JP2011142823A - ロータリ耕耘機の溝切り装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータリ機枠4の後部に支持枠14を後方突出状に設け、この支持枠14に上下一対の平行なリンク55、56を有する平行リンク具50の前部を連結し、この平行リンク具50の後部にキャスタ支持体51を設け、このキャスタ支持体51に耕耘跡を転動して連続状の長溝Lを形成する溝切りローラ7を設けている。
【選択図】図1
Description
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、溝切りローラを一定姿勢で上下動可能にして、ロータリ耕耘機による畦ぎわからの耕耘作業を可能にした上で、溝切りローラの転動方向を耕耘跡に追従可能にして、適正な連続状の長溝を確実に形成できるようにしたロータリ耕耘機の溝切り装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係るロータリ耕耘機1の溝切り装置2は、ロータリ機枠4の後部に支持枠14を後方突出状に設け、この支持枠14に上下一対の平行なリンク55、56を有する平行リンク具50の前部を連結し、この平行リンク具50の後部にキャスタ支持体51を設け、このキャスタ支持体51に耕耘跡を転動して連続状の長溝Lを形成する溝切りローラ7を設けていることを特徴としている。
また、溝切りローラ7を、平行リンク具50により一定姿勢で上下動可能にした上でキャスタ支持体51で支持することにより、溝切りローラの転動方向を耕耘跡の方向に追従可能にして、適正な長溝を確実に形成できる。
これによれば、ロータリ耕耘機1の上昇時に溝切りローラ7が自重によって下降すると、平行リンク具50の上下リンク55、56が相互接触した時点で、この平行リンク具50の下方への揺動が制止され、溝切りローラ7の下降も所定範囲内に制限される。そのため、溝切りローラ7がロータリ耕耘機1のリヤカバー29等と接触干渉を起こすことがない。
これによれば、溝切りローラ7が耕耘跡へ確実に押圧されるようになり、形成される長溝Lとして、その溝深さを十分に深くしたり、溝底を固めたりすることができるものである。また、長溝Lの両溝壁面上縁をしっかりと押さえて、土崩れが起こらないようにすることもできる。これらのことは、排水用の長溝Lとして形成した場合に確実な排水効果を得られる。
これによれば、排水用の長溝Lとして形成した場合に、面取り面7cによって長溝Lの両縁部を一層確実に押さえることができるために、土崩れの防止効果もそれだけ高くなる。
図1乃至図6は、本発明に係るロータリ耕耘機1の溝切り装置2についてその一実施形態を示している。ロータリ耕耘機1は、トラクタ等の作業車の後部に三点リンク機構等を介して昇降自在に装着されるロータリ機枠(以下、単に「機枠」と言う)4と、この機枠4の下部に設けられたロータリ耕耘部5と、このロータリ耕耘部5を覆うロータリカバー6とを備えている。
この溝切りローラ7が耕耘跡に押し付けられたまま転動することで、ロータリ耕耘部5によって耕起された耕耘土の上面を凹まして連続状の長溝Lが形成される。この溝切り装置2は、ロータリカバー6の後方で左右(耕幅)方向中央又は中央から左右に偏位した位置に配置されている。
トラクタのPTO軸からの動力は、PIC軸22、ギヤケース10内の動力伝達機構、左側サポートアーム11内の伝動軸、伝動ケース12内の動力伝達機構を経て爪軸20に伝達される。
支持枠14は、長手方向を前後方向へ向けた左右一対の支持アーム36と、これら左右の支持アーム36の後端に連結されて長手方向を左右方向に向けたツールバー37とを有し、左右支持アーム36の前部が左右のサポートアーム11に枢支されていて、後方へ突出した後部が高さ調整自在になっている。
この昇降操作手段42は、トップマスト15と連結杆41に設けられたブラケット片45との間に送りネジ機構を内蔵して伸縮自在とされた伸縮ロッド43を連結し、操作ハンドル44の回転操作で伸縮ロッド43を伸縮して、機枠4に対するツールバー37の高さを調整するようになっている。このツールバー37は角パイプ等で形成されている。
図1乃至図3に示すように、この溝切り装置2は、前記ツールバー37に対して前部を連結させた平行リンク具50と、この平行リンク具50の後部に設けられたキャスタ支持体51と、このキャスタ支持体51の下端部で回転自在に保持された溝切りローラ7と、平行リンク具50に設けられた転動圧付与具53とを有している。
前部連結体57は、断面コ字状溝形鋼の外面に左右一対の側面視コ字状板材を溶着して形成されており、上下の各リンク55、56の前端部を側面視コ字状板材に枢軸60を介して枢支連結し、上下リンク55、56を上下揺動自在としている。
前部連結体57における枢軸60の上下間隔と、後部連結体58における枢軸61の上下間隔とは略同じとされており、これにより上下各リンク55、56及び前後連結体57、58は、それぞれ互いに略平行になっている。
前記上下リンク55、56は、図3に示すように、ロータリ耕耘機1(機枠4)が上昇されるのに伴って前部連結体57が上昇されると、後部連結体58側(溝切りローラ7等)の自重によって上下各リンク55、56が下方揺動するようになる。しかし、前部連結体57の上昇位置が溝切りローラ7の浮上を伴う高さになると、上下各リンク55、56は互いに接触して、溝切りローラ7の下降が制限されるようになっている。
キャスタ支持体51は、前記平行リンク具50の後部連結体58に形成された軸受孔71に対して挿入される旋回軸72と、この旋回軸72の下部側で溝切りローラ7を跨ぐ状態に設けられたローラブラケット74とを有しており、ローラブラケット74により、溝切りローラ7の回転軸76を両端支持している。
前記キャスタ支持体51は、回転軸76が旋回軸72の軸心延長位置からずれて位置し、旋回軸72の軸心まわりで揺動可能であることにより、溝切りローラ7をキャスタ動作可能に支持している。従って、トラクタの操舵によりロータリ耕耘機1が左右に移動して耕耘跡が蛇行すると、溝切りローラ7の転動方向はその蛇行に追従して、耕幅方向に対して直交する。
前記溝切りローラ7は耕耘跡に接地転動することにより、平坦な溝底を有する略V字状の排水溝Lを形成する。この排水溝Lは、排水に適した断面形状であり、例えば、溝底幅bが50mm、開口幅wが100mm、溝深さdが50mmである。溝切りローラ7は左右テーパ状側面7bを有することにより、排水溝の両縁部(土手部)をしっかりと押さえて、土崩れが起こらないようにできる。
前記溝切りローラ7及びキャスタ支持体51は比較的重量物で形成されており、それら自体の重量で排水溝Lを形成することも可能であるが、より深い排水溝Lを形成できるように、転動圧付与具53が設けられている。
すなわち、平行リンク具50には、上リンク55における長手方向中途部の上面から左右方向へ突出する上係合部82と、前部連結体57のアゴ部65に下方突出状に設けられたステー部83から、その左右方向へ突出する下係合部84とが設けられており、上係合部82の左右両端と下係合部84の左右両端との対応端部間に左右一対の引張コイルバネ等の付勢具85が架け渡されている。
次に、本発明に係るロータリ耕耘機1の溝切り装置2における使用方法を説明する。
このロータリ耕耘機1を上昇させた時には、溝切り装置2の溝切りローラ7は、その自重によって下降するが、溝切りローラ7の下降は上下リンク55、56の相互当接によって制限されているため、溝切りローラ7がロータリ耕耘機1のリヤカバー29等と接触干渉を起こすことはない。
即ち、溝切りローラ7が畦M上に載り得ることにより、ロータリ耕耘部5は畦ぎわに可及的に近寄らせせて耕耘を行え、その上で、耕耘作業を開始して作業車を圃場内へ向けて進行させることで、畦M上の溝切りローラ7は自重及び転動圧付与具53によって畦M上から圃場側へと降りて、ロータリ耕耘部5による耕耘跡(畝上)を転動しつつ排水溝Lを形成する。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、種々変形できる。
例えば、図7は、溝切りローラ7の変形例を示している。この溝切りローラ7は、軸方向両側面に、テーパ状側面7bだけでなく、このテーパ状側面7bの径小側で段付き状態に膨出する整形輪部90が形成され、この整形輪部90とテーパ状側面7bとの隅角にアールの面取り面7cが形成されている。
また、図8は、転動圧付与具53の変形例を示している。この転動圧付与具53は、平行リンク具50の後部連結体58に対し、その上部にウエイト91を設けている。このウエイト91は付勢具85を有する前記実施形態の転動圧付与具53と併設してもよい。
更に、溝切り装置2は、ツールバー37の左右端部に一対設けて、平起こしの耕耘跡の左右方向に間隔をおいた2カ所に排水溝Lを形成してもよい。
2 溝切り装置
4 ロータリ機枠(機枠)
7 溝切りローラ
7b テーパ状側面
7c 面取り面
14 支持枠
50 平行リンク具
51 キャスタ支持体
53 転動圧付与具
55 上リンク
56 下リンク
L 長溝(排水溝)
M 畦
Claims (4)
- ロータリ機枠(4)の後部に支持枠(14)を後方突出状に設け、この支持枠(14)に上下一対の平行なリンク(55、56)を有する平行リンク具(50)の前部を連結し、この平行リンク具(50)の後部にキャスタ支持体(51)を設け、このキャスタ支持体(51)に耕耘跡を転動して連続状の長溝(L)を形成する溝切りローラ(7)を設けていることを特徴とするロータリ耕耘機の溝切り装置。
- 前記平行リンク具(50)の上下リンク(55、56)は、ロータリ機枠(4)の上昇で溝切りローラ(7)が浮上されるときに互いに接触して前記溝切りローラ(7)の下降を制限可能になっていることを特徴とする請求項1に記載のロータリ耕耘機の溝切り装置。
- 前記平行リンク具(50)に及び/又は平行リンク具(50)と支持枠(14)との間に、溝切りローラ(7)に転動圧を付与する転動圧付与具(53)を設けていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロータリ耕耘機の溝切り装置。
- 前記溝切りローラ(7)の左右側面は、径大側から径小側へ軸外方向へ移行するテーパ状側面(7b)と、このテーパ状側面(7b)の径小側で連続状の長溝(L)の溝壁面上縁を面取りする面取り面(7c)とを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータリ耕耘機の溝切り装置。
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- 2010-01-12 JP JP2010004149A patent/JP5356262B2/ja active Active
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