JP2011140890A - 可変バルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関のバルブタイミングを適正に制御する。
【解決手段】エンジン10には、モータ26の駆動に伴い発生する回転力をカム軸16側に伝達し、それによりクランク軸12に対するカム軸16の回転位相を変化させる可変バルブタイミング装置18が設けられている。ECU30は、モータ26の通電制御によりエンジン10の吸気バルブの開閉タイミングを制御する。このECU30は、エンジン10の停止後において、カム軸16の回転位相を目標値に変化している途中に同回転位相の変化が停止又はほぼ停止した状態であるロック状態が発生したことを検出する。そして、ロック状態が発生したことを検出した場合に、カム軸16の回転位相を目標値への変化方向とは逆方向に一時的に制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の可変バルブタイミング制御装置に関するものであり、詳しくは、モータの通電制御によりバルブタイミングを変更する内燃機関の可変バルブタイミング制御装置に関するものである。
従来、内燃機関のクランク軸に対するカム軸の回転位相をモータにより変化させ、これにより吸気バルブや排気バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)を変更する電動式の可変バルブタイミング装置が知られており、この装置を制御するための方法が種々提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の制御装置では、内燃機関の停止時にバルブタイミングを変化させる場合、モータの作動量を内燃機関の運転中よりも小さくする。これにより、内燃機関の停止時における可変バルブタイミング装置の作動音が低減されるようにしている。
特許第4267635号公報
内燃機関が停止した後にバルブタイミングを変更する場合、カム軸を静止状態から作動させる必要がある。例えば、可変バルブタイミング装置におけるカム軸への回転伝達部が複数のギヤで構成されている場合、モータ通電によるモータ出力軸の回転により回転伝達部におけるギヤを静止状態から回転させ、それに伴いカム軸の回転位相を変化させる必要がある。かかる場合、回転伝達部におけるギヤの噛み合い状態の固体差等に起因して、内燃機関停止後のバルブタイミング変更途中にクランク軸に対するカム軸の回転位相の変化が停止してしまい、それ以上カム軸を回転できない状態(ロックした状態)が発生することが考えられる。このようなロック状態が発生した場合、カム軸の位相を所望の位置に変更することができず、バルブタイミング制御を適正に実施できないおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、内燃機関のバルブタイミングを適正に制御することができる可変バルブタイミング装置の制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、モータ駆動に伴い発生する回転力を内燃機関のカム軸側に伝達し、それにより前記内燃機関のクランク軸に対する前記カム軸の回転位相を変化させる可変バルブタイミング装置に適用され、前記モータの通電制御により前記内燃機関の吸気弁及び排気弁の少なくともいずれかの開閉タイミングを制御する可変バルブタイミング制御装置に関するものである。そして、請求項1に記載の発明は、前記内燃機関の停止後において、前記回転位相を目標値に制御する目標値制御手段と、前記目標値制御手段による前記回転位相の前記目標値への変化中に、同回転位相の変化が停止又はほぼ停止した状態であるロック状態が発生したことを検出するロック検出手段と、前記ロック検出手段により前記ロック状態が発生したことを検出した場合に、前記回転位相を前記目標値への変化方向とは逆方向に一時的に制御する位相制御手段と、を備えることを特徴とする。
カム軸のカム部や、可変バルブタイミング装置のカム軸への回転伝達部には、カム軸の回転を比較的小さな力で実施可能な部分とそうでない部分とが存在する。そのため、可変バルブタイミング装置によりクランク軸に対するカム軸の回転位相を変更する場合、カム軸の回転の負荷が一時的に大きくなることがある。特に、内燃機関の停止後においてカム軸の回転位相を変更する場合には、カム軸の回転を静止状態から行う必要があるため、内燃機関の運転中での位相変更に比べてカム軸の回転の負荷が大きくなる。そのため、エンジン停止後におけるカム軸の位相変化では、カム軸の回転の負荷が一時的に大きくなる場合に回転力が不足し、その結果、カム軸の回転位相をその位相から動かすことができない(モータ駆動時において回転位相の変化が停止又はほぼ停止する)ロック状態が発生することが考えられる。
これに鑑み、本発明では、カム軸のロック状態が発生したことを検出した場合に、カム軸の回転位相を目標値への変化方向とは逆方向に一時的に回転させる。これにより、その後カム軸の回転位相を目標値への変化方向に回転させたときに、そのカム軸の反転に伴う回転の勢いによってロック状態を解除することができる。したがって、本発明によれば、カム軸の位相を目標値に確実に変更することができ、ひいてはバルブタイミング制御を適正に実施することができる。
具体的には、請求項2に記載の発明のように、前記位相制御手段が、前記モータの通電方向を、前記回転位相を前記目標値に変化させているときの通電方向に対して反転させることで前記回転位相を一時的に前記逆方向に制御するとよい。モータの通電方向を反転することでカム軸を積極的に逆回転させることにより、カム軸のロック状態発生時においてロック解除を確実に行うことができる。
ロック状態の発生頻度やロック解除のし難さ等には個体差があり、その個体差に応じた態様でロック解除を行うのが望ましい。したがって、請求項3に記載の発明のように、前記回転位相の前記逆方向への変更量を可変に設定する変更量設定手段を備え、前記位相制御手段が、前記変更量設定手段により設定した変更量に基づいて前記回転位相を前記逆方向に制御してもよい。具体的には、例えば、今回又は過去のエンジン停止後におけるロック発生回数やロック解除の実施回数等のロック状態に関する情報に基づいて逆方向への変更量を設定する。このとき、逆方向への変更量は、例えばモータの通電量や通電時間により変更する。
請求項4に記載の発明では、前記位相制御手段による前記回転位相の前記逆方向への制御後、同回転位相を前記目標値に変更する場合、その変更の開始当初において前記モータの通電量を所定の増量値に一時的に増量する通電増量制御を実施する。すなわち、この構成では、ロック発生時においてカム軸を逆回転させた後、モータの出力を適度にかつ瞬時に大きくして可変バルブタイミング装置を作動させる。これにより、ロック解除を確実に行うことができる。所定の増量値について具体的には、例えば、回転位相の目標値への変更においてフィードバック制御を実施する場合、そのフィードバック制御による制御量よりも大きい制御量とする。
請求項5に記載の発明では、前記ロック状態に関する情報及び該ロック状態の解除に関する情報としてロック情報を記憶する記憶手段を備え、前記位相制御手段が、前記記憶手段に記憶されている過去のロック情報に基づいて前記回転位相を前記逆方向に制御する。こうすることにより、過去の情報に基づいて、ロック状態の発生頻度やロック解除のし難さ等の個体差をロック解除制御に反映させることができ、ロック解除を確実に行う上で好適である。具体的には、例えば、過去のエンジン停止後におけるカム軸の逆回転量に基づいて、今回のエンジン停止後におけるロック解除のためのカム軸の逆回転を実施する。
バルブタイミング制御システムの全体概略を示す構成図。 可変バルブタイミング装置の概略構成図。 吸気側カム軸のロック時及びロック解除を説明するためのタイムチャート。 吸気側カム軸の位相制御を示すフローチャート。 停止後基本制御を示すサブルーチン。
以下、本発明を具体化した実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、内燃機関であるエンジンの吸気バルブを対象にバルブタイミング制御システムを構築するものとしている。当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢としてバルブタイミング制御を実施する。この制御システムの全体概略構成図を図1に示す。
エンジン11において、同エンジン11の出力軸であるクランク軸12は、タイミングチェーン(又はタイミングベルト)13を介して吸気側カム軸16のスプロケット14及び排気側カム軸17のスプロケット15に連結されている。これにより、エンジン11の動力が、タイミングチェーン13及びスプロケット14,15を介して吸気側カム軸16及び排気側カム軸17に伝達される。そして、エンジン11の駆動によりクランク軸12が回転すると、その回転に伴い吸気側カム軸16、排気側カム軸17が回転するとともに、カム軸16,17に取り付けられた図示しないカムが回転する。このカムの回転により、カムの突起部分(カム山)が、バルブスプリングの付勢力に抗して吸気バルブ及び排気バルブ(図示略)を押し下げる。これにより、吸気バルブ及び排気バルブが閉弁状態から開弁状態になる。
吸気バルブには、電動式の可変バルブタイミング装置18が設けられている。この可変バルブタイミング装置18により、クランク軸12に対する吸気側カム軸16の回転位相(カム軸位相)が変更されて吸気バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)が変更される。
図2は、電動式の可変バルブタイミング装置18の概略構成を示す図である。図2において、吸気側カム軸16には位相可変機構21が取り付けられている。位相可変機構21は、吸気側カム軸16に取り付けられた外歯付きのインナギヤ22(第1のギヤ)と、インナギヤ22の外周側に配置された内歯付きのアウタギヤ23(第2のギヤ)と、これらインナギヤ22とアウタギヤ23との間に両者に噛み合うように配置された遊星ギヤ24(位相可変ギヤ)とから構成されている。これらのうち、インナギヤ22及びアウタギヤ23は、吸気側カム軸16に対して同心状に設けられている。また、アウタギヤ23については、吸気側スプロケット14と一体に回転可能になっている。
可変バルブタイミング装置18には、遊星ギヤ24の旋回速度を可変にするためのモータ26が設けられている。モータ26の回転軸27は、吸気側カム軸16、インナギヤ22及びアウタギヤ23と同軸上に配置されており、その回転軸27と遊星ギヤ24の支持軸25とが径方向に延びる連結部材28を介して連結されている。これにより、モータ26の回転に伴って、遊星ギヤ24が支持軸25を中心に回転(自転)しながらインナギヤ22の外周を旋回(公転)可能になっている。
位相可変機構21において、遊星ギヤ24がインナギヤ22とアウタギヤ23とに噛み合った状態でインナギヤ22の外周を旋回すると、アウタギヤ23の回転力が、遊星ギヤ24を介してインナギヤ22に伝達される。また、インナギヤ22の回転速度(吸気側カム軸16の回転速度)に対する遊星ギヤ24の旋回速度(公転速度)が変化されることで、アウタギヤ23に対するインナギヤ22の回転位相(カム軸位相)が変更される。
詳しくは、モータ26の非通電時では、モータ26の回転軸27がアウタギヤ23と同期して回転されてモータ26の回転速度がアウタギヤ23の回転速度に一致される。これにより、アウタギヤ23に対するインナギヤ22の回転位相が現状維持され、バルブタイミング(カム軸位相)が現状維持される。
これに対し、モータ26の通電によりモータ26の回転速度がアウタギヤ23の回転速度に対して変化されると、遊星ギヤ24の旋回速度がアウタギヤ23の回転速度に対して変化され、アウタギヤ23に対するインナギヤ22の回転位相が変更される。これにより、バルブタイミングが変更される。
例えば、バルブタイミングを進角する場合には、モータ26の回転速度をアウタギヤ23の回転速度よりも速くして、遊星ギヤ24の旋回速度をアウタギヤ23の回転速度よりも速くする。これにより、アウタギヤ23に対するインナギヤ22の回転位相を進角してバルブタイミングを進角する。
一方、バルブタイミングを遅角する場合には、モータ26の回転速度をアウタギヤ23の回転速度よりも遅くして、遊星ギヤ24の旋回速度をアウタギヤ23の回転速度よりも遅くする。これにより、アウタギヤ23に対するインナギヤ22の回転位相を遅角してバルブタイミングを遅角する。
なお、可変バルブタイミング装置18は、定常時に吸気側カム軸16をクランク軸12の回転速度の1/2の回転で駆動するようにインナギヤ22とアウタギヤ23と遊星ギヤ24とが構成されている。そして、クランク軸12の回転速度の1/2の回転速度(定常的には、クランク軸12の回転速度の1/2=吸気側カム軸16の回転速度)に対してモータ26の回転速度を調整することで、吸気バルブのバルブタイミング(カム軸位相)を変化させている。
図1の説明に戻り、その他、本システムには、吸気側カム軸16に対向する位置に、所定のカム角毎にカム角信号を出力するカム角センサ19が設けられており、クランク軸12に対向する位置に、所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサ20が設けられている。また、モータ26の回転軸27(図2参照)付近には、モータ26の回転に同期して所定回転角毎にモータ回転角信号を出力するモータ回転角センサ29が設けられている。このモータ回転角センサ29の出力信号により、モータ26の回転角を検出可能になっている。
ECU30は、周知のマイクロコンピュータ等を備えてなる電子制御装置であり、本システムに設けられている各種センサの検出結果等に基づいて、燃料噴射量制御や点火制御、バルブタイミング制御などの各種エンジン制御を実施する。
バルブタイミング制御について詳しくは、ECU30は、例えばカム角センサ19及びクランク角センサ20の出力信号に基づいて、クランク軸12に対するカム軸16の回転位相(実カム軸位相)を算出する。また、エンジン運転条件に応じて目標カム軸位相を算出する。そして、その目標カム軸位相(目標バルブタイミング)と実カム軸位相(実バルブタイミング)との偏差及びエンジン回転速度に基づいて目標モータ回転速度を算出し、その算出した目標モータ回転速度の信号と実モータ回転速度との偏差に基づくフィードバック制御によりモータ26の通電デューティ比(通電制御量)を算出する。ECU30は、その算出した通電デューティ比をモータ駆動制御回路(以下「EDU」と表す)31に出力する。また、EDU31は、その入力した通電デューティ比に基づいてモータ26の通電を制御する。なお、EDU31の機能をECU30に組み込むようにしてもよい。
ここで、エンジン始動時のバルブタイミングの最適値はエンジン11の温度(エンジン水温)に応じて異なり、エンジン水温が低いほど最適タイミングが進角側になる。そのため、IGスイッチのオフに伴いエンジン停止した後、次回のエンジン始動の際に始動時水温(特に冷間始動時の水温)に応じたバルブタイミングに設定されていない場合にはエンジンを始動できないことが考えられる。
これに鑑み、本システムでは、エンジン運転中に加え、IGオフに伴うエンジン停止後においてバルブタイミングの変更を実施している。具体的には、IGオフに伴うエンジン停止後にモータ26を駆動させることにより、次回のエンジン始動が冷間時に行われる場合に備えてバルブタイミングを冷間始動時に適した位置に変更している。これにより、IGスイッチのオフ後において、次回、エンジン11を確実に始動できるようにしている。
なお、エンジン停止後での実カム軸位相の算出はモータ回転角センサ29の出力信号に基づいて行う。具体的には、ECU30は、エンジン停止直前における実カム軸位相を、カム角センサ19及びクランク角センサ20の出力信号に基づいて算出する。また、モータ回転角センサ29の出力に基づいて、エンジン停止後におけるモータ26の作動量を算出する。そして、エンジン停止直前における実カム軸位相と、エンジン停止後におけるモータ作動量とから、エンジン停止後における実カム軸位相を算出する。
ところで、エンジン停止後にバルブタイミングを変更する場合、モータ26の駆動によりカム軸16を回転停止状態から作動させる必要がある。そのため、エンジン停止後では、可変バルブタイミング装置18によるカム軸16の回転位相の変更(バルブタイミングの変更)に際し、位相可変機構21の各ギヤ同士の噛み合い状態やバルブスプリング等の影響がエンジン運転中よりも大きくなることが考えられる。よって、エンジン停止後の位相変更では、その変更途中でクランク軸12に対するカム軸16の回転位相の変化が停止してしまう状態(ロックした状態)が発生することが懸念される。
より具体的には、位相可変機構21の各ギヤ(インナギヤ22、アウタギヤ23、遊星ギヤ24)には、例えば製造工程における各ギヤ歯の加工誤差や熱処理によるひずみが生じていることがある。そのため、ギヤ同士の回転方向における位置関係によっては、互いのギヤのひずみに起因してギヤ同士の噛み合い状態が悪く、モータ26の回転力がカム軸16に一時的に伝達されにくくなることが考えられる。かかる場合、カム軸16を回転させるためのモータ26の出力トルクが不足し、その結果、ロック状態が生じやすくなることが考えられる。
また、可変バルブタイミング装置18によりカム軸16をクランク軸12に対して回転させる場合、吸気バルブをバルブスプリングの付勢力に抗して変位させる、すなわちカム軸16に取り付けられたカムのカム山を乗り越えることが必要になることがある。このとき、エンジン停止後では、クランク軸12の回転が停止しているため、エンジン運転中に比べてバルブスプリングを押し縮めるための負荷が大きくなる。かかる場合、カム軸16の回転時にカム山を乗り越えることができず、これによりクランク軸12に対するカム軸16の回転位相の変化が停止してしまうロック状態が発生することが考えられる。このような種々の要因によって吸気側カム軸16のロック状態が発生した場合には、バルブタイミングを所望のタイミング(例えば冷間始動時に最適なバルブタイミング)に変更することができず、その結果、次回のエンジン始動の際の始動性が低下することが懸念される。
そこで、本実施形態では、エンジン停止後のバルブタイミング制御に際し、吸気側カム軸16における実カム軸位相の目標カム軸位相への変更途中にカム軸位相の変化が停止してしまうロック状態が発生したか否かを検出する。そして、吸気側カム軸16のロック状態が発生したことが検出された場合に、カム軸位相を目標カム軸位相への変化方向とは逆方向に一時的に制御するロック解除制御を実施する。また、そのロック解除制御の実施後、再びカム軸位相を目標カム軸位相への変化方向に制御する。より具体的には、吸気側カム軸16のロック状態が検出された場合に、モータ26の通電方向を反転することでカム軸16を一旦逆回転させ、その後、通電方向を元に戻すことにより、ロック状態を確実に解除するようにしている。
図3は、エンジン停止後のバルブタイミング制御の具体的態様を示すタイムチャートである。図中、(a)はカム軸位相の変更の際に吸気側カム軸16のロック状態が発生していない正常時の場合を示し、(b)はカム軸位相の変更途中で吸気側カム軸16のロック状態が発生した場合を示す。
図3では、エンジン停止時において、カム軸位相が例えば最遅角位置θ1に設定されている。この状態において、目標カム軸位相が、例えばエンジン冷間始動時の最適位相θ2(最遅角位置θ1よりも例えば50〜70°CAだけ進角側の値)に変更されると、図3(a)に示すように、そのタイミングt11で通電増量制御を実行する。また、モータ26の通電開始に伴い通電カウンタCEのカウントを開始する。
この通電増量制御では、モータ26の通電デューティ比Dutyが増量値D(Ini)に設定される。本制御では、増量値D(Ini)を、同通電増量制御に引き続き実施されるフィードバック制御による制御量よりも大きくしてあり、詳しくは、カム軸16や可変バルブタイミング装置18に作用する静止摩擦力に打ち勝ってカム軸16を回転可能とするのに必要なトルクを出力する通電デューディ比(例えば80%以上の通電デューティ比)にしてある。
通電増量制御を開始してから所定時間T1が経過し、通電カウンタCEが所定値K1になると、そのタイミングt12で、実カム軸位相を目標カム軸位相に一致させるべく、モータ26の通電デューティ比のフィードバック制御を開始する。具体的には、まずタイミングt12で通電デューディ比をフィードバック制御の初期値D(FBini)に設定し、その後、例えば積分項を用いたフィードバック制御を実行する。また、タイミングt13で実カム軸位相が目標カム軸位相に一致した場合に、フィードバック制御を終了してモータ26の通電を停止する。
次に、実カム軸位相を目標値に制御している途中でカム軸位相のロック状態が発生した場合について説明する。図3(b)において、タイミングt21でモータ26の通電制御が開始され、通電デューティ比のフィードバック制御実行中のタイミングt22以降でカム軸位相が変化しなくなるロック状態が生じたとする。この場合、タイミングt22でロックカウンタCRのカウントを開始する。そして、ロックカウンタCRが判定値K2に達すると、そのタイミングt23で、カム軸位相を目標値への変化方向とは逆方向に変化させるべく、モータ26の通電方向を反転する。
具体的には、本制御では、カム軸位相の目標値として、最終的な制御目標値Mtgとは別に、所定周期の繰り返し処理において都度用いる仮目標値Ntgを設定することとしている。そして、ロック状態が発生していない通常時には、制御目標値Mtg(図中の実線)を仮目標値Ntgとして用い、ロック発生時には、ロック発生時用の仮目標値Ntg(図中の一点鎖線)によりカム軸位相を制御している。本実施形態では、ロック発生時用の仮目標値Ntgとして、そのときのカム軸位相に対して所定の変更量Δθ(例えば10°CA)だけ遅角側の値を設定する。また、仮目標値Ntgの設定後のタイミングt23以降において、実カム軸位相を仮目標値Ntgに一致させるべく、通電デューティ比を負電流のデューティ比、ここでは負の所定値(例えば−D(Ini))に切り替える。
仮目標値Ntgへの制御期間では、通電デューディ比をまず負の所定値(図3(b)では−D(Ini))で所定時間T2保持し、これに引き続いて通電デューティ比のフィードバック制御を実施する。すなわち、タイミングt23で通電カウンタCEを一旦ゼロにリセットし、そのタイミングt23で再び通電カウンタCEのカウントを開始する。その後、通電カウンタCEが判定値K3(本実施形態ではK3=K1)になったタイミングでフィードバック制御を開始する。
なお、本実施形態において、負の所定値は、フィードバック制御による制御量よりも負側に大きい制御量となっている。また、所定時間T2は、目標値Mtgによる制御時(通電増量制御時)における所定時間T1と同じ時間としたが、異なる時間としてもよい。
そして、実カム軸位相が仮目標値Ntgに達すると、そのタイミングt24で仮目標値Ntgが制御目標値Mtgに変更される。また、モータ26の通電デューティ比を正電流のデューティ比である増量値D(Ini)に変更し、所定時間T1だけこれを継続する。すなわち、吸気側カム軸16のロック状態が検出された場合には、一旦、吸気側カム軸16の回転方向を反転させ、その後、回転方向を再度制御目標値Mtgへの変化方向(正転)に一気に切り換える。本実施形態では、このカム軸16の反転から正転への切り換えによって回転に勢いをつけることで、吸気側カム軸16のロック状態が解除されるようにしている。
上記制御によりロック状態が解消された後、実カム軸位相を目標値に制御している最中に再度ロック状態の発生が検出された場合には、そのタイミングt25で、カム軸位相の仮目標値Ntgをロック発生時用に変更するとともに、通電デューディ比を負電流のデューティ比に切り替える。またその後、カム軸の回転方向を戻すことにより、回転方向の変更に伴う回転の勢いによってロック状態が解消される。このように、カム軸位相の目標値への制御途中にロック状態が発生した場合、その発生時においてロック解除制御を実施することにより、最終的にカム軸位相が制御目標値Mtgに一致される。
なお、図3では、エンジン停止直後のカム軸位相に対して制御目標値Mtgが進角側にある場合、すなわちカム軸位相を遅角側から進角側に変更する場合について説明したが、エンジン停止直後のカム軸位相に対して制御目標値Mtgが遅角側にある場合、すなわちカム軸位相を進角側から遅角側に変更する場合についても同様のことが言える。この場合、ロック発生時用の仮目標値Ntgとして、実カム軸位相に対して変更量Δθ(例えば10°CA)だけ進角側の値を設定する。
次に、本システムの吸気側カム軸16の位相制御について、図4のフローチャートを用いて説明する。本処理は、ECU30により所定周期毎に実行される。なお、本システムでは、図示しないイグニッションスイッチ(IGスイッチ)のオフ後において電源ラインのメインリレーをオンすることによりECU30やモータ26等へ通電可能になっており、同メインリレーにより以下の図4の処理が実行される。
図4において、まずステップS101では、エンジン11の停止後であるか否かを判定し、エンジン運転中であればステップS102へ進み、エンジン運転中の位相制御を実行する。このエンジン運転中の位相制御では、制御目標値Mtgと実カム軸位相θreとの偏差及びエンジン回転速度に基づいて目標モータ回転速度を演算し、その目標モータ回転速度と実モータ回転速度との偏差に基づいてモータ26のデューティ比をフィードバック制御する。
エンジン11の停止後であれば、ステップS103へ進み、吸気側カム軸16のロック状態を解除するための制御であるロック解除制御を実行中か否かを判定する。ロック解除制御の実行中でない場合にはステップS104へ進み、吸気カム軸16のロック状態が発生しているか否かを判定する。
吸気カム軸16のロック状態の判定について本実施形態では、モータ回転角センサ29の出力信号に基づいて行う。具体的には、モータ回転角センサ29の出力に基づきモータ26の回転変化量(カム軸位相の変化速度)を算出し、その算出した回転変化量が所定値以下の場合に吸気カム軸16の回転変化が停止又はほぼ停止した状態であるロック状態であると判定する。
なお、モータ26の通電デューティ比のフィードバック制御中であれば、積分項FBIのゲインをカム軸位相の変化速度に応じて可変にするようにしておき、そのゲインに基づいてロック状態の有無を判定してもよい。
さて、吸気カム軸16のロック状態が発生していない場合にはステップS105へ進み、カム軸位相の仮目標値Ntgとして制御目標値Mtgを設定する。また、ステップS106において、エンジン停止後における基本制御(停止後基本制御)を実施する。
図5は、吸気側カム軸16の位相制御における停止後基本制御を示すサブルーチンである。図5において、ステップS201では、エンジン停止直前の実カム軸位相と、モータ回転角センサ29の出力に基づき検出されるエンジン停止後のカム軸回転量とから、エンジン停止後における実カム軸位相θreを算出し、その算出した実カム軸位相θreと制御目標値Mtgとの差の絶対値が所定値よりも大きいか否かを判定する。
実カム軸位相θreと制御目標値Mtgとの差の絶対値が所定値よりも大きい場合にはステップS202へ進み、通電カウンタCEが判定値K1よりも小さいか否かを判定する。通電カウンタCEが判定値K1よりも小さい場合には、ステップS203〜S205において通電増量制御を実行する。
通電増量制御について具体的には、まずステップS203で、通電カウンタCEを所定値(本処理では値1)だけカウントアップし、続くステップS204で、通電デューティ比Dutyを増量値D(Ini)に設定する。その後、ステップS205へ進み、その設定した通電デューティ比Duty(増量値D(Ini))でモータ26の通電制御を実施するようEDU31に指令する。
通電カウンタCEが判定値K1以上の場合には、ステップS206において、通電カウンタCEが判定値K1であるか否かを判定する。通電カウンタCEが判定値K1の場合にはステップS207へ進み、通電増量制御を開始してから所定時間T1が経過したと判断してフィードバック制御に移行する。
具体的には、まずステップS207で通電カウンタCEを値1だけカウントアップし、ステップS208でフィードバック制御における通電デューティ比の初期値D(FBini)を設定する。初期値D(FBini)について本実施形態では、通電増量制御中のカム軸位相の実変化速度に応じて設定することとしている。このとき、通電増量制御中のカム軸位相の変化速度が小さいほど(可変バルブタイミング装置18の負荷トルクが大きいほど)、初期値D(FBini)が大きくなるように設定する。なお、通電増量制御中のカム軸位相の変化速度は、例えば、通電増制御の実行期間中の実カム軸位相の変化量をその実行期間で除算して求める。その後、ステップS205へ進み、その設定した通電デューティ比Duty(初期値D(FBini))でモータ26の通電制御を実施するようEDU31に指令する。
また、通電カウンタCEが判定値K1よりも大きい場合には、ステップS209へ進み、現在のカム軸位相の実変化速度と目標変化速度との偏差を算出し、その算出した偏差に応じてフィードバック制御における積分項FBIを算出する。このとき、本実施形態では、積分項FBIの算出に用いる積分ゲインを、通電増量制御中のカム軸位相の実変化速度に応じて設定する。その際、通電増量制御中のカム軸位相の実変化速度が小さいほど(可変バルブタイミング装置18の負荷トルクが大きいほど)、積分ゲインを大きくする。
なお、現在のカム軸位相の実変化速度と目標変化速度との偏差を算出する場合、カム軸位相の目標変化速度を予め設定した所定値に固定して演算処理を簡略化してもよい。あるいは、現在の実カム軸位相と目標カム軸位相との偏差に応じてカム軸位相の目標変化速度を設定してもよい。その際、例えば、実カム軸位相と目標カム軸位相との偏差が小さいほど、カム軸位相の目標変化速度を小さくする。また、積分項FBIを算出するのにあたり、現在のカム軸位相の実変化速度と目標変化速度との偏差、及び通電増量制御中のカム軸位相の実変化速度に応じて積分項FBIを算出してもよい。
ステップS210では、前回の通電デューティ比Duty(I-1)に積分項FBIを加算して今回の通電デューティ比Duty(I)を算出する。その後、ステップS205へ進み、設定した通電デューティ比Duty(Duty(I))でモータ26の通電制御を実施するようEDU31に指令する。
そして、実カム軸位相θreと制御目標値Mtgとの差の絶対値が所定値以下になると、ステップS201で否定判定されてステップS211に進む。ステップS211では、モータ26の通電デューティ比Dutyをゼロに設定するとともに、通電カウンタCEをゼロにリセットする。こうしてカム軸位相が目標値に一致する。
図4の説明に戻り、カム軸位相の目標値Mtgへの制御途中で吸気側カム軸16が制御目標値Mtgへの変化方向にそれ以上動かなくなるロック状態が発生すると、ステップS104で肯定判定されてステップS107以降の処理を実行する。具体的には、まずステップS107において、ロックカウンタCRを値1だけカウントアップし、ステップS108で、ロックカウンタCRが判定値K2よりも大きいか否かを判定する。
ロックカウンタCRが判定値K2以下の場合にはそのまま本ルーチンを終了する。一方、ロックカウンタCRが判定値K2よりも大きくなると、ステップS109へ進み、仮目標値Ntgとして、目標値Mtgへの変化方向とは逆方向に実カム軸位相θreから変更量Δθ(例えば10°CA)だけ離れた角度を設定する。また、通電カウンタCE及びロックカウンタCRをゼロにリセットする。
なお、図4中では、制御目標値Mtgを基準にカム軸位相を示しており、制御目標値Mtgから離れる方向を負の符号で表し、制御目標値Mtgに近づく方向を正の符号で表している。したがって、ステップS109における式(仮目標値Ntg=実カム軸位相θre−変更量Δθ)について、制御目標値Mtgがエンジン停止直後のカム軸位相に対して進角側の場合には、実カム軸位相θreよりも変更量Δθだけ遅角側の値を仮目標値Ntgとする。これに対し、制御目標値Mtgがエンジン停止直後のカム軸位相に対して進角側の場合には、実カム軸位相θreよりも変更量Δθだけ進角側の値を仮目標値Ntgとする。
さて、ステップS110では、実カム軸位相θreが仮目標値Ntgに達したか否かを判定する。そして、実カム軸位相θreが仮目標値Ntgに達していない場合にはステップS111へ進み、通電カウンタCEが判定値K3よりも小さいか否かを判定し、判定値K3よりも小さい場合にはステップS112へ進む。
ステップS112では、通電カウンタCEを所定値(本処理では値1)だけカウントアップする。また、ステップS113では、通電デューティ比Dutyを、実カム軸位相θreを制御目標値Mtgへ変化させる方向とは正負逆の通電方向の値に設定する。具体的には、例えば、通電増量制御における増量値D(Ini)と同じ大きさの負電流のデューティ比である−D(Ini)とする。あるいは固定値としてもよい。その後、ステップS114へ進み、設定した通電デューティ比Duty(例えば−D(Ini))でモータ26の通電制御を実施するようEDU31に指令する。
一方、通電カウンタCEが判定値K3以上の場合には、ステップS115において、通電カウンタCEが判定値K3であるか否かを判定する。通電カウンタCEが判定値K3の場合には、ステップS116へ進みフィードバック制御に移行する。すなわち、ステップS116で通電カウンタCEを値1だけカウントアップし、ステップS117でフィードバック制御における通電デューティ比の初期値D(FBini)を設定する。本実施形態では、例えば、通電増量制御後のフィードバック制御における初期値D(FBini)と同じ大きさの負電流のデューティ比である−D(FBini)とする。あるいは固定値としてもよい。その後、ステップS114へ進み、設定した通電デューティ比Duty(−D(FBini))でモータ26の通電制御を実施する。
また、通電カウンタCEが判定値K3よりも大きい場合には、ステップS118へ進み、フィードバック制御における積分項FBIを算出する。本実施形態では、通電増量制御後のフィードバック制御と同様の処理にて積分項FBIを算出する。また、ステップS119では、前回の通電デューティ比Duty(I-1)に積分項FBIを加算して今回の通電デューティ比Duty(I)を算出する。その後、ステップS114へ進み、設定した通電デューティ比Duty(Duty(I))でモータ26の通電制御を実施するようEDU31に指令する。
以上詳述した実施形態によれば以下の優れた効果が得られる。
エンジン停止後のバルブタイミング制御に際し、吸気側カム軸16における実カム軸位相の目標カム軸位相への変更途中にカム軸位相の変化が停止してしまうロック状態が発生したか否かを検出し、同ロック状態が発生したことが検出された場合に、カム軸位相を目標カム軸位相への変化方向とは逆方向に一時的に制御する、具体的には、モータ26の通電方向を反転することでカム軸16を一旦逆回転させるロック解除制御を実施する構成としたため、その後、カム軸16の回転位相を目標値への変化方向に回転させたときに、そのカム軸16の反転に伴う回転の勢いによってロック状態を解除することができる。したがって、カム軸16の位相を目標値に確実に変更することができ、ひいてはバルブタイミング制御を適正に実施することができる。
ロック解除制御によりカム軸16を一旦逆回転させた後、元の回転方向に戻す際、その回転方向の変更の開始当初においてモータ26の通電量を所定の増量値D(Ini)に一時的に増量する構成としたため、カム軸16の反転から正転への移行の際にモータ26の出力が適度にかつ瞬時に大きくなる。これにより、ロック解除を確実に行うことができる。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・吸気側カム軸16のロック状態を検出した場合のロック解除制御において、カム軸位相の変更量Δθを可変に設定する。具体的には、例えば、今回のエンジン停止後におけるロック解除制御の実施回数に応じてモータ26の通電量を可変に設定する。より具体的には、今回のエンジン停止後、最初のロック状態発生時には第1通電量D1でロック解除制御を実施し、そのロック解除後、再度ロック状態が発生した場合に、第1通電量D1よりも大きい第2通電量D2でロック解除制御を実施する。これにより、原則としてロック発生がまれであるとして、ロック解除の通電量を最初は比較的小さくしておき、必要に応じてロック解除の際の通電量を大きくすることで、好適なロック解除制御を行いつつもモータ26への過剰な通電を抑制することができ、消費電力の抑制を図ることができる。
あるいは、モータ26の通電方向を一時的に反転する反転時間を可変に設定する。具体的には、今回のエンジン停止後におけるロック解除制御の実施回数に応じて、その反転時間を可変に設定する。このとき、今回のエンジン停止後、最初のロック発生時よりも2回目以降のロック発生時において反転時間を長くする。これにより、必要に応じてロック解除のための通電方向の反転時間を長くすることができ、ロック状態に相応したロック解除を行いつつもモータ26への過剰な通電を抑制することができる。
・上記実施形態では、モータ26の通電方向を、カム軸位相を目標値に変化させているときの通電方向に対して反転させることでカム軸位相を一時的に逆方向に変化させる構成としたが、モータ26の通電方向はそのままにしてモータ通電量を減少させるか、又はモータ26の通電量をゼロにすることでカム軸位相を一時的に逆方向に変化させる構成としてもよい。モータ通電によるカム軸位相の変更途中においてカム軸位相をその位相で保持する場合、位相を保持するための保持電流が必要になることが考えられる。かかる場合、モータ通電量を今現在よりも減少させることにより、カム軸位相を目標値への変化方向とは逆方向に変更可能と考えられる。したがって、本構成によってもロック解除を実施可能と言える。この場合、モータ26の通電方向を逆方向にする場合よりもロック解除の確実性は低下するものの、カム軸16の逆回転に起因するギヤ間の歯打音を抑制できる点で好適である。
・モータ26の通電方向を逆方向すること、及びモータ26の通電方向はそのままにしてモータ通電量を減少させるか又はモータ26の通電量をゼロにすることによりカム軸位相を一時的に逆方向に変化させる構成とし、最初のロック状態発生時にはモータ26の通電方向はそのままにしてモータ通電量を減少させるか、又はモータ26の通電量をゼロにすることでロック解除を実施し、再度のロック状態発生時には、モータ26の通電方向を逆方向にすることでロック解除を実施する。こうすることにより、ギヤ間における歯打音の抑制とロック解除の確実性とのバランスを取りつつロック解除を行うことができる。すなわち、原則としてロック発生がまれであるとして、ロック解除の際の通電方向を最初は変化させず、必要に応じてその通電方向を反転させることで、好適なロック解除制御を行いつつもカム軸16の逆回転に伴うギヤの歯打音を抑制することができる。
・ロック状態及びそのロック状態の解除に関するロック情報を記憶しておき、その記憶されている過去のロック情報に基づいて、カム軸16の回転位相を目標値に向かう方向とは逆方向に制御する。ロック状態の発生頻度やロック解除のし難さ等には個体差があり、その個体差に応じた態様でロック解除を行うことにより、ロック解除を適正に実施することができる。例えば、過去のエンジン停止後におけるカム軸16の逆回転量(変更量Δθ)に基づいて、今回のエンジン停止後におけるロック解除のためのカム軸16の逆回転を実施する。具体的には、過去のエンジン停止後におけるカム軸16の変更量Δθを学習値としてバックアップ用メモリに記憶しておく。このとき、ロック解除の可否についても併せて記憶しておくとよい。そして、過去のエンジン停止後において変更量Δθでロック解除できた場合には、今回のエンジン停止後においてもその変更量Δθでロック解除を実施するとよい。一方、過去のエンジン停止後において変更量Δθではロック解除できなかった場合には、今回のエンジン停止後ではその変更量Δθよりも変更量を大きく設定するとよい。
・今回のエンジン停止後において、カム軸位相を目標値Mtgに制御している途中でロック解除制御の実施回数が判定値に達した場合、その後のロック解除制御を実施しない構成とする。ロック解除制御を複数回行ってもロック解除できない場合、カム軸16の一時的な反転ではロック解除が困難であることが考えられる。したがって、かかる場合には、その後のロック解除制御を中止することにより、上記ロック解除制御の実施による無駄な電力消費を抑制する。なお、ロック解除制御の実施回数が判定値に達した場合、併せて異常発生の旨をドライバに通知したり、その異常内容をバックアップ用メモリに記憶したりするとよい。
・今回のエンジン停止後において、吸気側カム軸16のロック状態発生に伴いロック解除制御を実施した場合、その実施後において所定時間経過してもカム軸位相が目標値Mtgに一致しないときには、その所定時間経過後ではロック解除制御を実施しない構成とする。ロック解除制御(通電方向の反転)を所定時間継続してもロック解除ができない場合には、上記と同様に、カム軸16の一時的な反転ではロック解除が困難であることが考えられる。したがって、通電方向の反転を所定時間継続してもロック解除できない場合には、通電方向の反転を停止する。このとき、併せて異常発生の旨をドライバに通知したり、その異常内容をバックアップ用メモリに記憶したりするとよい。
・上記実施形態では、位相可変機構21を介してモータ26により吸気側カム軸16の回転を電気的に行う電動式の可変バルブタイミング装置に本発明を適用したが、モータによって駆動される電動ポンプにより油圧回路の油圧を制御することで吸気側カム軸16の回転を行う油圧式の可変バルブタイミング装置に本発明を適用してもよい。本構成の場合、回転伝達部としての位相可変機構21が不要となるため、この位相可変機構21のギヤ歯の噛み合い状態の良否によるロック発生の懸念は軽減されるものの、カム軸のカムがバルブスプリングの付勢力に抗して吸排気バルブを押し下げるときの負荷によりロック発生が生じる可能性がある。故に、油圧式の可変バルブタイミング装置に本発明を適用することにより、カム軸の位相を目標値に確実に変更するといった効果を得ることができる。
・吸気側カム軸16に可変バルブタイミング装置18を設けたが、排気側カム軸17に可変バルブタイミング装置を設け、これについても上記と同様のロック解除制御を実施してもよい。
・モータ26と吸気側カム軸16との間に位相可変機構21を備える可変バルブタイミング装置に本発明を適用したが、モータ26の駆動によりクランク軸12に対する吸気側カム軸16の回転位相を変更可能であれば、位相可変機構21を備える上記構成に限定しない。例えば、モータ26と吸気側カム軸16との間に、アームにより構成されるリンク機構やガイドプレートを備える可変バルブタイミング装置に本発明を適用してもよい。
11…エンジン、12…クランク軸、16…吸気側カム軸、18…可変バルブタイミング装置、19…カム角センサ、20…クランク角センサ、26…モータ、29…モータ回転角センサ、30…ECU(目標値制御手段、ロック検出手段、位相制御手段、変更量設定手段、記憶手段)。

Claims (5)

  1. モータ駆動に伴い発生する回転力を内燃機関のカム軸側に伝達し、それにより前記内燃機関のクランク軸に対する前記カム軸の回転位相を変化させる可変バルブタイミング装置に適用され、
    前記モータの通電制御により前記内燃機関の吸気弁及び排気弁の少なくともいずれかの開閉タイミングを制御する可変バルブタイミング制御装置において、
    前記内燃機関の停止後において、前記回転位相を目標値に制御する目標値制御手段と、
    前記目標値制御手段による前記回転位相の前記目標値への変化中に、同回転位相の変化が停止又はほぼ停止した状態であるロック状態が発生したことを検出するロック検出手段と、
    前記ロック検出手段により前記ロック状態が発生したことを検出した場合に、前記回転位相を前記目標値への変化方向とは逆方向に一時的に制御する位相制御手段と、
    を備えることを特徴とする可変バルブタイミング制御装置。
  2. 前記位相制御手段は、前記モータの通電方向を、前記回転位相を前記目標値に変化させているときの通電方向に対して反転させることで前記回転位相を一時的に前記逆方向に制御する請求項1に記載の可変バルブタイミング制御装置。
  3. 前記回転位相の前記逆方向への変更量を可変に設定する変更量設定手段を備え、
    前記位相制御手段は、前記変更量設定手段により設定した変更量に基づいて前記回転位相を前記逆方向に制御する請求項1又は2に記載の可変バルブタイミング制御装置。
  4. 前記位相制御手段による前記回転位相の前記逆方向への制御後、同回転位相を前記目標値に変更する場合、その変更の開始当初において前記モータの通電量を所定の増量値に一時的に増量する通電増量制御を実施する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の可変バルブタイミング制御装置。
  5. 前記ロック状態に関する情報及び該ロック状態の解除に関する情報としてロック情報を記憶する記憶手段を備え、
    前記位相制御手段は、前記記憶手段に記憶されている過去のロック情報に基づいて前記回転位相を前記逆方向に制御する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可変バルブタイミング制御装置。
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