JP2011136811A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な制御を不要にしながらもシート給送時のシート先端位置のバラツキを抑え、画像形成部に対して安定した間隔で確実にシートを給送可能に構成したシート給送装置を提供する。
【解決手段】ピックアップローラ53は、リタードローラ55がシート給送方向に回転している際には中板201上のシートを給送し、リタードローラが回転を停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転している際には中板上のシートを給送しない状態になる。これにより、給送前にシートの先端を常に分離ローラ対のニップ部に搬送しておくことができ、複雑な制御を不要にしながらも、給送時のシート給送のバラツキを抑え、画像形成部に対して安定した間隔で確実にシートを給送することができる。このため、同じ単位時間当たりの出力枚数を達成する場合にプロセス速度を落とすことが可能になる。
【選択図】図4
【解決手段】ピックアップローラ53は、リタードローラ55がシート給送方向に回転している際には中板201上のシートを給送し、リタードローラが回転を停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転している際には中板上のシートを給送しない状態になる。これにより、給送前にシートの先端を常に分離ローラ対のニップ部に搬送しておくことができ、複雑な制御を不要にしながらも、給送時のシート給送のバラツキを抑え、画像形成部に対して安定した間隔で確実にシートを給送することができる。このため、同じ単位時間当たりの出力枚数を達成する場合にプロセス速度を落とすことが可能になる。
【選択図】図4
Description
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ及び複合機等の画像形成装置に備えられたシート給送装置、及びこれを備えた画像形成装置に関する。
従来のプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、画像形成部にシートを給送するシート給送装置を、画像形成装置本体とは別個に備えたものがある。このようなシート給送装置として、シート収納部に配置されて昇降可能なシート積載部にシートを積載し、このシート積載部をシート給送可能位置に移動(上昇)させた後、給送部によってシートを画像形成部に向けて送り出すように構成したものがある。なお、このようなシート給送装置では、シートの積載時にはシート収納部への積載が容易になるように、装置本体から引き出し可能に構成されており、引き出し動作に連動してシート積載部を所定のシート積載位置まで下降させるように構成されている。
ところで、図15、図16及び図17は、ピックアップローラを用いた昇降方式の給送部の従来構成を示す図である。図15及び図16に示すように、給紙カセット内の中板1101に積載されたシートSaは、ピックアップローラ1053によって送り出される。ピックアップローラ1053は、フィードローラ1054の軸1109に回動自在に取り付けられたローラホルダ1110の回動端部に回転自在に支持されて、昇降可能に構成されている。なお、1055はリタードローラ、1102は押上板を示している。
ローラホルダ1110にはセンサフラグ1110aが設けられており、センサフラグ1110aによって光学センサ1111が投光状態と遮光状態とに切り替えられる。光学センサ1111がセンサフラグ1110aで投光状態と遮光状態とに切り替えられる位置は、給送の際にピックアップローラ1053によってシート上面に適正な給紙圧(圧接力)が加わる位置である(図15(b)に示す位置)。
中板1101は、シートSaを積載した状態で昇降可能となるように給紙カセットに支持されている。中板1101は、図15(c)に示すように、給送によってシートが減少し、光学センサ1111がセンサフラグ1110aで遮光されない投光状態になると、中板1101が上昇する。そして、光学センサ1111がセンサフラグ1110aにより投光状態から遮光状態に切り替えられると、この検知に基づいて中板1101の上昇が停止される。これにより、給紙カセットに収納されているシートSaが送り出されて上面の高さが所定高さより低くなる度に中板1101を上昇させ、シートSaの上面を、適正な給紙圧が加わる概略一定の高さに保つ位置にする。
そして、給送部では、画像形成装置から給送信号が送られてくると、ピックアップローラ1053が最上位のシートSaに当接して回転することで、最上位のシートSaを分離ローラ対まで送り出す。この分離ローラ対は、フィードローラ1054とリタードローラ1055とからなり、ピックアップローラ1053によって送り出されたシートSaを1枚ずつ分離給送して画像形成装置に送り出す。給送信号が送られてくる度に上記動作が繰り返され、画像形成装置本体にシートが1枚ずつ送り出される。
ところが、上記従来のシート給送装置では、連続して給送していくと、図17において給送されるシートS1とその下のシートS2との間の摩擦(摩擦力)が低い場合には、次のようになる。つまり、シートS1の給送が終了して次のシートS2を給送するときに、シートS2の先端S2aの位置が、図17(a)に示すように給紙カセットへの積載位置から開始される。一方、給送されるシートS1とその下のシートS2との間の摩擦が或る程度高い場合には、シートS2は、給送されるシートS1につられてシート給送方向に移動する。このとき、上述の分離ローラ対によって給送されるシートS1とその下のシートS2とは分離されるものの、次の給送時には、分離されたシートS2の先端S2aが、図17(b)に示すように分離ローラ対のニップ部まで移動している。
つまり、シート間の摩擦の違い等により、給送するときのシートの先端位置が、給紙カセット積載位置から分離ローラ対のニップ部までの距離X分(図17(b))だけバラツクことになる。そのため、給送信号が送られてから画像形成装置にシートが到達するまでの時間にX分のバラツキを生じてしまい、シートに対する画像書き出しが安定しないという問題があった。また、連続して給送する場合にシート同士が重ならないように、給送するシートの間隔をバラツキ分だけ広くしなければならないという問題もあった。
これらの問題を解決するため、分離ローラ対より下流側にシートの先端を検知可能なシート検知部を配置して、以下のようにするシート供給装置がある(特許文献1参照)。即ち、このシート供給装置では、給送時に給送信号を受けてからシート検知部で検知するまでの時間が所定時間よりも早い場合には搬送速度を遅くし、所定時間よりも遅い場合には搬送速度を早くするように制御する搬送速度制御部を設けている。これにより、給送間隔のバラツキを抑えている。
しかし、シート検知部の検知に応じて搬送速度を制御する上記シート供給装置では、搬送速度制御のための複雑な制御が必要となる。また、シート先端位置のバラツキが大きい場合や、分離ローラ対から画像形成装置までの搬送長が短い場合等では、十分な搬送速度制御を行うことができず、バラツキを十分に補正することができない。或いは、急激な搬送速度の増減が必要となることで、ローラを駆動するモータへの負荷が増大し、モータの故障を招いたり、負荷に耐え得る構造を備えることでモータがコストアップしたりする虞があった。
そこで本発明は、複雑な制御を不要にしながらもシート給送時のシート先端位置のバラツキを抑え、画像形成部に対して安定した間隔で確実にシートを給送可能に構成したシート給送装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明は、シートを積載するシート積載部と、前記シート積載部に積載されたシートを給送する給送ローラと、前記給送ローラにより送り出されたシートを搬送する第1ローラ及び前記第1ローラに圧接した状態でトルクリミッタを介してシート給送方向と逆方向にシートを戻す回転力を付与される第2ローラからなる分離ローラ対と、前記分離ローラ対からのシートを前記分離ローラ対と共に挟持した状態で搬送可能な搬送ローラ対と、を備えたシート給送装置において、少なくとも前記給送ローラ及び前記分離ローラ対を連動して回転駆動可能な駆動部を備え、前記駆動部は、前記シート積載部上のシートを前記給送ローラ及び前記分離ローラ対の回転で前記搬送ローラ対に給送させ、前記搬送ローラ対でシートが挟持された後に前記給送ローラの駆動を停止させ、前記搬送ローラ対で挟持搬送されるシートを挟持している前記分離ローラ対と共に前記給送ローラを連れ回り回転させ、前記分離ローラ対の前記第2ローラが回転を停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転した場合に前記シート積載部上のシートを給送しない、ことを特徴とする。
本発明によれば、搬送ローラ対で搬送されるシートを挟持している分離ローラ対と共に給送ローラを連れ回り回転させ、第2ローラが回転を停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転した場合にシート積載部上のシートを給送しない状態にできる。さらに、給送ローラを、第2ローラが給送方向に回転しているときはシート給送可能な状態とし、第2ローラが回転を停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転しているときはシート給送不可能な状態とすることができる。これにより、給送前にシートの先端を、常に分離ローラ対のニップ部に位置させておくことができる。このため、搬送速度制御のための複雑な制御を不要にしながらも、給送時のシート給送のバラツキを抑え、画像形成部に対して安定した間隔で確実にシートを給送することができる。その結果、従来に比べて相対的にシート間で制御することが可能になり、同じ単位時間当たりの出力枚数を達成する場合にプロセス速度を落とすことができ、画質の安定と省エネルギー化に貢献することができる。
<第1の実施形態>
以下、本発明に係るシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置としてのレーザビームプリンタ(以下、LBPともいう)の実施形態を、図に沿って詳細に説明する。なお、図1は本発明に係るシート給送装置を備えたLBPの全体構成を模式的に示す断面図、図2は本シート給送装置を備えたLBP全体を模式的に示す斜視図、図3は本シート給送装置における給紙カセットを引き出した際の状態を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明に係るシート給送装置及びこれを備えた画像形成装置としてのレーザビームプリンタ(以下、LBPともいう)の実施形態を、図に沿って詳細に説明する。なお、図1は本発明に係るシート給送装置を備えたLBPの全体構成を模式的に示す断面図、図2は本シート給送装置を備えたLBP全体を模式的に示す斜視図、図3は本シート給送装置における給紙カセットを引き出した際の状態を模式的に示す斜視図である。
図1〜図3に示すように、画像形成装置としてのLBP1は、シートSを積載収納した給紙カセット2を一段備えており、給紙カセット2に積載されたシートSを最上側より送り出す位置に、ピックアップローラ3を備えている。ピックアップローラ3の前方には、送り出されたシートSを一枚ずつ分離搬送するフィードローラ4a及びリタードローラ4bが配設されている。なお、図中の5、6は搬送ローラ対である。
7は、画像形成に関する公知のプロセス部を内蔵したプロセスカートリッジであり、LBP本体(装置本体)1aに対して着脱可能に設けられている。このプロセスカートリッジ7内には、像担持体としての感光体ドラム7aが内蔵されており、画像情報に応じてレーザ露光装置8から感光体ドラム7aに対してレーザ光が照射されることにより、書き込みが行われる。また、感光体ドラム7aには転写ローラ9が圧接しており、これら感光体ドラム7aと転写ローラ9との間を通過するシートSに、感光体ドラム表面に形成されたトナー像が転写される。また、プロセスカートリッジ7の下流側には定着装置10が配設されており、この定着装置10は、画像転写後のシートSに対して熱及び圧力を印加することで転写画像を定着させる。そして、画像定着後のシートSは、搬送されて、装置上部に配設された排出トレイ12に、画像面を下側にした状態で排出ローラ対11により排出される。
LBP本体1aには、各部を制御する制御部60が配設されており、この制御部60は、配線を介してシート収納装置51側の制御も行うように構成されている。なお、制御部60は、LBP本体1a側ではなくシート収納装置51側に配設されても良く、その場合、この制御部60は、配線を介してLBP本体1a側の制御も行うように構成される。
次に、シート給送装置としてのシート収納装置51について、図1〜図3を参照して説明する。LBP1に備えられたシート収納装置51は、LBP本体1aの下部に配置されてLBP本体1aの載置台を兼用している。シート収納装置(シート給送装置)51には、LBP1を載せた状態での移動を考慮して、シート収納装置51の下面4箇所にキャスタ13がそれぞれ取付けられている。
3段カセットデッキからなるシート収納装置51は、3つの給送部と給紙カセット52a,52b,52cとを有しており、これら給紙カセット52a,52b,52cはそれぞれ、様々なサイズ・坪量のシートを積載及び給送可能に構成されている。シート収納装置51は、LBP本体1aから給送信号を受信すると、その給送信号に適したシートを積載している給紙カセットを選択し、その給紙カセットからシートをLBP本体1aに向けて1枚ずつ給送する。
ここで、シート収納装置51に設けられた給送部及び給紙カセット52a〜52cについて説明する。なお、3つの給送部及び給紙カセット52a〜52cは、いずれも同じ構成を備えているため、ここでは、最上段に配置された給送部及び給紙カセット52aを例に挙げて説明を行う。
図1及び図3に示すように、シート収納装置51の最上段には、内部に昇降自在に設けられてシート束Sa(以下シートSaともいう)を積載するシート積載部としての中板201と、規制板57,58,59等を有する給紙カセット52aが配設されている。また、上記最上段には、中板(シート積載部)201に積載されたシート束Saの最上位シートS1を給送する給送ローラとしてのピックアップローラ53aが配設されている。さらに、ピックアップローラ53aにより送り出されたシートSを分離給送するフィードローラ54a及びリタードローラ55aからなる分離ローラ対が配設されている。上記フィードローラ54aは、給送ローラであるピックアップローラ53aにより送り出されたシートを搬送する第1ローラを構成している。上記リタードローラ55aは、第1ローラであるフィードローラ54aに圧接した状態でトルクリミッタを介してシート給送方向と逆方向にシートを戻す回転力を付与される第2ローラを構成している。
また、上記最上段には、分離ローラ対によって1枚ずつ分離給送された最上位のシートSをLBP本体1aに搬送する搬送ローラ対56aが配設されている。この搬送ローラ対56aは、分離ローラ対からのシートを分離ローラ対と共に挟持した状態で搬送可能となるように構成されている。
なお、上記と同様に、他の給紙カセット52bに対応する給送部にも、給送ローラとしてのピックアップローラ53bと、第1ローラとしてのフィードローラ54b及び第2ローラとしてのリタードローラ55bからなる分離ローラ対とが配設されている。また、給紙カセット52cに対応する給送部にも、給送ローラとしてのピックアップローラ53cと、第1ローラとしてのフィードローラ54c及び第2ローラとしてのリタードローラ55cからなる分離ローラ対とが配設されている。なお、レーザ露光装置8、プロセスカートリッジ7及び転写ローラ9等により、シート給送装置であるシート収納装置51により送り出されるシートに画像を形成する画像形成部が構成されている。
ここで、本発明に係る給送部の詳細な構成について説明する。なお、図5及び図6は、シート給送装置における給送部等の構成について説明する図である。
図5及び図6において、201は給紙カセット52a,52b,52cに共通する中板であり、中板201は、係止部201a,201bを支点として、給紙カセット52a〜52cの本体に対して上下方向に回動(移動)自在に支持されている。また、203は、中板201の下方に配置された押上板202の一端に設けられた扇形ギヤであり、シート収納装置51内に設けられたリフトモータM1によって回転させられるピニオン204に噛み合うギヤ部203aを備えている。回転するピニオン204により扇形ギヤ203が回転させられると、扇形ギヤ203の回動基部に連結された押上板202が回動することで中板201が係止部201a,201bを支点として回動し、中板201上のシートSaを昇降させる。なお、ピニオン204、扇形ギヤ203及び押上板202等により、中板201を昇降させるリフタ機構が構成されている。
そして、リフトモータM1は、制御部60(図1参照)により駆動制御される。この制御部60は、後述する位置検知センサからの検知信号に基づきリフトモータM1を駆動してピニオン204を回転させ、扇形ギヤ203のギヤ部及び押上板202を介して中板201をピックアップローラ53(53a〜53c)の方向に移動させる。これにより、中板201は、給送時に、積載しているシートの上面とピックアップローラ53との間で適正圧がかかる概略一定高さとなる位置まで上昇させられる。
ピックアップローラ53は、図5及び図6に示すように、フィードローラ54(54a〜54c)の軸114に回動自在に取り付けられたローラホルダ115によって回転自在に支持されている。ローラホルダ115は、軸114と平行に延びる本体側にピックアップローラ53を回転自在に保持した状態で、軸114側に突出するブラケット部が軸114に回動自在に支持されている。
ローラホルダ115の本体側の一縁部にはセンサフラグ115aが取り付けられており、シート収納装置51の装置本体におけるセンサフラグ115aと対向する位置には、位置検知センサ116が配設されている。位置検知センサ116とセンサフラグ115aはフォトインタラプタを構成し、ピックアップローラ53がピック時に適正圧を作用可能な位置にあるときセンサフラグ115aにより位置検知センサ116の発光・受光部が遮光されるように位置決めされている。
そして、給送信号に応答してシートSが1枚ずつ給送されて行くと、中板201に積載されているシートSaの枚数が減少して、シート上面の高さが低くなる。すると、これに伴ってピックアップローラ53がローラホルダ115と共に下降し、やがてローラホルダ115の下降により、位置検知センサ116のセンサフラグ115aによる遮光が解除されて透光する非検知状態となる。
位置検知センサ116の遮光が解除される位置(非検知状態となる位置)までローラホルダ115が軸114を中心に回動してセンサフラグ115aが下降すると、ピックアップローラ53でシート上面に適正な給紙圧(圧接力)を加えることができなくなる。このため、位置検知センサ116が非検知状態となると、制御部60はリフトモータM1を駆動制御して、リフタ機構の押上板202により中板201を、シートSaの上面が給送時に適正圧がかかる概略一定高さとなる位置まで再度上昇させる。
このようにローラホルダ115(ピックアップローラ53)の位置を位置検知センサ116によって検知している際に、シートを順次給送している途中で位置検知センサ116が非検知状態になると、リフタ機構が中板201を移動させる。これにより、シートの上面位置を所定の位置となるように制御を繰り返すことで、シートがなくなるまで確実にシートを給送することができる。
次に、本発明に係る給送機構について詳細に説明する。図6に示すように、リミッタギヤ104は、そのギヤ部にモータM2からの駆動力を受けると共に、内部に備えたトルクリミッタ(図示せず)を介して軸105と係合することでリタードローラ55(55a〜55c)に連結される。リミッタギヤ104は、リタードローラ55に掛かる負荷が上記トルクリミッタの駆動力より小さい場合には、駆動源であるモータM2の駆動により軸105を回転させる。また、リミッタギヤ104は、リタードローラ55に掛かる負荷がトルクリミッタの駆動力より大きい場合には、リミッタギヤ104と軸105との間で或る一定の駆動力を発生させながら空転するように構成されている。なお、101はフィードローラ54を回転させる欠け歯ギヤであり、102はソレノイド103の作動で作動させられるフラッパ部材(図5参照)である。
給送信号が送られてくると、図5に示すソレノイド103によってフラッパ部材102が作動させられて、欠け歯ギヤ101の回転留めが解除される。欠け歯ギヤ101の内部には不図示のバネが内蔵されており、フラッパ部材102による回転留めが解除されると、欠け歯ギヤ101はそのバネ力によって回転し、欠け歯部がリミッタギヤ104と噛み合う。
リミッタギヤ104は、モータM2に連結されて常時回転しており、その回転力を受けて欠け歯ギヤ101が回転する。この欠け歯ギヤ101の一回転制御により、ギヤ117を回転させ、軸114、ギヤ111を介してフィードローラ54が、数回回転することでシートSを送り出すように構成されている。また、軸114を支持する軸受118とギヤ111には、それぞれワンウェイクラッチが内蔵されている。軸受118は、給送部本体に結合されて軸114がシート給送方向に回転する場合にはフリーに回転を許容し、軸114がシート給送方向と逆方向に回転しようとする場合にはロックすることで、軸114がシート給送方向と反対方向に回転することを防止する。
ギヤ111は、軸114の回転をフィードローラ54に伝達し、軸114がシート給送方向に回転している場合には、軸114とフィードローラ54をロックすることでフィードローラ54を回転させる。一方、欠け歯ギヤ101の一回転制御が終了し、軸114が停止している場合には、フィードローラ54が、シートの搬送でシート給送方向に回転しているときに上記ワンウェイクラッチが空転する。これにより、その回転力がギヤ117や欠け歯ギヤ101に伝達することを防止する。
ピックアップローラ53は、ギヤ113,112,111を介してフィードローラ54に連結されており、フィードローラ54がシート給送方向に回転すると、ピックアップローラ53も同じくシート給送方向に回転するように構成されている。
また、図4〜図6に示すように、シート収納装置51の装置本体には、ピックアップローラ53を昇降させる昇降モータ110と、ラック109とが対向する位置関係で配置されている。昇降モータ110の回転軸に固定されたピニオン110aは、ラック109のギヤ部109aに噛合している。ラック109は、長手方向を上下方向(鉛直方向)に沿った状態で不図示の支持部材によって支持され、ギヤ部109aと反対の側部における下端部には、ピックアップローラ53側に突出する形状の係合段部109bが形成されている。係合段部109bは、ピックアップローラ53を保持するローラホルダ115の端部に突出形成された突起部115bに係合可能に位置している。
昇降モータ110が一方向に駆動すると、ラック109が上昇動作することでローラホルダ115の突起部115bが持ち上げられ、ピックアップローラ53がフィードローラ54の軸114を支点として回動移動して、シートS上から離間する。この状態で昇降モータ110が他方向に駆動すると、ラック109が下降動作することでローラホルダ115の突起部115bが解放され、ピックアップローラ53がフィードローラ54の軸114を支点として逆方向に回動移動して、シートS上に当接する。
図6において、ギヤ106は、軸105と結合され、軸105の回転に伴って回転するように構成されている。このギヤ106は、ギヤ107,126及び軸119を介してリタードローラ55に駆動力を伝達しており、リミッタギヤ104に内蔵されたトルクリミッタによって、リタードローラ55へ常にシート給送方向と反対側に略一定の駆動力を伝えている。また、軸119に連結されて回転する回転検知フラグ122では、リタードローラ55が回転している際に、回転検知センサ121が透光と遮光を繰り返すように構成されている。なお、120はリタードホルダ、124は圧縮バネを示している。
図4、図6及び図7に示すように、回転方向検知フラグ123は、圧縮バネ124によって回転検知フラグ122に付勢されており、リタードローラ55がシート給送方向に回転している際には、回転検知センサ121を透光状態にする。また、回転方向検知フラグ123は、リタードローラ55がシート給送方向と反対側に回転している際には、回転検知フラグ122との摩擦力によって回転して、回転検知センサ121を遮光状態にする。
即ち、図7に示すように、回転検知フラグ122は、複数のスリットを備えた状態で軸119に固定されている。回転方向検知フラグ123は、円盤状で一部に切り欠きが形成されており、圧縮バネ124によって回転検知フラグ122に付勢されている。また、回転方向検知フラグ123は、所定の回転範囲において不図示のストッパにより回転を規制されている。この回転範囲は、軸119の一方向へ回転して停止させられたときには、切り欠き(図示せず)が回転検知センサ121に対向し、他方向へ回転して停止させられたときには、円盤部123aが回転検知センサ121に対向するように構成されている。
このため、リタードローラ55の給送方向への回転中には、回転方向検知フラグ123の不図示の切り欠きが回転検知センサ121と対向し、回転する回転検知フラグ122のスリットによりオン/オフの繰り返し信号が回転検知センサ121から出力される。また、リタードローラ55が停止又は給送方向と逆方向に回転しているときには、停止したときに回転方向検知フラグ123の上記切り欠きが回転検知センサ121に対向しているため、回転検知フラグ122のスリットの位置で遮光又は透光状態となる。リタードローラ55が逆転したときには、回転方向検知フラグ123が回転して上記円盤部が回転検知センサ121に対向するため、回転検知センサ121は遮光状態となる。
2つの回転検知フラグ122と回転方向検知フラグ123の組み合わせにより、リタードローラ55がシート給送方向に回転しているときには、回転検知センサ121は透光と遮光を繰り返してオン/オフの繰り返し信号を出力する。一方、リタードローラ55が停止又はシート給送方向と逆方向に回転(逆転)しているときには、回転検知センサ121が透光状態又は遮光状態を維持するようになるため、リタードローラ55がシート給送方向に回転しているか否かを判定することができる。このように、回転検知センサ121の出力信号により、制御部60はリタードローラ55の回転方向を判断できる。
ここで、本発明に係る給送の一連の流れについて説明する。即ち、LBP本体1aから給送信号が送られてくると、上述したモータM2からリミッタギヤ104に伝達される回転により、リタードローラ55にシート給送方向と逆方向の回転が伝わる。この際、フィードローラ54は軸受118に備えたワンウェイクラッチでシート給送方向と反対方向への回転がロックされているため、リタードローラ55はフィードローラ54により回転を規制されて、トルクリミッタの駆動力が掛かった状態で停止される。
この状態で、ソレノイド103の駆動でフラッパ部材102が欠け歯ギヤ101の回転留めを解除すると、欠け歯ギヤ101によってフィードローラ54及びピックアップローラ53がシート給送方向に回転させられる。フィードローラ54がシート給送方向に回転すると、リタードローラ55は、その力によりトルクリミッタの駆動力に反してシート給送方向に連れ回り回転させられる。そして、リタードローラ55がシート給送方向に回転していることが回転検知センサ121で検知されると、制御部60の制御で昇降モータ110が回転させられる。これにより、ピックアップローラ53が中板201上のシートSaに当接して、最上位のシートS1を給送する(図8参照)。
なお、本実施形態では、モータM2と、リミッタギヤ104、欠け歯ギヤ101、ギヤ117、ギヤ111,112,113等のギヤ、及びワンウェイクラッチを備えた軸受118等により、本発明に係る駆動部が構成されている。この駆動部は、少なくともピックアップローラ(給送ローラ)53及び分離ローラ対(フィードローラ54、リタードローラ55)を連動して回転駆動可能に構成されている。
また、上記駆動部は、中板201上(シート積載部上)のシートをピックアップローラ53及び分離ローラ対(54,55)の回転で搬送ローラ対56に給送させ、搬送ローラ対56でシートが挟持された後にピックアップローラ53の駆動を停止させる。さらに上記駆動部は、搬送ローラ対56で挟持搬送されるシートを挟持している分離ローラ対(54,55)と共にピックアップローラ53を連れ回り回転させる。そして、分離ローラ対(54,55)のリタードローラ(第2ローラ)55が回転を停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転した場合に中板201上のシートを給送しないように機能する。
なお、回転検知センサ121、回転検知フラグ122及び回転方向検知フラグ123により、リタードローラ(第2ローラ)55の回転状態を検知する回転検知部が構成されている。
また、本実施形態では、昇降モータ110、ラック109、ローラホルダ115、突起部115bにより、上記駆動部に備えられた、ピックアップローラ53を移動させるローラ移動部が構成されている。このローラ移動部は、ピックアップローラ53を中板201上の最上位のシートに当接させる当接位置(図8(a))と、ピックアップローラ53を最上位のシートから離間させる離間位置(図8(c))とに移動可能に構成されている。さらにローラ移動部は、シートの後端が分離ローラ対(54,55)を抜けて、リタードローラ55の回転停止若しくはシート給送方向と逆方向の回転を上記回転検知部が検知した時点で、ピックアップローラ53を当接位置から離間位置に移動させる。
以上説明したシート収納装置51では、給紙カセット52に積載された最上位のシートS1とその下のシートS2との間の摩擦が小さい場合と大きい場合とで動作が異なるため、それぞれの場合について図8及び図9を参照して説明する。
昇降モータ110が駆動してピニオン110aが図8(a)の時計回り方向に回転してラック109が下降し、ピックアップローラ53を中板201上のシート束Saの最上位のシートに当接させる。この際、給紙カセット52に積載された最上位のシートS1とその下のシートS2との間の摩擦が小さい場合には、図8(a)に示すように、最上位のシートS1のみが分離されて分離ローラ対(54,55)に向けて搬送される。このシートS1は、フィードローラ54によって搬送ローラ対56に搬送される。そして、欠け歯ギヤ101の一回転が終了すると、フィードローラ54の駆動が解除され、分離ローラ対(54,55)は、搬送ローラ対56によりシートS1が引っ張られることによってシート給送方向に連れ回り回転させられる。この際、フィードローラ54の連れ回り回転に連動してピックアップローラ53も同方向に回転させられる。
シートS1の後端がピックアップローラ53を抜けると、図8(b)に示すように、ピックアップローラ53はその下のシートS2と接するが、このとき分離ローラ対(54,55)には、搬送ローラ対56で送り出されているシートS1が噛んでいる。このため、分離ローラ対(54,55)及びピックアップローラ53は、シート給送方向に回転させられているため、シートS1の後端がピックアップローラ53を抜けると同時に、ピックアップローラ53によってその下のシートS2も搬送されることになる。
そして、シートS1の後端が分離ローラ対(54,55)を抜けると、回転検知センサ121が、リタードローラ55の回転が停止したことを検知するため、この検知信号に基づいて制御部60が昇降モータ110を図8(c)の反時計回り方向に回転させる。これにより、ピックアップローラ53が、上昇するラック109で持ち上げられて次のシートS2から離間する。このため、シートS2は、先端が分離ローラ対(54,55)のニップ部に当接した状態で停止する。この動作を繰り返して給送することで、シート先端は、常に分離ローラ対(54,55)のニップ部から給送を開始されることになる。
一方、最上位のシートS1とその下のシートS2との間の摩擦が大きい場合について説明する。まず、昇降モータ110が駆動してピニオン110aが図9(a)の時計回り方向に回転すると、ラック109が下降してピックアップローラ53を中板201上の最上位のシートS1に当接させる。この状態で、給送信号が送られることに基づき、制御部60がシートS1を給送させると、シートS1,S2間の摩擦力によってシートS2も分離ローラ対(54,55)まで給送される。この際、シートS1と共にシートS2が分離ローラ対(54,55)に挟持されると、リタードローラ55がシートS2を戻す本来の方向に回転して、シートS1とシートS2とを分離させる。これにより、シートS1のみがフィードローラ54によって搬送されることになる。
そして、シートの分離によりリタードローラ55が回転停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転したことを回転検知センサ121が検知すると、制御部60の制御で、昇降モータ110が図中の反時計回り方向に回転する。これにより、図9(b)に示すように、ピックアップローラ53がシートS2から離間する。
そして、シートS1が搬送された後は、図9(c)に示すように、次に給送されるシートS2が、リタードローラ55によって分離ローラ対(54,55)のニップ部で先端を停止された状態で停止される。この場合も、この動作を繰り返すことで次の給送時には、図9(c)に示すように、シート先端が常に分離ローラ対(54,55)のニップ部にある状態から開始されることになる。
このように、給送される最上位のシートS1とその下のシートS2との間の摩擦が小さい場合でも大きい場合でも、次に給送されるシートS2の先端が常に分離ローラ対(54,55)のニップ部にある。このため、給送時のシート先端のバラツキを最小限に抑えて、安定したシートの給送動作を行うことができる。
本実施形態では、搬送ローラ対56で搬送されるシートを挟持する分離ローラ対と共にピックアップローラ53を連れ回り回転させ、リタードローラ55が回転を停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転した際に中板上のシートを給送しない状態にできる。さらに、ピックアップローラ53を、リタードローラ55が給送方向に回転しているときにはシート給送可能な状態とすることができる。そして、リタードローラ55が回転を停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転しているときにはシート給送不可能な状態とすることができる。これにより、給送前にシートの先端を、常に分離ローラ対(54,55)のニップ部に位置させておくことができる。このため、搬送速度制御のための複雑な制御を不要にしながらも、給送時のシート給送のバラツキを抑え、LBP本体1aの画像形成部に対して安定した間隔で確実にシートを給送することができる。これにより、従来に比べて相対的にシート間で制御することが可能になり、同じ単位時間当たりの出力枚数を達成する場合にプロセス速度を落とすことができ、画質の安定と省エネルギー化に貢献することができる。
また、本実施形態では、リタードローラ55の回転を検知する回転検知センサ121と、ピックアップローラ53を昇降させる昇降モータ110とを用いてシートの給送と非給送の制御を行った。しかし、リタードローラ55の回転とピックアップローラ53の昇降動作をギヤ列等によって連動させることにより制御してもよい。
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、LBP1に接続されるシート収納装置を例に挙げて説明する。なお、本実施形態のシート収納装置は、第1の実施形態におけるシート収納装置51とほぼ同様の構成を備えるので、同じ構成については同じ符号を付しその説明を省略する。また、給紙カセット52、並びに中板201の高さを制御するリフタ機構の構成についても、第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。本実施形態では、ローラホルダ115を昇降動作させないため、ローラホルダ115の昇降機構であるラック109及び昇降モータ110は設けられておらず、ローラホルダ115は給送位置で固定されている。
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、LBP1に接続されるシート収納装置を例に挙げて説明する。なお、本実施形態のシート収納装置は、第1の実施形態におけるシート収納装置51とほぼ同様の構成を備えるので、同じ構成については同じ符号を付しその説明を省略する。また、給紙カセット52、並びに中板201の高さを制御するリフタ機構の構成についても、第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。本実施形態では、ローラホルダ115を昇降動作させないため、ローラホルダ115の昇降機構であるラック109及び昇降モータ110は設けられておらず、ローラホルダ115は給送位置で固定されている。
図10及び図11は、本実施形態の給送時の動作を示す図であり、第1の実施形態と同様、給紙カセット52に積載された最上位のシートS1とその下のシートS2間の摩擦が小さい場合と大きい場合とで動作が異なるため、夫々の場合について説明する。
カセットに積載された最上位のシートS1とその下のシートS2との間の摩擦が小さい場合には、図10(a)に示すように、ピックアップローラ53の回転により、最上位のシートS1のみが分離されて分離ローラ対(54,55)の方向に搬送される。そしてこの後、フィードローラ54によって搬送ローラ対56に搬送される。そして、上述した欠け歯ギヤ101の一回転が終了すると、フィードローラ54の駆動は解除され、分離ローラ対(54,55)は、搬送ローラ対56によってシートS1が引っ張られることによってシート給送方向に連れ回り回転させられる。
そして、シートS1の後端がピックアップローラ53を抜けると、図10(b)に示すように、ピックアップローラ53は、その下のシートS2に接する。このとき、分離ローラ対(54,55)には、搬送ローラ対56によって給送されているシートS1が噛んでいるため、分離ローラ対(54,55)はシート給送方向に回転している。そのため、シートS1の後端がピックアップローラ53を抜けると同時に、ピックアップローラ53によってその下のシートS2も搬送されることになる。
そして、シートS1の後端が分離ローラ対(54,55)を抜けると、リタードローラ55が回転を停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転したことが回転検知センサ121で検知される。すると制御部60が、その検知信号に基づいて、中板201を昇降させるリフトモータM1を或る一定量逆回転させて、ピックアップローラ53と中板201上のシートS2とを離間させる。これにより、次のシートS2は、図10(c)に示すように、先端が分離ローラ対(54,55)のニップ部にある状態で停止する。この動作を繰り返して給送することで、シート先端は、常に分離ローラ対(54,55)のニップ部から給送を開始されることになる。
一方、最上位のシートS1とその下のシートS2との間の摩擦が大きい場合には、図11(a)に示すように、給送信号が送られてシートS1が給送されると、シートS1,S2間の摩擦力によってシートS2も分離ローラ対(54,55)まで給送される。この際、リタードローラ55がシートS1とシートS2とを分離させ、シートS1のみが搬送される。
そして、シートの分離によってリタードローラ55が回転を停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転したことが回転検知センサ121で検知されると、制御部60は、中板201を昇降させるリフトモータM1を或る一定量逆回転させる。これにより、図11(b)に示すように、ピックアップローラ53と中板201上のシートS2とが離間される。
このため、シートS1が搬送された後は、図11(c)に示すように、次に給送されるシートS2の先端は、リタードローラ55によって分離ローラ対(54,55)のニップ部で停止した状態で停止する。この場合も、この動作を繰り返すことで次の給送時には、図11(c)に示すように、シート先端が常に分離ローラ対(54,55)のニップ部にある状態から開始されることになる。
なお、本実施形態においても、図4に示す回転検知センサ121、回転検知フラグ122及び回転方向検知フラグ123により、リタードローラ(第2ローラ)55の回転状態を検知する回転検知部が構成されている。
また、本実施形態では、リフトモータM1、図5に示すピニオン204、扇形ギヤ203及び押上板202により、本発明に係る駆動部に備えられた、シート積載部である中板201を移動させる積載部移動部が構成されている。積載部移動部は、中板上(シート積載部上)の最上位のシートをピックアップローラ53に当接させる当接位置(図10(a))と、最上位のシートからピックアップローラ53を離間させる離間位置(図10(c))とに中板201を移動可能に構成されている。さらに積載部移動部は、シートの後端が分離ローラ対(54,55)を抜けて、リタードローラ55の回転停止若しくはシート給送方向と逆方向の回転を上記回転検知部が検知した時点で、中板201を上記当接位置から上記離間位置に移動させる。
以上のように、給送される最上位のシートS1とその下のシートS2間の摩擦が小さい場合でも大きい場合でも、次に給送されるシートS2の先端が常に分離ローラ対(54,55)のニップ部にあるため、第1の実施形態とほぼ同様の効果が得られる。
<第3の実施形態>
続いて、本発明に係る第3の実施形態について説明する。本実施形態も、先の第1及び第2の実施形態と同様に、LBP1に接続されるシート収納装置を例に挙げて説明する。このシート収納装置は、第1の実施形態におけるシート収納装置51とほぼ同様の構成を備えるので、同じ構成については同じ符号を付しその説明を省略する。また、給紙カセット52、並びに中板201の高さを制御するリフタ機構の構成についても、第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
続いて、本発明に係る第3の実施形態について説明する。本実施形態も、先の第1及び第2の実施形態と同様に、LBP1に接続されるシート収納装置を例に挙げて説明する。このシート収納装置は、第1の実施形態におけるシート収納装置51とほぼ同様の構成を備えるので、同じ構成については同じ符号を付しその説明を省略する。また、給紙カセット52、並びに中板201の高さを制御するリフタ機構の構成についても、第1の実施形態と同様であるため、それらの説明を省略する。
本実施形態の、第1及び第2の実施形態との相違点は、ピックアップローラ53の回転とリタードローラ55の回転を連動させる構成を採用した点である。本実施形態では、その機構として、ピックアップローラ53を駆動するギヤ列とリタードローラ55を駆動するギヤ列とを連結している。その際の駆動列を最適化するために、リタードローラと同軸上に配置されていたトルクリミッタを、フィード軸と同軸上に配置している。
ここで、本実施形態における給送機構について図12を用いて説明する。本実施形態におけるピックアップローラ53は、給紙カセット52の中板201に積載された最上位のシートに常に接する構成とされている。
シート収納装置51の装置本体には、ギヤ部130aがモータM3と連結される電磁クラッチ130が配設されており、この電磁クラッチ130は、フィードローラ54の軸114に連結されている。リミッタギヤ104は、トルクリミッタを介して軸114と係合している。リミッタギヤ104に噛合するギヤ107は、ギヤ126に噛合している。このギヤ107は、軸119を介してリタードローラ55に駆動力を伝達しており、リミッタギヤ104に内蔵されたトルクリミッタによって、常にシート給送方向と反対側の略一定の駆動力をリタードローラ55に伝えている。
そして、リミッタギヤ104は、リタードローラ55に掛かる負荷がトルクリミッタの駆動力より小さい場合には、駆動源であるモータM3によって軸114の駆動を伝達する。リタードローラ55の負荷がトルクリミッタの駆動力より大きい場合には、リミッタギヤ104と軸114との間で或る一定の駆動力を発生させながら空転させる。そして、給送信号が送られてくると、電磁クラッチ130が連結することにより、モータM3の駆動力が伝達され、軸114、回転部材125を介してフィードローラ54が、数回回転することでシートSを送り出すようになっている。
回転部材125にはワンウェイクラッチが内蔵されており、軸114がシート給送方向に回転しているときには、軸114とフィードローラ54とをロックすることで、軸114の回転をフィードローラ54に伝達する。一方、電磁クラッチ130の連結が解除されて軸114が回転を停止している場合、フィードローラ54が、搬送ローラ対56で搬送されるシートによってシート給送方向に連れ回り回転しているときは、次のようになる。つまり、回転部材125のワンウェイクラッチが空転することで、連れ回り回転による回転力が軸114に伝達することを防止する。
またリミッタギヤ104には、ピックアップローラ53に軸128を介して連結されたギヤ112も噛み合っており、軸128を介してピックアップローラ53にも駆動が伝達される。また、ギヤ112にはワンウェイクラッチが内蔵されており、リタードローラ55がトルクリミッタの駆動力でシート給送方向と反対側に回転したときには、ギヤ112は空転し、ピックアップローラ53に駆動を伝えない。また、リタードローラ55がトルクリミッタの駆動力より大きな駆動力でシート給送方向に回転した場合には、ギヤ112に内蔵のワンウェイクラッチによって軸128がロックされ、ピックアップローラ53もシート給送方向に回転する。
即ち、電磁クラッチ130からリミッタギヤ104を介してリタードローラ55に駆動力が伝達され、フィードローラ54には、ワンウェイクラッチを備えた回転部材125を介して駆動が伝達される。ピックアップローラ53には、リミッタギヤ104及びワンウェイクラッチを内蔵したギヤ112を介して駆動力が伝達される。
上記構成において、先のシートS1が下流側の搬送ローラ対56で引き抜かれているとき、制御部60(図1参照)の制御で電磁クラッチ130がオフされているため、各ローラには駆動力は伝達されない。しかし、引き抜かれているシートS1によってフィードローラ54及びリタードローラ55がシート給送方向に連れ回り回転し、さらに、ピックアップローラ53もシート給送方向に回転する。このとき、フィードローラ54は回転部材125のワンウェイクラッチによって、また、ピックアップローラ53はギヤ112に内蔵されたワンウェイクラッチによって、電磁クラッチ130がオフしてその駆動軸が固定されても、連れ回りが可能となる。
そして、引き抜かれているシートS1の後端がピックアップローラ53を抜けると、ピックアップローラ53は次のシートS2を送り出してフィードローラ54及びリタードローラ55のニップ部に送る。この際、ニップ部に2枚のシートS1,S2が入り込むが、リミッタギヤ104のトルクリミッタのトルクによりリタードローラ55の回転が規制されるため、リタードローラ55は停止した状態になる。そのため、次のシートS2は、ニップの部分で停止される。これにより、本実施形態においても、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、次のシートをフィードローラ54とリタードローラ55とのニップ部で停止させることができる。
本実施形態では、本発明に係る駆動部に、ピックアップローラ53と分離ローラ対(54,55)を共通に駆動する1つの駆動源である、ギヤ部130aに連結されたモータM3と、電磁クラッチ130とを備えている。この電磁クラッチ130は、モータM3の駆動力をピックアップローラ53及び分離ローラ対(54,55)に伝達状態と非伝達状態とに切り替えるクラッチ部を構成している。この駆動部は、搬送ローラ対56でシートが挟持されると電磁クラッチ130を非伝達状態に切り替えてピックアップローラ53の駆動を停止させ、分離ローラ対(54,55)と共にピックアップローラ53を連れ回り回転させる。そして、リタードローラ55が回転を停止した際にピックアップローラ53を停止させるように機能する。
ここで、本実施形態における給送の一連の流れについて説明する。LBP本体1aより給送信号が送られてくると、制御部60の制御で電磁クラッチ130が連結されることにより、軸114が回転する。この回転に伴い、フィードローラ54及びピックアップローラ53からなる分離ローラ対がシート給送方向に回転し、これにより、中板201上の最上位のシートS1が送り出される。
給紙カセット内の中板201に積載された最上位のシートS1とその下のシートS2との間の摩擦が小さい場合と大きい場合とで給送動作が異なるため、ここからは、それぞれの場合において説明する。
給紙カセット52内の中板201に積載された最上位のシートS1とその下のシートS2との間の摩擦が小さい場合には、図13(a)に示すように、最上位のシートS1のみが分離されて分離ローラ対(54,55)の方向に搬送される。この後、シートS1は、フィードローラ54によって搬送ローラ対56に搬送される。シートS1が搬送ローラ対56に搬送されると、これに基づいて制御部60が電磁クラッチ130の連結を解除する。これにより、フィードローラ54の駆動が解除されるが、このとき分離ローラ対(54,55)は、搬送ローラ対56でシートS1が引っ張られることによって、シート給送方向に連れ回り回転する。
そして、シートS1の後端がピックアップローラ53を抜けると、図13(b)に示すように、ピックアップローラ53はその下のシートS2と接する。このとき、リタードローラ55には、搬送ローラ対56によって給送されているシートS1が噛んでいる状態であるため、フィードローラ54、リタードローラ55及びピックアップローラ53は、いずれもシート給送方向に回転している。そのため、シートS1の後端がピックアップローラ53を抜けると同時に、ピックアップローラ53によって、その下のシートS2も搬送されることになる。そしてシートS1の後端が分離ローラ対(54,55)を抜けると、リタードローラ55の回転が停止し、ピックアップローラ53の回転も停止し、次のシートS2は、先端が分離ローラ対(54,55)のニップ部に当接した状態で停止する(図13(c))。この動作を繰り返して給送することで、シート先端は、常に分離ローラ対(54,55)のニップ部から開始されることになる。
次に、最上位のシートS1とその下のシートS2間の摩擦が大きい場合には、給送信号が送られて、図14(a)に示すようにシートS1を給送すると、シートS1,S2間の摩擦力によってシートS2も分離ローラ対(54,55)まで給送される。このとき、リタードローラ55がシートS1とシートS2とを分離し、シートS1のみが搬送される。そして、シートS1が搬送された後は、図14(b)のように、次に給送されるシートS2の先端は、リタードローラ55によって分離ローラ対(54,55)のニップ部に当接した状態で停止する。このとき、リタードローラ55の回転は停止しているため、リミッタギヤ104はトルクリミッタの空転により軸114に対して空転し、停止するため、ピックアップローラ53へも駆動は伝達されない。この場合も、この動作を繰り返すことで次の給送時には、図14(c)に示すように、シート先端が常に分離ローラ対(54,55)のニップ部にある状態から開始されることになる。
以上のように、給送される最上位のシートS1とその下のシートS2間の摩擦が小さい場合でも大きい場合でも、次に給送されるシートS2の先端が常に分離ローラ対(54,55)のニップ部にあるため、第1の実施形態とほぼ同様の効果が得られる。
なお、本発明に係る給送ローラ、分離ローラ対、搬送ローラ対を、LBP本体1a内のピックアップローラ3、フィードローラ4a及びリタードローラ4b、搬送ローラ対5に適用することも可能である。
7,8,9…画像形成部(プロセスカートリッジ,レーザ露光装置,転写ローラ)、51…シート給送装置(シート収納装置)、53,53a〜53c…給送ローラ(ピックアップローラ)、54,55…分離ローラ対,第1ローラ,第2ローラ(フィードローラ,リタードローラ)、56,56a〜56c…搬送ローラ対、101,104,111〜113,117,M2…駆動部(欠け歯ギヤ,リミッタギヤ,ギヤ,モータ)、109,110,115,115b…ローラ移動部(ラック,昇降モータ,ローラホルダ,突起部)、121,122,123…回転検知部(回転検知センサ,回転検知フラグ,回転方向検知フラグ)、130,M3…駆動部(クラッチ部(電磁クラッチ),駆動源(モータ))、201…シート積載部(中板)、202,203,204,M1…積載部移動部(押上板,扇形ギヤ,ピニオン,リフトモータ)、S1,S1…シート
Claims (5)
- シートを積載するシート積載部と、前記シート積載部に積載されたシートを給送する給送ローラと、前記給送ローラにより送り出されたシートを搬送する第1ローラ及び前記第1ローラに圧接した状態でトルクリミッタを介してシート給送方向と逆方向にシートを戻す回転力を付与される第2ローラからなる分離ローラ対と、前記分離ローラ対からのシートを前記分離ローラ対と共に挟持した状態で搬送可能な搬送ローラ対と、を備えたシート給送装置において、
少なくとも前記給送ローラ及び前記分離ローラ対を連動して回転駆動可能な駆動部を備え、
前記駆動部は、
前記シート積載部上のシートを前記給送ローラ及び前記分離ローラ対の回転で前記搬送ローラ対に給送させ、前記搬送ローラ対でシートが挟持された後に前記給送ローラの駆動を停止させ、前記搬送ローラ対で挟持搬送されるシートを挟持している前記分離ローラ対と共に前記給送ローラを連れ回り回転させ、前記分離ローラ対の前記第2ローラが回転を停止若しくはシート給送方向と逆方向に回転した場合に前記シート積載部上のシートを給送しない、ことを特徴とするシート給送装置。 - 前記第2ローラの回転状態を検知する回転検知部を備え、
前記駆動部が前記給送ローラを移動させるローラ移動部を備え、
前記ローラ移動部は、
前記給送ローラを前記シート積載部上の最上位のシートに当接させる当接位置と、前記給送ローラを前記最上位のシートから離間させる離間位置とに移動可能に構成され、かつ前記シートの後端が前記分離ローラ対を抜けて、前記第2ローラの回転停止若しくはシート給送方向と逆方向の回転を前記回転検知部が検知した時点で、前記給送ローラを前記当接位置から前記離間位置に移動させる、ことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。 - 前記第2ローラの回転状態を検知する回転検知部を備え、
前記駆動部が前記シート積載部を移動させる積載部移動部を備え、
前記積載部移動部は、
前記シート積載部上の最上位のシートを前記給送ローラに当接させる当接位置と、前記最上位のシートから前記給送ローラを離間させる離間位置とに前記シート積載部を移動可能に構成され、かつ前記シートの後端が前記分離ローラ対を抜けて、前記第2ローラの回転停止若しくはシート給送方向と逆方向の回転を前記回転検知部が検知した時点で、前記シート積載部を前記当接位置から前記離間位置に移動させる、ことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。 - 前記駆動部は、
前記給送ローラと前記分離ローラ対を共通に駆動する1つの駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記給送ローラ及び前記分離ローラ対に伝達状態と非伝達状態とに切り替えるクラッチ部と、を備え、前記搬送ローラ対でシートが挟持されると前記クラッチ部を前記非伝達状態に切り替えて前記給送ローラの駆動を停止させ、前記分離ローラ対と共に前記給送ローラを連れ回り回転させ、前記第2ローラが回転を停止した際に前記給送ローラを停止させる、ことを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート給送装置と、
前記シート給送装置により送り出されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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