JP2011145240A - 半導体製造装置における測温素子取り付け構造 - Google Patents

半導体製造装置における測温素子取り付け構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 急速加熱可能であって且つウエハ載置面での均熱性に優れている上、高精度でレスポンスの良い温度制御が可能なウエハ加熱装置を提供する。
【解決手段】 このウエハ加熱装置は、一方の面にウエハ載置面10aを有すると共に他方の面に抵抗発熱体20を有する均熱プレート10と、該均熱プレート10の温度を測定する測温抵抗体素子30とを備えている。均熱プレート10は、他方の面側に測温抵抗体素子30を埋設する掘り込み部11及び該掘り込み部11を覆う蓋プレート13を備えており、測温抵抗体素子30は掘り込み部11の底面11aに密着して埋設されている。蓋プレート13の下面にも少なくとも部分的に抵抗発熱体20の回路が形成されているのが好ましい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、測温抵抗体素子が取り付けられたウエハ加熱装置、およびそれが搭載された半導体製造装置に関する。
CVD装置、プラズマCVD装置等の半導体製造装置においては、加熱状態の半導体ウエハに対してエッチングや皮膜形成などの処理が施される。その際、ウエハを均一に加熱することによって、より高品質の半導体製品が得られるので、一般に熱伝導率の高い金属やセラミックス等からなる円板形状の部材の一方の面にウエハ載置面を設ける共に、他方の面に抵抗発熱体を設けたウエハ加熱装置が使用されている。
かかる構造のウエハ加熱装置には、一般に熱電対や測温抵抗体等の測温素子が取り付けられており、この測温素子で測定した温度に基づいて抵抗発熱体に印加する電圧や電流を調節することによって、ウエハ加熱装置の温度制御が行われている。この温度制御は、ウエハ加熱装置における測温素子の取り付け構造の影響を受けることがあり、例えば精度やレスポンスの良し悪しが取り付け構造の影響を受けることがあった。このため、測温素子の取り付け構造には従来から様々な工夫がなされている。
例えば、特許文献1には、ウエハ載置面を有するサセプタ等の被加熱体において、ウエハ載置面とは反対側の面に有底の穴を設けると共に、該被加熱体を収容するチャンバにおける上記有底の穴に対応する位置にベローズを設け、このベローズの付勢力によって熱電対の先端部を該有底の穴の底面に押し当てる構造が開示されている。かかる構造により、高精度で安定した温度測定が可能になることが記載されている。
また、特許文献2には、熱電対を保持するシース等の保持部材をサセプタ等の被加熱体に設けた有底の穴に螺合させると共に、熱電対の先端部を当該保持部材から露出させて被加熱体に直接接触させる構造が開示されており、これにより、測温時間を短縮できることが記載されている。
特開2009−042070号公報 特開2004−132702号公報
近年、半導体製造装置において作製する半導体製品の歩留まり向上に対する要求が厳しくなってきており、これに伴いウエハ加熱装置のウエハ載置面での温度管理も厳しくなってきている。すなわち、ウエハ載置面での均熱性を維持しつつ高精度でレスポンスの良い温度制御が可能なウエハ加熱装置がより一層重要になってきている。また、スループットを向上させるべく、急速加熱が可能なウエハ加熱装置も要望されている。
しかしながら、上記した特許文献1や特許文献2に記載されているウエハ加熱装置では、被加熱体に設けた有底の穴に測温素子の先端部が挿入された構造であるため、当該穴を設けた部分には抵抗発熱体を設けることができず、この部分がいわゆるクールスポットとなってウエハ載置面での均熱性が悪化する原因となっていた。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、急速加熱が可能であって且つウエハ載置面での均熱性に優れている上、高精度でレスポンスの良い温度制御を行い得るウエハ加熱装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明が提供するウエハ加熱装置は、一方の面にウエハ載置面を有すると共に他方の面に抵抗発熱体の回路を具備した均熱プレートと、該均熱プレートの温度を測定する測温抵抗体素子とを備えており、前記均熱プレートは前記他方の面側に前記測温抵抗体素子を埋設する掘り込み部および該掘り込み部を覆う蓋プレートを備えており、前記測温抵抗体素子は前記掘り込み部の底面に密着して埋設されていることを特徴としている。
本発明によれば、急速加熱が可能であって且つウエハ載置面での均熱性に優れている上、高精度でレスポンスの良い温度制御を行い得るウエハ加熱装置を提供することができる。
本発明のウエハ加熱装置の第1の実施形態を示す概略の断面図である。 本発明のウエハ加熱装置における測温抵抗体素子の取り付け構造の一具体例を示す部分拡大断面図である。 本発明のウエハ加熱装置における測温抵抗体素子の取り付け構造の他の具体例を示す部分拡大断面図である。 本発明のウエハ加熱装置の第2の実施形態を示す部分拡大断面図である。 実施例の試料A1及びB1、並びにA2及びB2のウエハ加熱装置における測温抵抗体素子の取り付け構造をそれぞれ示す部分拡大断面図である。 実施例の試料A3及びB3、並びにA4及びB4のウエハ加熱装置における測温抵抗体素子の取り付け構造をそれぞれ示す部分拡大断面図である。 実施例の試料A5及びB5、並びにA6及びB6のウエハ加熱装置における測温抵抗体素子の取り付け構造をそれぞれ示す部分拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明のウエハ加熱装置を具体的に説明する。図1は本発明の第1の実施形態のウエハ加熱装置である。図1に示すように、本発明の第1の実施形態のウエハ加熱装置は、平板状の均熱プレート10を有している。この均熱プレート10は、熱伝導率の高い材料である例えばCuなどの金属やAlNなどのセラミックで形成されていることが好ましい。
均熱プレート10の上面はウエハ載置面10aになっており、ここにウエハWが載置されてエッチングや皮膜形成等の処理が施される。均熱プレート10の下面、即ちウエハ載置面10aとは反対側の面には抵抗発熱体20が形成されている。抵抗発熱体20には給電用のリード線(図示せず)が接続されており、このリード線を介して抵抗発熱体20に給電することによって抵抗発熱体20が発熱し、これによりウエハ載置面10aに載置したウエハWを加熱することができる。
均熱プレート10は、1つ以上の測温抵抗体素子30を有している。この測温抵抗体素子30によって均熱プレート10の温度が測定され、測定された温度に基づいて抵抗発熱体20への例えば通電量が調節される。尚、図1には4つの測温抵抗体素子30が例示されているが、測温抵抗体素子30の個数はこれに限定するものではない。
次に、測温抵抗体素子30が均熱プレート10に取り付けられている構造について、より詳細に説明する。図2は、図1に示した4つの測温抵抗体素子30の内の任意の1つについての取り付け構造を示す部分拡大断面図である。この図2に示すように、均熱プレート10はそのウエハ載置面10aとは反対側の面に、測温抵抗体素子30の全体を埋設することが可能な掘り込み部11を有している。
掘り込み部11の大きさはできるだけ小さいことが好ましい。具体的には、掘り込み部11を均熱プレート10の下側から見たとき、測温抵抗体素子30の外形と略一致する形状に掘り込まれていることが好ましい。これにより、測温抵抗体素子30と均熱プレート10との密着度が増し、均熱プレート10の温度を正確且つ迅速に測定することができる。また、ウエハ載置面10aでの均熱性の低下を抑えることができる上、クールスポットの大きさを最小限に留めることができる。
掘り込み部11の底部の形状は、図2に示すように、ウエハ載置面10aに垂直な断面において深さ一定の矩形形状であることが好ましい。これにより、掘り込み部11内に測温抵抗体素子30を埋設したとき、その長手方向が均熱プレート10のウエハ載置面10aに対して略平行となるので、測温抵抗体素子30が埋設されている領域において、均熱プレート10の厚み方向に占める掘り込み部11の割合を最小限に留めることができる。その結果、均熱プレート10の厚みを厚くすることなく測温抵抗体素子30の全体を埋設することができ、均熱プレート10を高速に昇温及び冷却することが可能となる。
測温抵抗体素子30の固定方法としては、掘り込み部11の底面や内壁に塗布された接着剤によって均熱プレート10に固定してもよいし、ネジ等の結合手段を用いて均熱プレート10に固定してもよい。また、後述する蓋プレート13と掘り込み部11の底面とによって挟持することによって固定してもよい。
ところで一般的な測温抵抗体素子30は、図2に示すように、長尺状の本体部分31と、その一端部から突出する検知部分32とから構成されており、検知部分32の厚みは本体部分31に比べて薄く形成されている。かかる構造の測温抵抗体素子30を、上記した深さ一定の矩形形状の掘り込み部11に埋設した場合は、検知部分32が掘り込み部11の底面11aから離間し、均熱プレート10の温度を正確且つ迅速に検出できなくなるおそれがある。
この問題は、熱伝導率の高い充填剤12を検知部分32と掘り込み部11の底面11aとの間の隙間に充填することで対処することができる。あるいは、金属やセラミック等の熱伝導率の高い板状部材をスペーサーとして上記隙間に挟み込んでもよい。
更に、図3に示すように、埋設されたときに測温抵抗体素子30の外形に略一致するように、掘り込み部11の底部に段差11bを形成してもよい。これにより、測温抵抗体素子30の検知部分32を均熱プレート10に確実に密着させることができるので、温度をより正確且つ迅速に検知することができる。尚、段差11b部分と検知部分32との互いに対向する面同士は、できるだけ広範囲に亘って当接可能な形状になっていることが望ましい。例えば、検知部分32の対向部分が平坦な形状である場合は、これに対向する段差11bの対向部分も平坦な形状であることが好ましい。
掘り込み部11の開口部は、蓋プレート13によって蓋がされている。これにより、掘り込み部11の底面11aに沿って設けられた測温抵抗体素子30は、蓋プレート13によって覆われる。この蓋プレート13は、掘り込み部11の開口部に嵌合可能な平板形状を有しているのが好ましい。具体的には、掘り込み部11の開口部に嵌め込まれた状態の蓋プレート13を均熱プレート10の下側から見たとき、後述するリード線40用の孔を除いて上記掘り込み部11の開口部を隙間なく塞ぐ形状を有しているのが好ましい。これにより、測温抵抗体素子30が埋設されている領域でのウエハ載置面10aの均熱性の低下及びクールスポットの発生をより一層抑えることができる。
更に、蓋プレート13は、測温抵抗体素子30を覆うように掘り込み部11の開口部に嵌め込んだときに、蓋プレート13の下面、即ち掘り込み部11に対向する面とは反対側の面が、均熱プレート10の下面と略同一平面上にあることが好ましい。これにより、後述する蓋プレート13の下面の抵抗発熱体20の形成が容易になる上、それを覆う背面板の設置も容易になる。尚、蓋プレート13の材質は特に限定するものではないが、均熱性の観点から均熱プレート10と同等のものであることが好ましい。
測温抵抗体素子30には、一般に検知部分32が突出する端部とは反対側の端部に、検知部分32で測定した信号を出力するリード線40が接続されている。このリード線40を通すため、蓋プレート13には貫通孔若しくは切り欠きを設けるのが好ましい。図2には、蓋プレート13に設けられた切り欠きを経て均熱プレート10の外部にリード線40が延出している様子が示されている。
蓋プレート13を均熱プレート10に固定する方法は特に限定するものではなく、例えばネジなどの機械的手段や接着剤などの化学的手段を用いて均熱プレート10若しくは測温抵抗体素子30、又はそれら両方に固定することができる。蓋プレート13の形状は前述したように所定の厚みを有する平板形状であってもよいが、この場合は、前述した一定深さの矩形形状の掘り込み部11のときと同様に、測温抵抗体素子30の形状如何によっては蓋プレート13と検知部分32との間が離間し、正確且つ迅速に温度を検知できなくなる場合が生じ得る。
この場合も前述した矩形形状の掘り込み部11と同様に、熱伝導率の高い充填剤12を検知部分32と蓋プレート13との間の隙間に充填したり、該隙間にスペーサーとして熱伝導率の高い板状部材を挟み込んだりしてもよい。あるいは、図3に示すように、測温抵抗体素子30の外形に略一致するように、蓋プレート13において掘り込み部11に対向する面側に段差13aを形成してもよい。
蓋プレート13には、その下面、即ち掘り込み部11に対向する面の反対側の面にも部分的若しくは全体的に抵抗発熱体20の回路を形成するのが好ましい。部分的に形成する場合は、特に、検知部分32の下方部分に抵抗発熱体20の回路を形成するのが好ましい。これによりクールスポットが生じにくくなる上、ウエハ載置面10aでの均熱性をより一層高めることができる。更に、蓋プレート13の下面に抵抗発熱体20の回路を形成することにより、高精度でレスポンスのよい制御を行うことができる。
次に、図4を参照しながら本発明の第2の実施形態のウエハ加熱装置を説明する。この第2の実施形態のウエハ加熱装置は、均熱プレート10の下側、即ちウエハ載置面10aの反対側に、抵抗発熱体20を覆うように背面板50が設けられていることを特徴としている。背面板50の固定方法は特に限定するものでなく、ネジ止め、真空吸着、接着剤などの一般的な結合手段を用いて均熱プレート10に固定することができる。
背面板50の材質にはCuなどの金属やAlNなどのセラミックを使用することができるが、均熱プレート10の材質とは異なるものにするのが望ましい。例えば、均熱プレート10をCu等の金属で形成し、背面板50をAlN、Si−SiC、Al−SiC等のヤング率の高いセラミックで形成するのが望ましい。これにより、ウエハ載置面での均熱性の役割及び剛性の役割をそれぞれの部材に担わせることが可能となり、高い均熱性と高剛性とを兼ね備えたウエハ加熱装置を作製することができる。
このように均熱プレート10の下側に背面板50を設けることにより、抵抗発熱体20を均熱プレート10と背面板50とによって挟み込むことが可能となるので、抵抗発熱体20で発熱した熱をより効率的に均熱プレート10に行き渡らせることができる。尚、図4では、蓋プレート13の下面にも部分的に抵抗発熱体20の回路が形成されているため、背面板50は当該蓋プレート13の下面に形成されている当該抵抗発熱体20をも覆う形状を有している。これに対して、蓋プレート13の下面に抵抗発熱体20の回路が形成されていない場合は、背面板50は蓋プレート13の下面を全面的に露出させる形状を有してもよい。
以上説明した測温抵抗体素子の取り付け構造を有するウエハ加熱装置は、CVD装置、プラズマCVD装置等の半導体製造装置に搭載され、処理されるウエハを均一に加熱する載置台としての役割を担う。その際、急速加熱が可能であって且つウエハ載置面での均熱性に優れている上、高精度でレスポンスの良い温度制御を行うことができるので、高品質の半導体製品を高いスループットで製造することが可能となる。
特に、上記にて説明した測温抵抗体素子の取り付け構造を採用することにより測温抵抗体素子の下方、とりわけ温度検出の際に一番影響を受けやすい検知部分の真下に抵抗発熱体を設けることができるので、制御の精度及びレスポンスに極めて優れ且つウエハ載置面での均熱性に優れたウエハ加熱装置を提供することができる。また、従来、測温抵抗体素子等の測温素子を均熱プレートに設置する場合に問題となっていた、設置部分の下部に抵抗発熱体を備えることが出来ないことに起因する当該部分でのクールスポットの問題も解消することができる。
以上、本発明のウエハ加熱装置、およびこれを備えた半導体製造装置について具体例を挙げて説明したが、本発明は係る具体例に限定されるものではなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲の種々の態様で実施可能である。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲およびその均等物に及ぶものである。
[実施例1]
図5〜図7に示すように、測温抵抗体素子の取り付け構造がそれぞれ異なる試料A1〜A6のウエハ加熱装置を作製し、それらの均熱性及び制御性能について試験した。具体的には、均熱プレートとして厚み3mm、直径320mmのCu製プレートを用意し、その下面側に、幅4mm、長さ10mm、深さ2.3mmの段差のない一定深さの矩形形状の掘り込み部を設け、その底面に密着するように、測温抵抗体素子(JIS規格、PT100)を設置した。掘り込み部と測温抵抗体素子との間に生じた隙間には、充填剤(東レ製、型番:SE1714BK)を充填した。
次に、蓋プレートとして、Cu製の厚み0.7mmの平板を上記掘り込み部の開口部分に嵌合する形状に加工した。これを掘り込み部に嵌め込んで測温抵抗体素子を覆った。尚、蓋プレートは上記したものと同じ充填剤を用いて均熱プレートに固定した。また、蓋プレートと測温抵抗体素子との間に生じる隙間にも、上記したものと同じ充填剤を用いて充填した。
更に、均熱プレートの下面の掘り込み部以外の領域に、ステンレス箔からなる抵抗発熱体をポリイミド箔で挟み込んでなる回路を形成した。このようにして、図5(a)に示す試料A1のウエハ加熱装置を作製した。
試料A2のウエハ加熱装置は、図5(b)に示すように、蓋プレートの下面において測温抵抗体素子の検知部分の下方に位置する部分にも抵抗発熱体の回路を形成した以外は上記試料A1と同様にして作製した。また、試料A3及びA4のウエハ加熱装置は、それぞれ図6(a)及び(b)に示すように、均熱プレートの下面側に、抵抗発熱体の回路を覆うように背面板を設けた以外はそれぞれ試料A1及びA2と同様にして作製した。
尚、これら背面板には厚み3mm、直径320mmのSi−SiC製の平板を用いた。また、試料A3の背面板は蓋プレートの下面が全面的に露出するように加工し、試料A4の背面板は蓋プレートの下面のうち、抵抗発熱体の回路が形成されていない部分だけが露出するように加工した。更に、これら背面板はそれぞれネジ止めによって均熱プレートの下面側に機械的に接合した。
試料A5及びA6のウエハ加熱装置は、それぞれ図7(a)及び(b)に示すように、掘り込み部の底面及び蓋プレートの上面に、測温抵抗体素子の検知部分に当接するように、共に高さ0.5mmの段差を設けた以外はそれぞれ試料A3及びA4と同様にして作製した。
これら試料A1〜A6のウエハ加熱装置に対して、それぞれ測温抵抗体素子からの出力値に応じて抵抗発熱体に給電する電気量が自動的に調節されるように制御ループを組み、以下の方法で制御のレスポンス及びウエハ載置面での均熱性について試験した。尚、外気の気流等の外乱の影響を抑えるため、各ウエハ加熱装置は全体を厚さ1mmのSUS板で覆った。
先ず、制御系の設定温度を130℃に設定し、ウエハ加熱装置の抵抗発熱体に給電して均熱プレートを加熱した。測温抵抗体素子で測定した温度が130℃で安定していることを確認した後、ウエハ載置面において測温抵抗体素子が埋設されている直径300mmのゾーン内での温度分布を65点ウエハ温度計を用いて測定した。測定後、ウエハ載置面に12インチのシリコンウエハを載置し、測温抵抗体素子で測定した温度の経時変化を記録した。
これら試験の結果を下記の表1に示す。ここで、リカバリー時のオーバーシュート量とは、ウエハ載置面にウエハを載置した後の設定温度130℃からの最大振れ幅をいう。また、ウエハ載置後のリカバリー時間とは、ウエハ載置面にウエハを載置してから再び130℃で安定するまでに要した時間をいう。また、温度分布とは、上記ゾーン内の複数箇所で測定した温度の内の最高温度と最低温度との差をいう。
Figure 2011145240
[実施例2]
均熱プレート及び蓋プレートの材質をCuに代えてAlとし、背面板の材質をSi−SiCに代えてAlNにした以外は実施例1と同様にして、試料B1〜B6のウエハ加熱装置を作製した。これら試料B1〜B6のウエハ加熱装置に対して、実施例1と同様の試験を行った。その試験結果を下記の表2に示す。
Figure 2011145240
上記表1の試料A1とA2、試料A3とA4、及び試料A5とA6、並びに上記表2の試料B1とB2、試料B3とB4、及び試料B5とB6をそれぞれ比較して分かるように、測温抵抗体素子の検知部分のほぼ真下に位置する部分に抵抗発熱体を設けることにより、リカバリー時のオーバーシュート量及びウエハ載置後のリカバリー時間を抑制することができた。更により高い均熱性を得ることができた。また、上記表1の試料A1とA3、及び試料A2とA4、並びに上記表2の試料B1とB3、及び試料B2とB4をそれぞれ比較して分かるように、背面板を設けることにより、いわゆるヒートスプレッダー効果が得られ、ウエハ載置面での均熱性により良い影響があることが確認された。更に、ウエハ載置後のリカバリー時間も短くすることができた。
更に、上記表1の試料A3とA5、及び試料A4とA6、並びに上記表2の試料B3とB5、及び試料B4とB6をそれぞれ比較して分かるように、測温抵抗体素子を埋設する掘り込み部及び蓋プレートに段差を設けることによって、制御のレスポンスが向上した。これは、検知部分を両段差部分で確実に挟み込むことによって、検知部分へ伝熱する際の伝熱抵抗が減少し、均熱プレートの温度をより正確且つ迅速に検知することが可能になるためと考えられる。また、均熱性における優位性も確認された上、ウエハ載置後のリカバリー時間も短縮することが可能となり、ウエハの温度の均熱性及び制御性能に大きく寄与する結果が得られることが分かった。
10 均熱プレート
10a ウエハ載置面
11 掘り込み部
11a 掘り込み部の底面
11b 掘り込み部の段差
12 充填剤
13 蓋プレート
13a 蓋プレートの段差
20 抵抗発熱体
30 測温抵抗体素子
31 本体部分
32 検知部分
40 リード線
50 背面板
W ウエハ

Claims (5)

  1. 一方の面にウエハ載置面を有すると共に他方の面に抵抗発熱体の回路を具備した均熱プレートと、該均熱プレートの温度を測定する測温抵抗体素子とを備えたウエハ加熱装置であって、前記均熱プレートは前記他方の面側に前記測温抵抗体素子を埋設する掘り込み部及び該掘り込み部を覆う蓋プレートを備えており、
    前記測温抵抗体素子は前記掘り込み部の底面に密着して埋設されていることを特徴とするウエハ加熱装置。
  2. 前記蓋プレートは、前記掘り込み部に対向する面の反対側の面の少なくとも一部に前記抵抗発熱体の回路の一部が存在していることを特徴とする、請求項1に記載のウエハ加熱装置。
  3. 前記測温抵抗体素子は、その長手方向が前記ウエハ載置面に対して略平行となるように前記掘り込み部に埋設されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のウエハ加熱装置。
  4. 前記抵抗発熱体の回路を覆う背面板が、前記均熱プレートの前記他方の面側に更に設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のウエハ加熱装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のウエハ加熱装置を備えたことを特徴とする半導体製造装置。
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