JP2011148469A - 箱型荷台の後部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】扉部材の開移動が制限されることなく、車両走行時の空気抵抗の低減を図ることが可能な箱型荷台の後部構造の提供。
【解決手段】ヒンジ10は、固定側部材11と可動側部材12と回転軸とを有する。固定側部材11は、側面パネル4に固定されて後方へ延びる。可動部材12は、扉部材6に固定されて車幅方向外側へ延びる。回転軸は、側面パネル4の後端縁よりも後方に配置され、固定側部材11の後端部と可動側部材12の車幅方向外端部とを回転自在に連結する。側方板状部材20は、ヒンジ10との干渉を回避して扉部材6の開閉移動を許容する切り欠き部21を有する。側方板状部材20の後端縁は、扉部材6の車幅方向外端縁の開閉移動軌跡の前方近傍に設定され、側方板状部材20と上方板状部材と荷室の後方を閉止した状態の扉部材6とにより区画される領域は、車両走行時における箱型荷台3の後方での負圧の発生を抑制するキャビティとして機能する。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両に搭載される箱型荷台の後部構造に関する。
特許文献1及び特許文献2には、箱型荷台を搭載した車両の走行時において、荷台後方の負圧の発生を抑制する構造が記載されている。
特許文献1の構造は、基材と複数の通風口とを備える。基材は、略コ字形断面を有し、バンボディの上面と両側面とのそれぞれの後端から延長して設けられている。通風口は、バンボディの前方に向かって開口された給気口と車体の後扉側に向かって開口された排気口とを有する。この構造では、車両走行時にバンボディの外面に沿って流れる空気の一部が、基材に形成された通風口によって取り入れられると共に、車体の後面部に排出されるため、バンボディの後面部に発生する負圧現象が抑制される。
特許文献2の構造では、バンボディの後面部の下辺を除く周囲にキャビティが設けられ、このキャビティにアッパーベーン及び左右一対のサイドべーンが設けられている。この構造では、車両走行時にバンボディの外面に沿って流れる空気は、キャビティとコーナーベーンとによりバンボディの後方へ案内される。これにより、空気の流れが、バンボディの後方において整流となるべく調整され、バン型トラックの走行時における空気抵抗が低減される。
特開平6−16157号公報 実開平6−83576号公報
多くの箱型荷台には、荷室の後方を開閉するための左右の扉部材が設けられている。左右の扉部材は、荷室の側方を区画する左右の側面パネルの後部に、それぞれヒンジを介して回転自在に連結される。このため、上記特許文献1や特許文献2の構造に上記扉部材をそのまま適用すると、扉部材を開移動させる際に、基材やキャビティとの当接によって扉部材の移動範囲が制限され、扉部材を側面パネルの外面上まで展開することができず、荷室後方からの積荷の入出作業に支障が生じる可能性がある。
そこで、本発明は、扉部材の開移動が制限されることなく、車両走行時の空気抵抗の低減を図ることが可能な箱型荷台の後部構造の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の箱型荷台の後部構造は、左右の側方板状部材と上方板状部材とを備える。箱型荷台は、左右一対の側面パネルと天井パネルと左右の扉部材とを有し、トラックのキャブの後方に配置される。一対の側面パネルは、車幅方向両側で相対向して起立して荷室の側方を区画する。天井パネルは、一対の側面パネルの上縁同士を連結して荷室の上方を区画する。左右の扉部材は、一対の側面パネルの後部にそれぞれヒンジを介して回転自在に連結されて、荷室の後方を開閉する。
左右の側方板状部材は、一対の側面パネルの後端縁の上下方向の略全域からそれぞれ車幅方向内側斜め後方へ向かって延びる。上方板状部材は、天井パネルの後端縁の車幅方向の略全域から斜め後下方へ向かって延びる。
ヒンジは、固定側部材と可動側部材と回転軸とを有する。固定側部材は、側面パネルに固定されて後方へ延びる。可動部材は、扉部材に固定されて車幅方向外側へ延びる。回転軸は、側面パネルの後端縁よりも後方に配置され、固定側部材の後端部と可動側部材の車幅方向外端部とを回転自在に連結する。
側方板状部材は、ヒンジとの干渉を回避して扉部材の開閉移動を許容する切り欠き部を有する。側方板状部材の後端縁は、扉部材の車幅方向外端縁の開閉移動軌跡の前方近傍に設定されている。上方板状部材の後端縁は、扉部材の上端縁の開閉移動軌跡の上方に設定されている。一対の側方板状部材と上方板状部材と荷室の後方を閉止した状態の扉部材とにより区画される領域は、車両走行時における箱型荷台の後方での負圧の発生を抑制するキャビティとして機能する。
上記構成では、左右の扉部材を閉じた状態において、一対の側方板状部材と上方板状部材と扉部材とにより区画される箱型荷台の後部の領域は、車両走行時における箱型荷台の後方での負圧の発生を抑制するキャビティとして機能するので、空気抵抗の低減による車両の省燃費化を図ることができる。
また、側方板状部材は、ヒンジとの干渉を回避して扉部材の開閉移動を許容する切り欠き部を有し、側方板状部材の後端縁は、扉部材の車幅方向外端縁の開閉移動軌跡の前方近傍に設定され、上方板状部材の後端縁は、扉部材の上端縁の開閉移動軌跡の上方に設定されているので、扉部材を、側方板状部材を超えて側面パネルの外面に向けて展開することができ、荷室後方からの積荷の入出作業に支障が生じることがない。
さらに、側方板状部材の後端縁を扉部材の車幅方向外端縁の開閉移動軌跡の前方近傍に設定しているので、側方板状部材は、扉部材との干渉が回避可能な範囲内において、限界まで後方へ突出した状態となる。従って、キャビティとして機能する領域の深さを最大限まで大きく設定することができ、空気抵抗の低減効果を高めることができる。
また、上記箱型荷台の後部構造は、カバー部材と付勢手段とを備えてもよい。カバー部材は、切り欠き部を覆うカバー位置と切り欠き部を開放する待避位置との間を移動自在である。付勢手段は、カバー部材をカバー位置に付勢する。
カバー部材は、扉部材が荷室の後方を閉止した状態で、付勢手段の付勢力によってカバー位置に保持され、扉部材の開移動時において、扉部材又は稼働側部材の少なくとも一方に押圧され、付勢手段の付勢力に抗して待避位置へ向かって移動する。
上記構成では、扉部材を閉じた状態では、カバー位置に保持されたカバー部材によって切り欠き部が覆われるので、車両走行時において、キャビティとして機能する領域に対して切り欠き部から走行風が流入することがなく、空気抵抗の低減効果をさらに高めることができる。
また、扉部材を開移動させると、扉部材又は稼働側部材の少なくとも一方がカバー部材を押圧し、付勢手段の付勢力に抗してカバー部材が待避位置へ向かって移動する。従って、扉部材を、側方板状部材を超えて側面パネルの外面に向けて展開することができ、荷室後方からの積荷の入出作業に支障が生じることがない。
また、前後方向に対する側方板状部材の車幅方向内側への傾斜角度は、10度以上15度以下の範囲が好適であり、側方板状部材の傾斜角度を10度以上15度以下の範囲に設定することにより、側方板状部材の後方への突出量に対する空気抵抗の低減効果が向上する。従って、側方板状部材が車両の全長に含まれ、且つ車両の全長が制限されている場合において、側方板状部材の傾斜角度を10度以上15度以下の範囲に設定することにより、荷室空間の減少を抑えつつ空気抵抗の低減効果を向上させることができる。
本発明によれば、扉部材の開移動が制限を受けることなく、車両走行時の空気抵抗の低減を図ることができる。
本発明の後部構造を備えた箱型荷台を後方から視た斜視図である。 第1実施形態の箱型荷台の後部構造を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は後面図である。 図2(b)のIII−III矢視断面図である。 図2(b)の要部拡大図である。 側方板状部材の傾斜角度とその長さとCd値の低減効果との関係の一例を示す図である。 側方板状部材の第1の変形例を示す断面図である。 側方板状部材の第2の変形例を示す断面図である。 側方板状部材の第3の変形例を示す断面図である。 側方板状部材の第4の変形例を示す断面図である。 側方板状部材の第5の変形例を示す断面図である。 図10の側方板状部材の後面図である。 側方板状部材の第6の変形例を示す断面図である。 図12の側方板状部材の後面図である。 第2実施形態の断面図である。 第2実施形態の側面図である。 扉部材の開移動状態を示す第2実施形態の断面図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は本発明の後部構造を備えた箱型荷台を後方から視た斜視図、図2は第1実施形態の箱型荷台の後部構造を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は後面図である。図3は図2(b)のIII−III矢視断面図、図4は図2(b)の要部拡大図、図5は側方板状部材の傾斜角度とその長さとCd値の低減効果との関係の一例を示す図である。なお、図中FRは車両前方を、INは車幅方向内側を、UPは車両上方をそれぞれ示している。また、以下の説明における左右方向は、車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係る車両1は、キャブ2の後方に箱型荷台3が搭載されたトラックである。箱型荷台3は、床パネル(図示省略)と左右一対の側面パネル4(図1には右側のみ示す)と天井パネル5と前面パネル(図示省略)と左右の扉部材6とを有する。床パネルは、車体フレーム(図示省略)上に根太(図示省略)を介して搭載され、荷室7(図3に示す)の下方を区画する。一対の側面パネル4は、床パネルの左右の両側縁から前後方向に沿って相対向して起立して、荷室7の側方を区画する。天井パネル5は、左右の側面パネル4の上縁同士を連結して、荷室7の上方を区画する。前面パネルは、キャブ2の後方近傍で床パネルの前端縁から車幅方向に沿って起立して、荷室7の前方を区画する。左右の扉部材6は、左右の側面パネル4の後端部にそれぞれ複数(本実施形態では左右それぞれ4個)のヒンジ10を介して回転自在に連結され、荷室7の後方を開閉する。各扉部材6は、扉パネル本体8と縁カバーパネル9とを有する。縁カバーパネル9は、扉パネル本体8の上縁、下縁及び車幅方向外側の側縁のそれぞれにおいて、扉パネル本体8の外面に固定され、扉部材6が閉じられた状態で扉パネル本体8と各パネル(天井パネル5、床パネル及び側面パネル4)との間に形成される間隙を後方から覆う。
図2〜図4に示すように、各ヒンジ10は、固定側部材11と可動側部材12と回転軸13とを有し、左右両側の所定の高さにそれぞれ配置される。固定側部材11は、側面パネル4の後端面に固定される板状のベース部14と、ベース部14の上端縁及び下端縁からそれぞれ後方へ延びて対向する上下の板状のフランジ部15とを有する。可動側部材12は、側面パネル4に固定される板状の取付部16と、扉部材6が閉じられた状態において取付部16から車幅方向外側へ一体的に延びて後方へ曲折する板状の中間部17と、中間部17の先端に形成されて上下方向に貫通する軸挿通孔18とを有する。回転軸13の両端部は、可動側部材12の軸挿通孔18を挿通した状態で軸挿通孔18の上下から突出し、固定側部材11の上下のフランジ部15の後端部によってそれぞれ支持される。これにより、回転軸13は、側面パネル4の後端縁よりも後方に配置され、ヒンジ10の固定側部材11の後端部と可動側部材12の車幅方向外端部とを回転自在に連結する。
左右の側面パネル4の後端部には、左右の側方板状部材20がそれぞれ固定される。側方板状部材20は、ヒンジ10が配置される複数(本実施形態では左右それぞれ4箇所)の切り欠き部21を有し、切り欠き部21を除く側面パネル4の後端面の上下方向の略全域からそれぞれ車幅方向内側斜め後方へ向かって延びる。切り欠き部21は、ヒンジ10の可動側部材12と側方板状部材20との干渉を回避して、扉部材6の開閉移動を許容する。側方板状部材20は、隣接する部材間が切り欠き部21を区画するように複数の部材を上下方向に並べてそれぞれ側面パネル4の後端部に固定したものであってもよく、一枚の部材に複数の切り欠き部21を形成したものであってもよい。
また、前後方向に対する側方板状部材20の車幅方向内側への傾斜角度θは、後述するように空気抵抗の低減効果に好適である10度以上15度以下の範囲(10°≦θ≦15°)に設定される。
側方板状部材20の後端縁は、回転軸13を中心とした扉部材6の車幅方向外端縁(扉パネル本体8の側縁に固定された縁カバーパネル9の外端縁)の開閉移動軌跡24の前方近傍に設定されている。側方板状部材20の後端縁と扉部材6の車幅方向外端縁との距離Lは、部材の製造誤差や組付誤差によって扉部材6の車幅方向外端縁の移動軌跡24の曲率半径Rが最小となった場合であっても、扉部材6の車幅方向外端縁と側方板状部材20の後端縁との干渉を生じさせない最小距離に設定されている。
天井パネル5の後端部には、上方板状部材22が固定される。上方板状部材22は、天井パネル4の後端縁の車幅方向の略全域から斜め後下方へ向かって延びる。上方板状部材22の後端縁は、扉部材6の上端縁の開閉移動軌跡の上方近傍に設定されている。天井パネル4からの上方板状部材22の後方への突出量は、側面パネル4からの側方板状パネル20の後方への突出量とほぼ等しく設定され、上方板状部材22の後端縁の車幅方向両端部は、左右の側方板状パネル20の後端縁の上端部にそれぞれ連続している。
左右の側方板状部材20と上方板状部材22と荷室7の後方を閉止した状態の扉部材6の後面とにより区画される領域は、車両走行時における箱型荷台3の後方での負圧の発生を抑制するキャビティとして機能する。
次に、側方板状部材20の好適な傾斜角度について、図5を参照して説明する。図5は、車両1を1/Nに縮尺した模型を用いた風洞試験の結果であり、側方板状部材20の傾斜角度θとその長さとCd値の低減効果との関係の一例を示している。なお、図5中のキャビティ長とは、側方板状部材20の前後方向の長さ(側面パネル4からの突出量)であり、各値は、模型の側方板状部材の突出量(側方板状部材20の突出量の1/N)ではなく、実際の側方板状部材20の突出量を示している。また、Cd値とは空気抵抗係数であり、その値が低いほど空気抵抗が低減される。
図5に示されるように、傾斜角度θが10度及び15度の方が、0度及び20度よりもCd値の低減効果が高い。特に、キャビティ長が短い場合の両者の差は顕著であり、空気抵抗の低減効果に好適な傾斜角度θの範囲が10度以上15度以下であることが判る。
本実施形態によれば、左右の扉部材6を閉じた状態において、左右の側方板状部材20と上方板状部材22と扉部材6とにより区画される箱型荷台3の後部の領域は、車両走行時における箱型荷台3の後方での負圧の発生を抑制するキャビティとして機能するので、空気抵抗の低減による車両1の省燃費化を図ることができる。
また、側方板状部材20は、ヒンジ10との干渉を回避して扉部材6の開閉移動を許容する切り欠き部21を有し、側方板状部材20の後端縁は、扉部材2の車幅方向外端縁の開閉移動軌跡24の前方近傍に設定され、上方板状部材22の後端縁は、扉部材6の上端縁の開閉移動軌跡の上方近傍に設定されているので、扉部材6を、側方板状部材20を超えて側面パネル4の外面に向けて展開することができ、荷室7の後方からの積荷の入出作業に支障が生じることがない。
また、側方板状部材20の後端縁を扉部材6の車幅方向外端縁の開閉移動軌跡24の前方近傍に設定しているので、側方板状部材20は、扉部材6との干渉が回避可能な範囲内において、限界まで後方へ突出した状態となる。従って、キャビティとして機能する領域の深さを最大限まで大きく設定することができ、空気抵抗の低減効果を高めることができる。
さらに、前後方向に対する側方板状部材20の車幅方向内側への傾斜角度θを10度以上15度以下の範囲に設定しているので、側方板状部材20の後方への突出量に対する空気抵抗の低減効果が向上する。従って、側方板状部材20が車両1の全長に含まれ、且つ車両1の全長が制限されている場合において、荷室空間の減少(側方板状部材20の後方への突出量)を抑えつつ空気抵抗の低減効果を向上させることができる。
次に、側方板状部材20の変形例について、図6〜図13を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図6に示す変形例1の側方板状部材30は、板状の基部31と基部31の先端から曲折する板状の突出部32とを有する略L状断面である。突出部32の先端部は湾曲面状に形成されている。基部31は、その前面が側面パネル4の後端面に面接触した状態で側面パネル4に固定され、この状態で突出部32が前後方向に対して傾斜して後方へ延びる。突出部32は、キャビティとして機能する領域の側方を区画する。この変形例では、基部31と突出部32との間の設定角度によって突出部32(側方板状部材30)の傾斜角度θが決まるので、側方板状部材30を側面パネル4に固定する際にその傾斜角度を調整する必要がなく、側方板状部材30の取付作業性が向上する。
図7に示す変形例2の側方板状部材33は、変形例1の突出部32に代えてその後端部が車幅方向内側に湾曲する突出部34を設けたものである。
図8に示す変形例3の側方板状部材35は、押出成形や射出成形によって形成された中実または中空の樹脂材等からなり、後方に向かって先細りし、先端部が湾曲状に形成されている。
図9に示す変形例4の側方板状部材36は、変形例3の側方板状部材35の車幅方向内面に湾曲状の凹部37を設けたものである。
図10及び図11に示す変形例5の側方板状部材38は、変形例2の突出部34に、上下に並ぶ複数の凹部39を、それぞれ車幅方向内側へ膨出するように曲折形成したものである。各凹部39は、車両前後方向に延びる円弧状断面を有し、乱流の発生を促進する。
図12及び図13に示す変形例6の側方板状部材40は、変形例2の突出部34に、上下に並ぶ複数の凸部41を、それぞれ車幅方向外側へ膨出するように曲折形成したものである。各凸部41は、車両前後方向に延びる円弧状断面を有し、ボルテックスジェネレータのように機能して乱流の発生を促進する。
次に、本発明の第2実施形態について、図14〜図16を参照して説明する。
本実施形態は、第1実施形態の構造にカバー部材50とコイルバネ(付勢手段)51とを設けたものであり、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
カバー部材50は、切り欠き部よりも大きい寸法形状を有する板体であり、側方板状部材20の車幅方向外側に配置される。カバー部材50は、切り欠き部21を車幅方向外側から覆うカバー位置と切り欠き部21を開放する待避位置との間で移動可能なように、その前端部50aが軸部52を介して側方板状部材20に回転自在に支持されている。コイルバネ51は、軸部52に外装されてカバー部材50をカバー位置に付勢する。コイルバネ51によって付勢されたカバー部材50は、その上端部及び下端部が切り欠き部21の上縁近傍及び下縁近傍で側方板状部材20の外面と当接することにより、カバー位置に保持される。
カバー部材50は、扉部材6が荷室7の後方を閉止した状態で、コイルバネ51の付勢力によってカバー位置に保持され、扉部材6の開移動時において、扉部材6又は稼働側部材の少なくとも一方(本実施形態では稼働側部材)に押圧され、コイルバネ51の付勢力に抗して待避位置へ向かって移動する。
本実施形態によれば、扉部材6を閉じた状態では、カバー位置に保持されたカバー部材50によって切り欠き部21が覆われるので、車両走行時において、キャビティとして機能する領域に対して切り欠き部21から走行風が流入することがなく、空気抵抗の低減効果をさらに高めることができる。
また、扉部材6を開移動させると、稼働側部材がカバー部材50の後端部50bを車幅方向外側へ押圧し、コイルバネ51の付勢力に抗してカバー部材50が待避位置へ向かって回転移動する。従って、扉部材6を、側方板状部材20を超えて側面パネル4の外面に向けて展開することができ、荷室後方からの積荷の入出作業に支障が生じることがない。
なお、側方板状部材20によるカバー部材50の支持は、上記に限定されるものではない。例えば、切り欠き部21を覆うカバー位置から前方へ移動して切り欠き部21を開放するように、カバー部材50を側方板状部材20の外面に沿って前後方向にスライド自在に支持してもよい。
以上、本発明者を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
本発明は、車両の箱型荷台に広く適用可能である。
1 車両(トラック)
3 箱型荷台
4 側面パネル
5 天井パネル
6 扉部材
7 荷室
10 ヒンジ
11 固定側部材
12 可動側部材
13 回転軸
20、30、33、35、36、38、40 側方板状部材
21 切り欠き部
22 上方板状部材
50 カバー部材
51 コイルバネ(付勢手段)
θ 側方板状部材の傾斜角度

Claims (3)

  1. トラックのキャブの後方に配置され、車幅方向両側で相対向して起立して荷室の側方を区画する左右一対の側面パネルと、これら一対の側面パネルの上縁同士を連結して前記荷室の上方を区画する天井パネルと、それぞれが前記一対の側面パネルの後端部にヒンジを介して回転自在に連結されて前記荷室の後方を開閉する左右の扉部材とを有する箱型荷台の後部構造であって、
    前記一対の側面パネルの後端縁の上下方向の略全域からそれぞれ車幅方向内側斜め後方へ向かって延びる左右の側方板状部材と、
    前記天井パネルの後端縁の車幅方向の略全域から斜め後下方へ向かって延びる上方板状部材と、を備え、
    前記ヒンジは、前記側面パネルに固定されて後方へ延びる固定側部材と、前記扉部材に固定されて車幅方向外側へ延びる可動側部材と、前記側面パネルの後端縁よりも後方に配置されて前記固定側部材の後端部と前記可動側部材の車幅方向外端部とを回転自在に連結する回転軸とを有し、
    前記側方板状部材は、前記ヒンジとの干渉を回避して前記扉部材の開閉移動を許容する切り欠き部を有し、
    前記側方板状部材の後端縁は、前記扉部材の車幅方向外端縁の開閉移動軌跡の前方近傍に設定され、
    前記上方板状部材の後端縁は、前記扉部材の上端縁の開閉移動軌跡の上方に設定され、
    前記一対の側方板状部材と前記上方板状部材と前記荷室の後方を閉止した状態の前記扉部材とにより区画される領域は、車両走行時における前記箱型荷台の後方での負圧の発生を抑制するキャビティとして機能する
    ことを特徴とする箱型荷台の後部構造。
  2. 請求項1に記載の箱型荷台の後部構造であって、
    前記切り欠き部を覆うカバー位置と前記切り欠き部を開放する待避位置との間を移動自在なカバー部材と、
    前記カバー部材を前記カバー位置に付勢する付勢手段と、を備え、
    前記カバー部材は、前記扉部材が前記荷室の後方を閉止した状態で、前記付勢手段の付勢力によって前記カバー位置に保持され、前記扉部材の開移動時において、該扉部材又は前記稼働側部材の少なくとも一方に押圧され、前記付勢手段の付勢力に抗して前記待避位置へ向かって移動する
    ことを特徴とする箱型荷台の後部構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の箱型荷台の後部構造であって、
    前後方向に対する前記側方板状部材の車幅方向内側への傾斜角度は、10度以上15度以下の範囲に設定されている
    ことを特徴とする箱型荷台の後部構造。
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