両耳間時間差信号
生成手段及び頭部音響伝達関数比処理手段は、ディスク
リートのハードウエアで構成してもよいし、DSPによ
る処理にて構成してもよい。
【0017】上記両耳間時間差信号生成手段は、例えば
遅延器で構成することができる。この両耳間時間差信号
生成手段には、例えば入力信号としてモノラル信号を入
力することができる。この両耳間時間差信号生成手段か
ら出力される第1の信号が左チャンネル信号として使用
される場合は、音像定位方向が0度以上180度未満で
あれば、先ず第1の信号が出力され、次いで該第1の信
号に対して両耳間時間差だけ遅れた第2の信号が出力さ
れる。音像定位方向が180度以上360度未満であれ
ば、先ず第2の信号が出力され、次いで該第2の信号に
対して両耳間時間差だけ遅れた第1の信号が出力され
る。上記第1の信号が右チャンネル信号として使用され
る場合は、第1の信号及び第2の信号の出力の順番は上
記と逆になる。
【0018】上記頭部音響伝達関数比処理手段において
処理に使用される比関数は、従来の音像定位装置におけ
る左用の頭部音響伝達関数と右用の頭部音響伝達関数と
の比をとって作成される。概念的には、図12の左用頭
部音響伝達関数処理器及び右用頭部音響伝達関数処理器
の各々で使用される関数を右用頭部音響伝達関数処理器
で使用される関数で除算した関数と考えることができ
る。従って、頭部音響伝達関数比処理手段では第1の信
号のみが処理され、第2の信号は第2チャンネル信号と
してそのまま出力される。
【0019】頭部音響伝達関数比処理手段をこのように
構成することにより、第1の信号に対してのみ頭部音響
伝達関を付与する処理を行えばよく、第2の信号に対す
る処理は不要である。従って、本音像定位装置を例えば
ハードウエアで構成した場合はハードウエア量を減少さ
せることができるし、DSPによるソフトウエア処理で
構成した場合は演算量を減らすことができる。
【0020】本発明の音像定位装置は、外部からの入力
信号をフィルタリングするフィルタと、該フィルタから
の信号を増幅する第1の増幅器と、該外部からの入力信
号を増幅する第2の増幅器と、該第1の増幅器及び第2
の増幅器からの各出力を加算する加算器とで成る補正手
段を更に備え、該第1の増幅器及び第2の増幅器のゲイ
ンを制御することによって上記第1チャンネル信号及び
第2チャンネル信号に基づいて発生される音の音質及び
音量を補正するように構成できる。この補正手段は、両
耳間時間差信号生成手段の前段又は後段の何れに設けて
もよいが、両耳間時間差信号生成手段の前段に設けるの
が好ましい。
【0021】本音像定位装置では、左用頭部音響伝達関
数及び右用頭部音響伝達関数の比をで成る比関数が音像
を定位させるための頭部音響伝達関数として用いられ
る。このために、左右の比が大きい90度及び270度
方向の近傍では大きな音質の変化が現れる。一方、左右
の比が小さい0度及び180度方向の近傍では音像定位
方向が前であるか後であるかの区別がなくなってしまい
不自然さが残る。そこで、補正手段によって全体の周波
数特性を本来の特性に近づけるために音質補正を行うよ
うにしている。また、左右の比が大きい90度及び27
0度方向の近傍では、音量が大きくなってしまう。そこ
で、補正手段によって均一な音量感を得るために音量補
正を行うようにしている。かかる補正を行うことによ
り、音質及び音量の不自然さを解消することができる。
【0022】この補正手段を構成する第1の増幅器及び
第2の増幅器の各ゲインは、所定の演算式に基づいて算
出されたデータによって制御するように構成できる。こ
の所定の演算式は一次関数とすることができる。この構
成によれば、第1の増幅器及び第2の増幅器の各ゲイン
を制御するためのデータを音像定位方向毎に予め記憶し
ておく必要がないので、本音像制御装置を適用した装置
のメモリ容量を小さくできる。
【0023】上記頭部音響伝達関数比処理手段は、上記
第1の信号が入力される複数の固定フィルタと、各固定
フィルタからの信号を増幅する複数の増幅器と、該複数
の増幅器からの信号を加算する加算器を備え、該複数の
増幅器の各々のゲインを制御することにより上記比関数
をシミュレートするように構成できる。この場合、固定
フィルタとしては、例えば2次のIIR型フィルタを用
いることができる。
【0024】また、上記音像定位方向に応じた両耳間時
間差を発生させるための両耳間時間差データを所定の演
算式に基づいて生成する両耳間時間差データ生成手段を
更に備え、上記両耳間時間差信号生成手段は、該両耳間
時間差データに基づいて生成された両耳間時間差をおい
て上記第1の信号及び第2の信号を順次出力するように
構成できる。
【0025】また、上記複数の増幅器の各ゲインは、所
定の演算式に基づいて算出されたデータによって制御す
るように構成できる。上記所定の演算式は、各増幅器毎
に用意され、それぞれ一次関数とすることができる。
【0026】本発明の音像定位方法は、上記目的を達成
するために、外部からの入力信号を、音像定位方向に応
じた両耳間時間差をおいて第1の信号及び第2の信号と
して順次出力する両耳間時間差信号生成工程と、該音像
定位方向に応じた左用頭部音響伝達関数と右用頭部音響
伝達関数との比で成る比関数に従って該第1の信号を処
理し、以て第1チャンネル信号を生成する頭部音響伝達
関数比処理工程とを有し、該第1チャンネル信号及び第
2チャンネル信号としての該第2の信号に基づいて音像
を定位させるように構成される。
【0027】また、外部からの入力信号をフィルタリン
グし更に増幅した信号と、該外部からの入力信号を単に
増幅した信号とを加算して出力する補正工程を更に備
え、該各々の増幅時のゲインを制御することによって前
記第1チャンネル出力及び第2チャンネル信号に基づい
て発生される音の音質及び音量を補正するように構成で
きる。この場合、各々の増幅時のゲインは、所定の演算
式に基づいて決定することができる。
【0028】また、上記頭部音響伝達関数比処理工程
は、上記第1の信号を複数の固定フィルタでフィルタリ
ングし、該フィルタリングされた各信号を増幅し、該増
幅された各信号を加算する工程で構成し、該各々の増幅
時のゲインを制御することにより上記比関数をシミュレ
ートするように構成できる。
【0029】また、上記音像定位方向に応じた両耳間時
間差を発生させるための両耳間時間差データを所定の演
算式に基づいて生成する両耳間時間差データ生成工程を
更に備え、上記両耳間時間差信号生成工程では、該両耳
間時間差データに基づいて生成された両耳間時間差をお
いて前記第1の信号及び第2の信号を順次出力するよう
に構成できる。この場合、上記フィルタリングされた各
信号を増幅する際のゲインは、所定の演算式に基づいて
算出するように構成できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の音像定位装置及び
音像定位方法の各実施の形態を、図面を参照しながら詳
細に説明する。
【0031】図1は、本発明の音像定位装置の構成を示
すブロック図である。なお、図中破線で示した両耳間時
間差データ生成手段12及び補正手段10は本発明の音
像定位装置ではオプションであるが、本実施の形態で
は、これらは備えられているものとする。また、本音像
定位装置を形成する各手段はハードウエアで構成するこ
ともできるがDSP、中央処理装置(以下、「CPU」
という)等によるソフトウエア処理によって構成するこ
ともできる。本実施の形態では上記各手段はDSPによ
るソフトウエア処理によって構成されるものとする。
【0032】また、外部から本音像定位装置に供給され
る入力信号はモノラル信号であり、図示しない音源回路
から供給されるものとする。また、音像定位方向データ
は、当該音像定位装置を制御するための図示しないCP
Uから供給されるものとする。更に、第1チャンネル信
号を左チャンネル信号、第2チャンネル信号を右チャン
ネル信号とする。
【0033】外部からの入力信号は、補正手段10で音
質及び音量を補正するための処理が行われた後に、両耳
間時間差信号生成手段11に供給される。補正手段10
の詳細については後述する。
【0034】両耳間時間差信号生成手段11は、例えば
遅延器で構成されている。この両耳間時間差信号生成手
段は、補正手段10からの補正信号を入力し、第1の信
号及び第2の信号を出力する。第1の信号及び第2の信
号の各波形は補正信号の波形と同じであるが、両耳間時
間差データ生成手段12からの両耳間時間差データに応
じて何れか一方の信号が他方の信号から両耳間時間差だ
け遅延されて出力される。何れの信号がどれだけ遅れて
出力されるかは、両耳間時間差データ生成手段12から
の両耳間時間差データによって決定される。
【0035】両耳間時間差データ生成手段12は、音像
定位方向に応じて異なる両耳間時間差データを生成す
る。両耳間時間差データは、例えば下記の演算式を用い
て算出される。
【数1】 ここで、Tdは両耳間時間差データ、θは音像定位方向
(角度)、a及びbは定数である。0度≦θ<90度及
び180度≦θ<270度の場合は、aは正でありbは
ゼロ又はその近傍の値である。90度≦θ<180度及
び270度≦θ<360度の場合は、aは負でありbは
正の所定値である。図2に、以上の条件を満足する音像
定位方向θと両耳間時間差Tdとの関係を示す。
【0036】上記式(1)のa及びbは、種々の音像定
位方向に対する頭部インパルス応答を実測し、これを所
定の方法で近似することによって得られる。なお、理論
的には、両耳間時間差Tdは、下記式(2)で表すこと
ができる。
【数2】 ここで、cは所定の定数である。
【0037】上記式(1)の妥当性を確かめるために、
上記式(1)に基づいて算出した両耳間時間差データ
と、式(2)に基づいて算出した両耳間時間差データと
を用いて各々第1の信号及び第2の信号を生成し、これ
らに基づいて楽音を発生して聴き比べてみたが違いを認
識することができなかった。そこで、本実施の形態の音
像定位装置では、式(1)に示す一次関数を用いて両耳
間時間差データを算出するようにしている。これによ
り、両耳間時間差データを算出するためのDSPの処理
量が軽減されている。なお、上記式(2)に基づいて両
耳間時間差データを生成するように構成してよいことは
勿論である。
【0038】両耳間時間差信号生成手段11は、音像定
位方向θが0度≦θ<180度の場合は、補正信号をそ
のまま第1の信号として出力すると共に、補正信号を両
耳間時間差Tdだけ遅延させて第2の信号として出力す
る。同様に、音像定位方向θが180度≦θ<360度
の場合は、補正信号を両耳間時間差Tdだけ遅延させて
第1の信号として出力すると共に、補正信号をそのまま
第2の信号として出力する。何れの場合も、遅延時間
は、上記式(1)に従って決定される。この両耳間時間
差信号生成手段11からの第1の信号は頭部音響伝達関
数比処理手段13に供給され、第2の信号は右チャンネ
ル信号として外部に出力される。
【0039】頭部音響伝達関数比処理手段13は、例え
ば図3に示すように、フィルタ130〜133、レベル
制御部134〜138及び加算器139で構成されてい
る。図3において、第1フィルタ130、第2フィルタ
131及び第3フィルタ132は、バンドパスフィルタ
であり、第4フィルタ133はハイパスフィルタであ
る。各フィルタは2次のIIR型フィルタで構成されて
いる。これらのフィルタ130〜133には第1の信号
が入力される。
【0040】レベル制御部134は第1フィルタ130
からの信号のレベルを、レベル制御部135は第2フィ
ルタ131からの信号のレベルを、レベル制御部136
は第3フィルタ132からの信号のレベルを、レベル制
御部137は第4フィルタ133からの信号のレベル
を、それぞれ音像定位方向データに従って調整する。ま
た、レベル制御部138は第1の信号のレベルを音像定
位方向データに従って調整する。各レベル制御部134
〜138は本発明の増幅器に対応し、例えば乗算器で構
成されている。
【0041】加算器139は、レベル制御部134〜1
38からの各信号を加算する。この加算結果は、左チャ
ンネル信号として外部に出力される。
【0042】この頭部音響伝達関数比処理手段13にお
ける各フィルタ130〜133の概略的なフィルタ特性
を図4に示す。各フィルタ130〜133の特性は、次
のようにして決定される。
【0043】先ず、比関数の周波数特性を分析する。こ
の比関数の周波数特性の一例を図5に示す。図5には、
音像定位方向が60度、90度及び150度の場合の周
波数特性が示されている。この図5から以下のことがわ
かる。 1.5kHz付近に緩いピークが発生している。特に
60度では20dB近いピークとなっている。 5kHz付近では、90度では大きなピークが発生
し、60度でも比較的大きなピークが発生する。しか
し、150度では逆にディップが発生している。 8kHz付近では、60度で大きなピークが発生し、
90度ではピークは現れていない。150度では小さな
ピークが発生している。 10kHz付近では、60度ではディップが発生し、
90度及び150度では滑らかな特性となっている。
【0044】以上のことから、1.5kHz、5kH
z、8kHz、10kHz以上といった4種類の周波数
が音像定位方向(角度)に大きく関わっていると考えら
れる。一方、1kHz以下の周波数ではほとんど変化が
現れていない。他の角度についで観察しても上記の傾向
は変わらず、上述したような4種の周波数のピーク及び
ディップが存在する。
【0045】以上の傾向を踏まえ、各フィルタ130〜
133として、下記のフィルタ特性を有するフィルタを
採用した。即ち、第1フィルタ130としては、下式
(3)に示す関数G(s)PBF1で表される特性のフィル
タを採用している。
【数3】 ここで、sはラプラス演算子、ωBPF1は角周波数、ζ
BPF1は制動係数(ζ=1/2Q)であり、fBPF1はバン
ドパスフィルタの中心周波数である。
【0046】第2フィルタ131としては、下式(4)
に示す関数G(s)BPF2で表される特性のフィルタを採
用している。
【数4】 ここで、sはラプラス演算子、ωBPF2は角周波数、ζ
BPF2は制動係数であり、fBPF2はバンドパスフィルタの
中心周波数である。
【0047】第3フィルタ132としては、下式(5)
に示す関数G(s)BPF3で表される特性のフィルタを採
用している。
【数5】 ここで、sはラプラス演算子、ωBPF3は角周波数、ζ
BPF3は制動係数であり、fBPF3はバンドパスフィルタの
中心周波数である。
【0048】第4フィルタ133としては、下式(6)
に示す関数G(s)HPF1で表される特性のフィルタを採
用している。
【数6】 ここで、sはラプラス演算子、ωHPF1は角周波数、ζ
HPF1は制動係数であり、fHPF1はハイパスフィルタのカ
ットオフ周波数である。
【0049】頭部音響伝達関数比処理手段13は、上記
の特性を有する4つのフィルタ130〜133からの各
信号のレベルを音像定位方向に応じて各々制御すること
により、比関数をシミュレートする。上記レベルの制御
はレベル制御部134〜137において行われる。次
に、各レベル制御部134〜138において、各信号の
レベルを音像定位方向に応じて決定する方法について説
明する。以下においては、レベル制御部134における
レベルをレベル1、レベル制御部135におけるレベル
をレベル2、・・・、レベル制御部138におけるレベ
ルをレベル5という。各レベルの値は「0」から「1」
の範囲の値とする。
【0050】第1フィルタ130〜第4フィルタ133
からの各信号及び第1の信号のレベルは以下の方法で決
定される。即ち、予め比関数の特性を実測しておき、こ
の特性に近くなるように、レベル制御部134〜138
に与える音像定位方向データを調整してシミュレートす
ることによって行われる。これによって各レベル制御部
134〜138におけるレベルが決定される。図6に音
像定位方向が60度の場合の実測値とシミュレーション
値との一例を示す。シミュレーション値は、レベル1=
0.18、レベル2=0.3、レベル3=0.6、レベ
ル4=0.3、レベル5=0.1として算出したもので
ある。実測値に比べ5kHz、8kHzではレベルを小
さく設定しているが、これにより実測値に近いレベルに
したときよりも頭外に定位する傾向が得られる。
【0051】上記と同様にして各音像定位方向について
レベル制御部134〜138のレベルを決定した結果を
図7に示す。なお、図7には音像定位方向は0度から1
80度までしか示されていないが、180度から360
度までも同様の結果が得られる。この図7より、各レベ
ルには以下の傾向が見られる。即ち、 レベル1(1.5kHz)は90度の位置を対象軸と
して「W」を逆さにしたような特性になっている。 レベル2(5KHz)は90度の位置をピークに山型
になっている。ただし、130度以降はゼロである。 レベル3(8kHz)は60度の位置及び130度の
位置をピークに2つの山型になっている。 レベル5(直接)は基準レベルであり全て0.1とし
ている。
【0052】これらの傾向により、音像定位方向を複数
の範囲に分割すれば、音像定位方向とレベルの関係は、
各範囲毎に一次関数で近似できることがわかる。上述し
た図7の音像定位方向とレベルの関係を一次関数で近似
したものを図8に示す。例えばレベル3は、音像定位方
向を0〜125度の範囲と125〜180度の範囲とに
分け、各々一次関数で近似している。
【0053】このような構成により、本音像定位装置を
制御するCPUは、レベル制御部134〜138に供給
する音像定位位置方向データ(乗算係数)を音像定位方
向毎に記憶しておく必要がない。即ち、音像定位方向が
指定された際に当該音像定位方向に対応する一次関数を
用いてレベルを決めるデータを算出し、これを本音像定
位装置に供給するように構成できるので、音像位置を制
御するためのデータ量を少なくすることができる。
【0054】また、上記各フィルタ130〜133のフ
ィルタ特性は上述したように予め定められるので、これ
らのフィルタとしてとして固定フィルタを用いることが
できる。従って、フィルタ係数を入れ替える必要がない
ので、リアルタイム性に優れた音像定位装置を提供でき
る。なお、本実施の形態では、4つのフィルタを用いて
比関数をシミュレートしているが、フィルタの数は4つ
に限定されず任意の数とすることができる。
【0055】次に、補正手段10は以下の理由で設けら
れている。即ち、頭部伝達関数比処理手段では頭部音響
伝達関数の左右の比を取った比関数が用いられるので、
左右の比が大きい90度方向の近傍では大きな音質の変
化が現れる。例えば、図7又は図8を観るとレベル2
(5kHz)、レベル3(8kHz)は音像定位方向が
60度〜140度付近で音量が上がっている。このこと
は、高い周波数の音量が上がりすぎていることを表す。
その結果、「シャリシャリ」とした高域の目立つ音にな
ってしまう。一方、左右の比が殆どない0度、180度
の近傍では音像定位方向が前であるか後であるかの区別
がなくなってしまう。そこで、全体の周波数特性を本来
ある特性に近くするために、本補正手段10によって音
質の補正を行う。また、左右の比が大きい90度近傍で
は、音量自体が上がってしまう。これを解消して均一な
音量感にするために本補正手段10によって音量補正を
行う。
【0056】補正手段10は、例えば図9に示すよう
に、ローパスフィルタ100、レベル制御部101及び
102、並びに加算器103で構成されている。入力信
号は、ローパスフィルタ100及びレベル制御部102
に供給される。ローパスフィルタは、所定の高域周波数
成分をカットしてレベル制御部101に供給する。レベ
ル制御部101及びレベル制御部102は、各々図示し
ないCPUからの音像定位方向データに基づいて入力さ
れた信号のレベルを制御する。このレベル制御部101
及びレベル制御部102の各出力は、加算器103に供
給される。そして、加算器103で加算され、その結果
は補正信号として上述した両耳間時間差信号生成手段1
1に供給される。
【0057】上記ローパスフィルタ100のフィルタ特
性は次のようにして決定される。今、仮に音質補正を行
わない場合を考えると、左耳には比関数の特性が現れ、
右耳には何も処理されていない入力信号そのままの特性
が現れる。如何なる特性で補正すればよいかは右耳の伝
達特性に基づいて決定される。図10に右耳の伝達関数
の一例を示す。図10の伝達特性において各音像定位方
向に共通していえることは、約1kHzから減衰が始ま
っているということである。よって、音質補正用のフィ
ルタにはカットオフ周波数1kHzの一次のローパスフ
ィルタ100が好適である。
【0058】この一次のローパスフィルタ100の特性
を規定する関数G(s)LPF1は、下式(7)によって表
すことができる。
【数7】 ここで、sはラプラス演算子、ωLPF1は角周波数、f
LPF1はカットオフ周波数である。
【0059】また、補正手段10のレベル制御部101
及び102は、図示しないCPUから供給される音像定
位方向データに従って、各レベル制御部101及び10
2におけるレベルを決定する。音像定位方向を複数の範
囲に分割すれば、音像定位方向とレベルの関係は、各範
囲毎に一次関数で近似できる。以下においては、レベル
制御部102におけるレベルをレベル6、レベル制御部
101におけるレベルをレベル7という。音像定位方向
とレベルとの関係を図11に示す。なお、図11には音
像定位方向は0度から180度までしか示されていない
が、180度から360度までも同様の一次関数で近似
できる。
【0060】次に、上記音像定位装置を適用した音像制
御装置について説明する。図14は、ヘッドホンで受聴
する場合の音像制御装置の構成を示すブロック図であ
る。図14において、音像定位装置1としては、上述し
た実施の形態に係る音像定位装置を用いることができ
る。この音像制御装置1には、例えば図示しない音源か
らモノラルの入力信号が供給される。また、CPU2か
ら音像位置方向を指示するデータが供給される。音像定
位装置1は、上述したように、この音像位置方向を指示
するデータに基づき入力信号を処理し、左チャンネル信
号及び右チャンネル信号を生成する。これら左チャンネ
ル信号及び右チャンネル信号は、ヘッドホンに供給され
る。
【0061】CPU2には、方向指示器3が接続されて
いる。この方向指示器3としては、例えばジョイスティ
ック、その他の方向を指示可能な種々の装置を用いるこ
とができる。この方向指示器3で指示された方向を表す
信号は、CPU2に供給される。
【0062】CPU2は、方向指示器3からの方向を表
す信号に基づき、音像位置方向を表すデータを生成す
る。より具体的には、CPU2は、上記各レベル制御部
(増幅器)のゲイン、両耳間時間差を表すデータを生成
し、音像定位装置1に供給する。これにより、音像定位
装置1は、上述したような処理を行って左チャンネル信
号及び右チャンネル信号を出力する。これらの信号をヘ
ッドホンで受聴すれば、方向指示器3によって指示され
た方向に恰も音源が定位しているように聞こえる。
【0063】なお、上記方向指示器3の代わりに、例え
ばビデオゲームのキャラクタの位置(座標)を表す信号
を用いることもできる。この構成によれば、キャラクタ
が移動する方向に音像位置が移動し、キャラクタが止ま
ればその位置に音像が定位する。この構成によれば、キ
ャラクタの動きに連れて変化する立体的な音響を楽しむ
ことができる。
【0064】図15は、上記音像定位装置を適用した音
像制御装置であって、スピーカで受聴する場合の構成を
示すブロック図である。この音像制御装置は、図14に
示した音像制御装置にクロストークキャンセル装置4が
更に追加されて構成されている。
【0065】クロストークキャンセル装置4は、スピー
カから該スピーカと反対側の耳に到達する音(クロスト
ーク音)をキャンセルして恰もヘッドホン受聴のような
音場を作り出し、音像定位を明確にする装置である。こ
のクロストークキャンセル装置4としては、例えばシュ
レーダー方式その他の方式のクロストークキャンセル装
置を採用することができる。この構成によれば、スピー
カ受聴においても上記ヘッドホン受聴の場合と同じ効果
が得られる。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の音像定位
装置によれば、簡単且つ廉価な回路又は簡単な処理によ
って音像を3次元空間の任意の位置に定位させることが
でき、しかもリアルタイム性に優れた音像定位装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音像定位装置の構成を示すブロック図
である
【図2】本発明の一実施の形態の音像定位装置における
音像定位方向と両耳間時間差の関係を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態の音像定位装置の頭部音
響伝達関数比処理手段の構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す頭部音響伝達関数比処理手段に用い
られているフィルタの特性を示す図である。
【図5】図3に示す頭部音響伝達関数比処理手段の周波
数特性を示す図である。
【図6】図3に示す頭部音響伝達関数比処理手段の周波
数特性の音像定位方向が60度の場合の実測値とシミュ
レーション値との一例を示す図である。
【図7】図3に示す頭部音響伝達関数比処理手段の各音
像定位方向とレベルの関係を示す図である。
【図8】図7の音像定位方向とレベルの関係を一次関数
で近似した場合の図である。
【図9】本発明の一実施の形態の音像定位装置の補正手
段の構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示す補正手段におけるローパスフィル
タの特性を決定する過程を説明するための図である。
【図11】図9に示す補正手段のレベル制御部で制御さ
れる音像定位方向とレベルとの関係を示す図である。
【図12】従来の音像定位装置の構成を示すブロック図
である。
【図13】本発明及び従来の音像定位装置における受聴
者と音像位置方向との関係を説明する図である。
【図14】本発明の音像定位装置の第1の応用例を示す
図である。
【図15】本発明の音像定位装置の第2の応用例を示す
図である。
【符号の説明】
1 音像定位装置 2 CPU 3 方向指示器 4 クロストークキャンセル装置 10 補正手段 11 両耳間時間差信号生成手段 12 両耳間時間差データ生成手段 13 頭部音響伝達関数比処理手段 100 ローパスフィルタ 101、102 レベル制御部 103、129 加算器 130〜132 バンドパスフィルタ 133 ハイパスフィルタ 134〜138 レベル制御部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1チャンネル信号と第2チャンネル信号
    とに基づいて音を発生させることにより音像を定位させ
    る音像定位装置であって、 外部からの入力信号を、音像定位方向に応じた両耳間時
    間差をおいて第1の信号及び第2の信号として順次出力
    する両耳間時間差信号生成手段と、 該音像定位方向に応じた左用頭部音響伝達関数と右用頭
    部音響伝達関数との比で成る比関数に従って該両耳間時
    間差信号発生手段からの第1の信号を処理する頭部音響
    伝達関数比処理手段、とを備え、 該頭部音響伝達関数比処理手段からの信号を第1チャン
    ネル信号、該両耳間時間差信号発生手段からの第2の信
    号を第2チャンネル信号として各々出力する音像定位装
    置。
  2. 【請求項2】外部からの入力信号をフィルタリングする
    フィルタと、該フィルタからの信号を増幅する第1の増
    幅器と、該外部からの入力信号を増幅する第2の増幅器
    と、該第1の増幅器及び第2の増幅器からの各出力を加
    算する加算器とで成る補正手段を更に有し、 該第1の増幅器及び第2の増幅器のゲインを制御するこ
    とによって前記第1チャンネル信号及び第2チャンネル
    信号に基づいて発生される音の音質及び音量を補正する
    請求項1に記載の音像定位装置。
  3. 【請求項3】前記第1の増幅器及び第2の増幅器の各ゲ
    インは、所定の演算式に基づいて算出されたデータによ
    って制御される請求項2に記載の音像定位装置。
  4. 【請求項4】前記頭部音響伝達関数比処理手段は、 前記第1の信号が入力される複数の固定フィルタと、 各固定フィルタからの信号を増幅する複数の増幅器と、 該複数の増幅器からの信号を加算する加算器を有し、 該複数の増幅器の各々のゲインを制御することにより前
    記比関数をシミュレートする請求項1乃至請求項3の何
    れか1項に記載の音像定位装置。
  5. 【請求項5】前記音像定位方向に応じた両耳間時間差を
    発生させるための両耳間時間差データを所定の演算式に
    基づいて生成する両耳間時間差データ生成手段を更に有
    し、前記両耳間時間差信号生成手段は、該両耳間時間差
    データに基づいて生成され た両耳間時間差をおいて前記第1の信号及び第2の信号
    を順次出力する請求項1乃至請求項4の何れか1項に記
    載の音像定位装置。
  6. 【請求項6】前記複数の増幅器の各ゲインは、所定の演
    算式に基づいて算出されたデータによって制御される請
    求項4又は請求項5に記載された音像定位装置。
  7. 【請求項7】外部からの入力信号を、音像定位方向に応
    じた両耳間時間差をおいて第1の信号及び第2の信号と
    して順次出力する両耳間時間差信号生成工程と、 該音像定位方向に応じた左用頭部音響伝達関数と右用頭
    部音響伝達関数との比で成る比関数に従って該第1の信
    号を処理し、以て第1チャンネル信号を生成する頭部音
    響伝達関数比処理工程とを有し、 該第1チャンネル信号及び第2チャンネル信号としての
    該第2の信号に基づいて音像を定位させる音像定位方
    法。
  8. 【請求項8】外部からの入力信号をフィルタリングして
    増幅した信号と、該外部からの入力信号を増幅した信号
    とを加算して出力する補正工程を更に有し、 該各々の増幅時のゲインを制御することによって前記第
    1チャンネル出力及び第2チャンネル信号に基づいて発
    生される音の音質及び音量を補正する請求項7に記載の
    音像定位方法。
  9. 【請求項9】前記各々の増幅時のゲインは、所定の演算
    式に基づいて決定される請求項8に記載の音像定位方
    法。
  10. 【請求項10】前記頭部音響伝達関数比処理工程では、 前記第1の信号を複数の固定フィルタでフィルタリング
    し、 該フィルタリングされた各信号を増幅し、 該増幅された各信号を加算する工程で成り、 該各々の増幅時のゲインを制御することにより前記比関
    数をシミュレートする請求項7乃至請求項9の何れか1
    項に記載の音像定位方法。
  11. 【請求項11】前記音像定位方向に応じた両耳間時間差
    を発生させるための両耳間時間差データを所定の演算式
    に基づいて生成する両耳間時間差データ生成工程を更に
    有し、 前記両耳間時間差信号生成工程では、該両耳間時間差デ
    ータに基づいて生成された両耳間時間差をおいて前記第
    1の信号及び第2の信号を順次出力する請求項7乃至請
    求項10の何れか1項に記載の音像定位方法。
  12. 【請求項12】前記フィルタリングされた各信号を増幅
    する際のゲインは、所定の演算式に基づいて算出される
    請求項10又は請求項11に記載の音像定位方法。
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US09/362,148 US6430294B1 (en) 1996-10-22 1999-07-28 Sound image localization method and apparatus, delay amount control apparatus, and sound image control apparatus with using delay amount control apparatus

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001028799A (ja) * 1999-05-10 2001-01-30 Sony Corp 車載用音響再生装置
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JP2013102843A (ja) * 2011-11-11 2013-05-30 Nintendo Co Ltd 情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法
US9744459B2 (en) 2011-11-11 2017-08-29 Nintendo Co., Ltd. Computer-readable storage medium storing information processing program, information processing device, information processing system, and information processing method

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