JP2000212875A - ゴムとの接着性の改善されたポリエステル繊維材料およびその製造方法 - Google Patents

ゴムとの接着性の改善されたポリエステル繊維材料およびその製造方法

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JP2000212875A JP11009149A JP914999A JP2000212875A JP 2000212875 A JP2000212875 A JP 2000212875A JP 11009149 A JP11009149 A JP 11009149A JP 914999 A JP914999 A JP 914999A JP 2000212875 A JP2000212875 A JP 2000212875A
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修二 千葉
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則子 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム配合物中に埋め込まれた状態で長時間高
温に曝露された場合や高温雰囲気下での耐熱接着性が著
しく改良されたゴム補強用ポリエステル繊維材料および
その製造方法を提供すること。 【解決手段】 下式(1) または(2) を満足する樹脂を3
〜15重量% 含有し、ガーレ式コード硬さが6000mg〜2000
0mg であるゴムとの接着性の改善されたポリエステル繊
維材料。 式(1) 0.5 ≦IRスペクトルの吸光度比(1510cm-1吸
収/2920cm-1吸収)≦6.0 式(2) 2.0 ≦IRスペクトルの吸光度比(1510cm-1吸
収/700cm-1 吸収)≦25.0

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴムとの接着性が改
善されたゴム補強用ポリエステル繊維、特にゴム配合物
中に埋め込まれた状態で長時間高温に曝露された場合や
高温雰囲気下での耐熱接着性が著しく改良されたゴム補
強用ポリエステル繊維材料およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】ポリエチレンテレフタレートに代表される
ポリエステル繊維は優れた力学特性、寸法安定性を有す
るが、ナイロン繊維に比べゴムとの接着性、特にゴム配
合物中に埋め込まれた状態で長時間高温に曝露された場
合の接着力低下が著しいという欠点を持つ。ゴム配合物
中での接着力の低下の原因はゴム配合物中のアミンや水
分の作用によるポリエステル繊維の劣化が原因であると
言われており、この欠点を解消するため従来から多くの
提案がなされてきた。例えば、特開昭51-70394号公報で
はカルボキシル末端基量が10eq/106g 以下のポリエステ
ル繊維にエポキシ化合物処理およびポリイソシアネート
化合物処理およびRFL 処理を施す方法が提案されている
が、ポリイソシアネート処理が有機溶剤系で行われるこ
とおよび3 段ディップ処理であることなどで実用的でな
い。特公昭60-31950号公報では少なくとも接着剤処理に
先立って、キャリアー含有液による処理を行うことによ
り、ゴム中で長時間高温に曝露された場合の接着力低下
が少ないポリエステル繊維材料の製造方法が提案されて
おり、耐熱接着性に関しその効果を有するものの、強
力、耐疲労性が悪化するという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情を
背景としてなされたものであり、強力、耐疲労性を犠牲
にすることなくゴム配合物中に埋め込まれた状態で長時
間高温に曝露された場合や高温雰囲気下での耐熱接着性
が著しく改良されたゴム補強用ポリエステル繊維材料お
よびその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段、即ち本発明の第1は、下式(1) または(2) を満
足する樹脂を3 〜15重量% 含有し、ガーレ式コード硬さ
が6000mg〜20000mg であるゴムとの接着性の改善された
ポリエステル繊維材料であり、 式(1) 0.5 ≦IRスペクトルの吸光度比(1510cm-1吸
収/2920cm-1吸収)≦6.0 式(2) 2.0 ≦IRスペクトルの吸光度比(1510cm-1吸
収/700cm-1 吸収)≦25.0
【0005】第2は、下式(3) または(4) を満足する樹
脂を3 〜15重量% 含有し、ガーレ式コード硬さが6000mg
〜20000mg であるゴムとの接着性の改善されたポリエス
テル繊維材料であり、 式(3) 2.0 ≦IRスペクトルの吸光度比(1510cm-1吸
収/2920cm-1吸収)≦5.0 式(4) 8.0 ≦IRスペクトルの吸光度比(1510cm-1吸
収/700cm-1 吸収)≦22.0
【0006】第3は、ポリエステル繊維材料にゴムとの
接着性を付与するに際して、処理液として(A) キャリア
ーを含む処理液、(B) ブロックドイソシアネート水溶
液、(C) エポキシ樹脂の分散液および(D) レゾルシン−
ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL )混合液の4者
を、ブロックドイソシアネート/ラテックスの固形分重
量比が0.5 /1 〜3.0 /1 となるように組み合わせて、
1 段または2段以上の多段により処理を施すことを特徴
とする、ゴムとの接着性の改善されたポリエステル繊維
材料の製造方法であり、
【0007】第4は、ポリエステル繊維材料が、紡糸ま
たは延伸工程で2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物で処理した後150 ℃〜260 ℃で熱処理して得られ
た糸条である請求項3に記載のゴムとの接着性の改善さ
れたポリエステル繊維材料の製造方法であり、
【0008】第5は、ポリエステル繊維材料が、紡糸ま
たは延伸工程で2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物で処理した後150 ℃〜260 ℃で熱処理して得られ
た糸条を撚糸したコードである請求項3に記載のゴムと
の接着性の改善されたポリエステル繊維材料の製造方法
であり、
【0009】第6は、ポリエステル繊維材料が、紡糸ま
たは延伸工程で2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
化合物で処理した後150 ℃〜260 ℃で熱処理して得られ
た糸条を撚糸してコードとし、これを製織した織物であ
る請求項3に記載のゴムとの接着性の改善されたポリエ
ステル繊維材料の製造方法であり、
【0010】第7は、キャリアーが、o-フェニルフェノ
ール、p-クロルフェノール等のフェノール誘導体、モノ
クロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化ベ
ンゼン類およびレゾルシンとp-クロルフェノールとホル
ムアルデヒドの反応生成物から選ばれたものである特許
請求項2に記載のゴムとの接着性の改善されたポリエス
テル繊維材料の製造方法であり、
【0011】第8は、ブロックドイソシアネートが、3
官能以上のポリメチレンポリフェニルイソシアネートの
混合体(ジフェニルメタンジイソシアネートが混合され
ていてもよい)であり、ブロック剤成分の熱解離温度が
100 ℃〜200 ℃である特許請求項2に記載のゴムとの接
着性の改善されたポリエステル繊維材料の製造方法であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるポリエステル
繊維材料は、ポリエチレンテレフタレートまたは少量の
第3 成分を共重合したポリエチレンテレフタレートを溶
融紡糸して得られる未延伸糸、それを延伸した延伸糸、
それを数本撚り合わせた撚糸コード、あるいはそれを製
織した織物である。該ポリエステル繊維材料は特公昭47
-49768号公報で示されるような、未延伸糸条あるいは延
伸糸条の段階でエポキシ化合物またはイソシアネート化
合物などで表面活性化したポリエステル繊維よりなるも
のであってもよく、特に該ポリエステル繊維材料が紡糸
または延伸工程で2 個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ化合物で処理した後150 ℃〜260 ℃で熱処理して得ら
れた糸条、それを数本撚り合わせた撚糸コード、あるい
はそれを製織した織物である場合には極めて優れた効果
が得られる。
【0013】本発明のディップ樹脂は、式(1) 「0.5 ≦
IRスペクトルの吸光度比(1510cm-1吸収/2920cm-1吸
収)≦ 6.0」または式(2) 「2.0 ≦IRスペクトルの吸
光度比(1510cm-1吸収/700cm-1 吸収)≦ 25.0 」によ
り特徴づけられる。更には、式(3) 「2.0 ≦IRスペク
トルの吸光度比(1510cm-1吸収/2920cm-1吸収)≦ 5.
0」または式(4) 「8.0 ≦IRスペクトルの吸光度比(1
510cm-1吸収/700cm-1吸収)≦ 22.0 」が好ましい。こ
こで、1510cm-1の吸収は芳香族イソシアネートを用いた
ポリウレタンウレアの吸収であり、ウレタン結合、ウレ
ア結合のN-H 基の変角振動と芳香環の吸収が重なった吸
収である。2920cm-1の吸収はC-H の伸縮振動の吸収であ
り、主にスチレン・ブタジエン共重合体による吸収であ
る。700cm-1 の吸収は1 置換ベンゼンのC-H 面外変角の
吸収であり、ポリスチレンによる吸収である。
【0014】つまり、式(1) および式(2) は共にディッ
プ液成分のイソシアネートに由来する吸収とラテックス
に由来する吸収の吸光度比を表す式である。吸光度比が
請求範囲よりより小さい、つまりイソシアネートに由来
する成分が少ないと充分な耐熱接着性が確保できず、一
方、請求範囲より大きい、つまりラテックスに由来する
成分が少ないとコードが硬くなり強力低下、耐疲労性低
下といった問題がある。
【0015】また、繊維に対する樹脂付着量は3 〜15重
量%であることが必要である。樹脂付着量が3 重量%よ
り小さいと充分な耐熱接着性が確保できず、15重量%よ
り大きいとコードが硬くなり強力低下や耐疲労性低下す
ること、またディップ粕の発生量が多くなるなど品位の
点から好ましくない。更に、上に示した特徴を有するデ
ィップ樹脂を含浸した処理コードのガーレ式コード硬さ
が6000mg〜20000mg であるとき、強力、耐疲労性を犠牲
にすることなくゴム配合物中に埋め込まれた状態で長時
間高温に曝露された場合や高温雰囲気下での耐熱接着性
が著しく改良されることを見出した。
【0016】次に、その製造方法について説明する。ポ
リエステル繊維材料にゴムとの接着性を付与するに際し
て、処理液として(A) キャリアーを含む処理液、(B) ブ
ロックドイソシアネート水溶液、(C) エポキシ樹脂の分
散液および(D) レゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテッ
クス(RFL )混合液の4者を、ブロックドイソシアネー
ト/ラテックスの固形分重量比が0.5/1 〜3.0 /1 と
なるように組み合わせて、1 段または2段以上の多段に
より処理を施すことを特徴とする。
【0017】強力、耐疲労性と耐熱接着性を両立させる
には処理液(B) ブロックドイソシアネート水溶液と処理
液(D)RFL中のラテックス成分の固形分重量比はブロック
ドイソシアネート/ラテックス=0.5/1 〜3.0 /1 とす
る必要がある。更には、ブロックドイソシアネート/ラ
テックス=1.0/1 〜2.5 /1 が好ましい。先に述べた様
にブロックドイソシアネート成分が少ないと充分な耐熱
接着性が確保できずラテックス成分が少ないとコードが
硬くなり強力低下、耐疲労性低下といった問題がある。
【0018】処理段数は1 段処理、2 段以上の多段処理
のいずれでも良いが、第1 段の処理浴には少なくとも処
理液(A) を、最終段の処理浴には少なくとも処理液(D)
を含有することが好ましく、更には処理段数が2 段であ
りかつ、第1 段処理浴が処理液(A) および処理液(B)
を、第2 段処理浴が処理液(B) 、処理液(C) および処理
液(D) を含有することが好ましい。重量比は処理液(A)
/処理液(B)=0.02/1 〜0.50/1 、更には0.04/1 〜0.
20/1 が好ましい。
【0019】本発明のキャリアーを含む処理液(A) と
は、キャリアーを水に溶解、分散または乳化せしめたも
のであり、その中にはキャリアー以外の溶剤、分散液、
乳化剤あるいは安定剤等の助剤や紡糸油剤等が含有され
ていてもよい。ここで言うキャリアーとは、その作用は
十分明らかではないが、ポリエステル繊維内部に浸入拡
散し、ポリエステル繊維の膨潤を高め、繊維内部構造を
接着剤分子が入りやすいよう変化せしめる物質である。
つまり、キャリアー作用を活用してブロックドイソシア
ネート水溶液、エポキシ樹脂の分散液およびRFL 溶液を
ポリエステル繊維により強固に結合させ耐熱接着性を向
上させようとするものである。
【0020】キャリアーとして好ましいものはp-クロル
フェノール、o-フェニルフェノール等のフェノール誘導
体類、モノクロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハ
ロゲン化ベンゼン類およびレゾルシンとp-クロルフェノ
ールとホルムアルデヒドとの反応生成物等が上げられ
る。好ましい例のうち特に好ましい例はレゾルシンとp-
クロルフェノールとホルムアルデヒドとの反応生成物で
ある。処理液(D)RFLはレゾルシンとホルマリンを酸また
はアルカリ触媒下で反応させて得られる初期縮合物とス
チレンブタジエンラテックス、カルボキシル基含有スチ
レンブタジエンラテックス、スチレンブタジエンビニル
ピリジンラテックス、アクリロニトリルブタジエンラテ
ックス等の1 種または2 種以上との混合水溶液であり、
レゾルシン、ホルマリン、ラテックスの配合比率は公知
技術のいづれを適用してもよい。
【0021】特公昭60-31950号公報ではキャリアー、RF
L 以外の成分としてブロックドイソシアネートおよび/
またはエポキシの分散液が用いられるが、本発明者が鋭
意検討した結果、処理液(B) ブロックドイソシアネート
水溶液が3 官能以上、更に好ましくは4 官能以上ポリメ
チレンポリフェニルイソシアネート(2 官能のジフェニ
ルメタンジイソシアネートが混合されていてもよい)の
混合体であるとき優れた耐熱接着性能が得られる。イソ
シアネート基を多官能化すると同樹脂付着量で比較して
コードが硬くなることから樹脂の架橋密度が向上してい
ることが示唆され、その結果、樹脂付着量を下げても優
れた耐熱接着性が得られるという利点がある。
【0022】ブロック剤成分の熱解離温度は100 ℃〜20
0 ℃であるもの、好ましい例としてフェノール類、ラク
タム類、オキシム類等が挙げられる。熱解離温度が100
℃より低いと乾燥段階でイソシアネートの架橋反応が開
始し、繊維内部への浸入が不均一なものとなる。一方、
200 ℃より高いと充分な架橋反応が得られず、いずれも
耐熱接着性は低下する。耐熱接着性向上の作用は水溶性
ブロックドイソシアネートを用いることでキャリアーに
よるイソシアネートの繊維内部への浸入拡散がより均一
なものとなり、イソシアネートが耐熱接着力の低下の原
因となるゴム配合物中のアミンの捕捉剤としてより有効
に作用していること及び、多官能イソシアネートにより
樹脂架橋密度が高くなり、アミンの繊維内部へ浸入に対
するバリア性が向上することの相乗効果によりポリエス
テルの劣化が抑制された結果と考えられる。このことは
過加硫後の強力保持率が極めて優れていることからも示
唆される。
【0023】耐疲労性向上の作用については明らかでな
いが、屈曲に対して樹脂層のキンクが観察されないこと
から、強固でありかつ靱性にも優れた樹脂架橋構造が形
成されているものと予想される。処理液(D) エポキシ樹
脂は特に限定されないが好ましくは2 官能以上の多官能
エポキシを用いることで樹脂の架橋密度が高くなり、優
れた耐熱接着性が得られる。好ましい例として脂肪族多
価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物が優れた
性能を示す。かくして得られる本発明のポリエステル繊
維材料は強力、耐疲労性を犠牲にすることなくゴム配合
物中に埋め込まれた状態で長時間高温に曝露された場合
や高温雰囲気下での耐熱接着性が著しく改良された画期
的なものである。
【0024】[実施例]以下実施例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。なお各物性値は下記の方法により測定したもの
である。
【0025】(赤外吸収スペクトル)処理コードをヘキ
サフルオロイソプロパノール(HFIP)に浸漬させ、ポリエ
ステル成分を溶解させる。つづいて、固形分を分離しメ
タノールで洗浄後、乾燥する。こうして得られたディッ
プ樹脂をガラス板上で偏平にし、顕微透過法により、IR
スペクトルを測定した。
【0026】(コード硬さ)JIS-L1096 のガーレ法によ
り評価した。ガーレ式ステフィネステスターの振子支点
より下部2inch の位置に25g の荷重を取り付ける。コー
ド長1.5inch の試料を可動アームのチャックに取り付け
(チャックと振子の自由端間の試長は1.0inch とな
る)、可動アーム作動させ、試料が振子の自由端を離れ
る瞬間の目盛りをRGとし、次式よりコード硬さを求め
た。コード硬さ(mg)= RG×98.9/ コードゲージ(inch)
【0027】(引抜接着力)JIS-L1017 のTテスト(A
法)を改良したHテストにより評価した。処理コードを
ゴム中に1cm の長さ埋め込み、140 ℃で40min (初期)
または170℃で120min(過加硫)加硫した後、常温でゴ
ムからコードを300mm/min で引き抜くのに要する力をkg
/cm で表したものである。また、140 ℃で40min 加硫し
た後、試験片を150 ℃で30min 熱処理しその雰囲気下
(熱時)で同様の評価を行った。
【0028】(ゴム中強力劣化)処理コードをゴム中に
埋め込み、170 ℃で60min (初期)または170 ℃で180m
in(過加硫)加硫した後、ゴムからコードを取り出して
加硫後の破断強力を測定し、加硫前との保持率で表した
ものである。
【0029】(耐疲労性)JIS-L1017 のディスク疲労強
さ(グッドリッチ法)により評価した。処理コード2本
をゴム中に埋め込み、140 ℃で40min 加硫してゴムコン
ポジットを作成する。この試験片を圧縮12.5% 、伸張6.
3%を1 サイクルとする変形を2600サイクル/minで50時間
与えた後、ゴムからコードを取り出して疲労後の破断強
力を測定し、該疲労試験前後の保持率で表したものであ
る。
【0030】[実施例1]公知の方法より得られた1500
デニール、190 フィラメントのポリエチレンテレフタレ
ート糸条(固有粘度0.88dl/g、強度9.5g/d)を2本撚り
合わせ、撚数39×39(t/10cm)の双糸コードを得た。こ
のコードを第1処理液中に浸漬させ処理液の付いたコー
ドを圧力を調整した絞りロールで絞り余剰な液を削除す
る。処理液を付与させたコードは次いで、120 ℃のオー
ブンで56秒間乾燥させた後、235 ℃のオーブンで1.6kg/
cordの張力下で45秒間熱処理させた。引き続きを第2 処
理液中にコードを浸漬させエアーにより余剰な液を削除
する。次いで、第1処理と同様120 ℃オーブンで56秒乾
燥させた後、235 ℃のオーブンで1.0kg/cordの張力下で
45秒間熱処理させた。こうして得られたディップ処理コ
ードの全樹脂付着率は9.2 重量%であった。実施例1で
用いた処理液組成を表1 に示す。尚、ここで用いている
薬品( B) は官能基数が約3 の水溶性ブロックドイソシ
アネートである。
【0031】
【表1】
【0032】[実施例2]原糸に公知の方法より得られ
たエポキシ化合物で表面活性化した1500デニール、190
フィラメントのポリエチレンテレフタレート糸条(固有
粘度0.88dl/g、強度9.5g/d)を用い、それ以外は実施例
1と同様のディップ処理を施した。処理コードの全樹脂
付着率は10.2重量%であった。
【0033】[実施例3 ]実施例1 の処理液において、
第1 処理液および第2 処理液中の薬品( B) を薬品(
B')官能基数が約5 の水溶性ブロックドイソシアネート
に変更し、かつ第1処理液の固形分濃度を8%となるよう
の水で希釈した(処理液組成比一定)。それ以外は実施
例2 と同様、エポキシ化合物で表面活性化した原糸を用
いディップ処理を施した。処理コードの全樹脂付着率は
5.5 重量%であった。
【0034】[比較例1 ]実施例1 の処理液において、
第1 処理液および第2 処理液中の薬品( B) を薬品(
B')官能基数が約5 の水溶性ブロックドイソシアネート
に変更した。それ以外は実施例2 と同様、エポキシ化合
物で表面活性化した原糸を用いディップ処理を施した。
処理コードの全樹脂付着率は15.5重量%であった。
【0035】[比較例2 ]実施例1 の処理液において、
第1 処理液の固形分濃度を8%となるようの水で希釈した
(処理液組成比一定)。それ以外は実施例2 と同様、エ
ポキシ化合物で表面活性化した原糸を用いディップ処理
を施した。処理コードの全樹脂付着率は4.9 重量%であ
った。
【0036】[比較例3 ]実施例1 の処理液において、
第1 処理液および第2 処理液中の薬品( B) を薬品(
B")官能基数が2 の分散性ブロックドイソシアネートに
変更した。それ以外は実施例2 と同様、エポキシ化合物
で表面活性化した原糸を用いディップ処理を施した。処
理コードの全樹脂付着率は6.1 重量%であった。
【0037】[比較例4 ]実施例1 の処理液において、
第1 処理液は用いず、第2 処理液の固形分濃度を15% と
なるようの水で希釈した(処理液組成比一定)ものを1
段処理した。それ以外は実施例2 と同様、エポキシ化合
物で表面活性化した原糸を用いディップ処理を施した。
処理コードの全樹脂付着率は2.5 重量%であった。
【0038】[比較例5 ]ブロックドイソシアネート、
エポキシを含まない、キャリアー+RFL 処方の代表例と
して表2 に示す処理液を用い、それ以外は実施例1と同
様のディップ処理を施した。処理コードの全樹脂付着率
は5.5 重量%であった。
【0039】
【表2】
【0040】実施例1 〜3 および比較例1 〜4 の処理条
件とコード物性を表3 に示す。本発明の実施例1 〜3 で
エポキシ表面活性させた原糸を用いることで耐熱接着性
が更に向上すること、イソシアネートを多官能化させる
ことで、少ない樹脂付着量でも、優れた耐熱接着性が得
られることが判る。
【0041】
【表3】
【0042】実施例1 〜3 が比較例2 〜5 に対し耐熱接
着性、ゴム中強力劣化に優れることは明らかでり、コー
ドの化学的劣化が抑制されていることが判る。また、コ
ード硬さが比較例2 〜5 より硬いにもかかわらず、同等
レベルの強力、耐疲労性を維持していることは従来技術
では予想できなかった本発明の新規な事項である。一
方、比較例1 では耐熱接着性は満足できるがコードが極
めて硬くなるため、強力、耐疲労性が低下している。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、強力、耐疲労性を犠牲
にすることなくゴム配合物中に埋め込まれた状態で長時
間高温に曝露された場合や高温雰囲気下での耐熱接着性
が著しく改良されたゴム補強用ポリエステル繊維材料が
提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 101:32 (72)発明者 飯塚 憲央 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F072 AB05 AC08 AC12 AD23 AD43 AE11 AF24 4J002 CC063 CD002 CF001 CK022 EB126 EJ026 EJ056 ER007 FA041 FD206 4J029 AA03 AB07 BA03 CB06A KH01 KH03 4L033 AA07 AB01 AB03 AB05 AC11 AC15 BA08 CA15 CA34 CA50 CA68 CA70

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(1) または(2) を満足する樹脂を3
    〜15重量% 含有し、ガーレ式コード硬さが6000mg〜2000
    0mg であるゴムとの接着性の改善されたポリエステル繊
    維材料。 式(1) 0.5 ≦IRスペクトルの吸光度比(1510cm-1吸
    収/2920cm-1吸収)≦6.0 式(2) 2.0 ≦IRスペクトルの吸光度比(1510cm-1吸
    収/700cm-1 吸収)≦25.0
  2. 【請求項2】 下式(3) または(4) を満足する樹脂を3
    〜15重量% 含有し、ガーレ式コード硬さが6000mg〜2000
    0mg であるゴムとの接着性の改善されたポリエステル繊
    維材料。 式(3) 2.0 ≦IRスペクトルの吸光度比(1510cm-1吸
    収/2920cm-1吸収)≦5.0 式(4) 8.0 ≦IRスペクトルの吸光度比(1510cm-1吸
    収/700cm-1 吸収)≦22.0
  3. 【請求項3】 ポリエステル繊維材料にゴムとの接着性
    を付与するに際して、処理液として(A) キャリアーを含
    む処理液、(B) ブロックドイソシアネート水溶液、(C)
    エポキシ樹脂の分散液および(D) レゾルシン−ホルムア
    ルデヒド−ラテックス(RFL )混合液の4者を、ブロッ
    クドイソシアネート/ラテックスの固形分重量比が0.5
    /1 〜3.0 /1 となるように組み合わせて、1 段または
    2段以上の多段により処理を施すことを特徴とする、ゴ
    ムとの接着性の改善されたポリエステル繊維材料の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 ポリエステル繊維材料が、紡糸または延
    伸工程で2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
    で処理した後150 ℃〜260 ℃で熱処理して得られた糸条
    である請求項3に記載のゴムとの接着性の改善されたポ
    リエステル繊維材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリエステル繊維材料が、紡糸または延
    伸工程で2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
    で処理した後150 ℃〜260 ℃で熱処理して得られた糸条
    を撚糸したコードである請求項3に記載のゴムとの接着
    性の改善されたポリエステル繊維材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリエステル繊維材料が、紡糸または延
    伸工程で2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
    で処理した後150 ℃〜260 ℃で熱処理して得られた糸条
    を撚糸してコードとし、これを製織した織物である請求
    項3に記載のゴムとの接着性の改善されたポリエステル
    繊維材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 キャリアーが、o-フェニルフェノール、
    p-クロルフェノール等のフェノール誘導体、モノクロル
    ベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化ベンゼン
    類およびレゾルシンとp-クロルフェノールとホルムアル
    デヒドの反応生成物から選ばれたものである特許請求項
    2に記載のゴムとの接着性の改善されたポリエステル繊
    維材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 ブロックドイソシアネートが、3官能以
    上のポリメチレンポリフェニルイソシアネートの混合体
    (ジフェニルメタンジイソシアネートが混合されていて
    もよい)であり、ブロック剤成分の熱解離温度が100 ℃
    〜200 ℃である特許請求項2に記載のゴムとの接着性の
    改善されたポリエステル繊維材料の製造方法。
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