JP2004146491A - 太陽電池生産方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の太陽電池生産方法では、シリコン太陽電池のpn接合を形成する際に、表面にデバイス性能を低下させる不純物高濃度領域が生じていた。この発明は量産性を重視し、簡潔な手法により、この領域を取り除くことによって、太陽電池の性能改善を図ることを目的とする。
【解決手段】半導体基板の表面に導電型を反転させた拡散層を備えた構造体を加工することにより太陽電池を得る太陽電池生産方法であって、構造体を弗化水素酸(HF)水溶液に浸漬して構造体の拡散層の表面を除去する表面除去工程を備えて構成した。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は太陽電池の生産方法に関するものであり、特に拡散層表面を除去することで、発電効率の高いシステムを実現する製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、電力用太陽電池の主流はシリコン太陽電池であるが、その普及には製品コストの低減が必要である。太陽電池の発電効率を向上させることも、製品価格を下げる手段と言える。また、発電効率の高いデバイスを用いることにより、設置面積を小さくできる付加的なメリットもある。
一方、従来から、半導体基板の表面に導電型を反転させた拡散層を備えた構造体を加工することにより、太陽電池を得る太陽電池生産方法が知られている。(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
小長井 誠著『薄膜太陽電池の基礎と応用』オーム社、2001年3月、p.40
【発明が解決しようとする課題】
従来の太陽電池生産方法では、シリコン太陽電池のpn接合を形成する際に、表面にデバイス性能を低下させる不純物高濃度領域が生ずる。この発明は量産性を重視し、簡潔な手法により、この領域を取り除くことによって、太陽電池の性能改善を図ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る太陽電池生産方法は、半導体基板の表面に導電型を反転させた拡散層を備えた構造体を加工することにより太陽電池を得るものであって、構造体を弗化水素酸(HF)水溶液に、その液温に応じた所定時間浸漬して構造体の拡散層の表面を除去する表面除去工程を備えたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る太陽電池生産方法を示すフローである。図1(a)におけるp型Si基板1がこの実施の形態における半導体基板である。図1(b)で例えばリンを熱的に拡散することにより導電型を反転させた拡散層をp型Si基板1の表面に形成する。この実施の形態ではn型拡散層2が拡散層に該当する。この拡散層の形成は熱拡散法により行われる(拡散層形成工程)。このとき、リンと酸素を含む化合物もしくは拡散源の一部がp型Si基板1のn型拡散層2表面に副産物として残る。残った物質を総称してリンガラス6と呼ぶ。また特に工夫の無い場合、n型拡散層2はP型Si基板1の全面に形成される。以上の工程により、半導体基板の表面に導電型を反転させた拡散層を備えた構造体が形成される。
【0006】
続いて、図1(c)で、弗化水素酸(HF)水溶液に構造体を浸漬させることでリンガラス6を除去する。リンガラス6は、非常に短時間で除去されるため、20秒程度の浸漬でn型拡散層2が露呈する(リンガラス除去工程)。更に、図1(d)に示すように、一主面のみにn型拡散層2を残すように他をエッチング除去し、図1(e)でこの主面上に絶縁膜3を形成する。この絶縁膜3は、反射防止膜として働き、デバイスの性能を向上させる。この後、図1(f)で表電極4、裏電極5を形成して、太陽電池デバイスが製作される。
【0007】
ここで、上記構造体の図1(b)に示す拡散層形成工程では、気体、液体、固体の何れかの不純物をp型Si基板1の表面に付着させ、熱的に拡散する方法が考えられるが、この場合、n型拡散層2の表面の不純物濃度が高く、内部に向かって不純物濃度が減少していく分布を呈する。発電効率の高い太陽電池システムを得るためにはこのn型拡散層2表面の不純物濃度を所定の値に制御することが必要である。
【0008】
上述の制御を目的としてn型拡散層2の表面、即ち、高濃度領域を取り除く手法として、プラズマあるいはサンドブラストなどによる乾式エッチング、弗化水素酸(HF)と硝酸(HNO3)を混合させた水溶液等による湿式エッチング等で除去する方法が考えられる。ところが、プラズマ等による乾式エッチングは、構造体の表面にダメージを与えてしまう点、製造工程が煩雑になり、製造コストが嵩む点などから、量産への適用が難しかった。また、弗化水素酸(HF)と硝酸(HNO3)を混合させた水溶液に代表されるようなシリコンをエッチングできる薬液を用いる場合、反応熱による温度変化あるいは液寿命にみられる経時変化でエッチング特性が安定せず、エッチング量の制御が難しく、量産性に乏しかった。従って、量産を試みられた太陽電池には、この高濃度領域が残存されたままであることが多かった。この技術を量産に適用させるためには、ナノメートルからサブミクロンという微量な領域を、安定かつ簡便に除去する必要がある。
【0009】
この実施の形態1に係る太陽電池の生産方法では、p型Si基板1の表面に導電型を反転させたn型拡散層2を形成し、温度を制御した弗化水素酸水溶液に一定時間浸漬することで、n型拡散層2表面(不純物高濃度層)をエッチングすることとした(表面除去工程)。これにより、ナノメートルからサブミクロンという微量な領域を、安定かつ簡便に除去することに成功した。以下、この実施の形態についてより詳しく説明する。
【0010】
図2は、この実施の形態に係る太陽電池の生産方法に関するフローチャートである。以下、図2のフローチャートに従って、1−2−(3)−4−5−6−7−8−9の各工程について説明を行う。
まず図2の工程1は、例えば引き上げ法により製造される単結晶あるいはキャスト法により製造される多結晶シリコン基板を洗浄する工程であるが、太陽電池の場合、インゴットからスライスされたままの基板を用いることが多い。この場合、スライス工程で生じた基板表面の機械加工変質層および汚れを取り除くため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液あるいは弗酸と硝酸の混合液などを用いて、およそ5から20μm程度、基板表面をエッチングする。更には、基板表面に付着した鉄などの重金属類を除するために、塩酸と過酸化水素の混合液で洗浄する工程を付加しても良い。
【0011】
引き続き工程2で、使用する基板がp型であれば、pn接合を形成する為にn型層を形成する(拡散層形成工程)。このn型層の形成方法は、オキシ塩化リン(POCl3)による熱拡散を用いる。その他の方法としては、例えば、SOD(Spin−On−Dopant)、PSG(Phospho−Slicate−Glass)、あるいはリン酸(H3PO4)、亜リン酸(H3PO3)、次亜リン酸(H3PO2)、メタリン酸(HPO3)などのリン酸系水溶液、あるいはフィルム拡散源などを拡散供給源として、適切な方法で基板表面にリンを含む不純物を付着させて、熱的に拡散させる。また、付着させる方法は、ガス(気体)、スピンコート、スプレー方式、ロールコート、浸漬など何れの方法でも良い。何れにせよ、上記のような基板表面に拡散源を付着させて熱的な拡散を行う場合、拡散層の表面はリン濃度が高く、表面からの距離が進むに連れてリン濃度が低下する分布となる。
【0012】
次に、工程3は、拡散後の基板表面に残った図1(b)に示すリンガラス6を除去する工程である(リンガラス除去工程)。熱的拡散をさせた場合、リンと酸素を含む化合物もしくは拡散源の一部がn型拡散層2の表面にリンガラス6として残ることは上述の通りである。n型拡散層2表面に残ったリンガラスは、このリンガラス除去工程によって弗化水素酸水溶液によって除去され、構造体のn型拡散層2が露出する。
【0013】
続いて、工程4は温度管理された弗化水素酸水溶液に構造体を所定時間浸漬し、リン濃度の高いn型拡散層2の表面をエッチング除去する工程である(表面除去工程)。ここで、一般的には弗化水素酸水溶液は、シリコンをエッチングできないとされている。このため通常であれば、前段のリンガラス除去工程3における処理は、n型拡散層2表面に残ったリンガラス6を除去するために必要な時間(20秒程度)で終了すると予想される。しかし、発明者は実験の結果、温度管理した弗化水素酸水溶液に構造体を一定時間浸漬することにより、n型拡散層2表面のリン濃度の高い領域がエッチングされ、太陽電池の性能が向上することを見出した。このため、この実施の形態では、温度管理した弗化水素酸水溶液に構造体をリンガラス除去工程終了後もさらに浸漬しつづけることにより、n型拡散層2の表面をエッチングし、太陽電池の性能向上を図ることとしている。この表面除去工程に要する処理時間は、弗化水素酸水溶液の温度の影響を受けるが、それ自体の反応熱が殆ど無く、エッチングレートもゼロに近いため、微量な当該領域を除去する場合、制御性が良く、簡便な方法と言える。
【0014】
特に、上記リンガラス除去工程3の終了時において、n型拡散層2のシート抵抗が40乃至110Ωに相当する場合がこの実施の形態にかかる太陽電池生産方法に適する。このような場合、n型拡散層2表面のリン濃度が1E+20cm−3以上と高く、キャリア再結合速度の増加ならびに入射光量の減少を引き起こし、太陽電池デバイスの性能低下を招く。従って、温度を制御した弗化水素酸水溶液に一定時間浸漬することで、リン濃度の高い表面領域がエッチング除去され、性能向上を図ることができるからである。
【0015】
ここで、シート抵抗は例えば国際電気株式会社の比抵抗測定器 VR−70を使用し、暗所下での四探針法により測定することができる。
【0016】
尚、上述のようにリンガラス6は弗化水素酸水溶液で短時間に取り除くことができる。このため、リンガラス除去工程3は表面除去工程4と併せて行うことができ、両者を別々に行わなくともよい。即ち、リンガラス除去工程3と表面除去工程4とを一連の一つの工程として行うことも可能である(リンガラス除去兼表面除去工程)。
【0017】
また、この実施の形態で用いた弗化水素酸水溶液は、弗化水素濃度が0.1乃至20重量%であり、水溶液の温度は23℃の室温で安定している。液温が20乃至25℃であれば、例えばリンガラス除去兼表面除去工程に要する処理時間は20分以内が適当である。なお、より好ましくは、弗化水素濃度5乃至10重量%で処理時間は10分以内が適当な条件である。これらの所定値は、n型拡散層2に損傷を与えない条件として決定した。
【0018】
また、表面除去工程4におけるエッチング量の目安として、シート抵抗の増加量を測定することが簡便な方法と言える。つまり、シート抵抗の増加量が大きくなる程、エッチング量が多く、表面のリン濃度が低下したことを意味する。これにより所望の効果が大きくなる反面、電極との良好な接触が得られなくなる不利益が生ずる。従って、一般的に、n型拡散層2に損傷を与えない範囲で、表面除去工程4におけるシート抵抗の増加量が0.1乃至20Ωであれば良いが、より好ましくは3乃至6Ω、更に好ましくは約4Ωの増加量の際、より良い結果を得ることができた。なお、増加量の基準値は、リンガラス除去工程3が終了した時点を指す。
【0019】
また、リンガラス除去工程3の終了を表す簡便な指標として、リンガラス6が存在する場合、構造体の表面は親水面を呈し、当該リンガラス6が除去されると疎水面が現れることを利用する。構造体を弗化水素酸水溶液から引き上げた際、弗化水素酸水溶液が構造体の表面と親しむ場合には親水性、親しまない場合には疎水性である。実験では1分以内に疎水面が現出したが、リンガラス除去工程3のプロセスマージンを鑑み、液温が20乃至25℃である弗化水素酸水溶液による浸漬時間4分を、リンガラス除去工程3に必要な時間とした。即ち、リンガラス除去に要する時間は4分以内である。
したがって、リンガラス除去兼表面除去工程の場合には、リンガラス除去のために必要な時間を考慮した場合、4乃至20分あるいは4乃至10分が必要となる。
なお、リンガラス除去工程3は、加温しない弗化水素酸水溶液で十分である。
【0020】
工程5のpn接合分離は、p電極とn電極がショートしないように実施する工程であり、所望の電極パターンに合わせてn型シリコン層を除去すればよい。除去の方法は、工程1で述べた方法以外に、プラズマによるエッチングやサンドブラストによる機械的方法などでも良い。また、SOD等を基板の1面のみに付着する方法に代表される拡散のように、拡散領域を選択的に行う場合は、pn接合分離工程を省略することが可能である。
【0021】
工程6は、反射防止膜を形成する工程である。この反射防止膜は、太陽電池の入射光に対する表面反射率を低減させるため、発生電流を増加させることが可能になる。例えば、反射防止膜に窒化シリコン膜を適用する場合、その形成方法は減圧熱CVD法やプラズマCVD法を用いて形成される。熱CVD法の場合、ジクロルシラン(SiCl2H2)とアンモニア(NH3)を原料とすることが多く、例えばガス流量比としてNH3/SiCl2H2=10から20、反応室内の圧力0.2から0.5Torr、温度760℃の条件で成膜を行う。次に、プラズマCVD法で形成する場合の原料ガスとしては、SiH4とNH3の混合ガスを用いるのが一般的である。成膜条件としては、例えばガス流量比NH3/SiH4=0.5から1.5、反応室内の圧力1から2Torr、温度300から550℃で、プラズマ放電に必要な高周波電源の周波数としては数百kHz以上が適当である。
【0022】
工程7乃至9は、太陽電池から電流を取り出すための電極形成を示す。電極は、p型シリコンに対しては銀アルミあるいはアルミペースト、n型シリコンに対しては銀ペーストをスクリーン印刷法で所定のパターンを形成し、例えば650から900℃の温度で数十秒から数分間焼成することで、n型およびp型基板とのオーミック接触を得るものである。
【0023】
図3は、この発明の実施の形態1にかかる太陽電池と、従来法で作成した太陽電池のデバイス特性を示す比較表である。Vocは開放電圧、Jscは短絡電流、FFは曲線因子、Eff.は発電効率である。拡散層のリン濃度が高い領域をエッチングすることで、キャリアの表面再結合速度が減少し、開放電圧が増大されたものと考える。また、表面再結合速度減少に加えて、入射光量が増大したことにより、短絡電流が増大したものと考える。このように発電効率が高くなり、太陽電池デバイスの性能が向上した。
【0024】
この実施の形態では以上のように、表面除去工程あるいはリンガラス除去兼表面除去工程を採用したので、n型拡散層2の表面(リン濃度の高い領域)であるナノメートルからサブミクロンという微量な領域を、安定かつ簡便に除去することが可能である。このため、この実施の形態に係る太陽電池生産方法は、量産性に適し、簡潔な手法により、太陽電池の性能改善を図ることができる。
【0025】
また、この実施の形態にかかる太陽電池生産方法では、半導体基板上に導電型を反転させた拡散層のリン濃度が高い表面をエッチングすることで、キャリアの表面再結合速度の減少ならびに、入射光量の増大をもたらし、発電効率の高いデバイスが実現できる。つまり、製品コストを低減できる効果がある。また、狭い面積で所望の電力を得られる効果がある。更に、上記のリンガラス除去兼表面除去工程は、リンガラス除去工程を兼ねるため、少ない工程で実現でき、製造スループットを高く、装置コストも低減できる効果がある。さらにこの実施の形態に示す表面除去処理は、エッチング量の制御が容易であり、太陽電池デバイスの所定のシート抵抗を実現し易いため、電極材料ならびに電極パターン設計において自由度が増大する効果がある。さらに、拡散層の形成が、一般的な熱拡散で実現できるため、量産に適用し易い効果がある。加えて、半導体基板をシリコンで実現できるため、電力用太陽電池の大部分のデバイスに応用できる効果がある。
【0026】
実施の形態2.
実施の形態1で、工程4において、処理時間を延長させることで、リン濃度が高いn型拡散層2の表面がエッチングされる例を述べた。この実施の形態では、上記エッチング量が当該弗化水素酸水溶液の温度に左右されること明らかにする。
図4は弗化水素酸水溶液の温度とシート抵抗増加量との関係を示す表である。この図4に示す表は、弗化水素酸水溶液による上記エッチング量が、当該弗化水素酸水溶液の温度に影響されることを、シート抵抗増加量で示している。なお、浸漬時間はどの温度の場合も4分に統一している。基準となるシート抵抗値は、液温が22℃で安定している弗化水素酸水溶液を用いており、実施例1で述べた理由により、リンガラス除去工程を施した試料と見なすことができる。図4から、表面除去工程によって拡散層2表面のリン濃度を所望の値に調節するために、弗化水素酸水溶液を温度制御すれば良いことが分かる。
【0027】
以上のように、弗化水素酸水溶液による表面除去工程は、次のようにすれば良い。即ち、加温しない当該水溶液を用いた場合、浸漬時間を4分より長くすることで実現される。浸漬時間をリンガラス除去工程3の処理時間に合わせた場合、あるいはその時間よりも短くした場合でも、弗化水素酸水溶液を加温することで実現される。弗化水素酸水溶液の温度範囲としては10乃至80℃、より好ましくは30乃至40℃が適当である。ここで、最低温度を10℃としたのは主として室温の下限を意味する。特に弗化水素酸水溶液を冷却する必要は少ないが、冷却によりシート抵抗増加率の低減(エッチレートの低減)による制御性の向上を図ることができる。また、液温の上昇に比例してエッチングレートが増加するため、弗化水素酸水溶液を加温して室温以上に上げれば処理時間の短縮を図ることができる。例えば、弗化水素酸(HF)水溶液の温度が30℃以上に加温される場合には、リンガラス除去兼表面除去工程に要する時間が4分乃至20分より短い時間で済む。また、この実施の形態では、弗化水素酸水溶液の温度によってエッチング量を調整するため、n型拡散層2表面において所望のリン濃度を得ることができる。
【0028】
また、上述のように、表面除去工程は、長時間化で実現する場合、加温の必要が無く、室温で実現できるので、装置コストを低減できる効果がある。一方、高温化で実現する場合、短時間の処理であるため、製造スループットを高くできる効果がある。
【0029】
尚、この実施の形態では実施の形態1と相違する部分について説明し、実施の形態1と同一又は相当する部分の説明は省略した。
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る太陽電池生産方法は、半導体基板の表面に導電型を反転させた拡散層を備えた構造体を加工することにより太陽電池を得る方法において、構造体を弗化水素酸(HF)水溶液に浸漬して構造体の拡散層の表面を除去する表面除去工程を備えたため、比較的簡潔な手法により、この領域を取り除くことによって、太陽電池の性能改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る太陽電池生産方法を示すフローである。
【図2】この実施の形態に係る太陽電池の生産方法に関するフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1にかかる太陽電池と、従来法で作成した太陽電池のデバイス特性を示す比較表である。
【図4】弗化水素酸水溶液の温度とシート抵抗増加量との関係を示す表である。
【符号の説明】
1 p型Si基板、2 n型拡散層、3 絶縁膜、4 表電極、5 裏電極、6リンガラス

Claims (14)

  1. 半導体基板の表面に導電型を反転させた拡散層を備えた構造体を加工することにより太陽電池を得る太陽電池生産方法であって、前記構造体を弗化水素酸(HF)水溶液に浸漬して前記構造体の前記拡散層の表面を除去する表面除去工程を備えたことを特徴とする太陽電池生産方法。
  2. 弗化水素酸(HF)水溶液は、弗化水素濃度が、0.1乃至20重量%であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池生産方法。
  3. 弗化水素酸(HF)水溶液は、温度が10乃至80℃であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池製造方法。
  4. 半導体基板の構成材料がシリコンであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池生産方法。
  5. 拡散層が、熱拡散法により半導体基板表面から内部へ不純物を導入して形成されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池生産方法。
  6. 半導体基板の表面に導電型を反転させた拡散層を備えた構造体を加工することにより太陽電池を得る太陽電池生産方法であって、
    前記拡散層の表面に付着したリンガラスを除去するリンガラス除去工程と、
    前記構造体を弗化水素酸(HF)水溶液に浸漬して前記構造体の前記拡散層の表面を除去する表面除去工程を備えたことを特徴とする太陽電池生産方法。
  7. 表面除去工程は、リンガラス除去工程が終了した時点を基準として拡散層のシート抵抗が0.1乃至20Ω増加するまでの期間行われることを特徴とした請求項6に記載の太陽電池生産方法。
  8. リンガラス除去工程終了時において、拡散層のシート抵抗が40乃至110Ωであることを特徴とする請求項7に記載の太陽電池生産方法。
  9. 半導体基板表面から内部へ不純物を導入し、前記半導体基板表面に導電型を反転させた拡散層を備えた構造体を形成する拡散層形成工程と、
    前記構造体を弗化水素酸(HF)水溶液に浸漬することにより、前記拡散層形成工程の副産物として前記拡散層の表面に残ったリンガラスを除去するとともに、前記拡散層の表面を除去するリンガラス除去兼表面除去工程を備えたことを特徴とする太陽電池生産方法。
  10. リンガラス除去兼表面除去工程は、リンガラスの除去が終了した時点を基準として拡散層のシート抵抗が0.1乃至20Ω増加するまでの期間行われることを特徴とした請求項9に記載の太陽電池生産方法。
  11. リンガラス除去兼表面除去工程は、リンガラスの除去が終了した時点の拡散層のシート抵抗が、40乃至110Ωであることを特徴とする請求項10に記載の太陽電池生産方法。
  12. リンガラス除去兼表面除去工程に要する時間が、弗化水素酸(HF)水溶液の温度が20乃至25℃において、4分乃至20分であることを特徴とした請求項9に記載の太陽電池生産方法。
  13. リンガラス除去工程終了時点は、弗化水素酸(HF)水溶液の温度が20乃至25℃において、4分以内であることを特徴とした請求項6に記載の太陽電池生産方法。
  14. 弗化水素酸(HF)水溶液の温度が30℃以上に加温されるとともに、リンガラス除去兼表面除去工程に要する時間が4分乃至20分より短いこと特徴とした請求項9に記載の太陽電池生産方法。
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