JP5525461B2 - 可撓性の消音ダクト - Google Patents

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Description

本発明は、可撓性を有する消音ダクトに関する。詳細には、本発明は、冷暖房用空気の移送、換気等に用いられるダクトに関する。
冷暖房用空気の移送に、ダクトが用いられている。特開2007−182051公報には、ダクトに適したホースが開示されている。このホースは、不織布層及び樹脂フィルム層を備えている。このホースは、可撓性である。可撓性を有するダクトは、屈曲自在である。従って、このダクトが用いられた空調設備では、「エルボー」と称される「L」字状の継手は不要である。
上記ホースからなるダクトでは、内部で音の共鳴が生じる。このダクトでは、音が伝播される。例えば、冷暖房機器から生じるノイズが伝播され、ヒトに不快感を与える。このダクトではさらに、室内で発せられた音や声が隣室に伝播される。
特開平11−63380号公報には、通気性繊維層、連続気泡層及び気密性層を備えたダクトが開示されている。気密性層は、連続気泡層の外側に位置している。このダクトでは、連続気泡層が消音性に寄与する。
特開2004−170073公報には、連続気泡を有する第一の発泡樹脂層と、この第一の発泡樹脂層の外側に位置しており独立気泡を有する第二の発泡樹脂層とを備えたホースが開示されている。第二の発泡樹脂層は、発泡樹脂テープが螺旋状に巻かれることで得られる。このテープの側縁は、隣接する側縁と溶着されている。このホースでは、第一の発泡樹脂層が消音性に寄与し、第二の発泡樹脂層が断熱性及び気密性に寄与する。
特開2007−182051公報 特開平11−63380号公報 特開2004−170073公報
連続気泡層が消音に寄与する従来のダクトの消音性は、この連続気泡層の厚みに依存する。連続気泡層の厚みが小さなダクトでは、消音性は不十分である。連続気泡層が厚いダクトは、消音性に優れる。しかし、厚い連続気泡層に起因して、このダクトの外径は大きくなりがちである。外径の大きなダクトは、狭いスペースには設置され得ない。
本発明の目的は、連続気泡層とは異なる部材の存在によって消音性が発揮されうるダクトの提供にある。
本発明に係る可撓性の消音ダクトは、筒状のダクト壁と、このダクト壁に所定間隔を空けて螺旋状に溶着された補強体とを備える。このダクト壁は、通気性シート層と、この通気性シート層に積層されたフィルム層とを有する。このフィルム層の基材は、熱可塑性樹脂である。補強体の基材は、熱可塑性樹脂である。ダクト壁に補強体が溶着されるときの熱によってフィルム層が溶融することに起因して、このダクト壁の、補強体の近傍に、露出部が形成されている。この露出部において、通気性シート層が露出している。
本発明に係る可撓性の消音ダクトの製造方法は、
成形軸に通気性シート条帯とその基材が熱可塑性樹脂であるフィルム条帯とを供給し、この通気性シート条帯とフィルム条帯とを積層状態で螺旋状に捲回して、通気性シート層とフィルム層とを有するダクト壁を成形する第一工程と、
上記成形軸に、その基材が熱可塑性樹脂であり半溶融状態である補強体条帯を供給し、螺旋状に捲回して補強体を構成する第二工程と
を含む。これら2つの工程により補強体がダクト壁に溶着されると共に、溶着のときの熱によってフィルム層が溶融することに起因して、このダクト壁の、補強体の近傍に、露出部が形成される。この露出部では、通気性シート層が露出している。
本発明に係る消音ダクトでは、露出部が消音性に寄与する。このダクトでは、音が伝播されにくい。
図1は、本発明の一実施形態に係る消音ダクトの一部が示された部分切り欠き正面図である。 図2は、図1の矢印IIで示された部分の拡大図である。 図3は、図1のダクトの製造の様子が示された斜視図である。 図4は、図1のダクトの製造の様子が示された断面図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る消音ダクトの一部が示された部分切り欠き正面図である。 図6は、図5のダクトの製造の様子が示された斜視図である。 図7は、図5のダクトの製造の様子が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1及び2に示された消音ダクト2は、ダクト壁4と補強体6とを備えている。ダクト壁4は、円筒状である。ダクト壁4は、内層8、発泡体層10及び外層12からなる。発泡体層10は、内層8の外側に位置している。外層12は、発泡体層10の外側に位置している。ダクト壁4の外径Doは、典型的には50mm以上250mm以下である。ダクト壁4の内径Diは、典型的には40mm以上220mm以下である。その断面が非円形であるダクト壁4を、ダクト2が備えてもよい。
内層8は、第一通気性シート層14と、第一補強線16と、2つの第二補強線18とからなる。図1に示されるように、第一通気性シート層14は、螺旋状に巻かれている。典型的には、第一通気性シート層14は、不織布からなる。不織布は、繊維からなる。不織布は、繊維が織られることなく、且つシート状を呈するように形成されたものである。第一通気性シート層14には、
(1)ニードルパンチ法によって繊維同士を絡ませた不織布
(2)スパンボンド不織布のように、繊維同士を、溶着により又は接着剤により、結合 させた不織布
の両方が用いられうる。不織布は、通気性である。この不織布の厚みは、典型的には0.3mm以上1mm以下である。この不織布の目付量は、典型的には10g/m以上100g/m以下である。
不織布の好ましい材質は、ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂である。第一通気性シート層14には、不織布に代えて、又は不織布と共に、通気性を有する種々のシートが用いられ得る。例えば、メッシュ状シート(ネット状シート)、発泡体、パンチングシート及び織布が、第一通気性シート層14に用いられ得る。
第一補強線16は、第一通気性シート層14の外周面の上に、螺旋状に巻かれている。図2に示されるように、第一補強線16の幅は、螺旋のピッチよりも十分に小さい。従って、第一補強線16の側縁20は、隣接する側縁20と離間している。この離間は、ダクト2の可撓性に寄与しうる。
第一補強線16は、螺旋状に巻かれた第一通気性シート層14の、隣接する2つの側縁22の上に跨って位置している。換言すれば、第一補強線16は、この側縁22の直上に位置している。好ましくは、第一補強線16は、高剛性な材料からなる。第一補強線16は、溶着によって第一通気性シート層14に接合されている。第一補強線16は、ダクト壁4が筒状を維持することに寄与する。第一補強線16の好ましい材質は、ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂である。
それぞれの第二補強線18は、第一通気性シート層14の外周面の上に螺旋状に巻かれている。図2に示されるように、第二補強線18の幅は、螺旋のピッチよりも十分に小さい。従って、第二補強線18の側縁24は、隣接する側縁24と離間している。この側縁24は、第一補強線16の側縁20とも離間している。これらの離間は、ダクト2の可撓性に寄与しうる。好ましくは、第二補強線18は、高剛性な材料からなる。第二補強線18は、溶着によって第一通気性シート層14に接合されている。第二補強線18は、ダクト壁4が筒状を維持することに寄与する。第二補強線18の好ましい材質は、ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂である。図2から明らかなように、第二補強線18の断面積は、第一補強線16のそれよりも小さい。
発泡体層10は、第一補強線16及び第二補強線18の外側において、発泡体製の条帯が螺旋状に巻かれて形成されている。発泡体層10は、第一補強線16及び第二補強線18とは接合されていない。接合されていないことは、ダクト2の可撓性に寄与する。発泡体層10が、第一補強線16又は第二補強線18と接合されてもよい。
発泡体層10は、連続気泡を有するポリマー成形体である。典型的には、気泡は、熱分解型発泡剤の発泡によって形成される。用いられる熱分解型発泡剤としては、アゾ化合物、ニトロソ化合物及びトリアゾール化合物が例示される。機械攪拌法等の物理的発泡方法により、発泡体層10が得られてもよい。連続気泡を有するので、この発泡体層10は通気性である。この発泡体層10は、音波を通過させうる。従ってこの発泡体層10は、音を吸収する。この発泡体層10は、ダクト2の消音性に寄与する。
消音性の観点から、発泡体層10の厚みは5mm以上が好ましく、7mm以上が特に好ましい。後述されるように、このダクト2では、外層12が消音性に寄与する。従って、厚みが小さな発泡体層10が用いられても、ダクト2の優れた消音性が維持されうる。厚みが小さな発泡体層10を有するダクト2は、コンパクトである。コンパクトの観点から、発泡体層10の厚みは15mm以下が好ましく、10mm以下が特に好ましい。
図2に示されるように、発泡体層10における条帯側縁26は、隣接する側縁26と突き合わされている。側縁26は、隣接する側縁26とは接合されていない。接合されていないことは、ダクト2の可撓性に寄与する。側縁26が、隣接する側縁26と接合されてもよい。側縁26とこれに隣接する側縁26との間に隙間が存在するように、発泡体層10が形成されてもよい。
典型的には、発泡体層10は、ポリウレタンフォームからなる。発泡体層10に代えて、又は発泡体層10と共に、音を吸収しうる他の材料がダクト壁4に用いられてもよい。他の材料としては、木綿のような綿、グラスウール、厚みの大きな不織布等が例示される。
外層12は、第二通気性シート層28及びフィルム層30からなる。第二通気性シート層28は、螺旋状に巻かれている。典型的には、第二通気性シート層28は、不織布からなる。第一通気性シート層14に用いられたものと同等の不織布が、第二通気性シート層28に用いられうる。不織布に代えて、又は不織布と共に、メッシュ状シート(ネット状シート)、パンチングシート又は織布が、第二通気性シート層28に用いられてもよい。
フィルム層30は、発泡体層10と第二通気性シート層28との間に位置して、螺旋状に巻かれている。フィルム層30は、樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材は、熱可塑性樹脂である。典型的な熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレン及びポリプロピレンである。フィルム層30は、発泡体層10とは接合されていない。接合されていないことは、ダクト2の可撓性に寄与する。フィルム層30が、発泡体層10と接合されてもよい。
好ましくは、第二通気性シート層28とフィルム層30とは、接着剤によって一体化される。好ましい接着剤は、ホットメルト接着剤である。第二通気性シート層28の通気性を損なわないように、接着剤の量等が調整される。第二通気性シート層28は、フィルム層30を保護する。
図2に示されるように、補強体6の直下には、フィルム層30が存在しない。第二通気性シート層28の内側面の大半はフィルム層30に覆われているが、補強体6の直下では、第二通気性シート層28の内側面が露出している。以下、この部分は、露出部32と称される。
補強体6は、第二通気性シート層28の隣接する2つの側縁34の上に跨って位置している。換言すれば、補強体6は、この側縁34の直上に位置している。補強体6は、樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材は、熱可塑性樹脂である。典型的な熱可塑性樹脂は、ポリプロピレンである。補強体6は、ダクト壁4の上において、螺旋状に巻かれている。図2に示されるように、補強体6の幅W2は、螺旋のピッチよりも十分に小さい。従って補強体6は、所定間隔P(図1参照)を隔てて捲回されている。後に詳説されるように、補強体6は第二通気性シート層28に溶着されている。補強体6の剛性は、第二通気性シート層28及びフィルム層30の剛性よりも高い。なお、ダクト壁内層8が十分な保形成を備えている場合には、補強体6の剛性を高める必要はない。この場合は、補強体6を軟質な熱可塑性樹脂、特には軟質熱可塑性エラストマーで構成しても良い。
図3には、図1のダクト2の製造の様子が示されている。この製造に用いられる装置36は、成形軸38を備えている。この成形軸38は、図示されない駆動手段により駆動されて、回転送り動作を行う。回転方向が、図3において符号Rで示されている。送り方向が、図3において矢印Aで示されている。この製造装置36は、既知である。この装置36が用いられる製造方法は、「スパイラル法」と称されている。
図3に示された装置36が用いられた製造方法では、通気性シート条帯40が成形軸38の上に供給される。この条帯40は、成形軸38に螺旋状に巻かれる。この条帯40により、第一通気性シート層14が形成される。
この第一通気性シート層14の上に、半溶融状態の補強線42が供給される。補強線42は、第一通気性シート層14の上に、螺旋状に巻かれる。この補強線42が凝固して、第一補強線16が形成される。凝固により第一補強線16は、第一通気性シート層14と溶着する。第二補強線18も、第一補強線16と同様に、半溶融状態の補強線44が螺旋状に巻かれることで形成される。
この成形軸38に発泡体条帯46が供給され、第一補強線16及び第二補強線18の上において、螺旋状に巻かれる。この発泡体条帯46から、発泡体層10が形成される。
この成形軸38に条帯48が供給され、発泡体層10の上において、螺旋状に巻かれる。この条帯48は、通気性シート条帯50とフィルム条帯52とが積層され、ホットメルト接着剤(図示されず)で一体化されたものである。通気性シート条帯50とフィルム条帯52とは、互いに等しい幅を有する。通気性シート条帯50からは第二通気性シート層28が形成され、フィルム条帯52からはフィルム層30(図2参照)が形成される。通気性シート条帯50とフィルム条帯52とが、別々に成形軸38に供給されてもよい。フィルム条帯52が、半溶融状態で成形軸38に供給されてもよい。
この成形軸38に、補強体条帯54が半溶融状態で供給され、第二通気性シート層28の上において、螺旋状に巻かれる。この補強体条帯54が凝固して、補強体6が形成される。凝固により補強体6は、第二通気性シート層28と溶着する。
図4(a)には、ダクト2の製造工程における発泡体層10、フィルム層30及び第二通気性シート層28が示されている。フィルム層30の側縁56は、隣接する側縁56と当接している。図4(a)の段階では、補強体条帯54は成形軸38に供給されていない。図4(b)には、半溶融状態の補強体条帯54が第二通気性シート層28の上に巻かれ、補強体6が形成された直後の様子が示されている。この補強体6からの熱がフィルム層30に伝導し、補強体6の直下においてフィルム層30の樹脂組成物が溶融する。このとき、フィルム層30と第二通気性シート層28との間のホットメルト接着剤(図示されず)も溶融する。溶融した樹脂組成物の一部は、第二通気性シート層28に吸収される。溶融した樹脂組成物は、その後に凝固する。第二通気性シート層28への吸収と、凝固時のフィルムの収縮とにより、フィルム層30の一部が消失する。消失により、図4(c)に示されるように、補強体6の直下において露出部32が形成される。
フィルム層30の材質として、第二通気性シート層28の材質との濡れ性に優れたものが選択されることにより、溶融した樹脂組成物が第二通気性シート層28に十分に吸収される。第二通気性シート層28に吸収された溶融樹脂組成物は凝固するが、その量は少ないので、第二通気性シート層28の通気性を大幅には阻害しない。凝固した樹脂組成物がビーズ状を呈してもよい。ビーズ状を呈することにより、第二通気性シート層28の通気性の阻害が抑制される。
このダクト2では、第一通気性シート層14、発泡体層10及び第二通気性シート層28は、通気性である。フィルム層30は非通気性であるが、露出部32が存在するので、この露出部32を通じて内部の空気が外部へと移動しうる。従って、このダクト壁4は全体として通気性を有し、このダクト2の内部を通過する音は、外部へと放射されうる。よってこのダクト2では、ダクト2の内部の音の伝播が抑制されうる。
このダクト2では、露出部32が存在しているので、発泡体層10の外側に局部的に背後空気層が存在するのと等価である。この背後空気層により、振動する空気が発泡体層10を通過するときの粒子速度が大きくなって、より効率的に発泡体層10が空気の振動を減衰させうる。このダクト2の消音性は、露出部32が存在しないダクトのそれに比べて優れている。
このダクト2の内部を移動する空気は、露出部32を通じて外部へと漏れ出す。しかし、露出部32の面積は小さく、且つ露出部32の直上には非通気性である補強体6が存在しているので、漏れ出しの程度は小さい。従って、送風効率や冷暖房効率に大きな悪影響は生じない。
このダクト2では、フィルム層30がダクト壁4の内周面及び外周面に露出していない。このダクト2では、フィルム層30の損傷が生じにくい。
この製造方法では、補強体条帯54が巻かれることのみによって、露出部32が形成される。この製造方法では、消音性に優れたダクト2が容易に得られる。
この製造方法では、補強体条帯54が巻かれることでフィルム層30が溶融するが、このとき第二通気性シート層28は溶融しない。換言すれば、第二通気性シート層28の融点は、フィルム層30の融点よりも高い。融点の差は、20℃以上70℃以下が好ましい。第二通気性シート層28の溶融を防止する観点から、この第二通気性シート層28の融点は、補強体6の融点と同じか高いことが好ましい。
補強体条帯54が巻かれたときに、消失によって露出部32が形成されやすいとの観点から、フィルム層30の厚みは300μm以下が好ましい。取り扱い性の観点から、この厚みは10μm以上が好ましい。
フィルム層30に延伸フィルムが用いられることが好ましい。延伸フィルムは、加熱により収縮する。延伸フィルムが用いられることにより、露出部32が容易に形成されうる。
フィルム層30に、透湿防水フィルムが用いられてもよい。透湿防水フィルムは、多数の微小な孔を有している。それぞれの孔の内径は、0.5μmから1.0μmである。一般に、水滴の径は0.1mm以上である。一方、水蒸気の径は、0.00035μmから0.04μmである。透湿防水フィルムの孔の内径は、水滴の径よりも小さく、かつ水蒸気の径よりも大きい。この孔により、透湿防水性が発揮される。透湿防水フィルムの孔は、若干の通気性をフィルム層30に与え、ダクト2の消音性に寄与しうる。
図2に示されるように、露出部32の幅W1は補強体6の幅W2よりも大きい。図2において符号W3で示されているのは、フィルム層30の端58と補強体6の側縁60との距離である。消音性の観点から、幅W3は0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上が特に好ましい。送風効率又は冷暖房効率の観点から、幅W3は5mm以下が好ましく、2mm以下が特に好ましい。
ダクト2の構成部材の好ましい例が、以下に示される。
(1)第一通気性シート層14及び第二通気性シート層28
材質:ポリプロピレンを基材とするスパンボンド不織布
融点:160℃〜175℃
目付量:70g/m
(2)フィルム層30
基材:低密度ポリエチレン
融点:100℃〜135℃
厚み:30μm
(3)ホットメルト接着剤
基材:ポリオレフィン(低密度ポリエチレンとポリプロピレンとの混合物)
融点:100℃〜135℃
(4)第一補強線16、第二補強線18及び補強体6
基材:ポリプロピレン
押出温度:220℃
図5は、本発明の他の実施形態に係る消音ダクト70の一部が示された部分切り欠き正面図である。このダクト70は、ダクト壁72と、第一補強体74と、2つの第二補強体76とを備えている。ダクト壁72は、円筒状である。ダクト壁72は、通気性シート層78とフィルム層80とからなる。ダクト壁72の内径Diは、典型的には40mm以上220mm以下である。その断面が非円形であるダクト壁72を、ダクト70が備えてもよい。
図5に示されるように、通気性シート層78は螺旋状に巻かれている。典型的には、通気性シート層78は、不織布からなる。図1及び2に示されたダクト2の第一通気性シート層14に用いられる不織布と同等のものが、通気性シート層78に用いられうる。不織布に代えて、又は不織布と共に、通気性を有する種々のシートが用いられ得る。例えば、メッシュ状シート(ネット状シート)、発泡体、パンチングシート及び織布が、通気性シート層78に用いられ得る。
フィルム層80は、通気性シート層78の外側に位置している。好ましくは、フィルム層80は、通気性シート層78と接着剤によって一体化される。好ましい接着剤は、ホットメルト接着剤である。通気性シート層78の通気性を損なわないように、接着剤の量が調整される。
フィルム層80は、樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材は、熱可塑性樹脂である。典型的な熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレン及びポリプロピレンである。図1及び2に示されたダクト2のフィルム層30に用いられる樹脂組成物と同等のものが、フィルム層80に用いられうる。
図5に示されるように、フィルム層80と第一補強体74との間、及びフィルム層80と第二補強体76との間では、通気性シート層78が露出している。以下、この部分は、露出部82と称される。
第一補強体74は、通気性シート層78の隣接する2つの側縁84の上に跨って位置している。換言すれば、第一補強体74は、この側縁84の直上に位置している。第一補強体74は、樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材は、熱可塑性樹脂である。典型的な熱可塑性樹脂は、ポリプロピレンである。図1及び2に示されたダクト2の補強体6に用いられる樹脂組成物と同等のものが、第一補強体74に用いられうる。
第一補強体74は、ダクト壁72の上において、螺旋状に巻かれている。図5に示されるように、第一補強体74の幅は、螺旋のピッチよりも十分に小さい。従って第一補強体74は、所定間隔を隔てて存在している。後に詳説されるように、第一補強体74は通気性シート層78に溶着されている。第一補強体74の剛性は、通気性シート層78及びフィルム層80の剛性よりも高い。なお、ダクト壁72が十分な保形成を備えている場合には、第一補強体74の剛性を高める必要はない。この場合は、第一補強体74を軟質な熱可塑性樹脂、特には軟質熱可塑性エラストマーで構成しても良い。
それぞれの第二補強体76は、樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材は、熱可塑性樹脂である。典型的な熱可塑性樹脂は、ポリプロピレンである。図1及び2に示されたダクト2の補強体6に用いられる樹脂組成物と同等のものが、第二補強体76に用いられうる。
第二補強体76は、ダクト壁72の上において、螺旋状に巻かれている。図5に示されるように、第二補強体76の幅は、螺旋のピッチよりも十分に小さい。従って第二補強体76は、所定間隔を隔てて存在している。後に詳説されるように、第二補強体76は通気性シート層78に溶着されている。第二補強体76の剛性は、通気性シート層78及びフィルム層80の剛性よりも高い。なお、ダクト壁72が十分な保形成を備えている場合には、第二補強体76の剛性を高める必要はない。この場合は、第二補強体76を軟質な熱可塑性樹脂、特には軟質熱可塑性エラストマーで構成しても良い。
図6には、図5のダクト70の製造の様子が示されている。このダクト70の製造にも図3に示された装置36が用いられる。この製造方法では、条帯86が成形軸38の上に供給される。条帯86は、成形軸38の上に、螺旋状に巻かれる。この条帯38は、通気性シート条帯88とフィルム条帯90とが積層され、ホットメルト接着剤(図示されず)で一体化されたものである。通気性シート条帯88からは通気性シート層78が形成され、フィルム条帯90からはフィルム層80(図5参照)が形成される。通気性シート条帯88とフィルム条帯90とが、別々に成形軸38に供給されてもよい。フィルム条帯90が、半溶融状態で成形軸38に供給されてもよい。
このフィルム層80の上に、半溶融状態の補強体条帯92が供給される。補強体条帯92は、フィルム層80の上に、螺旋状に巻かれる。この補強体条帯92が凝固して、第一補強体74が形成される。第二補強体76も、第一補強体74と同様、フィルム層80の上に半溶融状態の補強体条帯94が螺旋状に巻かれることで、形成される。
図7(a)には、ダクト70の製造工程における通気性シート層78及びフィルム層80が示されている。フィルム層80の側縁96は、隣接する側縁96と当接している。図7(a)の段階では、補強体条帯92、94は成形軸38に供給されていない。図7(b)には、半溶融状態の補強体条帯92、94がフィルム層80の上に巻かれて第一補強体74及び第二補強体76が形成された直後の様子が示されている。これら補強体74、76からの熱がフィルム層80に伝導し、これら補強体74、76の直下においてフィルム層80の樹脂組成物が溶融する。このとき、フィルム層80と通気性シート層78との間のホットメルト接着剤(図示されず)も溶融する。溶融した樹脂組成物の一部は、通気性シート層78に吸収される。溶融した樹脂組成物は、その後に凝固する。通気性シート層78への吸収と、凝固時のフィルムの収縮とにより、フィルム層80の一部が消失する。消失により、図7(c)に示されるように、補強体74、76が通気性シート層78と当接する。補強体74、76は、通気性シート層78に溶着される。消失により、露出部82が形成される。
このダクト70では、通気性シート層78は通気性である。フィルム層80は非通気性であるが、露出部82が存在するので、この露出部82を通じて内部の空気が外部へと移動しうる。従って、このダクト70の内部を通過する音は、外部へと放射されうる。よってこのダクト70では、ダクト70の内部の音の伝播が抑制されうる。
このダクト70の内部を移動する空気は、露出部82を通じて外部へと漏れ出す。しかし、露出部82の面積は小さいので、漏れ出しの程度は小さい。従って、送風効率や冷暖房効率に大きな悪影響は生じない。
この製造方法では、補強体条帯92、94が巻かれることのみにより、露出部82が形成される。この製造方法では、消音性に優れたダクト70が容易に得られる。
補強体条帯92、94が巻かれたときに、消失によって露出部82が形成されやすいとの観点から、フィルム層80の厚みは300μm以下が好ましい。取り扱い性の観点から、この厚みは10μm以上が好ましい。
このダクト70では、フィルム層80は、通気性シート層78の外側に位置している。従って、製造時にフィルム層80が成形軸38と接触しない。接触しないことは、フィルム層80の損傷を抑制する。もちろん、通気性シート層78がフィルム層80の外側に位置してもよい。
以上、補強体が通気性シートやフィルム層の外側に溶着された2つの実施形態について説明した。本発明の範囲は、この実施形態には限られない。本発明の範囲には、補強体が通気性シートやフィルム層の内側に溶着されたダクトも含まれる。補強体が通気性シートやフィルム層の内側に溶着されたダクトの製造では、成形軸にまず補強体条帯が螺旋状に巻かれ、その上に通気性シート条帯又はフィルム条帯が巻き付けられて、両者が溶着される。
本発明に係るダクトは、換気用又は冷暖房用空気の移送、換気、気体の排出等に用いられうる。
2、70・・・消音ダクト
4、72・・・ダクト壁
6・・・補強体
8・・・内層
10・・・発泡体層
12・・・外層
14・・・第一通気性シート層
16・・・第一補強線
18・・・第二補強線
28・・・第二通気性シート層
30、80・・・フィルム層
32、82・・・露出部
38・・・成形軸
40・・・通気性シート条帯
42、44・・・補強線
46・・・発泡体条帯
48、86・・・条帯
50、88・・・通気性シート条帯
52、90・・・フィルム条帯
54、92、94・・・補強体条帯
74・・・第一補強体
76・・・第二補強体
78・・・通気性シート層

Claims (2)

  1. 筒状のダクト壁と、このダクト壁に所定間隔を空けて螺旋状に溶着された補強体とを備えており、
    上記ダクト壁が、通気性シート層と、この通気性シート層に積層されたフィルム層とを有しており、
    上記フィルム層の基材が熱可塑性樹脂であり、
    上記補強体の基材が熱可塑性樹脂であり、
    上記ダクト壁に上記補強体が溶着されるときの熱によって上記フィルム層が溶融することに起因して、このダクト壁の、補強体の近傍に、露出部が形成されており、
    上記露出部において上記通気性シート層が露出している可撓性の消音ダクト。
  2. 成形軸に通気性シート条帯とその基材が熱可塑性樹脂であるフィルム条帯とを供給し、この通気性シート条帯とフィルム条帯とを積層状態で螺旋状に捲回して、通気性シート層とフィルム層とを有するダクト壁を成形する第一工程と、
    上記成形軸に、その基材が熱可塑性樹脂であり半溶融状態である補強体条帯を供給し、螺旋状に捲回して補強体を構成する第二工程とを含んでおり、
    これら2つの工程により補強体をダクト壁に溶着させると共に、溶着のときの熱によって上記フィルム層が溶融することに起因して、このダクト壁の、補強体の近傍に、上記通気性シート層が露出している露出部が形成される、可撓性の消音ダクトの製造方法。
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