JP2011150202A - 多階調露光マスク - Google Patents
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Abstract
【課題】
高価な装置を必要とせず、製造歩留まりや品質が高く、製造が容易な多階調露光マスクを提供すること。
【解決手段】
透明基板10上に、遮光部40、および露光光透過率を所定量低減させる半透光部30からなるマスクパターンを有する多階調露光マスク1であって、前記半透光部30が、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる無機多層膜31であることを特徴とする。多階調露光マスク1において、無機多層膜31の最表面層が高屈折率層であることが好ましい。
【選択図】図1
高価な装置を必要とせず、製造歩留まりや品質が高く、製造が容易な多階調露光マスクを提供すること。
【解決手段】
透明基板10上に、遮光部40、および露光光透過率を所定量低減させる半透光部30からなるマスクパターンを有する多階調露光マスク1であって、前記半透光部30が、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる無機多層膜31であることを特徴とする。多階調露光マスク1において、無機多層膜31の最表面層が高屈折率層であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、多階調露光マスクに関する。
従来、液晶表示素子や半導体素子等の製造には、フォトリソグラフィが用いられる。フォトリソグラフィでは、回路パターンなどの形成に露光マスクを用いる。複雑な回路パターンを形成するには、多数のマスクを必要とするが、近年は、使用するマスクの数を低減すべく、多階調露光マスクが採用されている。多階調露光マスクには、グレイトーンマスク、及びハーフトーンマスクがある。
グレイトーンマスクとは、露光機の解像度以下のスリットが形成されており、そのスリット部が光の一部を遮り、中間露光を実現する露光マスクである(例えば、特許文献1参照)。
ハーフトーンマスクとは、光透過性がそれぞれ異なる少なくとも3つの領域を有し、半透過の膜を利用し、中間露光を行なう露光マスクである。例えば、ハーフトーンマスクは、完全光透過領域、部分光透過領域、及び完全遮光領域の3つの領域を1つの基板上に有する露光マスクである(例えば、特許文献2、及び特許文献3参照)。
グレイトーンマスクとは、露光機の解像度以下のスリットが形成されており、そのスリット部が光の一部を遮り、中間露光を実現する露光マスクである(例えば、特許文献1参照)。
ハーフトーンマスクとは、光透過性がそれぞれ異なる少なくとも3つの領域を有し、半透過の膜を利用し、中間露光を行なう露光マスクである。例えば、ハーフトーンマスクは、完全光透過領域、部分光透過領域、及び完全遮光領域の3つの領域を1つの基板上に有する露光マスクである(例えば、特許文献2、及び特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献1に記載されたグレイトーンマスクは、露光波長以下のスリットを形成する必要があり、高価な露光(描画)装置が必要になるという課題がある。
また、特許文献2、及び特許文献3に記載されたハーフトーンマスクは、酸化クロムやクロム等の層厚を制御して所望の透過率を得ているが、層厚を数オングストローム(Å)の精度で基板上全面に均一に成膜しなくてはならない。そのため、ハーフトーンマスクの製造歩留まりや品質が低いという課題がある。さらに、ハーフトーンマスクを製造する際、30%から70%までの高透過率膜は酸化クロムで成膜し、10%から40%までの低透過率膜はクロムで成膜するといった、それぞれ透過率に応じた詳細な条件出しが必要であるという課題もある。
また、特許文献2、及び特許文献3に記載されたハーフトーンマスクは、酸化クロムやクロム等の層厚を制御して所望の透過率を得ているが、層厚を数オングストローム(Å)の精度で基板上全面に均一に成膜しなくてはならない。そのため、ハーフトーンマスクの製造歩留まりや品質が低いという課題がある。さらに、ハーフトーンマスクを製造する際、30%から70%までの高透過率膜は酸化クロムで成膜し、10%から40%までの低透過率膜はクロムで成膜するといった、それぞれ透過率に応じた詳細な条件出しが必要であるという課題もある。
本発明の目的は、高価な装置を必要とせず、製造歩留まりや品質が高く、製造が容易な多階調露光マスクを提供することである。
本発明者は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる無機多層膜で形成された半透光(部分光透過)部によれば、中間露光を実現できることを見出した。本発明は、このような知見をもとに完成されたものである。
すなわち、本発明は、透明基板上に、遮光部、および露光光透過率を所定量低減させる半透光部からなるマスクパターンを有する多階調露光マスクであって、前記半透光部が、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる無機多層膜であることを特徴とする。
本発明の多階調露光マスクによれば、半透光部が、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる無機多層膜であるので、通常の無機多層膜を形成する装置や方法を適用し、この無機多層膜の構成を適宜設計することによって、回折させる光の量を調節し、半透光部の透過率を容易に制御できる。
そのため、高価な装置を必要とせず、製造歩留まりや品質が高く、製造が容易な多階調露光マスクを提供できる。
そのため、高価な装置を必要とせず、製造歩留まりや品質が高く、製造が容易な多階調露光マスクを提供できる。
本発明では、前記無機多層膜の最表面層が高屈折率層であることが好ましい。
無機多層膜の最表面層が低屈折率層であると透過率が高くなりやすいが、この発明によれば、無機多層膜の最表面層が高屈折率層であるので、無機多層膜の透過率を低く制御し易い。
無機多層膜の最表面層が低屈折率層であると透過率が高くなりやすいが、この発明によれば、無機多層膜の最表面層が高屈折率層であるので、無機多層膜の透過率を低く制御し易い。
本発明では、前記高屈折率層が窒化ケイ素からなることが好ましい。
通常、露光マスクが汚れた際は、熱硫酸で洗浄し、レジストなどの残渣を除去する。遮光部を形成するクロム膜が帯電していると、クロムが溶出してしまう。
本発明によれば、高屈折率層は、化学的に安定な窒化ケイ素からなるので、クロムからなる遮光部を当該窒化ケイ素で覆うことができる。そのため、熱硫酸で露光マスクを洗浄しても、クロムの溶出を防ぐことが出来る。
通常、露光マスクが汚れた際は、熱硫酸で洗浄し、レジストなどの残渣を除去する。遮光部を形成するクロム膜が帯電していると、クロムが溶出してしまう。
本発明によれば、高屈折率層は、化学的に安定な窒化ケイ素からなるので、クロムからなる遮光部を当該窒化ケイ素で覆うことができる。そのため、熱硫酸で露光マスクを洗浄しても、クロムの溶出を防ぐことが出来る。
本発明では、前記低屈折率層が酸化ケイ素からなることが好ましい。
この発明によれば、低屈折率層が、化学的に安定な酸化ケイ素からなるので、上記と同様に、熱硫酸で露光マスクを洗浄しても、クロムの溶出を防ぐことが出来る。
この発明によれば、低屈折率層が、化学的に安定な酸化ケイ素からなるので、上記と同様に、熱硫酸で露光マスクを洗浄しても、クロムの溶出を防ぐことが出来る。
本発明では、前記遮光部のパターンが、ケイ素により形成されていることが好ましい。
この発明によれば、遮光部のパターンが、化学的に安定なケイ素により形成されているので、ケイ素が露出していても、熱硫酸で露光マスクを洗浄した際に、ケイ素が溶出せず、遮光部のパターンが崩れるのを防ぐことが出来る。
また、高屈折率層が窒化ケイ素、又は低屈折率層が酸化ケイ素である場合、遮光部と、これに接する高屈折率層、又は低屈折率層との密着性を向上させることができる。
この発明によれば、遮光部のパターンが、化学的に安定なケイ素により形成されているので、ケイ素が露出していても、熱硫酸で露光マスクを洗浄した際に、ケイ素が溶出せず、遮光部のパターンが崩れるのを防ぐことが出来る。
また、高屈折率層が窒化ケイ素、又は低屈折率層が酸化ケイ素である場合、遮光部と、これに接する高屈折率層、又は低屈折率層との密着性を向上させることができる。
本発明によれば、高価な装置を必要とせず、製造歩留まりや品質が高く、製造が容易な多階調露光マスクを提供できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る多階調露光マスク1の製造工程を示す概略図である。本実施形態に係る多階調露光マスク1は、図1(H)に示されている。
多階調露光マスク1は、透明基板10上に、透過率を低減させずに露光光を透過させる透光部20、露光光透過率を所定量低減させる半透光部30、及び露光光を遮光する遮光部40からなるマスクパターンを有する。遮光部40は、透明基板10上に成膜された遮光膜41によって形成され、半透光部30は、透明基板10上に成膜された無機多層膜31によって形成されている。
図1は、本実施形態に係る多階調露光マスク1の製造工程を示す概略図である。本実施形態に係る多階調露光マスク1は、図1(H)に示されている。
多階調露光マスク1は、透明基板10上に、透過率を低減させずに露光光を透過させる透光部20、露光光透過率を所定量低減させる半透光部30、及び露光光を遮光する遮光部40からなるマスクパターンを有する。遮光部40は、透明基板10上に成膜された遮光膜41によって形成され、半透光部30は、透明基板10上に成膜された無機多層膜31によって形成されている。
〔透明基板〕
透明基板10としては、ガラス基板などを挙げることができる。
〔透光部〕
透光部20は、透明基板10の表面が露出している領域である。
透明基板10としては、ガラス基板などを挙げることができる。
〔透光部〕
透光部20は、透明基板10の表面が露出している領域である。
〔半透光部〕
図2は、透明基板10上に形成された無機多層膜31の断面を示す模式図である。
この無機多層膜31は、高屈折率層31A,31C,31E,31Gと低屈折率層31B,31D,31Fとが交互に積層されて、計7層からなる。多階調露光マスク1においては、透明基板10に接する層(最内層)に高屈折率層31Aが位置し、及び無機多層膜31の最表層に高屈折率層31Gが位置している。
なお、無機多層膜31は、7層である必要はなく、8層以上でもよい。透過率を下げる観点からは積層数が多い方が好ましい。ただし、あまり積層数が多くなると、露光光が透過しないほど透過率が低くなってしまったり、生産性が低下してしまったりする等の問題が生ずるおそれもあるので、好ましくは19層までの範囲である。
高屈折率層31A,31C,31E,31Gは、窒化ケイ素(SiNx)により形成され、低屈折率層31B,31D,31Fは酸化ケイ素(SiO2)により形成されている。その他、高低屈折率層31Aを形成する材料としては、酸化ジルコニウム(ZrO2)や酸化チタン(TiO2)なども挙げられる。
そして、半透光部30の露光光透過率が所望の値となるように、無機多層膜31の高屈折率層31A,31C,31E,31G、及び低屈折率層31B,31D,31Fの層厚や膜数が設定される。層厚については、窒化ケイ素からなる最表層(高低屈折率層31G)の層厚は2〜50nmであることが好ましく、さらに好ましくは4〜40nmである。また、最表層に隣接する酸化ケイ素層(低屈折率層31F)の層厚は35〜60nmであることが好ましい。
各層の厚みは、成膜時に光学式の厚み測定装置により測定する。
図2は、透明基板10上に形成された無機多層膜31の断面を示す模式図である。
この無機多層膜31は、高屈折率層31A,31C,31E,31Gと低屈折率層31B,31D,31Fとが交互に積層されて、計7層からなる。多階調露光マスク1においては、透明基板10に接する層(最内層)に高屈折率層31Aが位置し、及び無機多層膜31の最表層に高屈折率層31Gが位置している。
なお、無機多層膜31は、7層である必要はなく、8層以上でもよい。透過率を下げる観点からは積層数が多い方が好ましい。ただし、あまり積層数が多くなると、露光光が透過しないほど透過率が低くなってしまったり、生産性が低下してしまったりする等の問題が生ずるおそれもあるので、好ましくは19層までの範囲である。
高屈折率層31A,31C,31E,31Gは、窒化ケイ素(SiNx)により形成され、低屈折率層31B,31D,31Fは酸化ケイ素(SiO2)により形成されている。その他、高低屈折率層31Aを形成する材料としては、酸化ジルコニウム(ZrO2)や酸化チタン(TiO2)なども挙げられる。
そして、半透光部30の露光光透過率が所望の値となるように、無機多層膜31の高屈折率層31A,31C,31E,31G、及び低屈折率層31B,31D,31Fの層厚や膜数が設定される。層厚については、窒化ケイ素からなる最表層(高低屈折率層31G)の層厚は2〜50nmであることが好ましく、さらに好ましくは4〜40nmである。また、最表層に隣接する酸化ケイ素層(低屈折率層31F)の層厚は35〜60nmであることが好ましい。
各層の厚みは、成膜時に光学式の厚み測定装置により測定する。
〔遮光部〕
遮光部40は、透明基板10上に成膜された無機多層膜31、及びこの無機多層膜31上に成膜された遮光膜41によって形成されている。遮光膜41としては、クロム膜等の金属膜、シリコン膜、金属酸化膜、モリブデンシリサイド膜のような金属シリサイド膜等によって形成されている。
多階調露光マスク1では、遮光膜41は、シリコン膜によって形成されている。
遮光部40は、透明基板10上に成膜された無機多層膜31、及びこの無機多層膜31上に成膜された遮光膜41によって形成されている。遮光膜41としては、クロム膜等の金属膜、シリコン膜、金属酸化膜、モリブデンシリサイド膜のような金属シリサイド膜等によって形成されている。
多階調露光マスク1では、遮光膜41は、シリコン膜によって形成されている。
〔多階調露光マスクの製造方法〕
次に、本実施形態に係る多階調露光マスク1の製造方法について説明する。
図1(A)には、前処理を終えた透明基板10上に、遮光膜41が形成され、さらに遮光膜41上にレジスト膜50が形成された状態が示されている。
次に、本実施形態に係る多階調露光マスク1の製造方法について説明する。
図1(A)には、前処理を終えた透明基板10上に、遮光膜41が形成され、さらに遮光膜41上にレジスト膜50が形成された状態が示されている。
(透明基板の前処理)
透明基板10の前処理は、例えば透明基板10が石英ガラスの場合、まず、石英ガラスを熱硫酸に所定時間浸漬した後、純粋で十分に洗浄し、オーブンにて所定温度、及び大気雰囲気中で所定時間加熱乾燥する。
透明基板10の前処理は、例えば透明基板10が石英ガラスの場合、まず、石英ガラスを熱硫酸に所定時間浸漬した後、純粋で十分に洗浄し、オーブンにて所定温度、及び大気雰囲気中で所定時間加熱乾燥する。
(遮光膜の形成)
遮光膜41は、スパッタリング法や真空蒸着法等によって、前処理を終えた透明基板10の表面上に形成される。遮光膜41の形成法としては、特に、スパッタリング法が好適に用いられる。スパッタリング法としては、金属膜、シリコン膜、金属酸化膜、金属シリサイド膜等の形成の際に用いられる通常のスパッタリング装置、及び方法が適用できる。
例えば、多階調露光マスク1では、シリコン膜が遮光膜41として形成されている。スパッタリングターゲットは、シリコンが用いられ、スパッタリング時の雰囲気のガスは、アルゴンガスが用いられる。
遮光膜41は、スパッタリング法や真空蒸着法等によって、前処理を終えた透明基板10の表面上に形成される。遮光膜41の形成法としては、特に、スパッタリング法が好適に用いられる。スパッタリング法としては、金属膜、シリコン膜、金属酸化膜、金属シリサイド膜等の形成の際に用いられる通常のスパッタリング装置、及び方法が適用できる。
例えば、多階調露光マスク1では、シリコン膜が遮光膜41として形成されている。スパッタリングターゲットは、シリコンが用いられ、スパッタリング時の雰囲気のガスは、アルゴンガスが用いられる。
(レジスト膜の形成、及びパターニング 1回目)
図1(B)には、遮光膜41上に形成されたレジスト膜50がパターニングされた状態が示されている。遮光膜41上には、レジスト膜50で覆われた部分と、レジスト膜50が除去されて露出した部分とを有するレジストパターン50aが形成されている。
レジスト膜50の形成、及びパターニングは、フォトリソグラフィで通常用いられる方法や材料が適用できるが、例えば、次のようにして行われる。
レジスト膜50は、遮光膜41上にレジスト材料が塗布されて形成される。レジスト材料としては、フォトリソグラフィにおけるレジスト膜形成の際に用いられる方法や材料が適用できる。また、レジスト材料は、感光性を有するフォトレジスト材料であって、ネガ型とポジ型とがある。ネガ型は、露光されると現像液に対して溶解性が低下するので、現像液によって現像されると、露光された部分が残り、未露光部分が除去される。一方、ポジ型は、露光されると現像液に対して溶解性が増大するので、現像液によって現像されると、露光された部分が除去され、未露光部分が残る。多階調露光マスク1においては、ポジ型のフォトレジスト材料を用いる。
図1(B)には、遮光膜41上に形成されたレジスト膜50がパターニングされた状態が示されている。遮光膜41上には、レジスト膜50で覆われた部分と、レジスト膜50が除去されて露出した部分とを有するレジストパターン50aが形成されている。
レジスト膜50の形成、及びパターニングは、フォトリソグラフィで通常用いられる方法や材料が適用できるが、例えば、次のようにして行われる。
レジスト膜50は、遮光膜41上にレジスト材料が塗布されて形成される。レジスト材料としては、フォトリソグラフィにおけるレジスト膜形成の際に用いられる方法や材料が適用できる。また、レジスト材料は、感光性を有するフォトレジスト材料であって、ネガ型とポジ型とがある。ネガ型は、露光されると現像液に対して溶解性が低下するので、現像液によって現像されると、露光された部分が残り、未露光部分が除去される。一方、ポジ型は、露光されると現像液に対して溶解性が増大するので、現像液によって現像されると、露光された部分が除去され、未露光部分が残る。多階調露光マスク1においては、ポジ型のフォトレジスト材料を用いる。
次に、形成したい透光部20,半透光部30,及び遮光部40のパターンに応じて、光や電子線をレジスト膜50に対して部分的に照射して(露光)、レジスト材料の溶解性を変化させる。レジスト膜50は、ポジ型のフォトレジスト材料で形成されているので、レジスト膜50の露光した部分が現像液によって除去され、遮光膜41が部分的に露出した状態となる。
なお、現像液としては、フォトリソグラフィにおけるレジスト膜のレジスト剥離の際に用いられる方法や材料が適用できるが、使用するレジスト材料に応じて適宜選択する。
なお、現像液としては、フォトリソグラフィにおけるレジスト膜のレジスト剥離の際に用いられる方法や材料が適用できるが、使用するレジスト材料に応じて適宜選択する。
(遮光膜のエッチング)
図1(C)には、遮光膜41が、レジストパターン50aの形状に応じて、選択的にエッチングされた状態が示されている。
遮光膜41のエッチングは、通常の無機多層膜のエッチングの際に用いるドライエッチング法やウェットエッチング法が適用できる。例えば、遮光膜41をドライエッチング法でエッチングする場合は、次のようにして行われる。
レジストパターン50aが形成された透明基板10は、ドライエッチャーのチャンバー内にセットされる。チャンバー内を所定真空度まで下げ、続いて四フッ化メタン(CF4)ガス、及び酸素ガスを導入し、プラズマを発生させる。このとき、レジスト膜50で覆われていない遮光膜41の露出した部分が選択的にエッチングされる。遮光膜41がエッチングされた部分には、透明基板10の表面が露出する。
図1(C)には、遮光膜41が、レジストパターン50aの形状に応じて、選択的にエッチングされた状態が示されている。
遮光膜41のエッチングは、通常の無機多層膜のエッチングの際に用いるドライエッチング法やウェットエッチング法が適用できる。例えば、遮光膜41をドライエッチング法でエッチングする場合は、次のようにして行われる。
レジストパターン50aが形成された透明基板10は、ドライエッチャーのチャンバー内にセットされる。チャンバー内を所定真空度まで下げ、続いて四フッ化メタン(CF4)ガス、及び酸素ガスを導入し、プラズマを発生させる。このとき、レジスト膜50で覆われていない遮光膜41の露出した部分が選択的にエッチングされる。遮光膜41がエッチングされた部分には、透明基板10の表面が露出する。
(無機多層膜の形成)
図1(D)には、レジストパターン50aを形成していたレジスト膜50が剥離された状態が示されている。レジスト膜50の剥離には、フォトリソグラフィにおけるレジスト膜のレジスト剥離の際に用いられる方法や材料が適用できる。
図1(D)には、レジストパターン50aを形成していたレジスト膜50が剥離された状態が示されている。レジスト膜50の剥離には、フォトリソグラフィにおけるレジスト膜のレジスト剥離の際に用いられる方法や材料が適用できる。
また、図1(E)には、レジスト膜50が剥離された後の、遮光膜41、及び遮光膜41のエッチングによって透明基板10の表面が露出した部分に無機多層膜31が形成された状態が示されている。この無機多層膜31が形成された部分が半透光部30となる。
無機多層膜31は、スパッタリング法や真空蒸着法等によって、図1(D)の状態の透明基板10上に形成される。無機多層膜31の形成には、特に、スパッタリング法が好適に用いられる。スパッタリング法としては、無機薄膜形成の際に用いられる通常のスパッタリング装置、及び方法が適用できる。
多階調露光マスク1では、透明基板10上に高屈折率層31Aが形成され、この高屈折率層31Aの上に、低屈折率層31Bが形成され、その後、高屈折率層31C,31E,31G、及び低屈折率層31D,31Fが交互に形成され、最表層(7層目)が高屈折率層31Gとなるように形成されている。
無機多層膜31を形成する際の、スパッタリングターゲットとしては、シリコンが用いられる。また、スパッタリング時の雰囲気のガスとして、高屈折率層31A,31C,31E,31Gは、窒化ケイ素により形成されるため、窒素ガス、及びアルゴンガスが用いられる。一方、低屈折率層31B,31D,31Fは、酸化ケイ素により形成されるため、酸素ガス、及びアルゴンガスが用いられる。
多階調露光マスク1で形成する無機多層膜31の透過率は、露光光の波長が365nmのとき、90.0%である。
なお、無機多層膜31を形成する前に、スパッタリング装置のチャンバー内にアルゴンガスを導入して逆スパッタリングすることで、透明基板10の表面をさらに清浄にすることができるため、透明基板10と無機多層膜31との密着性を向上させることができる。
無機多層膜31は、スパッタリング法や真空蒸着法等によって、図1(D)の状態の透明基板10上に形成される。無機多層膜31の形成には、特に、スパッタリング法が好適に用いられる。スパッタリング法としては、無機薄膜形成の際に用いられる通常のスパッタリング装置、及び方法が適用できる。
多階調露光マスク1では、透明基板10上に高屈折率層31Aが形成され、この高屈折率層31Aの上に、低屈折率層31Bが形成され、その後、高屈折率層31C,31E,31G、及び低屈折率層31D,31Fが交互に形成され、最表層(7層目)が高屈折率層31Gとなるように形成されている。
無機多層膜31を形成する際の、スパッタリングターゲットとしては、シリコンが用いられる。また、スパッタリング時の雰囲気のガスとして、高屈折率層31A,31C,31E,31Gは、窒化ケイ素により形成されるため、窒素ガス、及びアルゴンガスが用いられる。一方、低屈折率層31B,31D,31Fは、酸化ケイ素により形成されるため、酸素ガス、及びアルゴンガスが用いられる。
多階調露光マスク1で形成する無機多層膜31の透過率は、露光光の波長が365nmのとき、90.0%である。
なお、無機多層膜31を形成する前に、スパッタリング装置のチャンバー内にアルゴンガスを導入して逆スパッタリングすることで、透明基板10の表面をさらに清浄にすることができるため、透明基板10と無機多層膜31との密着性を向上させることができる。
(レジスト膜の形成、及びパターニング 2回目)
図1(F)には、無機多層膜31上にレジスト膜51が形成され、このレジスト膜51がパターニングされた状態が示されている。無機多層膜31上には、レジスト膜51で覆われた部分と、レジスト膜51が除去されて露出した部分とを有するレジストパターン51aが形成されている。
レジスト膜51の形成、及びパターニングは、レジスト膜50の場合と同様に、フォトリソグラフィにおけるレジスト膜のパターニングの際に用いられる方法や材料が適用できる。
レジストパターン51aは、形成したい透光部20,半透光部30,及び遮光部40のパターンに応じて、レジストパターン51aが形成される。すなわち、遮光膜41を部分的にエッチングした際のレジストパターン50aとは異なる。
レジストパターン51aは、透光部20を形成する位置に対応させてレジスト膜51を露光させて得られる。無機多層膜31が現像後に露出し、後述する無機多層膜31、及び遮光膜41のエッチングによって透明基板10が露出して透光部20になる。
図1(F)には、無機多層膜31上にレジスト膜51が形成され、このレジスト膜51がパターニングされた状態が示されている。無機多層膜31上には、レジスト膜51で覆われた部分と、レジスト膜51が除去されて露出した部分とを有するレジストパターン51aが形成されている。
レジスト膜51の形成、及びパターニングは、レジスト膜50の場合と同様に、フォトリソグラフィにおけるレジスト膜のパターニングの際に用いられる方法や材料が適用できる。
レジストパターン51aは、形成したい透光部20,半透光部30,及び遮光部40のパターンに応じて、レジストパターン51aが形成される。すなわち、遮光膜41を部分的にエッチングした際のレジストパターン50aとは異なる。
レジストパターン51aは、透光部20を形成する位置に対応させてレジスト膜51を露光させて得られる。無機多層膜31が現像後に露出し、後述する無機多層膜31、及び遮光膜41のエッチングによって透明基板10が露出して透光部20になる。
(無機多層膜、及び遮光膜のエッチング)
図1(G)には、無機多層膜31、及び遮光膜41が、レジストパターン51aの形状に応じて、選択的にエッチングされた状態が示されている。
無機多層膜31、及び遮光膜41のエッチングは、通常の無機多層膜のエッチングの際に用いるドライエッチング法やウェットエッチング法が適用できる。
例えば、無機多層膜31、及び遮光膜41をドライエッチング法でエッチングする場合は、次のようにして行われる。
レジストパターン51aが形成された透明基板10は、ドライエッチャーのチャンバー内にセットされる。チャンバー内を所定真空度まで下げ、続いて四フッ化メタン(CF4)ガス、及び酸素ガスを導入し、プラズマを発生させる。このとき、レジスト膜51で覆われていない無機多層膜31の露出した部分、及びその下側の遮光膜41が選択的にエッチングされる。すなわち、無機多層膜31、及び遮光膜41がエッチングされた部分には、透明基板10の表面が露出し、この露出した部分が透光部20となる。
図1(G)には、無機多層膜31、及び遮光膜41が、レジストパターン51aの形状に応じて、選択的にエッチングされた状態が示されている。
無機多層膜31、及び遮光膜41のエッチングは、通常の無機多層膜のエッチングの際に用いるドライエッチング法やウェットエッチング法が適用できる。
例えば、無機多層膜31、及び遮光膜41をドライエッチング法でエッチングする場合は、次のようにして行われる。
レジストパターン51aが形成された透明基板10は、ドライエッチャーのチャンバー内にセットされる。チャンバー内を所定真空度まで下げ、続いて四フッ化メタン(CF4)ガス、及び酸素ガスを導入し、プラズマを発生させる。このとき、レジスト膜51で覆われていない無機多層膜31の露出した部分、及びその下側の遮光膜41が選択的にエッチングされる。すなわち、無機多層膜31、及び遮光膜41がエッチングされた部分には、透明基板10の表面が露出し、この露出した部分が透光部20となる。
(レジストの剥離)
図1(H)には、レジストパターン51aを形成していたレジスト膜51が剥離された状態、すなわち、多階調露光マスク1が示されている。レジスト膜51の剥離には、フォトリソグラフィにおけるレジスト膜のレジスト剥離の際に用いられる方法や材料が適用できる。
レジスト膜51が剥離されることで、透光部20,半透光部30,及び遮光部40を備えた、3階調の多階調露光マスク1が得られる。
図1(H)には、レジストパターン51aを形成していたレジスト膜51が剥離された状態、すなわち、多階調露光マスク1が示されている。レジスト膜51の剥離には、フォトリソグラフィにおけるレジスト膜のレジスト剥離の際に用いられる方法や材料が適用できる。
レジスト膜51が剥離されることで、透光部20,半透光部30,及び遮光部40を備えた、3階調の多階調露光マスク1が得られる。
〔多階調露光マスクを用いたパターン転写〕
次に、上記のようにして得られた多階調露光マスク1を用いて、被転写体上にパターン転写を行う方法ついて説明する。
まず、被転写体上にポジ型のフォトレジスト材料を塗布してレジスト膜を成膜する。
そして、露光光を多階調露光マスク1の透明基板10側から透過させる。なお、ここでは、露光光波長が365nmの光に対して感応するポジ型のフォトレジスト材料を用いる。
露光光の光源としては、高圧水銀ランプを用いる。波長と相対強度との関係を図3に示す。ここで用いる高圧水銀ランプは365nm(g線)のときに相対強度が最も大きい。
透光部20では、露光光がほぼ100%透過して、透光部20の位置に対応したレジスト膜が露光される。半透光部30では、前記したように無機多層膜31の透過率は、露光光の波長が365nmのとき90.0%であるので、365nmの露光光が90%透過して、半透光部30の位置に対応したレジスト膜が露光される。遮光部40では、露光光が透過せず、遮光部40の位置に対応したレジスト膜は露光されない。
次に、上記のようにして得られた多階調露光マスク1を用いて、被転写体上にパターン転写を行う方法ついて説明する。
まず、被転写体上にポジ型のフォトレジスト材料を塗布してレジスト膜を成膜する。
そして、露光光を多階調露光マスク1の透明基板10側から透過させる。なお、ここでは、露光光波長が365nmの光に対して感応するポジ型のフォトレジスト材料を用いる。
露光光の光源としては、高圧水銀ランプを用いる。波長と相対強度との関係を図3に示す。ここで用いる高圧水銀ランプは365nm(g線)のときに相対強度が最も大きい。
透光部20では、露光光がほぼ100%透過して、透光部20の位置に対応したレジスト膜が露光される。半透光部30では、前記したように無機多層膜31の透過率は、露光光の波長が365nmのとき90.0%であるので、365nmの露光光が90%透過して、半透光部30の位置に対応したレジスト膜が露光される。遮光部40では、露光光が透過せず、遮光部40の位置に対応したレジスト膜は露光されない。
その後、レジスト膜は、現像液によって除去され、遮光部40の位置に対応する部分でレジスト膜の厚さが最も大きくなる。また、半透光部30の位置に対応する部分のレジスト膜の厚さは、遮光部40の位置に対応する部分での層厚よりも薄くなる。さらに、透光部20の位置に対応する部分では、レジスト膜が残らない。
このようにして、層厚が3段階に異なるレジスト膜が被転写体上に形成され、多階調露光マスク1のパターンが転写されたことになる。
このようにして、層厚が3段階に異なるレジスト膜が被転写体上に形成され、多階調露光マスク1のパターンが転写されたことになる。
上述の実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)多階調露光マスク1の半透光部30が、高屈折率層31A,31C,31E,31Gと低屈折率層31B,31D,31Fとが交互に積層されてなる無機多層膜31であるので、この無機多層膜31の膜数や層厚等の構成を制御することで、透過率を制御できる。特に、スパッタリング法を用いることができるので、透過率の制御を容易に行うことができるとともに、大型マスクも製造できる。
そのため、半透光部30を形成する際に、通常の無機多層膜を形成する装置や方法を適用することができるので、高価な装置を必要とせず、製造歩留まりや品質が高く、製造が容易な多階調露光マスク1を得ることができる。
(1)多階調露光マスク1の半透光部30が、高屈折率層31A,31C,31E,31Gと低屈折率層31B,31D,31Fとが交互に積層されてなる無機多層膜31であるので、この無機多層膜31の膜数や層厚等の構成を制御することで、透過率を制御できる。特に、スパッタリング法を用いることができるので、透過率の制御を容易に行うことができるとともに、大型マスクも製造できる。
そのため、半透光部30を形成する際に、通常の無機多層膜を形成する装置や方法を適用することができるので、高価な装置を必要とせず、製造歩留まりや品質が高く、製造が容易な多階調露光マスク1を得ることができる。
(2)無機多層膜31の最表面層が高屈折率層31Gであるので、無機多層膜31の透過率を低く制御し易い。
(3)高屈折率層31A,31C,31E,31Gが窒化ケイ素からなり、低屈折率層31B,31D,31Fが酸化ケイ素からなり、遮光部40のパターンが、ケイ素により形成されているので、遮光部40の遮光膜41と、これに接する半透光部30の高屈折率層31A,31C,31E,31G、又は低屈折率層31B,31D,31Fとの密着性を向上させることができる。
(4)さらに、無機多層膜31、及び遮光膜41は、化学的に安定な材料で形成されているので、遮光膜41が帯電した状態で多階調露光マスク1を熱硫酸洗浄しても、マスクパターンの崩れを防ぐことが出来る。
本発明は、以上述べた実施形態には限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で種々の改良および変形を行うことが可能である。
上記実施形態では、3階調の多階調露光マスク1としたが、4階調以上の多階調露光マスクとしても良い。例えば、4段階の多階調露光マスク2は、図4に示すような工程を経ることで得られる。多階調露光マスク2は、図4(J)に示されるように、第1半透光部30Aと、これよりも透過率の低い第2半透光部30Bとを有している。
上記実施形態では、3階調の多階調露光マスク1としたが、4階調以上の多階調露光マスクとしても良い。例えば、4段階の多階調露光マスク2は、図4に示すような工程を経ることで得られる。多階調露光マスク2は、図4(J)に示されるように、第1半透光部30Aと、これよりも透過率の低い第2半透光部30Bとを有している。
図4(A)は、透明基板10上に遮光膜41が部分的に形成され、この遮光膜41を覆うようにして、無機多層膜31,32が形成された状態を示す図である。
ここでは、上記実施形態と同様にして遮光膜41を部分的に形成するが、その後、透明基板10に対して、部分的に無機多層膜31を形成するとともに、無機多層膜31とは異なる部分に無機多層膜32を形成する。無機多層膜32は、上記実施形態と同様にして成膜することができるが、無機多層膜32は、無機多層膜31よりも積層する高屈折率層と低屈折率層の数を増やして膜厚を厚くして、365nmにおける透過率も低くなるように成膜する。そして、透明基板10上に無機多層膜31が形成された部分は、第1半透光部30Aとなり、透明基板10上に無機多層膜32が形成された部分は、第2半透光部30Bとなる。
ここでは、上記実施形態と同様にして遮光膜41を部分的に形成するが、その後、透明基板10に対して、部分的に無機多層膜31を形成するとともに、無機多層膜31とは異なる部分に無機多層膜32を形成する。無機多層膜32は、上記実施形態と同様にして成膜することができるが、無機多層膜32は、無機多層膜31よりも積層する高屈折率層と低屈折率層の数を増やして膜厚を厚くして、365nmにおける透過率も低くなるように成膜する。そして、透明基板10上に無機多層膜31が形成された部分は、第1半透光部30Aとなり、透明基板10上に無機多層膜32が形成された部分は、第2半透光部30Bとなる。
次に、図4(B)に示すように、無機多層膜31,32上にレジスト膜53を形成し、続いて、図4(C)に示すように、形成したい透光部20,第1半透光部30A,第2半透光部30B,及び遮光部40のパターンに応じて、現像を行い、レジストパターン53aを形成する。そして、無機多層膜31,32、及び遮光膜41を上記実施形態と同様にしてエッチングして、図4(D)に示すように、透明基板10の表面を部分的に露出させ、透光部20とする。続いて、図4(E)に示すようにレジスト膜53を剥離して、多階調露光マスク2を得る。
多階調露光マスク2は、透光部20,第1半透光部30A,第2半透光部30B,及び遮光部40を備えている。第1半透光部30Aは上記実施形態と同じ露光光透過率を有し、第2半透光部30Bは、第1半透光部30Aよりも低い露光光透過率を有している。
多階調露光マスク2は、透光部20,第1半透光部30A,第2半透光部30B,及び遮光部40を備えている。第1半透光部30Aは上記実施形態と同じ露光光透過率を有し、第2半透光部30Bは、第1半透光部30Aよりも低い露光光透過率を有している。
また、多階調露光マスクが備えるマスクパターンは、上記実施形態における多階調露光マスク1や、変形例として説明した上記多階調露光マスク2のパターン形状に限られず、被転写体のサイズや所望の転写パターンなどに応じて適宜変更できる。
さらに、上記実施形態では、透明基板10上に、まず遮光膜41を形成し、その上に無機多層膜31を形成する方法を採用したが、これに限られない。例えば、透明基板10上に、まず、無機多層膜31を形成し、その上に遮光膜41を形成した上で、上記実施形態のようにパターン形成をしてもよい。
以下に、実施例により、本発明をより詳細に説明する。
〔実施例1〕
(透明基板の前処理)
透明基板は、サイズ:102mm(4inch)×102mm(4inch),厚さ:3mmの石英ガラス板を用いた。石英ガラスを80℃の熱硫酸に10分間浸漬させた後、純水で十分に洗浄し、120℃に設定されたオーブンで、大気雰囲気中で30分間乾燥させた。次に、この石英ガラスをスパッタリング装置のチャンバー内に載置した後、120℃に加熱しながらチャンバー内を10−6Torrの圧力とした。続いて、チャンバー内にアルゴンガスを導入し、0.8mTorrの圧力で逆スパッタリングを行って、石英ガラス表面をクリーニングした。
〔実施例1〕
(透明基板の前処理)
透明基板は、サイズ:102mm(4inch)×102mm(4inch),厚さ:3mmの石英ガラス板を用いた。石英ガラスを80℃の熱硫酸に10分間浸漬させた後、純水で十分に洗浄し、120℃に設定されたオーブンで、大気雰囲気中で30分間乾燥させた。次に、この石英ガラスをスパッタリング装置のチャンバー内に載置した後、120℃に加熱しながらチャンバー内を10−6Torrの圧力とした。続いて、チャンバー内にアルゴンガスを導入し、0.8mTorrの圧力で逆スパッタリングを行って、石英ガラス表面をクリーニングした。
(遮光膜の形成)
前処理を終えた石英ガラス板に対して、シリコンをターゲットとして以下の条件でスパッタリングを行い、シリコンからなる遮光膜(厚み:100nm)を形成した。
・導入ガス
アルゴン :20.0sccm
・スパッタリングパワー:2.0kw
前処理を終えた石英ガラス板に対して、シリコンをターゲットとして以下の条件でスパッタリングを行い、シリコンからなる遮光膜(厚み:100nm)を形成した。
・導入ガス
アルゴン :20.0sccm
・スパッタリングパワー:2.0kw
(エッチング)
次に、遮光膜上にレジスト(市販品)をパターニングした。その後、ドライエッチャーのチャンバー内にセットし、真空度を10−4Torrとし、以下の条件でプラズマを発生させてドライエッチングを行った。
・導入ガス
CF4(四フッ化メタン):100sccm
O2(酸素) :20.0sccm
・RFパワー :1.0kw
エッチング後、石英ガラス板をチャンバー内から取り出し、有機剥離液(市販品)でレジストを剥離した。
次に、遮光膜上にレジスト(市販品)をパターニングした。その後、ドライエッチャーのチャンバー内にセットし、真空度を10−4Torrとし、以下の条件でプラズマを発生させてドライエッチングを行った。
・導入ガス
CF4(四フッ化メタン):100sccm
O2(酸素) :20.0sccm
・RFパワー :1.0kw
エッチング後、石英ガラス板をチャンバー内から取り出し、有機剥離液(市販品)でレジストを剥離した。
(無機多層膜の形成)
エッチング、及びレジスト剥離を終えた石英ガラス板に対して、シリコンをターゲットとして以下の条件でスパッタリングを行い、窒化ケイ素からなる高屈折率層、及び酸化ケイ素からなる低屈折率層を積層してなる無機多層膜を石英ガラス板表面に形成した。具体的な層構成を表1に示す。表1の中で、化合物名の隣りの括弧内の数字は、高屈折率層、及び低屈折率層の各層の層厚を表す。
・高屈折率層(窒化ケイ素:SiNx)
窒素ガス :10.0sccm
アルゴンガス:10.0sccm
スパッタリングパワー:2.0kw
・低屈折率層(窒化ケイ素:SiO2)
窒素ガス :10.0sccm
アルゴンガス:10.0sccm
スパッタリングパワー:1.5kw
エッチング、及びレジスト剥離を終えた石英ガラス板に対して、シリコンをターゲットとして以下の条件でスパッタリングを行い、窒化ケイ素からなる高屈折率層、及び酸化ケイ素からなる低屈折率層を積層してなる無機多層膜を石英ガラス板表面に形成した。具体的な層構成を表1に示す。表1の中で、化合物名の隣りの括弧内の数字は、高屈折率層、及び低屈折率層の各層の層厚を表す。
・高屈折率層(窒化ケイ素:SiNx)
窒素ガス :10.0sccm
アルゴンガス:10.0sccm
スパッタリングパワー:2.0kw
・低屈折率層(窒化ケイ素:SiO2)
窒素ガス :10.0sccm
アルゴンガス:10.0sccm
スパッタリングパワー:1.5kw
次に、上記と同様にして、無機多層膜上にレジストをパターニングした。その後、ドライエッチャーのチャンバー内にセットし、真空度を10−4Torrとし、以下の条件でプラズマを発生させてドライエッチングを行った。
・導入ガス
CF4(四フッ化メタン):100sccm
O2(酸素) :20.0sccm
・RFパワー :1.0kw
エッチング後、石英ガラス板をチャンバー内から取り出し、上記と同様に、有機剥離液でレジストを剥離して、透光部、SiNxとSiO2とが積層された無機多層膜からなる半透光部,及びシリコン膜からなる遮光部を備えた3階調の多階調フォトマスクを得た。
・導入ガス
CF4(四フッ化メタン):100sccm
O2(酸素) :20.0sccm
・RFパワー :1.0kw
エッチング後、石英ガラス板をチャンバー内から取り出し、上記と同様に、有機剥離液でレジストを剥離して、透光部、SiNxとSiO2とが積層された無機多層膜からなる半透光部,及びシリコン膜からなる遮光部を備えた3階調の多階調フォトマスクを得た。
〔実施例2〜6〕
実施例1における無機多層膜の構成を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして3階調の多階調フォトマスクを得た。
実施例1における無機多層膜の構成を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして3階調の多階調フォトマスクを得た。
〔比較例1〕
実施例1において、クロムをターゲットとし、半透光部をクロム酸化物からなる膜で形成した以外は、実施例1と同様にして3階調の多階調フォトマスクを得た。
クロム酸化物からなる膜の形成条件は以下の通りとした。
・導入ガス
アルゴン :10.0sccm
酸素 :10.0sccm
・スパッタリングパワー: 2.0kw
実施例1において、クロムをターゲットとし、半透光部をクロム酸化物からなる膜で形成した以外は、実施例1と同様にして3階調の多階調フォトマスクを得た。
クロム酸化物からなる膜の形成条件は以下の通りとした。
・導入ガス
アルゴン :10.0sccm
酸素 :10.0sccm
・スパッタリングパワー: 2.0kw
(多階調露光マスクの半透光部の透過率)
図5から図10は、それぞれ実施例1から実施例6までに係る多階調フォトマスクの半透光部の分光透過率曲線である。また、高圧水銀ランプの365nm(g線)における実施例1〜6に係る無機多層膜の透過率は、表1に示す通りである。
このように、無機多層膜を通常のスパッタリング装置を用いて成膜して透過率を制御することで、目的の透過率を有する半透光部が備わった多階調露光マスクを容易に形成できることが分かった。
また、実施例1から実施例6までに係る多階調フォトマスクの、各々の半透光部における無機多層膜の厚みのばらつきは、0.5nm程度であり、透過率のばらつきは、0.5%程度であった。
そのため、図3に示すような高圧水銀ランプを用いて被転写体上にマスクパターンを転写する際に、中間露光部分を精度良く所望の層厚で形成することができる。
一方、半透光部をクロム酸化物で構成した比較例1の場合は、層厚制御が難しく、ばらつきが発生し易かった。層厚のばらつきは、0.5nm程度であり、透過率のばらつきは、5%程度であった。このように比較例1の半透光部の透過率ばらつきは、実施例1〜6と比べて大きい。そのため、比較例1の構成で実施例1〜6と同等の透過率ばらつき範囲の多階調フォトマスクを製造しようとすると、歩留まりが低くなった。
図5から図10は、それぞれ実施例1から実施例6までに係る多階調フォトマスクの半透光部の分光透過率曲線である。また、高圧水銀ランプの365nm(g線)における実施例1〜6に係る無機多層膜の透過率は、表1に示す通りである。
このように、無機多層膜を通常のスパッタリング装置を用いて成膜して透過率を制御することで、目的の透過率を有する半透光部が備わった多階調露光マスクを容易に形成できることが分かった。
また、実施例1から実施例6までに係る多階調フォトマスクの、各々の半透光部における無機多層膜の厚みのばらつきは、0.5nm程度であり、透過率のばらつきは、0.5%程度であった。
そのため、図3に示すような高圧水銀ランプを用いて被転写体上にマスクパターンを転写する際に、中間露光部分を精度良く所望の層厚で形成することができる。
一方、半透光部をクロム酸化物で構成した比較例1の場合は、層厚制御が難しく、ばらつきが発生し易かった。層厚のばらつきは、0.5nm程度であり、透過率のばらつきは、5%程度であった。このように比較例1の半透光部の透過率ばらつきは、実施例1〜6と比べて大きい。そのため、比較例1の構成で実施例1〜6と同等の透過率ばらつき範囲の多階調フォトマスクを製造しようとすると、歩留まりが低くなった。
1,2…多階調露光マスク、30…半透光部、31…無機多層膜、31A,31C,31E,31G…高屈折率層、31B,31D,31F…低屈折率層、40…遮光部
Claims (5)
- 透明基板上に、遮光部、および露光光透過率を所定量低減させる半透光部からなるマスクパターンを有する多階調露光マスクであって、
前記半透光部が、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されてなる無機多層膜である
ことを特徴とする多階調露光マスク。 - 請求項1に記載の多階調露光マスクにおいて、
前記無機多層膜の最表面層が高屈折率層である
ことを特徴とする多階調露光マスク。 - 請求項1または請求項2に記載の多階調露光マスクにおいて、
前記高屈折率層が窒化ケイ素からなる
ことを特徴とする多階調露光マスク。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の多階調露光マスクにおいて、
前記低屈折率層が酸化ケイ素からなる
ことを特徴とする多階調露光マスク。 - 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の多階調露光マスクにおいて、
前記遮光部のパターンが、ケイ素により形成されている
ことを特徴とする多階調露光マスク。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018020913A1 (ja) * | 2016-07-25 | 2018-02-01 | Hoya株式会社 | マスクブランク、転写用マスク、転写用マスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法 |
CN110320740A (zh) * | 2019-07-22 | 2019-10-11 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 掩模版 |
-
2010
- 2010-01-22 JP JP2010012404A patent/JP2011150202A/ja active Pending
Cited By (4)
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WO2018020913A1 (ja) * | 2016-07-25 | 2018-02-01 | Hoya株式会社 | マスクブランク、転写用マスク、転写用マスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法 |
JP2018022138A (ja) * | 2016-07-25 | 2018-02-08 | Hoya株式会社 | マスクブランク、転写用マスク、転写用マスクの製造方法及び半導体デバイスの製造方法 |
US10712655B2 (en) | 2016-07-25 | 2020-07-14 | Hoya Corporation | Mask blank, transfer mask, method for manufacturing transfer mask, and method for manufacturing semiconductor device |
CN110320740A (zh) * | 2019-07-22 | 2019-10-11 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 掩模版 |
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