JP2011149575A - 消音ダクト - Google Patents
消音ダクト Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011149575A JP2011149575A JP2010009135A JP2010009135A JP2011149575A JP 2011149575 A JP2011149575 A JP 2011149575A JP 2010009135 A JP2010009135 A JP 2010009135A JP 2010009135 A JP2010009135 A JP 2010009135A JP 2011149575 A JP2011149575 A JP 2011149575A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- synthetic resin
- wall
- heat insulating
- insulating layer
- strip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Duct Arrangements (AREA)
Abstract
【課題】 住宅の天井裏等に配管された室内の換気に使用する消音ダクトであって、送風源から発生する騒音やダクト内を流通する風の音を効果的に吸収することができると共に優れた断熱性を有する消音ダクトを提供する。
【解決手段】 無数の細かい通気孔2を設けている不織布からなる内壁1の外周面に補強条体3を螺旋状に巻着していると共に、隣接する補強条体3、3間上に独立発泡合成樹脂製帯状材4'を一定のピッチでもって螺旋状に巻装して管軸方向に連続した優れた断熱作用を奏する管状の断熱層4を形成してあり、さらに、この断熱層4の内周面に発泡合成樹脂からなる支持脚片7を螺旋状に固着してこの支持脚片7の突出内面を上記内壁1に当接、受止させ、ダクトを屈曲させた際においても内壁1と断熱層4との間に所定広さの空間部6を保持して音を効果的に吸収させるように構成している。
【選択図】 図1
【解決手段】 無数の細かい通気孔2を設けている不織布からなる内壁1の外周面に補強条体3を螺旋状に巻着していると共に、隣接する補強条体3、3間上に独立発泡合成樹脂製帯状材4'を一定のピッチでもって螺旋状に巻装して管軸方向に連続した優れた断熱作用を奏する管状の断熱層4を形成してあり、さらに、この断熱層4の内周面に発泡合成樹脂からなる支持脚片7を螺旋状に固着してこの支持脚片7の突出内面を上記内壁1に当接、受止させ、ダクトを屈曲させた際においても内壁1と断熱層4との間に所定広さの空間部6を保持して音を効果的に吸収させるように構成している。
【選択図】 図1
Description
本発明は住宅の天井裏等に配管されて室内の換気や室内への冷暖房用の通風等を行う消音ダクトの改良に関するものである。
近年、居住環境を良好にするために気密性を有する住宅が一般的に建築されるようになり、それに伴って気密な室内を安定して換気や冷暖房を行うことが要求されている。このような要求を満たすために、住宅の天井裏や壁等を利用してダクトを配設し、該ダクトを通じて送風機等の送風源からの外部空気を室内に供給したり、或いは、上下階層間を循環させたりする給気システムが採用されているが、送風機等の工藤によって発生する騒音やダクト内を流通する際の風の音がダクトを通じて室内に伝搬し、不快感を与えることになる。
このため、例えば、特許文献1に記載されているように、不織布等の通気性を有するシート状物からなる管状の内壁と、この内壁の外周面に一定のピッチでもって螺旋状に巻着してなる硬質合成樹脂製の補強条体と、隣接する補強条体間に介在させている一定厚みを有する帯状の発泡合成樹脂材からなり、且つ、この発泡合成樹脂樹脂材に長さ方向及び周方向に小間隔毎に吸音穴を設けてなる断熱層と、この断熱層を被覆している非通気性軟質合成樹脂シートよりなる外壁とから構成された消音ダクトが知られている。
この消音ダクトによれば、不織布等からなる内壁に設けている細かい通気孔を通じて音波が断熱層に設けている吸音穴内に入る際に、その音のエネルギーを減衰させると共に吸音穴を塞いでいる内壁部分が振動して吸音作用を奏し、さらに、細かい通気孔から吸音穴内の空間部に音波が入った際に、該音波が急激に拡散すると共にこの吸音穴の周壁で乱反射しながら吸音穴内の空気を振動させることによって消音作用を発揮することができる。
しかしながら、上記のような消音ダクトによれば、断熱層に設けている吸音穴による吸音作用を向上させるためには、該吸音穴を大きくすることが望ましいが、大きくすると断熱層の容積がそれだけ少なくなって断熱効果が低下すると共に、断熱層が管の長さ方向に連続することなく補強条体によって分断された構造となっているので、断熱効果が損なわれるといった問題点がある。さらに、この消音ダクトを湾曲させた際に、凸円弧状に湾曲する外側周面においては引張力が発生し、凹円弧状に湾曲する内側周面においては圧縮力が発生するが、この圧縮力によって隣接する補強条体間の間隔が狭まり、この間隔部分に介在している上記吸音層が圧縮して吸音穴が縮小し、さらには閉塞して消音効果が低下するといった問題点が生じる。
また、消音ダクトは、使用前においては長尺物を階層状に巻き重ねた状態で梱包されているため巻き癖がついており、施工時には上記のように吸音穴が縮小、或いは閉塞した形態が残存して直線配管を行っても消音性能が低下するといった問題点があった。
一方、消音効果を向上させるためには、例えは、図5に示すように、不織布等の通気性を有する内壁11の外周面に螺旋巻きしている補強条体12、12間に吸音層を介在させることなくこの補強条体12を介して内周壁11上に一定厚みと一定幅を有する帯状の発泡合成樹脂材を互いにその対向側端面を接合させながら螺旋巻きすることによって管状の断熱層13を形成すれば、この断熱層13と上記内壁11との対向面間に広い空間(空気層)14を形成することができてこの空間14により上記吸音穴に比べて効果的に消音することができるが、この消音ダクトにおいても、上記消音ダクトと同様に、ダクトを屈曲させると、図6に示すように、凹円弧状に湾曲する内側周面においては、その内側周面に発生する長さ方向の圧縮力によって隣接する補強条体12、12間上の断熱層部分が補強条体12、12を支点として撓み変形して内側に撓むと上記空間14が大きく狭められ、曲線施工を行った場合には消音作用が低下すると共に、使用前においては上述したように、この消音ダクトを階層状に巻き重ねた状態で梱包しているために巻き癖がついており、上記空間14が狭められた状態で施工されて消音作用が著しく損なわれるといった問題点が生じる。
上記隣接する補強条体12、12間上の断熱層部分の撓み変形を防止するには、補強条体12のピッチを狭くすればよいが、硬質合成樹脂よりなる補強条体12は発泡合成樹脂よりも断熱効果が劣ると共に、この補強条体12の存在によって消音作用も損なわれるといった問題点が生じることになる。また、凸円弧状に湾曲する外側周面においては、断熱層13を形成している互いに接合した発泡合成樹脂材の接合面間が、ダクトの外側周面に発生する長さ方向の引張力によって離間して隙間が発生し、断熱機能が低下するとった問題点が生じることになる。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、屈曲させた場合においても断熱機能を低下させることなく、且つ、良好な消音作用を奏することができる消音ダクトを提供するにある。
上記目的を達成するために本発明の消音ダクトは、請求項1に記載したように、通気性と可撓性を有するシート状物からなる管状の内壁と、この内壁の外周面に一定のピッチでもって全長に亘って螺旋状に巻着している硬質合成樹脂製の補強条体と、一定幅と厚みを有する独立発泡合成樹脂製帯状材を、対向する側端面同士を接合させ且つその接合部を一体に固着させながら上記内壁上に上記補強条体を介して螺旋巻きしてなる管状の断熱層と、この断熱層の外周面を被覆している軟質合成樹脂製の外壁とからなり、隣接する補強条体間における独立発泡合成樹脂製帯状材と内壁との対向面間で断面横長長方形状の空間部を形成していると共に、独立発泡合成樹脂製帯状材の内面に上記空間部の厚みに略等しい高さを有する発泡合成樹脂からなる支持脚片の外面を一定の螺旋ピッチでもって固着して内壁と対向するこの支持脚片の頂面を隣接する補強条体間の中間部における内壁の外周面に当接、受止させた構造としている。
このように構成した消音ダクトにおいて、請求項2に係る発明は、断熱層の外周面を被覆している上記外壁は一定幅を有する軟質合成樹脂製帯状材からなり、この軟質合成樹脂製帯状材を断熱層を形成している独立発泡合成樹脂製帯状材の外面に一体に接着していると共にその一側端部を隣接する独立発泡合成樹脂製帯状材の対向側端面間に介在させてこれらの対向側端面に熱融着によって一体に固着してあり、さらに、隣接する独立発泡合成樹脂製帯状材の対向側端面から内側に突出したこの軟質合成樹脂製帯状材の一側端を介して発泡合成樹脂製紐状物からなる支持脚片を断熱層の内周面に融着、固定させていることを特徴とする。
さらに、請求項3に係る発明は、上記内壁は細かい無数の通気孔を設けている不織布からなることを特徴とし、請求項4に係る発明は、上記独立発泡合成樹脂製帯状材の内面に突設している支持脚片は、独立発泡合成樹脂製帯状材と同じ材料からなることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、消音ダクトは、通気性と可撓性を有するシート状物からなる管状の内壁と、この内壁の外周面に一定のピッチでもって全長に亘って螺旋状に巻着している硬質合成樹脂製の補強条体と、一定幅と厚みを有する独立発泡合成樹脂製帯状材を、対向する側端面同士を接合させ且つその接合部を一体に固着させながら上記内壁上に上記補強条体を介して螺旋巻きしてなる管状の断熱層と、この断熱層の外周面を被覆している軟質合成樹脂製の外壁とからなり、隣接する補強条体間における独立発泡合成樹脂製帯状材と内壁との対向面間で断面横長長方形状の空間部を形成しているので、内壁の外周面に螺旋状に巻着している硬質合成樹脂製の補強条体によって、ダクト全体を耐圧強度と可撓性を有する円管形状に保持することができ、施工が容易で且つ良好な通風性を発揮するダクトを提供することができると共に、通気性を有するシート状物からなる内壁を通じてこの内壁の外周面側の空間部に音波が入る際に、隣接する補強条体間のシート状物部分が大きく振動して吸音作用を奏し、さらに、内壁を通過して上記空間部に入った時に、この空間部は隣接する補強条体間における独立発泡合成樹脂製帯状材と内壁との対向面間で形成された断面横長長方形状の広くて大きな空間部であるから、音がこの空間部内で急激に拡散すると共に独立発泡合成樹脂製帯状材と内壁との対向面で繰り返し乱反射して空間部内の空気を振動させながら優れた消音効果を奏することができる。
さらに、断熱層を形成している上記独立発泡合成樹脂製帯状材の内面に上記空間部の厚みに略等しい高さを有する発泡合成樹脂からなる支持脚片の外面を一定の螺旋ピッチでもって固着して内壁と対向するこの支持脚片の頂面を隣接する補強条体間の中間部における内壁の外周面に当接、受止させているので、この消音ダクトを曲線施工を行う際に屈曲させると、圧縮力が発生する凹円弧状に湾曲したホースの内側周壁部において、その圧縮力により隣接する補強条体間の断熱層部分が内径方向に撓もうとしても、支持脚片が内壁の外周面に突っ張り状に圧着して断熱層部分が撓むのを確実に阻止することができ、従って、この支持脚片によって上記独立発泡合成樹脂製帯状材と内壁との対向面間で形成される断面横長長方形状の広くて大きな空間部を殆ど縮小させることなくその形状を保持し、屈曲部においても優れた消音効果を発揮することができる。そのため、使用前において本発明消音ダクトを階層状に巻き重ねた状態で梱包しておいても、上記空間部を閉塞させることなく殆どそのままの形状を保持させておくことができ、使用時の消音効果を減少させることなく配管施工が可能となる。
その上、上記支持脚片は発泡合成樹脂からなるので、断熱層と同様に断熱作用を奏すると共にその凹凸粗面によって音波を乱反射させて消音機能も発揮することができ、さらにダクトを屈曲させた際にその突出頂面が内壁上に圧着しても、その圧着力に応じて高さ方向に弾性的に圧縮するので、ダクトを無理なく円滑に屈曲させることができる。また、上記断熱層は一定幅と厚みを有する独立発泡合成樹脂製帯状材を、対向する側端面同士を接合させ且つその接合部を一体に固着させながら上記内壁上に上記補強条体を介して螺旋巻きすることによって、ダクトの全長に亘り連続したなる管状の断熱層に形成しているので、直線施工は勿論、曲線施工を行っても独立発泡合成樹脂製帯状材の対向する側端面間に隙間などを生じさせることなく全長に亘って均一な断熱作用を奏することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、断熱層の外周面を被覆している上記外壁は一定幅を有する軟質合成樹脂製帯状材からなり、この軟質合成樹脂製帯状材を断熱層を形成している独立発泡合成樹脂製帯状材の外面に一体に接着しているので、断熱層の外周面を全長に亘ってこの軟質合成樹脂製帯状材によって被覆した体裁のよい外観を呈すると共に、軟質合成樹脂製帯状材の一側端部を隣接する独立発泡合成樹脂製帯状材の対向側端面間に介在させてこれらの対向側端面に熱融着によって一体に固着しているので、隣接する独立発泡合成樹脂製帯状材の対向側端面同士をこの軟質合成樹脂製帯状の熱融着によって強固に一体化させて全長に亘って均一な断熱作用を奏する管状の断熱層を形成することができ、その上、隣接する独立発泡合成樹脂製帯状材の対向側端面から内側に突出した軟質合成樹脂製帯状の一側端を介して発泡合成樹脂製紐状物からなる支持脚片を断熱層の内周面に融着、固定させているので、断熱層を形成する独立発泡合成樹脂製帯状材の内面に発泡合成樹脂製紐状物からなる支持脚片を軟質合成樹脂製帯状の一側端の熱融着によって強固に一体化させることができる。
請求項3に係る発明によれば、上記内壁は細かい無数の通気孔を設けている不織布からなるので、上記通気孔と共に不織布の繊維間で形成されている隙間によって優れた吸音作用を奏することができる。また、請求項4に係る発明によれば、上記独立発泡合成樹脂製帯状材の内面に突設している支持脚片は、独立発泡合成樹脂製帯状材と同じ材料からなるので、断熱層を形成している独立発泡合成樹脂製帯状材と共にこの支持脚片によって断熱効果を向上させることができる。
本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1において、消音ダクトAは、内外面間に貫通する無数の細かい通気孔2を周方向及び長さ方向に小間隔毎に設けている不織布からなる一定径の管状に形成された内壁1と、この内壁1の外周面に一定のピッチでもって全長に亘って螺旋状に巻着してなる一定高さと一定幅とを有する硬質合成樹脂製の補強条体3と、この補強条体3を介して上記内壁1を全面的に被覆している一定厚みを有する独立発泡合成樹脂よりなる管状の断熱層4と、この断熱層4の外周面を全面的に被覆している薄肉の軟質合成樹脂製外壁5とからなり、隣接する補強条体、即ち、内壁1の外周面に先に螺旋方向に一巻きした補強条体部3aと、次に螺旋方向に一巻きした補強条体部3aとの対向面間と内壁1と断熱層4との対向面間とによって断面横長長方形状の空間部6(空気層6)を形成していると共に、断熱層4の内面に上記空間部6の厚みに略等しい高さを有する発泡合成樹脂からなる紐状の支持脚片7の外面を上記補強条体3と同じ螺旋ピッチでもって固着して内壁1と対向するこの支持脚片6の頂面を隣接する上記補強条体部3a、3a間の中央部における内壁1の外周面に当接、受止させてなる構造を有している。なお、隣接する補強条体部3a、3a間には小間隔毎に補強条体3よりも細い線状の小径補強条体31を複数条、内周壁1の外周面に熱融着して内周壁1を保形している。
上記内壁1を形成している不織布はポリプロピレン又はポリエステル等の合成樹脂繊維からなり、上記補強条体3の幅の数倍を有する一定幅の長い帯状不織布を成形回転軸(図示せず)上に対向する側端部同士を重ね合わせて熱融着させながら螺旋状に巻回することによって内壁1を形成している。上記補強条体3は内壁1を形成している不織布と同質のポリプロピレン、ポリエステル等のオレフィン系の硬質合成樹脂から形成されていて、内周壁1の外周面に帯状不織布の幅に略等しいピッチでもって螺旋状に巻着してその内面を内壁1の外周面に熱融着している。
さらに、上記断熱層4は、発泡ポリエチレン等の独立発泡樹脂製帯状材4'を、対向する側端面同士を、上記外壁5を形成している軟質合成樹脂製帯状材5'の一側端部5'a を介して一体に接合、固着させながら上記内壁1上に螺旋状に巻着している補強条体3を介して内壁1に対して一定の間隔を存した状態で螺旋巻きすることによって管状の断熱層4に形成されている。
詳しくは、この独立発泡合成樹脂製帯状材4'は上記補強条体3の高さに略等しい厚みと補強条体3の横幅(厚み)の2〜5倍程度の横幅を有する断面横長平行四辺形に形成されていて、その一側端面は、外面側から内面側に向かって外側方に徐々に傾斜した外向き傾斜端面に形成され、他側端面は外面側から内面側に向かって内側方に徐々に傾斜した内向き傾斜端面に形成されている一方、外壁5は、断熱層4を形成している上記独立発泡合成樹脂製帯状材4'よりも幅広い一定幅を有する非通気性のポリエチレン樹脂等の、断熱層4と熱融着可能な軟質合成樹脂製帯状材5'からなり、この軟質合成樹脂製帯状材5'を断熱層4を形成している独立発泡合成樹脂製帯状材4'の外面に熱融着によって一体に接着していると共にその一側端部5'a を隣接する独立発泡合成樹脂製帯状材4'、4'の対向側端面間に介在させてこれらの対向側端面に熱融着により一体に固着してあり、さらに、隣接する独立発泡合成樹脂製帯状材4'、4'の対向側端面から内側に突出したこの軟質合成樹脂製帯状材5'の一側端5'b を介して発泡合成樹脂製紐状物からなる上記支持脚片7を断熱層4の内周面に融着、固定させている。
なお、支持脚片7の高さは上記補強条体3の高さと同等、或いは、やや高く形成されていると共に、横幅(厚み)は補強条体3と同等、或いは、やや肉厚に形成されてあり、従って、内壁1と断熱層4との対向面間で形成されている上記空間部6の縦幅(管の径方向の幅)は支持脚片7の高さに略等しい幅に形成されている。
このように構成した消音ダクトAの製造方法を簡単に説明すると、全面に亘って無数の通気孔2を設けた通気性を有する帯状不織布を成形回転軸(図示せず)上に対向する側端部同士を重ね合わせて熱融着させながら螺旋状に巻回することによって内壁1を形成していくと共に、半溶融状態の硬質合成樹脂製補強条体3と小径補強条体31を成形ノズル(図示せず)から押し出しながら、上記内壁1を形成する帯状不織布上に一定のピッチでもって螺旋状に巻回する。この際、この補強条体3の溶融温度によって上記帯状不織布の側端部同士の重合部を融着させながら巻着し、冷却させることによってこの重合部上に該補強条体3を一体に固着させる。
さらに、発泡合成樹脂製紐状物からなる上記支持脚片7を、内壁1上に先に一巻き状に螺旋巻きした補強条体部3aと次に一巻き状に螺旋巻きした補強条体部3aとの間の幅の中央部における内壁1の外周面上に補強条体3と同一ピッチでもって内壁1にその内面を接着させることなく単に当接させながら螺旋巻きし、この支持脚片7に後続して上記断面横長平行四辺形状に形成された独立発泡合成樹脂製帯状材4'を隣接する支持脚片7の外面間に架設しながら、且つ、この独立発泡合成樹脂製帯状材4'の外面に半溶融状態の軟質合成樹脂製帯状材5'を重ね合わせてこの軟質合成樹脂製帯状材5'を独立発泡合成樹脂製帯状材4'の外面からこの独立発泡合成樹脂製帯状材4'の外向き傾斜端面4aに亘って熱融着させ、且つ、先に螺旋方向に一巻き状に巻回した帯状材部の外向き傾斜端面に次に一巻状に巻回する帯状材部の内向き傾斜端面を上記半溶融状態の軟質合成樹脂製帯状材5'の一側端部を介して接合させてこの半溶融状態の軟質合成樹脂製帯状材5'により対向側端面同士を一体に熱融着させながら一定の螺旋ヒッチでもって巻装することにより管状の断熱層4を形成する。
この断熱層4の形成時に、隣接する独立発泡合成樹脂製帯状材4'、4'の対向側端面同士を一体に熱融着させている半溶融状態の軟質合成樹脂製帯状材5'の上記対向側端面から内方に突出している一定幅の側端5'b を介して先に内壁1上に螺旋巻きした上記発泡合成樹脂製紐状物からなる支持脚片7の外面を熱融着させることにより断熱外壁4の内面にこの支持脚片7を一体に固着させる一方、独立発泡合成樹脂製帯状材4'の外面に熱融着している軟質合成樹脂製帯状材5'におけるこの独立発泡合成樹脂製帯状材4'から他側方に突出した他側端部5'c を先に一巻き状に螺旋巻きした独立発泡合成樹脂製帯状材4'上の軟質合成樹脂製帯状材5'の一側端部上に熱融着させながら外壁5を形成していくことにより、吸音ホースを製造する。
こうして得られた消音ダクトAは、住宅の天井裏等に配管して送風機等の送風源からこの吸音ダクトを通じて室内の換気等を行うものであり、その際、送風機等の駆動によって発生する騒音やダクト内を流通する際の風の音が、内壁1を形成している不織布の繊維間に入り込んで、摩擦や繊維の振動により音のエネルギーを熱エネルギーに変換して消音し、室内に騒音が伝播するのを防止することができる。
さらに、内壁1に穿設している無数の細かい通気孔2がこの内壁1と断熱層4との対向面間の広い空間部6に連通しているので、音波がこれらの通気孔2を通じて空間部6内に入る際に、その音のエネルギーを減衰させると共に通気孔2を通過して広い空間部6内に入った時に急激に拡散すると共にこの空間部6を形成している内壁1と断熱層4との対向面で繰り返し乱反射しながら空間部6内の空気を振動させ、騒音まで確実に吸収、消音することができる。その上、この空間部6内における隣接する補強条体部3a、3a間の管軸方向の中央部に断熱層4の内面に一体に固着している発泡合成樹脂からなる支持脚片7を設けているので、音波が断熱層4とこの支持脚片7の凹凸粗面によってランダムに乱反射して消音効果を向上させることができる。
また、消音ホースAを曲げ施工する際に屈曲させると、長さ方向に圧縮力が発生する凹円弧状に湾曲する内側の周壁部においては、その圧縮力によって該周壁部を形成している断熱層4が管軸方向に皺寄せ状に圧縮変形しながらその圧縮力を吸収して容易に曲げることができると共に、隣接する補強条体部3a、3a間上の断熱層部分が図2に示すように、皺寄せ状に変形しながら内径方向に撓んでも該断熱層部分の管軸方向の中央部には上記支持脚片7を突設していて、この支持脚片7の突出端面を内壁1に当接させているので、この支持脚片7によって内壁1と断熱層4との対向面間の空間部6が大きく縮小するのを防止して消音作用に必要な広さを確保することができると共に、支持脚片7が発泡合成樹脂よりなるので、弾性的に圧縮しながら内壁1に圧着して消音ホースAを円滑に屈曲させることができる。
一方、消音ホースAを屈曲させた時に、記凹円弧状に湾曲する内側の周壁部において、隣接する補強条体部3a、3a間の断熱層部分が図3に示すように、皺寄せ状に変形しながら外径方向に撓んでその撓み部分に支持脚片7が存在している場合には、支持脚片7が内壁1の外周面から離間する方向に移動して内壁1と断熱層4との対向面間の空間部6の広さを殆ど縮小させることなく消音作用に必要な十分な広さを確保することかできる。
また、消音ホースAを屈曲させた際に、長さ方向に引張力が発生する凸円弧状に湾曲する外側の周壁部においては、その引張力によって断熱層4を形成している隣接する独立発泡合成樹脂製帯状材4'、4'間が離れようとするが、これらの独立発泡合成樹脂製帯状材4'、4'の対向側端面同士を、独立発泡合成樹脂製帯状材4'の外面に層着して外壁5を形成している軟質合成樹脂製帯状材5'の一側端部の熱融着によって一体に接続しているので、隙間などを生じさせることなく管の全長に亘って連続して均一な断熱作用を奏する。
なお、上記実施例においては、内壁1を不織布より形成しているが、不織布以外に通気性と可撓性とを有するシート状物によって形成しておいてよく、また、断熱層4の内面に一体に固着している支持脚片7としては断熱層と同じ材料である独立発泡合成樹脂より形成しているが、連続発泡合成樹脂より形成しておいてもよい。
さらに、断熱層4を形成している独立発泡合成樹脂製帯状材4'には、内壁1の外周面に螺旋状に巻着している隣接する補強条体部3a、3a間の中央部に一条の支持脚片7を設けているが、図4に示すように、二条の支持脚片7、7を設けておいてもく、要するに、独立発泡合成樹脂製帯状材4'の内面に、隣接する補強条体部3a、3a間の中間部における内壁1の外周面に支持脚片7の突出頂面を当接、受止させるようにしておけばよい。なお、隣接する補強条体部3a、3a間に面する独立発泡合成樹脂製帯状材4'の内面に2〜3条の支持脚片7を突設しておく場合には、これらの支持脚片7の管軸方向の厚みを薄くしてこれらの支持脚片7の断面積の和が上記空間部6の断面積の1/2〜1/5にしておくことが望ましい。その他の構成については上記実施例と同じであるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
A 消音ホース
1 内壁
2 通気孔
3 補強条体
4 断熱層
4' 独立発泡合成樹脂製帯状材
5 外壁
5' 軟質合成樹脂製帯状
6 空間部
7 支持脚片
1 内壁
2 通気孔
3 補強条体
4 断熱層
4' 独立発泡合成樹脂製帯状材
5 外壁
5' 軟質合成樹脂製帯状
6 空間部
7 支持脚片
Claims (4)
- 通気性と可撓性を有するシート状物からなる管状の内壁と、この内壁の外周面に一定のピッチでもって全長に亘って螺旋状に巻着している硬質合成樹脂製の補強条体と、一定幅と厚みを有する独立発泡合成樹脂製帯状材を、対向する側端面同士を接合させ且つその接合部を一体に固着させながら上記内壁上に上記補強条体を介して螺旋巻きしてなる管状の断熱層と、この断熱層の外周面を被覆している軟質合成樹脂製の外壁とからなり、隣接する補強条体間における独立発泡合成樹脂製帯状材と内壁との対向面間で断面横長長方形状の空間部を形成していると共に、独立発泡合成樹脂製帯状材の内面に上記空間部の厚みに略等しい高さを有する発泡合成樹脂からなる支持脚片の外面を一定の螺旋ピッチでもって固着して内壁と対向するこの支持脚片の頂面を隣接する補強条体間の中間部における内壁の外周面に当接、受止させていることを特徴とする消音ダクト。
- 断熱層の外周面を被覆している上記外壁は一定幅を有する軟質合成樹脂製帯状材からなり、この軟質合成樹脂製帯状材を断熱層を形成している独立発泡合成樹脂製帯状材の外面に一体に接着していると共にその一側端部を隣接する独立発泡合成樹脂製帯状材の対向側端面間に介在させてこれらの対向側端面に熱融着によって一体に固着してあり、さらに、隣接する独立発泡合成樹脂製帯状材の対向側端面から内側に突出したこの軟質合成樹脂製帯状材の一側端を介して発泡合成樹脂製紐状物からなる支持脚片を断熱層の内周面に融着、固定させていることを特徴とする請求項1に記載の消音ダクト。
- 内壁は細かい無数の通気孔を設けている不織布からなることを特徴とする請求項1に記載の消音ダクト。
- 独立発泡合成樹脂製帯状材の内面に突設している支持脚片は、独立発泡合成樹脂製帯状材と同じ材料からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の消音ダクト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010009135A JP2011149575A (ja) | 2010-01-19 | 2010-01-19 | 消音ダクト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010009135A JP2011149575A (ja) | 2010-01-19 | 2010-01-19 | 消音ダクト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011149575A true JP2011149575A (ja) | 2011-08-04 |
Family
ID=44536723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010009135A Pending JP2011149575A (ja) | 2010-01-19 | 2010-01-19 | 消音ダクト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011149575A (ja) |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06109195A (ja) * | 1992-09-28 | 1994-04-19 | Yuuc Sangyo Kk | 断熱ホース |
JPH09229242A (ja) * | 1996-02-19 | 1997-09-05 | Toutaku Kogyo Kk | 断熱ホース |
JP2004170073A (ja) * | 2004-03-11 | 2004-06-17 | Tigers Polymer Corp | 吸音断熱ホース |
JP2005156071A (ja) * | 2003-11-27 | 2005-06-16 | Inoac Corp | ダクト |
JP2006010217A (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-12 | Tigers Polymer Corp | 断熱ダクト |
JP2006313043A (ja) * | 2005-05-09 | 2006-11-16 | Uc Industrial Co Ltd | 吸音ダクト |
JP2007078323A (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-29 | Totaku Industries Inc | ダクトホース |
JP2007198640A (ja) * | 2006-01-25 | 2007-08-09 | Tigers Polymer Corp | 断熱ダクト用ジョイント |
-
2010
- 2010-01-19 JP JP2010009135A patent/JP2011149575A/ja active Pending
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06109195A (ja) * | 1992-09-28 | 1994-04-19 | Yuuc Sangyo Kk | 断熱ホース |
JPH09229242A (ja) * | 1996-02-19 | 1997-09-05 | Toutaku Kogyo Kk | 断熱ホース |
JP2005156071A (ja) * | 2003-11-27 | 2005-06-16 | Inoac Corp | ダクト |
JP2004170073A (ja) * | 2004-03-11 | 2004-06-17 | Tigers Polymer Corp | 吸音断熱ホース |
JP2006010217A (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-12 | Tigers Polymer Corp | 断熱ダクト |
JP2006313043A (ja) * | 2005-05-09 | 2006-11-16 | Uc Industrial Co Ltd | 吸音ダクト |
JP2007078323A (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-29 | Totaku Industries Inc | ダクトホース |
JP2007198640A (ja) * | 2006-01-25 | 2007-08-09 | Tigers Polymer Corp | 断熱ダクト用ジョイント |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2706912B2 (ja) | 断熱消音ダクト | |
US4615411A (en) | Sound-insulated flow duct and process for the manufacture thereof | |
JP3528148B2 (ja) | 吸音断熱ダクト | |
JP5634083B2 (ja) | ダクトホース | |
JP2006234188A (ja) | 空調用伸縮性フレキシブルダクト | |
JP4775630B2 (ja) | ダクトホース | |
JP2006313043A (ja) | 吸音ダクト | |
JP2000088329A (ja) | 断熱消音ダクト | |
JP5599298B2 (ja) | 吸音ダクト | |
JP2008096073A (ja) | ダクトホース | |
JP2011149575A (ja) | 消音ダクト | |
JP2021011849A (ja) | 内燃機関のインレットダクト | |
JP5427069B2 (ja) | 断熱ホース | |
JP2011242052A (ja) | 消音ダクト | |
JP2000028083A (ja) | 圧縮性ダクト | |
JP2004170073A (ja) | 吸音断熱ホース | |
JPH10281353A (ja) | ダクトホース | |
JP5479117B2 (ja) | ダクトホース | |
JPH1114129A (ja) | フレキシブル空調ダクト | |
JP2004170073A5 (ja) | ||
JP5525461B2 (ja) | 可撓性の消音ダクト | |
JP3260318B2 (ja) | ダクトホース | |
JP4275547B2 (ja) | 配管防音材 | |
JP4488501B2 (ja) | 断熱ダクト及びその内面層交換方法 | |
JP2010164286A (ja) | ダクトホース |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20121010 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131029 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140311 |