JP2011150520A - 乗車券媒体、該乗車券媒体を用いた自動精算処理方法、自動精算処理プログラム、及び自動改札機 - Google Patents
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Abstract
【課題】1枚のICカードで定期券と現金は併用して精算できるが、回数券を併用した精算ができない。回数券の利用には、利用者個々の使い方の好みがあり、乗車する度に一律に回数券を1枚差し引くという処理では使い勝手が悪い。
【解決手段】自動改札機に近づけて運賃の精算を行う乗車券媒体であって、メモリ領域に定期券情報とSF情報と回数券情報に加えて回数券を利用する際のルールを規定する利用者指定使用ルールを設定する。自動券売機で、利用者の指示に応じて乗車券媒体の利用者指定使用ルールを設定できるようにする。自動改札機で、定期券情報では精算できない乗車区間であったとき、乗車券媒体に設定されている利用者指定使用ルールと乗車日時及び曜日に基づいて乗車券媒体に記録されている回数券情報から最適な回数券を選択し、その使用枚数を決定し、その回数券を使用枚数だけ使用して自動精算を行う。
【選択図】 図10
【解決手段】自動改札機に近づけて運賃の精算を行う乗車券媒体であって、メモリ領域に定期券情報とSF情報と回数券情報に加えて回数券を利用する際のルールを規定する利用者指定使用ルールを設定する。自動券売機で、利用者の指示に応じて乗車券媒体の利用者指定使用ルールを設定できるようにする。自動改札機で、定期券情報では精算できない乗車区間であったとき、乗車券媒体に設定されている利用者指定使用ルールと乗車日時及び曜日に基づいて乗車券媒体に記録されている回数券情報から最適な回数券を選択し、その使用枚数を決定し、その回数券を使用枚数だけ使用して自動精算を行う。
【選択図】 図10
Description
本発明は、ICカード等を用いて運賃を自動精算する技術に関し、特に、1枚のカードで、定期券、現金、及び回数券の3種類を併用した精算を可能とする技術に関する。
近年、鉄道等の公共交通機関の自動改札において、切符の代わりに自動改札機にICカードをかざして、ICカードに記録された乗車券情報を読み込み、その情報に基づいて乗車運賃を精算する方法が普及している。こうしたICカードを用いると、乗車のたびに切符を購入する必要がなく、また、切符を改札機に通すという煩わしさがないという利便性がある。
しかしながら、このようなICカードによる精算に用いることができるのは、ICカードに記録された定期券情報又はあらかじめ充填された現金の情報(以下、SF(Stored Fare)情報とする)、及びそれらの組み合わせのみである。回数券等はICカードに併記して使用することができない。
そのため、一部区間を定期券で支払い、区間外の部分を現金で支払う精算はICカード一枚で行えるが、一部区間を回数券で支払い、区間外の部分を現金で支払う場合等は、窓口での精算が必要になるという不便さが残っている。
また、ICカードでの乗車に慣れていると、習慣でICカードを使って乗車してしまい、せっかく持っている回数券を利用できずにSF情報から現金で支払うことになってしまうことがある。これは、回数券はICカードとは別に紙の切符で持っておく必要があるという不便さに起因する。
このような状況に対し、特許文献1では、1つのICカードでSF情報と運賃の割引券の情報を併存させて精算する方法が示されている。この方法を用いると、乗車運賃の精算時、ICカードが持つ割引券の適用区間については割引券情報を適用して精算し、それ以外についてはSF情報で精算することができる。
また、特許文献2では、1つのICカードで回数券情報とSF情報の情報を併存させて、有効な回数券情報があれば回数券で精算処理し、回数券情報がなければ定期券またはSF情報で精算する処理が示されている。本文献では特に、回数券の購入総額から乗車運賃を差し引く、金額式回数券の扱いが述べられている。
しかし、回数券の使用には利用者の意思が関わってくるため、前述の特許文献1で示すように、回数券又は割引券が有効期間内かつ適用区間であることだけを条件に、一律に改札を通るたびに回数券を使うという処理では不十分である。例えば、有効期限直前なので乗車運賃が回数券運賃に満たなくても使ってしまいたいという利用者や、回数券額と同じ乗車運賃の場合しか回数券を使いたくない利用者、回数券を複数枚使用して精算したい利用者など、利用者個々の使い方の好みがある。
また、回数券には月曜から日曜まで全時間帯に使える普通回数券、月曜から金曜までの特定の時間帯と土日の全時間帯に使える時間帯回数券、土日の全時間帯に使える土日回数券等があり、複数の回数券を曜日によって使い分けたい利用者もいる。さらには、このような使い方のルールは状況に合わせて変更したいときもあるので、適時そのようなルール設定は変更できるほうが好ましい。
また、特許文献2で示されている金額式回数券の取り扱い方式は、結局は現金による乗車運賃の精算と同様の処理方法を示しており、上記のような回数券特有の精算処理に対する解決策は示されていない。
本発明は、このような問題点を解消するため、ICカードに定期券や現金の情報に加えて回数券情報を記録し、加えて、利用者が独自に決めることができる回数券の使用ルールの情報を持たせることで、自動改札において、1枚のICカードをかざすだけで利用者の好みに応じた回数券の利用を取り入れた、定期券、現金、及び回数券の3つを併用した自動精算を可能にする技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、自動改札機に近づけて運賃の精算を行う無線通信機能を備えた乗車券媒体(例えばICカード)であって、メモリ領域に、定期券情報と、現金情報(以下、SF(Stored Fare)情報とする)と、回数券情報とを記録するとともに、該回数券情報には、回数券ごとにその回数券を利用する際のルールを規定する利用者指定使用ルールを設定したことを特徴とする。
また、そのような乗車券媒体を用いた自動精算処理方法、プログラム、あるいは自動改札機であって、自動券売機で、利用者の指示に応じて、前記乗車券媒体の利用者指定使用ルールを設定・変更できるようにし、自動改札機で、前記乗車券媒体に記録されている定期券情報では精算できない乗車区間であったとき、前記乗車券媒体に設定されている利用者指定使用ルールと現在の乗車日時及び曜日に基づいて前記乗車券媒体に記録されている回数券情報から最適な回数券を選択し、選択した回数券の使用枚数を決定し、該選択した回数券を該使用枚数だけ使用して自動精算を行い、該回数券情報を使用した精算では不足する運賃については前記SF情報を使用した精算を行うようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、自動改札において、1枚のICカードをかざすだけで利用者の好みに応じた回数券の利用を取り入れた、定期券、現金、及び回数券の3つを併用した自動精算が可能となる。
以下、本発明によるICカードの精算方法及び精算システムの実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明するICカードには、ICカードが組み込まれている携帯電話等を用いることもできる。また、回数券情報等を記憶する媒体は、ICカードに限られるものでなく、記憶装置を備えた任意の記録媒体を使用可能である。
図1は、本実施形態で用いる乗車券媒体であるICカードの構成を示す。ICカード中のメモリ101に、定期券情報102やSF情報103と併せ、回数券の情報104、105、106(以下、回数券情報1、2、3と呼ぶ)を記録する。回数券情報1、2、3は、メモリの空き容量に依存して1個から任意の個数記録することができ、例えば、月曜から日曜まで全時間帯に使える普通回数券、土日の全時間帯に使える土日回数券を併せ持つこともできるし、異なる鉄道会社の回数券を併せ持つこともできる。なお、回数券ではなく、乗車運賃の割引券を記録し、精算に用いることも考えられる。
図2(A)は、図1のICカードの持つ、回数券情報1、回数券情報2、及び回数券情報3の構成例を示す。回数券情報3は、有効な回数券情報を保持していない空き領域を示す。回数券情報1及び回数券情報2は、回数券が利用できる鉄道会社を識別する情報201、220、回数券の種類202、214、回数券1枚あたりの乗車運賃203、213、利用開始日204、221、利用終了日205、215、回数券の残枚数206、212等に加えて、利用者指定使用ルール情報211、222を持つ。利用者指定使用ルール情報211、222には、運賃精算処理での回数券の使用方法(以下、単に“ルール”とも表記する)について、利用者が設定した適用可否の結果を保存しておく。
利用者指定使用ルール情報211、222に、どのようなルールを割り当てるかは任意であり、利用者指定使用ルール一覧から利用者が適用したいルールを選び出した上で、それらについて適用可否を決めることができてもよい。又は、適用できる利用者指定使用ルールは固定し、適用可否だけを利用者が決められるようにしてもよい。さらに、利用者指定使用ルールの適用可否を鉄道会社が初期設定し、その設定値を変更不可能とすることで、強制的な回数券利用ルールを用いた精算を行うことも考えられる。当然ながら、回数券種別ごと、鉄道会社ごとに異なるルールを適用することも可能である。
ここでは1つの実施例として、ある鉄道会社において、ルールAが“運賃額未満の最大額になるまで回数券を複数枚使った支払いを行う”、ルールBが“指定の曜日にしか回数券を使用しない”、ルールCが“残有効日数が3日未満の回数券があれば優先して使う”、ルールDが“残有効日数が3日未満の回数券は回数額未満の運賃精算にも使う”、ルールEが“乗車運賃を3割引にして計算する”、という利用者指定使用ルールがあるものとする。
利用者は、これらのルールA〜Dの中から、任意の複数の利用者指定使用ルールを選択し、ICカード上に適用可否を保存できる。ルールEについては、鉄道会社が指定する条件を備える場合に、利用者が所定の申請手続きを行った場合のみ、鉄道会社側の処理により、適用可能としてICカードに記録することができる。よって、ルールEは利用者が選択できるルール一覧には含まれない。
なお、利用者指定使用ルールとしては、前述したものに加え、以下のようなものが考えられる。“指定の日付(又は指定の時間帯)にしか回数券を使用しない”のルールを設け、特定の日付や時間帯を指定して「適用する」とした場合は、指定された日付や時間帯のみ回数券を使った精算をする。“指定の曜日(又は指定の日付、又は指定の時間帯)には回数券を使用しない”のルールを設け、特定の日付や曜日、時間帯を指定して「適用する」とした場合は指定された曜日または日付、時間帯は、回数券を使った精算をしない。“乗車運賃がN円以上の場合は回数券を使わない”のルールを設け、「適用する」とした場合は、乗車運賃がN円を超える場合は、回数券情報があっても定期券情報とSF情報のみで精算する。なお、Nは任意の金額を示す。特定の乗車駅と降車駅を指定して、“指定の区間での乗車にしか回数券を使用しない”のルールを設け、「適用する」とした場合は指定区間の乗車にしか、回数券を適用しないようにする。“異なった種類の回数券を組み合わせて精算する”というルールを設け、「適用する」となっていた場合は、例えば土日回数券だけで精算するには枚数が足りないときに、普通回数券があればそれも使って精算するようにする。さらに、“PQR鉄道会社でも本回数券を利用できる”というルールを設け、「適用する」とした場合は、XYZ鉄道会社の回数券であっても他の鉄道会社であるPQR鉄道会社の乗車運賃精算へ適用できるようにする。
次に、ICカード上の利用者指定使用ルールの管理構成例を説明する。
図2(B-1)は、利用者指定使用ルール情報211、222に、適用したルールの識別子を記録する領域と、「適用する」又は「適用しない」という設定値を記録する領域を対応させて管理する例である。回数券情報1の利用者指定使用ルール情報211の場合、利用者はルールA、ルールC、及びルールDを利用者指定使用ルールとして選択し、ルールA(207a)は「適用する」(207b)、ルールC(208a)は「適用する」(208b)、ルールD(209a)は「適用しない」(209b)と設定し、ユーザが自由に設定できないルールEについては、ルールE(210a)は適用しない(210b)と強制的に設定されていることを示している。
図2(B-2)は、利用者が任意のルールを選択できるのではなく、設定できるルールがルールA、ルールB、及びルールCに固定されている場合の利用者指定使用ルールの管理構成例である。この場合、利用者指定使用ルール情報は、上から順にルールA(234)、ルールB(235)、ルールC(236)の適用可否を記録するように割り当てておく。ICカード上には、この割り当て順に従い、各ルールの適用可否の情報を記録すればよい。
さらに図2(B-3)は、利用者が任意のルールを選べるか否かにはかかわりなく、「適用する」という設定がなされたルールの識別子のみ記録しておく管理構成である。原則として、利用者等が「適用する」と選ばない限りは「適用しない」として処理する場合には、この構成が簡明である。回数券情報1の利用者指定使用ルールとして、利用者がルールA、ルールC、及びルールDを利用者指定使用ルールとして選択し、ルールAは「適用する」、ルールCは「適用する」、ルールDは「適用しない」、と設定した場合、利用者指定使用ルール情報211には、「適用する」と設定されたルールAの識別子238、ルールBの識別子239のみ記録しておけばいい。
図3に、自動券売機のシステム構成図を示す。自動券売機303は、切符や回数券の価格等の運賃情報302と、ICカード上に割り当てられたルール(例えば、ルールA、ルールB、ルールC)の識別子と各ルールの内容を管理する利用者指定使用ルール情報313を持つ運賃情報サーバ301と、ネットワークを介してつながっている。自動券売機303には、ICカードに読み出し及び書き込みを指示するICカード通信部304、自動券売機上のボタンやパネルの操作を解析するボタン/パネル操作解析部305、投入金やつり銭の管理を行う金銭処理部306、乗車券や回数券の発券処理を行う発券処理部307、及びディスプレイへの表示を行う表示部314が設けられている。発券処理部307には乗車券処理部312と回数券処理部308が設けられている。回数券処理部308には、以下に述べる回数券の購入309や利用者指定使用ルール設定310等を実行する回数券情報管理プログラムが配置されている。
まず、回数券情報管理プログラムが、ICカード及び自動券売機と協働して行う処理について説明する。
図4は、利用者が自動券売機303で回数券を購入する際に、自動券売機303が、挿入されたICカード上に回数券情報を格納できる空きメモリがあるかをチェックする処理を示したものである。
利用者はまず、ICカードを自動券売機303に挿入する。そして、利用者が自動券売機303のメニュー表示画面で「回数券」を選択(ステップ401)すると、自動券売機303のICカード通信部304は、挿入されているICカードのメモリ101から、回数券情報1、2、3を取得し(ステップ402)、回数券処理部308に一時的なテーブルとして保持する。この先は、該テーブルを参照しながら処理を実施する。
取得した空きではない回数券情報1、2の数が、ICカードが保持できる回数券情報の総個数未満か確認し(ステップ403)、ICカードのメモリ101に回数券情報の空きがあるかを調べる。この例では、図1,2に示したように、ICカード上に保持できる回数券総数が3つ、空きではない回数券情報が2つであるため、1つ分の回数券情報用メモリ(つまり回数券情報3)が空いていることになる。よって、回数券購入画面へと進むことになる(ステップ405)。
一方で、ICカード上の回数券情報用の領域がフルであった場合、これ以上新規に回数券情報を追記できないので、これ以上このICカード上には回数券を購入できない旨を通知する画面を表示するなどし(ステップ404)、利用者に通知する。このとき、いずれかの記録済み回数券情報1、2について、利用者に回数券の払い戻しまたは削除をするかを尋ね、回数券を払い戻す処理や回数券情報を削除する処理を実行し、ICカード上に回数券情報の空き領域を作り出してもよい。
図5は、回数券選択画面上で利用者が指定した回数券の購入額の支払いが終わり、回数券の購入が成立(ステップ501)した後の処理を示す。
自動券売機303の回数券処理部308が、金銭処理部306から回数券の購入完了のメッセージを受け取ると、回数券処理部308は、利用者が選択した回数券情報を、ICカード通信部304に送信し、ICカード通信部304がICカードに送信する。ICカード上では、受信した回数券情報をICカードに記録する値に変換し(ステップ502)、空き回数券情報3に追記し(ステップ503)、追記の成否をICカード通信部304に返す。ICカード通信部304がICカードでの記録が正常終了した通知を受信すると、回数券処理部308に完了のメッセージが渡り、回数券処理部308は、表示部314に利用者に購入が完了した旨を通知(ステップ504)するよう指示する。
ここで、例えば利用者がすでに購入済みの回数券を有効期間中に買い足したときは、新規に購入した回数券の情報を記録するのに併せて、残っている同じ回数券の有効期限を、一定日数延長した有効期限で上書きし、継続利用者に対するサービスを提供することも可能である。
次に、自動券売機303からの利用者指定使用ルールの設定処理について説明する。
図6は、自動券売機303において利用者指定使用ルール設定画面を表示するルール情報を取得する処理601を示す。利用者が自動券売機303において「利用者ルール設定」のボタン等を選ぶと、又は購入完了後に自動で、回数券処理部308は、運賃情報サーバ301の利用者指定使用ルール313から、利用者が購入した回数券に対して設定可能な利用者指定使用ルールを読み出す(ステップ602)。そして、この読み出したルールを表示部314に送り、利用者指定使用ルール設定画面を表示する(ステップ603)。この表示画面上から、利用者はルール設定を行う(ステップ604)。
図7は、利用者指定使用ルール設定画面の例である。利用者指定使用ルール設定画面上には、運賃情報サーバ301の利用者指定使用ルール313から読み出した利用者指定使用ルールから、利用者が自由に設定できるルールA〜Dのみ表示される。よって、ルールEは表示されない。そして、各ルールについて、「適用する」705又は「適用しない」706が指定できる。また、ルールBのように具体的に曜日を指定するようなルールを設定することができる場合は、各曜日のボタン708を表示し、利用者が指定できるようにする。これらのルールについて、利用者が設定を済ませて「OK」ボタン710を押すことで、後述する各ルールの適用可否をICカードに記録する処理が起動する。
もし、設定可能なルール数以上のルールに対し、利用者が「適用する」又は「適用しない」を設定しようとした場合は、表示部314にエラー表示メッセージの表示を要求し、「これ以上設定できません。いずれかのルール設定を解除してください。」というような通知を表示する。
さらに、各ルールについて「ルールA詳細」707のようなボタンを設け、そのルールがどのようなものであるかを、具体例を提示して説明するようにしてもよい。さらには、画面上には「HELP」ボタン709を設けて利用者指定使用ルールについて説明を行う画面とリンクさせておくこともできる。
なお、回数券処理部308が、利用者が今回購入した回数券と同一(鉄道会社名と回数券種別と乗車運賃が同じもの)の回数券情報がICカード上に残っているかを判断し、そのような記録があれば、その回数券情報から前回の利用者指定使用ルール設定値を読み出し、表示部314にそのルール情報と設定値を送って、画面上の各ルールのデフォルト値として選択した状態で表示して利便性を高めることも考えられる。鉄道会社が推奨する設定値をデフォルトで選択した状態で表示してもよい。
また、最初に設定可能な利用者指定使用ルール一覧を表示し、その画面上から利用者が選んだルールについてのみ利用者指定使用ルール設定画面に表示し、「適用する」又は「適用しない」を設定できるようにしてもよい。
図8は、自動券売機303においてICカード上の利用者指定使用ルール情報211を記録更新する処理を示す。図7で示した画面上で利用者が「OK」ボタン710を押したことをボタン/パネル操作解析部305が検知すると、各ルールについて利用者がどのような適用可否を設定したかという情報と共に、回数券処理部308に利用者指定使用ルール情報更新要求を送る。
回数券処理部308は、利用者指定使用ルール情報更新要求を受信すると(ステップ801)、ルール設定の処理310により、今回更新すべき回数券情報の領域と利用者指定使用ルール設定値と共に、ICカード通信部304にICカード書き込み要求を出す。ICカード通信部304は、ICカードに該要求を送り、ICカード上で指定のメモリへの指定の情報の書き込み処理が実行される(ステップ802)。ICカードは、その書き込み処理の完了通知をICカード通信部304に返す。
この完了通知が回数券処理部308に届くと、ユーザが自動券売機303上で指定した設定値の反映が完了したと認識し、利用者に更新が完了した旨を通知し(ステップ803)、回数券の購入処理が終了する。
なお、利用者指定使用ルール情報の設定は、図5に示す回数券購入が成立(ステップ501)したタイミングで実施し、回数券情報として設定する値とそれに対する利用者指定使用ルール情報に設定する値の両方を回数券処理部308で構成してから、ICカードに送信するようにしてもよい。この場合、ICカードへの送受信が1回で済むため時間的節約になる。
さらに、自動券売機303のボタンの1つとして「利用者指定使用ルール更新」ボタンを設けておき、該ボタンが選択されると、ボタン/パネル操作解析部305から回数券処理部308に、利用者指定使用ルール情報更新要求を送るようにしておくと、ユーザが希望するタイミングで、図6、図7、図8で示した処理を実行できる。これにより、任意のタイミングで利用者が利用者指定使用ルールを変更できる。
次に、自動精算処理プログラムがICカード及び自動改札機と協働して行う処理を説明する。なお、以下の具体例は、乗車日が2009年11月29日(日)、定期券区間外の乗車の精算運賃が420円であったと仮定して説明する。
まず図9に、自動改札機903のシステム構成概要を示す。自動改札機903は、精算処理部904を持つ精算サーバ901とネットワークでつながっている。精算サーバ901は、運賃情報サーバ902とネットワークでつながっている。運賃情報サーバ902は、乗車区間の運賃を示す運賃情報905及び利用者指定使用ルール情報に記録されたルールの識別子からいずれのルールであるかを判断するために参照する利用者指定使用ルール識別子情報906を備える。精算サーバ901には、運賃精算を実行する精算処理部904が設けられている。精算処理部904は、定期券精算部908、SF情報精算部909、及び回数券精算部910を備える。以下に述べる回数券での精算を判断するための自動精算処理プログラムは、回数券精算部910に配置しておく。
本実施例では、修正時の利便性や処理の煩雑化を防止するために、定期券、SF情報、及び回数券別に精算部を分けて、タスク間通信を実施してお互いに精算要求を出すようにしているが、これらを1つのタスクにまとめることも可能である。
一方、自動改札機903には、精算サーバ901での処理を受けて自動改札機側の制御を行う精算処理部911、ICカードの読み出し書き込みを指示するICカード通信部912、自動改札機上の表示画面への表示を行う表示部913、及び精算結果に基づきゲートの開閉を行うゲート制御部914が設けられている。なお、精算処理部904の全て又は一部を、自動改札機903に持たせることも可能である。また、ICカード上に記録できる利用者指定ルールが固定の場合は、いずれのルールが適用されているかを考慮して精算を実施する必要がないので、利用者指定使用ルール識別子情報906を持たずに構成することが可能である。
利用者が自動改札機903にICカードをかざすと、自動改札機903のシステムは、運賃精算処理を実行する。ICカードに定期券情報102がある場合は、定期券での処理を優先させる。定期券情報102がない場合や定期券範囲外の乗車が含まれる場合は、定期券精算部908から回数券精算部910に、精算できなかった区間の精算運賃と併せて回数券精算要求メッセージが送られる。この要求を受けて、自動精算処理プログラムが処理を開始する。なお、定期券区間内での乗車の場合は、定期券精算部908での精算で処理が終了し、回数券精算処理910へ処理要求メッセージは来ないため、自動精算処理プログラムは実行されない。
図10に、自動精算処理プログラムの処理概要を示す。前述の通り、回数券精算要求を受けた場合に本処理は開始する(ステップ1001)。まず、自動改札機903のICカード通信部912を経由して精算に使われるICカード上にある回数券情報を読み込む(ステップ1002)。本実施例の場合、ICカード上には回数券情報1、回数券情報2、及び回数券情報3の領域があるので、これら3つの領域から情報が読み込まれる。読み込んだうち有意な回数券情報が存在するのは回数券情報1及び回数券情報2であるので、それらの情報をそれぞれ回数券精算部910内の一時的なテーブルに保存する。以降は、このテーブルを参照しながら処理を行う。ステップ1003では、利用者が乗車した現在の日時及び曜日情報を取得する。
次に、これら読み込んだ回数券のそれぞれについて、有効な回数券情報であるかをチェックする。具体的には、回数券情報1、2の持つ鉄道会社名201、202をチェックし乗車運賃精算すべき鉄道会社名と一致するか(ステップ1004)、回数券情報1、2の有効期間終了日205、215と回数券種別202、214が現乗車日時及び曜日を基準として有効かどうか(ステップ1005)、回数券の残枚数206、212が1枚以上残っているか(ステップ1006)、をチェックする。1つでもこれらのチェックを通過できなかった場合は、精算に用いることができる回数券がないので、SF情報精算部909へ現金での精算処理要求メッセージを出し、回数券精算部910での精算処理を終了する。
本実施例の場合は、回数券情報1及び回数券情報2のいずれも、これらのチェックを通過するので、その情報と共に回数券選択処理(ステップ1007)へと進む。回数券選択処理1007では、利用者指定使用ルールに従い、いずれの回数券情報の回数券を何枚使うかを決める。本実施例の場合、ルールA、ルールB、ルールC、ルールD、及びルールEの5種類と回数券情報1及び回数券情報2を元に、精算処理を進める。
各ルールは、回数券選択系ルールと、運賃精算系ルールに分かれる。前者は、ルールに従って今回の運賃精算に使用する回数券を特定するルールであり、ルールB及びルールCが該当する。後者は、その特定された回数券を何枚使って精算するかを決めるルールであり、ルールA、ルールD、及びルールEが該当する。先に回数券選択系ルールの処理プログラムを実行してから、運賃精算系ルールの処理プログラムを実行する。
図11は、回数券選択処理1007の全体の概要を示す。最初に、回数券選択処理1007に到達するまでのチェックで利用可能として選択されている回数券の種別を、「利用可能回数券」に設定する(ステップ1101)。今回の実施例では、回数券情報1及び回数券情報2が「利用可能回数券」に設定される。「利用可能回数券」の内容は、回数券選択処理1007で各ルール処理を受けるごとに利用可能と判断したもののみが残され、適用不可と判断したものは削除することで、最後に今回の運賃精算処理で使用する回数券が1種類残る。
回数券選択処理1007では、最初に回数券選択系ルールの処理プログラムであるルールC(ルールB)プログラムを実行する(ステップ1102)。この処理の後、「利用可能回数券」に残っている回数券は1種類とは限らないため、次に、最適回数券選択処理(ステップ1103)により、乗車日時や曜日といった条件から、いずれか1種類の回数券を選び出す。その後、運賃精算系ルールの処理プログラムを順次処理する。まずはルールEプログラムで精算すべき運賃を再計算し(ステップ1104)、ルールAプログラムで「利用可能回数券」を何枚使って精算するかを決め(ステップ1105)、ルールDプログラムにおいて最終的な「回数券利用枚数」を決定する(ステップ1106)。これにより、「利用可能回数券」を「回数券利用枚数」使って精算することができる。
自動精算処理プログラムとして各ルールの処理を混在して用意することもできるが、各ルールを1つのモジュールとしてプログラムを用意することで、自動精算処理プログラムの組み替えが容易になる。例えば、ルールB、ルールE、及びルールDは、もうこの精算処理システムでは適用しないとした場合には、図11及び後述する図12のフローにおいて、ステップ1104、1106、1211のモジュール呼び出しをやめるだけで済み、またルールEだけ必要になれば、再度ステップ1104のモジュールだけ呼び出すようにすればよい。
次に、回数券選択処理1007で実行される各ルールの処理を説明する。
図12及び図13は、回数券選択系ルールの処理概要である。
図12は、ルールC“残有効日数が3日未満の回数券があれば優先して使う”に関する処理概要である。まず、変数NUMに1を初期設定する(ステップ1201)。NUMが「利用可能回数券」の回数券情報数より大きいかチェックし、そうであればステップ1209に、そうでなければステップ1203に、進む。ステップ1203では、「利用可能回数券」のNUM番目の回数券情報の利用者指定使用ルールを取得する。ステップ1204では、取得した利用者指定使用ルールでルールCが「適用あり」とされているか確認する。
本実施例では、「利用可能回数券」に回数券情報1及び回数券情報2が設定されているので、まず、回数券情報1について、利用者指定使用ルール211を参照し(ステップ1203)、ルールCが「適用あり」とされているか確認する(ステップ1204)。具体的には、まず回数券精算部910が、運賃情報サーバ902の利用者指定使用ルール識別子情報906から、ルールCの識別子を取得する。該取得した識別子が、「利用可能回数券」に設定されている回数券情報1の利用者指定使用ルール211に指定されたルール識別子207a、208a、209a、210aのいずれかに一致するか確認する。回数券情報1にはルールCの識別子208aが存在するので、次に、その適用可否結果を参照し、「適用する」208bと設定されていることを検知し、ルールCの「適用あり」と判断し、ステップ1205へと進む。
次に、NUM番目の利用可能回数券情報の終了日205を参照し(ステップ1205)、乗車日が終了日205の3日前以降であるか確認する(ステップ1206)。ここでは、回数券情報1の終了日205が2009年11月30日、乗車日が2009年11月29日であるため、条件を満たし、回数券情報1を「優先利用回数券」に登録し(ステップ1207)、NUMをインクリメントして(ステップ1208)、次の回数券情報2のチェックへと進める。この場合、回数券情報2は条件を満たさないので「優先利用回数券」へは登録されない。
「利用可能回数券」の全ての回数券情報のチェックが完了すると、ステップ1202から1209へ進む。「優先利用回数券」にいずれかの回数券が登録されているか確認する(ステップ1209)。今回は回数券情報1が登録されているので、この回数券を優先して使う必要があるため、「利用可能回数券」を「優先利用回数券」で書き換えて(ステップ1210)、終了する。よって、「利用可能回数券」は回数券情報1のみ持つことになる。ステップ1209で「優先利用回数券」がなければ、優先して使う回数券はないので、次の回数券選択系ルールであるルールBの処理(ステップ1211)を実施することになる。ステップ1209で「優先利用回数券」があった場合は、ルールBのような利用ルールの適否に関係なく、「優先利用回数券」に設定された回数券を用いるため、ここでルールCのプログラム1102は終了する。
図13は、ルールB“指定の曜日にしか回数券を使用しない”に関する処理概要である。まず、変数NUMに1を初期設定する(ステップ1301)。NUMが「利用可能回数券」に登録されている回数券情報の数より大きいかチェックし(ステップ1302)、そうであれば処理を終了し、そうでなければステップ1303に、進む。ステップ1303では、「利用可能回数券」のNUM番目の回数券情報の利用者指定使用ルールを取得する。ステップ1304では、取得した利用者指定使用ルールでルールBが「適用あり」とされているか確認する。
なお、ここで説明している例では、図12でステップ1209から1210へ進むので、このルールBの処理1211には入らない。もし、図13の処理1211に入り、「利用可能回数券」に回数券情報1が保持されていたとすると、以下のように処理される。回数券精算部910上に取り込んである回数券情報1のテーブルの利用者指定使用ルール211を参照し(ステップ1303)、ルールBが「適用あり」とされているか確認する(ステップ1304)。この場合、ルールBは利用者指定使用ルール211には保存されていないため、「適用なし」としてステップ1308に進み、次の回数券情報のチェックへと進む。そして、「利用可能回数券」にある全ての回数券をチェックしたら(ステップ1302)、ルールBの処理は終了する。この場合、「利用可能回数券」に利用可能と判断されている回数券情報に変更はない。
一方、チェックする回数券情報の利用者指定使用ルールに、ルールBが「適用あり」として登録されていたときは、該回数券情報の利用者指定使用ルール上に指定しておく指定曜日を参照し(ステップ1305)、その指定曜日と乗車日の曜日が一致するかを確認し(ステップ1306)、一致した場合は、該回数券を利用すべき曜日なので、「利用可能回数券」はそのままとし、次の回数券チェックへと進める(ステップ1308)。もし、ステップ1306で指定曜日と乗車曜日が一致しなければ、該回数券は利用できないので、「利用可能回数券」からは削除し(ステップ1307)、次の回数券チェックへと進める(ステップ1308)。
図14は、最適回数券の選択処理1103の概要を示す。本実施例では、図12及び図13で示したルールBの処理1211とルールCの処理1102によって、「利用可能回数券」は回数券情報1の1つだけになっているが、場合によっては、複数の回数券が「利用可能回数券」に選ばれていることがある。よって、図14の処理では、「利用可能回数券」に選ばれている回数券に関する回数券情報に関するテーブルを参照しながら、乗車日時及び曜日に最も適した回数券を選択する。具体的には、全曜日使える普通回数券と限られた時間帯にしか使えない時間帯回数券の両方が「利用可能回数券」に登録されていた場合、使える範囲が限定されている時間帯回数券を使用して精算するほうが利用者には好適であるといった、利用範囲に基づいた選択判断を行う。
例として、「利用可能回数券」に回数券情報1及び回数券情報2が保持されている場合について説明する。まず、乗車曜日が土曜日又は日曜日であるか確認する(ステップ1401)。乗車日は2009年11月29日(日)であるため、この条件を満たす。次に、回数券情報1及び回数券情報2のそれぞれについて回数券精算部910上に取り込んであるテーブルを参照し、回数券種別202、214が“土日回数券”となっているものがあるかをチェックする(ステップ1402)。すると、回数券情報1が“普通回数券”、回数券情報2が“土日回数券”であるため、回数券情報1を「利用可能回数券」から削除し、回数券情報2のみを「利用可能回数券」として保存し(ステップ1403)、終了する。
ステップ1401で乗車曜日が土曜日でも日曜日でもない場合、及び、ステップ1402で利用可能回数券に土日回数券がない場合は、ステップ1404に進む。ステップ1404では、乗車時間帯が時間帯回数券の利用可能時間であるか確認する。そうであれば、ステップ1405で、利用可能回数券に時間帯回数券があるか確認する。あれば、その時間帯回数券のみを「利用可能回数券」として保存し(ステップ1406)、終了する。ステップ1404で乗車時間帯が時間帯回数券の利用可能時間でない場合、及び、ステップ1405で時間帯回数券がない場合は、ステップ1407で、普通回数券を「利用可能回数券」として保存し(ステップ1407)、終了する。
なお、各利用者指定使用ルールを使用しないで、最適回数券選択処理1103のみを使用して、乗車日時や曜日のみから、ICカード上に記録された利用可能な1の回数券を選び出すことも可能である。
以上の処理により、「利用可能回数券」に今回の乗車に使用する1の回数券が決まる。
図15及び図16は、運賃精算系ルールの処理概要である。ここでは、「利用可能回数券」に選択された回数券を何枚使って運賃を精算するかを判断する。
図15の右段は、ルールE“乗車運賃を3割引にして計算する”に関する処理概要である。まず、回数券情報1についてテーブルの利用者指定使用ルール211を参照し、ルールEが「適用あり」とされているか確認する(ステップ1501)。本実施例の場合、ルールEは「適用しない」であるから、そのまま処理は終了する。ルールEを「適用する」となっていれば、精算すべき乗車運賃にルールで指定する割引をした割引後運賃を算出し(ステップ1502)、以降の精算で本割引額を適用するため、割引後運賃を保存しておく(ステップ1503)。
図15の左段は、ルールA“運賃額未満の最大額になるまで回数券を複数枚使った支払いを行う”に関する処理概要である。予め「回数券利用枚数」を0に初期設定しておく。本実施例では、「利用可能回数券」が回数券情報1となっているため、回数券情報1についての回数券精算部910上に取り込んであるテーブルを参照しながら処理を進める。まず、該テーブルの利用者指定利用ルール情報211を参照し、ルールAが適用されているか確認する(ステップ1511)。「適用しない」なら処理を終了する。ここでは、回数券情報1のルールA(207a)が「適用する」207bであるため、ステップ1512に進んで処理を続ける。
次に、乗車運賃203を参照し”150円”という情報を得る(ステップ1512)。そして、「回数券利用枚数」を加算しながら(ステップ1514)、乗車運賃203×「回数券利用枚数」の額が精算運賃未満となるかをチェックする(ステップ1513)。乗車運賃203×「回数券利用枚数」が精算運賃を超えた場合(ステップ1513)、その「回数券利用枚数」から1枚差し引いた枚数を「回数券利用枚数」として保存する(ステップ1515)。本実施例の場合、精算運賃は420円であるため、「回数券利用枚数」は2枚となる。
そして、該テーブルの残枚数206を参照し、「回数券利用枚数」が残枚数を超えていないかチェックする(ステップ1516)。回数券情報1の場合、「回数券利用枚数」は残枚数206を超えていないので、このまま「回数券利用枚数」を保存する(ステップ1518)。なお、残枚数を超えている場合は、「回数券利用枚数」を残枚数206で書き換え(ステップ1517)、「回数券利用枚数」を保存する(ステップ1518)。精算運賃が回数券乗車運賃203未満だった場合は、「回数券利用枚数」は0枚となる。
図16は、ルールD“残有効日数が3日未満の回数券は回数乗車運賃額未満の運賃精算にも使う”に関する処理概要である。本実施例では、回数券情報1についての回数券精算部910上に取り込んであるテーブルを参照しながら処理を進める。
まず、該テーブルの利用者指定利用ルール情報211を参照し、ルールDが適用されているか確認する(ステップ1601)。その結果、回数券情報1にはルールD(209a)はあるものの、「適用しない」209bとなっている。よって、このまま処理は終了し、「回数券利用枚数」は2枚で決定する。
ルールDが「適用する」である場合は、該テーブルの終了日205を参照し(ステップ1602)、乗車日と比較する(ステップ1603)。この場合、終了日205が2009年11月30日、乗車日が2009年11月29日であるので、条件を満たし、ステップ1604に進む。回数券の乗車運賃203と「回数券利用枚数」から算出される運賃が精算運賃未満かどうかを確認し(ステップ1604)、精算運賃未満の場合は「回数券利用枚数」を1枚加算し(ステップ1605)、精算運賃を超えるようにする。ただし、これにより残枚数206を超えてしまう場合は(ステップ1606)、「回数券利用枚数」を残枚数206で書き換え(ステップ1607)、「回数券利用枚数」を保存する(ステップ1608)。「回数券利用枚数」が残枚数206を超えていない場合は、ステップ1606から1608に進み、その「回数券利用枚数」を保存する。
ここで図10に戻り、回数券選択処理1007以降の処理について説明する。回数券選択処理1007で「利用可能回数券」と「回数券利用枚数」が決定したので、次に、「回数券利用枚数」が1枚以上であるかを確認する(ステップ1008)。本実施例では、「回数券利用枚数」が2枚であるため、次に、回数券情報の更新指示を行う(ステップ1009)。この指示に応じて、精算サーバ901は、「利用可能回数券」と「回数券利用枚数」を自動改札機903上の精算処理部911に渡す。ここで、現在ICカードから読み出している回数券情報から、「利用可能回数券」である回数券情報1に該当する回数券を探し、その残枚数206を「回数券利用枚数」である2枚減算しICカード通信部912に対し、更新した回数券情報1の情報をICカードのメモリ中に書き込む指示を出し、回数券情報を更新する(ステップ1009)。ステップ1008で「回数券利用枚数」が0枚であった場合は、回数券の更新指示は必要ないため、SF情報精算部909へ、現金での精算処理要求メッセージを出し、回数券精算部910での精算処理を終了する。
次に、精算運賃420円から回数券で支払った額(乗車運賃203 150円×「回数券利用枚数」2枚)を減算し、残額があるかを確認する(ステップ1010)。この場合、残額が120円であるため、SF情報精算部909へ、残額と共に現金での精算処理要求メッセージを出し、回数券精算部910での精算処理を終了する。
残額がない場合は、精算サーバ901での処理が正常終了したことを自動改札機903の精算処理部911に通知する。精算処理部911は、それを受け、自動改札機903のゲート制御部914に対し、ゲートを開くよう、要求メッセージを出す(ステップ1011)。ゲート制御部914では、この要求に従い、ゲートを開き、利用者は自動改札を通過することができる。また、あわせて精算処理部911は、表示部913に対し、「利用可能回数券」と「回数券利用枚数」、更新後の回数券残枚数といった回数券に関する情報と共に、表示部913に情報を表示するよう指示する(ステップ1012)。これにより、利用者は最新のICカード上の回数券情報を確認することができる。
なお、本実施例では、単一の鉄道会社を利用したこと条件として記載したが、利用した鉄道会社が複数にまたがる場合は、鉄道会社ごとの乗車区間に分割した上で、それぞれの鉄道会社の乗車区間について当該回数券での精算処理を実施することで精算ができる。
また、他の利用形態としては、ICカードの回数券情報1、2、3に利用回数を記録できるようにし、前述と同様に回数券での精算を行い、ICカード上の回数券を使用した場合は、使用回数も併せて更新する。そして、乗車回数が10回乗車に達すると、1枚回数券を付加するようなサービスを提供することも考えられる。
101…メモリ、102…定期券情報、103…SF情報、104…回数券情報1、105…回数券情報2、106…回数券情報3、211,222,229…利用者指定使用ルール情報、301…運賃情報サーバ、302…運賃情報、303…自動券売機、304…ICカード通信部、305…ボタン/パネル操作解析部、306…金銭処理部、307…発券処理部、308…回数券処理部、310…ルール設定、312…乗車券処理部、313…利用者指定使用ルール情報、901…精算サーバ、902…運賃情報サーバ、903…自動改札機。
Claims (4)
- 自動改札機に近づけて運賃の精算を行う無線通信機能を備えた乗車券媒体であって、
メモリ領域に、定期券情報と、現金情報(以下、SF(Stored Fare)情報とする)と、回数券情報とを記録するとともに、該回数券情報には、回数券ごとにその回数券を利用する際のルールを規定する利用者指定使用ルールを設定したことを特徴とする乗車券媒体。 - 請求項1に記載の乗車券媒体を用いた自動精算処理方法であって、
自動券売機が備える回数券処理手段が、利用者の指示に応じて、前記乗車券媒体の利用者指定使用ルールを設定・変更するステップと、
自動改札機が備える回数券精算手段が、前記乗車券媒体に記録されている定期券情報では精算できない乗車区間であったとき、前記乗車券媒体に設定されている利用者指定使用ルールと現在の乗車日時及び曜日に基づいて前記乗車券媒体に記録されている回数券情報から最適な回数券を選択し、選択した回数券の使用枚数を決定し、該選択した回数券を該使用枚数だけ使用して自動精算を行い、該回数券情報を使用した精算では不足する運賃については前記SF情報を使用した精算を行うステップと
を備えることを特徴とする自動精算処理方法。 - 請求項1に記載の乗車券媒体を用いて自動精算を行うための自動精算処理プログラムであって、
自動改札機で実行することにより、
前記乗車券媒体に記録されている定期券情報では精算できない乗車区間であったとき、前記乗車券媒体に設定されている利用者指定使用ルールと現在の乗車日時及び曜日に基づいて前記乗車券媒体に記録されている回数券情報から最適な回数券を選択し、選択した回数券の使用枚数を決定し、該選択した回数券を該使用枚数だけ使用して自動精算を行い、該回数券情報を使用した精算では不足する運賃については前記SF情報を使用した精算を行うことを特徴とする自動精算処理プログラム。 - 請求項1に記載の乗車券媒体を用いて自動精算を行うための自動改札機であって、
前記乗車券媒体に記録されている定期券情報では精算できない乗車区間であったとき、前記乗車券媒体に設定されている利用者指定使用ルールと現在の乗車日時及び曜日に基づいて前記乗車券媒体に記録されている回数券情報から最適な回数券を選択し、選択した回数券の使用枚数を決定し、該選択した回数券を該使用枚数だけ使用して自動精算を行い、該回数券情報を使用した精算では不足する運賃については前記SF情報を使用した精算を行うことを特徴とする自動改札機。
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-
2010
- 2010-01-21 JP JP2010011011A patent/JP2011150520A/ja active Pending
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