JP2007212738A - フォトマスクブランクス及びその製造方法、並びに該フォトマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造方法 - Google Patents

フォトマスクブランクス及びその製造方法、並びに該フォトマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
最小線幅100nm以下のバイナリークロムマスクブランクス及びハーフトーン型位相シフトマスクブランクス及びその製造方法、並びに該マスクブランクスを用いたマスクの製造方法を提供する。
【解決手段】
193nm又は157nmの露光波長を使用して最小線幅100nm以下の高精度な均一性を要求される半導体集積回路のリソグラフィ工程に用いることのできるクロムマスクブランクスにおいて、透明基板と、透明基板上に、露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすように膜厚に形成した酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バイナリークロムマスクブランクス及びハーフトーン型位相シフトマスクブランクスを含むフォトマスクブランクス及びその製造方法、並びに該フォトマスクブランクスを用いたフォトマスクの製造方法に関するものである。
半導体用レチクル及びマスクを作製するための材料としてバイナリークロムマスクブランクス及びハーフトーン型位相シフトマスクブランクスがあることは知られている(特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)。
今日、最先端の半導体リソグラフィにおいては最小線幅が100nm以下を解像することが要求されている。これを実現するために例えば193nmの露光波長に対して、既に248nm露光波長時代に用いられたものより薄い膜厚を持つバイナリークロムマスクが使用されている(特許文献1参照)。
また、例えば193nmで約6%の透過率を持つハーフトーン型位相シフトマスクも使用されている(特許文献2及び特許文献3参照)。
時代の進展により更に微細な線幅を要求され、マスク面内のCD(Critical Dimension)均一性の要求仕様が年々高度化している。従来のハーフトーン型位相シフトマスクは、下層のハーフトーン層の上にバイナリークロムマスクに用いられるのと同じ2層構造を持つ低反射タイプクロム膜(LR−Cr)を積層した構造で作られる。ハーフトーン層のパターンは、上層の低反射タイプクロム膜(LR−Cr)を従来用いられてきたEB(電子ビーム)描画又はレーザービーム描画で形成されたレジスト像をマスクにして最初にエッチングした後、そのパターンをマスクとして下層のハーフトーン層をドライエッチング加工することで形成される。このためハーフトーン層のパターンは、上層クロムマスクの線幅分布に支配的に依存することになるので、クロムマスクの線幅分布をコントロールすることが重要となる。
従来、バイナリークロムマスクに100nm以下の微細なパターンを形成するにはドライエッチング法が一般的だが、クロム層はローディング効果のために基板周辺から中央部に向かってエッチングされるという特徴がある。このバラツキを補正する機能を持たないドライエッチング装置又はプロセス条件では、エッチングのマスクになるレジスト像が同一マスク基板内で均一な寸法に仕上がっていたとしても、ドライエッチング後は中央部でクロム線幅が太くなる傾向がある。
また、レジスト膜厚は解像度を小さくするためにより薄くして使用する傾向にあるが、一方Cr層に対するドライエッチング選択比は現在の技術ではせいぜい0.7〜1程度である。その為に薄いレジストマスクが耐える間にCrマスクのドライエッチングを終了させる必要があり、一つの方法として低反射2層構造は変えずにバイナリークロム膜の薄膜化が提案されてきた。しかし、バイナリークロム膜を薄膜化したことにより線幅分布は改善傾向にあるが、それでも基板中央部でのクロム線幅が太る傾向にある。
そこで、この様なばらつきを抑えるために、バイナリークロム膜のクロムにあたるレジスト(感光剤)に露光する際に、EB(電子ビーム)露光やレーザー露光ではできあがり寸法を加味して露光時に周辺部と中央部で線幅に補正をかけている。この補正の方法は例えば、周辺部のクロムパターンを設計値よりも太くし、中央部はクロムパターンを設計値よりも細くすることにある。しかし、近年の微細化により物理的にこのような補正が困難になりつつある。
特開2002−303966 特開2005−84682 特開2002−351049
本発明は、バイナリークロムマスク及びハーフトーン型位相シフトマスクの両方に利用できるクロムマスクを含むフォトマスクブランクス及びその製造方法を対象とするものであり、より一層のクロムマスク寸法の均一化を図り、上記のようなバイナリークロム膜、及びハーフトーン型位相シフトマスク上のクロム膜の両方に対して、周辺部分から中央部に向かってエッチングが進む現象を低減又は解決するものである。
すなわち、本発明は、光学濃度を露光波長(193nmはもとより将来の157nm)に対して適切な値に調整するようバイナリークロム膜の組成を調整することにより従来のバイナリークロムブランクスよりも加工性を向上でき、それによりLSIの微細化、高密度化に貢献できるフォトマスクブランクス及びその製造方法を提供することを目的としている。
また本発明は、ハーフトーン型位相シフトマスクブランクス(MoSi系、ZrSi系、TaSi系、HfSi系)において、ハーフトーン膜上のバイナリークロムをドライエッチングした際に、周辺部からエッチングされる現象を改善又は低減するために、低反射型バイナリークロム膜を構成する遮光メタル層と低反射クロム層とを分けて考え、周辺部からエッチングされる寄与はメタル層の方がより大きいので、メタル層を取り除き、低反射層のみを用いることを提供することを目的としている。ここで用語“低反射層”とは、酸化クロム層、又は窒化クロム層、又は酸窒化クロム層を意味する。
クロムの一般的な塩素ガスを用いるドライエッチングでは、必ず酸素を10%程度以上混合させておかないとエッチングは効率よく進まない。これは室温付近で気化するドライエッチング時の反応生成物が塩化クロミル(CrOCl)であり、酸素が必要であることに起因している。メタルクロム層は酸素と塩素の両方が結合して初めてエッチングが進むが、一方低反射層の酸化クロム層、又は酸窒化クロム層は最初に酸素を持っていて塩素との反応が進めばエッチングできる状態にある。この差によってエッチングが基板周辺から進む現象を低減できると推察している。
従来のバイナリークロム膜は、ブルーフィルター(中心波長450nm)に対し光学濃度を3程度とする仕様であり、これが最小線幅数μの時代から130nmの時代まで主に使用され続けてきた。
本発明では、最小線幅100nm以下のバイナリークロムマスクブランクス、及びハーフトーン型位相シフトマスクブランクスを対象として、露光波長が193nm又は157nmであるので、これらの露光波長領域で光学濃度は3程度で良く、要求される微細線幅を同一マスク基板上に実現できるようにするものである。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の発明によれば、193nm又は157nmの露光波長を使用して最小線幅100nm以下の高精度な均一性を要求される半導体集積回路のリソグラフィ工程に用いることのできるバイナリークロムマスクブランクスにおいて、透明基板と、透明基板上に、露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすように膜厚に形成した酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜とを有することを特徴としている。
成膜にスパッタ成膜装置を使用した場合に成膜条件に応じて単層膜の膜厚は15nm〜70nmの範囲にされ得る。
この場合、単層膜の膜厚の調整により、光学濃度を所望の値にすることができ、またスパッタ成膜時の反応ガスを調整することにより単層膜の組成を変更して、光学濃度を得ることもできる。
本発明の第1の発明によるマスクブランクスにおいては、さらに、透明基板と単層膜との間に3〜10nmの膜厚をもつチャージアップ防止用の金属クロム膜が設けられ得る。
また、本発明の第2の発明によるマスクブランクスは、透明基板と、透明基板上に形成したハーフトーン位相シフト膜と、ハーフトーン位相シフト膜の上に193nm又は157nmの露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすように膜厚に形成して、ドライエッチング工程のマスク層として機能する酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜とを有することを特徴としている。
ハーフトーン位相シフト膜は、MoSi系、ZrSi系、TaSi系、HfSi系のいずれかの材料からなり得る。
本発明の第2の発明によるマスクブランクスにおいては、さらに、ハーフトーン位相シフト膜と単層膜との間に3〜10nmの膜厚をもつチャージアップ防止用の金属クロム膜が設けられ得る。
さらに、本発明の第3の発明によるマスクブランクスの製造方法は、透明基板上に、酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜を193nm又は157nmの露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすような膜厚に形成することを特徴としている。
さらに、本発明の第4の発明によるマスクブランクスの製造方法は、透明基板上に、ハーフトーン膜を形成し、そして該ハーフトーン膜上に、酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜を193nm又は157nmの露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすような膜厚に形成することを特徴としている。
本発明の第3、第4の発明によるマスクブランクスの製造方法において、透明基板上における単層膜の形成は、ArガスにNガスまたはOガスまたはCOガスまたはCOガスの1種類以上を混合させたプロセス雰囲気中で、クロムターゲットをスパッタすることにより各反応ガスと反応させつつ酸化クロム層、窒化クロム層または酸窒化クロム層を成膜することにより実施され得る。
本発明の第3、第4の発明によるマスクブランクスの製造方法においては、膜厚の調整で光学濃度を所望の値にすることができ、また、スパッタ成膜時の反応ガスを調整することにより酸化クロム膜、窒化クロム膜または酸窒化クロム膜の組成を変更して、光学濃度を得ることもできる。
また、単層構造とすることにより、従来の複数層の膜構造に比較してスパッタ成膜工程を簡略化することができる。
さらに、本発明の第5の発明によれば、本発明の第1、第2の発明によるマスクブランクスを用いてフォトマスクを製造する方法が提供され、該方法は、マスクブランクス上にEBレジストをスピン塗布してプリベークを施した後、所望のパターンをEB描画で露光し現像液を使用してレジスト像を形成し、そして単層膜をドライエッチングしてレジストに保護されていない部分をエッチングして除去し、レジスト剥離と洗浄を行って所望のパターンを形成することを特徴としている。
工程は、以上の方法で製作したCrパターンを得る。
本発明の第1、第2の発明によるマスクブランクスにおいては、193nm又は157nmの露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすように膜厚に形成した酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜を有する構成としたことにより、既存の成膜装置を用いて簡便に、露光波長193nm又は157nmを使用して最小線幅100nm以下の高精度な均一性を要求される半導体集積回路のリソグラフィ工程に用いることのできるバイナリークロムマスクブランクス及びハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクスを提供することができる。
また、一般的には上記の15nm〜50nmの厚さの範囲で約1kΩ/sq.のシート抵抗を有するためマスク作成時のEB露光時のチャージアップによる描画不良は生じないが、マスク基板のアースの取り方はEB露光機メーカーで様々であるため場合によってはチャージアップ問題の心配が残る。そのため、本発明の第1、第2の発明によるマスクブランクスにおいて、3〜10nmの膜厚をもつチャージアップ防止用の金属クロム膜を設けた場合には、Crマスクとなる膜により大きい電気伝導性を持たせることができ、EB露光時のチャージアップを回避することができる。この場合、3nmより薄いとEB露光時のチャージアップを回避するだけの導通が取れず、一方10nmを越えて厚くするとこの層の光学濃度が大きくなり使用露光波長で1.8〜3.0という適切な光学濃度を得ることが難しくなるので、チャージアップ防止用の金属クロム膜の膜厚は3〜10nmの範囲にすべきである。
さらに、本発明の第1、第2の発明によるマスクブランクスでは、波長450nmで光学濃度3を得るように形成されていた従来型のバイナリーマスク用低反射Cr膜に比較して、ドライエッチング時間を短くし、レジスト(感光剤)との選択比を向上させることができ、またドライエッチング時間を短くしたことにより面内パターンCD均一性を向上させることができるようになる。
さらにまた、本発明によるマスクブランクスを用いてマスクを作成する際に、パターン品質面では、従来の低反射Crバイナリーマスクブランクスに比較して、化合物Cr膜のドライエッチレートが大きい上に膜厚も薄いので、トータルエッチング時間は大幅に短縮できる。このことはドライエッチングのマスクになるレジストとの選択比が大きくなることと併せて、結果的にエッチング終了後のレジスト残り厚さに余裕が生まれるという利点がある。その結果、バイナリーマスクの場合、100nm以下の微細線幅を解像するためにはレジストはなるべく薄くすることが有利である。また、ハーフトーン型位相シフトマスクの場合、その製作工程では、ハーフトーン用膜(例えばMoSi酸窒化膜)のドライエッチングが終了するまでマスクとなるCr膜上のレジストは残したいという要望があるが、エッチング時間が短い分レジスト残膜は厚くなる。これは、レジストがCr層を覆っていない場合、Cr表面がプラズマに晒されてイオンの衝撃を受けスパッタ現象により飛散したCrが被エッチング面に乗るとCrがマイクロマスクとなって局部的にエッチングが進まず、竹の子状の欠陥ができるという問題を解決することができる。また、パターン断面形状に関して、従来の低反射Crバイナリーマスクブランクスで存在したメタルクロム層と酸窒化クロム層との界面がなくなり、ドライエッチングした際に金属クロム層と酸窒化クロム層のエッチングレートの違いによるサイドエッチングや界面に発生するノッチも発生しない上に、ドライエッチング時のマスク外周部のエッチレートが大きいことに起因するローディング効果が小さくなり、面内CD均一性が良好になる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態によるバイナリーCrマスクブランクスの構成を示し、図示バイナリーCrマスクブランクスは例えば石英ガラスから成る透明ガラス基板1の表面上に直接に形成した単層膜のクロム化合物膜2を有し、クロム化合物膜2上にレジストを塗布し、プリベークを行うことによりレジスト膜3が形成されている。クロム化合物膜2は、193nm又は157nmの露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすように膜厚に形成した酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜から成っている。また単層膜2の膜厚は15nm〜70nmの範囲に設定され得る。
図2には、本発明の別の実施形態によるハーフトーン型位相シフトマスクブランクスの構成を示し、図示ハーフトーン型位相シフトマスクブランクスは例えば石英ガラスから成る透明ガラス基板10の表面上にハーフトーン膜11が形成され、その上に単層膜のクロム化合物膜12が形成され、クロム化合物膜12上にレジストを塗布し、プリベークを行うことによりレジスト膜13が形成されている。この場合も同様に、クロム化合物膜12は、193nm又は157nmの露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすように膜厚に形成した酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜から成っている。また単層膜12の膜厚は15nm〜70nmの範囲に設定され得る。ハーフトーン膜11は、MoSi系、ZrSi系、TaSi系、HfSi系のいずれかの材料から成っている。
図3には、図1に示す実施形態によるマスクブランクスの変形例の構成を示し、図示マスクブランクスは、透明ガラス基板1と、クロム化合物膜2と、レジスト膜3とを備えている。この場合には、透明ガラス基板1とクロム化合物膜2との間に、3〜10nmの膜厚をもつチャージアップ防止用の金属クロム膜4が設けられている。
図4には、図2に示す別の実施形態によるハーフトーン型位相シフトマスクブランクスの変形例の構成を示し、図示ハーフトーン型位相シフトマスクブランクスは、透明ガラス基板10と、ハーフトーン膜11と、クロム化合物膜12と、レジスト膜13とを備えている。この場合には、ハーフトーン膜11とクロム化合物膜12との間に、3〜10nmの膜厚をもつチャージアップ防止用の金属クロム膜14が設けられている。
図5には、図1〜図4に示すマスクブランクスにおけるクロム化合物膜2、12の成膜に使用できるスパッタリング装置の一例を示している。図5において、20は成膜チャンバーであり、その中に基板21とターゲット22が対向して配置されている。ターゲット22はDC電源23に接続され、成膜チャンバー20は接地されている。また、成膜チャンバー20は圧力調整バルブ24を介して真空ポンプ25に接続され、内部を所望の真空レベルに排気できるように構成されている。また、成膜チャンバー20にはバルブ26を介してガス供給系27が接続され、不活性ガス及び反応性ガスを供給するようにされている。なお、図示していないがターゲットを装着するカソード電極の裏面にはマグネトロン磁石が設けられる。
図6は、本発明に従って製造されたマスクブランクスを用いてマスクを製作する際に使用できるドライエッチング装置の一例を示す概略構成図である。図6において、30真空チャンバーであり、プラズマ生成部30aと処理部30bとを備えている。真空チャンバー30は圧力調整バルブ31及びターボ分子ポンプ32を備えた排気系に接続され、内部を所望の圧力にできる。真空チャンバー30のプラズマ生成部30aの側壁の外周には、プラズマ生成部30a内に環状の磁気中性線33を発生させる電磁石34、35、36が配置され、隣接した電磁石には互いに逆向きに励磁電流を供給するようにされている。また、これら電磁石34、35、36と真空チャンバー30のプラズマ生成部30aの側壁との間には、プラズマ生成部30aの内部に発生した環状の磁気中性線33に沿って電場を発生させるプラズマ生成用コイルアンテナ37が配置され、このアンテナ37は高周波電源38に接続されている。真空チャンバー30のプラズマ生成部30aの頂壁にはプロセスガス導入口39が設けられ、それにより環状の磁気中性線33に沿ってプラズマを発生するようにされている。また、真空チャンバー30のプラズマ処理部30b内にはエッチング処理する基板40を装着する基板電極41が絶縁体42を介して配置され、この基板電極41は高周波電源43に接続されている。
バイナリーCrマスクブランクスとして石英基板上に単層クロム化合物膜を形成する例
例えば図5に示すようなバッチ式又はインライン式マグネトロンスパッタ装置を用い、石英ガラス基板上にガス供給系27からArガスに加えてNガスまたはOガスまたはCOガスまたはCOガスの1種類以上を1〜30sccm混合させ、成膜チャンバー20内のプロセス圧力を0.13〜133Paとし、DC電源23からDC電力0.5KW〜3.0KWを導入してクロムターゲットをスパッタし、各反応ガスと反応させつつ酸化クロム層、窒化クロム層または酸窒化クロム層を、露光波長での総合的な光学濃度が1.8〜3.0の範囲を満たす膜厚だけ単層で成膜した。その結果、1例として表1に示す結果を得た。
Figure 2007212738
実施例1で得られたバイナリーCrマスクブランクスを用いてマスクを製作する実施例について説明する。
パターンを形成する工程は、以上の方法で製作したマスクブランクス上にEBレジスト(例えば日本ゼオン製ZEP−7000)を400nm厚さにスピン塗布し、180°Cで15分間のプリベークを施した後、所望のパターンをEB描画で露光し、EBレジストZEP−7000用の現像液を使用してレジスト像を形成した。この後、図6に示すドライエッチング装置を用いてCr膜をドライエッチングしてレジストに保護されていない部分をエッチングして除去し、レジスト剥離と洗浄を行って所望のCrパターンを得た。この場合、100nm以下のCr像はもっぱらドライエッチングを使用するが、その工程は例えば図6に示すマスク用ドライエッチング装置を使用し、プロセスガスとしてClにOを5〜30%添加し、プロセス圧力を0.2〜1.3Paとし、プラズマ生成用コイルアンテナ37に、高周波電源38(周波数13.56MHzまたは27MHz)を用いて0.5〜2.0KWを印加し、基板電極41にバイアス用高周波電源43(周波数13.56MHzまたは27MHz)を用いて0〜100Wを印加し、石英基板上の本発明のクロム膜をエッチングした。その結果、1例として表2に示す結果を得た。
Figure 2007212738
ハーフトーン型位相シフトマスクブランクスとして、石英基板上に形成されたハーフトーン膜の上にクロム化合物膜を積層する例
実施例1の場合と同様に例えば図5に示すバッチ式又はインライン式マグネトロンスパッタ装置を用い、ハーフトーン膜(MoSi系、ZrSi系、TaSi系、HfSi系)を成膜した石英ガラス基板上に、ガス供給系27からArガスに加えてNガスまたはOガスまたはCOガスまたはCOガスの1種類以上を1〜30sccm混合させ、成膜チャンバー20内のプロセス圧力を0.13〜133Paとし、DC電源23からDC電力0.5KW〜3.0KWを導入してクロムターゲットをスパッタし、各反応ガスと反応させつつ酸化クロム層、窒化クロム層または酸窒化クロム層をMoSiハーフトーン膜上に、露光波長での総合的な光学濃度が1.8〜3.0の範囲を満たす膜厚だけ成膜した。その結果、1例として表3に示す結果を得た。
Figure 2007212738
実施例3で得られたハーフトーン型位相シフトマスクブランクスを用いてマスクを製作する実施例について説明する。
パターンを形成する工程は、以上の方法で製作したマスクブランクス上にEBレジスト(例えば日本ゼオン製 ZEP−7000)を400nm厚さにスピン塗布し、180°Cで15分間プリベークを施した後、所望のパターンをEB描画で露光し、EBレジストZEP−7000用の現像液を使用してレジスト像を形成した。この後、図6に示すドライエッチング装置を用いてCr膜をドライエッチング(ドライエッチングプロセスは上記実施例2と同様)してレジストに保護されていない部分をエッチングして除去し、レジスト剥離と洗浄を行って所望のCrマスクを得た。この後、ドライエッチングのプロセスガスとしてCFにOを1〜10%混合し、プロセス圧力を0.2〜1.3Paとし、プラズマ生成用コイルアンテナ37に高周波電源38から0.3〜1.5KWを印加し、基板電極41に高周波電源43(周波数13.56MHzまたは27MHz)から50〜400Wを印加し、この条件でMoSiハーフトーン層をドライエッチングし、所望の位相シフトマスクを完成させた。その結果、1例として表4に示す結果を得た。
Figure 2007212738
本発明の一実施形態によるバイナリーCrマスクブランクスの構成を示す概略断面図。 本発明の別の実施形態によるハーフトーン型位相シフトマスクブランクスの構成を示す概略断面図。 図1に示す実施形態によるマスクブランクスの変形例の構成を示す概略断面図。 図2に示す別の実施形態によるハーフトーン型位相シフトマスクブランクスの変形例の構成を示す概略断面図。 本発明のマスクブランクスの製造に使用できるスパッタリング装置の一例を示す概略線図。 本発明のマスクブランクスを用いてマスクを製造するに使用できるドライエッチング装置の一例を示す概略線図。
符号の説明
1:透明ガラス基板
2:単層膜のクロム化合物膜
3:レジスト膜
4:チャージアップ防止用の金属クロム膜
10:透明ガラス基板
11:ハーフトーン膜
12:クロム化合物膜
13:レジスト膜
14:チャージアップ防止用の金属クロム膜

Claims (10)

  1. 193nm又は157nmの露光波長を使用して最小線幅100nm以下の高精度な均一性を要求される半導体集積回路のリソグラフィ工程に用いることのできるバイナリークロムマスクブランクスにおいて、透明基板と、上記透明基板上に、上記露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすように膜厚に形成した酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜とを有することを特徴とするマスクブランクス。
  2. さらに、透明基板と単層膜との間に3〜10nmの膜厚をもつチャージアップ防止用の金属クロム膜を有する請求項1に記載のマスクブランクス。
  3. 透明基板と、上記透明基板上に形成したハーフトーン位相シフト膜と、上記ハーフトーン位相シフト膜の上に193nm又は157nmの露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすような膜厚に形成して、ドライエッチング工程のマスク層として機能する酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜を有することを特徴とするマスクブランクス。
  4. ハーフトーン位相シフト膜が、MoSi系、ZrSi系、TaSi系、HfSi系のいずれかの材料からなる請求項3に記載のマスクブランクス。
  5. さらに、ハーフトーン位相シフト膜と単層膜との間に3〜10nmの膜厚をもつチャージアップ防止用の金属クロム膜を有する請求項3に記載のマスクブランクス。
  6. 透明基板上に、酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜を193nm又は157nmの露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすような膜厚に形成することを特徴とするマスクブランクスの製造方法。
  7. 透明基板上における単層膜の形成が、ArガスにNガスまたはOガスまたはCOガスまたはCOガスの1種類以上を混合させたプロセス雰囲気中で、クロムターゲットをスパッタすることにより各反応ガスと反応させつつ酸化クロム層、窒化クロム層または酸窒化クロム層を成膜することにより実施されることを特徴とする請求項6に記載のマスクブランクスの製造方法。
  8. 透明基板上に、ハーフトーン膜を形成し、そして該ハーフトーン膜上に、酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜又はこれらの膜を組み合わせた単層膜を193nm又は157nmの露光波長で光学濃度が1.8〜3.0を満たすような膜厚に形成することを特徴とするマスクブランクスの製造方法。
  9. 透明基板上における単層膜の形成が、ArガスにNガスまたはOガスまたはCOガスまたはCOガスの1種類以上を混合させたプロセス雰囲気中で、クロムターゲットをスパッタすることにより各反応ガスと反応させつつ酸化クロム層、窒化クロム層または酸窒化クロム層を成膜することにより実施されることを特徴とする請求項8に記載のマスクブランクスの製造方法。
  10. 請求項1〜請求項6に記載のマスクブランクスを用いてフォトマスクを製造する方法であって、マスクブランクス上にEBレジストをスピン塗布してプリベークを施した後、所望のパターンをEB描画で露光し現像液を使用してレジスト像を形成し、そして単層膜をドライエッチングしてレジストに保護されていない部分をエッチングして除去し、レジスト剥離と洗浄を行って所望のパターンを形成することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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