JP2011151235A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定的に、出力特性の高い太陽電池を製造する太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】pn接合を有する半導体基板1と、該半導体基板1上に形成された電極とを備える太陽電池の製造方法であって、半導体基板1の表面および裏面のうちの少なくとも一方の面上に導電性ペーストを塗布する工程と、半導体基板1上の導電性ペーストを加熱室内で焼成して電極を形成する工程と、を有し、電極を形成する工程での焼成炉200内に供給されるガスの供給量(V1)と加熱室内から排出されるガスの排出量(V2)の比率(V1/V2)が1以上2.5以下である太陽電池の製造方法である。
【選択図】図5

Description

本発明は、太陽電池の製造方法に関し、特に、出力を向上させた太陽電池の製造方法に関する。
近年、エネルギー資源の枯渇の問題や大気中のCO2の増加のような地球環境問題などから、クリーンなエネルギーの開発が望まれており、太陽エネルギーから電気エネルギーを生成する太陽電池が新しいエネルギー源として開発、実用化され、発展の道を歩んでいる。一般的な太陽電池の構成としては、たとえば、内部にpn接合が形成された半導体基板の受光面および受光面の反対側の裏面にそれぞれ表電極および裏電極が形成されたものがある。
上記太陽電池では、半導体基板内に入射された光によって発生した電子および正孔対がpn接合部分に発生する電界によって分離され、分離された電子および正孔対が表電極および裏電極を介して電流として外部に取り出される。このような太陽電池を製造する方法としては、たとえば、シリコン単結晶またはシリコン多結晶からなる半導体基板の受光面側近傍にpn接合を形成し、その後、受光面および裏面に電極を形成する方法がある。
半導体基板内にpn接合を形成する方法としては、たとえば、半導体基板全体に、ボロン(B)原子などのp型不純物を添加してp型半導体基板を作製し、このp型半導体基板の受光面側にリン(P)原子などのn型拡散層を形成可能なn型不純物を拡散させる方法がある。このpn接合の形成方法において、太陽電池の光電変換効率を上げるために、p型半導体基板の受光面にテクスチャ加工を施してから、n型拡散層を形成する方法が採用されている。受光面が凹凸形状を有することにより、入射された光を効率的に半導体基板内に閉じ込めることができる。
受光面および裏面に電極を形成する方法としては、たとえば、受光面および裏面に導電性ペーストが印刷された半導体基板を、加熱室内で加熱して該導電性ペーストを焼成することによって電極を形成させる方法がある。焼成温度、焼成時間といった焼成条件は、導電性ペーストの組成に適した条件が設定される。この電極形成方法において、太陽電池の光電変換効率を上げるために、窒化ケイ素、酸化チタンなどからなる反射防止膜を受光面に形成してから電極を形成する方法が採用されている。受光面に反射防止膜が形成されることにより、受光面が光を反射するのを防止することができる。
上述のような太陽電池において、電極の状態は太陽電池の出力特性に大きく関与するため、電極の状態を決定する上記焼成条件は太陽電池の特性を向上させるための重要な要素である。たとえば、特許文献1では、電極の導電性を上げるために、導電性ペーストの組成が種々検討されており、さらに、適当な導電性ペーストの焼成条件が記載されている。
特開2005−243500号公報
引用文献1からも明らかなように、従来、電極の形成における導電性ペーストの焼成条件としては、上記のように、焼成温度、焼成時間といった温度プロファイルが設定されるのみであった。
しかしながら、同じ温度プロファイルで導電性ペーストを焼成して電極を形成しても、製造された太陽電池の出力がばらつき、所望の出力特性の太陽電池を安定的に製造することができないという問題は未だに存在している。
そこで、本発明は、安定的に出力特性が高い太陽電池を製造する太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、焼成時の加熱室へのガスの供給量と加熱室からのガスの排出量の比率を制御することにより、太陽電池の出力特性を高くすることができ、さらに、製造される太陽電池の出力特性を安定化できることを知見した。
すなわち、本発明は、pn接合を有する半導体基板と、該半導体基板上に形成された電極とを備える太陽電池の製造方法であって、半導体基板の表面および裏面のうちの少なくとも一方の面上に導電性ペーストを塗布する工程と、半導体基板上の導電性ペーストを加熱室内で焼成して電極を形成する工程と、を有し、電極を形成する工程での加熱室内に供給されるガスの供給量(V1)と加熱室内から排出されるガスの排出量(V2)の比率(V1/V2)が1以上2.5以下である太陽電池の製造方法である。
上記太陽電池の製造方法において、比率(V1/V2)が1.1以上であることが好ましい。
上記太陽電池の製造方法において、供給量(V1)が、1分間当たり480L以上であることが好ましい。
上記太陽電池の製造方法において、供給量(V1)および排出量(V2)は、それぞれ供給部および排出部によって制御されることが好ましい。
本明細書において、p型およびn型は、適宜相互に入れ替わっても良い。
本発明によれば、安定的に、出力特性の高い太陽電池を製造することができる。
本発明を適用することができる太陽電池の製造工程の好ましい一連の流れを示す図であり、(A)は半導体基板の模式的な断面図であり、(B)はドーパント液を塗布した後の半導体基板の模式的な断面図であり、(C)はn層形成後の半導体基板の模式的な断面図であり、(D)は反射防止膜形成後の半導体基板の模式的な断面図であり、(E)はAlペースト印刷後の半導体基板の模式的な断面図であり、(F)はAl電極およびp層形成後の半導体基板の模式的な断面図であり、(G)は銀ペースト印刷後の半導体基板の模式的な断面図であり、(H)は本発明で製造される太陽電池の模式的な断面図である。 本発明における半導体基板の加熱に用いられる加熱室の一例である焼成炉の模式的な断面図である。 図2に示す焼成炉のIII−III線に関する矢視断面図である。 実験例1および実験例2の各条件下で作製された太陽電池100の出力(W)をプロットしたグラフである。 実験例1の各プロット間の関係を示す多項式近似、および実験例2の各プロット間の関係を示す多項式近似を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一または対応する部分について同一の符号を付し、その説明は繰り返さないことにする。
図1に、本発明を適用することができる太陽電池の製造工程の好ましい一連の流れを示す。以下、図1を参照しながら、一般的な太陽電池の製造方法の一例について説明する。
1.第1の工程
図1(A)は半導体基板の模式的な断面図である。図1(A)において、p型の多結晶または単結晶のシリコンからなる半導体基板1は、製造時に生じる表面のダメージ層が除去され、半導体基板1の受光面は、テクスチャ加工により、微細なピラミッド状の凹凸形状が形成されている。
ダメージ層とは、たとえば、シリコンインゴットをワイヤーソーのような切削工具を用いて半導体基板を切り出した際に、半導体基板の表面に生じる変質層のことである。ダメージ層は、たとえば、水酸化ナトリウム水溶液、フッ酸と硝酸の混酸などのエッチング液に半導体基板を浸漬して半導体基板の表面をエッチングすることによって除去することができる。また、受光面の凹凸形状を形成するテクスチャ加工は、たとえば、上記エッチングの条件を調整することによって可能となる。受光面にテクスチャ構造を形成しておくことにより、受光面での光の反射を抑えることができる。
2.第2の工程
次に、図1(B)に示すように、半導体基板1の受光面にドーパント液2を塗布する。ドーパント液としては、たとえば、五酸化二リン(P25)をアルコールに溶解させた溶液を用いることができ、スピンコータを用いることによって受光面に均一に塗布することができる。
3.第3の工程
そして、ドーパント液2が塗布された半導体基板1を拡散炉で加熱してドーパント液2を半導体基板1内に熱拡散させることによって、図1(C)に示すように、半導体基板1の受光面にn層3を形成する。これにより、半導体基板1内にpn接合が形成される。熱拡散の条件は、具体的には、800℃以上950℃以下の温度で5分間以上30分間以下とするのが適当である。また、n層3は、他の方法、たとえば、拡散炉内において、半導体基板1をオキシ塩化リン(POCl3)中で加熱することによっても形成することができる。
4.第4の工程
次に、図1(D)に示すように、半導体基板1の受光面上に反射防止膜4を形成する。反射防止膜4としては、たとえば、チタン酸アルコキシドを原料とするCVD法によって形成される酸化チタン膜、シランとアンモニアとの混合ガスを原料とするプラズマCVD法によって形成される窒化シリコン膜などがある。また、ドーパント液2に反射防止膜の材料を混合することによって、n層3と反射防止膜4とを同時に形成してもよい。
5.第5の工程
次に、図1(E)に示すように、半導体基板1の裏面上に、導電性ペーストであるAlペースト5を塗布する。Alペースト5の塗布方法としては、たとえば、スクリーン印刷法がある。なお、裏面に集電極を形成する場合には、集電極が形成される位置にはAlペースト5を塗布しない。
6.第6の工程
そして、図1(F)に示すように、Alペースト5の塗布後に、半導体基板1上のAlペースト5を加熱室である焼成炉内で焼成して、Al電極6を形成する。このとき、裏電極としてのAl電極6が形成されるとともに、Alが半導体基板1の裏面側から半導体基板1内に拡散することによってp層7が形成される。
層7が形成されることにより、p型の半導体基板1内で生成された少数キャリアが半導体基板1の裏面側に向かうことが抑制される。したがって、少数キャリアがpn接合部に到達する確率が増加し、結果的に、太陽電池の出力特性が上昇する。なお、Alペースト5を焼成する場合には、650℃以上800℃以下で30秒間以上5分間以下焼成することが好ましい。
7.第7の工程
次に、図1(G)に示すように、半導体基板1の受光面および裏面にAgペースト8,9を塗布する。受光面には、グリッド状にAgペースト8を塗布することができ、裏面には、Al電極6が形成されていない箇所に、近傍のAl電極と一部が重なるように、Agペースト9を塗布することができる。なお、塗布方法としては、スクリーン印刷法などがある。
8.第8の工程
そして、最後に、図1(H)に示すように、半導体基板1上のAgペースト8,9を加熱室である焼成炉内で焼成して、Ag電極10,11を形成する。具体的には、Agペースト8が反射防止膜4をファイヤースルーすることによって表電極としてのAg電極10が形成されるとともに、裏電極としてのAg電極11が形成される。なお、Agペースト8,9を焼成する場合には、600℃以上800℃以下で30秒間以上5分間以下焼成することが好ましい。以上の工程により、太陽電池100が製造される。
上述した第1の工程〜第8の工程からなる太陽電池の製造工程の一連の流れにおいて、半導体基板1に塗布後されたAlペースト5を焼成することによってAl電極6を形成した後、半導体基板1に塗布されたAgペースト8,9を焼成することによってAg電極10,11を形成したが、この順番は入れ替わってもよい。また、Al電極6およびAg電極10,11を同時に形成してもよい。、各電極6,10,11を構成する金属元素は、それぞれAl元素、Ag元素に限定されるものではない。なお、裏面のAg電極11は形成しなくてもよい。
以上、図1を用いて、一般的な太陽電池の製造方法の一連の流れを説明したが、このような太陽電池の製造方法において、本発明は、第5の工程および第6の工程、ならびに第7の工程および第8の工程において適用することができる。以下、図1(E)〜図1(G)を用いながら、本発明に係る太陽電池の製造方法について説明する。
<第1の実施形態>
≪導電性ペースト塗布工程≫
本実施形態において、導電性ペースト塗布工程として、図1(E)に示すように、pn接合を有する半導体基板1の一方の面である裏面上に導電性ペーストとしてのAlペースト5を塗布する。
導電性ペーストとしては、加熱により気化し得る溶剤中に導電性粉末を分散させたものを用いることができ、導電性粉末としては、Al、Ag、Cuなどを用いることができる。また、導電性ペーストは、バインダとしてガラス粉末を含んでも良い。なお、本明細書において、溶剤中にAlの粉末を分散させたものをAlペーストという。また、導電性ペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などがあり、導電性ペーストの塗布量は、電極を形成したい面に塗布されたペーストの厚さが約0.02mmとなるような量であることが好ましい。
≪電極形成工程≫
次に、電極形成工程として、図1(F)に示すように、半導体基板1上のAlペースト5を加熱室内で焼成して電極6を形成する。この電極形成工程において、加熱室内に供給されるガスの供給量(V1)と加熱室内から排出されるガスの排出量(V2)の比率(V1/V2)が1以上2.5以下に制御される。
上記制御が可能な加熱室として、図2に示すような焼成炉200を用いることができる。図2において、焼成炉200は炉室21と、図2が記載されている紙面の裏側から表側に向かって炉室21の内部を進行するベルト22と、ベルト22の下方および上方においてベルト22の進行方向と垂直な方向に伸びているヒータ23,24と、ベルト22の下方においてベルト22の進行方向と垂直な方向に伸びているガスの供給部としてのガス供給管25と、炉室21内のガスを外部に排出する排出部としてのガス排出管26とを備える。ベルト22上には、図1(E)に示すAlペースト5が塗布された半導体基板1が載置される。
図2の焼成炉200において、ガス供給管25には、所定の間隔をあけて通気孔が形成されており、この通気孔を通ってガスが炉室21内に供給される。そして、炉室21内に供給されたガスは、炉室21の上部に形成されたガス排出管26を介して炉室21の外に排出される。炉室21内へのガスの供給量(V1)を制御するために、ガス供給管25には不図示のガス供給量制御装置が接続されており、炉室21内からのガスの排出量(V2)を制御するために、ガス排出管26には不図示のガス排出量制御装置が接続されている。ガス供給量制御装置としては、たとえば、流量計を用いることができ、ガス排出量制御装置としては、たとえばロータリーポンプ、エゼクターを用いることができる。
図3は、図2に示す焼成炉のIII−III線に関する矢視断面図である。図3において、ベルト22は図中白抜きの矢印方向に進行する。ヒータ23は、たとえば、図中上向きの実線矢印方向に半導体基板1を加熱することができ、ヒータ24は、たとえば、図中下向きの実線矢印方向に半導体基板1を加熱することができる。また、ガス供給管25は、図中上向きの点線矢印方向に向けて炉室21内にガスを供給し、炉室21内に供給されたガスは、図3上方の不図示のガス排出管26から排出される。
従来は、炉室21内に供給されたガスは、炉室21に形成された開口部から供給されるガスの圧力によって炉室21の外に排出されていた。これに対し、図2の焼成炉200では、ガス供給管25およびガス排出管26にガス供給量制御装置およびガス排出量制御装置がそれぞれ接続されるため、ガスの供給量および排出量を制御することができる。したがって、導電性ペーストの焼成時に、焼成炉内に供給されるガスの供給量(V1)と焼成炉内から排出されるガスの排出量(V2)の比率(V1/V2)を1以上2.5以下とすることができる。これにより、安定的に、出力特性の高い太陽電池を製造することができる。比率(V1/V2)が高い場合を考慮して、炉室21は耐圧性であることが好ましい。なお、比率(V1/V2)を1以上2.5以下とすることによる効果については、後述する実験1および実験2の説明において詳述する。
<第2の実施形態>
≪導電性ペースト塗布工程≫
本実施形態において、導電性ペースト塗布工程として、図1(G)に示すように、pn接合を有する半導体基板1の表面および裏面上に導電性ペーストとしてのAgペースト8,9をそれぞれ塗布する。導電性ペーストとしては、他の導電性ペースト、たとえばAlペーストを用いることができる。
導電性ペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などがあり、導電性ペーストの塗布量は、電極を形成したい面に塗布されたペーストの厚さが約0.02mmとなるような量であることが好ましい。
≪電極形成工程≫
次に、電極形成工程として、図1(H)に示すように、半導体基板1上のAgペースト8,9を加熱室内、たとえば図2の焼成炉200内で焼成して電極10,11を形成する。この電極形成工程において、加熱室内に供給されるガスの供給量(V1)と加熱室内から排出されるガスの排出量(V2)の比率(V1/V2)が1以上2.5以下に制御される。これにより、安定的に、出力特性の高い太陽電池を製造することができる。
また、上記第1の実施形態および第2の実施形態を組み合わせて、太陽電池100を製造しても良い。この場合には、全ての電極の形成時にガスの供給量と排出量の比率(V1/V2)を制御することができ、より安定的に、出力特性の高い太陽電池を製造することができる。
次に、本発明者が加熱室内に供給されるガスの供給量(V1)と加熱室内から排出されるガスの排出量(V2)の比率(V1/V2)を1以上2.5以下とすることにより、製造された太陽電池の出力特性を向上させることができ、さらに製造された太陽電池間の出力特性のばらつきを低下させることができるとの知見を得るに至った実験を以下に詳述する。
<実験1>
本発明者は、電極形成工程における温度プロファイルを調整するという従来の観点と異なり、電極形成工程における加熱室内のガスの供給量(V1)とガスの排出量(V2)との比率(V1/V2)(以下、「供給量/排出量比」という。)を調整するという観点に着目した。そして、電極形成工程における焼成炉内へのガスの供給量(V1)を一定にした状態で、ガスの排出量(V2)を制御することによって比率(V1/V2)を変動させながら、図1に示す太陽電池の製造方法の手順に従って、太陽電池100を製造した。以下に実験1における太陽電池の製造方法を図1を用いながら具体的に説明する。
まず、図1(A)に示すように、単結晶のシリコン基板である半導体基板のダメージ層をエッチングによって除去し、かつ受光面に凹凸形状を形成した。エッチング液としては、五酸化二リンのアルコール溶液を用いた。次に、テクスチャ加工された半導体基板1の受光面全体に、図1(B)に示すように、ドーパント液2として、エタノール100重量部に対して2〜5重量部の範囲内となるように五酸化二リンを添加した溶液をスピンコータを用いて塗布した。該溶液の有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールを用いることができる。なお、半導体基板1の大きさは245cm2であった。
そして、ドーパント液2が塗布された半導体基板1を拡散炉に入れて900℃で20分間加熱することにより、図1(C)に示すように、半導体基板1の受光面にn層3を形成した。その後、図1(D)に示すように、プラズマCVD法を用いて窒化シリコンからなる反射防止膜4をn層3上に約80nmの厚みで形成した。
次に、導電性ペースト塗布工程として、図1(E)に示すように、半導体基板1の裏面に、スクリーン印刷法によって、Alペースト5を1枚の半導体基板1に対し2.3〜2.6g塗布した。Alペースト5としては、アルミニウム粉末100重量部に対して、ガラス粉末が0.5〜5重量部の範囲内となるように、有機溶剤が25〜45重量部の範囲内となるように添加されたAlペーストを用いた。そして、電極形成工程として、図1(F)に示すように、Alペースト5が塗布された半導体基板1を図2の焼成炉200の炉室21内で焼成して電極6およびp層7を形成した。
具体的には、Alペースト5が塗布された半導体基板1を炉室21内のベルト22上に載置した状態で、炉室21内におけるガスの供給量/排出量比を調整しながら、半導体基板1を800℃で2分間加熱した。供給量/排出量の制御は、供給管25および排出管26のガスの流路に取り付けたマイクロフローセンサで供給量および排出量をモニタリングしながら、供給管25に設けられた流量計、および排出管26に設けられたエゼクターを制御することにより行った。なお、用いた焼成炉200の容積は、幅2000mm、奥行き2000mm、高さ2000mmであり、半導体基板1の搬出入用の開口部は縦60mm、横1200mmであり、焼成炉200は、1時間当たり2000〜2200枚の半導体基板の焼成を可能とする処理能力を有していた。
供給量/排出量比の制御について、具体的には、200℃〜100℃に加熱したドライエアーを1200L/minで炉室21内に供給し、炉室21内からのガスの排出量を1920L/min、1280L/min、800L/min、640L/min、480L/minに変動させた。なお、各条件下において、半導体基板1を20枚ずつ加熱した。
ここで、ドライエアーとは、0.01mmのフィルターを通した露点−40℃の空気である。なお、ドライエアーを加熱したのは、炉室21内が冷却されるのを防ぐためであり、上記温度範囲は加熱コストの観点を踏まえた上で決定した範囲である。したがって、炉室21内に供給されるガスの温度は上記温度範囲に限定されるものではない。
次に、導電性ペースト塗布工程として、図1(G)に示すように、スクリーン印刷法によって、半導体基板1の裏面および受光面にAgペースト8,9を1枚の半導体基板1に対し、0.4〜0.5g塗布した。Agペースト8,9としては、銀粉末100重量部に対して、ガラス粉末が0.5〜5重量部の範囲内となるように、有機溶剤が25〜45重量部の範囲内となるように添加されたAgペーストを用いた。なお、該ペーストを表面に0.3g、裏面に0.1g塗布した。
そして、再度、電極形成工程として、上述した焼成炉200を用いて、各半導体基板1において、Alペーストの焼成時と同じ条件で、Agペーストの焼成を行った。この電極形成工程によって、図1(H)に示すように、Agペースト8が反射防止膜4をファイヤースルーすることによって表電極としてのAg電極10が形成されるとともに、裏電極としてのAg電極11が形成された。以上の手順により、太陽電池100を作製した。
<実験2>
電極形成工程における供給量/排出量比の制御について、炉室21内のガスを480L/minで排出し、炉室21内へのガスの供給量を240L/min、480L/min、720L/min、920L/min、1200L/minに変動させた以外は、実験1と同様の手順で、太陽電池100を作製した。
<性能評価>
実験1および実験2で作製された各太陽電池100に、25℃±1℃の温度環境下で電力1kWのキセノンランプを照射し、各太陽電池100の出力(W)を測定した。供給量/排出量比の異なる各条件下で作製された太陽電池100の出力(W)を表1に示す。なお、各条件下における出力の値は、それぞれ20個の太陽電池100の平均値である。
Figure 2011151235
図4に、実験1および実験2の各条件下で作製された太陽電池100の出力(W)をプロットしたグラフを示す。図4において、横軸は電極形成工程における供給量/排出量比を示し、縦軸は太陽電池100の出力(W)を示す。また、○は実験1の結果を示し、△は実験2の結果を示す。
図4から明らかなように、電極形成工程における加熱室内の供給量/排出量比が1.0より低いと、太陽電池100の出力(W)のばらつきが大きい。したがって、安定的に所望の出力(W)を有する太陽電池を製造するには、供給量/排出量比を1.0以上とすることが好ましいことがわかった。
また、上記結果についてさらに考察を進めるために、実験1の各プロットの多項式近似および実験2の各プロット間の多項式近似を算出した。図5に、実験1の各プロット間の関係を示す多項式近似、および実験2の各プロット間の関係を示す多項式近似を示すグラフを示す。図5において、実線の曲線は実験1の各プロット間の関係を示す二次多項式近似であり、点線の曲線は実験2の各プロット間の関係を示す二次多項式近似である。
図5から明らかなように、製造される太陽電池100の出力(W)は、供給量/排出量比に対して極大値を有する。具体的には、実験1の結果に基づく二次多項式近似が供給量/排出量比が1.5付近で極大値を有し、実験2の結果に基づく二次多項式近似が供給量/排出量比が1.8付近で極大値を有する。
図5のグラフから、供給量/排出量比が1以上2.5以下であれば、太陽電池の出力(W)のばらつきが小さく、かつ出力(W)の高い太陽電池を製造できることがわかった。したがって、電極形成工程において、加熱室内の供給量/排出量比を1以上2.5以下とすることにより、安定的に、出力特性の高い太陽電池を製造することができることがわかった。
また、図5のグラフから、供給量/排出量比が1.1以上2.5以下の場合が、出力特性がより安定するために好ましく、1.3以上2.3以下がさらに好ましいことがわかった。さらに、実験2の結果に基づく二次多項式近似から、ガスの供給量が480L/min以上、すなわち、1分間当たり480L以上であることが好ましいことがわかった。
以上詳述したように、本発明によれば、導電性ペースト塗布工程後の電極形成工程において、焼成炉内に供給されるガスの供給量(V1)と焼成炉内から排出されるガスの排出量(V2)の比率(V1/V2)を1以上2.5以下とすることにより、製造された太陽電池の出力特性を向上させることができ、さらに製造された太陽電池間の出力特性のばらつきを低下させることができる。したがって、製造される太陽電池の歩留まりを低下させることができる。
また、各電極形成工程のうち、少なくとも一方の電極形成工程において、供給量/排出量比を制御すれば足りるが、両電極形成工程において、供給量/排出量を制御することが好ましい。また、第1の実施形態および第2の実施形態では、片面で太陽光を受光する太陽電池の製造方法を用いて、本発明について説明したが、両面で太陽光を受光する太陽電池であっても、供給量/排出量比を上述のように制御することにより、太陽電池の出力特性が向上することはいうまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、たとえば、太陽電池を量産する場合に好適に利用することができる。
1 半導体基板、2 ドーパント液、3 n層、4 反射防止膜、5 Alペースト、6 Al電極、7 p層、8,9 Agペースト、10,11 Ag電極、21 炉室、22 ベルト、23,24 ヒータ、25 供給管、26 排出管、100 太陽電池、200 焼成炉。

Claims (4)

  1. pn接合を有する半導体基板と、該半導体基板上に形成された電極とを備える太陽電池の製造方法であって、
    前記半導体基板の表面および裏面のうちの少なくとも一方の面上に導電性ペーストを塗布する工程と、
    前記半導体基板上の前記導電性ペーストを加熱室内で焼成して前記電極を形成する工程と、を有し、
    前記電極を形成する工程での前記加熱室内に供給されるガスの供給量(V1)と前記加熱室内から排出されるガスの排出量(V2)の比率(V1/V2)が1以上2.5以下である太陽電池の製造方法。
  2. 前記比率(V1/V2)が1.1以上である請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記供給量(V1)が、1分間当たり480L以上である請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記供給量(V1)および前記排出量(V2)は、それぞれ供給部および排出部によって制御される請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池の製造方法。
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