JP2012112542A - 可撓性の消音ダクト - Google Patents

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Abstract

【課題】消音性に優れたダクト2の提供。
【解決手段】ダクト2は、円筒状のダクト壁4と、第一補強帯6と、2つの第二補強帯8とを備えている。ダクト壁4は、円筒状の透湿防水フィルム層10と、円筒状の通気層12とを含んでいる。透湿防水フィルム層10は、テープ状の透湿防水フィルム14が螺旋状に巻かれることで形成されている。透湿防水フィルム14は、多数の微小な孔を有している。孔の内径は、0.1μm以上3.0μm以下である。通気層12は、透湿防水フィルム層10と積層され、一体化されている。通気層12は、テープ状の不織布18が螺旋状に巻かれることで形成されている。第一補強帯6及び第二補強帯8は、透湿防水フィルム層10の外周面の上に螺旋状に巻かれている。第一補強帯6及び第二補強帯8は、透湿防水フィルム層10に融着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、可撓性を有する消音ダクトに関する。詳細には、本発明は、主に換気用又は冷暖房用空気の移送等に用いられるダクトに関する。
冷暖房用空気の移送に、ダクトが用いられている。特開2007−182051公報には、ダクトに適したホースが開示されている。このホースは、不織布層及び樹脂フィルム層を備えている。このホースは、可撓性である。可撓性を有するダクトは、屈曲自在である。従って、このダクトが用いられた空調設備では、「エルボー」と称される「L」字状の継手は不要である。
上記ホースからなるダクトでは、内部で音の共鳴が生じる。このダクトでは、音が伝播される。例えば、冷暖房機器から生じるノイズが伝播され、ヒトに不快感を与える。このダクトではさらに、室内で発せられた音や声が隣室に伝播される。
特開平11−63380号公報には、通気性繊維層、連続気泡層及び気密性層を備えたダクトが開示されている。気密性層は、連続気泡層の外側に位置している。このダクトでは、連続気泡層が消音性に寄与する。
特開2004−170073公報には、連続気泡を有する第一の発泡樹脂層と、この第一の発泡樹脂層の外側に位置しており独立気泡を有する第二の発泡樹脂層とを備えたホースが開示されている。第二の発泡樹脂層は、発泡樹脂テープが螺旋状に巻かれることで得られる。このテープの側縁は、隣接する側縁と熱融着されている。このホースでは、第一の発泡樹脂層が消音性に寄与し、第二の発泡樹脂層が断熱性及び気密性に寄与する。
特開2007−182051公報 特開平11−63380号公報 特開2004−170073公報
連続気泡層が消音に寄与する従来のダクトの消音性は、この連続気泡層の厚みに依存する。連続気泡層の厚みが小さなダクトでは、消音性は不十分である。連続気泡層が厚いダクトは、消音性に優れる。しかし、厚い連続気泡層に起因して、このダクトの外径は大きくなりがちである。外径の大きなダクトは、狭いスペースには設置され得ない。
本発明の目的は、連続気泡層とは異なる層の存在によって消音性が発揮されうるダクトの提供にある。
本発明に係る可撓性の消音ダクトは、ダクト壁を備える。このダクト壁は、透湿防水フィルム層を含む。このダクト壁は、通気性を有する。
好ましくは、透湿防水フィルム層の通気抵抗度は、7s以上2000s以下である。通気抵抗度は、「JIS P 8117(ガーレー試験機法)」の規定に準拠して測定される。
透湿防水フィルム層は、多数の孔を備える。好ましくは、これらの孔の内径の平均値は、0.1μm以上3.0μm以下である。
ダクト壁が、不織布層をさらに備えてもよい。好ましくは、この不織布層は、透湿防水フィルム層と積層されかつ一体化される。
好ましくは、透湿防水フィルム層は、ダクト壁の内周面及び外周面に露出していない。
本発明に係る消音ダクトでは、透湿防水フィルム層が消音性に寄与する。このダクトでは、音が伝播されにくい。
図1は、本発明の一実施形態に係る消音ダクトの一部が示された部分切り欠き正面図である。 図2は、図1のダクトの製造の様子が示された斜視図である。 図3は、本発明の他の実施形態に係る消音ダクトの一部が示された部分切り欠き正面図である。 図4は、実験1の結果が示されたグラフである。 図5は、実験2の結果が示されたグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示された消音ダクト2は、円筒状のダクト壁4と、第一補強帯6と、2つの第二補強帯8とを備えている。ダクト壁4は、円筒状の透湿防水フィルム層10と、円筒状の通気層12とを含んでいる。ダクト壁4の内径Diは、典型的には40mm以上220mm以下である。その断面が非円形であるダクト壁を、ダクトが備えてもよい。
透湿防水フィルム層10は、テープ状の透湿防水フィルム14が螺旋状に巻かれることで形成されている。この透湿防水フィルム14の厚みは、典型的には、10μmから100μmである。透湿防水フィルム14は、多数の微小な孔を有している。これらの孔は互いに連絡しており、従ってこのフィルム14は通気性を有する。一般に、水滴の径は0.1mm以上である。一方、水蒸気の径は、0.00035μmから0.04μmである。水滴の径よりも小さく、かつ水蒸気の径よりも大きな孔をフィルム14が有することで、透湿防水性が発揮される。一般的な透湿防水フィルム14の孔の内径は、0.5μmから1.0μm程度である。透湿防水フィルム14は、建築資材、衣服、紙おむつ等に適している。透湿防水フィルム14は市場に流通しており、容易に入手されうる。
透湿防水フィルム14の製造では、合成樹脂と充填剤とが混練されて樹脂組成物が得られる。典型的な合成樹脂は、低密度ポリエチレン及びポリプロピレンである。典型的な充填剤は、炭酸カルシウムである。この樹脂組成物から、フィルムが成形される。このフィルムが延伸される。延伸により、合成樹脂と充填剤との界面に孔が形成される。充填剤の粒径の調整により、孔の内径が調整されうる。透湿防水フィルム14の具体例としては、三菱樹脂社の商品名「KTF」が挙げられる。
図1に示されるように、透湿防水フィルム14の側縁16は、隣接する側縁16と突き合わされている。側縁16の近傍が、隣接する側縁16の近傍と重ね合わされてもよい。側縁16が、隣接する側縁16と離間してもよい。透湿防水フィルム層10は、ダクト壁4の外周面を画定する。
通気層12は、透湿防水フィルム層10と積層されている。好ましくは、通気層12と透湿防水フィルム層10とは、接着剤によって一体化される。好ましい接着剤は、ホットメルト接着剤である。接着は、透湿防水フィルム14の通気性が損なわれないように行われる。通気層12は、透湿防水フィルム層10を補強する。
通気層12は、テープ状の不織布18が螺旋状に巻かれることで形成されている。不織布18は、繊維からなる。不織布18は、繊維が織られることなく、且つシート状を呈するように形成されたものである。通気層12には、
(1)ニードルパンチ法によって繊維同士を絡ませた不織布
(2)スパンボンド不織布のように、繊維同士を、熱融着により又は接着剤により、結合 させた不織布
の両方が用いられうる。不織布18は、通気性である。この不織布18の厚みは、典型的には0.3mm以上1mm以下である。この不織布18の目付量は、典型的には10g/m以上100g/m以下である。
不織布18の好ましい材質は、ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂である。通気層12には、不織布18に代えて、又は不織布18と共に、通気性を有する種々のシートが用いられ得る。例えば、メッシュ状シート(ネット状シート)、パンチングシート及び織布が、通気層12に用いられ得る。
図1に示されるように、不織布18の側縁20は、隣接する側縁20と突き合わされている。側縁20の近傍が、隣接する側縁20の近傍と重ね合わされてもよい。側縁20が、隣接する側縁20と離間してもよい。通気層12は、ダクト壁4の内周面を画定する。
第一補強帯6は、透湿防水フィルム層10の外周面の上に螺旋状に巻かれている。図1に示されるように、第一補強帯6の幅は、螺旋のピッチよりも十分に小さい。従って、第一補強帯6の側縁は、隣接する側縁と離間している。この離間は、ダクト2の可撓性に寄与しうる。
第一補強帯6は、透湿防水フィルム14の隣接する2つの側縁16の上に跨って位置している。換言すれば、第一補強帯6は、この側縁16の直上に位置している。好ましくは、第一補強帯6は、ダクト壁4を構成する材料よりも高剛性な材料からなる。後に詳説されるように、第一補強帯6は透湿防水フィルム14に接合されている。第一補強帯6は、ダクト壁4が筒状を維持することに寄与する。第一補強帯6の好ましい材質は、ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂である。
それぞれの第二補強帯8は、透湿防水フィルム層10の外周面の上に螺旋状に巻かれている。図1に示されるように、第二補強帯8の幅は、螺旋のピッチよりも十分に小さい。好ましくは、第二補強帯8は、ダクト壁4を構成する材料よりも高剛性な材料からなる。後に詳説されるように、第二補強帯8は透湿防水フィルム14に接合されている。第二補強帯8は、ダクト壁4が筒状を維持することに寄与する。第二補強帯8の好ましい材質は、ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂である。
このダクト2は、3本の補強帯6、8を備えている。補強帯6、8の数は1本でもよく、2本でもよく、4本以上でもよい。
前述の通り、透湿防水フィルム14は多数の孔を有している。従って、透湿防水フィルム14は通気性である。さらに、不織布18も通気性である。よってダクト壁4は、全体として通気性である。
第一補強帯6及び第二補強帯8は、非通気性である。透湿防水フィルム14は、部分的に、第一補強帯6又は第二補強帯8に覆われている。透湿防水フィルム14の他の部分は、露出している。従って、透湿防水フィルム層10の通気性は、維持される。
このダクト2では、内部の空気が、透湿防水フィルム層10の孔を通過して外部へと移動しうる。従って、このダクト2の内部を通過する音は、外部へと放射されうる。よってこのダクト2では、ダクト2の内部の音の伝播が抑制されうる。なお、通気層12の不織布18も、ある程度の消音効果を発揮する。
このダクト2の内部を移動する冷気又は暖気は、透湿防水フィルム層10の孔を通過して外部へと漏れ出す。しかし、孔の内径が小さいので漏れ出しの程度は小さく、従って送風効率や冷暖房効率に大きな悪影響を与えない。
透湿防水フィルム層10の孔の内径は、0.1μm以上3.0μm以下が好ましい。内径が0.1μm以上である孔により、音が十分に外部に放射されうる。この観点から、この内径は、0.3μm以上がより好ましく、0.5μm以上が特に好ましい。内径が3.0μm以下である孔は、冷暖房効率に大きな悪影響を与えない。この観点から、この内径は2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下が特に好ましい。
透湿防水フィルム14の通気抵抗度は、7s以上2000s以下が好ましい。通気抵抗度が7s以上である透湿防水フィルム14は、冷暖房効率に大きな悪影響を与えない。この観点から、この通気抵抗度は50s以上がより好ましく、200s以上が特に好ましい。通気抵抗度が2000s以下である透湿防水フィルム14により、十分な消音効果が得られる。この観点から、この通気抵抗度は1500s以下がより好ましく、1200s以下が特に好ましい。通気抵抗度は、「JIS P 8117(ガーレー試験機法)」の規定に準拠して測定される。
図2には、図1のダクト2の製造の様子が示されている。この製造に用いられる装置22は、成形軸24を備えている。この成形軸24は、図示されない駆動手段により駆動されて、回転送り動作を行う。回転方向が、図2において符号Rで示されている。送り方向が、図2において矢印Aで示されている。この製造装置22は、既知である。この製造装置22が用いられる製造方法は、「スパイラル法」と称されている。
図2に示された装置22が用いられた製造方法では、透湿防水フィルム14と不織布18とが一体化されたテープ26が成形軸24の上に供給される。このテープ26は、成形軸24に螺旋状に巻かれる。このテープ26により、ダクト壁4が形成される。
一方、ポリマー組成物が加熱され、溶融される。このポリマー組成物が押出機から押し出され、半溶融状態の第一線材28が得られる。この第一線材28が透湿防水フィルム14の上に供給され、螺旋状に巻かれる。第一線材28は、透湿防水フィルム14の側縁の直上に配置される。この第一線材28が凝固することにより、第一補強帯6が得られる。凝固により、透湿防水フィルム14と第一補強帯6とが融着される。
さらに、ポリマー組成物が加熱され、溶融される。このポリマー組成物が押出機から押し出され、半溶融状態の第二線材30が得られる。この第二線材30が透湿防水フィルム14の上に供給され、螺旋状に巻かれる。この第二線材30が凝固することにより、第二補強帯8が得られる。凝固により、透湿防水フィルム14と第二補強帯8とが融着される。
この方法により、ダクト2が容易且つ低コストで製造されうる。この方法では、透湿防水フィルム14が成形軸24と直接には接触しない。従って、ダクト2の製造工程において透湿防水フィルム14の破損が生じにくい。なお、透湿防水フィルム14の破損の懸念がない場合は、透湿防水フィルム層10が最内層とされてもよい。
図3は、本発明の他の実施形態に係る消音ダクト32の一部が示された部分切り欠き正面図である。このダクト32は、ダクト壁34を備えている。ダクト壁34は、内層36、発泡体層38及び外層40からなる。発泡体層38は、内層36の外側に位置している。外層40は、発泡体層38の外周面に積層されている。ダクト壁34の外径Doは、典型的には50mm以上250mm以下である。ダクト壁34の内径Diは、典型的には40mm以上220mm以下である。このダクト32も、図2に示された成形機22によって製造されうる。
内層36は、第一通気層42と、第一補強帯44と、第二補強帯46とからなる。第一通気層42は、不織布48からなる。図1に示されたダクト2の通気層12に用いられているものと同等の不織布48が、第一通気層42に用いられうる。不織布48に代えて、又は不織布48と共に、メッシュ状シート(ネット状シート)、パンチングシート又は織布が、第一通気層42に用いられてもよい。
第一補強帯44は、線状である。第一補強帯44は、第一通気層42の外周面の上に、螺旋状に巻かれている。図3に示されるように、第一補強帯44の幅は、螺旋のピッチよりも小さい。従って、第一補強帯44の側縁は、隣接する側縁と離間している。この離間は、ダクト32の可撓性に寄与しうる。
第一補強帯44は、不織布の隣接する2つの側縁50の上に跨って位置している。換言すれば、第一補強帯44は、この側縁50の直上に位置している。好ましくは、第一補強帯44は、高剛性な材料からなる。第一補強帯44は、熱融着によって第一通気層42に接合されている。第一補強帯44は、ダクト壁34が筒状を維持することに寄与する。第一補強帯44の好ましい材質は、ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂である。
それぞれの第二補強帯46は、第一通気層42の外周面の上に螺旋状に巻かれている。図2に示されるように、第二補強帯46の幅は、螺旋のピッチよりも十分に小さい。好ましくは、第二補強帯46は、高剛性な材料からなる。第二補強帯46は、熱融着によって第一通気層42に接合されている。第二補強帯46は、ダクト壁34が筒状を維持することに寄与する。第二補強帯46の好ましい材質は、ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂である。
発泡体層38は、第一補強帯44及び第二補強帯46と当接している。発泡体層38は、第一補強帯44及び第二補強帯46とは接合されていない。接合されていないことは、ダクト32の可撓性に寄与する。発泡体層38が、第一補強帯44又は第二補強帯46と接合されてもよい。
発泡体層38は、連続気泡を有するポリマー成形体52からなる。典型的には、気泡は、熱分解型発泡剤の発泡によって形成される。用いられる熱分解型発泡剤としては、アゾ化合物、ニトロソ化合物及びトリアゾール化合物が例示される。機械攪拌法等の物理的発泡方法により、ポリマー成形体52が得られてもよい。連続気泡を有するので、このポリマー成形体52は通気性である。このポリマー成形体52は、音波を通過させうる。従ってこのポリマー成形体52は、音を吸収する。この発泡体層38は、ダクト32の消音性に寄与する。
消音性の観点から、このポリマー成形体52の厚みは5mm以上が好ましく、7mm以上が特に好ましい。後述されるように、このダクト32では、外層40が消音性に寄与する。従って、厚みが小さなポリマー成形体52が用いられても、ダクト32の優れた消音性が維持されうる。厚みが小さなポリマー成形体52を有するダクト32は、コンパクトである。コンパクトの観点から、ポリマー成形体52の厚みは15mm以下が好ましく、10mm以下が特に好ましい。
発泡体層38は、帯状のポリマー成形体52が螺旋状に巻かれることで形成されている。図3に示されるように、ポリマー成形体52の側縁54は、隣接する側縁54と突き合わされている。側縁54は、隣接する側縁54とは接合されていない。接合されていないことは、ダクト32の可撓性に寄与する。側縁54が、隣接する側縁54と接合されてもよい。側縁54とこれに隣接する側縁54との間に隙間が存在するように、発泡体層38が形成されてもよい。
典型的なポリマー成形体52は、ポリウレタンフォームである。ポリマー成形体52に代えて、又はポリマー成形体52と共に、音を吸収しうる他の材料が発泡体層38に用いられてもよい。他の材料としては、木綿のような綿、グラスウール、厚みの大きな不織布等が例示される。
外層40は、透湿防水フィルム層56、第二通気層58及び第三補強帯60からなる。透湿防水フィルム層56には、図1に示されたダクト2の透湿防水フィルム層10に用いられているものと同等の透湿防水フィルム62が用いられうる。この透湿防水フィルム層56は、多数の微小な孔を有している。透湿防水フィルム層56は、発泡体層38とは接合されていない。接合されていないことは、ダクト32の可撓性に寄与する。透湿防水フィルム層56が、発泡体層38と接合されてもよい。
第二通気層58は、不織布64からなる。図1に示されたダクト2の通気層12に用いられているものと同等の不織布64が、第二通気層58に用いられうる。不織布64に代えて、又は不織布64と共に、メッシュ状シート(ネット状シート)、パンチングシート又は織布が、第二通気層58に用いられてもよい。好ましくは、第二通気層58と透湿防水フィルム層56とは、接着剤によって一体化される。好ましい接着剤は、ホットメルト接着剤である。第二通気層58は、透湿防水フィルム層56を保護する。
第三補強帯60は、不織布の隣接する2つの側縁66の上に跨って位置している。換言すれば、第三補強帯60は、この側縁66の直上に位置している。第三補強帯60は、ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂からなる。溶融され押し出されたテープ状の樹脂が第二通気層58の上に螺旋状に巻かれることで、第三補強帯60が形成される。この樹脂が凝固することで、第三補強帯60が第二通気層58に熱融着される。この第三補強帯60により、外層40の筒状が維持される。
このダクト32では、内層36、発泡体層38及び外層40が通気性である。従ってこのダクト32は、全体として通気性である。
このダクト32では、内部の空気が、透湿防水フィルム層56の孔を通過して外部へと移動しうる。従って、このダクト32の内部を通過する音は、外部へと放射されうる。よってこのダクト32では、ダクト32の内部の音の伝播が抑制されうる。
このダクト32では、透湿防水フィルム層56が孔を有しているので、ダクト32の内側からみた空気の挙動は、あたかも発泡体層38の外側に局部的に背後空気層が存在する場合の挙動と一致する。換言すれば、あたかも発泡体層38の外側に背後空気層が存在する場合の挙動と同じように、振動する空気が発泡体層38を通過する際の粒子速度が大きくなって、より効率的に発泡体層38が空気の振動を減衰させうる。このダクト32の消音性は、外層40が非通気性であるダクト32のそれに比べて優れている。本発明者が得た知見によれば、発泡体層38として厚みが7mmであるウレタンフォームが用いられたときのダクト32の消音性は、外層40が非通気性であり且つ厚みが25mmであるグラスウールが用いられた従来のダクト32の消音性に近いレベルとなる。本発明に係るダクト32では、消音性とコンパクトとが両立されうる。
このダクト32では、透湿防水フィルム層56がダクト壁34の内周面及び外周面に露出していない。このダクト32では、透湿防水フィルム層56の損傷が生じにくい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実験1]
[実施例1]
図1に示されたダクトを製作した。このダクトの詳細は、以下の通りである。
ダクトの内径Di:75mm
透湿防水フィルムのマトリクスの材質:低密度ポリエチレン
透湿防水フィルムの厚み:30μm
透湿防水フィルムの通気抵抗度:380s
透湿防水フィルムの孔の平均内径:1μm
不織布の材質:ポリプロピレン
不織布の目付量:70g/m
補強帯の材質:ポリプロピレン
[比較例1]
軟質ポリ塩化ビニルからなるダクト壁を有するダクトを製作した。ダクトの内径Diは、75mmである。
[音響減衰量の測定]
ダクトを1mの長さに切断し、直線状の試験片を得た。スピーカーを内蔵する音源に、この試験片の一端を接続した。試験片の他端を、大気開放状態とした。ダクトの中心線上の一端側及び他端側に、マイクロフォンを設置した。音源からホワイトノイズを出し、両マイクロフォンで音量を測定した。この測定結果の、1/3オクターブ分析を行い、音響減衰量を算出した。この結果が、図4に示されている。
図4から明らかなように、概ね100Hz以上の騒音周波数領域において、実施例1のダクトは、比較例1のダクトに比べ、大きな音響減衰量を示している。特に、1600Hz以上の騒音周波数領域において、実施例1のダクトは、比較例1のダクトに比べ、非常に大きな音響減衰量を示している。この実験結果より、本発明に係るダクトが消音性に優れることは、明らかである。
[実験2]
[実施例2]
図3に示されたダクトを製作した。このダクトの詳細は、以下の通りである。
ダクトの内径Di:100mm
透湿防水フィルムのマトリクスの材質:低密度ポリエチレン
透湿防水フィルムの厚み:30μm
透湿防水フィルムの通気抵抗度:380s
透湿防水フィルムの孔の平均内径:1μm
第一通気層及び第二通気層の不織布の目付量:70g/m
第一通気層及び第二通気層の不織布の材質:ポリプロピレン
発泡体層の材質:ウレタンフォーム
発泡体層の厚み:7mm
補強帯の材質:ポリプロピレン
[比較例2]
透湿防水フィルムに代えて軟質ポリ塩化ビニルからなるフィルムを用いた他は実施例2と同様にして、比較例2のダクトを製作した。
[音響減衰量の測定]
実験1と同様の方法にて、音響減衰量を算出した。この結果が、図5に示されている。
図5から明らかなように、広い騒音周波数領域において、実施例2のダクトは、比較例2のダクトに比べ、大きな音響減衰量を示している。特に、100Hz以上3150Hz以下の騒音周波数領域において、実施例2のダクトは、比較例2のダクトに比べ、大きな音響減衰量を示している。この実験結果より、本発明に係るダクトが消音性に優れることは、明らかである。
本発明に係るダクトは、換気用又は冷暖房用空気の移送、換気、気体の排出等に用いられうる。
2、32・・・消音ダクト
4、34・・・ダクト壁
6、44・・・第一補強帯
8、46・・・第二補強帯
10、56・・・透湿防水フィルム層
12・・・通気層
14、62・・・透湿防水フィルム
18、48、64・・・不織布
22・・・製造装置
24・・・成形軸
26・・・テープ
28・・・第一線材
30・・・第二線材
36・・・内層
38・・・発泡体層
40・・・外層
42・・・第一通気層
52・・・ポリマー成形体
58・・・第二通気層
60・・・第三補強帯

Claims (5)

  1. ダクト壁を備えており、このダクト壁が透湿防水フィルム層を含んでおり、このダクト壁が通気性を有する可撓性の消音ダクト。
  2. 上記透湿防水フィルム層の、ガーレー試験機法に基づく通気抵抗度が、7s以上2000s以下である請求項1に記載の消音ダクト。
  3. 上記透湿防水フィルム層が多数の孔を備えており、これらの孔の内径の平均値が0.1μm以上3.0μm以下である請求項1又は2に記載の消音ダクト。
  4. 上記ダクト壁が不織布層をさらに備えており、この不織布層が透湿防水フィルム層と積層されかつ一体化されている請求項1から3のいずれかに記載の消音ダクト。
  5. 上記ダクト壁の内周面及び外周面に透湿防水フィルム層が露出していない請求項1から4のいずれかに記載の消音ダクト。
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