JP6901366B2 - 粘着性テープ及び積層構造体 - Google Patents
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Description
シール材としては、柔軟性がよく、防水性能に優れることから発泡体が用いられるが多い。発泡体を使用する場合は、被着体(例えば電子機器を構成する部材)に対する密着性を向上させるため、発泡体の表面に粘着材を付与して粘着性テープとして用いることが知られている(特許文献1)。また、このような粘着性テープとしては、一度被着体に貼付した後に、位置調整や部品交換等する場合における剥離性能(リワーク性)が良好であることが求められている。
また、剥離時に、発泡体の部分が千切れないようにするために、粘着材の粘着力を低下させ、粘着材と被着体との界面で剥がせるようにすることも考えられるが、その場合は、被着体に対する密着性が悪くなり、シール性が低下する場合がある。
以上より、本発明の課題は、シール性が良好で、かつリワーク性に優れた粘着性テープを提供することにある。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供するものである。
[1]自着性を有する第1発泡体層と、第2発泡体層とが積層された発泡体と、第2発泡体層の第1発泡体層とは反対側の表面に積層された粘着材とを有する、粘着性テープ。
[2]前記第1発泡体層と前記第2発泡体層とが熱ラミネートされている、上記[1]に記載の粘着性テープ。
[3]前記第1発泡体層の見掛け密度が0.01〜0.1g/cm3であり、前記第2発泡体層の見掛け密度が0.05〜0.8g/cm3である、上記[1]又は[2]に記載の粘着性テープ。
[4]前記第1発泡体層の見掛け密度が第2発泡体層の見掛け密度よりも低い、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着性テープ。
[5]前記発泡体の25%圧縮強度が5〜50kPaである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着性テープ。
[6]前記発泡体の厚みが0.1〜10mmである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の粘着性テープ。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の2枚の粘着性テープを、第1発泡体層同士を貼り合わせるように積層した層構成を有する積層構造体。
本発明の粘着性テープは、自着性を有する第1発泡体層と、第2発泡体層とが積層された発泡体と、第2発泡体層の第1発泡体層とは反対側の表面に積層された粘着材とを有する。自着性を有する第1の発泡体層及び粘着材は、粘着性テープの最外層を形成しており、被着体に対して粘着性を有する。また、第1発泡体層と第2発泡体層の間の接着強度が相対的に弱く、粘着性テープを被着体に貼付した後に剥がす場合に、両者の界面で層間剥離しやすくなっている。このため、本発明の粘着性テープは、剥離する際に発泡体が千切れることが少なく、リワーク性が良好であると考えられる。
本発明の発泡体は、自着性を有する第1発泡体層と第2発泡体層とが積層されている。
発泡体の厚みは特に限定されないが、0.1〜10mmであることが好ましく、0.3〜8mmであることが好ましく、0.5〜6mmであることがさらに好ましい。発泡体の厚みが0.1mm以上であると、機械的強度が高くなり、リワーク性が良好になりやすい。一方、発泡体の厚みが10mm以下であると、粘着性テープをスペースの狭い部材間に配置しやすくなる。
本発明の発泡体の25%圧縮強度は、好ましくは5〜50kPaであり、より好ましくは8〜30kPaである。発泡体の25%圧縮強度を50kPa以下とすることで、柔軟性が適切になるため、粘着性テープのシール性及び耐衝撃性が優れたものとなる。発泡体の25%圧縮強度は、後述する第1発泡体層及び第2発泡体層の樹脂の種類、見掛け密度などを調整することによって、所望の値とすることが可能となる。
第1発泡体層は自着性を有する。本発明における自着性とは、粘着性を有するとともに、例えば、同種の層同士を常温下で当接するように載置した際に、容易に接着し、好ましくは両層が一体化して接合面が不明瞭になる特性をいう。
第1発泡体層の見掛け密度は、特に限定されないが、0.01〜0.1g/cm3であることが好ましく、0.02〜0.08g/cm3であることがより好ましく、0.03〜0.05g/cm3であることが更に好ましい。
このような比較的低い見掛け密度とすることで、第1発泡体層の柔軟性が良好になり、粘着性テープのシール性が向上する。
第1発泡体層の見掛け密度は、後述する第2発泡体層の見掛け密度よりも低くすることが好ましく、第1発泡体層の見掛け密度は第2発泡体層の見掛け密度の1/2以下とすることがより好ましく、1/3以下とすることがさらに好ましい。このように、第1発泡体層の見掛け密度を、第2発泡体層よりも低くすると、リワーク性が良好になる傾向がある。
0.5〜7mmであることがより好ましく、0.8〜6mmであることが更に好ましい。
また上記のように、第1発泡体層の見掛け密度を、第2の発泡体の見掛け密度よりも低くする場合は、第1発泡体層の厚みは、後述する第2発泡体層の厚みよりも厚いことが好ましい。これにより、粘着性テープの柔軟性及びシール性が良好となる。
オレフィン系ゴムとしては、2種類以上のオレフィン系モノマーが実質的にランダムに共重合した非晶質もしくは低結晶性のゴム状物質であり、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムが好ましい。
ここで、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムに使用されるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、2−メチルプロピレン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセンなどの炭素原子数3〜10程度のオレフィン1種または2種以上が挙げられ、これらの中ではプロピレンが好ましい。
また、オレフィン系ゴムは、オレフィン以外の単量体からなる繰り返し単位を含有していてもよく、その単量体としては、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン等の炭素原子数5〜15程度の非共役ジエン化合物で代表されるジエン化合物が挙げられる。
オレフィン系ゴムは、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。オレフィン系ゴムは、室温(23℃)で液体となる液状ゴムであってもよいし、固体となるものであってもよいし、これらの混合物であってもよい。
好ましいオレフィン系ゴムの具体例としては、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)が挙げられ、中でもEPDMがより好ましい。
シリコーン樹脂は、硬化性シリコーン樹脂材料の硬化物であることが好ましい。また、シリコーン樹脂は、二液混合型液状タイプの付加反応型シリコーン樹脂であることが好ましい。そのような硬化性シリコーン樹脂材料は、例えば1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金系触媒とからなるものである。硬化性シリコーン樹脂材料の市販品例としては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の2成分加熱硬化型液状シリコーンゴム「TSE3032」等が挙げられる。
アクリル樹脂は、アクリレート、メタクリレート、及びこれらの両方を含むモノマーを重合した重合体であることが好ましい。なお、以下では、アクリレート及びメタクリレートの一方又は両方を、(メタ)アクリレートと総称する。
アクリル樹脂は、通常、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する。アルキル(メタ)アクリレートは、通常、アルキル基の炭素数が12以下のものが使用され、好ましくはアルキル基の炭素数が3〜12のものが使用される。具体的には、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アクリル樹脂は、炭素数3〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位をアクリル樹脂中に70〜100質量%含むことが好ましく、80〜100質量%含むことがさらに好ましく、90〜100質量%含むことが特に好ましい。
また、アクリル樹脂を構成するためのモノマーには、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートのような多官能性(メタ)アクリレートを若干量で含んでもよい。このようなモノマーは、硬化後にアクリル系ポリマーに架橋構造を与え、発泡体シートの凝集性に寄与する効果を有する。また、アクリル樹脂は、上記のモノマー以外でも、上記モノマーと共重合可能なモノマー由来の構成単位を有していてもよい。
本発明のおける第1発泡体層を形成するための樹脂としては、ブチルゴムを用いることが好ましい。また、上記したオレフィン系ゴムとブチルゴムとを併用することがより好ましく、エチレン−プロピレン−ジエンゴムとブチルゴムとを併用することがより好ましい。
エチレン−プロピレン−ジエンゴムとブチルゴムとの質量比(エチレン−プロピレン−ジエンゴム/ブチルゴム)は、1/99〜90/10であることが好ましく、2/98〜70/30であることがより好ましい。
第1発泡体層を形成するための樹脂には、本発明の目的に反しない限り、上記した、樹脂以外の、その他の樹脂成分を含有させてもよい。
その他の樹脂成分としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
本発明の第2発泡体層は、自着性を有する第1発泡体上に積層されるものである。本発明の粘着性テープは、第2発泡体層を有していることで、リワーク性が良好となる。また、第2発泡体層は、第1発泡体層とは異なり、自着性を有しない発泡体層であることが好ましい。
本発明の第2発泡体層の厚みは、特に限定されないが、0.02〜5mmであることが好ましく、0.05〜3mmであることがより好ましく、0.08〜1.5mmであることがさらに好ましい。このような厚みの範囲とすることで、粘着性テープの総厚みを薄くすることができる。
本発明の第2発泡体層の見掛け密度は、特に限定されないが、0.05〜0.8g/cm3であることが好ましく、0.08〜0.8g/cm3であることがより好ましく、0.1〜0.6g/cm3であることがさらに好ましい。
粘着性テープのリワーク性を良好とする観点から、第1発泡体層を構成する樹脂とは別の種類の樹脂を用いた方が好ましく、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、又はこれらの混合物が挙げられるが、ポリエチレン系樹脂が好ましい。
ポリエチレン系樹脂は、エチレン単独重合体でもよいが、エチレンと必要に応じて少量(例えば、全モノマーの30質量%以下、好ましくは10質量%以下)のα−オレフィンとを共重合することにより得られるポリエチレン系樹脂が好ましい。
ポリエチレン系樹脂を構成するα−オレフィンとして、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、及び1−オクテン等が挙げられる。なかでも、炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン単位を50質量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられ、これらの中では、炭素数6〜12のα−オレフィンが好ましい。
なお、メタロセン化合物を触媒として用いることにより得られたポリエチレン系樹脂を用いる場合、その含有量は、ポリオレフィン系樹脂全体の40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、100質量%がより更に好ましい。
第2発泡体層は、第2発泡体層全量基準で、ポリオレフィン系樹脂が80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明において、粘着材は、粘着剤層単層であってもよいし、基材と基材の両面に設けられた粘着剤層とを備える両面粘着性テープであってもよいが、粘着剤層単体であることが好ましい。
粘着材の厚みは、実用的には、5μm以上が好ましく、より好ましくは7〜80μmである。なお、粘着材の厚みとは、粘着材が粘着剤層単層からなる場合には、その粘着剤層の厚みを意味し、両面粘着性テープである場合には、両面粘着性テープの総厚みを意味する。
粘着性テープにおける発泡体は、後述する方法により第1発泡体層及び第2発泡体層とを得て、これらを積層させることで得られる。積層方法としては、公知の方法を適用でき、例えば、第1発泡体層と第2発泡体層とを公知の接着剤により接合する方法、第1発泡体層と第2発泡体層とを熱ラミネートする方法などが挙げられ、この中でも、粘着性テープのリワーク性を良好とする観点から、熱ラミネートが好ましい。
熱ラミネートは、第1発泡体層と第2発泡体層とを重ね合わせて、一定の温度で、一定の圧力をかけることで行うことができる。粘着性テープのリワーク性を良好とする観点から、熱ラミネートを行う際の圧力は0.1〜8MPaであることが好ましく、0.2〜6MPaであることがより好ましく、温度は400〜750℃であることが好ましく、500〜650℃であることがより好ましい。
第1発泡体層は、製造方法に制限はなく、一般的な製造方法で製造できるが、通常、樹脂組成物を必要に応じて架橋した後、発泡することにより製造されるものである。
具体的には、発泡シートは、例えば以下の工程(1)〜(3)を有する方法により製造する。
工程(1):第1発泡体層を形成するための樹脂、熱分解型発泡剤、及びその他の添加剤を溶融混練し、該溶融混練物をプレスする方法、又は該溶融混練物を押出機から押出す方法によりシート状にされた樹脂組成物を得る工程
工程(2):シート状にされた樹脂組成物を架橋する工程
工程(3):架橋させたシート状の樹脂組成物を加熱し、熱分解型発泡剤を発泡させる工程
第1発泡体層を形成するための樹脂100質量部に対して、熱分解型発泡剤が5〜50質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましい。
分解温度調整剤は、熱分解型発泡剤の分解温度を低くしたり、分解速度を速めたり調節するものとして配合されるものであり、具体的な化合物としては、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素等が挙げられる。分解温度調整剤は、発泡シートの表面状態等を調整するために、例えば第1発泡体層を形成するための樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部配合する。
架橋助剤としては、多官能モノマーを使用することができる。架橋助剤を第1発泡体層を形成するための樹脂に添加することによって、工程(2)において照射する電離性放射線量を低減して、電離性放射線の照射に伴う樹脂分子の切断、劣化を防止する。
架橋助剤としては具体的には、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等の1分子中に3個の官能基を持つ化合物や、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等の1分子中に2個の官能基を持つ化合物、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。これらの架橋助剤は、単独で又は2以上を組み合わせて使用する。
架橋助剤の添加量は、第1発泡体層を形成するための樹脂100質量部に対して0.2〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましく、0.5〜5質量部が更に好ましい。該添加量が0.2質量部以上であると第1発泡体層が所望する架橋度を安定して得ることが可能となり、10質量部以下であると第1発泡体層の架橋度の制御が容易となる。
また、酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
なお、シート状の樹脂組成物の発泡は、熱分解型発泡剤を用いる例に限定されず、ブタンガス等による物理発泡を用いてもよいし、メカニカルフロス法等を用いてもよい。
架橋に使用する有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。有機過酸化物の添加量は、第1発泡体層を形成するための樹脂100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。有機過酸化物の添加量が上記範囲内であると、樹脂組成物の架橋が進行しやすく、また、発泡シートに残存する有機過酸化物の分解残渣の量が抑制される。
電離性放射線の照射量は、0.5〜20Mradが好ましく、3〜15Mradがより好ましい。
これらのシート状の樹脂組成物を架橋する方法は、いずれか一方を使用してもよいし併用してもよいが、均質に架橋を行う観点から、電離性放射線を照射する方法が好ましい。
第2発泡体層の製造方法としては、上記した第1発泡体層の製造方法と同様に行えばよい。すなわち、上記した第1発泡体層の製造方法の記載において、「第1発泡体層を形成するための樹脂」を「第2発泡体層を形成するための樹脂」に置き換えればよい。
ただし、熱分解型発泡剤の量に関しては、第2発泡体層を形成するための樹脂100質量部に対して、熱分解型発泡剤が0.5〜15質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
粘着材は、公知の方法で形成でき、例えば、粘着剤をロール法、アプリケーター法、バーコーター法、及びナイフコーター法等により第2発泡体層表面に塗布することにより塗膜を形成した後、必要に応じて40〜130℃程度の条件下、1〜30分間乾燥させることで形成させることができる。
本発明の粘着性テープは、電子機器、建築、車両等の各分野の部材(被着体)間の隙間を埋めて水の浸入を防止するシール材として好適に使用される。この中でも電子機器用途に使用することが好ましい。電子機器としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット型端末、電子ペーパー、ノート型PC、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の携帯電子機器が好ましい。
シール構造体10を得る別の工程としては、粘着性テープXの粘着材側を被着体12Aに貼り合わせた被着体/粘着性テープ積層体A、粘着性テープYの粘着材側を被着体12Bに貼り合わせた被着体/粘着性テープ積層体Bを準備して、両積層体A及びBの自着性を有する発泡体層14A及び14Bを対向させて貼り合わせてもよい。
また、第1発泡体層14A及び14Bはそれぞれ自着性を有するため、両者の親和性が高く、界面の接着力が高い。一方で、第1発泡体層14A及び第2発泡体層13A、並びに第1発泡体層14B及び第2発泡体層13Bは、例えば、熱ラミネートにより積層されており、かつ両者の密度差も大きいため、相対的に接着力が低い。したがって、被着体12A及び被着体12Bから積層構造体11を剥離する際には、第1発泡体層14Aと第2発泡体層13Aの層間、あるいは第1発泡体層14B及と第2発泡体層13Bの層間で剥離しやすく、発泡体層の千切れが生じ難い。
このように、積層構造体11は、シール性及びリワーク性に優れるものである。
なお、本発明における各物性の測定方法、評価方法は以下のとおりである。
JIS K 7222に準拠して測定した。
[25%圧縮強度]
発泡体の厚さ方向の25%圧縮強度は、JIS K 6767に準拠して測定した。
[リワーク性]
室温23℃、相対湿度50%の環境下において、50mm×100mmのサイズにカットした粘着性テープの粘着材側をSUS板1に貼り付けて、自着性を有する発泡体層を表面に有するSUS板1を得た。また、同じ種類の粘着性テープを別途用意し、同様にSUS板2に貼り付け、自着性を有する発泡体層を表面に有するSUS板2を得た。
SUS板1及び2の自着性を有する発泡体層同士を対向させて、SUS板1及び2を貼り付けて、リワーク性評価用試料を作製した。
評価は、SUS板1及び2を剥がす際の、剥がれ状態を官能評価することで行い、発泡体の千切れが確認されなかった場合をリワーク性「A」、剥離が生じ難かったり、発泡体の千切れが生じた場合をリワーク性「B」とした。
ポリオレフィン系樹脂A・・直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(ダウケミカル社製、商品名「アフィニティーPL1850」、密度0.902g/cm3)を用いた。
ポリオレフィン系ゴムB・・ブチルゴム(JSR株式会社製「BUTYL065」)とエチレン−プロピレン−ジエンゴム(JSR株式会社製「EP21」)の70:30(質量比)のブレンド物を用いた。
ポリオレフィン系ゴムB100質量部、熱分解型発泡剤を15質量部、酸化防止剤3質量部を、130℃で溶融混練した後、プレスして、シート状のポリオレフィン系ゴム組成物を得た。次にシート状のポリオレフィン系ゴム組成物を、加速電圧500kV、照射量1.5Mradの電離放射線を照射して架橋した後、熱風及び赤外線ヒーターにより250℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで発泡させ、厚さ1.0mmの自着性を有する第1発泡体層を得た。
ポリオレフィン系樹脂A100質量部、熱分解型発泡剤を1.5質量部、酸化防止剤1質量部を、130℃で溶融混練した後、プレスして、シート状のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。次にシート状のポリオレフィン系樹脂組成物を、その両面に加速電圧500kVの電子線を7Mrad照射して架橋した後、熱風及び赤外線ヒーターにより250℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで発泡させ、MD方向に2.5倍、TD方向に2.0倍に延伸して、厚さ0.1mmの第2発泡体層を得た。
得られた第1発泡体層と第2発泡体層とを、圧力0.8MPa、温度650℃の条件で熱ラミネートをして、発泡体を得た。
次いで、アクリル系粘着性テープ(TESA製、「4900」)を用いて、得られた発泡体の第2発泡体層上に50μmの粘着材(粘着剤層)を形成させ、粘着性テープAとした。
該粘着性テープAを用いて、各種評価を行い、結果を表1に示した。
組成を表1のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着性テープB〜Fを得た。
該粘着性テープB〜Fを用いて、各種評価を行い結果を表1に示した。
ポリオレフィン系ゴムB100質量部、熱分解型発泡剤を15質量部、酸化防止剤3質量部を、130℃で溶融混練した後、プレスして、シート状のポリオレフィン系ゴム組成物を得た。次にシート状のポリオレフィン系ゴム組成物を、その両面に加速電圧450kVの電子線を1.5Mrad照射して架橋した後、熱風及び赤外線ヒーターにより250℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで発泡させ、厚さ3.0mmの自着性を有する第1発泡体層を得た。
得られた発泡体の第1発泡体層の一方の表面に、アクリル系粘着性テープ(TESA製、「4900」)を張り合わせ、厚さ50μmの粘着剤層を形成させて、粘着性テープGを得た。
該粘着性テープGを用いて、各種評価を行い結果を表2に示した。
組成を表2のとおりに変更した以外は、比較例1と同様にして粘着性テープHを得た。
該粘着性テープHを用いて、各種評価を行い結果を表2に示した。
一方で、比較例1、2の粘着性テープは、剥離が困難であったり、発泡体の破れなどが生じ、リワーク性が良好ではなかった。
11 積層構造体
12A 被着体
13A 第2発泡体層
14A 第1発泡体層
15A 粘着材
12B 被着体
13B 第2発泡体層
14B 第1発泡体層
15B 粘着材
Claims (5)
- 自着性を有する第1発泡体層と、第2発泡体層とが積層された発泡体と、第2発泡体層の第1発泡体層とは反対側の表面に積層された粘着材(ただし発泡した粘着材を除く)とを有し、前記第1発泡体層の見掛け密度が0.03〜0.05g/cm 3 であり、前記第2発泡体層の見掛け密度が0.1〜0.6g/cm 3 である、粘着性テープ。
- 前記第1発泡体層と前記第2発泡体層とが熱ラミネートされている、請求項1に記載の粘着性テープ。
- 前記発泡体の25%圧縮強度が5〜50kPaである、請求項1又は2に記載の粘着性テープ。
- 前記発泡体の厚みが0.1〜10mmである、請求項1〜3のいずれかに記載の粘着性テープ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の2枚の粘着性テープを、第1発泡体層同士を貼り合わせるようにして積層した層構成を有する積層構造体。
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