JP2011153076A - 多環式n−オキシル化合物を用いるアルコールの酸化方法 - Google Patents

多環式n−オキシル化合物を用いるアルコールの酸化方法 Download PDF

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Koji Iwabuchi
好治 岩渕
Masatoshi Shibuya
正俊 澁谷
Masaki Tomizawa
正樹 富澤
Yuji Osada
祐二 長田
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Abstract

【課題】アルコール化合物の新規な酸化方法を提供する。
【解決手段】下記スキーム:
【化1】
Figure 2011153076

で表される、多環式N−オキシル化合物を触媒として用い、亜硝酸化合物の存在下、酸素を用いることを特徴とするアルコール化合物の酸化方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、多環式N−オキシル化合物を用いるアルコールの酸素による酸化方法に関する。
空気による酸化反応は、安全性及び環境調和性という観点から、理想的な酸化プロセスとして期待を集めている。空気を酸化剤として用いるアルコール類の酸化方法としては、パラジウム化合物を用いる例(例えば、非特許文献1及び非特許文献4)、コバルト錯体を用いる例(例えば、非特許文献2)、ルテニウム化合物を用いる例(例えば、非特許文献6)、2,2,6,6−テトラメチルピリジン−N−オキシル(TEMPO)及びその誘導体を用いる例(例えば、特許文献1、及び非特許文献3、5、7、8、9、10)が知られている。
特開2006−176527号公報 J.Chem.Commun,1977,157−158 J.Am.Chem.Soc,1981,103,3522−3526 J.Am.Chem.Soc,1984,106,3374−3376 J.Am.Chem.Soc.2004,126,6554−6555 Chem.Commun,2005,5322−5324 Bull.Chem.Soc.Jpn.2006,79,981−1016 Tetrahedron Letters,2006,47,13−17 J.Org.Chem.2005,70,729−731 J.Org.Chem.2007,72,4288−4291 Angewandte Chemie, International Edition 2007,46,7210−7213
しかし、従来知られている、空気を酸化剤として用いるアルコール類の酸化方法は、1級アルコールの酸化において反応が複雑化したり、適用できる基質が限られるといった難点を有している。また、従来知られている空気酸化は、酸化反応の際に加熱を必要とするか、また、有毒な重金属化合物を用いる必要があり、経済性や環境への安全性などの観点から更なる改善が望まれている。
本発明の目的は、反応条件が穏和であり、経済的にも、環境安全性においても優れたアルコール化合物の新規な酸化方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、多環式N−オキシル化合物を触媒として用い、酸素を酸化剤とする酸化方法を見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の要旨を有する。
〔1〕式(1):
Figure 2011153076
(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホ基、C1−12アルキル基、C3−12シクロアルキル基、(C1−12アルキル)オキシ基、(C3−12シクロアルキル)オキシ基、(C1−12アルキル)チオ基、(C3−12シクロアルキル)チオ基、(C1−12アルキル)アミノ基、(C3−12シクロアルキル)アミノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、ジ(C3−6シクロアルキル)アミノ基、C1−12アルキルカルボニル基、C3−12シクロアルキルカルボニル基、(C1−12アルキル)オキシカルボニル基、(C3−12シクロアルキル)オキシカルボニル基、(C1−12アルキル)チオカルボニル基、(C3−12シクロアルキル)チオカルボニル基、(C1−12アルキル)アミノカルボニル基、(C3−12シクロアルキル)アミノカルボニル基、ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル基、ジ(C3−6シクロアルキル)アミノカルボニル基、(C1−12アルキル)カルボニルオキシ基、(C3−12シクロアルキル)カルボニルオキシ基、(C1−12アルキル)カルボニルチオ基、(C3−12シクロアルキル)カルボニルチオ基、(C1−12アルキル)カルボニルアミノ基、(C3−12シクロアルキル)カルボニルアミノ基、ジ(C1−12アルキルカルボニル)アミノ基、ジ(C3−12シクロアルキルカルボニル)アミノ基、C1−6ハロアルキル基、C3−6ハロシクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C3−6シクロアルケニル基、C2−6ハロアルケニル基、C3−6ハロシクロアルケニル基、C2−6アルキニル基、C2−6ハロアルキニル基、Rで置換されていてもよいベンジル基、Rで置換されていてもよいベンジルオキシ基、Rで置換されていてもよいベンジルチオ基、Rで置換されていてもよいベンジルアミノ基、Rで置換されていてもよいジベンジルアミノ基、Rで置換されていてもよいベンジルカルボニル基、Rで置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基、Rで置換されていてもよいベンジルチオカルボニル基、Rで置換されていてもよいベンジルアミノカルボニル基、Rで置換されていてもよいジベンジルアミノカルボニル基、Rで置換されていてもよいベンジルカルボニルオキシ基、Rで置換されていてもよいベンジルカルボニルチオ基、Rで置換されていてもよいベンジルカルボニルアミノ基、Rで置換されていてもよいジ(ベンジルカルボニル)アミノ基、Rで置換されていてもよいアリール基、Rで置換されていてもよいアリールオキシ基、Rで置換されていてもよいアリールチオ基、Rで置換されていてもよいアリールアミノ基、Rで置換されていてもよいジアリールアミノ基、Rで置換されていてもよいアリールカルボニル基、Rで置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、Rで置換されていてもよいアリールチオカルボニル基、Rで置換されていてもよいアリールアミノカルボニル基、Rで置換されていてもよいジアリールアミノカルボニル基、Rで置換されていてもよいアリールカルボニルオキシ基、Rで置換されていてもよいアリールカルボニルチオ基、Rで置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ基、Rで置換されていてもよいジ(アリールカルボニル)アミノ基から選ばれる1以上の置換基を表し、置換基の数が2以上である場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよく、
およびRは、それぞれ独立にRと同じ意味を表すか、またはRとRとが一緒になってRで置換されていてもよいメチレンを形成していてもよく、
は、ハロゲン、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルフェニルC1−6アルキル基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキルスルフェニル基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルフェニル基、C1−6ハロアルキルスルフィニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C2−6アルケニル基、C2−6ハロアルケニル基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6ハロアルケニルオキシ基、C2−6アルケニルスルフェニル基、C2−6アルケニルスルフィニル基、C2−6アルケニルスルホニル基、C2−6ハロアルケニルスルフェニル基、C2−6ハロアルケニルスルフィニル基、C2−6ハロアルケニルスルホニル基、C2−6アルキニル基、C2−6ハロアルキニル基、C2−6アルキニルオキシ基、C2−6ハロアルキニルオキシ基、C2−6アルキニルスルフェニル基、C2−6アルキニルスルフィニル基、C2−6アルキニルスルホニル基、C2−6ハロアルキニルスルフェニル基、C2−6ハロアルキニルスルフィニル基、C〜Cハロアルキニルスルホニル基、NO、CN、ホルミル基、OH、SH、NH、SCN、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、フェニル基、C1−6アルキルアミノ基又はジC1−6アルキルアミノ基であって、置換するRの数は1〜5個であり、Rが2個以上の場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよい。)で表される多環式N−オキシル化合物及び亜硝酸化合物の存在下、アルコール化合物を酸素で酸化することを特徴とする酸化方法。
〔2〕前記亜硝酸化合物が式(2):
Figure 2011153076
(式中、Rは炭素数1から10のアルキル基を表す)で表される亜硝酸エステル化合物である上記〔1〕に記載の酸化方法。
〔3〕前記亜硝酸化合物が亜硝酸又は亜硝酸塩である上記〔1〕に記載の酸化方法。
〔4〕前記多環式N−オキシル化合物が、下記式
Figure 2011153076
(式中、Rはお互いに同一でも異なっていても良く、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、炭素数1から3のアルキル基または炭素数1から3のアルコキシ基を表し、但し、Rのうちいずれか1つ以上がフッ素原子、ヒドロキシ基または炭素数1から3のアルコキシ基である。)で表される化合物である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の酸化方法。
〔5〕下記式
Figure 2011153076
(式中、Rはお互いに同一でも異なっていても良く、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、炭素数1から3のアルキル基または炭素数1から3のアルコキシ基を表し、但し、Rのうちいずれか1つ以上がフッ素原子、ヒドロキシ基または炭素数1から3のアルコキシ基である。)で表される化合物。
〔6〕アルコールを酸化してアルデヒド化合物、ケトン化合物及び/又はカルボン酸化合物を製造する上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の酸化方法。
本発明によれば、1級アルコール、2級アルコールなどのアルコールを、加熱や有毒な重金属化合物を必要とせずに、穏和な条件において、酸素ガス又は空気などの含酸素ガスにより酸化し、アルデヒド化合物、ケトン化合物及び/又はカルボン酸化合物をほぼ選択的に好収率で製造することができる。
本発明で用いる多環式N−オキシル化合物は、上記した式(1)で表される。式(1)における各基の表記方法は以下のとおりである。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。なお、本明細書中の「ハロ」の表記もこれらのハロゲン原子を表す。
〜Cアルキルとは、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
〜Cハロアルキルとは、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表し、このとき、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、クロロフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ブロモフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロジフルオロメチル基、ジクロロフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、ブロモクロロフルオロメチル基、ジブロモフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2−クロロ−2−フルオロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2−ブロモ−2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル基、2−ブロモ−2−クロロ−2−フルオロエチル基、2−ブロモ−2,2−ジクロロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、2−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1,2−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロエチル基、2−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、2−フルオロプロピル基、2−クロロプロピル基、2−ブロモプロピル基、2−クロロ−2−フルオロプロピル基、2,3−ジクロロプロピル基、2−ブロモ−3−フルオロプロピル基、3−ブロモ−2−クロロプロピル基、2,3−ジブロモプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,3−ジクロロ−1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2−フルオロ−1−メチルエチル基、2−クロロ−1−メチルエチル基、2−ブロモ−1−メチルエチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ノナフルオロブチル基、4−クロロ−1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、2−フルオロ−2−メチルプロピル基、2−クロロ−1,1−ジメチルエチル基、2−ブロモ−1,1−ジメチルエチル基、5−クロロ−2,2,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
〜Cシクロアルキルとは、炭素原子数がa〜b個よりなる環状の炭化水素基を表し、3員環から6員環までの単環又は複合環構造を形成することが出来る。また、各々の環は指定の炭素原子数の範囲でアルキル基によって任意に置換されていてもよい。例えばシクロプロピル基、1−メチルシクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
〜Cハロシクロアルキルとは、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる環状の炭化水素基を表し、3員環から6員環までの単環又は複合環構造を形成することが出来る。また、各々の環は指定の炭素原子数の範囲でアルキル基によって任意に置換されていてもよく、ハロゲン原子による置換は環構造部分であっても、側鎖部分であっても、或いはそれらの両方であってもよく、更に、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。例えば2,2−ジフルオロシクロプロピル基、2,2−ジクロロシクロプロピル基、2,2−ジブロモシクロプロピル基、2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロプロピル基、2,2−ジクロロ−1−メチルシクロプロピル基、2,2−ジブロモ−1−メチルシクロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、2−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル基、3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル基、4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
〜Cアルケニルとは、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖又は分岐鎖で、且つ分子内に1個又は2個以上の二重結合を有する不飽和炭化水素基を表し、例えばビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、2−エチル−2−プロペニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、2−ヘキセニル基、2−メチル−2−ペンテニル基、2,4−ジメチル−2,6−ヘプタジエニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
〜Cハロアルケニルとは、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖又は分岐鎖で、且つ分子内に1個又は2個以上の二重結合を有する不飽和炭化水素基を表す。このとき、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、又は互いに相異なっていてもよい。例えば2,2−ジクロロビニル基、2−フルオロ−2−プロペニル基、2−クロロ−2−プロペニル基、3−クロロ−2−プロペニル基、2−ブロモ−2−プロペニル基、3−ブロモ−2−プロペニル基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル基、2,3−ジクロロ−2−プロペニル基、3,3−ジクロロ−2−プロペニル基、2,3−ジブロモ−2−プロペニル基、2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル基、2,3,3−トリクロロ−2−プロペニル基、1−(トリフルオロメチル)エテニル基、3−クロロ−2−ブテニル基、3−ブロモ−2−ブテニル基、4,4−ジフルオロ−3−ブテニル基、3,4,4−トリフルオロ−3−ブテニル基、3−クロロ−4,4,4−トリフルオロ−2−ブテニル基、3−ブロモ−2−メチル−2−プロペニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
〜Cシクロアルケニルとは、炭素原子数がa〜b個よりなる環状の、且つ1個又は2個以上の二重結合を有する不飽和炭化水素基を表し、3員環から6員環までの単環又は複合環構造を形成することが出来る。また、各々の環は指定の炭素原子数の範囲でアルキル基によって任意に置換されていてもよく、更に、二重結合はendo−又はexo−のどちらの形式であってもよい。例えば2−シクロペンテン−1−イル基、3−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−イル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
〜Cハロシクロアルケニルとは、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる環状の、且つ1個又は2個以上の二重結合を有する不飽和炭化水素基を表し、3員環から6員環までの単環又は複合環構造を形成することが出来る。また、各々の環は指定の炭素原子数の範囲でアルキル基によって任意に置換されていてもよく、更に、二重結合はendo−又はexo−のどちらの形式であってもよい。又はハロゲン原子による置換は環構造部分であっても、側鎖部分であっても、或いはそれらの両方であってもよく、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、又は互いに相異なっていても良い。例えば2−クロロビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−イル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
〜Cアルキニルとは、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖又は分岐鎖で、且つ分子内に1個又は2個以上の三重結合を有する不飽和炭化水素基を表し、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、1,1−ジメチル−2−プロピニル基、2−ヘキシニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
〜Cハロアルキニルとは、炭素原子に結合した水素原子が、ハロゲン原子によって任意に置換された、炭素原子数がa〜b個よりなる直鎖又は分岐鎖で、且つ分子内に1個又は2個以上の三重結合を有する不飽和炭化水素基を表す。このとき、2個以上のハロゲン原子によって置換されている場合、それらのハロゲン原子は互いに同一でも、又は互いに相異なっていても良い。例えば2−クロロエチニル基、2−ブロモエチニル基、2−ヨードエチニル基、3−クロロ−2−プロピニル基、3−ブロモ−2−プロピニル基、3−ヨード−2−プロピニル基等が具体例として挙げられ、各々の指定の炭素原子数の範囲で選択される。
で置換されていてもよいアリール基としては、フェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロルフェニル基、m−クロルフェニル基、p−クロルフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−シアノフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピラニル基、3−ピラニル基、4−ピラニル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、2−ベンゾチエニル基、3−ベンゾチエニル基、4−ベンゾチエニル基、5−ベンゾチエニル基、6−ベンゾチエニル基、7−ベンゾチエニル基、1−イソベンゾチエニル基、4−イソベンゾチエニル基、5−イソベンゾチエニル基、2−クロメニル基、3−クロメニル基、4−クロメニル基、5−クロメニル基、6−クロメニル基、7−クロメニル基、8−クロメニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、1−インドリジニル基、2−インドリジニル基、3−インドリジニル基、5−インドリジニル基、6−インドリジニル基、7−インドリジニル基、8−インドリジニル基、1−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−インダゾリル基、2−インダゾリル基、3−インダゾリル基、4−インダゾリル基、5−インダゾリル基、6−インダゾリル基、7−インダゾリル基、1−プリニル基、2−プリニル基、3−プリニル基、6−プリニル基、7−プリニル基、8−プリニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、1−フタラジニル基、5−フタラジニル基、6−フタラジニル基、2−ナフチリジニル基、3−ナフチリジニル基、4−ナフチリジニル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、5−キナゾリニル基、6−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、8−キナゾリニル基、3−シンノリニル基、4−シンノリニル基、5−シンノリニル基、6−シンノリニル基、7−シンノリニル基、8−シンノリニル基、2−プテニジニル基、4−プテニジニル基、6−プテニジニル基、7−プテニジニル基、3−フラザニル基等が挙げられる。
で置換されていてもよいベンジル基としては、ベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、o−クロルベンジル基、m−クロルベンジル基、p−クロルベンジル基、o−フルオロベンジル基、p−フルオロベンジル基、o−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基等が挙げられる。
本発明では、各種のアルコール化合物を基質として、触媒として多環式N−オキシル化合物を用い、亜硝酸化合物の存在下に、酸素を用いて酸化反応を行うことができる。
本発明において、酸化されるアルコール化合物としては、特に制限されるものでなく、各種のものが挙げられる。これらアルコール化合物の例としては、なかでも、メントール、4−メトキシベンジルアルコール等が好ましい。
本発明に用いられる(1)で表される多環式N−オキシル化合物としては、例えば2−アザアダマンタン−N−オキシル(AZADO)、1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(1−Me−AZADO)、5位および/または7位にヒドロキシ基またはフッ素原子がそれぞれ独立して置換している2−アザアダマンタン−N−オキシル化合物等が挙げられ、中でも、例えばAZADO、1−フルオロ−2−アザアダマンタン−N−オキシル(1−F−AZADO)、5−フルオロ−2−アザアダマンタン−N−オキシル(5−F−AZADO)、5−フルオロ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(5−F−1−Me−AZADO)、5,7−ジフルオロ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(5,7−F2−1−Me−AZADO)、1−Me−AZADO、1−メチル−5−ヒドロキシ−2−アザアダマンタン−N−オキシル(1−Me−5−OH−AZADO)、5−メトキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(5−MeO−1−Me−AZADO)、9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−N−オキシル(ABNO)等が挙げられ、特に、例えば5−F−AZADOが好ましい。
多環式N−オキシル化合物の使用量は、基質のアルコール化合物に対して好ましくは0.1モル%〜50モル%、より好ましくは1モル%ないし10モルmol%である。
亜硝酸化合物としては、例えば、亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸銀等の亜硝酸塩、亜硝酸エチル、亜硝酸イソアミル、亜硝酸イソブチル、亜硝酸ターシャリーブチル、亜硝酸ノルマルブチル、亜硝酸イソプロピル、亜硝酸ノルマルプロピル、亜硝酸アダマンチル等の亜硝酸エステル等が挙げられる。なかでも、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸ターシャリーブチルが好ましい。
亜硝酸化合物の使用量としては、基質のアルコールに対して1mol%ないし100mol%、好ましくは、1mol%ないし50mol%である。
本発明の酸化反応は、穏和な条件で実施できることが特長であり、反応温度としては、室温で行うこともできるが、必要により、10℃〜40℃の範囲、0℃〜100℃の範囲、さらには、−10℃〜200℃で実施できる。また、反応圧力として、常圧(大気圧)で十分であるが、必要に応じて、0.01〜10MPaの範囲の減圧状態でも加圧状態でも実施できる。
反応時間は用いる基質であるアルコール化合物及び反応条件により必ずしも一定しないが、通常1分〜100時間であり、好ましくは5分〜24時間である。
本発明の酸化反応では、必要に応じて溶媒が使用できる。溶媒としては、反応の進行を阻害しないものであれば制限はなく、水、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等)、セロソルブ類(例えばメトキシエタノール、エトキシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリン、石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、低級脂肪族酸エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等)、アルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタン、ジエトキシエタン等)、ニトリル類(例えばアセトニトリル、プロピオニトリルやブチロニトリル等)、カルボン酸(酢酸等)等の溶媒が挙げられる。そのなかでも、ジクロロメタン及び酢酸が好ましい。また、基質のアルコールを溶媒として用いることもできる。
基質であるアルコール化合物の溶媒中の濃度は、アルコールを溶媒として用いる場合以外は、好ましくは1〜99質量%である。
溶媒として、あるいは添加物として酢酸を用いると、酸化反応が進行し難い、アミノ置換基を有するアルコール化合物を基質として用いても酸化反応が進行する。
本発明において、酸化剤である酸素としては、酸素ガス(100%の酸素)だけでなく、空気を用いることができる。
本発明においては、基質であるアルコールの消失と、アルデヒド体、ケトン体又はカルボン酸の生成を確認したあと、溶媒の留去、抽出、再結晶、濾過、デカント、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製操作により、目的とするアルデヒド、ケトン又はカルボン酸化合物を単離することができる。
本発明の触媒である多環式N−オキシル化合物は、以下に例示す方法で製造できる。
例えば、1−Me−AZADOは、国際特許出願公開WO2006/001387A1パンフレット記載の方法で製造することができる。
5−F−1−Me−AZADOは、下記のスキームで表される方法により製造することができる。なお、1−メチル−N−ベンジルオキシカルボニル−2−アザアダマンタン6は、国際特許出願公開WO2006/001387A1パンフレットに従って製造することができる。
Figure 2011153076
5,7−F−1−Me−AZADOは、下記のスキームで表される方法で製造することができる。
Figure 2011153076
5−MeO−1−Me−AZADOは、下記のスキームで表される方法で製造することができる。
Figure 2011153076
5−OH−1−Me−AZADOは、下記のスキームで表される方法で製造することができる。
Figure 2011153076
5−F−AZADOは、下記のスキームで表される方法で製造することができる。なお、式(19)で表されるカルボン酸化合物は、例えばJ.Org.Chem.,Vol.39,No.26,p3822(1974)に準じた方法で製造することができる。
Figure 2011153076
1−F−AZADOは、下記のスキームで表される方法で製造することができる。なお、1−ヒドロキシ−N−ベンジルオキシカルボニル−2−アザアダマンタン31は、J.Am.Chem.Soc.,2006,128,p8412−8413の記載に従って製造することができる。
Figure 2011153076
なお、ABNOについては、J.Am.Chem.Soc.,1973,95(19),p6395−6400に製造方法の記載がある。
本発明で使用する亜硝酸化合物のうち市販されていないものについては、Synthesis,2004,11,1747−1749に従って製造することができる。
以下、実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定して解釈されるものではない。
なお、実施例では、各化合物は以下のように化学式、若しくは略号で表記した。
水:HO、メタノール:MeOH、パラジウム/炭素:Pd/C、水素ガス:H、炭酸水素ナトリウム:NaHCO、クロロホルム:CHCl、炭酸カリウム:KCO、ジクロロメタン:CHCl、酢酸エチル:AcOEt、硫酸マグネシウム:MgSO、四塩化炭素:CCl、アセトニトリル:MeCN、過ヨウ素酸ナトリウム:NaIO、三塩化ルテニウム:RuCl、チオ硫酸ナトリウム:Na、ジエチルエーテル:EtO、エタノール:EtOH、水酸化ナトリウム:NaOH、水素化ナトリウム:NaH、ジメチル硫酸:MeSO、タングステン酸ナトリウム・二水和物:NaWO・2HO。
また、各化合物の同定に用いた分析方法の略号は、以下のとおりである。
IR:赤外線吸収分析法、NMR:核磁気共鳴分析法、MS:質量分析法、
HRMS(EI):高分解能質量分析法(電子イオン化)、Anal:元素分析法。
実施例1.触媒の製造
1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(7)の製造
国際特許出願公開WO2006/001387A1パンフレットに従って製造した1−メチル−N−ベンジルオキシカルボニル−2−アザアダマンタン6(1.89g,6.61mmol)のMeOH(0.1M,66mL)溶液にPd/C(189mg)を加え、H気流下2時間攪拌した。反応溶液をセライト(セライトコーポレーションの登録商標)でろ過し、減圧下で溶媒を除去した。残渣に飽和NaHCO水溶液を加え、CHCl(クロロホルム)で抽出した。有機層をKCOで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、粗アミン化合物(1g)を得た。該化合物は精製することなく、次反応に用いた.粗アミン化合物(1g)のCHCl(0.2M,33mL)溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸無水物(1.4mL,9.91mmol)を滴下し、室温に昇温し2時間攪拌した。その後、HOを加え、AcOEtにより抽出し、次いで、食塩水により洗浄し、MgSOで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:30v/v)の流分として1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン7(1.25g,5.04mmol,76%)を無色固体として得た。一部をとり、ヘキサンにより再結晶し無色柱状晶を得た。mp42℃,IR(neat):ν=1693cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=4.18(br.,1H),2.12(br.,2H),2.03(br.d,J=11Hz,2H),1.89(m,3H),1.85−1.70(m,3H),1.63(s,3H),1.58(br.d,J=12.6Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl):δ=156.1(q,J=33.7Hz),116.9(q,J=292.1Hz),57.6,50.6(q,J=4.1Hz),43.7,35.9,34.4,29.4,26.5。
MS m/z:247(M),190(100%)、HRMS:Calcd. for C1216NO 247.1184(M),Found.:247.1174。
5−ヒドロキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(8)及び5,7−ジヒドロキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(9)の製造
1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン7(2.271g,9.19mmol)のCCl−MeCN−HO(1.65M;5.6mL−1.1M;8.4mL−1.1M;8.4mL)溶液に、NaIO(4.52g,21.1mmol)、RuCl(95mg,0.460mmol)を順次加え、60℃で9時間激しく攪拌した。その後、飽和NaHCO水溶液、Na水溶液を順次加え、AcOEtにより抽出した。有機層をMgSOで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:2v/v)の流分として、白色固体の5−ヒドロキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン8(1.29g,4.87mmol,53%)を得た。また同時に、白色固体の5,7−ジヒドロキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン9(340mg,1.195mmol,13%)と原料7(350mg,1.38mmol,15%)を得た。
(8)の一部をとり、ヘキサンにより再結晶し無色柱状晶を得た。mp91℃,
IR(neat):ν=3428,1692cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=4.37(br.,1H),2.38(br.,1H),1.95(br.d,J=12.5Hz,2H),1.9−1.7(m,5H),1.69(s,3H),1.63(br.d,J=13.0Hz,1H),1.57(br.d,J=12.1Hz,1H),1.48(br.d,J=13.0Hz,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl):δ=156.1(q,J=34.6Hz),116.7(q,J=291.3Hz),66.71,66.66,52.3(q,J=4.9Hz),51.3,43.3,42.4,34.6,29.0,28.8。
MS m/z:263(M),206(100%)、HRMS:Calcd. For C1216NO 263.1133(M),Found.:263.1118。
(9)の一部をとり、CHClにより再結晶し白色針状晶を得た。mp186℃,IR(neat):ν=3265,1677cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=4.49(br.,1H),1.91(br.d,J=12.1Hz,2H),1.88−1.70(m,8H),1.59(s,3H),1.55(br.d,J=12.1Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl):δ=157.3(q,J=33.7Hz),118.1(q,J=291.4Hz),69.2,62.5.54.0(q,J=4.1Hz),51.0,50.6,43.0,28.8。
MS m/z:279(M),206(100%)、HRMS:Calcd. For C1216NO 279.1082(M),Found.:279.1107。
5−フルオロ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(10)の製造
5−ヒドロキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン8(184mg,0.69mmol)のCHCl(1.43M,0.5mL)溶液に−78℃下、(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(三フッ化N,N−ジエチルアミノ硫黄)(以下、DASTと記すこともある。)(0.46mL,3.5mmol)を加え、徐々に昇温し0℃で1時間攪拌した。その後EtOで希釈した後HOを加えて、AcOEtにより抽出し、HOにより洗浄し、MgSOで乾燥した。その後、減圧下で溶媒を留去し、残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:30v/v)の流分として、無色固体の5−フルオロ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン10(183mg,定量的)を得た。一部をとり、ヘキサンにより再結晶し無色柱状晶を得た。mp48℃,IR(neat):ν=1698cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=4.45(br.,1H),2.46(br.,1H),2.14−2.10(m,1H),2.01−1.95(m,5H),1.94−1.65(m,6H),1.56−1.50(m,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl):δ=156.1(q,J=34.4Hz),116.6(q,J=290.6Hz),89.8(d,J=186.8Hz),61.3(d,J=10.7Hz),52.7(m),48.6(d,J=18.0Hz),42.1(d,J=1.6Hz),41.1(d,J=18.8Hz),39.9(d,J=18.0Hz),34.4(d,J=1.6Hz),29.6(d,J=9.0Hz),28.6。
MS m/z:265(M),190(100%)、HRMS:Calcd. For C1215NO 265.1090(M),Found.:265.1068。
5−フルオロ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(11)の製造
5−フルオロ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン10(270mg,1.02mmol)のEtOH(6mL)溶液にNaOH水溶液(10%,3mL)を加えて2時間攪拌した。その後、CHClにより抽出し、KCOで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去し、粗5−フルオロ−1−メチル−2−アザアダマンタン(165mg)を得た。本化合物は精製することなく、次反応に用いた。
粗5−フルオロ−1−メチル−2−アザアダマンタン(165mg)のMeOH(0.5M,2mL)溶液に、氷冷下ウレアハイドロゲンパーオキシド(以下、UHPと記すこともある。)(365mg,3.88mmol),NaWO・2HO(160mg,0.485mmol)を順次加え、室温にて1.5時間攪拌した。その後HOを加え、減圧下で溶媒を留去し、残渣はCHClにより抽出し、KCOで乾燥した。その後、減圧下で溶媒を留去し、残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:7v/v)の流分として、黄色針状の5−フルオロ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル 11(106mg,0.579mmol,57% for 2 steps)を得た。
IR(neat):ν=1215cm−1
MS m/z:184(M),111(100%).HRMS:Calcd. For C1015FNO 184.1138(M),Found.:184.1126。
Anal:Calcd.C1118NO:C,65.19;H,8.21;N,7.60.Found:C,65.27;H,8.09;N,7.33。
5−フルオロ−7−ヒドロキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(12)の製造
5−フルオロ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン10(186mg,0.70mmol)のCCl−MeCN−HO(1.65M;0.42mL−1.1M;0.64mL−1.1M;0.64mL)溶液に、NaIO(344mg,1.61mmol),RuClO(14.5mg,0.07mmol)を順次加え、70℃で2日激しく攪拌した。その後、飽和NaHCO水溶液、Na水溶液を順次加え、AcOEtにより抽出した。有機層をMgSOで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:2v/v)の流分として、5−フルオロ−7−ヒドロキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン12(26mg,0.092mmol,13%)と原料(134mg,1.38mmol,72%)を得た。
5,7−ジフルオロ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(13)の製造
5−フルオロ−7−ヒドロキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン12(26mg,0.092mmol)のCHCl(1.43M,0.064mL)溶液に−78℃下、DAST(0.061mL,0.46mmol)を加え、徐々に昇温し0℃で1時間攪拌した。その後EtOで希釈した後HOを加えて、AcOEtにより抽出し、次いでHOにより洗浄し、MgSOで乾燥した。その後、減圧下で溶媒を留去し、残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:3v/v)の流分として、5,7−ジフルオロ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン13(14mg,0.049mmol,54%)を得た。
MS m/z:283(M),208(100%)。
5,7−ジフルオロ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(14)の製造
5,7−ジフルオロ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン13(20mg,0.071mmol)のEtOH(0.42mL)溶液にNaOH水溶液(10%,0.21mL)を加えて3時間攪拌した。その後、CHClにより抽出し、KCOで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去し、粗5,7−ジフルオロ−1−メチル−2−アザアダマンタン(11mg)を得た。本化合物は精製することなく、次反応に用いた。
粗5,7−ジフルオロ−1−メチル−2−アザアダマンタン(11mg)のMeOH(0.24M,0.24mL)溶液に、氷冷下UHP(22mg,0.24mmol),NaWO・2HO(9.7mg,0.029mmol)を順次加え、室温にて3時間攪拌した。その後HOを加え、減圧下で溶媒を留去し、残渣はCHClにより抽出し、KCOで乾燥した。その後、減圧下で溶媒を留去し、残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:2v/v)の流分として、5,7−ジフルオロ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル14(3.5mg,0.017mmol,29% for 2 steps)を黄色固体として得た。
5−メトキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(15)の製造
NaH(82mg,3.42mmol)のTHF(テトラヒドロフラン)溶液(1.0mL)に氷冷下、5−ヒドロキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(8;300mg,1.14mmol)のTHF溶液(2.8mL)を加え、30分攪拌した。その後、氷冷下MeSO(0.32mL,3.42mmol)を滴下し、室温に昇温し4時間攪拌した。3時間経過後、再びNaH(82mg,3.42mmol),MeSO(0.32mL,3.42mmol)を更に加え攪拌した。その後、HOを加え、EtOにより抽出し、次いで食塩水により洗浄し、MgSOで乾燥した。その後、減圧下で溶媒を留去した。残渣はシリカゲルクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:15v/v)の流分として精製し、MeSOとの混合物(403mg)を得た。混合物の一部(333mg)は更に精製することなく、次反応に用いた。また混合物の一部を更にシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:60v/v)の流分として、無色油状5−メトキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン15を得た。
IR(neat):ν=1698cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=4.39(br.,1H),3.24(s,3H),2.38(br.,1H),1.96(br.d,J=12.3Hz,2H),1.90−1.75(m,5H),1.69(s,3H),1.67(br.d,J=13.0Hz,1H),1.57(br.d,J=12.3Hz,1H),1.51(br.d,J=13.3Hz,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl):δ=156.1(q,J=34.6Hz),116.7(q,J=292.2Hz),70.4,60.2,52.1(q,J=4.1Hz),48.2,47.4,39.4,38.3,35.0,29.0,28.7。
MS:m/z=277(M),220(100%)、HRMS Calcd. For C1318NO(M):277.1290 Found.:277.1271。
5−メトキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(16)の製造
5−メトキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン15のMeSOとの混合物(333mg)のEtOH溶液(4mL)にNaOH水溶液(50%,2mL)を加えて1時間攪拌した。その後、CHClにより抽出し、KCOで乾燥した。その後、減圧下で溶媒を留去し、粗5−メトキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン(135mg)を得た。本化合物は精製することなく、次反応に用いた。
粗5−メトキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン(135mg)のMeOH溶液(0.5M,1.5mL)に、氷冷下UHP(280mg,2.96mmol),NaWO・2HO(122mg,0.37mmol)を順次加え、室温にて3時間攪拌した。その後、HOを加え、減圧下で溶媒を留去し、残渣はCHClにより抽出し、KCOで乾燥した。その後、減圧下で溶媒を留去し、残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:4v/v)の流分として、山吹色針状晶の5−メトキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(16;105mg,0.534mmol,56% for 3 steps)を得た。
IR(neat):ν=1215cm−1
MS:m/z=196(M),196(100%)、HRMS Calcd. For C1118NO(M):196.1338,Found.:196.1319。
Anal:Calcd.C1118NO:C,67.32;H,9.24;N,7.14.Found:C,67.14;H,9.16;N,7.10。
5−ヒドロキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(17)の製造
5−ヒドロキシ−1−メチル−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(8;500mg,1.90mmol)のMeOH溶液(0.5M,40mL)にAmberlyst(アンバーリスト:ローム・アンド・ハース社の登録商標)A−26(OH form)(5.50g)を加え、油浴中50℃に加熱し40時間攪拌した。その後、(セライト:セライト・コーポレーションの登録商標)で濾過し、減圧下で溶媒を留去し、粗5−ヒドロキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン(458mg)を得た。本化合物は精製することなく、次反応に用いた。
粗5−ヒドロキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン(458mg)のMeOH溶液(0.5M,4mL)に、UHP(715mg,7.6mmol),NaWO・2HO(314mg,0.95mmol)を順次加え、2時間攪拌した。その後HOを加え、減圧下で溶媒を留去し、残渣はCHClにより抽出し、KCOで乾燥した。その後、減圧下で溶媒を留去し、残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(4:1v/v)の流分として得た油状物質を、分子ふるいクロマトグラフィーにより処理し、橙色固体の5−ヒドロキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル(17;217.5mg,1.19mmol,63% for 2 steps)を得た。
IR(neat):ν=3396cm−1
MS:m/z=182(M),182(100%)、HRMS Calcd. For C1016NO(M):182.1181,Found.:182.1161。
Anal:Calcd.C1118NO:C,65.91;H,8.85;N,7.69.Found:C,65.69;H,8.83;N,7.65。
エンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−カルボン酸(19)の製造
1Lの3径フラスコに2−アダマンタノン(18)48.0g(0.320mol)とメタンスルホン酸300g(202mL,1.58M)を加えて溶解した。この溶液に、撹拌下、反応溶液の温度が20℃から35℃以下を保つようにアジ化ナトリウム22.9g(0.353mol)を少量ずつ加えた。その過程でアジ化水素酸及び窒素ガスが発生するので、適宜、氷冷水浴で反応温度を下げた。その後、室温で1時間撹拌し、ガスクロマトグラフィーで2−アダマンタノンの消失を確認した。このとき、4−メタンスルホニル−2−アダマンタノン(2)が生成していた。次に、反応装置にジムロート冷却管を連結し、50%水酸化カリウム水溶液(450mL)を徐々に加えた。この際、反応温度は95℃まで上昇した。そのまま室温で1時間半撹拌して放冷後、反応液をジエチルエーテル600mLで洗浄した。水層に濃塩酸120mLを注意深く加えて反応液を酸性にすると目的物が晶出した。これを濾取し、水で十分に洗浄後、乾燥して粗エンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−カルボン酸(19)36.5g(0.220mol,69%)を得た。
エンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−カルボン酸(19):
H−NMR(400MHz,CDCl):d 5.65(m,1H),5.58(dt,J=9.5,3.2Hz,1H),2.57(t,J=6.3Hz,1H),2.39(d,J=14.0Hz,1H),2.36−2.20(m,4H),2.06(br s,1H),1.78−1.66(m,3H),1.54(br d,J=12.3Hz,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl):d 182.6,130.6,129.5,35.9,31.9,31.4,31.1,29.8,28.5,26.2。
IR(neat,cm−1):1680。
MS m/z:166(M),79(100%)、HRMS(EI):Calcd. For C1014 166.0994(M),found:166.0989。
N−ベンジルオキシカルボニル−エンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−イルアミン(20)の製造
エンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−カルボン酸(19)14.7g(88.5mmol)のテトラヒドロピラン(88.5mL,1.0M、1Lナス形フラスコ)溶液に、室温下、トリエチルアミン29.8mL(213mmol)及びジフェニルホスホリルアジド(DPPA)21.0mL(97.4mmol)を順次加え、同温度で3時間撹拌した。この時点で、反応系内にはエンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−カルボニルアジドが生成している。
この反応液にテトラヒドロピラン(88.5mL)及びベンジルアルコール91.6mL(885mmol)を加え、エンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−カルボニルアジドの消失が確認されるまで加熱・還流した。放冷後、水及び酢酸エチルを加えて分液し、有機層を飽和食塩水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン(1:8v/v))により処理し、N−ベンジルオキシカルボニル−エンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−イルアミン(20)20.4g(85%)を得た。
N−ベンジルオキシカルボニル−エンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−イルアミン(20):
H−NMR(400MHz,CDCl):d 7.38−7.25(m,5H),6.05(t,J=7.8Hz,1H),5.92(d,J=8.4Hz,1H),5.79(dt,J=9.9,3.2Hz,1H),5.56(dd,J=18.5,12.4Hz,2H),4.03(m,1H),2.43(dd,J=18.8,7.2Hz,1H),2.34(br s,1H),2.18(br s,1H),2.06(br d,J=18.1Hz1H),2.00(dt,J=14.7,5.5Hz,1H)1.89−1.66(m,4H),1.55(br d,J=12.1Hz,1H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl):d 155.5,136.9,134.4,128.8,128.4,128.0,127.9,66.2,44.7,37.5,34.2,32.5,31.0,27.7,25.5。
IR(neat,cm−1):3434,1721,1504。
MS m/z:271(M),91(100%)、HRMS(EI):Calcd. for C1721NO 271.1572(M),found:271.1554。
2−アザアダマンタン(21)の製造
100mlナスフラスコ内にN−ベンジルオキシカルボニル−エンド−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−イルアミン(20)4.2g(15.5mmol)の塩化メチレン(40ml,0.4M)溶液を調製し、そこへ、氷冷下トリフルオロメタンスルホン酸5.8ml(62mmol)を加え1時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)で原料の消失を確認後、氷冷下トリエチルアミン9.6ml(68.2mmol)を加え中和したのち、10%水酸化ナトリウム水溶液(40ml)を加え1時間攪拌した。その後、クロロホルムを加え抽出後、乾燥、濃縮して粗2−アザアダマンタン(21)を得た。
2−アザアダマンタン(21):H−NMR(400MHz,CDCl):d 3.13(s,2H),2.04(s,2H),1.94(d,J=11.4Hz,4H),1.87(s,2H),1.77(d,J=11.4Hz,1H).
N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(22)の製造
2−アザアダマンタン21(1g)のCHCl(0.2M,37mL)溶液に、氷冷下、EtN(トリエチルアミン)(1.5mL,10.9mmol)、トリフルオロ酢酸無水物(1.5mL,10.9mmol)を順次加え、室温に昇温し2.5時間攪拌した。その後、HOを加え、AcOEtにより抽出し、次いで食塩水により洗浄し、MgSOで乾燥した。その後、減圧下で溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:4v/v)の流分として、N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン22(1.42g,6.09mmol,83%)を黄色油状物として得た。
IR(CHCl):ν=1685cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=4.76(br.,1H),4.23(br.,1H),2.14(br.,2H),1.83−1.91(m,10H)。
MS:m/z=233(M),233(100%)、HRMS Calcd. For C1114NO(M):233.1027,Found.:233.1023。
5−ヒドロキシ−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(23)及び5,7−ジヒドロキシ−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(24)の製造
N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン22(500mg,2.14mmol)のCCl−MeCN−HO(1.65M;1.3mL−1.1M;1.9mL−1.1M;1.9mL)溶液に、NaIO(1.05g,4.90mmol),RuCl(44mg,0.214mmol)を順次加え、70℃で20時間激しく攪拌した。その後、飽和NaHCO水溶液、NaSO水溶液を順次加え、AcOEtにより抽出した。有機層をMgSOで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:2v/v)の流分として白色固体の5−ヒドロキシ−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン23(341mg,1.37mmol,64%)を得た。また同時に、白色固体の5,7−ジヒドロキシ−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン24(70mg,0.26mmol,12%)と原料22(138mg,0.59mmol,28%)を得た。
(23)の物性は、IR(neat):ν=3425,1681cm−1
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=4.97(br.,1H),4.43(br.,1H),2.04(br,1H),1.92−1.79(m,8H),1.73−1.68(s,2H),1.63(br.d,J=13.0Hz,1H).
MS:m/z=249(M),249(100%)、HRMS Calcd for C1216NO(M):249.0977,Found.:249.0956。
(24)の物性は、MS:m/z=265(M)、265(100%)。
5−フルオロ−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン(25)の製造
5−ヒドロキシ−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン23(549mg,2.20mmol)のCHCl(1.43M,1.5mL)溶液に−78℃下、DAST(0.58mL,4.40mmol)を加え、徐々に昇温し0℃で1時間攪拌した。その後、EtOで希釈した後HOを加えて、AcOEtにより抽出し、次いでHOにより洗浄し、MgSOで乾燥した。その後、減圧下で溶媒を留去し、残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:4v/v)の流分として、5−フルオロ−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン25(457mg、1.82mmol、81%)を白色固体として得た。
MS:m/z=251(M),251(100%)、HRMS Calcd. For C1113NO(M):251.0933,Found.:251.0919。
5−フルオロ−2−アザアダマンタン−N−オキシル(26)の製造
5−フルオロ−N−トリフルオロアセチル−2−アザアダマンタン25(457mg,1.82mmol)のEtOH(12mL)溶液にNaOH水溶液(50%,3mL)を加えて3時間攪拌した。その後、CHClにより抽出し、KCOで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去し、粗5−フルオロ−2−アザアダマンタン(268mg)を得た。本化合物は精製することなく、次反応に用いた。
粗5−フルオロ−2−アザアダマンタン(268mg)のMeOH(0.5M,3mL)溶液に、氷冷下UHP(544mg,5.78mmol),NaWO・2HO(238mg,0.722mmol)を順次加え、室温にて2.5時間攪拌した。その後HOを加え、減圧下で溶媒を留去し、残渣はCHClにより抽出し、KCOで乾燥した。その後、減圧下で溶媒を留去し、残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、EtO−ヘキサン(1:2v/v)の流分として5−フルオロ−2−アザアダマンタン−N−オキシル26(214mg,1.26mmol,69% for 2 steps)を黄色固体として得た。
Anal:Calcd.C15FNO:C,63.51;H,7.70;N,8.23.Found:C,63.32;H,7.62;N,8.13。
N−ベンジルオキシカルボニル−1−フルオロ−2−アザアダマンタン(32)の製造
1−ヒドロキシ−N−ベンジルオキシカルボニル−2−アザアダマンタン31(227mg,0.79mmol)のCHCl(1.43M,0.55mL)溶液に−78℃下、DAST(0.32mL,2.37mmol)を加え、徐々に昇温し0℃で1時間攪拌した。その後、EtOで希釈した後HOを加えて、AcOEtにより抽出した。有機層をHOにより洗浄し、MgSOで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、AcOEt−ヘキサン(1:4v/v)の流分として、油状の1−フルオロ−N−ベンジルオキシカルボニル−2−アザアダマンタン32(211mg,0.729mmol,92%)を得た。
MS m/z:289(M),91(100%)、HRMS:Calcd.for C1720FNO 289.1478(M),Found:289.1465。
1−フルオロ−2−アザアダマンタン−N−オキシル(33)の製造
1−フルオロ−N−ベンジルオキシカルボニル−2−アザアダマンタン32(155mg,0.535mmol)のMeOH(6mL,0.1M)溶液に10%Pd−C(16mg)を加え、H雰囲気下で室温にて2時間攪拌した。反応溶液をセライト(セライトコーポレーションの登録商標)でろ過し、減圧下で溶媒を除去した。残渣に飽和NaCO水溶液を加え、CHClで抽出した。有機層をKCOで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、粗1−フルオロ−2−アザアダマンタン(70mg)を得た。本化合物は精製することなく、次反応に用いた。
粗1−フルオロ−2−アザアダマンタン(70mg)のMeOH溶液(0.5M,0.9mL)に、氷冷下、UHP(169mg,1.8mmol),NaWO・2HO(74.3mg,0.225mmol)を順次加え、室温にて3時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、残渣はCHClにより抽出した。KCOで乾燥後、減圧下で溶媒を留去し、残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理し、EtO−ヘキサン(1:1v/v)の流分として1−フルオロ−2−アザアダマンタン−N−オキシル33(56mg,0.329mmol,62% for 2 steps)を黄色固体として得た。
Anal:Calcd. for C13FNO:C,63.51;H,7.70;N,8.23.Found:C,63.44;H,7.67;N,8.23。
実施例2:触媒を用いた酸素酸化
アルコール化合物の酢酸又は塩化メチレン溶液(アルコール化合物が0.33mol/Lの溶液)に亜硝酸ナトリウム(アルコール化合物の5mol%)又は亜硝酸ターシャリーブチル(アルコール化合物の30mol%)及び5−フルオロ−2−アザアダマンタン−N−オキシル(アルコール化合物の5mol%)を加えて室温下、酸素バルーンを付した状態で原料のアルコールの消失が確認されるまで激しく撹拌した。反応終了後、水と塩化メチレンを加えて分液し、有機層を水洗することにより、目的のケトン又はアルデヒドを得た。
なお、アルコール化合物として3−フェニルn−プロパノール及び4−フェニルn−ブタノールを用いた場合、3時間撹拌し続けるとカルボン酸が生成したので、これを水酸化ナトリウム水溶液で逆抽出し、次いで塩酸で中和して再度塩化メチレンで抽出することにより、目的とするカルボン酸を単離した。
同様に反応を行った例を、表で示す。
なお、表中の以下の各略号は、以下の基、あるいは化合物を表す。
t−Bu:ターシャリーブチル基、5−F−AZADO:5−フルオロ−2−アザアダマンタン−N−オキシル、5−F−1−Me−AZADO:5−フルオロ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル TEMPO:2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル、
1−Me−AZADO:1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル、
5−OH−1−Me−AZADO:5−ヒドロキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル、1−F−AZADO:1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル、
5−MeO−1−MeAZADO:5−メトキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル。
また、表中、Entryは実施例の番号を、ref.は参考例を、substrateは基質を、productは生成物を、cat.またはcatalystは触媒を、Time(h)は反応時間(単位:時間)を、Yieldは収率を、recoverは原料回収を、Noteは備考を、methyl esterはメチルエステルを、carboxylic acidはカルボン酸を、traceは痕跡量を、balloonは風船を、rtは室温を、それぞれ表す。また、濃度や使用量が通常と異なる場合は、注釈を付けて示した。
Figure 2011153076
Figure 2011153076
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本発明は、各種のアルコールの酸化を、空気中の酸素により、加熱や有毒な重金属化合物を必要とせずに、穏和な条件でほぼ選択的に行って、アルデヒド化合物、ケトン化合物及び/又はカルボン酸化合物を製造することが可能であり、工業的に極めて有用である。

Claims (6)

  1. 式(1):
    Figure 2011153076
    (式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホ基、C1−12アルキル基、C3−12シクロアルキル基、(C1−12アルキル)オキシ基、(C3−12シクロアルキル)オキシ基、(C1−12アルキル)チオ基、(C3−12シクロアルキル)チオ基、(C1−12アルキル)アミノ基、(C3−12シクロアルキル)アミノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基、ジ(C3−6シクロアルキル)アミノ基、C1−12アルキルカルボニル基、C3−12シクロアルキルカルボニル基、(C1−12アルキル)オキシカルボニル基、(C3−12シクロアルキル)オキシカルボニル基、(C1−12アルキル)チオカルボニル基、(C3−12シクロアルキル)チオカルボニル基、(C1−12アルキル)アミノカルボニル基、(C3−12シクロアルキル)アミノカルボニル基、ジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル基、ジ(C3−6シクロアルキル)アミノカルボニル基、(C1−12アルキル)カルボニルオキシ基、(C3−12シクロアルキル)カルボニルオキシ基、(C1−12アルキル)カルボニルチオ基、(C3−12シクロアルキル)カルボニルチオ基、(C1−12アルキル)カルボニルアミノ基、(C3−12シクロアルキル)カルボニルアミノ基、ジ(C1−12アルキルカルボニル)アミノ基、ジ(C3−12シクロアルキルカルボニル)アミノ基、C1−6ハロアルキル基、C3−6ハロシクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C3−6シクロアルケニル基、C2−6ハロアルケニル基、C3−6ハロシクロアルケニル基、C2−6アルキニル基、C2−6ハロアルキニル基、Rで置換されていてもよいベンジル基、Rで置換されていてもよいベンジルオキシ基、Rで置換されていてもよいベンジルチオ基、Rで置換されていてもよいベンジルアミノ基、Rで置換されていてもよいジベンジルアミノ基、Rで置換されていてもよいベンジルカルボニル基、Rで置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基、Rで置換されていてもよいベンジルチオカルボニル基、Rで置換されていてもよいベンジルアミノカルボニル基、Rで置換されていてもよいジベンジルアミノカルボニル基、Rで置換されていてもよいベンジルカルボニルオキシ基、Rで置換されていてもよいベンジルカルボニルチオ基、Rで置換されていてもよいベンジルカルボニルアミノ基、Rで置換されていてもよいジ(ベンジルカルボニル)アミノ基、Rで置換されていてもよいアリール基、Rで置換されていてもよいアリールオキシ基、Rで置換されていてもよいアリールチオ基、Rで置換されていてもよいアリールアミノ基、Rで置換されていてもよいジアリールアミノ基、Rで置換されていてもよいアリールカルボニル基、Rで置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、Rで置換されていてもよいアリールチオカルボニル基、Rで置換されていてもよいアリールアミノカルボニル基、Rで置換されていてもよいジアリールアミノカルボニル基、Rで置換されていてもよいアリールカルボニルオキシ基、Rで置換されていてもよいアリールカルボニルチオ基、Rで置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ基、Rで置換されていてもよいジ(アリールカルボニル)アミノ基から選ばれる1以上の置換基を表し、置換基の数が2以上である場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよく、
    およびRは、それぞれ独立にRと同じ意味を表すか、またはRとRとが一緒になってRで置換されていてもよいメチレンを形成していてもよく、
    は、ハロゲン、C1−6アルキル基、C1−6ハロアルキル基、C3−6シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、C1−6アルキルスルフェニルC1−6アルキル基、C1−6ハロアルコキシ基、C1−6アルキルスルフェニル基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6ハロアルキルスルフェニル基、C1−6ハロアルキルスルフィニル基、C1−6ハロアルキルスルホニル基、C2−6アルケニル基、C2−6ハロアルケニル基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6ハロアルケニルオキシ基、C2−6アルケニルスルフェニル基、C2−6アルケニルスルフィニル基、C2−6アルケニルスルホニル基、C2−6ハロアルケニルスルフェニル基、C2−6ハロアルケニルスルフィニル基、C2−6ハロアルケニルスルホニル基、C2−6アルキニル基、C2−6ハロアルキニル基、C2−6アルキニルオキシ基、C2−6ハロアルキニルオキシ基、C2−6アルキニルスルフェニル基、C2−6アルキニルスルフィニル基、C2−6アルキニルスルホニル基、C2−6ハロアルキニルスルフェニル基、C2−6ハロアルキニルスルフィニル基、C〜Cハロアルキニルスルホニル基、NO、CN、ホルミル基、OH、SH、NH、SCN、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6ハロアルキルカルボニル基、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、フェニル基、C1−6アルキルアミノ基又はジC1−6アルキルアミノ基であって、置換するRの数は1〜5個であり、Rが2個以上の場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよい。)で表される多環式N−オキシル化合物及び亜硝酸化合物の存在下にアルコール化合物を酸素で酸化することを特徴とする酸化方法。
  2. 前記亜硝酸化合物が式(2)
    Figure 2011153076
    (式中、Rは炭素数1から10のアルキル基を表す)で表される亜硝酸エステル化合物である請求項1に記載の酸化方法。
  3. 前記亜硝酸化合物が亜硝酸又は亜硝酸塩である請求項1に記載の酸化方法。
  4. 前記多環式N−オキシル化合物が、下記式
    Figure 2011153076
    (式中、Rはお互いに同一でも異なっていても良く、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、炭素数1から3のアルキル基または炭素数1から3のアルコキシ基を表し、但し、Rのうちいずれか1つ以上がフッ素原子、ヒドロキシ基または炭素数1から3のアルコキシ基である。)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の酸化方法。
  5. 下記式
    Figure 2011153076
    (式中、Rはお互いに同一でも異なっていても良く、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、炭素数1から3のアルキル基または炭素数1から3のアルコキシ基を表し、但し、Rのうちいずれか1つ以上がフッ素原子、ヒドロキシ基または炭素数1から3のアルコキシ基である。)で表される化合物。
  6. アルコールを酸化してアルデヒド化合物、ケトン化合物及び/又はカルボン酸化合物を製造する請求項1〜5のいずれかに記載の酸化方法。
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