JP2011138744A - リチウムイオン二次電池用電極、該電極に含有されるバインダー、及び該電極を有するリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用電極、該電極に含有されるバインダー、及び該電極を有するリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電を繰り返した後の電極の劣化を抑制し得る電極用バインダーが求められている。
【解決手段】炭素数2〜4のα−オレフィンに由来する構造単位と、塩化ビニルに由来する構造単位及び/又は脂肪酸ビニルに由来する構造単位とを含む共重合体を含有することを特徴とする電極用バインダー、
前記電極用バインダーを含有することを特徴とする電極、及び
前記電極を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用電極、該電極に含有されるバインダー、及び該電極を有するリチウムイオン二次電池等に関する。
リチウムイオン二次電池は貯蔵される積算電気量が大きいことから、例えば、携帯機器、電力、自動車などの分野で近年、盛んに用いられている。リチウムイオン二次電池には、初期の積算電気量と充放電を繰り返した後の積算電気量とを比較すると、充放電を繰り返した後の積算電気量の低下が観測され、その原因の1つとしては、電極の劣化が挙げられている(例えば、非特許文献1)。リチウムイオン二次電池の電極用バインダーとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が知られている(例えば、非特許文献2)。
リチウムイオン電池の性能評価と劣化メカニズムの解明[平成21年6月24日検索]インターネット<URL:http://criepi.denken.or.jp/jp/pub/annual/2002/02seika17.pdf> 季刊化学総説No.49「新型電池の材料化学」、日本化学会編、学会出版センター、2001年、p.137-142
充放電を繰り返した後の電極の劣化を抑制し得る電極用バインダーが求められている。
このような状況下、本発明者らは、電極用バインダーについて鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、
[1] 炭素数2〜4のα−オレフィンに由来する構造単位と、塩化ビニルに由来する構造単位及び/又は脂肪酸ビニルに由来する構造単位とを含む共重合体を含有することを特徴とする電極用バインダー;
[2] α−オレフィンが、エチレンであることを特徴とする[1]記載の電極用バインダー;
[3] さらに、増粘剤を含有することを特徴とする[1]又は[2]記載の電極用バインダー;
[4] [1]〜[3]のいずれか記載の電極用バインダーを含有することを特徴とする電極;
[5] [4]記載の電極を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池;
[6] 電極用バインダーを製造するための下記エマルションの使用;
エマルション:炭素数2〜4のα−オレフィンに由来する構造単位と、塩化ビニルに由来する構造単位及び/又は脂肪酸ビニルに由来する構造単位とを含む共重合体が水中に分散してなるエマルション
等に関する。
本発明の電極用バインダーを用いれば、初期の積算電気量と比べて、充放電を繰り返した後の積算電気量の低下が抑制されたリチウム二次電池に好適な電極が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の電極用バインダーは、炭素数2〜4のα−オレフィンに由来する構造単位と、塩化ビニルに由来する構造単位及び/又は脂肪酸ビニルに由来する構造単位とを含む共重合体(以下、本共重合体と記すことがある)を含有する。
ここで、炭素数2〜4のα−オレフィンとは、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等を挙げることができる。
本共重合体中には、複数種のα−オレフィンに由来する構造単位が含有されていてもよい。
好ましいα−オレフィンとしては、例えば、エチレン等を挙げることができる。
本共重合体におけるα−オレフィンに由来する構造単位の含有量としては、本共重合体100重量部に対し、例えば、10〜40重量部を挙げることができる。
本共重合体における塩化ビニルに由来する構造単位の含有量としては、本共重合体100重量部に対し、例えば、5〜90重量部、好ましくは20〜90重量部を挙げることができる。
本共重合体における脂肪酸ビニルに由来する構造単位の含有量としては、本共重合体100重量部に対し、例えば、2〜90重量部、好ましくは3〜60重量部を挙げることができる。
脂肪酸ビニルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、バーサチツク酸ビニル等の炭素数2〜16、好ましくは2〜4の脂肪酸のビニルエステル等を挙げることができ、より好ましくは酢酸ビニルを挙げることができる。
本共重合体には、α−オレフィンに由来する構造単位、塩化ビニルに由来する構造単位、脂肪酸ビニルに由来する構造単位に加え、さらに、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルに由来する構造単位、アクリルアミド、メタクリルアミド、ベンゼントリカルボン酸のトリアリルエステル、トリアリルイソシアネート等のα−オレフィン、塩化ビニル、及び、脂肪酸ビニル以外の付加重合可能な単量体に由来する構造単位が含有されていてもよい。
α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えば、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル等の炭素数1〜16のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等の炭素数1〜16のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジラウリル等の炭素数1〜16のアルキル基を有するマレイン酸ジアルキルエステル;フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル、フマル酸ジラウリル等の炭素数1〜16のアルキル基を有するフマル酸ジアルキルエステル;イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジヘキシル、イタコン酸ジオクチル、イタコン酸ジラウリル等の炭素数1〜16のアルキル基を有するイタコン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
本共重合体におけるα−オレフィン、塩化ビニル及び脂肪酸ビニル以外の付加重合可能な単量体に由来する構造単位の含有量としては、本共重合体100重量部に対し、例えば、0〜85重量部程度を挙げることができる。
本共重合体としては、炭素数2〜4のα−オレフィンに由来する構造単位と、塩化ビニルに由来する構造単位と、脂肪酸ビニルに由来する構造単位とを含む共重合体が好ましく、エチレンに由来する構造単位と、塩化ビニルに由来する構造単位と、酢酸ビニルに由来する構造単位とを含む共重合体がより好ましい。
本共重合体は、水中に分散され、例えばエマルション(以下、本エマルションと記すことがある)の状態で、本発明の電極用バインダーとして供されることが好ましい。
本エマルションは、好ましくは、本重合体を乳化剤によって分散させてなるものである。
ここで、乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキルスルホサクシネート等のアニオン性界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤;ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子;等を挙げることができる。
本エマルションにおける乳化剤の含有量としては、例えば、0.5〜5重量%等を挙げることができ、好ましくは、例えば、1〜3重量%等が挙げられる。
本エマルションの製造方法としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、塩化第1鉄等の還元剤、塩化ビニル、前記乳化剤、水、及び必要に応じて付加重合可能な単量体を、耐圧の反応器に混合し、次いで反応器中の空気を窒素で置換し、5〜150気圧の加圧下にα−オレフィン及び塩化ビニル、脂肪酸ビニル、及び、必要に応じて付加重合可能な単量体を逐次追加するとともに、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の酸化剤を水溶液の状態で逐次圧入しながら10〜80℃程度で攪拌する方法等を挙げることができる。
塩化ビニルとα−オレフィンとの比率は、それぞれの仕込量とそれぞれの分圧とをコントロールすることにより調整することができる。
本発明の電極用バインダーは、本共重合体のみでもよいが、例えば、増粘剤や、本エマルションに含まれる乳化剤等を含有していてもよい。増粘剤を含有していることが好ましい。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等を挙げることができる。
本発明の電極用バインダーは、予め、本エマルションと増粘剤とを混合させて用いてもよいが、電極を作成する際に、負極活物質に本エマルション及び増粘剤に別々に混合させてもよい。
本発明の電極は、前記電極用バインダーを含有するものであり、例えば、乾電池、圧電素子用センサー、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池及び燃料電池など電極等に用いることができる。
以下、リチウムイオン二次電池の負極を例にして、本発明の電極を説明する。
電極の製造方法としては、通常、集電体の上に負極活物質及び前記電極用バインダー等を含む混合物を成形する。具体的には、例えば、負極活物質及び前記電極用バインダー等に水等を添加した混合スラリーを集電体に、ドクターブレード法などで塗布又は浸漬し乾燥する方法、例えば、負極活物質及び前記電極用バインダー等に水を添加して混練、成形し、乾燥して得たシートを集電体表面に導電性接着剤等を介して接合した後にプレス及び熱処理乾燥する方法、例えば、負極活物質及び前記電極用バインダー等からなる混合物を集電体上に成形した後、得られたシート状の成形物を一軸又は多軸方向に延伸処理する方法などが挙げられる。
電極をシート状とする場合、その厚みは、通常、5〜1000μm程度である。
ここで、負極活物質とは、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる導電性を有したものであり、例えば、SiO等の珪素酸化物、例えば、難黒鉛化炭素、コークスや天然黒鉛、人造黒鉛等の炭素材料などが挙げられる。
集電体の材料としては、例えば、ニッケル、アルミニウム、チタン、銅、金、銀、白金、アルミニウム合金又はステンレス等の金属、例えば、炭素素材又は活性炭繊維に、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、銅、スズ、鉛又はこれらの合金をプラズマ溶射又はアーク溶射することによって形成されたもの、例えば、ゴム又はスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)など樹脂に導電剤を分散させた導電性フィルムなどが挙げられる。
集電体の形状としては、例えば、箔、平板状、メッシュ状、ネット状、ラス状、パンチング状若しくはエンボス状であるもの又はこれらを組み合わせたもの(例えば、メッシュ状平板など)等が挙げられる。
集電体表面にエッチング処理により凹凸を形成させてもよい。
電極における前記電極用バインダーの配合量としては、負極活物質100重量部に対し、例えば、0.1〜30重量部程度、好ましくは0.6〜15重量部程度である。ここで電極用バインダーの重量部とは水を除いた成分の重量部、いわゆる、固形分を意味し、JIS K−6828に準じて測定することができる。
電極には、必要に応じて、導電剤を含有していてもよい。導電剤としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、活性炭等の導電性カーボン;天然黒鉛、熱膨張黒鉛、鱗状黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛系導電剤;気相成長炭素繊維等の炭素繊維;アルミニウム、ニッケル、銅、銀、金、白金等の金属微粒子あるいは金属繊維;酸化ルテニウムあるいは酸化チタン等の導電性金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられる。
少量で効果的に導電性が向上する点で、カーボンブラック、アセチレンブラック及びケッチェンブラックが好ましい。
電極における導電剤の配合量は、負極活物質100重量部に対し、例えば、0〜50重量部程度を挙げることができ、好ましくは、例えば、0〜30重量部程度を挙げることができる。
前記電極を有するリチウムイオン二次電池について以下に説明する。リチウムイオン二次電池とは、例えば、正極、セパレータ、電解液及び負極等を含み、正極及び負極の両極においてリチウムの酸化及び還元が行われ、電気エネルギーを貯蔵、放出する電池である。
リチウムイオン二次電池としては、例えば、負極は前記電極であり、正極はリチウム金属又はリチウムを含む金属酸化物からなるリチウムイオン二次電池等を挙げることができる。
正極は、通常、リチウムイオンをドープ及び脱ドープ可能な材料、導電材及び結合剤を含む合剤を集電体上に担持したものである。
リチウムイオンをドープ及び脱ドープ可能な材料の具体例としては、例えば、V、Mn、Fe、Co、Niなどの遷移金属を少なくとも1種含むリチウム複合酸化物、リチウム箔などが挙げられる。中でも好ましくは、平均放電電位が高いという点で、コバルト/リチウム複合酸化物、ニッケルとニッケル以外の遷移金属またはアルミニウムを含有するリチウムとの複合酸化物、などのα−NaFeO型構造を母体とする層状リチウム複合酸化物、リチウムマンガンスピネルなどのスピネル型構造を母体とするリチウム複合酸化物が挙げられる。尚、本特許の炭素材料評価用のリチウムイオン二次電池の正極には、リチウム箔(リチウム金属)を用いた。
正極に含まれる結合剤としては、例えば、フッ素化合物の重合体が挙げられる。フッ素化合物としては、例えば、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)(メタ)アクリレート、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート[例えば、パーフルオロドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−オクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリレート]、パーフルオロアルキル置換アルキル(メタ)アクリレート[例えばパーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート]、パーフルオロオキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、パーフルオロドデシルオキシエチル(メタ)アクリレート及びパーフルオロデシルオキシエチル(メタ)アクリレートなど]、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)クロトネート、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)マレート及びフマレート、フッ素化アルキル(炭素数1〜18)イタコネート、フッ素化アルキル置換オレフィン(炭素数2〜10程度、フッ素原子数1〜17程度)、例えばパーフロオロヘキシルエチレン、炭素数2〜10程度、及びフッ素原子の数1〜20程度の二重結合炭素にフッ素原子が結合したフッ素化オレフィン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン又はヘキサフルオロプロピレンなどが挙げられる。
結合剤のその他の例示としては、フッ素原子を含まないエチレン性二重結合を含む単量体の付加重合体が挙げられる。かかる単量体としては、例えば、(シクロ)アルキル(炭素数1〜22)(メタ)アクリレート[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等];芳香環含有(メタ)アクリレート[例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等];アルキレングリコールもしくはジアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜4)のモノ(メタ)アクリレート[例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート];(ポリ)グリセリン(重合度1〜4)モノ(メタ)アクリレート;多官能(メタ)アクリレート[例えば、(ポリ)エチレングリコール(重合度1〜100)ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(重合度1〜100)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシエチルフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等]などの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド系誘導体[例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等]などの(メタ)アクリルアミド系単量体;(メタ)アクリロニトリル、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチルアクリルアミド等のシアノ基含有単量体;スチレン及び炭素数7〜18のスチレン誘導体[例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン及びジビニルベンゼン等]などのスチレン系単量体;炭素数4〜12のアルカジエン[例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等]などのジエン系単量体;カルボン酸(炭素数2〜12)ビニルエステル[例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びオクタン酸ビニル等]、カルボン酸(炭素数2〜12)(メタ)アリルエステル[例えば、酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリル及びオクタン酸(メタ)アリル等]などのアルケニルエステル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体;炭素数2〜12のモノオレフィン[例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン及び1−ドデセン等]のモノオレフィン類;塩素、臭素又はヨウ素原子含有単量体、塩化ビニル及び塩化ビニリデンなどのフッ素以外のハロゲン原子含有単量体;アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸;ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合含有単量体などが挙げられる。
また、付加重合体として、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体又はエチレン・プロピレン共重合体などの共重合体でもよい。また、カルボン酸ビニルエステル重合体は、ポリビニルアルコールなどのように、部分的又は完全にケン化されていてもよい。
結合剤はフッ素化合物とフッ素原子を含まないエチレン性二重結合を含む単量体との共重合体であってもよい。
正極に含まれる導電材は、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラックなどが挙げられる。導電材として、それぞれ単独で用いてもよいし、例えば人造黒鉛とカーボンブラックとを混合して用いるといった複合導電材系を選択してもよい。
本発明のリチウムイオン電池で用いる電解液としては、例えばリチウム塩を有機溶媒に溶解させた非水電解液などが挙げられる。リチウム塩としては、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiC(SOCF、Li10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlClなどのうち1種または2種以上の混合物が挙げられる。
リチウム塩として、これらの中でもフッ素を含むLiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、およびLiC(CFSOからなる群から選ばれた少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。
本発明の電解液で用いる有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタンなどのカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物、または上記の有機溶媒にフッ素置換基を導入したものを用いることができるが、通常はこれらのうちの2種以上を混合して用いる。
セパレータは、作用極と対極とを分離し、電解液を保持する役割を担うもので、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち絶縁性の膜が用いられる。
セパレータとしては、例えば、ビスコースレーヨン又は天然セルロースなどの抄紙、セルロースやポリエステル等の繊維を抄紙して得られる混抄紙、電解紙、クラフト紙、マニラ紙、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、ガラス繊維、多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレン、多孔質ポリエステル、アラミド繊維、ポリブチレンテレフタレート不織布、パラ系全芳香族ポリアミド、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンとの共重合体、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂などの不織布又は多孔質膜等が挙げられる。
セパレータとしては、シリカなどのセラミック粉末粒子と前記結合剤とからなる成形物であってもよい。該成形物は通常、作用極及び対極と一体成形される。また、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いたセパレータについては、親水性を向上させるために界面活性剤やシリカ粒子を混合させてもよい。さらに、セパレータには、アセトン等の有機溶媒、ジブチルフタレート(DBP)等の可塑剤等が含有されていてもよい。
セパレータとして、プロトン伝導型ポリマーを用いてもよい。
セパレータとしては、特に電解紙、ビスコースレーヨン又は天然セルロースの抄紙、クラフト紙、マニラ紙、セルロース又はポリエステルの繊維を抄紙して得られる混抄紙、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリエステル不織布、マニラ麻シート、ガラス繊維シート等が好ましい。
セパレータの孔径は、通常、0.01〜10μm程度である。セパレータの厚さは、通常、1〜300μm程度、好ましくは5〜30μm程度である。
セパレータは空孔率の異なるセパレータを積層したものであってもよい。特に、ポリオレフィン多孔質膜とポリエステル樹脂多孔質膜とからなるセパレータが好適である。
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。例中の部及び%は、特に断らないかぎり重量基準を意味する。
[固形分]
固形分は、JIS K−6828に準じた測定方法で行った。
[ガラス転移温度]
ガラス転移温度([Tg]、単位:℃)は、示差走査熱量計(セイコーインスツル社製 Exstar 6000))を用いて、下記条件で示差走査熱量測定曲線を測定した。
<測定条件>
試料を、20℃から−100℃まで10℃/分で降温し、−100℃に到達した時点で、10℃/分で100℃まで昇温する。
[粘度]
エマルションの粘度(単位:mPa・s)はブルックフィールド粘度計を用い、25℃、60rpmの条件にて測定した。
(本エマルションの製造例1)
耐圧容器に、水100部、塩化ビニル15部、アルカンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸ナトリウム0.8部、硫酸第一鉄七水和物0.02部、炭酸水素ナトリウム2部を溶解した溶液を添加した。次に、容器内を50℃まで昇温した後、エチレンで6MPaまで加圧し、8%ロンガリット水溶液2部/h、8%過硫酸ナトリウム水溶液を4部/hを耐圧容器に添加して重合を開始させた。続いて、耐圧容器内の液温が上昇したことを確認した後、塩化ビニル110部及びアルカンスルホン酸ナトリウム20部を4時間かけて添加し、容器内の液温を50℃、圧力を6MPaに維持しながら、重合開始後6時間経過した時点で耐圧容器を冷却した。
未反応のエチレンガスを除去し、塩化ビニルに由来する構造単位70部に対してエチレンに由来する構造単位30部、固形分が50%、粘度50mPa・s、ガラス転移温度5℃のエチレン・塩化ビニル共重合体を含有する本エマルションを得た。
(本エマルションの製造例2)
本エマルションの製造例1において、耐圧容器内の液温が上昇したことを確認した後、塩化ビニル110部、アルカンスルホン酸ナトリウム20部及び酢酸ビニル5部を4時間かけて添加したこと以外は、本エマルションの製造例1と同様に重合を行い、塩化ビニルに由来する構造単位69部に対してエチレンに由来する構造単位28部、酢酸ビニルに由来する構造単位3部、固形分が51%、粘度55mPa・s、ガラス転移温度5℃のエチレン・塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体を含有する本エマルションを得た。
(本エマルションの製造例3)
本エマルションの製造例2において、エチレンによる加圧を6MPaから3.5MPaに変えること以外は、本エマルションの製造例2と同様に重合を行い、塩化ビニルに由来する構造単位87部に対してエチレンに由来する構造単位10部、酢酸ビニルに由来する構造単位3部、固形分が50%、粘度50mPa・s、ガラス転移温度30℃のエチレン・塩化ビニル共重合体を含有する本エマルションを得た。
(本エマルションの製造例4)
水170部、けん化度88モル%のポリビニルアルコール9部、硫酸第一鉄七水和物0.005部及び酢酸0.4部を混合して得られた溶液と、酢酸ビニル190部とを、耐熱容器に添加した。
次に、容器内を60℃まで昇温した後、エチレンで4.6MPaまで加圧した。続いて、0.5%過酸化水素水溶液40部と、6%エリソルビン酸ナトリウム水溶液8.3部とを耐圧容器に添加して重合を行った。耐圧容器内の温度を60℃に維持し、反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になった時点で、耐圧容器を冷却した。未反応のエチレンガスを除去し、反応物を取り出し、エチレンに由来する構造単位18部、酢酸ビニルに由来する構造単位82部のエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する水性エマルションを得た。該水性エマルションの固形分は55%、粘度1200mPa・s、ガラス転移温度0℃であった。
(本エマルションの製造例5)
水80部、ヒドロキシエチルセルロース1.5部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1.4部、硫酸第一鉄七水和物0.002部、酢酸ナトリウム0.06部及び酢酸0.1部を混合して得られた溶液と、酢酸ビニル30部とを、耐圧容器に添加した。次に、容器内を50℃まで昇温した後、エチレンで5.0MPaまで加圧し、2.5%過硫酸ナトリウム水溶液を1.1部/h、9%エリソルビン酸ナトリウム水溶液を0.8部/h、それぞれ耐圧容器に添加して重合を開始させた。続いて、耐圧容器内の液温が上昇したことを確認した後、酢酸ビニル70部を3時間かけて添加し、容器内の液温を50℃に維持しながら、重合開始後5時間経過した時点で、2.5%過硫酸ナトリウム水溶液及び9%エリソルビン酸ナトリウム水溶液の添加を止めて、過硫酸ナトリウムとtert−ブチルハイドロパーオキサイドとの水溶液(過硫酸ナトリウムの濃度2%、tert−ブチルハイドロパーオキサイドの濃度3%)6部/hの添加を開始した。反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になるまで攪拌したのち、過硫酸ナトリウムとtert−ブチルハイドロパーオキサイドとの水溶液の添加を止め、耐圧容器を冷却した。未反応のエチレンガスを除去し、反応物を取り出し、エチレン20%、酢酸ビニル80%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する水性エマルションを得た。該水性エマルションの不揮発分は55%、粘度250mPa・s、ガラス転移温度-5℃であった。
(実施例1)
(電極の製造例)
活物質として、平均粒径6μmの黒鉛化メソフェース小球体(大阪ガス社製 人造黒鉛 MCMB6−28) 100部を用い、これに電極用バインダーとして、(本エマルションの製造例1)で得られたエマルション 5部(固形分)及びカルボキシメチルセルロース 1部を混合し、さらに水を加えて混合した。得られた混合物をドクターブレード法により厚さ20μmの銅集電体上に塗布し、50℃で2h予備乾燥した。次いで、直径1.45cmの円形に切断して、電極を作成し、得られた電極を120℃、8時間真空乾燥し電極を得た。前記電極には、人造黒鉛及び本発明のバインダーの混合物3.4mgが塗布されていた。
(リチウムイオン二次電池の製造例)
真空乾燥後、CR2032型(IEC/JIS規格)のコインセルに、負極として前記電極、正極としてリチウム箔、セパレータとしてニッポン高度紙工業社製TF40−50、電解液として濃度1.2モル/リットルのLiPF/エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート混合溶媒を用いて組み立て、リチウムイオン二次電池を得た。
(初期の積算電気量)
東洋システム(株) TOSCAT−3100充放電評価装置を用い、前記コインセルを、45℃、300mA/gで0.01Vまで充電、300mA/gで3Vまで放電するサイクルを1回実施したところ、積算電気量は、283mAh/gであった。
(充放電を繰り返した後の積算電気量)
上記サイクルを300回繰り返したところ、300回目の放電時の積算電気量は、初期の積算電気量の90%であった。
(実施例2)
(電極の製造例)
実施例1において、活物質を平均粒径20μmの球状人造黒鉛 100部に変え、これに、電極用バインダーとして、(本エマルションの製造例2)で得られたエマルション 3部(固形分)を用いる以外は実施例1と同様にして電極を得た。前記電極には、人造黒鉛及び本発明のバインダーの混合物15.7mgが塗布されていた。
(リチウムイオン二次電池の製造例)
真空乾燥後、CR2032型(IEC/JIS規格)のコインセルに、負極として前記電極、正極としてリチウム箔、セパレータとして住友化学株式会社製 ペルヴィオ(登録商標)、電解液として濃度1.0モル/リットルのLiPF/エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート混合溶媒を用いて組み立て、リチウムイオン二次電池を得た。
(初期の積算電気量)
東洋システム(株) TOSCAT−3100充放電評価装置を用い、前記コインセルを、25℃、175mA/gで0.005Vまで充電、175mA/gで1.5Vまで放電するサイクルを1回実施したところ、積算電気量は354mAh/gであった。
(充放電を繰り返した後の積算電気量)
上記サイクルを4回繰り返したところ、4回目の放電時の積算電気量は、初期の積算電気量に対し100%であった。
(実施例3)
実施例2において、電極用バインダーとして、(本エマルションの製造例2)で得られたエマルションに替えて、(本エマルションの製造例3)で得られるエマルションを用いる以外は、実施例2と同様に電極及びリチウムイオン二次電池を製造した。実施例2と同様に、初期の積算電気量の評価を実施したところ、積算電気量は347mAh/gであった。さらに、実施例2記載と同じ充放電条件にて、充放電サイクルを4回繰り返したところ、4回目の放電時の積算電気量は、初期の積算電気量に対し100%であった。
(実施例4)
実施例2において、電極用バインダーとして、(本エマルションの製造例2)で得られたエマルションに替えて、(本エマルションの製造例4)で得られるエマルションを用いる以外は、実施例2と同様に電極及びリチウムイオン二次電池を製造した。実施例2と同様に、初期の積算電気量の評価を実施したところ、積算電気量は319mAh/gであった。さらに、実施例2記載と同じ充放電条件にて、充放電サイクルを4回繰り返したところ、4回目の放電時の積算電気量は、初期の積算電気量に対し98%であった。
(実施例5)
実施例2において、電極用バインダーとして、(本エマルションの製造例2)で得られたエマルションに替えて、(本エマルションの製造例5)で得られるエマルションを用いる以外は、実施例2と同様に電極及びリチウムイオン二次電池を製造した。実施例2と同様に、初期の積算電気量の評価を実施したところ、積算電気量は301mAh/gであった。さらに、実施例2記載と同じ充放電条件にて、充放電サイクルを4回繰り返したところ、4回目の放電時の積算電気量は、初期の積算電気量に対し98%であった。
(比較例1)
(電極の製造及びリチウムイオン二次電池の製造)
実施例1において、人造黒鉛 MCMB6−28 94部に、電極用バインダーとして、PVDFの5重量% 1-メチル-2-ピロリドン溶液を固形分換算で10部と、1-メチル-2-ピロリドンを加えた混合物を用いる以外は実施例1と同様にして、電極を調製した。
続いて、負極にこの電極を用いる以外、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を得た。
(初期の積算電気量)
実施例1と同様にして、1サイクルの充放電を行ったところ、積算電気量は、290mAh/gであった。
(充放電を繰り返した後の積算電気量)
実施例1と同様にして、上記サイクルを行ったところ、300回目の積算電気量は、初期の積算電気量の27%であった。
本発明の電極用バインダーは、初期の積算電気量と比べて、充放電を繰り返した後の積算電気量の低下が抑制されたリチウム二次電池の電極を与えることができる。

Claims (6)

  1. 炭素数2〜4のα−オレフィンに由来する構造単位と、塩化ビニルに由来する構造単位及び/又は脂肪酸ビニルに由来する構造単位とを含む共重合体を含有することを特徴とする電極用バインダー。
  2. α−オレフィンが、エチレンであることを特徴とする請求項1記載の電極用バインダー。
  3. さらに、増粘剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の電極用バインダー。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の電極用バインダーを含有することを特徴とする電極。
  5. 請求項4記載の電極を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  6. 電極用バインダーを作成するための下記エマルションの使用。
    エマルション:炭素数2〜4のα−オレフィンに由来する構造単位と、塩化ビニルに由来する構造単位及び/又は脂肪酸ビニルに由来する構造単位とを含む共重合体が水中に分散してなるエマルション
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