JP2011153238A - シール材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、シール部分への配設作業を容易に行え且つ優れたシール性を有するシール材を提供する。
【解決手段】 本発明のシール材は、ゴム系樹脂発泡シート1の少なくとも一面に、亀裂21が形成された合成樹脂フィルム2から構成されている表皮層3が積層一体化されてなり、上記表皮層3を構成している上記合成樹脂フィルム2の亀裂21から上記ゴム系樹脂発泡シート1の表面が露出していることを特徴とするので、シール部分に挿入する際に生じるシール部分に対する摺接摩擦力が小さく、シール部分に円滑に挿入し所望位置に正確に配設することができる
【選択図】 図1

Description

本発明は、シール部分への配設性に優れ且つ優れた止水性を有するシール材及びその製造方法に関する。
現在、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車輌等の各種分野におけるシール材として、発泡体が広く使用されている。このようなシール材に供される発泡体としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等からなる熱可塑性樹脂発泡体や、合成ゴム又は天然ゴムからなるゴム発泡体等が挙げられる。
最近では、高水圧下での水に対するシール性や、洗剤などの界面活性剤に対するシール性などの高性能なものが求められるようになってきている。又、組みつけの簡易性よりも反発力が小さいものが要求され、材料の柔軟性が要求され、或いは、使用時の圧縮率が低いシール材が望まれている。
シール材を圧縮率が小さい状態で用いるためには、シール材の厚み精度が求められる。このような場合には、ポリウレタン発泡体や、合成ゴム又は天然ゴムからなるゴム系発泡体などが用いられることが多い。
そして、特許文献1には、独立気泡と連続気泡との両気泡を有する発泡構造体で気泡皮膜を吸水膨潤性とし、しかも長さ1cm当たりの気泡数を8個以上としたことを特徴とする定型シ−ル材が提案されている。
しかしながら、上記定型シール材は、その発泡シートの表裏面が全面的に露出した状態となっており、シール部分への定型シール材の挿入時に、シール部分と発泡シートとの滑り性が悪く、シール部分への定型シール材の配設作業が円滑に行えないという問題点を有している。
特開平09−111899号公報
本発明は、シール部分への配設作業を容易に行え且つ優れたシール性を有するシール材及びその製造方法を提供する。
本発明のシール材Aは、図1に示したように、ゴム系樹脂発泡シート1の少なくとも一面に、亀裂21が形成された合成樹脂フィルム2から構成されている表皮層3が積層一体化されてなり、上記表皮層3を構成している上記合成樹脂フィルム2の亀裂21から上記ゴム系樹脂発泡シート1の表面が露出していることを特徴とする。
ゴム系樹脂発泡シート1を構成しているゴム系樹脂としては、室温でゴム弾性(rubber elasticity)を有するものであれば、特に限定されず、例えば、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)(NBR)、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどが挙げられ、ゴム系樹脂発泡シートのクッション性や耐久性に優れていることから、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)が好ましく、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)がより好ましい。なお、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)は、ニトリルゴム、ニトリル−ブタジエンゴム又はアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムともいい、又、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)は、スチロールゴムともいい、ブタジエンとスチレンの共重合ゴムである。
ゴム系樹脂中におけるアクリロニトリル−ブタジエンゴムの含有量は、少ないと、アクリル板や鋼板などへの密着性が低下して、シール材の止水性が低下することがあるので、30重量%以上が好ましく、50〜100重量%がより好ましい。
本発明のシール材Aは、ゴム系樹脂発泡シート1を備えているので、圧縮時の反発力に優れており、優れたシール性を発揮する。ゴム系樹脂発泡シートの独立気泡率は、小さいと、シール材の止水性が低下することがあるので、40%以上が好ましく、80〜100%がより好ましく、85〜100%が特に好ましい。
ここで、ゴム系樹脂発泡シート1の独立気泡率は、下記の要領で測定されたものをいう。先ず、ゴム系樹脂発泡シートから一辺が5cmの平面正方形状で且つ一定厚みの試験片を切り出す。そして、試験片の厚みを測定して試験片の見掛け体積V1を算出すると共に、試験片の重量W1を測定する。
次に、気泡の占める見掛け体積V2を下記式に基づいて算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度は1g/cm3とする。
気泡の占める見掛け体積V2=V1−W1
続いて、試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。しかる後、試験片を水中から取り出して試験片の表面に付着した水分を除去して試験片の重量W2を測定し、下記式に基づいて連続気泡率F1及び独立気泡率F2を算出する。
連続気泡率F1(%)=100×(W2−W1)/V2
独立気泡率F2(%)=100−F1
そして、ゴム系樹脂発泡シート1のJIS K7222に準拠した見掛け密度は、小さいと、ゴム系樹脂発泡シートが脆くなって強度が保てなくなり、長期間に亘って止水性を維持することができない一方、大きいと、ゴム系樹脂発泡シートが硬くなって圧縮柔軟性が低下し或いは圧縮時の反発力が大きくなり、シール部分が変形し、シール部分の隙間が拡大してシール性が低下するので、20〜100kg/m3が好ましい。なお、シール部分とは、シール材Aによって閉塞したい空間部を有する部分をいう。
更に、ゴム系樹脂発泡シート1の少なくとも一面には表皮層3が積層一体化されている。この表皮層3は、合成樹脂フィルムをその面方向に引っ張り力を加えて引き裂くことによって亀裂21が生じた合成樹脂フィルム2から構成されている。この合成樹脂フィルム2の亀裂21は、後述するように、シール材の原反となる発泡性樹脂シートの表面に積層一体化された合成樹脂フィルムを発泡工程における発泡性樹脂シートの表面の伸びによって面方向に引張り、合成樹脂フィルムを不規則に引き裂くことによって形成されたものである。
従って、ゴム系樹脂発泡シート1の少なくとも一面に積層一体化された表皮層3を構成している合成樹脂フィルム2の亀裂21は、不規則な形状を有している。そして、合成樹脂フィルム2の亀裂21を通じてゴム系樹脂発泡シート1の表面が不規則に露出した状態となっている。
よって、本発明のシール材Aをシール部分に挿入するにあたって、シール部分とゴム系樹脂発泡シート1とが接触する部分においては、ゴム系樹脂発泡シート1の粘着性に起因して摺接摩擦力が大きくなるものの、ゴム系樹脂発泡シート1の表面には、亀裂21が形成された合成樹脂フィルム2から構成された表皮層3が部分的に積層されており、この表皮層3部分においては、シール部分とシール材との摺接摩擦力の低減が図られている。
しかも、ゴム系樹脂発泡シート1の少なくとも一面に積層一体化されている合成樹脂フィルム2の亀裂21は、上述のように不規則な形状に形成されており、合成樹脂フィルム2の亀裂21から露出したゴム系樹脂発泡シート1の表面も不規則な形状を呈している。
従って、本発明のシール材Aは、シール部分に対して大きな摺接摩擦力を有するゴム系樹脂発泡シート1の表面が部分的に集中することなく散在した状態で露出しており、本発明のシール材Aのシール部分への挿入時、ゴム系樹脂発泡シート1の表面とシール部分との間の摺接摩擦力が部分的に大きくなるようなことはなく、シール材Aをシール部分に円滑に挿入し配設することができる。
そして、シール部分にシール材Aを配設した後は、表皮層3を構成している合成樹脂フィルム2の亀裂21から不規則に露出したゴム系樹脂発泡シート1の表面がシール部分に対して密着し全体として優れたシール性を発揮する。
ここで、表皮層3の元となっている合成樹脂フィルムを構成している合成樹脂としては、特に限定されず、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系樹脂などが挙げられ、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系エラストマーが好ましく、ポリオレフィン系樹脂がより好ましく、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレンが特に好ましい。なお、合成樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記α−オレフィンとしては特に限定されず、例えば、ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンなどが挙げられる。なお、α−オレフィンは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
合成樹脂フィルムは架橋されていることが好ましい。このように合成樹脂フィルムが架橋されていることによって、合成樹脂フィルムの延伸性が向上し、発泡性樹脂シートの発泡時に合成樹脂フィルムに引っ張り力を加えた場合、合成樹脂フィルム全体に均一に引っ張り力が加わり、合成樹脂フィルムが全体的に引き裂かれて、合成樹脂フィルムに複数の亀裂21が形成される。従って、得られるシール材において、亀裂21が形成された合成樹脂フィルム2は、より均一な厚みを有しており、合成樹脂フィルム2の亀裂21から露出しているゴム系樹脂発泡シート1の表面のシール部分への密着度合いを全体的に均一にして確実なものとすることができ、シール材は優れたシール性を有する。
なお、合成樹脂フィルムの架橋方法は、公知の方法を用いることができ、例えば、合成樹脂フィルムに、α線、β線、γ線、電子線などの電離性放射線を照射する方法、合成樹脂フィルムに有機過酸化物を含有させておき、この有機過酸化物を加熱、分解して合成樹脂を架橋させる方法などが挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、クミルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメンなどが挙げられる。
又、シール材Aにおいて、表皮層3がゴム系樹脂発泡シート1の表面を被覆している割合(以下「被覆率」ということがある)は、小さいと、ゴム系樹脂発泡シート1の表面の露出面積が大きくなり、シール材をシール部分に挿入する際に、シール材とこれに接触するシール部分との摺接摩擦力が大きくなって、シール材のシール部分への配設作業が困難となることがあり、大きいと、シール材のシール性が低下することがあるので、20〜80%が好ましく、30〜70%がより好ましい。
なお、シール材Aにおいて、表皮層3がゴム系樹脂発泡シート1の表面を被覆している割合は下記の要領で算出される。先ず、シール材から直径が40mmの平面円形状の試験片を切り出す。この試験片を2枚の互いに平行なアクリル樹脂板間に挟み、試験片をその厚みが圧縮前の25%となるように厚み方向に2枚のアクリル樹脂板で圧縮する。
次に、試験片における表皮層が形成された面をアクリル樹脂板を透して光学顕微鏡により撮影する。なお、試験片の中心を中心とした半径が15mmの仮想円上にて90°の位相差毎の四点と、試験片の中心との合計五ヶ所において、縦2.82mm×横2.14mmの長方形状の範囲を撮影する。なお、長方形状の撮影範囲の対角線の交点と、上記仮想円上の四点及び上記試験片の中心とが合致するようにする。
得られた顕微鏡写真毎に合成樹脂フィルム2の合計面積を算出し、撮影面積に対する合成樹脂フィルム2の合計面積の百分率(被覆割合)を算出する。そして、顕微鏡写真毎に算出された被覆割合の相加平均値を被覆率とする。なお、ゴム系樹脂発泡シートの両面に表皮層が積層一体化されている場合、ゴム系樹脂発泡シートの片面毎に被覆率を算出し、各面の被覆率の相加平均値を被覆率とする。
次に、上記シール材Aの製造方法について説明する。先ず、ゴム系樹脂及び熱分解型発泡剤を含有する発泡性樹脂シートを製造する。発泡性樹脂シートの製造方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、(1)ゴム系樹脂、架橋剤及び熱分解型発泡剤を含有する発泡性原料組成物を必要に応じてバンバリーミキサーや加圧ニーダなどの混練機で混練した後、カレンダー、押出機、コンベアベルトキャスティングなどにより連続的に混練して発泡性樹脂シートを製造する方法、(2)ゴム系樹脂及び熱分解型発泡剤を含有する発泡性原料組成物を必要に応じてバンバリーミキサーや加圧ニーダなどの混練機で混練した後、カレンダー、押出機、コンベアベルトキャスティングなどにより連続的に混練して発泡性シートを製造し、この発泡性樹脂シートに電離性放射線を照射して発泡性樹脂シートを架橋する発泡性樹脂シートの製造方法などが挙げられる。
架橋剤としては、例えば、有機過酸化物、硫黄、硫黄化合物などが挙げられ、有機過酸化物が好ましい。電離性放射線としては、例えば、α線、β線、γ線、電子線などが挙げられる。有機過酸化物としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、クミルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメンなどが挙げられ、上記硫黄化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、一塩化硫黄、二塩化硫黄などが挙げられる。
又、発泡性原料組成物中における架橋剤の含有量は、少ないと、発泡性原料組成物のゲル分率(架橋度)が発泡に適したものとならずに破泡してしまい、ゴム系樹脂発泡シートを得ることできないことがあり、多いと、発泡性原料組成物のゲル分率(架橋度)が上がりすぎて、発泡性原料組成物が発泡しないことがあるので、ゴム系樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部が好ましく、0.1〜7重量部がより好ましい。
上記熱分解型発泡剤とは加熱により分解して発泡ガスを発生させるものをいい、このような熱分解型発泡剤としては、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。なお、熱分解型発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
発泡性原料組成物中における熱分解型発泡剤の含有量は、少ないと、ゴム系樹脂発泡シートの発泡倍率が上がらずに見掛け密度が高くなってしまい、ゴム系樹脂発泡シートの反発力が高くなることがあり、多いと、ゴム系樹脂発泡シートの見掛け密度が低くなり、圧縮永久歪みが大きくなり、ゴム系樹脂発泡シートの形状回復性が低下して、長期間に亘って優れたシール性を維持することができないことがあるので、ゴム系樹脂100重量部に対して3〜20重量部が好ましく、5〜15重量部がより好ましい。
又、電離性放射線の照射量としては、ゴム系樹脂の特性によって適宜、調整すればよく、0.5〜10Mradが好ましく、0.7〜5.0Mradがより好ましい。
次に、発泡性樹脂シートの少なくとも一面に合成樹脂フィルムを積層一体化させて積層シートを製造する。発泡性樹脂シートの少なくとも一面に合成樹脂フィルムを積層一体化させる方法としては、特に限定されず、例えば、発泡性樹脂シートの少なくとも一面に合成樹脂フィルムを押出ラミネートする方法、発泡性樹脂シートの少なくとも一面に予め製造しておいた合成樹脂フィルムを熱融着によって積層一体化させる方法などが挙げられる。
そして、上記(1)の製造方法で製造した発泡性樹脂シートを用いた場合には、積層シートを加熱して発泡性樹脂シートを架橋しつつ或いは架橋後に発泡させればよく、上記(2)の製造方法で製造した発泡性樹脂シートを用いた場合には、積層シートを加熱して発泡性樹脂シートを発泡させればよい。
この積層シートの発泡性樹脂シートの発泡時、この発泡性樹脂シートの表面積は発泡に伴って広がり、発泡性樹脂シートの表面に積層一体化された合成樹脂フィルムは発泡性樹脂シートの表面に追従するため、合成樹脂フィルムにその面方向に引っ張り力が加えられるものの、合成樹脂フィルムは発泡性樹脂シート程、伸長することはないため、合成樹脂フィルムは任意の部分から引き裂かれて合成樹脂フィルムに亀裂21が形成され、この亀裂21が形成された合成樹脂フィルム2は、発泡性樹脂シートを発泡させて得られるゴム系樹脂発泡シートの表面に積層一体化された状態となって表皮層3を形成すると共に、合成樹脂フィルム2の亀裂21を通じてゴム系樹脂発泡シートの表面が露出した状態となってシール材Aが製造される。
このように、発泡性樹脂シートの発泡に伴って合成樹脂フィルムに引っ張り力が加えられて合成樹脂フィルムが不規則に引き裂かれるので、合成樹脂フィルムには不規則な形状を有する亀裂21が形成され、そして、合成樹脂フィルム2の亀裂21からは不規則にゴム系樹脂発泡シート1の表面が露出した状態となっている。
そして、本発明のシール材Aを使用するにあたっては、隙間を埋めたいシール部分にシール材Aを圧縮状態にして挿入、配設し、シール材Aの弾性回復力によってシール部分の隙間を閉塞する。
しかるに、シール材Aをシール部分に配設するにあたっては、シール材Aの表面をシール部分に摺接させながらシール材Aをシール部分に挿入するが、上述のように、シール材Aの表面には、シール部分に対して摺接摩擦力の小さな合成樹脂フィルム2から構成された表皮層3が形成されているので、シール材Aとシール部分との摺接摩擦力を低減してシール材Aをシール部分に円滑に挿入、配設することができると共に、シール材Aをシール部分に配設した後は、合成樹脂フィルム2の亀裂21を通じて露出しているゴム系樹脂発泡シート1の表面がシール部分に確実に密着して優れたシール性を発揮する。
例えば、図2及び図3に示したように、板状体Bに形成された貫通孔B1に管体Cが挿通されてなり、この管体Cとこれに対向する板状体Bの貫通孔B1の内周面との間に形成されたシール部分Dをシール材Aでシールするには、帯状のシール材Aを用意し、このシール材Aをその表皮層3が外側となるように管体Cの外周面にその周方向の全周に亘って巻回した後、管体Cをシール材Aが板状体Bの貫通孔B1内に位置するように挿入、配設する。この際、シール材Aの外周面には表皮層3が形成されており、板状体Bの貫通孔B1の内周面とシール材Aの外周面との摺接摩擦力が抑制されているので、管体Cを板状体Bの貫通孔B1内に円滑に挿入し、シール材Aをシール部分Dに容易に配設することができる。そして、シール材Aの外周面には合成樹脂フィルム2の亀裂21からゴム系樹脂発泡シート1の表面が露出し、この露出したゴム系樹脂発泡シート1の表面が板状体Bの貫通孔B1の内周面に密着してシール部分Dを確実に閉塞し優れたシール性を発揮する。
本発明のシール材は、上述の通り、ゴム系樹脂発泡シートの少なくとも一面に、亀裂が形成された合成樹脂フィルムから構成されている表皮層が積層一体化されているので、シール部分に挿入する際に生じるシール部分に対する摺接摩擦力が小さく、よって、本発明のシール材はシール部分に円滑に挿入し所望位置に正確に配設することができる。
そして、本発明のシール材は、合成樹脂フィルムの亀裂を通じてゴム系樹脂発泡シートの表面が不規則に露出しており、このゴム系樹脂発泡シートの表面がシール部分に確実に密着して優れた止水性などの優れたシール性を発揮する。
シール材を示した模式平面図である。 シール材の使用要領を示した模式断面図である。 シール材の使用要領を示した模式断面図である。
(実施例1)
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR、密度:980kg/m3)100重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製 商品名「SO−L」)15重量部及びフェノール系酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 商品名「イルガノックス1010」)0.1重量部を押出機に供給して溶融混練して押出機から押出して厚みが1mmの発泡性樹脂シートを得た。
得られた発泡性樹脂シートの一面に押出ラミネートによって厚みが20μmで且つ架橋された高密度ポリエチレンフィルム(密度:950kg/m3)を積層一体化して積層シートを得た。しかる後、発泡性樹脂シートの両面に加速電圧500keVにて電子線を2Mrad照射して発泡性樹脂シートを架橋させた。
次に、積層シートを240℃に加熱することによって発泡性樹脂シートを発泡させてゴム系樹脂発泡シート(見掛け密度:33kg/m3)とする共に、発泡性樹脂シートの一面に積層一体化させた高密度ポリエチレンフィルムに、発泡性樹脂シートの発泡に伴う表面積の広がりによって引っ張り力を加えて引き裂いて、高密度ポリエチレンフィルムに不規則な形状を有する亀裂を形成し、この亀裂が形成された高密度ポリエチレンフィルムからなる表皮層がゴム系樹脂発泡シートの一面に積層一体化されており、高密度ポリエチレンフィルムの亀裂を通じてゴム系樹脂発泡シートが露出してなる厚みが3mmのシール材A(見掛け密度:33kg/m3)を得た。
(実施例2)
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR、密度:980kg/m3)100重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製 商品名「SO−L」)15重量部及びフェノール系酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ社製 商品名「イルガノックス1010」)0.1重量部を押出機に供給して溶融混練して押出機から押出して厚みが1mmの発泡性樹脂シートを得た。
得られた発泡性樹脂シートの両面に加速電圧500keVにて電子線を2Mrad照射して発泡性樹脂シートを架橋させた。次に、発泡性樹脂シートの一面に押出ラミネートによって厚みが20μmで且つ架橋された高密度ポリエチレンフィルム(密度:950kg/m3)を積層一体化して積層シートを得た。
次に、積層シートを240℃に加熱することによって発泡性樹脂シートを発泡させてゴム系樹脂発泡シート(見掛け密度:33kg/m3)とする共に、発泡性樹脂シートの一面に積層一体化させた高密度ポリエチレンフィルムに、発泡性樹脂シートの発泡に伴う表面積の広がりによって引っ張り力を加えて引き裂いて、高密度ポリエチレンフィルムに不規則な形状を有する亀裂を形成し、この亀裂が形成された高密度ポリエチレンフィルムからなる表皮層がゴム系樹脂発泡シートの一面に積層一体化されており、高密度ポリエチレンフィルムの亀裂を通じてゴム系樹脂発泡シートが露出してなる厚みが3mmのシール材A(見掛け密度:33kg/m3)を得た。
(比較例1)
高密度ポリエチレンフィルムを発泡性樹脂シートの一面に積層一体化しなかったこと以外は実施例1と同様にしてシール材を得た。
(比較例2)
高密度ポリエチレンフィルムの代わりに厚みが80μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にしてシール材を得た。なお、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムは、発泡性樹脂シートの発泡時において、発泡性樹脂シートの一面の広がりによる引っ張り力にもかかわらず引き裂かれることなく延伸し、発泡性樹脂シートを発泡させて得られたゴム系樹脂発泡シートの一面には直鎖状低密度ポリエチレンフィルムが全面的に積層一体化されていた。
得られたシール材について、組み付け性及び止水性を下記の要領で、被覆率を上記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(組み付け性)
シール材から直径が40mmの平面円形状の試験片を切り出した。この試験片における表皮層が積層されていない面に両面テープ(積水化学工業社製 商品名「#5761」)を貼着した。
次に、ステンレス板(SUS304 2B)を用意し、このステンレス板上に試験片をその表皮層がステンレス板に対向した状態となるように載置した。しかる後、試験片の両面テープ上に一辺が100mmの平面正方形状のアクリル樹脂板を載置し、このアクリル樹脂板をステンレス板に向かって押圧して試験片をその厚みが圧縮前の25%となるように厚み方向に圧縮した。
上記圧縮状態でアクリル樹脂板をステンレス板に対して平行方向に100mmだけ移動させて、下記基準に基づいて判断した。
◎・・・抵抗を殆ど感じずにアクリル樹脂板を移動可能であった。
○・・・抵抗を感じるがアクリル樹脂板を移動可能であった。
×・・・抵抗が大きくアクリル樹脂板の移動が困難であった。
(止水性)
シール材から幅が10mmで且つ平面U字状の試験片を打ち抜いて形成した。次に、一対のアクリル樹脂板で試験片をその厚み方向に挟持し、試験片をアクリル樹脂板で圧縮前の厚みの25%の厚みとなるまで厚み方向に圧縮した。
試験片を上記圧縮状態で23℃にて1時間に亘って放置した後、平面U字状の試験片と一対のアクリル樹脂板とで囲まれた空間部内に高さが100mmとなるように水を注入し、水を注入してから1時間以内に漏水が生じなかった場合を「○」、1時間以内に漏水が生じた場合を「×」として評価した。
1 ゴム系樹脂発泡シート
2 合成樹脂フィルム
21 亀裂
3 表皮層
A シール材
B 板状体
B1 貫通孔
C 管体
D シール部分

Claims (7)

  1. ゴム系樹脂発泡シートの少なくとも一面に、亀裂が形成された合成樹脂フィルムから構成されている表皮層が積層一体化されてなり、上記表皮層を構成している上記合成樹脂フィルムの亀裂から上記ゴム系樹脂発泡シートの表面が露出していることを特徴とするシール材。
  2. 表皮層がゴム系樹脂発泡シートの表面を被覆している割合が20〜80%であることを特徴とする請求項1に記載のシール材。
  3. 合成樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシール材。
  4. ポリオレフィン系樹脂フィルムが架橋されていることを特徴とする請求項3に記載のシール材。
  5. ゴム系樹脂発泡シートを構成しているゴム系樹脂がアクリロニトリル−ブタジエンゴムを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のシール材。
  6. ゴム系樹脂及び熱分解型発泡剤を含有する発泡性樹脂シートの少なくとも一面に合成樹脂フィルムを積層一体化して積層シートを製造し、この積層シートの発泡性樹脂シートを加熱して発泡させてゴム系樹脂発泡シートを製造すると共に、上記発泡性樹脂シートの発泡によって上記合成樹脂フィルムにその面方向に引張力を加えて引き裂いて亀裂を生じさせ、この亀裂が生じた合成樹脂フィルムによって表皮層を形成すると共に、上記合成樹脂フィルムの亀裂からゴム系樹脂発泡シートの表面を露出させていることを特徴とするシール材の製造方法。
  7. ゴム系樹脂がアクリロニトリル−ブタジエンゴムであることを特徴とする請求項6に記載のシール材の製造方法。
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