JP2011138938A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ギャップが無く、より小型化が可能であって、加えて、電流制御性がより良くなるリアクトルを提供する。
【解決手段】本発明のリアクトルDは、第1コア部1と、第1コア部1の外側に配される第1コイル2と、第1コイル2の外側に配される第2コア部3と、第2コア部3の外側に配される第2コイル4と、第2コイル4の外側に配される第3コア部5と、第1および第2コイル2、4の各両端部を覆うように、第1ないし第3コア部1、3、5を相互に連結する連結コア部6、6とを備え、第1コイル2と第2コイル4とは、電気的に直列に接続され、第1コア部1の透磁率は、第3コア部5および連結コア部6、6の各透磁率よりも低く、かつ、第2コア部3の透磁率は、第3コア部5および連結コア部6、6の各透磁率よりも低い。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電気回路や電子回路等に好適に用いられるリアクトルに関する。
リアクトルは、巻き線を利用した受動素子であり、例えば、力率改善回路における高調波電流の防止、電流型インバータやチョッパ制御における電流脈動の平滑化およびコンバータにおける直流電圧の昇圧等に用いられている。そして、近年では、様々な製品分野で小型化が要求されているため、リアクトルもその小型化が要望されている。
このようなリアクトルは、例えば、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示のリアクトルは、コイルを巻回したボビンの中空孔に組み込まれ、コイルの取付け巻回軸となっている棒状の一対の軟磁性合金圧粉コアと、前記一対の軟磁性合金圧粉コアにおける各両端に組み合わされ、前記一対の軟磁性合金圧粉コアとで四辺形の複合コアを形成する板状の一対のソフトフェライトコアとを備えて構成されている。このような構成によって特許文献1に開示のリアクトルでは、小型化および低損失化が図られている。そして、特許文献1に開示のリアクトルでは、0A時に約2mHのインダクタンスとなるように、軟磁性合金圧粉コアとソフトフェライトコアとの対向部分にギャップが設けられている。
このようなギャップをコア部に設けると、一般に、騒音や漏れ磁束の問題が生じてしまう。また、コア部のギャップは、その寸法精度がリアクトルのインダクタンス特性に影響するため、精度よく前記ギャップを形成する必要がある。このため、リアクトルの加工コストが高くなると言う不都合も生じてしまう。前記騒音対策としてギャップ部分にセラミック素材を用いることが挙げられるが、このような騒音対策では、リアクトルの加工コストが高くなってしまう。
そこで、例えば、特許文献2には、騒音対策や漏れ磁束対策を目的としたリアクトルが開示されている。この特許文献2に開示のリアクトルは、コア部と、前記コア部の外側に配されるコイルとを備え、前記コイルの励磁により前記コア部を通る閉磁路が形成されるリアクトルであって、前記コア部は、比透磁率が5〜50の材料で実質的に構成される。このような構成によって特許文献2に開示のリアクトルでは、コア部にギャップが無く、ギャップを有することによって生じる騒音や漏れ磁束の問題が解消されている。
特開2007−128951号公報 特開2008−112935号公報
しかしながら、特許文献2に開示のリアクトルでは、コア部の比透磁率が低いため、コア部自体から比較的大きな漏れ磁束が生じてしまう。そして、この漏れ磁束によってリアクトルの周辺機器に発熱を生じさせてしまう虞もある。その一方で、リアクトルの周辺機器の配置によってリアクトルのインダクタンス特性が影響され易いという不都合もある。このような不都合を軽減させるためには、リアクトルにおけるコア部の体積を大きくする必要があり、リアクトルの小型化の目的に対し有効とは言えない。
また、リアクトルを電気回路や電子回路等に利用する場合、リアクトルに流す電流の変化率が一定である場合に電流の制御性が良くなるため、いわゆるB−Hカーブの直線性が望まれる。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップが無く、より小型化可能であって、加えて、電流制御性のより良いリアクトルを提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかるリアクトルは、第1コア部と、第2コア部と、前記第1コア部のみに巻き回された第1コイルと、少なくとも前記第1コア部および前記第2コア部の両方を含むように巻き回された第2コイルと、前記第1および第2コア部を相互に連結する連結コア部とを備え、前記第1コイルと前記第2コイルとは、電気的に直列に接続され、前記第1コア部の透磁率は、前記連結コア部の透磁率よりも低く、かつ、前記第2コア部の透磁率は、前記連結コア部の透磁率よりも低いことを特徴とする。
このような構成のリアクトルは、第1コア部および第2コア部が連結コア部で連結され、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップを無くした構造である。このため、本発明にかかるリアクトルは、リアクトルから外部空間に漏れる漏れ磁束を抑制することが可能となる。そして、このようなギャップを無くした構造を採用するとともに、第1コア部の透磁率および第2コア部の透磁率が相対的に低くされる一方、連結コア部の透磁率が相対的に高くされる。このため、本発明にかかるリアクトルは、飽和磁束の点で有利であり、より小型化が可能である。そして、上記のように、第1コア部の透磁率および第2コア部の透磁率が相対的に低くされる一方、連結コア部の透磁率が相対的に高くされる。このため、相対的に高い透磁率の連結コア部における磁束密度の変化に対する透磁率の変化を、相対的に低い透磁率の第1コア部および第2コア部によって補償することで、リアクトルにおける、いわゆるB−Hカーブ(励磁磁場と磁束密度との関係)の直線性が改善されるので、加えて、電流制御性がより良くなる。したがって、本発明にかかるリアクトルは、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップが無く、より小型化が可能であって、加えて、電流制御性がより良くなる。
また、上述のリアクトルにおいて、好ましくは、第3コア部をさらに備え、前記第1コイルは、前記第1コア部の外側に配され、前記第2コア部は、前記第1コイルの外側に配され、前記第2コイルは、前記第2コア部の外側に配され、前記第3コア部は、前記第2コイルの外側に配され、前記連結コア部は、前記第1および第2コイルの各両端部を覆うように、前記第1ないし第3コア部を相互に連結し、前記第1コア部の透磁率は、前記第3コア部および前記連結コア部の各透磁率よりも低く、かつ、前記第2コア部の透磁率は、前記第3コア部および前記連結コア部の各透磁率よりも低いことである。
このような構成のリアクトルは、第1コア部を備える第1コイルおよび第2コア部を備える第2コイルが第3コア部および連結コア部で囲まれ、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップを無くした構造となっている。このため、本態様にかかるリアクトルは、リアクトルから外部空間に漏れる漏れ磁束を抑制することが可能となる。そして、このようなギャップを無くした構造を採用するとともに、第1コア部の透磁率および第2コア部の透磁率が相対的に低くされる一方、第3コア部の透磁率および連結コア部の透磁率が相対的に高くされる。このため、本態様にかかるリアクトルは、飽和磁束の点で有利であり、より小型化が可能である。そして、上記のように、第1コア部の透磁率および第2コア部の透磁率が相対的に低くされる一方、第3コア部の透磁率および連結コア部の透磁率が相対的に高くされる。このため、相対的に高い透磁率の第3コア部および連結コア部における磁束密度の変化に対する透磁率の変化を、相対的に低い透磁率の第1コア部および第2コア部によって補償することで、リアクトルにおける、いわゆるB−Hカーブ(励磁磁場と磁束密度との関係)の直線性が改善されるので、加えて、電流制御性がより良くなる。したがって、本態様にかかるリアクトルは、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップが無く、より小型化が可能であって、加えて、電流制御性がより良くなる。
また、上述のリアクトルにおいて、好ましくは、前記第1コア部は、一対の棒状の第1コア部材によって構成され、前記第1コイルは、前記一対の第1コア部材のそれぞれに巻き回された一対のコイルによって構成され、かつ、該一対のコイルが電気的に直列に接続され、前記第2コア部は、一対の棒状の第2コア部材によって構成され、かつ、該一対の第2コア部材のそれぞれが前記第1コイルを構成する前記一対のコイルよりも外側に配され、前記第2コイルは、電気的に直列に接続された一対のコイルによって構成され、かつ、該一対のコイルの一方が前記第1コイルを構成する前記一対のコイルの一方と前記一対の第2コア部材の一方とを含むように巻き回されるとともに、該一対のコイルの他方が前記第1コイルを構成する前記一対のコイルの他方と前記一対の第2コア部材の他方とを含むように巻き回され、前記連結コア部は、前記第1コア部を構成する前記一対の第1コア部材および前記第2コア部を構成する前記一対の第2コア部材の全てを相互に連結することである。
このような構成のリアクトルは、前記構成のリアクトルと構造的には別構成であるが磁気回路的には等価な構成であり、前記構成のリアクトルと同様の効果を奏する。
また、上述のリアクトルにおいて、前記第1および第2コア部は、軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合物を成形したものであることを特徴とする。この構成によれば、第1および第2コア部について、所望の磁気特性(低透磁率)が比較的容易に得られるとともに、所望の形状が比較的容易に成形され得る。
また、これら上述のリアクトルにおいて、前記連結コア部は、軟磁性体粉末を成形したものであることを特徴とする。あるいは、前記第3コア部は、軟磁性体粉末を成形したものであることを特徴とする。この構成によれば、第3コア部や連結コア部について、所望の磁気特性(高透磁率)が比較的容易に得られるとともに、所望の形状が比較的容易に成形され得る。
また、これら上述のリアクトルにおいて、前記第1および第2コア部は、同一材料であることを特徴とする。この構成によれば、複数の材料種を使用しないので、低コスト化が可能となる。
また、これら上述の第3コア部を有する態様のリアクトルにおいて、前記第3コア部および連結コア部は、同一材料であることを特徴とする。この構成によれば、複数の材料種を使用しないので、低コスト化が可能となる。
ここで、これら前記同一材料は、その組成が同一である場合だけでなく、電磁気的に同一であればその組成が異なっていてもよい。
また、これら上述のリアクトルにおいて、前記第1および第2コア部の各初期比透磁率は、それぞれ2〜20であり、前記連結コア部の初期比透磁率は、それぞれ50〜250であることを特徴とする。あるいは、前記第1および第2コア部の各初期比透磁率は、それぞれ2〜20であり、前記第3コア部の初期比透磁率は、それぞれ50〜250であることを特徴とする。
この構成によれば、リアクトルに一般的に要求される電流−インダクタンス特性、すなわち、電流の変化に対してインダクタンスが略一定(微小な所定の範囲内である場合を含む)となる電流−インダクタンス特性を実現することが可能となる。
本発明にかかるリアクトルは、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップが無く、より小型化が可能であって、加えて、電流制御性がより良くなる。
実施形態におけるリアクトルの構成を示す図である。 実施形態におけるリアクトルの磁気等価回路を示す回路図である。 実施形態のリアクトルに使用される、磁性体の密度が比較的低い材料における磁気特性を示す図である。 実施形態のリアクトルに使用される、磁性体の密度が比較的高い材料における磁気特性を示す図である。 一実施例におけるリアクトルの構成を示す図である。 一実施例のリアクトルにおけるコイルの構成を説明するための図である。 前記コイルの巻き方を説明するための図である。 一実施例のリアクトルにおけるバイアス電流−インダクタンス特性を示す図である。 一比較例におけるリアクトルの構成を示す断面図である。 他の一比較例におけるリアクトルの構成を示す断面図である。 磁性体の密度が比較的高い他の材料における磁気特性を示す図である。 鉄粉を含む磁性体における密度と磁束密度−比透磁率特性との関係を示す図である。 別の実施形態におけるリアクトルの構成を示す図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。
本実施形態におけるリアクトルは、第1コア部と、第2コア部と、前記第1コア部のみに巻き回された第1コイルと、少なくとも前記第1コア部および前記第2コア部の両方を含むように巻き回された第2コイルと、前記第1および第2コア部を相互に連結する連結コア部とを備え、前記第1コイルと前記第2コイルとは、電気的に直列に接続され、前記第1コア部の透磁率は、前記連結コア部の透磁率よりも低く、かつ、前記第2コア部の透磁率は、前記連結コア部の透磁率よりも低いものである。
このような態様のリアクトルにおけるより具体的な一態様として、第3コア部をさらに備え、前記第1コイルは、前記第1コア部の外側に配され、前記第2コア部は、前記第1コイルの外側に配され、前記第2コイルは、前記第2コア部の外側に配され、前記第3コア部は、前記第2コイルの外側に配され、前記連結コア部は、前記第1および第2コイルの各両端部を覆うように、前記第1ないし第3コア部を相互に連結し、前記第1コア部の透磁率は、前記第3コア部および前記連結コア部の各透磁率よりも低く、かつ、前記第2コア部の透磁率は、前記第3コア部および前記連結コア部の各透磁率よりも低いリアクトルについて、以下に、説明するが、このような構造のリアクトルに限定されるものではなく、上記一態様のリアクトルと構造的には別構成であるが磁気回路的には等価な構成でも上記一態様のリアクトルと同様の効果を奏する。
図1は、実施形態におけるリアクトルの構成を示す図である。図1(A)は、連結コア部を取り除いた場合における上面図を示し、図1(B)は、中心軸を含む径方向で切断した断面図を示す。図2は、実施形態におけるリアクトルの磁気等価回路を示す回路図である。図3は、実施形態のリアクトルに使用される、磁性体の密度が比較的低い材料における磁気特性を示す図である。図4は、実施形態のリアクトルに使用される、磁性体の密度が比較的高い材料における磁気特性を示す図である。図3および図4の横軸は、磁束密度であり、その縦軸は、比透磁率である。
図1において、実施形態のリアクトルDは、第1コア部1と、第1コア部1の外側に配される第1コイル2と、第1コイル2の外側に配される第2コア部3と、第2コア部3の外側に配される第2コイル4と、第2コイル4の外側に配される第3コア部5と、第1および第2コイル2、4の各両端部を覆うように、第1ないし第3コア部1、3、5を相互に連結する連結コア部6、6とを備えている。すなわち、リアクトルDは、第1コア部1を備える第1コイル2および第2コア部3を備える第2コイル4が第3コア部5および連結コア部6、6で囲まれており、いわゆるポット型のリアクトルである。
第1コア部1は、後述する所定の磁気特性を有する中実円柱形状であり、第2コア部3は、後述する所定の磁気特性を有し、第1コア部1と同じ高さの円筒形状であり、そして、第3コア部5は、後述する所定の磁気特性を有し、第1コア部1(第2コア部3)と同じ高さの円筒形状である。第2コア部3は、第1コア部1をコア(磁芯)として備える第1コイル2を内包し得る内径であり、第3コア部5は、第2コア部3をコア(磁芯)として備える第2コイル4を内包し得る内径である。したがって、第2コア部3の内径は、第1コア部1の外径よりも第1コイル2の厚みだけ少なくとも大きく、第3コア部5の内径は、第2コア部3の外径よりも第2コイル4の厚みだけ少なくとも大きい。
連結コア部6、6は、後述する所定の磁気特性を有する円板であり、その外形は、第3コア部5の内径よりも大きい。連結コア部6、6の一方(上部連結コア部6)は、略隙間が生じないように、第1コア部1の一方端部、第2コア部3の一方端部および第3コア部5の一方端部にそれぞれ連結され、そして、連結コア部6、6の他方(下部連結コア部6)は、略隙間が生じないように、第1コア部1の他方端部、第2コア部3の他方端部および第3コア部5の他方端部にそれぞれ連結されている。なお、連結コア部6、6は、それぞれ個別に成形されてもよく、また、連結コア部6、6のうちのいずれか一方は、第3コア部5と一体に成形されてもよい。
第1コイル2は、導体線または導体シート等を所定回数だけ第1コア部1の外周に巻回した部材であり、第1コア部1の外周面、連結コア部6、6の各内面および第2コア部3の内周面によって形成された第1空間に配置されている。第2コイル4は、導体線または導体シート等を所定回数だけ第2コア部3の外周に巻回した部材であり、第2コア部3の外周面、連結コア部6、6の各内面および第3コア部5の内周面によって形成された第2空間に配置されている。そして、第1コイル2と第2コイル4とは、電気的に直列に接続される。
前記第1空間は、第1コイル2によって略隙間無く満たされていてもよく、また、第1コイル2を配置された状態で隙間があってもよい。同様に、前記第2空間は、第2コイル4によって略隙間無く満たされていてもよく、また、第2コイル4を配置された状態で隙間があってもよい。第1および第2コイル2、4それぞれで生じた熱を外部へ向けて伝導して外部へ放熱する観点から、前記第1および第2空間は、比較的熱伝導性のよい樹脂(比較的高伝導率の樹脂)で充填されることが好ましい。
このような構造のリアクトルDは、磁気等価回路を考えた場合、図2に示す並列磁気回路となる。リアクトルDの磁気等価回路は、第3磁気抵抗(=L1/(μ×S)と第2磁気抵抗(=L3/(μ×S)との直列接続回路が起磁力n×Iの両端に接続されるとともに、起磁力n×Iと第1磁気抵抗(=L2/(μ×S)との直列接続回路が第2磁気抵抗に並列に接続されている。
ここで、nは、第2コイル4の巻き数であり、nは、第1コイル2の巻き数である。μおよびSは、それぞれ、第3コア部5における透磁率および断面積であり、Lは、上部連結コア部6の中心から第3コア部5を介して下部連結コア部6の中心までの磁路長であり、μおよびSは、それぞれ、第1コア部1における透磁率および断面積であり、Lは、第1コア部1の高さに等しく、そして、μおよびSは、それぞれ、第2コア部3における透磁率および断面積であり、Lは、上部連結コア部6の中心から第2コア部3を介して下部連結コア部6の中心までの磁路長である。また、Iは、第1および第2コイルに流れる電流である。
ここで、注目すべきは、第1コア部1の透磁率は、第3コア部5および連結コア部6、6の各透磁率よりも低く、かつ、第2コア部2の透磁率は、第3コア部5および連結コア部6の各透磁率よりも低くなるように、設けられていることである。
例えば、第1および第2コア部1、3は、所望の磁気特性(低透磁率)の実現容易性および所望の形状の成形容易性の観点から、軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合物を成形したものであることが好ましい。軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合率比を比較的容易に調整することができ、前記混合比率を適宜に調整することによって、第1コア部1の磁気特性や第2コア部3の磁気特性をそれぞれ所望の磁気特性(低透磁率)に容易に実現することが可能となる。また、軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合物であるので、様々な形状に成形することができ、第1コア部1の形状や第2コア部3の形状をそれぞれ所望の形状に容易に成形することが可能となる。また、第1および第2コア部1、3は、低コスト化の観点から、同一材料であることが好ましい。
この軟磁性粉末は、第3コア部5および連結コア部6、6の軟磁性粉末も同様に、強磁性の金属粉末であり、より具体的には、例えば、純鉄粉、鉄基合金粉末(Fe−Al合金、Fe−Si合金、センダスト、パーマロイ等)およびアモルファス粉末、さらには、表面にリン酸系化成皮膜などの電気絶縁皮膜が形成された鉄粉等が挙げられる。これら軟磁性粉末は、例えば、アトマイズ法等によって微粒子化する方法や、酸化鉄等を微粉砕した後にこれを還元する方法等によって製造することができる。また、一般に、透磁率が同一である場合に飽和磁束密度が大きいので、軟磁性粉末は、例えば上記純鉄粉、鉄基合金粉末およびアモルファス粉末等の金属系材料であることが特に好ましい。
このような第1および第2コア部1、3は、例えば、公知の常套手段を用いることによって、軟磁性体粉末としての鉄粉と、非磁性体粉末としての樹脂とを混合して成形した密度2.7g/ccの部材(低透磁率部材)であり、この部材は、例えば、図3に示す磁束密度−比透磁率特性を有している。なお、磁束密度−比透磁率特性は、磁束密度の変化に対する比透磁率の変化である。この第1および第2コア部1、3に用いられた低透磁率部材における磁束密度−比透磁率特性は、約2.8の初期比透磁率から、磁束密度が微小増加すると、磁束密度が約0.02Tで比透磁率が約3.5まで急激に増加し、その後、磁束密度の増加に従って緩やかに比透磁率が減少して行くプロファイルである。図3に示す例では、比透磁率が、初期比透磁率から磁束密度の増加に従って再び初期比透磁率となる磁束密度は、約0.52Tである。
一方、例えば、第3コア部5および連結コア部6、6は、所望の磁気特性(高透磁率)の実現容易性および所望の形状の成形容易性の観点から、軟磁性体粉末を成形したものであることが好ましく、また、低コスト化の観点から、同一材料であることが好ましい。
このような第3コア部5および連結コア部6、6は、例えば、公知の常套手段を用いることによって、鉄粉を圧粉成形した密度7.0g/ccの部材(高透磁率部材)であり、この部材は、例えば、図4に示す磁束密度−比透磁率特性を有している。この第3コア部5および連結コア部6、6に用いられた高透磁率部材における磁束密度−比透磁率特性は、約120の初期比透磁率から、磁束密度が増加すると、磁束密度が約0.35Tで比透磁率が約200まで徐々に増加し、その後、磁束密度の増加に従って徐々に比透磁率が減少して行くプロファイルである。図4に示す例では、比透磁率が、初期比透磁率から磁束密度の増加に従って再び初期比透磁率となる磁束密度は、約1Tである。
また、図3と図4とを比較すると分かるように、低透磁率部材の方が高透磁率部材よりも磁束密度の変化に従って比透磁率が早く(より小さい磁束密度で)最大値となっている。
このような構成のリアクトルDは、第1コア部1を備える第1コイル2および第2コア部3を備える第2コイル4が第3コア部5および連結コア部6、6で囲まれた、いわゆるポット型であり、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップを無くした構造である。このため、本実施形態のリアクトルDは、リアクトルDから外部空間に漏れる漏れ磁束を抑制することが可能となる。そして、このようなギャップを無くした構造を採用するとともに、第1コア部1の透磁率および第2コア部3の透磁率が相対的に低くされる一方、第3コア部5の透磁率および連結コア部6、6の透磁率が相対的に高くされる。このため、本実施形態のリアクトルDは、飽和磁束の点で有利であり、より小型化が可能である。そして、上記のように、第1コア部1の透磁率および第2コア部3の透磁率が相対的に低くされる一方、第3コア部5の透磁率および連結コア部6、6の透磁率が相対的に高くされる。相対的に高い透磁率の第3コア部5および連結コア部6、6における磁束密度−比透磁率特性は、比透磁率が磁束密度の増加に従って、例えば、図4に示すプロファイルとなるが、これを相対的に低い透磁率の第1コア部1および第2コア部3における磁束密度−比透磁率特性によって補償することで、リアクトルDにおける、いわゆるB−Hカーブ(励磁磁場と磁束密度との関係)の直線性がより良くなる。すなわち、図3および図4に示す例では、上述したように、第3コア部5および連結コア部6、6に用いられる高比透磁率部材は、比透磁率が初期比透磁率以上の範囲では、磁束密度の増加に従って初期比透磁率から徐々に増加して比透磁率が最大値を取った後に徐々に減少する一方、第1および第2コア部1、3に用いられる低比透磁率部材は、比透磁率が初期比透磁率以上の範囲では、磁束密度の増加に従って初期比透磁率から比較的急激に増加して比透磁率が最大値を取った後に緩やかに減少するので、これら比透磁率の最大値を取り得る磁束密度が互いに異なるとともに、磁束密度の変化に対する比透磁率の変化の割合が互いに異なることから、これらを合わせることによって、リアクトルDにおけるB−Hカーブの直線性がより良くなる。このため、B−Hカーブの直線性が良くなるほど、リアクトルDに流す電流の変化率がより一定となるため、例えば昇圧回路等における電流の制御性がより良くなる。この結果、回路がより安定的に動作し得る。
以上、説明したように、本実施形態のリアクトルDは、騒音や漏れ磁束の原因となるギャップが無く、より小型化が可能であって、加えて、電流制御性がより良くなる。
次に、本発明の一実施例およびその比較例について説明する。
(実施例および比較例)
図5は、一実施例におけるリアクトルの構成を示す図である。図5(A)は、中心軸を含む径方向で切断した断面図を示し、図5(B)は、連結コア部を取り除いた場合における上面図を示す。図6は、一実施例のリアクトルにおけるコイルの構成を説明するための図である。図7は、前記コイルの巻き方を説明するための図である。図8は、一実施例のリアクトルにおけるバイアス電流−インダクタンス特性を示す図である。図8の横軸は、バイアス電流(A)であり、その縦軸は、インダクタンス(μH)である。図9は、一比較例におけるリアクトルの構成を示す断面図である。図10は、他の一比較例におけるリアクトルの構成を示す断面図である。
一実施例におけるリアクトルD1は、リアクトル電流が0〜100Aの範囲でインダクタンスが195μH±15μHであって、周囲への漏れ磁束が、リアクトルD1の第3コア部5の壁面から距離10mmの地点で100G(ガウス)以内に収まる仕様となるように設計された。なお、漏れ磁場は、周囲の機器へ影響を与える磁場の一指標となり得る。そして、第1コア部1および第2コア部3の低透磁率部材は、その比透磁率が初期比透磁率以上となる範囲で使用され、第3コア部5および連結コア部6、6の高透磁率部材は、その比透磁率が初期比透磁率以上となる範囲で使用される。
このような仕様に応じて図1に示す構造のリアクトルDを設計すると、この一実施例のリアクトルD1は、図5および図6に示す寸法となり、その結果、図8に示す磁気特性が得られる。すなわち、この一実施例のリアクトルD1において、図5および図6に示すように、第1コア部1は、半径(外径)12mmで高さ22mmの中実円柱形状であり、図3に示す磁気特性を持つ密度2.7g/ccの低透磁率部材で形成される。第2コア部3は、内径20mmおよび外径45mmで高さ22mmの円筒形状であり、図3に示す磁気特性を持つ密度2.7g/ccの低透磁率部材で形成される。第3コア部5は、内径50mmおよび外径62mmで高さ22mmの円筒形状であり、図4に示す磁気特性を持つ密度7.0g/ccの高透磁率部材で形成される。連結コア部6、6は、半径(外径)62mmで厚さ10mmの円板であり、図4に示す磁気特性を持つ密度7.0g/ccの高透磁率部材で形成される。そして、第1コイル2(内側コイル)は、その巻き数が9ターンであり、第1コア部1の外周に径方向に8mm(=20mm−12mm)の長さで形成される第1空間に収容される。また、第2コイル4(外側コイル)は、その巻き数が15ターンであり、第2コア部3の外周に径方向に5mm(=50mm−45mm)の長さで形成される第2空間に収容される。
このような第1および第2コイル2、4は、例えば、次の手法によって、第1ないし第3コア部1、3、5に組み込まれる。まず、図7(A)に示すように、両端からそれぞれ巻回されたリボン状の導体シートが用意され、その中間部分が例えば塑性成形によって導体シートを含む平面内において長尺方向と直交する方向に所定角度だけ曲げられる。続いて、図7(B)に示すように、この曲げた部分が第1コア部1の外周面に当接され、この導体シートが、この当接点を起点に、第1コイル2の巻き数、この例では9ターンとなるように、第1コア部1の外周面に巻き付けられ、第1コア部1を巻枠としてDP巻きされる。続いて、図7(C)に示すように、前記導体シートを第1コイル2として巻回した第1コア部1が、前記導体シートを取り出すための間隙が形成された第2コア部(バイパス)3に、前記間隙を介して前記導体シートの巻き残しが外部に取り出されるように、挿入される。続いて、図7(D)に示すように、外部に取り出された導体シートの巻き残しが、前記間隙からの取り出し点を起点に、第2コイル4の巻き数、この例では15ターンとなるように、第2コア部3の外周面に巻き付けられ、第2コア部3を巻枠としてDP巻きされる。続いて、図7(E)に示すように、接続端用(口出し用)に一部を残して導体シートが切断される。続いて、図7(F)に示すように、前記導体シートを第2コイル4として巻回した第2コア部3(第1コア部1および第1コイル2を含む)が、前記接続端用の導体シートを取り出すための間隙が形成された第3コア部5に、前記間隙を介して前記接続端用の導体シートが外部に取り出されるように、挿入される。このような手順によって、第1および第2コイル2、4が第1ないし第3コア部1、3、5に組み込まれる。
このような設計値によって構成された一実施例のリアクトルD1は、その磁気特性が図8に示すプロファイルとなり、バイアス電流が約0〜100Aの範囲において、そのインダクタンスが、バイアス電流約100Aで約180μH(最小値)であってバイアス電流約18Aで約210μH(最大値)であり、195μH±15μHの仕様を満たしている。そして、この一実施例のリアクトルD1では、漏れ磁場がリアクトルD1の第3コア部5の壁面から距離10mmの地点で最大55Gであった。また、この一実施例のリアクトルDにおける体積は、約507cc(=62mm×62mm×3.14×42mm)となる。
一方、一比較例のリアクトルDc1は、図9に示すように、内側コア部11と、内側コア部11の外側に配されたコイル12と、コイル12の外側に配された外側コア部13と、前記コイル12の各両端部を覆うように、内側コア部11および外側コア部13を相互に連結する連結コア部14、14とを備えた、並列構造ではないギャップレスのリアクトルである。
このような図9に示す構成のリアクトルDc1において、一実施例のリアクトルD1と同様に、リアクトル電流が0〜100Aの範囲でインダクタンスが195μH±15μHであって、周囲への漏れ磁束が、リアクトルDc1の外側コア部13の壁面から距離10mmの地点で100G(ガウス)以内に収まる仕様となるように設計すると、各設計値は、次のようになる。すなわち、内側コア部11は、半径(外径)35mmで高さ25mmの中実円柱形状であり、図3に示す磁気特性を持つ密度2.7g/ccの低透磁率部材で形成される。外側コア部13は、内径46mmおよび外径58mmで高さ25mmの円筒形状であり、図4に示す磁気特性を持つ密度7.0g/ccの高透磁率部材で形成される。連結コア部14、14は、半径(外径)58mmで厚さ20mmの円板であり、図4に示す磁気特性を持つ密度7.0g/ccの高透磁率部材で形成される。そして、コイル12は、その巻き数が19ターンであり、内側コア部11の外周に径方向に11mm(=46mm−35mm)の長さで形成される空間に収容される。
この一比較例のリアクトルDc1における体積は、約687cc(=58mm×58mm×3.14×65mm)となる。そして、この一比較例のリアクトルDc1では、漏れ磁場がリアクトルDc1の外側コア部13の壁面から距離10mmの地点で最大18Gであった。
したがって、前記一実施例のリアクトルD1は、前記一比較例のリアクトルDc1と対比すると、その体積が約26%(=(687−507)/687×100)削減されている。
また、他の比較例として、図10に示すように、図9に示す前記一比較例のリアクトルDc1と同一構造であって、内側コア部11、外側コア部13および連結コア部14、14を低透磁率部材で形成した他の比較例のリアクトルDc2は、一実施例のリアクトルD1と同様に、リアクトル電流が0〜100Aの範囲でインダクタンスが195μH±15μHであって、周囲への漏れ磁束が、リアクトルDc2の外側コア部13の壁面から距離10mmの地点で100G(ガウス)以内に収まる仕様となるように設計すると、各設計値は、次のようになる。すなわち、内側コア部11は、半径(外径)35mmで高さ30mmの中実円柱形状であり、図3に示す磁気特性を持つ密度2.7g/ccの低透磁率部材で形成される。外側コア部13は、内径47mmおよび外径71mmで高さ30mmの円筒形状であり、図3に示す磁気特性を持つ密度2.7g/ccの低透磁率部材で形成される。連結コア部14、14は、半径(外径)71mmで厚さ45mmの円板であり、図3に示す磁気特性を持つ密度2.7g/ccの低透磁率部材で形成される。そして、コイル12は、その巻き数が22ターンであり、内側コア部11の外周に径方向に12mm(=47mm−35mm)の長さで形成される空間に収容される。
この他の一比較例のリアクトルDc2における体積は、約1900cc(=71mm×71mm×3.14×120mm)となる。そして、この他の一比較例のリアクトルDc2では、漏れ磁場がリアクトルDc2の外側コア部13の壁面から距離10mmの地点で最大98Gであった。
したがって、前記一実施例のリアクトルD1は、前記他の一比較例のリアクトルDc2と対比すると、その体積が約73%(=(1900−507)/1900×100)削減されている。
なお、リアクトルにおける各寸法は、FEM解析によって求められた。FEM解析は、公知の解析手法であり、インダクタンス特性を与えた場合に、最適化計算によって、その場合におけるリアクトルの体積を求める手法である。
なお、上述の一実施例のリアクトルD1は、図4に示す磁気特性を持つ高透磁率部材を用いたが、高透磁率部材として図11に示す磁気特性を持つ部材を用いてもよい。
図11は、磁性体の密度が比較的高い他の材料における磁気特性を示す図である。図11の横軸は、磁束密度(T)を示し、その縦軸は、比透磁率を示す。
この高透磁率部材は、例えば、公知の常套手段を用いることによって、鉄粉を圧粉成形した密度7.5g/ccの部材であり、第3コア部5および連結コア部6、6に用いられる。この高透磁率部材における磁束密度−比透磁率特性は、図11に示すように、約120の初期比透磁率から、磁束密度が増加すると、磁束密度が約0.35Tで比透磁率が約230まで徐々に増加し、その後、磁束密度の増加に従って徐々に比透磁率が減少して行くプロファイルである。図11に示す例では、比透磁率が、初期比透磁率から磁束密度の増加に従って再び初期比透磁率となる磁束密度は、約1.25Tである。
図12は、鉄粉を含む磁性体における密度と磁束密度−比透磁率特性との関係を示す図である。
また、上述の実施形態おいて、最終的にリアクトルDに要求される特性にもよるが、一般的に要求される電流−インダクタンス特性の観点から、第1および第2コア部1、3の各初期比透磁率は、それぞれ2〜20であり、第3コア部5および連結コア部6、6の各初期比透磁率は、それぞれ50〜250であることが好ましい。このように構成することによって、リアクトルに一般的に要求される電流−インダクタンス特性、すなわち、電流の変化に対してインダクタンスが略一定(微小な所定の範囲内である場合を含む)となる電流−インダクタンス特性を実現することが可能となる。
例えば、鉄粉を含む磁性体における密度と磁束密度−比透磁率特性との関係は、例えば、図12に示す関係となる。ここで、◆は、密度7.5g/ccの場合を示し、△は、密度7g/ccの場合を示し、×は、密度6.5g/ccの場合を示し、*は、密度5.99g/cc(約6g/cc)の場合を示し、○は、密度4.98g/cc(約5g/cc)の場合を示し、+は、密度3.63g/cc(約3.6g/cc)の場合を示す。
上述したように、電流制御性の改善の観点から、図3に示すプロファイルの部材と図4に示すプロファイルの部材とが組み合わされて、リアクトル全体におけるB−Hカーブの直線性が改善される。したがって、この図12から分かるように、初期比透磁率が約2〜20である部材(密度約5g/cc以下の部材)は、B−Hカーブが図3に示すB−Hカーブと同様の略平坦なプロファイルであることから、第1および第2コア部1、3の各初期比透磁率は、それぞれ2〜20であることが好ましい。そして、この図12から分かるように、初期比透磁率が約50〜250である部材(密度約6g/cc以上の部材)は、B−Hカーブが図4に示すB−Hカーブと同様の明らかに極大値を持つ上に凸なプロファイルであることから、第3コア部5および連結コア部6、6の各初期比透磁率は、それぞれ50〜250であることが好ましい。
また、リアクトルDの外部へ漏れる漏れ磁束を防止する観点から、第3コア部5および連結コア部6、6の初期比透磁率は、それぞれ、150〜250であることが好ましい。
なお、本実施形態では、図1に示す構造のリアクトルについて説明したが、上述したように、図1に示す構造のリアクトルに限定されるものではなく、この図1に示す構造のリアクトルと構造的には別構成であるが磁気回路的には等価な構成でもこの図1に示す構造のリアクトルと同様の効果を奏する。
図13は、別の実施形態におけるリアクトルの構成を示す図である。図13(B)は、縦断面図であり、図13(A)は、図13(B)に示すXXで切断した場合における横断面である。例えば、図13に示すように、第1コア部1は、一対の棒状の第1コア部材1A、1Bによって構成され、第1コイル2は、一対の第1コア部材1A、1Bのそれぞれに巻き回された一対のコイル2A、2Bによって構成され、かつ、該一対のコイル2A、2Bが電気的に直列に接続され、第2コア部3は、一対の棒状の第2コア部材3A、3Bによって構成され、かつ、該一対の第2コア部材3A、3Bのそれぞれが第1コイル2を構成する一対のコイル2A、2Bよりも外側にそれぞれ配され、第2コイル4は、電気的に直列に接続された一対のコイル4A、4Bによって構成され、かつ、該一対のコイル4A、4Bの一方4Aが第1コイル2を構成する一対のコイル2A、2Bの一方2Aと一対の第2コア部材3A、3Bの一方3Aとを含むように巻き回されるとともに、該一対のコイル4A、4Bの他方4Bが第1コイル2を構成する前記一対のコイル2A、2Bの他方2Bと一対の第2コア部材3A、3Bの他方3Bとを含むように巻き回され、連結コア部6、6は、第1コア部1を構成する一対の第1コア部材1A、1Bおよび第2コア部3を構成する一対の第2コア部材3A、3Bの全てを相互に連結するものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
D、D1、Dc1、Dc2 リアクトル
1 第1コア部
2 第1コイル
3 第2コア部
4 第2コイル
5 第3コア部
6 連結コア部

Claims (10)

  1. 第1コア部と、
    第2コア部と、
    前記第1コア部のみに巻き回された第1コイルと、
    少なくとも前記第1コア部および前記第2コア部の両方を含むように巻き回された第2コイルと、
    前記第1および第2コア部を相互に連結する連結コア部とを備え、
    前記第1コイルと前記第2コイルとは、電気的に直列に接続され、
    前記第1コア部の透磁率は、前記連結コア部の透磁率よりも低く、かつ、前記第2コア部の透磁率は、前記連結コア部の透磁率よりも低いこと
    を特徴とするリアクトル。
  2. 第3コア部をさらに備え、
    前記第1コイルは、前記第1コア部の外側に配され、
    前記第2コア部は、前記第1コイルの外側に配され、
    前記第2コイルは、前記第2コア部の外側に配され、
    前記第3コア部は、前記第2コイルの外側に配され、
    前記連結コア部は、前記第1および第2コイルの各両端部を覆うように、前記第1ないし第3コア部を相互に連結し、
    前記第1コア部の透磁率は、前記第3コア部および前記連結コア部の各透磁率よりも低く、かつ、前記第2コア部の透磁率は、前記第3コア部および前記連結コア部の各透磁率よりも低いこと
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記第1コア部は、一対の棒状の第1コア部材によって構成され、
    前記第1コイルは、前記一対の第1コア部材のそれぞれに巻き回された一対のコイルによって構成され、かつ、該一対のコイルが電気的に直列に接続され、
    前記第2コア部は、一対の棒状の第2コア部材によって構成され、かつ、該一対の第2コア部材のそれぞれが前記第1コイルを構成する前記一対のコイルよりも外側に配され、
    前記第2コイルは、電気的に直列に接続された一対のコイルによって構成され、かつ、該一対のコイルの一方が前記第1コイルを構成する前記一対のコイルの一方と前記一対の第2コア部材の一方とを含むように巻き回されるとともに、該一対のコイルの他方が前記第1コイルを構成する前記一対のコイルの他方と前記一対の第2コア部材の他方とを含むように巻き回され、
    前記連結コア部は、前記第1コア部を構成する前記一対の第1コア部材および前記第2コア部を構成する前記一対の第2コア部材の全てを相互に連結すること
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  4. 前記第1および第2コア部は、軟磁性体粉末と非磁性体粉末との混合物を成形したものであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記連結コア部は、軟磁性体粉末を成形したものであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記第3コア部は、軟磁性体粉末を成形したものであること
    を特徴とする請求項2、請求項4および請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記第1および第2コア部は、同一材料であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のリアクトル。
  8. 前記第3コア部および連結コア部は、同一材料であること
    を特徴とする請求項2、請求項4、請求項5および請求項6のいずれか1項に記載のリアクトル。
  9. 前記第1および第2コア部の各初期比透磁率は、それぞれ2〜20であり、
    前記連結コア部の初期比透磁率は、それぞれ50〜250であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のリアクトル。
  10. 前記第1および第2コア部の各初期比透磁率は、それぞれ2〜20であり、
    前記第3コア部の初期比透磁率は、それぞれ50〜250であること
    を特徴とする請求項2、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8および請求項9のいずれか1項に記載のリアクトル。
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