JP2011142128A - 太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム及び/又はその化合物と、芳香族基を分子内に有するリン化合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とし、白色度が50以上であり、平均粒径が0.1〜3μmの微粒子を3〜50質量%含有し、フィルムの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であり、厚みが20〜500μmである白色ポリエステルフィルムに、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂を主成分とし、前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.70〜1.60である塗布層を有する太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
Description
アルミニウム及び/又はその化合物と、芳香族基を分子内に有するリン化合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とし、白色度が50以上であり、平均粒径が0.1〜3μmの微粒子を3〜50質量%含有し、フィルムの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であり、厚みが20〜500μmである白色ポリエステルフィルムに、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂を主成分とし、前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.70〜1.60である塗布層を有する太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。
本発明の太陽電池用ポリエステルフィルムの主たる構成成分であるポリエステルを重合する際に使用する重縮合触媒は、アルミニウム及び/又はその化合物と、芳香族基を分子内に有するリン化合物を含有する触媒、リン化合物のアルミニウム塩を含有する触媒、または前記一般式(5)で表わされる化合物から選択される少なくとも1種を含有する触媒である。
微粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーする。次いで、ランダムに選んだ少なくとも200個以上の微粒子について、各粒子の外周をトレースする。画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、それらの平均値を平均粒径とする。
本発明の太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムには、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂を主成分とした塗布層が形成され、赤外分光法による測定で、脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)の比率(A1460/A1530)がが0.70〜1.60であることが重要である。ここで、「主成分」とは、塗布層に含まれる全固形成分中として50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有することを意味する。
本発明の白色ポリエステルフィルムは、その製造方法は任意であり、特に制限されるものではないが、例えば以下のようにして製造することが出来る。まず、スキン層をフィルム表面に接合する方法としては、微粒子を含有するスキン層のポリエステル樹脂と、非相溶の熱可塑性樹脂を含有するコア層のポリエステル樹脂を別々の押出機に供給した後、溶融状態で積層して同一のダイから押し出す共押出法を採用することが最も好ましい。
本発明の太陽電池用バックシートは前記塗布層を有する白色ポリエステルフィルムを構成部材とする。特に、封止材と直接的に接する最表層に用いることが好ましい。係る構成により本発明の太陽電池用バックシートは封止材との強固な密着性を奏することができ、長期にわたる過酷な環境下においても良好な密着性を奏する。そのため、太陽電池素子の防湿性保持やバリア性向上に寄与しうる。さらに、本発明の太陽電池用バックシートは良好な光反射性を奏するので光電変換効率を向上する上で好適である。
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてp−クロロフェノールを用い、30℃で測定した。
フィルムを5cm角の正方形に4枚切り出して試料とした。これを4枚重ねにして、その厚みをマイクロメーターにより場所を変え任意の10箇所を有効数字4桁で測定し、重ね厚みの平均値を求めた。この平均値を4で除して有効数字3桁に丸め、一枚あたりの平均厚み(t:μm)とした。同試料4枚の質量(w:g)を有効数字4桁で自動上皿天秤を用いて測定し、次式より見かけ密度を求めた。なお、見かけ密度は有効数字3桁に丸めた。
見かけ密度(g/cm3)=(w×104)/(5.00×5.00×4×t)
白色度JIS−L1015−1981−B法により、日本電色工業(株)Z−1001DPを用いて行った
フィルムおよび原料ポリエステル樹脂につき、下記の方法で測定した。
フィルムまたは原料ポリエステル樹脂を粉砕し、70℃で24時間真空乾燥を行った後、天秤を用いて0.20±0.0005gの範囲に秤量する。そのときの質量をW(g)とする。試験管にベンジルアルコール10mlと秤量した試料を加え、試験管を205℃に加熱したベンジルアルコール浴に浸し、ガラス棒で攪拌しながら試料を溶解する。溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれA,B,Cとする。次いで、新たに試験管を用意し、ベンジルアルコールのみ入れ、同様の手順で処理し、溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれa,b,cとする。
(ii)滴定
予めファクターの分かっている0.04mol/l水酸化カリウム溶液(エタノール溶液)を用いて滴定する。指示薬はフェノールレッドを用い、黄緑色から淡紅色に変化したところを終点とし、水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)を求める。サンプルA,B,Cの滴定量をXA,XB,XC(ml)とする。サンプルa,b,cの滴定量をXa,Xb,Xc(ml)とする。
(iii)酸価の算出
各溶解時間に対しての滴定量XA,XB,XCを用いて、最小2乗法により、溶解時間0分での滴定量V(ml)を求める。同様にXa,Xb,Xcを用いて、滴定量V0(ml)を求める。次いで、次式に従い酸価を求める。
カルボキシル末端濃度(eq/ton)=[(V−V0)×0.04×NF×1000]/W
NF:0.04mol/l水酸化カリウム溶液のファクター
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)を使用して、DSC曲線からガラス転移開始温度を求めた。
得られた太陽電池用易接着性ポリエステルフィルムについて塗布層を削り取り、約1mgの試料を採取した。採取した試料に圧力をかけ、厚み約1μmのフィルム状に成型した塗布層試料片(大きさ:約50μm×約50μm)を作成した。さらに、ブランク試料として基材フィルムと同質のPET樹脂についても前記手順と同様にして試料片(ブランク試料片)を作成した。
作成した試料片をKBr板上に載せ、下記条件の顕微透過法により赤外吸収スペクトルを測定した。塗布層の赤外分光スペクトルは、塗布層試料片から得た赤外分光スペクトルとブランク試料片のスペクトルとの差スペクトルとして求めた。
脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)は1460±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とし、ウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)は1530±10cm−1の領域に吸収極大をもつ吸収ピーク高さの値とした。なお、ベースラインはそれぞれの極大吸収のピークの両側の裾を結ぶ線とした。得られた吸光度から下記式により吸光度比率を求めた。
(吸光度比率)=A1460/A1530
装置:FT−IR分析装置SPECTRA TECH社製 IRμs/SIRM
検出器:MCT
分解能:4cm−1
積算回数:128回
JIS−60068−2−66で規格化されているHAST(Highly Accelerated temperature and humidity Stress Test)を行った。機器はエスペック社製EHS−221を用い、105℃、100%Rh、0.03MPa下の条件で行った。
フィルムを70mm×190mmにカットし、治具を用いてフィルムを設置した。各フィルムは各々が接触しない距離を保ち設置した。105℃、100%Rh、0.03MPaの条件下で200時間処理を行った。
促進耐光性試験は、岩崎電気株式会社製アイ スーパーUVテスターSUV−W151を用い、63℃、50%Rh、照射強度100mW/cm2で100時間の連続UV照射処理を行った。
耐加水分解性、耐光性の評価は、破断伸び保持率で行った。それぞれの処理前、処理後の破断伸びをJIS C 2318−1997 5.3.31(引張強さ及び伸び率)に準拠して測定し、下記式に従い破断伸び保持率を算出した。
破断伸び保持率(%)=〔(処理後の破断伸び)×100〕/(処理前の破断伸び)
フィルムを長手方向に、長さ200mm、幅10mmの短冊状サンプルを切り出して用いた。JIS K−7127に規定された方法に従って、引っ張り試験器を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定した。初期引っ張りチャック間距離は100mmとし、引っ張り速度は300m/分とした。測定はサンプルを変更して20回行い、その破断伸度の平均値(X)を求めた。また、長さ200mm、幅10mmの短冊状サンプルをギアオーブンに入れ、160℃の雰囲気下で放置した後、自然冷却し、このサンプルについて前記と同条件での引っ張り試験を20回行い、その破断伸度の平均値(Y)を求めた。得られた破断伸度の平均値(X)、(Y)から伸度保持率を次式で求めた。
伸度保持率(%)=(Y/X)×100
伸度保持率が50%以下となるまでの熱処理時間を求め、破断伸度保持率半減期とした。
得られた太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを100mm幅×100mm長、EVAシートを70mm幅×90mm長に切り出したもの用意し、フィルム(塗布層面)/下記記載のEVA/(塗布層面)フィルムの構成で重ね、真空ラミネーターで下記記載の接着条件で加熱圧着し、サンプルを作成した。作成したサンプルを20mm幅×100mm長に切り出した後、SUS板に貼りつけ、下記記載の条件で引張り試験機でフィルム層とEVA層の剥離強度を測定した。剥離強度は極大点を越えた後に安定して剥離している部分の平均値として求めた。下記の基準でランク分けした。
◎:100N/20mm以上、または、フィルムの材破
○:75N/20mm以上、100N/20mm未満
△:50N/20mm以上、75N/20mm未満
×:50N/20mm未満
装置:真空ラミネーター エヌ・ピー・シー社製 LM−30×30型
加圧:1気圧
EVA:
A.スタンダードキュアタイプ
I.サンビック製 Urtla Pearl PV(0.4μm)
ラミネート工程:100℃(真空5分、真空加圧5分)
キュア工程:熱処理150℃(常圧45分)
II.三井ファブロ製 ソーラーエバ SC4(0.4μm)
ラミネート工程:130℃(真空5分、真空加圧5分)
キュア工程:150℃(常圧45分)
B.ファストキュアタイプ
I.サンビック製 Urtla Pearl PV(0.45μm)
ラミネート工程:135℃(真空5分、真空加圧15分)
II.三井ファブロ製 ソーラーエバ RC02B(0.45μm)
ラミネート工程:150℃(真空5分、真空加圧15分)
装置:テンシロン 東洋BALDWIN社製 RTM−100
剥離速度:200mm/分
剥離角度:180度
得られた太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを、高温高湿槽中で85℃、85%RHの環境下1000時間放置した。次いで、太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを取りだし、室温常湿で24時間放置した。その後、は、前記(11)と同様の方法で剥離強度を測定し、下記の基準でランク分けをした。
◎:100N/20mm以上、または、フィルムの材破
○:75N/20mm以上、100N/20mm未満
△:50N/20mm以上、75N/20mm未満
×:50N/20mm未満
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸12.85質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール153.41質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−1)を調製した。得られたポリウレタン樹脂(A−1)のガラス転移点温度は−30℃であった。
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート29.14質量部、ジメチロールブタン酸7.57質量部、数平均分子量3000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール173.29質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン5.17質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−2)を調製した。
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート43.75質量部、ジメチロールブタン酸11.12質量部、ヘキサンジオール1.97質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール143.40質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン8.77質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min−1で攪拌混合しながら、ポリウレタンプレポリマー溶液を添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−3)を調製した。
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート38.41質量部、ジメチロールプロパン酸6.95質量部、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール158.99質量部、ジブチルスズジラウレート0.03質量部、及び溶剤としてアセトン84.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン4.37質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次にγ―(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン3.84質量部、2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノール1.80質量部と水450gを添加して、ポリウレタンプレポリマー溶液を滴下して水分散した。その後、減圧下で、アセトンおよび水の一部を除去することにより、固形分30%の水溶性シラノール基含有ポリウレタン樹脂溶液(A−4)を調製した。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量1000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−5)を得た。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量5000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−6)を得た。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量2000のポリエステルジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−7)を得た。
水溶性ポリウレタン樹脂(A−1)の数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオールを数平均分子量2000のポリエーテルジオールに変更した以外は、同様の方法で固形分35%の水溶性ポリウレタン樹脂溶液(A−8)を得た。
(ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)の調製)
(1)重縮合触媒溶液の調製
(リン化合物のエチレングリコール溶液の調製)
窒素導入管、冷却管を備えたフラスコに、常温常圧下、エチレングリコール2.0リットルを加えた後、窒素雰囲気下200rpmで攪拌しながら、リン化合物として(化39)で表されるIrganox1222(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)の200gを加えた。さらに2.0リットルのエチレングリコールを追加した後、ジャケット温度の設定を196℃に変更して昇温し、内温が185℃以上になった時点から60分間還流下で攪拌した。その後加熱を止め、直ちに溶液を熱源から取り去り、窒素雰囲気下を保ったまま、30分以内に120℃以下まで冷却した。得られた溶液中のIrganox1222のモル分率は40%、Irganox1222から構造変化した化合物のモル分率は60%であった。
冷却管を備えたフラスコに、常温常圧下、純水5.0リットルを加えた後、200rpmで攪拌しながら、塩基性酢酸アルミニウム200gを純水とのスラリーとして加えた。さらに全体として10.0リットルとなるよう純水を追加して常温常圧で12時間攪拌した。その後、ジャケット温度の設定を100.5℃に変更して昇温し、内温が95℃以上になった時点から3時間還流下で攪拌した。攪拌を止め、室温まで放冷し水溶液を得た。
上記方法で得たアルミニウム化合物水溶液に等容量のエチレングリコールを加え、室温で30分間攪拌した後、内温80〜90℃にコントロールし、徐々に減圧して、到達27hPaとして、数時間攪拌しながら系から水を留去し、20g/lのアルミニウム化合物のエチレングリコール溶液を得た。得られたアルミニウム溶液の27Al−NMRスペクトルのピーク積分値比は2.2であった。
3基の連続エステル化反応槽および3基の重縮合反応槽よりなり、かつ第3エステル化反応槽から第1重縮合反応槽への移送ラインに高速攪拌器を有したインラインミキサーが設置された連続式ポリエステル製造装置に高純度テレフタル酸1質量部に対してエチレングリコール0.75質量部とをスラリー調製槽に連続的に供給した。調製されスラリーを連続的に供給し第1エステル化槽が反応温度250℃、110kPa、第2エステル化反応槽が260℃、105kPa、第3エステル化反応槽が260℃、105kPaとして、第2エステル化反応槽にエチレングルコール0.025質量部を連続的に投入しポリエステルオリゴマーを得た。該オリゴマーを3基の反応槽よりなる連続重縮合装置に連続的に移送すると共に、該移送ラインに設置されたインラインミキサーに上記方法で調製したアルミニウム化合物のエチレングリコール溶液およびリン化合物のエチレングリコール溶液をそれぞれポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子およびリン原子として0.015モル%および0.036モル%となるように攪拌式のミキサーで攪拌しながら連続的に添加し、初期重縮合反応槽が265℃、9kPa、中期重縮合反応槽が265〜268℃、0.7kPa、最終重縮合反応槽が273℃、13.3Paで重縮合し、極限粘度0.59、酸価10.5(eq/ton)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)を調製した。
上記で調製したポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)を回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で時間を変えて固相重合を行い、値極限粘度0.75、カルボキシル末端濃度5.0(eq/ton)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PETII)を作成した。
事前に120℃、8時間ほど10−3torr下で乾燥した、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のルチル型二酸化チタン50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して、混練りして脱気しながら275℃で押出し、ルチル型二酸化チタン微粒子含有マスターバッチ(MB−I)ペレットを調製した。このペレットの酸価は、12.0(eq/ton)であった。
下記の塗剤を混合し、塗布液を作成した。
水 55.86質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 13.52質量%
粒子 0.59質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.03質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
次いで、上記のように作製したポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−II)50質量%と、先に作製したMB−Iを50質量%とを混合した(A)層の原料と、PET−IIを70質量%とMB−Iを30質量%とを(B)層の原料とし、それぞれ別々の押出機に投入し、280℃で混合、溶融し、続いてフィードブロックを用い、A層の片面にB層を溶融状態で接合した。このとき、A層とB層の吐出量比率は、ギアポンプを用いて制御した。次いでT−ダイを用いて30℃に調節された冷却ドラム上に押し出し、A/B/A層となるように未延伸シートを作成した。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−5)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−6)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−7)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−8)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムの基材厚みを5μmに変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−2)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−3)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をシラノール基含有ポリウレタン樹脂(A−4)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムの基材厚みを50μmに変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムの基材厚みを100μmに変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムの基材厚みを350μmに変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
水 61.51質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 8.11質量%
粒子 0.35質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.03質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
水 41.71質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 27.05質量%
粒子 1.18質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.06質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
(3)太陽電池用バックシートの製造
実施例1の太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム/アルミ箔(30μm)/ポリフッ化ビニルフィルム(38μm)の構成でドライラミネート法で接着し、太陽電池用バックシートを得た。
ドライラミネート用接着剤
タケラックA−315(三井化学製)/タケネートA−10(三井化学製)=9/1(固形分比)
(空洞形成剤の調製)
原料として、メルトフローレート1.5のポリスチレン(日本ポリスチ社製、G797N)20質量%、メルトフローレート3.0の気相法重合ポリプロピレン(出光石油化学製、F300SP)20質量%、及びメルトフローレート180のポリメチルペンテン(三井化学製:TPX DX−820)60質量%ペレット混合し、2軸押し出し機に供給して十分に混練りし、空洞形成剤を調製した(MB−II)。
B層の原料として、PET−II:MB−I:MB−IIを80:12:8(質量%)とした以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−5)に変更した以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−6)に変更した以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−7)に変更した以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−8)に変更した以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムの基材厚みを5μmに変更した以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−2)に変更した以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をポリウレタン樹脂(A−3)に変更した以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ポリウレタン樹脂をシラノール基含有ポリウレタン樹脂(A−4)に変更した以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムの基材厚みを50μmに変更した以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムの基材厚みを100μmに変更した以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムの基材厚みを350μmに変更した以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
水 61.51質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 8.11質量%
粒子 0.35質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.03質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
塗布液を下記に変更したこと以外は実施例11と同様にして太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
水 41.71質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリウレタン樹脂溶液(A−1) 27.05質量%
粒子 1.18質量%
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.06質量%
(シリコン系、固形分濃度100質量%)
フィルム原料としてのポリエチレンテレフタレート樹脂の酸価を29.5(PET−III)とした以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
微粒子含有マスターバッチの作成において、原料として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のアナターゼ型二酸化チタン50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して、混練りして脱気しながら275℃で押出し、微粒子含有マスターバッチ(MB−III)ペレットを調製した。このペレットの酸価は、11.9(eq/ton)であった。微粒子含有マスターバッチMB−Iに代えてMB−IIIとした以外は実施例1と同様の方法で太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
微粒子含有マスターバッチの作製において、原料として紙袋に入れ温湿度の管理されていない場所で保管してあった未乾燥の極限粘度0.59、酸価10.5(eq/ton)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−I)50質量%に、平均粒径0.3μm(電顕法)のルチル型二酸化チタン 50質量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して、混練りして305℃で脱気しながら微粒子(酸化チタン)含有マスターバッチ(MB−IV)ペレットを調製した。このペレットの酸価は、36.6(eq/ton)であった。微粒子含有マスターバッチMB−Iに代えてMB−IVとした以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
微粒子含有マスターバッチの作製において、ルチル型二酸化チタンの代わりに平均粒径が0.6μmの硫酸バリウムとし(MB−V)、それをA層の原料としてMB−Iの代わりに用いた以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
ジメチレンテレフタレート100質量部、エチレングリコール64質量部と酢酸カルシウム0.09質量部を触媒としてエステル交換した後、トリメチルホスフェート、三酸化アンチモンを0.03質量%で重合し、さらに回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で時間を変えて固相重合を行い、値極限粘度0.75、カルボキシル末端濃度8.0(eq/ton)のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−IV)を作成した。PET−IIに代えてPET−IVを用いた以外は実施例1と同様の方法で太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを得た。
Claims (13)
- 少なくとも片面に塗布層を有する白色ポリエステルフィルムであって、
前記フィルムは、アルミニウム及び/又はその化合物と、芳香族基を分子内に有するリン化合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とし、
白色度が50以上であり、
平均粒径が0.1〜3μmの微粒子を3〜50質量%含有し、
フィルムの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であり、
厚みが20〜500μmであり、
前記塗布層は、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂を主成分とし、
前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.70〜1.60であることを特徴とする太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。 - 前記微粒子がルチル型を主体とする二酸化チタン微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。
- フィルム内部に微細な空洞を多数有することにより、フィルムの見かけ比重が0.7以上1.3以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。
- 平均粒径が0.1〜3μmの微粒子に由来する空洞を多数含有するポリエステル層(スキン層)と、ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞を多数含有するポリエステル層(コア層)が積層されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。
- リン化合物が、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物からなる群より選ばれる一種または二種以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。
- 前記一般式(1)〜(2)中のR1、R4が芳香環構造を有する基であることを特徴とする請求項6記載の太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。
- リン化合物が、フェノール部を同一分子内に有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。
- フェノール部を同一分子内に有するリン化合物が、下記一般式(3)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする請求項8記載の太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。
- 少なくとも片面に塗布層を有する白色ポリエステルフィルムであって、
前記フィルムは、リン化合物のアルミニウム塩を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とし、
白色度が50以上であり、
平均粒径が0.1〜3μmの微粒子を3〜50質量%含有し、
フィルムの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であり、
厚みが20〜500μmであり、
前記塗布層は、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂を主成分とし、
前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.70〜1.60であることを特徴とする太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。 - 少なくとも片面に塗布層を有する白色ポリエステルフィルムであって、
前記フィルムは、下記一般式(5)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とし、
白色度が50以上であり、
平均粒径が0.1〜3μmの微粒子を3〜50質量%含有し、
フィルムの酸価が1(eq/ton)以上30(eq/ton)以下であり、
厚みが20〜500μmであり、
前記塗布層は、脂肪族系ポリカーボネートポリオールを構成成分とするウレタン樹脂を主成分とし、
前記塗布層の赤外分光スペクトルにおいて脂肪族系ポリカーボネート成分由来の1460cm−1付近の吸光度(A1460)とウレタン成分由来の1530cm−1付近の吸光度(A1530)との比率(A1460/A1530)が0.70〜1.60であることを特徴とする太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。
- 160℃での耐熱テストにおける破断伸度保持率半減期が700時間以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルム。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の太陽電池用易接着性白色ポリエステルフィルムを積層した太陽電池用バックシート。
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