JP2011144362A - 洗剤粒子群の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】含水率の高い界面活性剤組成物を用いても乾燥工程が不要であり、粒子成長を抑制した、粒径分布がシャープでかつ溶解性等の粉末特性の良好な洗剤粒子群の製造方法を提供すること。
【解決手段】工程(B):アニオン界面活性剤ペーストとアルキルグリセリルエーテルとを混合してアニオン界面活性剤組成物を調製する工程、及び工程(C):工程(B)で調製されたアニオン界面活性剤組成物と、吸油能が0.2mL/g以上のベース顆粒群とを混合して洗剤粒子群を調製する工程、を含む、洗剤粒子群の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、洗剤粒子群の製造方法及びその製造方法により得られた洗剤粒子群に関する。
洗剤粒子群の製法の1つとして、粉末状物質と液状界面活性剤組成物を混合する製法が挙げられる。中でも、アニオン界面活性剤をペーストの状態で使用する方法について、これまでに種々開示されている。
例えば、特許文献1には、アルキルエーテル硫酸塩のペーストをシリカ又はシリケートに吸油させ、造粒、乾燥する、顆粒状の洗剤組成物の製造方法が開示されている。このような製造方法には、陰イオン性界面活性剤の高配合が可能であるという利点があるものの、このような顆粒状の洗剤組成物の製造を容易にするためには、シリカ又はシリケートといった吸油担体が必要であり、更には、造粒工程の後に前記ペーストに含有される水分を除去するために乾燥工程を必要としている。
また特許文献2には、噴霧乾燥により製造された、水溶性無機塩を含有した担持能が20mL/100g以上のベース顆粒とアルキル硫酸塩のペーストとを混合し、表面改質する製造方法が開示されている。しかしながら、このような製造法の場合、凝集物が多く、粒子成長度の観点からも不満が残るものであった。また、この課題はポリオキシエチレンアルキルエーテルを加えることで改善するものの、大量に配合する必要があり、組成フレキシビリティの観点から不満が残るものであった。
国際公開第0031223号パンフレット 特開2006−137925号
本発明の課題は、含水率の高い界面活性剤組成物を用いても乾燥工程が不要であり、粒子成長を抑制した、粒径分布がシャープでかつ溶解性等の粉末特性の良好な洗剤粒子群の製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、
〔1〕次の工程:
工程(B):アニオン界面活性剤ペーストとアルキルグリセリルエーテルとを混合してアニオン界面活性剤組成物を調製する工程、及び
工程(C):工程(B)で調製されたアニオン界面活性剤組成物と、吸油能が0.2mL/g以上のベース顆粒群とを混合して洗剤粒子群を調製する工程、
を含む、洗剤粒子群の製造方法;並びに
〔2〕前記〔1〕に記載の製造方法によって得られた洗剤粒子群;に関するものである。
本発明の洗剤粒子群の製造方法を使用することにより、アニオン界面活性剤組成物と、吸油能が0.2mL/g以上のベース顆粒群との混合後に水分を除去する乾燥工程を必要とせずに、粒子成長が抑制された、粒径分布がシャープで、溶解性が高く、更に洗浄効果の高い洗剤粒子群を製造することができるという効果が奏される。粒子成長を抑制し、粒度分布をシャープにすることによって、外観の向上だけでなく、溶解性に優れた洗剤を得ることができる。さらに、ベース顆粒群の粗粒率の違いに関わらず、製造される洗剤粒子群の粗粒率を抑制することができる。
本発明の洗剤粒子群の製造方法は、前記のように、
工程(B):アニオン界面活性剤ペーストとアルキルグリセリルエーテルとを混合してアニオン界面活性剤組成物を調製する工程、
工程(C):工程(B)で調製されたアニオン界面活性剤組成物と、吸油能が0.2mL/g以上のベース顆粒群とを混合して洗剤粒子群を調製する工程、
を含むことを一つの大きな特徴とする。以下、本発明の製造方法について更に詳しく説明する。
<工程(B)>
工程(B)は、アニオン界面活性剤ペーストとアルキルグリセリルエーテルとを混合してアニオン界面活性剤組成物を調製する工程である。本明細書において、アニオン界面活性剤ペーストとは、アニオン界面活性剤と水との混合物のことである。アニオン界面活性剤ペースト中の水の含有量は好ましくは15〜50重量%であり、より好ましくは25%〜45重量%であり、さらに好ましくは25〜40重量%である。なお、本明細書に記載の各成分の含有量及び配合量の%表示は、別に規定のない限り重量%のことである。
本工程において用いられるアニオン界面活性剤としては、一般に、衣料用洗剤、野菜・食器洗い洗剤や毛髪・皮膚洗浄剤等に使われるものを使用することができる。例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルまたはヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシル化タウリン、N−アシル化メチルタウリン、N−アシル化グリシン、N−アシル化アスパラギン酸、N−アシル化ザルコシン、N−アシル化グルタミン酸、高級脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、アルキルアミドエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸モノグリセライド硫酸エステル塩及びアルキルイミノジカルボン酸塩等が挙げられる。かかるアニオン界面活性剤としては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。
かかるアニオン界面活性剤の中で、好ましいアニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩及びポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等である。顕著な効果が得られる点で、アルキル硫酸塩がより好ましい。
本工程において調製されるアニオン界面活性剤組成物中のアニオン界面活性剤の含有量は好ましくは40〜80重量%であり、より好ましくは45〜75重量%であり、更に好ましくは50〜70重量%である。
本工程に用いられるアルキルグリセリルエーテルは、以下の一般式(3):
R−OCH2−CHOH−CH2OH (3)
(式中、Rは炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を示す。)で表すことが出来る。
このアルキルグリセリルエーテルとアニオン界面活性剤ペーストとを混合することによって得られるアニオン界面活性剤組成物を使用することによって、凝集物が少なく、粒子成長度の小さな洗剤粒子群を得ることが出来る。
一般式(3)において、Rは炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基であり、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数6〜18のアルキル基が好ましく、炭素数8〜12のアルキル基がより好ましい。具体的には、Rとしては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の直鎖アルキル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘプチル基、2−メチルノニル基、2−オクチルデシル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、イソデシル基、イソステアリル基等の分岐鎖アルキル基、オレイル基等のアルケニル基が挙げられる。
本工程におけるアルキルグリセリルエーテルの配合量としては、アニオン界面活性剤ペースト中のアニオン界面活性剤100重量部に対して10〜40重量部が好ましく、15〜40重量部がより好ましく、20〜40重量部が更に好ましい。本発明の洗剤粒子群の粒子成長度の観点から、当該配合量は10重量部以上が好ましく、ベース顆粒群に担持可能なアニオン界面活性剤の有効分及びアルキルグリセリルエーテルのコストの観点から、当該配合量は40重量部以下が好ましい。
本工程のアニオン界面活性剤組成物は、所定量のアニオン界面活性剤ペースト、所定量のアルキルグリセリルエーテルを混合することによって調製することができる。必要に応じて、これらの成分以外の成分を添加してもよい。
本工程のアニオン界面活性剤組成物の粘度は特に限定されないが、MCR300(PHYSICA Messtechnik GmbH製)にて温度50℃、せん断速度10[1/s]の条件で当該界面活性剤組成物を測定した場合、ベース顆粒群と混合して洗剤粒子群を調製する工程でのハンドリング性の観点から、0.01〜20Pa・sの範囲が好ましく、0.05〜15Pa・sの範囲がより好ましい。
アニオン界面活性剤組成物を調製する具体的な操作としては、例えば、所定量のアニオン界面活性剤ペースト、所定量のアルキルグリセリルエーテルを混合する操作が挙げられる。必要に応じて、これらの成分以外の成分を添加して混合してもよい。用いる混合機としては、洗剤分野で一般的に用いられている混合機を使用することができ、混合時の条件としては、洗剤分野で一般的に採用されている条件を採用することができる。
<工程(C)>
工程(C)は、上記の工程(B)で調製されたアニオン界面活性剤組成物と、吸油能が0.2mL/g以上のベース顆粒群とを混合して洗剤粒子群を調製する工程である。
工程(C)で用いられるベース顆粒群としては、界面活性剤を担持することができる顆粒群が挙げられる。より具体的には、次のような噴霧乾燥ベース顆粒群(a)及び非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)が挙げられる。
〔噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の調製:工程(A−1)〕
噴霧乾燥ベース顆粒群(a)は水溶性無機塩を含有するスラリーを噴霧乾燥することによって得られる顆粒群である。例えば次の成分を含有するスラリーを噴霧乾燥することによって、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)を調製することができる。
水溶性無機塩としては特に限定されないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム及び塩化ナトリウム等が好ましい水溶性無機塩である。かかる水溶性無機塩としては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。
水溶性無機塩に加えて、更に次のような成分を用いることができる。例えば、一般的に衣料用洗剤に用いられるビルダー、例えば、ゼオライト、クエン酸塩及びトリポリリン酸ナトリウム等の金属イオン封鎖剤、結晶性ケイ酸塩等の金属イオン封鎖能・アルカリ能をいずれも有する成分、アクリル酸ポリマー、アクリル酸マレイン酸コポリマー及びカルボキシルメチルセルロース等の再汚染防止剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
スラリー中の水分量としては特に限定されないが、例えば、当該スラリーの40〜60重量%が好ましい。スラリーを噴霧乾燥する際の条件(温度、噴霧乾燥装置、噴霧方法、乾燥方法等)は公知の条件であればよく、特に限定はない。上記の原料や条件を採用することによって、所定の吸油能を有するベース顆粒群を得ることができる。
〔噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の物性〕
噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の吸油能としては、0.2mL/g以上が好ましく、0.3mL/g以上がより好ましい。また、吸油能の好ましい上限値としては0.7mL/g以下である。この範囲においては、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)同士の凝集が抑制され、洗剤粒子群中の粒子の粒子成長を抑制するのに好適である。よって、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の吸油能は、上記と同様の観点から、0.2〜0.7mL/gが好ましく、0.3〜0.7mL/gがより好ましい。
噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の吸油能の測定法は、下記の通りである。内部に攪拌翼を備えた内径約5cm×深さ約15cmの円筒型混合槽に試料(噴霧乾燥ベース顆粒群(a))100gを入れる。350r/minで攪拌翼を攪拌させながら、25℃の亜麻仁油を約10mL/minの速度で投入し、攪拌動力の経時変化を測定する。攪拌動力が最も高くなった時の亜麻仁油の投入量を吸油能(mL/g)とする。
噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の嵩密度としては、200〜1000g/Lが好ましく、300〜1000g/Lがより好ましく、400〜1000g/Lが更に好ましく、500〜800g/Lがより好ましい。本明細書において、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の嵩密度は、別に規定のない限り、JIS K3362に規定された方法で測定する。
噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の平均粒径としては、140〜600μmが好ましく、150〜500μmがより好ましく、180〜300μmが更に好ましい。本明細書において、洗剤粒子群、ベース顆粒群等の平均粒径は、別に規定のない限り、JIS Z 8801に規定の篩を用いて次のようにして求める。
例えば、目開きが2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm及び125μmである9段の篩と受け皿を用意し、ロータップマシーン(株式会社田中化学機械製造所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付ける。100gの試料を10分間振動させて篩い分けを行った後、受け皿、125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの順番に受け皿及び各篩下の質量頻度を積算していく。積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをxjμmとし、それよりも一段小さい篩の目開きをxj+1μmとした時、受け皿からxjμmの篩までの質量頻度の積算をQj%、受け皿からxj+1μmの篩までの質量頻度の積算をQj+1%とした場合、平均粒径xaは、式(A)及び(B)によって求めることができる。
Figure 2011144362
噴霧乾燥ベース顆粒群(a)中の水分の測定は、次のような赤外線水分計法により行う。即ち、試料(噴霧乾燥ベース顆粒群(a))3gを重量既知の試料皿に計り採り、赤外線水分計(ケット科学研究所(株)製(赤外線ランプ185W))により3分間試料の加熱、乾燥を行う。乾燥後、試料皿と乾燥試料の重量を測定する。かかる操作により得られる乾燥前後の試料皿と試料の重量の差分を試料の計り採り量で除し、100を掛けることにより試料中の水分の量(%)を算出する。
噴霧乾燥ベース顆粒群(a)中の水溶性無機塩の含有量としては、洗浄性能及び噴霧乾燥前のスラリーのハンドリング性の観点から、当該顆粒群(a)の40〜90重量%が好ましく、50〜90重量%がより好ましく、55〜90重量%が更に好ましい。
〔非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)の調製:工程(A−2)〕
非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)は、容器回転式造粒機中で、吸油能0.4mL/g以上の洗剤用粉末原料に多流体ノズルを用いて結合剤を添加して造粒することによって得られる顆粒群である。洗剤用粉末原料としては、例えば、以下に示す粉末原料(「粉末原料(a)」とする)が挙げられる。
粉末原料(a)の例としては、重曹を焼成して作製したソーダ灰(例えばライト灰及びデンス灰)、芒硝、トリポリリン酸Naの水和物を乾燥して作成した多孔質粉末、粘土鉱物粉末等が挙げられる。ハンドリングの容易さ及び入手のし易さの観点から、ライト灰が好ましい。粉末原料(a)としては、一種類の成分を単独で用いてもよく、複数種の成分を併用してもよい。粉末原料(a)は通常、その内部に10μm以下の微細な細孔を有し、その細孔に界面活性剤を担持させることができる。
粘土鉱物粉末としては、例えば、タルク、パイロフィライト、スメクタイト(サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト等)、バーミキュライト、雲母(金雲母、黒雲母、チンワルド雲母、白雲母、パラゴナイト、セラドナイト、海緑石等)、緑泥石(クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、ドンバサイト等)、脆雲母(クリントナイト、マーガライト等)、スーライト、蛇紋石鉱物(アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイル、アメサイト、クロンステダイト、バーチェリン、グリーナライト、ガーニエライト等)、カオリン鉱物(カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等)等が挙げられる。
顆粒化の観点から、粘土鉱物粉末を除く粉末原料(a)の平均粒径としては10〜250μmが好ましく、50〜200μmがより好ましく、80〜200μmが更に好ましい。また粘土鉱物粉末の粒径は10〜100μmが好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下がより好ましい。また、溶解性の観点からは、粉末原料(a)は水溶性の物質であることが好ましい。
本工程において用いられる粉末原料(a)の吸油能とは、次の評価方法により決定される値である。
即ち、吸収量測定器(あさひ総研社製S410)に試料(粉末原料(a))を30〜35g投入し、駆動羽根を200r/mで回転させる。ここに液状のノニオン(花王(株)製エマルゲン108)を液供給速度4mL/minで滴下し、最大トルクとなる点を見極める。この最大トルクとなる点の70%のトルクとなる点での液添加量を試料投入量で除算し、吸油能とする。
なお、粉末原料(a)の吸油能の上限は特に限定されるものでないが、例えば1.0mL/g以下であることが望ましい。
非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)中の粉末原料(a)の含有量としては、吸油能の観点から、当該顆粒群(b)の40〜95重量%が好ましく、45〜90重量%がより好ましく、50〜85重量%が更に好ましく、50〜80重量%がより好ましい。
粉末原料(a)は、洗剤用粉末原料としてそれぞれ単独で用いてもよく、複数種を用いてもよい。
粉末原料(a)の他に、更に次のようなその他の成分を用いて非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)を得ることができる。具体的には、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の説明において言及した、一般的に衣料用洗剤に用いられるビルダー、再汚染防止剤及び蛍光増白剤等が挙げられる。
本工程において用いられる造粒方法としては、洗剤用粉末原料と結合剤とを容器回転式造粒機で造粒する方法が採用される。容器回転式造粒機としては、ドラム型混合機或いはパン型混合機が好ましい。ドラム型混合機としては、ドラム状の円筒が回転して処理を行うものであれば特に限定されるものではなく、水平又はわずかに傾斜させたドラム型混合機の他に円錐ドラム型造粒機(混合機)、多段円錐ドラム型造粒機(混合機)等も使用可能である。これらの装置はバッチ式、連続式いずれの方法においても用いることができる。
添加される結合剤としては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びそれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、水溶性セルロース誘導体(これらの誘導体としては、エーテル化合物等が挙げられる)、カルボン酸系ポリマー、澱粉、糖類等の有機系ポリマー、非晶質の珪酸塩等の無機ポリマー、高級脂肪酸、アルキルベンゼンスルホン酸、周知慣用技術集に記載されるような一般的な界面活性剤等が挙げられる。粘結性及び洗浄力の観点からは、水溶性セルロース誘導体、糖類及びカルボン酸系ポリマーが好ましく、アクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩、ポリアクリル酸塩がより好ましい。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。なお、カルボン酸系ポリマーの重量平均分子量としては、1000〜100000が好ましく、2000〜80000がより好ましい。
添加される結合剤は水溶液でもよい。水溶液で添加する場合の濃度については特に限定はされないが、非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)の造粒時の粒径は結合剤の体積によって大きく影響を受けるため、必要な結合剤の量と所望の顆粒群の粒径から濃度を決定すれば良い。例えば、水溶液で添加する場合における結合剤の成分の濃度としては、20〜80重量%が好ましい。
結合剤は多流体ノズルを用いて添加される。かかるノズルを用いることにより、結合剤の液滴を微細化して分散させることができる。多流体ノズルとは、液体と微粒化用気体(エアー、窒素等)を独立の流路を通してノズル先端部近傍まで流通させて混合・微粒化するノズルであり、2流体ノズルや3流体ノズル、4流体ノズル等を用いることができる。また、結合剤と微粒化用気体の混合部は、ノズル先端部内で混合する内部混合型、或いはノズル先端部外で混合する外部混合型のいずれであっても良い。
このような多流体ノズルとしては、スプレーイングシステムスジャパン(株)製、(株)共立合金製作所製、いけうち(株)製等の内部混合型2流体ノズル、スプレーイングシステムスジャパン(株)製、(株)共立合金製作所製、(株)アトマックス製等の外部混合型2流体ノズル、藤崎電機(株)製の外部混合型4流体ノズル等が挙げられる。
例えば、2流体ノズルを用いる場合、例えば、次の条件で結合剤を供給することが好ましい。微粒化用気体の流量の調整は、微粒化用気体の噴霧圧の調整により行うのが容易であり、結合剤の分散性の観点から、微粒化用気体噴霧圧としては0.1MPa(ゲージ圧)以上が好ましく、設備負荷の観点から1.0MPa(ゲージ圧)以下が好ましい。また、結合剤の噴霧圧としては特に制限は無いが、設備負荷の観点から、例えば1.0MPa以下が好ましい。
非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)中の結合剤の含有量は、粘結性及び吸油能の観点から、非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)中、1〜50重量%が好ましく、5〜45重量%がより好ましく、8〜40重量%が更に好ましく、10〜35重量%がより好ましい。
〔非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)の物性〕
非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)は、例えば、粉末原料(a)が緩やかに凝集した構造の顆粒の集団となる。その場合、(1)顆粒間の大きな空隙、(2)粉末原料(a)内の10μm以下の小さな空隙や層の間の二つの担持サイトを持っている。この二つの担持サイトの調整により所望の吸油能を持つ非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)を得ることができる。
非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)の吸油能は、0.2mL/g以上であり、0.3mL/g以上が好ましく、0.4mL/g以上がより好ましい。一方当該吸油能としては、0.7mL/g以下が好ましい。かかる範囲においては、非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)同士の凝集が抑制されるため、洗剤粒子群中の粒子の粒子成長度を抑制することができるので好適である。よって、非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)の吸油能は、上記と同様の観点から、0.2〜0.7mL/gが好ましく、0.3〜0.7mL/gがより好ましい。非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)の吸油能の測定方法は、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の吸油能の測定方法と同じである。
非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)の嵩密度は、界面活性剤組成物の担持容量を確保する観点及び界面活性剤組成物を担持した後の高い嵩密度を確保する観点から、200〜1000g/Lが好ましく、300〜1000g/Lがより好ましく、400〜550g/Lが更に好ましく、400〜500g/Lが更により好ましい。本明細書において、非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)の嵩密度の測定方法は、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の嵩密度の測定方法と同じである。
非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)の平均粒径は、140〜600μmが好ましく、150〜500μmがより好ましく、200〜500μmが更に好ましい。
非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)中の水分の含量はハンドリング性や吸油能の観点から30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、15重量%以下がさらに好ましい。非噴霧乾燥ベース顆粒群(b)中の水分の測定方法は、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)中の水分の測定方法と同じである。
〔アニオン界面活性剤組成物とベース顆粒群の混合方法〕
アニオン界面活性剤組成物とベース顆粒群とを混合する際の両成分の比率としては、一様に混合できる限り特に制限されないが、例えば、ベース顆粒群100重量部に対してアニオン界面活性剤組成物が5〜100重量部であることが好ましく、10〜90重量部であることがより好ましく、20〜70重量部であることが更に好ましく、25〜50重量部であることがより好ましい。洗浄力の観点から、当該顆粒群100重量部に対してアニオン界面活性剤組成物が5重量部以上であることが好ましく、10重量部以上であることがより好ましく、20重量部以上であることが更に好ましく、25重量部以上であることが更により好ましい。組成自由度・溶解性等の観点から、当該顆粒群100重量部に対してアニオン界面活性剤組成物が100重量部以下であることが好ましく、90重量部以下であることがより好ましく、70重量部以下であることが更に好ましく、50重量部以下であることが更により好ましい。
工程(C)における混合条件としては、ベース顆粒群の形態を実質的に維持する混合条件、即ち当該顆粒群を崩壊せしめない混合条件を選択すればよい。例えば、少量を混合する場合はスパーテル等を用いて手動で混合してもよく、又は攪拌翼を具備する混合機を用いる場合、ベース顆粒群の崩壊を抑制する観点及び混合効率の観点から、機内に具備された攪拌翼の混合羽根の形状がパドル型の場合は、当該攪拌翼のフルード数が好ましくは0.5〜8.0、より好ましくは0.8〜4.0、更に好ましくは0.5〜2.0とする。また、当該混合羽根の形状がスクリュー型の場合は、当該攪拌翼のフルード数が好ましくは0.1〜4.0、より好ましくは0.15〜2.0とする。また、当該混合羽根の形状がリボン型の場合は、当該攪拌翼のフルード数が好ましくは0.05〜4.0、より好ましくは0.1〜2.0とする。
また、本明細書で定義されるフルード数は以下の式で算出する。
フルード数=V2/(R×g)
(ここで、Vは攪拌翼の先端の周速[m/s]、Rは攪拌翼の回転半径[m]、gは重力加速度[m/s2]を表す。)
工程(C)においては、所望により、ベース顆粒群以外の粉体原料を配合することもできる。その配合量は、溶解性の点から、ベース顆粒群100重量部に対して、好ましくは30重量部以下である。
本工程で言うベース顆粒群以外の粉体原料とは、常温で粉末の洗浄力強化剤又は吸油剤を意味する。具体的には、ゼオライト、クエン酸塩等の金属イオン封鎖能を示す基剤、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基剤、結晶性ケイ酸塩等の金属イオン封鎖能・アルカリ能のいずれも有する基剤等や、金属イオン封鎖能は低いが高い吸油能を有する非晶質シリカや非晶質アルミノケイ酸塩等が挙げられる。かかる粉体原料を所望によりベース顆粒群と併用することで、アニオン界面活性剤組成物の高配合化及び混合機内への混合物の付着の低減が達成され、また、洗浄力の向上を図ることもできる。かかる粉体原料としては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。
アニオン界面活性剤組成物とベース顆粒群とを混合後、ポリエチレングリコール(PEG)及び/又は脂肪酸及び/又は石鹸水を、ベース顆粒群100重量部に対して好ましくは1〜10重量部加えて更に混合することによって、ベース顆粒群の表面をコーティングしてもよい。このコーティングによって、洗剤粒子群の耐ケーキング性が向上するため好ましい。更に、PEG及び/又は脂肪酸及び/又は石鹸水の添加によって、洗剤粒子群を溶解させる際に、凝集を抑制しかつ分散性を高めることが可能となり、結果的に洗剤粒子群の溶解性を向上させることができるので好ましい。
また本発明によって得られる洗剤粒子群は、非イオン界面活性剤を含んでもよい。非イオン界面活性剤は、工程(C)の前及び/又は後にベース顆粒群に吸油・担持させてもよいし、工程(B)で用いられるアニオン界面活性剤組成物に混合して、アニオン界面活性剤組成物と同時に吸油・担持させてもよいが、非イオン界面活性剤の染み出しによるケーキングの抑制の観点から、工程(C)の前に吸油・担持させる方が好ましい。また、かかる非イオン界面活性剤の洗剤粒子群中の含有量としては、染み出しによるケーキングの抑制の観点から洗剤粒子群中の20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。また洗浄力の観点から5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましい。
非イオン界面活性剤の種類については、特に限定はなく、例えば、日本国特許庁発行の周知慣用技術集(衣料用粉末洗剤)に記載の非イオン界面活性剤を使用することができる。
また、混合時の混合機内の温度としては、ベース顆粒群の崩壊を実質的に抑制しながら、アニオン界面活性剤組成物とベース顆粒群とを効率的に混合できる温度が好ましい。例えば、混合するアニオン界面活性剤組成物の流動点以上の温度が好ましく、流動点の10℃以上の温度がより好ましく、流動点の20℃以上の温度が更に好ましい。また、混合時の混合時間としては、2〜20分間程度が好ましく、2〜10分間程度が更に好ましい。混合機内の温度の調整はジャケット等に冷水や温水を流すことにより行うことができる。そのため、混合に用いる装置はジャケットを備えた構造のものが好ましい。
アニオン界面活性剤組成物とベース顆粒群との混合方法としては、回分式でも連続式でもよい。回分式で混合する場合、予めベース顆粒群を混合機に仕込んだ後、アニオン界面活性剤組成物を添加することが好ましい。供給されるアニオン界面活性剤組成物の温度としては、アニオン界面活性剤組成物の安定性の観点から、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。
回分式で混合する場合の混合機としては、一般に回分式の混合に使用される混合機であれば特に限定されないが、例えば(1)混合羽根の形状がパドル型の混合機として、混合槽内に攪拌軸を有し、この軸に攪拌翼を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサー:例えばヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー((株)マツボー製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)、TSK−MTIミキサー(月島機械(株)製)、特開平10−296064号公報及び特開平10−296065号公報に記載の混合装置等、(2)混合羽根の形状がリボン型の混合機として、円筒型、半円筒型又は円錐型の固定された容器内でスパイラルを形成したリボン状の羽根が回転することにより混合を行う形式のミキサー:リボンミキサー(日和機械工業(株)製)、バッチニーダー(佐竹化学機械工業(株)製)、リボコーン((株)大順製作所製)、ジュリアミキサー((株)徳寿工作所製)等、(3)混合羽根の形状がスクリュー型の混合機として、コニカル状の容器に沿ってスクリューが容器の壁と平行の軸を中心として自転しながら公転することにより混合を行う形式のミキサー:例えばナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)、SVミキサー(神鋼パンテック(株)製)等、がある。
また、連続式で混合を行う場合、一般に連続式混合に使用されている連続式混合機であれば特に限定されないが、例えば上記の混合機のうちで連続型の装置を用いてベース顆粒群とアニオン界面活性剤組成物とを混合してもよい。
<表面改質>
工程(C)で得られた洗剤粒子群を、更に表面改質することが望ましい。表面改質を行うことにより、流動性と耐ケーキング性がより向上した洗剤粒子群を得ることができる。表面改質を行う際には微粉体を用いることが好ましい。微粉体を用いる場合、工程(C)で得られた洗剤粒子群と微粉体とを所定の条件で混合することによって、表面改質を実施することができる。
微粉体としては特に限定されるものではないが、洗剤粒子群の被覆率の向上、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性の向上の点から、その一次粒子の平均粒径が20μm以下のものが好ましい。平均粒径は、光散乱を利用した方法、例えばパーティクルアナライザー(堀場製作所(株)製)、又は顕微鏡観察により測定される。
微粉体の具体例としては、例えば、結晶性シリケート化合物等のシリケート化合物、アルミノケイ酸塩、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、ベントナイト、トリポリリン酸ナトリウム、タルク、クレイ及び非晶質シリカ誘導体のような無機微粉体や、一次粒子が20μm以下の金属石鹸が挙げられる。かかる微粉体としては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。更には、微粉体が高いイオン交換能やアルカリ能を有することが洗浄力の点で好ましい。これらの中で好ましい微粉体としては、結晶性シリケート化合物等のシリケート化合物及びアルミノケイ酸塩が挙げられる。
微粉体の使用量としては、流動性及び使用感の観点から、ベース顆粒群100重量部に対して好ましくは0.5〜40.0重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
表面改質における混合条件としては、アニオン界面活性剤組成物を担持したベース顆粒群の形態を実質的に維持することができる混合条件を選択すればよい。例えば、少量を混合する場合はスパーテル等を用いて手動で混合してもよく、又は攪拌翼と解砕翼を両方具備した混合機を用いることも好ましい。かかる混合機を用いる場合、ベース顆粒群の崩壊を抑制する観点から、機内に具備された攪拌翼のフルード数を好ましくは10以下、より好ましくは7以下とする。微粉体との混合、微粉体との分散の効率性の観点から、当該フルード数を、好ましくは2以上、更に好ましくは3以上とする。更に、微粉体との混合、微粉体の分散の効率性の観点から、解砕翼のフルード数としては8000以下が好ましく、5000以下がより好ましい。フルード数がこの範囲であれば、流動性に優れた洗剤粒子群を得ることができる。
本工程における好ましい混合機としては、工程(C)で使用される混合機のうち、攪拌翼と解砕翼を両方具備したものが挙げられる。また、工程(C)と表面改質とをそれぞれ別の混合機を用いて実施することにより、混合される物質の温度調整が容易となる。例えば、表面改質の途中又は終了後に香料、酵素等の非耐熱性成分を添加する場合、表面改質をする際に被混合物の温度調整を行うことが好ましい。ジャケット温度の設定や通気によって、かかる温度調整を行うことができる。工程(C)で得られた洗剤粒子群を、効率よく表面改質する装置へ移送するために、工程(C)終了時に微粉体の一部を洗剤粒子群に添加することも好ましい態様である。
<洗剤粒子群>
本発明の洗剤粒子群は、以上のような本発明の製造方法によって得ることができる。
〔洗剤粒子群の物性〕
本発明において、洗剤粒子群とは、特に限定されるものではないが、ベース顆粒群を核として製造された洗剤粒子群であって、1個の洗剤粒子中に実質的に1個のベース顆粒を核として有するという特徴を有する洗剤粒子の群が好ましい。
洗剤粒子群のこのような特徴を表す指標として、下記式(1):
粒子成長度=[洗剤粒子群の平均粒径]/[ベース顆粒群の平均粒径] (1)
で規定される粒子成長度を用いることができる。具体的には、粒子成長度が1.25以下の洗剤粒子群が好ましく、1.20以下のものがより好ましく、1.15以下のものが更に好ましい。粒子成長度の下限値については特に限定されないが、1.0以上が好ましい。よって、粒子成長度は、洗剤粒子群の凝集抑制の観点から、1.0〜1.25が好ましく、1.0〜1.20がより好ましく、1.0〜1.15が更に好ましい。
本発明の洗剤粒子群は洗剤粒子間の凝集が抑制されているため、所望の粒径範囲外の粒子(凝集粒子)の生成量がより少なく、洗剤粒子群の溶解性に優れていること、及び洗剤粒子群の粒径分布がシャープであること、という利点を有する。
本発明の洗剤粒子群の平均粒径としては、150μm以上が好ましく、150〜500μmの範囲がより好ましく、180〜350μmの範囲が更に好ましい。
本明細書における粗粒率とは、ベース顆粒群又は洗剤粒子群に占める500μm以上の大きさの粒子の割合の重量%で定義される。具体的には、本発明における洗剤粒子群又はベース顆粒群の粗粒率としては、35重量%以下が好ましく、25重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましく、10重量%以下がさらに好ましく、5重量%以下がさらにより好ましい。
本発明の特徴の一つは、粗粒率が比較的高いベース顆粒群を用いた場合であっても、製造される洗剤粒子群の粗粒率が大きく上昇しないことである。この特徴は、下記に規定される「洗剤粒子群の粗粒率上昇差分」によって明示することができる。本明細書において洗剤粒子群の粗粒率上昇差分とは、洗剤粒子群の粗粒率からベース顆粒群の粗粒率を引いたものと定義される。具体的には、本発明の洗剤粒子群の粗粒率上昇差分としてはより小さいことが好ましいが、例えば15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
洗剤粒子群の嵩密度としては、300〜2000g/Lが好ましく、500〜1500g/Lがより好ましく、600〜1000g/Lが更に好ましい。洗剤粒子群の嵩密度の測定方法は、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の嵩密度の測定方法と同じである。
以上のような構成を有する本発明の製造方法により得られる洗剤粒子群は、前記のように、粒子成長が抑制され、粒径分布がシャープなものであり、外観の向上だけでなく、溶解性に優れた洗剤粒子群である。
本発明における洗剤粒子群の溶解性の指標としては、洗剤粒子群の60秒間溶解率を用いることができる。60秒間溶解率としては80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
洗剤粒子群の60秒間溶解率は、以下の方法で算出する。
5℃に冷却した71.2mgCaCO3/リットルに相当する1リットルの硬水(Ca/Mgモル比7/3)を1リットルビーカー(内径105mm、高さ150mmの円筒型、例えば、岩城硝子社製1リットルビーカー)の中に満たし、5℃の水温をウォーターバスにて一定に保った状態で、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば、型式:ADVANTEC社製、商品名:テフロン(登録商標)SA(丸型細型))にて水深に対する渦巻きの深さが概ね1/3となる回転数(800r/m)で攪拌する。1.0000±0.0010gとなるように縮分・秤量した洗剤粒子群を攪拌下に水中に投入・分散させ攪拌を続ける。投入から60秒後にビーカー中の洗剤粒子群分散液を、重量既知のJISZ8801に規定の目開き74μmの標準篩(直径100mm)で濾過し、篩上に残留した含水状態の洗剤粒子群を篩と共に重量既知の開放容器に回収する。尚、濾過開始から篩を回収するまでの操作時間を10±2秒とする。回収した洗剤粒子群の溶残物を105℃に加熱した電気乾燥機にて1時間乾燥し、その後、シリカゲルを入れたデシケーター(25℃)内で30分間保持して冷却する。冷却後、乾燥した洗剤の溶残物と篩と回収容器の合計の重量を測定し、式(4)によって洗剤粒子群の溶解率(%)を算出する。
溶解率(%)={1−(T/S)}×100 (4)
S:洗剤粒子群の投入重量(g)
T:上記攪拌条件にて得られた水溶液を上記篩に供したときに、篩上の残存する洗剤粒子群の溶残物の乾燥重量(g)
また、本発明の洗剤粒子群は、洗浄性に優れたものである。本明細書における洗浄性の指標としては、別に規定のない限り以下の方法を用いる。
(人工汚染布の調製)
下記組成の人工汚染液を布に付着させて人工汚染布を調製する。人工汚染液の布への付着は、グラビアロールコーターを用いて人工汚染液を布に印刷することで行う。人工汚染液を布に付着させて人工汚染布を作製する工程は、グラビアロールのセル容量58cm3/cm2、塗布速度1.0m/min、乾燥温度100℃、乾燥時間1分との条件で行う。布は木綿金巾2003布(谷頭商店製)を使用する。
人工汚染液の組成:
ラウリン酸:0.44重量%
ミリスチン酸:3.09重量%
ペンタデカン酸:2.31重量%
パルミチン酸:6.18重量%
ヘプタデカン酸:0.44重量%
ステアリン酸:1.57重量%
オレイン酸:7.75重量%
トリオレイン:13.06重量%
パルミチン酸n−ヘキサデシル:2.18重量%
スクアレン:6.53重量%
卵白レシチン液晶物:1.94重量%
鹿沼赤土:8.11重量%
カーボンブラック:0.01重量%
水道水:バランス
(洗浄条件)
ターゴトメーターを使用して、回転数85r/m、洗濯時間10分、温度20℃、使用水4°DH(Ca/Mg=3/1)で、洗剤粒子群の濃度0.0667重量%にて洗濯を行う。通常、洗濯用水の硬度成分はCa2+、Mg2+に代表され、その重量比はCa/Mg=(60〜85)/(40〜15)程度であるが、ここではモデル水としてCa/Mg=3/1を用いる。4°DHとはMgイオンの等モルをCaに置換した際の硬度である。
(洗浄率の算出)
原布及び洗浄前後の550mμにおける反射率を自記色彩計(島津製作所製)にて測定し、次式によって洗浄率D(%)を算出する。洗浄率が高いほど、洗浄性に優れた洗剤粒子群である。
D=(L2−L1)/(L0−L1)×100(%)
L0:原布の反射率
L1:洗浄前汚染布の反射率
L2:洗浄後汚染布の反射率
以下の実施例等に基づいて本発明を更に説明する。なお、以下の実施例等においては、別に規定のない限り、次の成分を用いた。
ポリアクリル酸ナトリウム:重量平均分子量1万(花王社製)
ゼオライト:ゼオビルダー(4A型、ゼオビルダー社製:メジアン径:3.0μm)
粘土鉱物粉末:ラウンドロジルDGAパウダー;吸油能0.44mL/g(ズード・ケミ社製)
ライト灰:平均粒径100μm;吸油能0.45mL/g(セントラル硝子社製)
アルキル硫酸ナトリウム:アルキル基の炭素数がC12:C14:C16=67:28:5(重量比)のもの
結晶性シリケート:プリフィード顆粒品(トクヤマシルテック社製)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル:エマルゲン106KH(花王社製)
製造例1:噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の製造
噴霧乾燥ベース顆粒群(a)を、以下の手順により製造した。
<工程(A−1)>
水405kgを攪拌翼を有した1m3の混合槽に加え、水温が55℃に達した後に、硫酸ナトリウム110kg、炭酸ナトリウム123kg及び亜硫酸ナトリウム4.4kgをこの混合槽に添加した。10分間攪拌した後に、40重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液137kgをこの混合槽に添加した。更に10分間攪拌した後に、塩化ナトリウム37kg、ゼオライト120kgをこの混合槽に添加し、更に30分間攪拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は58℃であった。
このスラリーを噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力2.5MPaで噴霧し、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)を製造した。噴霧乾燥塔に供給した高温ガスについては、塔下部より温度が235℃で供給され、塔頂より119℃で排出された。得られた噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の水分は0.15重量%であった。
得られた噴霧乾燥ベース顆粒群(a)の物性は、平均粒径が257μm、嵩密度が538g/L、粗粒率が0.2重量%、吸油能が0.45mL/gであった。
製造例2:非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-1)の製造
非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-1)を、以下の手順により製造した。
<工程(A−2)>
粉末原料(a)として、粘土鉱物粉末2.1kgとライト灰4.2kgを、邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(φ40cm×L60cm、回転数30r/m、フルード数0.2)中で混合した。2分間混合した後、25重量%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液3.8kgを、2流体ノズル(スプレーイングシステムスジャパン(株)製:結合剤噴霧圧0.15MPa/微粒化用Air噴霧圧0.3MPa;ただし、いずれもゲージ圧である。)を用いて、5分間かけて当該造粒機に添加した。添加後、更に混合して3分間造粒を行った後、得られた顆粒をドラム型造粒機から排出した。次いでこの顆粒を電気乾燥機を用いて200℃で3時間かけて乾燥させた。乾燥後の顆粒群(非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-1))中の水分は1.3重量%であった。
得られた非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-1)の物性は、平均粒径が289μm、嵩密度が511g/L、粗粒率が12.2重量%、吸油能が0.51mL/gであった。
製造例3:非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-2)の製造
非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-2)を、以下の手順により製造した。
<工程(A−2)>
粉末原料(a)として、ライト灰4.55kgを、邪魔板を有した75Lドラム型造粒機(φ40cm×L60cm、回転数30r/m、フルード数0.2)中で混合した。2分間混合した後、40重量%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液2.45kgを、2流体ノズル((株)アトマックス製:結合剤噴霧圧0.15MPa/微粒化用Air噴霧圧0.3MPa;ただし、いずれもゲージ圧である。)を用いて、3.7分間かけて当該造粒機に添加した。添加後、更に混合して3分間造粒を行った後、得られた顆粒をドラム型造粒機から排出した。次いでこの顆粒を電気乾燥機を用いて200℃で3時間かけて乾燥させた。乾燥後の顆粒群(非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-2))中の水分は1.8重量%であった。
得られた非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-2)の物性は、平均粒径が270μm、嵩密度が484g/L、粗粒率が20.4重量%、吸油能が0.52mL/gであった。
実施例1〜6
<工程(B)>
アルキル硫酸ナトリウム75重量%、水25重量%から成るアニオン界面活性剤ペーストに、アルキル硫酸ナトリウム100重量部に対して20重量部(実施例1)、30重量部(実施例2)若しくは40重量部(実施例3)のイソデシルグリセリルエーテル90重量%と水10重量%とから成る混合物、又は、20重量部(実施例4)、30重量部(実施例5)若しくは40重量部(実施例6)の2−エチルヘキシルグリセリルエーテル90重量%と水10重量%とから成る混合物を添加し、温度60℃で1分間混合して、アニオン界面活性剤組成物を得た。
実施例1及び実施例4のアニオン界面活性剤組成物の粘度を、MCR300(PHYSICA Messtechnik GmbH製)を用いて、温度50℃、せん断速度10[1/s]で測定したところ、12.2Pa・s(実施例1)、10.1Pa・s(実施例4)であった。
<工程(C)>
製造例1で製造された噴霧乾燥ベース顆粒群(a)100重量部(50g)に対して、工程(B)で調製したアニオン界面活性剤組成物を33.9重量部(実施例1、4)、36.1重量部(実施例2、5)、38.3重量部(実施例3、6)添加し、スパーテルを用いて10分間かけて混合し、それぞれの混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、いずれの混合物についても液体の存在は見られず、当該混合物は凝集物のない造粒物を形成していた。
以上の操作によって得られたそれぞれの造粒物を、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)100重量部に対して、結晶性シリケート4.2重量部及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、それぞれの洗剤粒子群を得た。
比較例1
<工程(C)>
製造例1で製造された噴霧乾燥ベース顆粒群(a)100重量部(50g)に対して、アルキル硫酸ナトリウム75重量%、水25重量%から成るアニオン界面活性剤ペーストを29.5重量部添加し、スパーテルを用いて10分間かけて混合し、混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、液体の存在は見られないが、多くの凝集物が観察された。
以上の操作によって得られた造粒物を、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)100重量部に対して、結晶性シリケート4.2重量部及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、洗剤粒子群を得た。
比較例2
<工程(B)>
アルキル硫酸ナトリウム75重量%、水25重量%から成る混合物に、アルキル硫酸ナトリウム100重量部に対して25重量部のポリオキシエチレンアルキルエーテルを添加し、温度60℃で1分間混合して、アニオン界面活性剤組成物を得た。得られたアニオン界面活性剤組成物の粘度を、MCR300(PHYSICA Messtechnik GmbH製)を用いて、温度50℃、せん断速度10[1/s]で測定したところ、11.2Pa・sであった。
<工程(C)>
製造例1で製造された噴霧乾燥ベース顆粒群(a)100重量部(50g)に対して、工程(B)で調製したアニオン界面活性剤組成物を35.0重量部添加し、スパーテルを用いて10分間かけて混合し、混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、液体の存在は見られないが、多くの凝集物が観察された。
以上の操作によって得られた混合物を、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)100重量部に対して結晶性シリケート4.2重量部、及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、洗剤粒子群を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜2で得られた洗剤粒子群の物性等を表1に示す。
Figure 2011144362
実施例7〜10
<工程(B)>
アルキル硫酸ナトリウム75重量%、水25重量%から成るアニオン界面活性剤ペーストに、アルキル硫酸ナトリウム100重量部に対して20重量部(実施例8)若しくは30重量部(実施例7)のイソデシルグリセリルエーテル90重量%と水10重量%とから成る混合物、又は、20重量部(実施例9、10)の2−エチルヘキシルグリセリルエーテル90重量%と水10重量%とから成る混合物を添加し、温度60℃で1分間混合して、アニオン界面活性剤組成物を得た。
<工程(C)>
製造例2又は3で製造された非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-1)又は(b-2)100重量部(50g)に対して、工程(B)で調製したアニオン界面活性剤組成物を36.1重量部(実施例7)、36.2重量部(実施例8、9)、50.7重量部(実施例10)添加し、スパーテルを用いて10分間かけて混合し、それぞれの混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、いずれの混合物についても液体の存在は見られず、当該混合物は凝集物のない造粒物を形成していた。
以上の操作によって得られたそれぞれの造粒物を、非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-1)又は(b-2)100重量部に対して、結晶性シリケート4.2重量部及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、それぞれの洗剤粒子群を得た。
比較例3〜5
<工程(C)>
製造例2又は3で製造された非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-1)又は(b-2)100重量部(50g)に対して、アルキル硫酸ナトリウム75重量%、水25重量%から成るアニオン界面活性剤ペーストを29.5重量部(比較例3)、31.5重量部(比較例4)、44.1重量部(比較例5)添加し、スパーテルを用いて10分間かけて混合し、それぞれの混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、いずれの混合物についても液体の存在は見られないが、多くの凝集物が観察された。
以上の操作によって得られたそれぞれの造粒物を、非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-1)又は(b-2)100重量部に対して、結晶性シリケート4.2重量部及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、それぞれの洗剤粒子群を得た。
実施例7〜10及び比較例3〜5で得られた洗剤粒子群の物性等を表2に示す。
Figure 2011144362
表1では、噴霧乾燥ベース顆粒群(a)を用いた結果をまとめた。表1より、比較例1及び2のものに比べて、実施例1〜6で得られた洗剤粒子群は、いずれも、粗粒率、洗剤粒子群の粗粒率上昇差分、粒子成長度、溶解性、洗浄性が良好であること、及び得られた洗剤粒子群の観察結果から、本発明の製造方法によって、凝集物の少ない洗剤粒子群を製造できることが分かる。実施例1〜6と比較例2との比較から、非イオン界面活性剤(比較例2ではポリオキシエチレンアルキルエーテル)とアニオン界面活性剤ペーストとを単に混合しただけでは所定の効果が発揮されず、本願で規定されたようなアルキルグリセリルエーテルを用いることによって、初めて所定の効果が発揮されることが分かった。
さらに表2では、非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-1)又は(b-2)を用いた結果をまとめた。表2より、比較例3〜5のものに比べて、実施例7〜10で得られた洗剤粒子群は、いずれも、粗粒率、洗剤粒子群の粗粒率上昇差分、粒子成長度、溶解性、洗浄性が良好であること、及び得られた洗剤粒子群の観察結果から、本発明の製造方法によって、凝集物の少ない洗剤粒子群を製造できることが分かる。さらに、非噴霧乾燥ベース顆粒群(b-1)又は(b-2)は噴霧乾燥ベース顆粒群(a)よりも粗粒率が高い傾向が見られたが、そのような(b-1)又は(b-2)を用いた場合であっても洗剤粒子群の粗粒率上昇差分は小さいことが分かった。このことから、本発明の製造方法によれば、用いるベース顆粒群の粗粒率の違いに関わらず、粗粒率の上昇が抑制された洗剤粒子群を製造できることが示された。
本発明の洗剤粒子群は、粒度分布がシャープで、凝集物が少なく溶解性に優れたものであるため、例えば、衣料用洗剤、食器洗い器用洗剤等の製造に好適に使用することができる。

Claims (13)

  1. 次の工程:
    工程(B):アニオン界面活性剤ペーストとアルキルグリセリルエーテルとを混合してアニオン界面活性剤組成物を調製する工程、及び
    工程(C):工程(B)で調製されたアニオン界面活性剤組成物と、吸油能が0.2mL/g以上のベース顆粒群とを混合して洗剤粒子群を調製する工程、
    を含む、洗剤粒子群の製造方法。
  2. 製造される洗剤粒子群の下記式(1):
    粒子成長度=[洗剤粒子群の平均粒径]/[ベース顆粒群の平均粒径] (1)
    で規定される粒子成長度が1.25以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. アニオン界面活性剤ペースト中のアニオン界面活性剤100重量部に対して10〜40重量部のアルキルグリセリルエーテルを混合する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. ベース顆粒群100重量部に対して5〜100重量部のアニオン界面活性剤組成物を混合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. ベース顆粒群が、次のいずれかの工程:
    工程(A−1):水溶性無機塩を含むスラリーを噴霧乾燥してベース顆粒群を得る工程、又は
    工程(A−2):容器回転式造粒機中で、吸油能0.4mL/g以上の洗剤用粉末原料に多流体ノズルを用いて結合剤を添加して造粒してベース顆粒群を得る工程、
    を含む方法で調製されたベース顆粒群である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. アニオン界面活性剤が、下記式(2):
    R−O−SO3M (2)
    (式中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基、Mはアルカリ金属原子又はアミンを示す。)
    で表されるアニオン界面活性剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. アルキルグリセリルエーテルがイソデシルグリセリルエーテル及び/又は2−エチルヘキシルグリセリルエーテルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. アニオン界面活性剤ペースト中の水の含有量が15〜50重量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. アニオン界面活性剤組成物の粘度(50℃)が0.01〜20Pa・sである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. ベース顆粒群の吸油能が0.7mL/g以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. ベース顆粒群の平均粒径が140〜600μmである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 洗剤用粉末原料の吸油能が1.0mL/g以下である、請求項5〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法によって得られた洗剤粒子群。
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