JP2007299223A - 券媒体処理装置及び券媒体処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線式の券媒体の一括発行及び更新が可能な券媒体処理装置及び券媒体処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 所定の有効期間を有する無線式の券媒体との間で無線通信を行って券媒体の更新に必要なデータを読み取り、読み取られたデータに含まれる識別データに基づき更新可能な複数人分の発行データを含む一括発行データの中から該当する識別データの発行データを検索し、検索された発行データに基づき券媒体を更新することを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 所定の有効期間を有する無線式の券媒体との間で無線通信を行って券媒体の更新に必要なデータを読み取り、読み取られたデータに含まれる識別データに基づき更新可能な複数人分の発行データを含む一括発行データの中から該当する識別データの発行データを検索し、検索された発行データに基づき券媒体を更新することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
この発明は、券媒体処理装置及び券媒体処理方法に係り、特に、一括発行された定期券や職務乗車証のような所定の有効期間を有する無線式の券媒体を処理する券媒体処理装置及び券媒体処理方法に関する。
会社に所属する社員用の定期券や職務乗車証(鉄道事業者で従業員に対し発行する全線有効券)のように所定の有効期間を有する券媒体がある。このような券媒体は、会社や鉄道事業者で作成された一括発行データに基づき、複数人分をまとめて一括発行され、しかも同じ利用者に対し繰り返し発行される。このような所定の有効期間を有する磁気式の券媒体を一括発行する発行装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−200365号公報
近年では、磁気式の券媒体のほかに無線式の券媒体が導入されている。このような無線式の券媒体は、有効期間など必要なデータを更新することにより同一利用者によって繰り返し利用可能である。
しかしながら、このような利用形態の無線式の券媒体は、更新のために一斉に回収することは困難である。また、使用中つまり有効期間内の券媒体に加えて新しい有効期間の券媒体を発行するのでは、利用者に2つの券媒体を配布する必要があり、本来の利用形態での省資源化といったメリットが生かせないばかりか、券媒体2枚分のデポジットを利用者に負担させることになる。このため、一括発行される所定の有効期間を有する券媒体として、このような無線式の券媒体を適用することは困難である。
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、無線式の券媒体の一括発行及び更新が可能な券媒体処理装置及び券媒体処理方法を提供することにある。
この発明の第1の態様による券媒体処理装置は、
所定の有効期間を有する無線式の券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたデータに含まれる識別データに基づき、更新可能な複数人分の発行データを含む一括発行データの中から、該当する識別データの発行データを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された発行データに基づき前記券媒体を更新する更新手段と、
を備えたことを特徴とする。
所定の有効期間を有する無線式の券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたデータに含まれる識別データに基づき、更新可能な複数人分の発行データを含む一括発行データの中から、該当する識別データの発行データを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された発行データに基づき前記券媒体を更新する更新手段と、
を備えたことを特徴とする。
この発明の第2の態様による券媒体処理方法は、
所定の有効期間を有する無線式の券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取り、
読み取られたデータに含まれる識別データに基づき、更新可能な複数人分の発行データを含む一括発行データを記憶したサーバにおいて、該当する識別データの発行データを検索し、
該当する識別データの発行データを券媒体処理装置に配信し、
受信した発行データに基づき前記券媒体を更新する、
ことを特徴とする。
所定の有効期間を有する無線式の券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取り、
読み取られたデータに含まれる識別データに基づき、更新可能な複数人分の発行データを含む一括発行データを記憶したサーバにおいて、該当する識別データの発行データを検索し、
該当する識別データの発行データを券媒体処理装置に配信し、
受信した発行データに基づき前記券媒体を更新する、
ことを特徴とする。
この発明によれば、無線式の券媒体の一括発行及び更新が可能な券媒体処理装置及び券媒体処理方法を提供することができる。
以下、この発明の一実施の形態に係る券媒体処理装置及び券媒体処理方法について図面を参照して説明する。
まず、無線式の券媒体を処理可能な券媒体処理システムの構成について説明する。
図1に示すように、鉄道会社の各駅には、データ集計機が設置されている。このデータ集計機には、券媒体処理装置として、すなわち定期券発行機(利用者による操作を受け付けて定期券を発行する自動定期券発行機及び係員による操作を受け付けて定期券を発行する係員対応定期券発行機を含む)100、及び、監視盤を介して1以上の改札機200が接続されている。さらに、各駅のデータ集計機には、券媒体処理装置として、券売機や精算機などが接続されている。各駅のデータ集計機は、上位サーバ10により集中管理されている。これらの各機器は、専用回線や公衆回線などの通信回線を利用して接続され、ネットワークを構築している。
上位サーバ10は、システム全体を制御するとともに下位に接続された各種機器を制御するものであって、CPU11を有している。このCPU11には、メモリ部12、通信制御部13などが接続されている。メモリ部12は、上位サーバ10自体及び下位の券媒体処理装置を制御するための制御データなどの各種データを記憶する記憶手段としての機能を有している。通信制御部13は、下位の券媒体処理装置との間で通信回線を介して種々のデータの送受信を行う。
次に、定期券発行機100の構成について説明する。すなわち、図2に示すように、定期券発行機100は、CPU101を備えている。このCPU101は、検索手段、判断手段などとしての機能を有している。このCPU101には、メモリ部102、操作部103、表示部104、通信部105、印刷部106、通信制御部107などが接続されている。
メモリ部102は、CPU101の制御プログラムや、定期券を発行するのに必要な各種データを記憶しているとともに、上位サーバ10から配信されたデータや、券媒体から読み取ったデータなどを一時的に記憶する記憶手段としての機能を有している。操作部103は、定期券を発行するのに必要な各種条件の設定を受け付ける機能を有しており、タッチパネルを備えた表示部、各種ボタンからなる入力部などで構成されている。表示部104は、定期券を発行するための案内画面や、操作部103を介して設定された各種条件、利用者によって投入された金額の合計額、定期券の金額、釣銭の金額、定期券発行機100の動作状態など種々の情報を表示する。
通信部105は、無線式の券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取る読取手段としての機能を有している。また、この通信部105は、定期券を発行するのに必要な発行データに基づき券媒体を更新する(つまり定期券として機能する無線式の券媒体を継続して利用可能な定期券とするように処理する)更新手段としての機能を有している。このように更新手段として機能する通信部105は、券媒体との間で無線通信を行い、券媒体に更新済みの内容に対応したデータを書き込む書込手段としての機能も有している。
印刷部106は、定期券を発行するのに必要な発行データに基づき券媒体を更新する(つまり定期券として機能する無線式の券媒体を継続して利用可能な定期券とするように処理する)更新手段としての機能を有している。このように更新手段として機能する印刷部106は、券媒体の表面に更新済みの内容を印刷する印刷手段としての機能も有している。通信制御部107は、上位サーバ10との間で通信回線を介して種々のデータの送受信を行う。
次に、改札機200の構成について説明する。すなわち、図3に示すように、改札機200は、CPU201を備えている。このCPU201は、検索手段、判定手段、判断手段などとしての機能を有している。このCPU201には、メモリ部202、表示部203A、スピーカ部203B、通信部204、人間検知部205、ドア機構206、通信制御部207などが接続されている。
メモリ部202は、CPU201の制御プログラムや、運賃データなどの各種データを記憶しているとともに、上位サーバ10から配信されたデータや、券媒体から読み取ったデータなどを一時的に記憶する記憶手段としての機能を有している。表示部203Aは、定期券を発行するための案内画面や、改札機200の動作状態など種々の情報を表示する。スピーカ部203Bは、定期券を発行するための案内や、改札機200の動作状態など種々の情報を音声として出力する。また、これらの表示部203A及びスピーカ部203Bは、利用者に対して警告を発生する警告手段としての機能を有している。すなわち、表示部203Aは警告画面を表示し、スピーカ部203Bは警告の音声案内を出力する。
通信部204は、無線式の券媒体との間で無線通信を行い、改札処理に必要なデータを読み取る他に、券媒体の更新に必要なデータを読み取る読取手段としての機能を有している。また、この通信部204は、定期券を発行するのに必要な発行データに基づき券媒体を更新する(つまり定期券として機能する無線式の券媒体を継続して利用可能な定期券とするように処理する)更新手段としての機能を有している。このように更新手段として機能する通信部204は、券媒体との間で無線通信を行い、券媒体に更新済みの内容に対応したデータを書き込む書込手段としての機能も有している。また、この改札機200における通信部204は、券媒体の更新を行った際、券媒体の表面に印刷済みの内容を更新することができないため、券媒体に対して券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータを書き込む書込手段としての機能も有している。
人間検知部205は、改札通路の利用者を検知する機能を有している。ドア機構206は、券媒体から読み取ったデータに基づく改札処理の結果、通過OKと判断されたのに基づいて改札通路を開放して利用者の改札通路の通過を許可し、通過NGと判断されたのに基づいて改札通路を閉鎖して利用者の改札通路の通過を阻止する機能を有している。通信制御部207は、上位サーバ10との間で通信回線を介して種々のデータの送受信を行う。
次に、上述したような券媒体処理システムに適用可能な無線式の券媒体の第1の更新処理について説明する。なお、ここで説明の対象とする無線式の券媒体は、所定の有効期間を有した定期券や職務乗車証であり、新規発行時には、会社や鉄道事業者で作成された一括発行データに基づいて複数人分が一括発行されたものであるとする。
すなわち、図4に示すように、例えばB駅の定期券発行機100において無線式の券媒体を一括発行する際には、定期券発行機100のCPU101は、操作部103を介して入力された情報に基づき、所属の会社コード、利用者に関する情報(氏名、生年月日、電話番号など)、有効期間データ(開始日、終了日に対応したデータなど)、識別データを含む「一括発行データ」を作成する。つまり、この一括発行データには、複数人分の利用者の識別データや有効期間データを含む発行データが含まれている。券媒体が定期券である場合には、これらのデータのほかに、有効区間に対応したデータなどが含まれる。また、券媒体が職務乗車証である場合には、これらのデータのほかに、所属部署に対応したデータ、社員番号に対応したデータなどが含まれることがある。
CPU101は、通信制御部107を制御して作成した一括発行データを上位サーバ10に送信する。上位サーバ10のCPU11は、通信制御部13を介して定期券発行機100から一括発行データを受信したのに基づき、受信した一括発行データをメモリ部12に記憶する。
券媒体の一括発行を申し込んだ会社から「継続」つまり更新処理の申し込みを受け付けた場合には、例えばB駅の定期券発行機100において、CPU101は、対応する会社コードの操作部103を介した入力を受け付ける。CPU101は、会社コードの入力を受け付けたのに基づき、通信制御部107を制御して該当する会社の社員用に発行した一括発行データを上位サーバ10に問合せる。
上位サーバ10のCPU11は、定期券発行機100からの問合せを受信したのに基づき、メモリ部12に記憶している一括発行データのうち、該当する会社コードを有する一括発行データを検索する。そして、CPU11は、通信制御部13を制御して問合せを受信した定期券発行機100に該当する一括発行データを配信する。
定期券発行機100では、CPU101は、上位サーバ10から配信された一括発行データを受信したのに基づき、受信した一括発行データをメモリ部102に記憶し、表示部104を制御して受信した一括発行データを表示する。そして、CPU101は、操作部103を介して一括発行データから更新を禁止する券媒体のデータの選択を受け付ける。CPU101は、選択されたデータを一括発行データから削除しても良いし、更新を禁止するフラグを設定しても良い。また、CPU101は、操作部103を介した新たな終了日(つまり、更新後の有効期間の満了日)の設定を受け付ける。CPU101は、このような操作部103を介した入力に基づき、更新可能な複数人分の発行データを含む更新後の「一括発行データ」を作成する。
CPU101は、通信制御部107を制御して作成した更新後の一括発行データを上位サーバ10に送信する。上位サーバ10のCPU11は、通信制御部13を介して定期券発行機100から一括発行データを受信したのに基づき、受信した一括発行データをメモリ部12に記憶する。
券媒体に対しての更新処理は、券媒体の利用者本人がいずれかの駅に定期券を持参して各種券媒体処理装置において受けることが可能である。なお、この券媒体処理装置としては、定期券発行機100であっても良いし、改札機200であっても良いが、以下の説明では、定期券発行機100において更新処理を行う場合について、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、定期券発行機100において、CPU101は、操作部103を介した更新処理の要求を受け付けたか否かを判断する(ST1)。すなわち、操作部103は、更新処理の要求を受け付ける「更新」ボタンを備えている。CPU101は、「更新」ボタンが押下されたのに基づき更新処理の要求を受け付けたものと判断する。
CPU101は、更新処理の要求を受け付けたのに基づき(ST1、Y)、券媒体を受け取ったか否かを判断する(ST2)。CPU101は、券媒体を受け取ったと判断したのに基づき(ST2、Y)、通信部105を制御して券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取る(ST3)。
CPU101は、券媒体から読み取ったデータに含まれる有効期間データに基づき、有効期間の終了日が更新可能な期間内に該当するか否かを判定する(ST4)。そして、CPU101は、更新可能な期間内に該当すると判定したのに基づき(ST4、Y)、券媒体から読み取ったデータに含まれる識別データに基づき、一括発行データの中から該当する識別データの発行データを検索する(ST5)。
すなわち、CPU101は、通信制御部107を制御して、読み取った識別データの発行データを上位サーバ10に対して照会する。上位サーバ10のCPU11は、通信制御部13を制御して定期券発行機100から照会を受け付けたのに基づき、メモリ部12に記憶している一括発行データを検索する。CPU11は、該当する識別データの発行データが存在した場合には(ST6、Y)、通信制御部13を制御して検索した発行データを定期券発行機100に配信する。
CPU101は、通信制御部107を制御して上位サーバ10から配信された発行データを受信し、一時的にメモリ部102に受信した発行データを記憶する。そして、CPU101は、受信した発行データに基づき、券媒体を更新する更新処理を行う(ST7)。この更新処理において、定期券発行機100においては、CPU101は、通信部105を制御して受け取っている券媒体との間で無線通信を行い、券媒体に更新済みの内容(更新後の開始日及び終了日など)に対応したデータを書き込むとともに、印刷部106を制御して受け取っている券媒体の表面に更新済みの内容を印刷する。
なお、上述したステップST4において、定期券発行機100のCPU101が更新可能な期間内に該当しないと判定した場合(ST4、N)、及び、ステップST6において、上位サーバ10のCPU11が該当する識別データの発行データが存在しないと判断した場合には(ST6、N)、CPU101は、受け取った券媒体が取り扱い対象外であると判断し、表示部104を制御して警告を発生する(ST8)。つまり、表示部104には、取り扱い対象外である旨のメッセージが表示される。
CPU101は、更新処理が完了したのに基づき、通信制御部107を制御して上位サーバ10に対して1件の発行データにつき更新済みである旨の通知を行う(ST9)。すなわち、図4に示すように、上位サーバ10では、更新処理を行った定期券発行機100から更新済みである旨の通知を受信したのに基づき、CPU11は、メモリ部12に記憶している一括発行データから該当する券媒体の発行データを削除し、別に「更新済みデータ」を作成する。
更新対象の券媒体が定期券である場合には、更新済みデータには、1件あたり、更新済みの券媒体の会社コード、利用者に関する情報、更新後の有効期間データ(つまり新規の開始日及び終了日に対応したデータ)、識別データ、有効区間に対応したデータ(発駅及び着駅に対応したデータ)、金額、更新日、更新処理を行った駅コード及び機器号機番号などを保存する。
更新可能な期間が経過した後、一括発行の申し込みを受けた定期券発行機100では、一括発行を申し込んだ会社に対し更新の証明として渡す帳票を出力する。帳票の印字フォーマットを図6に示す。帳票の出力には、定期券発行機100の操作部103から「一括更新証明出力」を設定し、会社コードを入力する。定期券発行機100から上位サーバ10に対し会社コードを送信し、該当する会社コードの更新済みデータを取得し、定期券1枚ずつの明細及び金額の合計を求めて印刷部106から出力する。上位サーバ10は、定期券発行機100に送信した更新済みデータを新たな一括発行データとしてメモリ部12に保存し、更新済みデータから削除する。
以上の説明では、定期券発行機100において更新処理を行う場合について説明したが、改札機200でも同様の更新処理が可能である。ただし、改札機200は、印刷部を備えていないため、更新処理において、券媒体の表面に更新済みの内容を印刷することはできない。このため、ステップST7の更新処理においては、改札機200のCPU201は、通信部204を制御して受け取っている券媒体との間で無線通信を行い、券媒体に更新済みの内容に対応したデータを書き込むとともに、券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータを書き込む。
また、CPU201は、表示部203A及びスピーカ部203Bを制御して、印刷済みの内容の更新が必要である旨の警告を発生する。なお、CPU201は、更新済みの券媒体から、券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータを読み取った場合には、表示部203A及びスピーカ部203Bを制御して、印刷済みの内容の更新を行うように警告を発生する。
一方、定期券発行機100において、券媒体から券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータを読み取った場合には、印刷部106を制御して受け取っている券媒体の表面に更新済みの内容を印刷する。また、CPU101は、通信部105を制御して券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータを削除する。
以上説明したように、第1の更新処理によれば、一括発行データに基づき、所定の有効期間を有する無線式の券媒体を発行することが可能であり、また、発行された券媒体について、利用者がそれぞれ所持している券媒体を駅まで持参し、定期券発行機や改札機などの券媒体処理装置を利用して券媒体の更新が可能となる。したがって、発行済みの券媒体を回収することなく、また、2つの券媒体を各利用者に配布する必要もなく、利用者に対するサービス性を改善することができる。また、同一の券媒体を繰り返し使用することが可能であり、省資源化に有効である。
次に、図1に示したような券媒体処理システムに適用可能な無線式の券媒体の第2の更新処理について説明する。
例えば定期券発行機100において無線式の券媒体を一括発行する際には、定期券発行機100のCPU101は、操作部103を介して入力された情報に基づき、複数人分の利用者の識別データや有効期間データを含む発行データからなる「一括発行データ」を作成する。この一括発行データは、上位サーバ10のメモリ部12に記憶される。
券媒体の一括発行を申し込んだ会社から更新処理の申し込みを受け付けた場合には、第1の更新処理と同様に、更新可能な複数人分の発行データを含む更新後の「一括発行データ」を作成する。また、この第2の更新処理においては、CPU101は、操作部103を介して一括発行データから更新を禁止する利用者の識別データの選択を受け付ける。CPU101は、操作部103を介して入力された識別データに基づき、更新を禁止する「ネガデータ」を作成する。このネガデータは、更新を禁止する利用者の識別データを含んでいる。これらの更新後の一括発行データ及びネガデータは、上位サーバ10のメモリ部12に記憶される。
上位サーバ10のCPU11は、更新期間(例えば1か月間)の開始日前に、通信制御部13を制御して各駅のデータ集計機を経由し、関係する駅務機器、すなわち定期券発行機100、改札機200等に各利用者の更新に必要なデータを配信する。すなわち、定期券発行機100に対しては、更新後の一括発行データ及びネガデータが配信される。また、改札機200に対しては、ネガデータが配信される。
定期券発行機100のCPU101は、通信制御部107を制御して受信した一括発行データ及びネガデータをメモリ部102に記憶する。また、改札機200のCPU201は、通信制御部207を制御して受信したネガデータをメモリ部202に記憶する。
以下に、改札機200での更新処理を図7のフローチャートを参照しながら説明する。
すなわち、改札機200においては、CPU201は、通信部204を制御して通信エリア内に無線式の券媒体が翳されたのに基づき券媒体から必要なデータを読み取る(ST11)。CPU201は、読み取ったデータに基づき、通常の改札処理を行う。つまり、処理当日が有効期間内であるか否か、駅への入場または駅からの出場に際して当該駅が有効区間内であるか否かなどの判定を行って、利用者の改札通路の通過を許可するか否かが判断される。
そして、CPU201は、券媒体から読み取ったデータに含まれる有効期間データに基づき、有効期間の終了日が更新可能な期間内に該当するか否かを判定する(ST12)。そして、CPU201は、更新可能な期間内に該当すると判定したのに基づき(ST12、Y)、券媒体から読み取ったデータに含まれる識別データに基づき、メモリ部202に記憶しているネガデータの中に該当する識別データが含まれるか否かを判断する(ST13)。
CPU201は、該当する識別データがネガデータに存在しないと判断した場合には(ST13、Y)、券媒体を更新する更新処理を行う(ST14)。すなわち、この更新処理において、CPU201は、通信部204を制御して翳されている券媒体との間で無線通信を行い、券媒体に更新済みの内容に対応したデータを書き込むとともに、券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータを書き込む。
そして、CPU201は、表示部203A及びスピーカ部203Bを制御して、印刷済みの内容の更新が必要である旨の警告を発生する(ST15)。なお、CPU201は、更新済みの券媒体から、券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータを読み取った場合には、表示部203A及びスピーカ部203Bを制御して、印刷済みの内容の更新を行うように警告を発生する。
なお、上述したステップST12において、CPU201が更新可能な期間内に該当しないと判定した場合(ST12、N)、及び、ステップST13において、読み取った識別データがネガデータに存在すると判断した場合には(ST13、N)、CPU201は、受け取った券媒体が取り扱い対象外であると判断し、表示部203A及びスピーカ部203Bを制御して取り扱い対象外である旨の警告を発生する(ST16)。
一方、定期券発行機100での更新処理を図8のフローチャートを参照しながら説明する。なお、第1の更新処理と同様の処理については説明を簡略化する。
まず、定期券発行機100において、CPU101は、操作部103を介した更新処理の要求を受け付けたか否かを判断する(ST21)。そして、CPU101は、更新処理の要求を受け付けたのに基づき(ST21、Y)、券媒体を受け取ったか否かを判断する(ST22)。CPU101は、券媒体を受け取ったと判断したのに基づき(ST22、Y)、通信部105を制御して券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取る(ST23)。
CPU101は、券媒体から読み取ったデータに含まれる有効期間データに基づき、有効期間の終了日が更新可能な期間内に該当するか否かを判定する(ST24)。そして、CPU101は、更新可能な期間内に該当すると判定したのに基づき(ST24、Y)、券媒体から読み取ったデータに含まれる識別データに基づき、メモリ部102に記憶しているネガデータの中に該当する識別データが含まれるか否かを判断する(ST25)。
CPU101は、該当する識別データがネガデータに存在しないと判断した場合には(ST25、Y)、メモリ部102に記憶している一括発行データの中から該当する識別データの発行データを検索する(ST26)。そして、CPU101は、該当する識別データの発行データが存在した場合には(ST27、Y)、該当する発行データに基づき、券媒体を更新する更新処理を行う(ST28)。この更新処理において、定期券発行機100においては、CPU101は、通信部105を制御して受け取っている券媒体との間で無線通信を行い、券媒体に更新済みの内容(更新後の開始日及び終了日など)に対応したデータを書き込むとともに、印刷部106を制御して受け取っている券媒体の表面に更新済みの内容を印刷する。
なお、上述したステップST24において、CPU101が更新可能な期間内に該当しないと判定した場合(ST24、N)、ステップST25において、CPU101が読み取った識別データがネガデータに存在すると判断した場合(ST25、N)、及び、ステップST27において、CPU101が該当する識別データの発行データが存在しないと判断した場合には(ST27、N)、CPU101は、受け取った券媒体が取り扱い対象外であると判断し、表示部104を制御して警告を発生する(ST29)。
このように定期券発行機100及び改札機200において更新処理を行った券媒体の識別データは、上位サーバ10に送信され、上位サーバ10において保存・管理される。上位サーバ10では、更新した券媒体の識別データが保存・管理され、更新期間終了前(例えば1週間前)に一括発行データとの突合せを行なうことにより、更新していない券媒体がないかを確認し、あれば該当する券媒体の利用者に対して更新処理を受けるように連絡を取る。
以上説明したような第2の更新処理においても、第1の更新処理と同様の効果が得られる。
なお、利用者からの申し込みにより、同一区間の定期券を利用者から停止の申し出があるまで自動的に所定期間(例えば6か月)ごとに更新し、支払いは利用者が申し込み時に指定したクレジットカードで、更新の都度決済を行なう自動継続を行なうようにすることも可能である。
このような設定においては、上位サーバ10において、自動継続の定期券の識別データと有効期間の終了日とをセットした「自動継続定期券データ」を作成し保持する。そして、上位サーバ10では、始業時までに、その日、自動継続を行なう該当券媒体を指定する「自動継続IDデータ」を各駅のデータ集計機を経由して、関係する駅務機器、すなわち改札機や定期券発行機等に配信しておく。「自動継続IDデータ」は、終了日の14日前(継続定期券の発売取り扱い開始日)にあたる自動継続の該当券につき、識別データを、前日の「自動継続IDデータ」に追加することにより作成し、各駅のデータ集計機を経由し、関係する駅務機器、すなわち改札機や定期券発行機等に、始業時に配信しておく。
これにより、改札機200に該当する券媒体が翳された際に、図7に示したような更新処理と同様にして自動継続定期券を発行することが可能であるとともに、定期券発行機100に該当する券媒体の更新処理が要求された際に、図8に示したような更新処理と同様にして自動継続定期券を発行することが可能である。
上位サーバ10では自動継続IDデータから、当日自動継続した定期券の識別データを削除する。該当する識別データの定期券のクレジット決済を行なう。定期券発売額は自動継続した日の運賃を適用する。
上述したように、この実施の形態によれば、有効期間が満了するに際して更新する券媒体の固有の識別データ及び更新条件のデータをシステム側で保持し、駅に設置された券媒体処理装置で更新を行なう券媒体か否かのチェックを行ない、システム側の保持している更新条件で更新処理を行なうことにより、券媒体を回収することなく利用者に対し同一媒体を継続して利用させることができ、本来まとめて発行する券媒体の発行作業を分散することができ、発行した券媒体を利用者個人に配布する作業が不要となる。
また、券媒体の表面の印刷ができない処理機で更新処理を行う場合に、券媒体に印刷済みの内容の更新が必要であることを表すデータを書き込んで更新することにより、利用者は券媒体の利用を続けながら都合に合わせて券媒体表面の内容の更新を受けに行くことができるとともに、このデータを読み取った処理機で券媒体表面の内容の更新が必要であることを表示または音声による案内を行なうことにより、利用者に券媒体表面の内容の更新を受けることを促すことができるとともに、券媒体表面の内容の更新が可能な発行機または処理機でこのデータを読み取ることにより、券媒体表面の内容の更新が必要な券媒体であることを識別し券媒体表面の内容を更新することができる。
さらに、更新の済んだ券媒体の識別データを保存し、更新条件のデータとマージし出力することにより、更新を行なったことを申し込み元に対し証明することができ、また更新を行なっていない券媒体があれば分かり、利用者への注意を行なうことができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
10…上位サーバ 11…CPU 12…メモリ部 13…通信制御部 100…定期券発行機 101…CPU 102…メモリ部 103…操作部 104…表示部 105…通信部 106…印刷部 107…通信制御部 200…改札機 201…CPU 202…メモリ部 203…表示部 203A…表示部 203B…スピーカ部 204…通信部 205…人間検知部 206…ドア機構 207…通信制御部 208…通信制御部
Claims (10)
- 所定の有効期間を有する無線式の券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたデータに含まれる識別データに基づき、更新可能な複数人分の発行データを含む一括発行データの中から、該当する識別データの発行データを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された発行データに基づき前記券媒体を更新する更新手段と、
を備えたことを特徴とする券媒体処理装置。 - 前記更新手段は、券媒体の表面に更新済みの内容を印刷する印刷手段と、券媒体との間で無線通信を行って券媒体に更新済みの内容に対応したデータを書き込む書込手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の券媒体処理装置。
- 前記更新手段は、券媒体との間で無線通信を行って券媒体に更新済みの内容に対応したデータを書き込むとともに、券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータを書き込む書込手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の券媒体処理装置。
- さらに、前記読取手段により読み取られたデータに、券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータが含まれているのに基づき、印刷済みの内容の更新を行うように警告を発生する警告手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の券媒体処理装置。
- 所定の有効期間を有する無線式の券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたデータに含まれる識別データに基づき、更新可能な複数人分の発行データを含む一括発行データの中から、該当する識別データの発行データを検索する検索手段と、
前記読取手段により読み取られたデータに、券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータが含まれているのに基づき、前記検索手段により検索された発行データに基づいて前記券媒体の表面に更新済みの内容を印刷する印刷手段と、
を備えたことを特徴とする券媒体処理装置。 - 所定の有効期間を有する無線式の券媒体を更新可能な複数人分の発行データを含む一括発行データ、及び、更新を禁止する利用者の識別データを含むネガデータを記憶する記憶手段と、
券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたデータに含まれる識別データが前記記憶手段のネガデータに含まれるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により読み取った識別データがネガデータに含まれていないと判断されたのに基づき、前記記憶手段の一括発行データの中から、該当する識別データの発行データを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された発行データに基づき、前記券媒体の表面に更新済みの内容を印刷する印刷手段と、
前記検索手段により検索された発行データに基づき、前記券媒体との間で無線通信を行って前記券媒体に更新済みの内容に対応したデータを書き込む書込手段と、
を備えたことを特徴とする券媒体処理装置。 - 所定の有効期間を有する無線式の券媒体の更新を禁止する利用者の識別データを含むネガデータを記憶する記憶手段と、
券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたデータに含まれる有効期間データに基づき、更新期間に該当するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により更新期間に該当すると判定されたのに基づいて、前記読取手段により読み取られたデータに含まれる識別データが前記記憶手段のネガデータに含まれるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により読み取った識別データがネガデータに含まれていないと判断されたのに基づき、前記券媒体との間で無線通信を行って前記券媒体に更新済みの内容に対応したデータを書き込むとともに、前記券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータを書き込む書込手段と、
を備えたことを特徴とする券媒体処理装置。 - 所定の有効期間を有する無線式の券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取り、
読み取られたデータに含まれる識別データに基づき、更新可能な複数人分の発行データを含む一括発行データを記憶したサーバにおいて、該当する識別データの発行データを検索し、
該当する識別データの発行データを券媒体処理装置に配信し、
受信した発行データに基づき前記券媒体を更新する、
ことを特徴とする券媒体処理方法。 - 所定の有効期間を有する無線式の券媒体を更新可能な複数人分の発行データを含む一括発行データ、及び、更新を禁止する利用者の識別データを含むネガデータを記憶したサーバから、所定のタイミングで前記一括発行データ及び前記ネガデータを券媒体処理装置に配信し、
受信した前記一括発行データ及び前記ネガデータを券媒体処理装置において記憶し、
券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取り、
読み取られたデータに含まれる識別データが記憶しているネガデータに含まれるか否かを判断し、
読み取った識別データがネガデータに含まれていないと判断されたのに基づき、記憶している一括発行データの中から、該当する識別データの発行データを検索し、
検索された発行データに基づき、前記券媒体の表面に更新済みの内容を印刷するとともに前記券媒体との間で無線通信を行って前記券媒体に更新済みの内容に対応したデータを書き込む、
ことを特徴とする券媒体処理方法。 - 所定の有効期間を有する無線式の券媒体の更新を禁止する利用者の識別データを含むネガデータを記憶したサーバから、所定のタイミングで前記ネガデータを券媒体処理装置に配信し、
受信した前記ネガデータを券媒体処理装置において記憶し、
券媒体との間で無線通信を行い、券媒体の更新に必要なデータを読み取り、
読み取られたデータに含まれる有効期間データに基づき、更新期間に該当するか否かを判定し、
更新期間に該当すると判定されたのに基づいて、読み取られたデータに含まれる識別データが記憶しているネガデータに含まれるか否かを判断し、
読み取った識別データがネガデータに含まれていないと判断されたのに基づき、前記券媒体との間で無線通信を行って前記券媒体に更新済みの内容に対応したデータを書き込むとともに、前記券媒体の表面に印刷済みの内容の更新が必要である旨のデータを書き込む、
ことを特徴とする券媒体処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006126922A JP2007299223A (ja) | 2006-04-28 | 2006-04-28 | 券媒体処理装置及び券媒体処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006126922A JP2007299223A (ja) | 2006-04-28 | 2006-04-28 | 券媒体処理装置及び券媒体処理方法 |
Publications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017146902A (ja) * | 2016-02-19 | 2017-08-24 | 株式会社東芝 | 定期券管理装置および定期券発行装置 |
CN112182024A (zh) * | 2020-10-10 | 2021-01-05 | 苏州创旅天下信息技术有限公司 | 火车票自动查询出票方法、系统及存储介质 |
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2006
- 2006-04-28 JP JP2006126922A patent/JP2007299223A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017146902A (ja) * | 2016-02-19 | 2017-08-24 | 株式会社東芝 | 定期券管理装置および定期券発行装置 |
CN112182024A (zh) * | 2020-10-10 | 2021-01-05 | 苏州创旅天下信息技术有限公司 | 火车票自动查询出票方法、系统及存储介质 |
CN112182024B (zh) * | 2020-10-10 | 2023-10-03 | 苏州创旅天下信息技术有限公司 | 火车票自动查询出票方法、系统及存储介质 |
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