実施形態について、図1~図17を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成システムについて、図1を用いて説明する。
[画像形成システム]
図1は、本実施形態に係る多段収納装置及び画像形成装置を備える画像形成システムの一例を概略的に示す断面図である。以下の説明では、画像形成部を有する画像形成装置として、電子写真方式を用いたレーザプリンタシステム(以下単にプリンタと呼ぶ)を例に挙げて説明する。なお、画像形成システムを構成する画像形成装置は、プリンタ以外に、複写機、ファクシミリ、複合機などであっても良い。また、画像形成装置は、電子写真方式に関らず、インクジェット方式などの他の方式の構成であっても良い。
本実施形態の画像形成システム1000は、画像形成装置100と、画像形成装置100に接続されたシート給送装置としての多段収納装置200と、給送デッキ500と、を有している。多段収納装置200は、詳しくは後述するように、それぞれが複数枚のシートを収納可能な複数の収納庫を有しており、各収納庫から画像形成装置100にシートを給送可能である。また、給送デッキ500も複数枚のシートを収納可能な収納庫を有しており、シート搬送方向に関して、多段収納装置200の上流側に配置されている。また、給送デッキ500から給送されるシートは、多段収納装置200に設けられた中継搬送装置400を介して画像形成装置100に搬送される。なお、シートとしては、普通紙、薄紙、厚紙などの紙、プラスチックシートなどが挙げられる。
画像形成装置100は、画像形成装置本体101に接続された原稿読み取り装置102又は画像形成装置本体101に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)をシートに形成する。本実施形態の場合、原稿読み取り装置102は、画像形成装置本体101の上側に配置されている。
原稿読み取り装置102は、原稿を読み取る際には、プラテンガラス103の上に載置された原稿に走査光学系光源によって光を照射すると共に、反射光をCCDに入力することにより原稿画像を読み取るようにしている。また、原稿読み取り装置102は、自動原稿搬送装置(ADF)104を備えており、トレイ105上に載置された原稿をADF104により自動的に原稿読み取り装置102の読み取り部に搬送して、原稿画像を読み取ることも可能である。そして、読み取った原稿画像は電気信号に変換されて、後述する画像形成部110のレーザスキャナ113に伝送される。なお、レーザスキャナ113は、上述したようにパーソナルコンピュータ等から送信されてくる画像データが入力される場合もある。
画像形成装置100は、画像形成部110、複数のシート給送装置120、シート搬送装置130等を備える。画像形成装置100は、制御部140により各部が制御される。制御部140は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。CPUは、ROMに格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。また、RAMには、作業用データや入力データが格納されており、CPUは、前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。
複数のシート給送装置120は、それぞれシートSを収納するカセット121と、ピックアップローラ122と、フィードローラ123及びリタードローラ124から構成される分離搬送ローラ対125とを備えている。カセット121内に収納されたシートSは、所定のタイミングで昇降動作して回転するピックアップローラ122と分離搬送ローラ対125とによって1枚ずつ分離されて給送される。
シート搬送装置130は、搬送ローラ対131、レジストローラ対133を備えている。シート給送装置120から給送されたシートSは、搬送ローラ対131によりシート搬送路134を通過させられた後、レジストローラ対133に導かれる。この後、シートSは、レジストローラ対133によって、所定のタイミングで画像形成部110に送り込まれる。
なお、後述する多段収納装置200や給送デッキ500から搬送ローラ対201を介して搬送されるシートは、画像形成装置100との接続経路202を介して画像形成装置100内に搬送される。そして、多段収納装置200や給送デッキ500から画像形成装置100内に搬送されたシートは、画像形成装置100内のシート給送装置120から搬送されるシートと同様に、レジストローラ対133を介して所定のタイミングで画像形成部110に送り込まれる。
画像形成部110は、感光ドラム111、帯電器112、レーザスキャナ113、現像器114、転写装置115、クリーナ117等を備えている。画像形成時には、感光ドラム111が回転駆動され、まず、帯電器112により感光ドラム111の表面が一様に帯電される。そして、画像信号に応じて発光されるレーザスキャナ113からのレーザ光が帯電された感光ドラム111に照射されることで、感光ドラム111上に静電潜像が形成される。さらに、このようにして感光ドラム111上に形成された静電潜像は、この後、現像器114によってトナー像として顕像化される。
この後、感光ドラム111上のトナー像は、転写部116において転写装置115によりシートSに転写される。さらに、このようにトナー像が転写されたシートSは、定着装置150に搬送されてトナー像の定着が行われ、この後、排出ローラ151によって機外の排出トレイ152に排出される。
シートSの裏面にトナー像を形成する場合には、定着装置150から排出されたシートSを反転搬送路160に搬送する。そして、反転搬送路160により表裏を反転した状態で、シートSを再度、画像形成部110の転写部116に搬送する。裏面にトナー像が転写されたシートSは、定着装置150に搬送され、トナー像の定着が行われた後、排出ローラ151により排出トレイ152に排出される。なお、転写後に感光ドラム111上に残った転写残トナーは、クリーナ117により除去される。
[多段収納装置]
図1~図6を用いて多段収納装置200の概要について説明する。多段収納装置200は、複数の収納庫210a~210c、中継搬送装置400等を備える。本実施形態では、3つの収納庫210a~210cを上下に3段並べており、一番下の収納庫210cと上から2番目の収納庫210bとの間に中継搬送装置400を配置している。
一番上の収納庫210aから給送されたシートは、搬送経路212に搬送され、上から2番目の収納庫210bから給送されたシートは、搬送経路213に搬送され、一番下の収納庫210cから給送されたシートは、搬送経路214に搬送される。また、中継搬送装置400から搬送されたシートは、搬送経路215に搬送される。搬送経路213は、途中で搬送経路212に合流している。また、搬送経路212,214,215は、合流点216で合流し、搬送経路217を通って搬送ローラ対201に搬送され、接続経路202を介して画像形成装置100に搬送される。
また、搬送経路213と合流後の搬送経路212、中継搬送装置400、搬送経路214には、それぞれシートの重送を検知する重送検知センサが配置されている。そして、重送検知センサにより重送が検知されたシートは、搬送経路217まで搬送される。搬送経路217の下方には、重送が検知されたシートを収容する重送シート収容部(エスケープトレイ)218が配置されている。重送が検知され、搬送経路217に搬送されたシートは、搬送経路217に設けられた切換部材219により搬送経路が切り換えられることで、重送シート収容部に搬送される。
図2は、多段収納装置200の正面図である。図2に示すように、多段収納装置200は、それぞれが複数枚のシートを収納可能なシート収納装置としての収納庫210として、複数の収納庫210a~210cを有する。収納庫210a~210cは、鉛直方向に複数段に並べて配置されている。収納庫210a~210cは、それぞれ多段収納装置200の筐体204に対して引き出し及び挿入可能である。
ここで、収納庫210a~210cは、収納可能なシートの枚数が異なるだけで基本的な構成は同じであり、以下の記載において、特に区別を要しない場合には、添え字a~cを省略し、収納庫210のように総括的に説明する。なお、収納庫210a~210cは、収納可能なシートの枚数が同じ場合もある。
収納庫210a~210cから給送されるシートは、搬送経路212,213,214を経由して接続経路202(図1参照)に搬送される。また、多段収納装置200は、制御部203(図1参照)により各部が制御される。制御部203は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。また、制御部203は、画像形成装置100の制御部140と通信可能であり、制御部140と通信することでシートの給送タイミングなどを制御する。
多段収納装置200は、収納庫210a~210cの引き出し動作を行うための操作部としてのボタン205a~205cを有する。ボタン205a~205cは、収納庫210a~210cのそれぞれの前面に設けられている。例えば、操作者がボタン205aを押すと、収納庫210aを装着位置にロックしていたロック機構が解除され、不図示のバネにより収納庫210aが筐体204から押し出される。これにより、操作者が収納庫210aを、図3~図5に示すように、シートを収納可能な位置まで引き出すことができる。なお、ボタン205a~205cを押すことで、モータなどにより収納庫210a~210cが自動でシートを収納可能な位置まで移動する構成であっても良い。
収納庫210は、図4~図6に示すように、シートSを収納可能なシート収納部220と、シート収納部220から画像形成装置100に向けてシートSを給送するシート給送部230と、を有する。シート収納部220は、図5に示すように、シートSが積載される積載トレイ221、突き当て部222、後端規制板223、サイド規制板224等を有する。積載トレイ221は、不図示の昇降機構により上下方向に昇降可能である。積載トレイ221は、シートSを積載する際には所定位置まで下降し、積載されたシートSが給送されると徐々に上昇していく。
突き当て部222は、シートが収容される収容空間225において、シート搬送方向下流側に配置され、積載トレイ221に積載されたシートの搬送方向下流端(先端)が突き当てられる。後端規制板223は、収容空間225において、シート搬送方向上流側に配置され、積載トレイ221に積載されたシートの搬送方向上流端(後端)が突き当てられることで、シートの後端位置を規制する。後端規制板223は、シート搬送方向に移動可能で、シートサイズに合わせてシートの後端規制位置を調整可能である。サイド規制板224は、収容空間225のシート搬送方向と直交する幅方向両側にそれぞれ配置され、シートの幅方向両端位置を規制する。サイド規制板224は、幅方向に移動可能で、シートサイズに合わせてシートの幅方向の規制位置を調整可能である。
シート給送部230は、図6に示すように、シート給送手段及び給送ローラとしてのピックアップローラ231、搬送ローラ232とリタードローラ233から構成される分離搬送ローラ対234、搬送ローラ対235等を有する。ピックアップローラ231や分離搬送ローラ対234は、図5に示すように、収容空間225の上方のシート搬送方向下流端部で、且つ、幅方向略中央に配置されている。
ピックアップローラ231は、積載トレイ221の上方に設けられ、上昇した積載トレイ221に積載されたシートSの最上位シートと当接して給送する。このためにピックアップローラ231は、図6に示すように、シート搬送方向(矢印α方向)に関してシートSの先端部近傍に、積載トレイ221上の最上位シートに適宜の力で圧接可能となるように配置されている。そして、回転することで、最上位シートを矢印α方向に送り出す。
分離搬送ローラ対234は、ピックアップローラ231から2枚以上のシートが重なって給送された場合に、分離して1枚のみのシートを搬送する。即ち、分離搬送ローラ対234の搬送ローラ232は、シートを矢印α方向に搬送する方向に回転し、ピックアップローラ231から送られたシートを搬送する。一方、リタードローラ233は、搬送ローラ232とは逆方向に回転して、ピックアップローラ231から送られた2枚以上のシートのうち、最上位シート以外のシートを積載トレイ221側に押し戻す。なお、リタードローラ233には不図示のトルクリミッタが内蔵されており、分離搬送ローラ対234に送られたシートが1枚のみの場合には、搬送ローラ232により搬送されるシートによって連れ回るようになっている。
分離搬送ローラ対234に分離搬送されたシートは、搬送ローラ対235により多段収納装置200内の不図示の搬送路に搬送され、上述のように接続経路202(図1参照)を介して画像形成装置100に搬送される。
本実施形態の場合、上述のようにシート給送部230が収納庫210に設けられている。このため、収納庫210を多段収納装置200の筐体204に対して引き出し及び挿入する際には、収納庫210と共に移動する。このように、シート給送部230を収納庫210と共に引き出せるように構成することで、シート給送部230の各ローラの交換などのメンテナンスを容易にしている。
[シート給送部]
次に、シート給送部230の詳しい構成について、図7~図13を用いて説明する。なお、図7~図9、図13では、シート給送部230の一部を示しており、上述のリタードローラ233や搬送ローラ対235などを省略している。図11、図12では、一部を省略して図7の右方から見た図を示している。
図7~図9に示すように、シート給送部230は、ピックアップローラ231を支持する支持手段及び支持部材としての支持板240、支持板240を給送位置から退避させる退避装置250、支持板240を後述する中間退避位置に保持する保持手段としての保持装置260等を備える。
支持板240は、搬送ローラ回転軸としての搬送ローラ232の回転軸232aに対して回転自在に支持されている。即ち、支持板240は、搬送ローラ232の回転軸232a(揺動軸)を中心に揺動可能である。搬送ローラ232の回転軸232aは、回転体でもあるピックアップローラ231の回転軸線と略平行に配置されている。即ち、搬送ローラ232の回転軸232aとピックアップローラ231の回転軸231aとは、互いに略平行に配置されている。また、搬送ローラ232の回転軸232aは、収納庫210のフレーム211に回転自在に支持されている。
ピックアップローラ231の回転軸231aは、図9に示すように、支持板240の回転支持部241に回転自在に支持されている。したがって、支持板240が搬送ローラ232の回転軸232aを中心に揺動(回動)すると、ピックアップローラ231も回転軸232aを中心に揺動(回動)する。これにより、ピックアップローラ231が上下方向に移動する。即ち、ピックアップローラ231が、積載トレイ221に積載されたシートに対して昇降動作を行う。具体的には、ピックアップローラ231は、図11(a)、(b)に示す給送位置と、図12(a)、(b)に示す給送位置から退避した退避位置としての上昇退避位置との間で昇降可能である。
ここで、給送位置は、上述したようにピックアップローラ231が積載トレイ221に積載された最上位シートに当接してシートを給送する位置である。また、上昇退避位置は、シート収納部220にシートを収納する際に、ピックアップローラ231が収容空間225から退避する位置である。ピックアップローラ231は、図12(a)に示す所定方向としての矢印r方向に回動することで、給送位置から退避した上昇退避位置に移動する。ピックアップローラ231の昇降動作の詳しい説明については後述する。
支持板240の端部には、支持板側係合部242が一体に形成されている。支持板側係合部242は、片側の回転支持部241から回転軸232aの回転軸線方向に突出するように形成され、次述する退避装置250の退避係合部254と係合可能である。
退避装置250は、図9、図11(a)、(b)、図12(a)、(b)に示すように、搬送ローラ232の回転軸232aの周囲で、かつ、支持板240の外側に配置された退避手段としての退避部材251と、退避部材251と回転軸232aとの間に配置されたワンウェイクラッチ252(クラッチ)とを有する。退避部材251は、支持部251a、ロック係合部253、退避係合部254等から構成される。
支持部251aは、略円筒状に形成され、ワンウェイクラッチ252を介して、搬送ローラ回転軸としての回転軸232aに対して支持される部分である。ワンウェイクラッチ252は、搬送ローラ232の回転軸232aが、搬送ローラ232がシートを搬送する方向と逆方向(図11(a)、図12(a)の時計方向)に回転した場合には回転軸232aの駆動を支持部251aに伝達する。この際、後述する搬送ローラ232を回転駆動するためのモータ301(図14、図15参照)は、逆回転する。
一方、ワンウェイクラッチ252は、搬送ローラ232の回転軸232aが、搬送ローラ232がシートを搬送する方向と同方向(図11(a)、図12(a)の反時計方向)に回転した場合に空転し、回転軸232aの駆動は支持部251aに伝達されない。この際、後述する搬送ローラ232を回転駆動するためのモータ301(図14、14)は正回転する。
ロック係合部253は、支持部251aの外周面から突出するように形成され、図9に示すように、支持板240を上昇退避位置にロック可能なロック機構270を構成する。
退避係合部254は、図12(b)に示すように、略扇形に形成され、回転軸232aの回転軸線方向に関し、支持部251aの支持板240側に支持部251aと一体に設けられている。退避係合部254は、上述した支持板240の一部である支持板側係合部242と係合可能な係合部である。
支持板240に支持されたピックアップローラ231を給送位置から上昇退避位置に移動させる場合には、モータ301を逆回転させることで、回転軸232aを介して退避部材251を、図11(a)、図12(a)の時計方向に回転させる。すると、退避部材251の退避係合部254の退避側係合面254aが支持板側係合部242と係合する。そして、更に、退避部材251が回転すると、図12(a)、(b)に示すように、支持板240とピックアップローラ231が上昇退避位置に移動する。支持板240に支持されたピックアップローラ231が上昇退避位置に移動したことは、支持板240に設けられたフラグ243(図8参照)がフレーム211に形成されたスリットを通過し、フレーム211の裏側に設けられた不図示のセンサがフラグ243を検知することで把握できるようにしている。
ロック手段としてのロック機構270は、揺動レバー271と、退避部材251のロック係合部253とを有する。揺動レバー271は、収納庫210のフレーム(図7~図9では不図示)に支持された揺動軸272を中心に上下方向に揺動可能である。また、揺動レバー271には、ロック係合部253と係合可能なレバー側係合部273が形成されている。そして、上述のように第1退避位置に支持板240に支持されたピックアップローラ231を移動させた退避部材251のロック係合部253が揺動レバー271のレバー側係合部273と係合することで、支持板240が上昇退避位置にロックされる。
退避部材251のロック係合部253の時計方向下流側の外周面は、下流側から上流に向かう程、回転軸232aから離れる方向に傾斜した傾斜面253aとしている。一方、揺動レバー271のレバー側係合部273の下方には、係合面272aを形成している。係合面273aは、退避部材251が支持板240に支持されたピックアップローラ231を給送位置から上昇退避位置に移動させるべく回転した際に、傾斜面253aと係合して、揺動レバー271を揺動軸272を中心に上方に揺動させるように形成されている。そして、傾斜面253aが係合面272aを乗り越えると、揺動レバー271が下方に揺動し、レバー側係合部273がロック係合部253と係合するようにしている。
保持手段としての保持装置260は、図7、図8に示すように、ソレノイド261、ソレノイド261に駆動される保持レバー262を有する。ソレノイド261は、通電によりONされてプランジャー261aが退避し、非通電(OFF)の場合にはプランジャー261aが突出するようになっている。保持レバー262は、プランジャー261aの進退方向と直交する方向の揺動軸262aを中心に上下方向に揺動可能である。また、保持レバー262の先端部上面には、支持板240の支持板側係合部242と係合可能な第1係合部263が設けられ、第1係合部263と揺動軸262aとの間の上面には、揺動レバー271の下面と係合可能な第2係合部264が設けられている。
ソレノイド261のプランジャー261aと保持レバー262との間にはリンク機構265が設けられ、ソレノイド261をONするとプランジャー261aが退避して、保持レバー262が揺動軸262aを中心に上方に揺動する。一方、ソレノイド261をOFFするとプランジャー261aが突出して、保持レバー262が揺動軸262aを中心に下方に揺動する。
このような保持装置260は、ソレノイド261をON、OFFすることで、支持板240を中間退避位置に保持可能な保持位置と、支持板240の保持を解除可能な保持解除位置との切り替えが可能である。ここで、保持位置は、ソレノイド261をONすることで保持レバー262が上方に移動した位置である。また、中間退避位置は、上昇退避位置と給送位置の間の位置であり、シート収納部220に最大量のシートが積載されていてもピックアップローラ231が最上位シートと接触しない位置である。そして、保持解除位置は、ソレノイド261をOFFすることで保持レバー262が下方に移動した位置である。
また、図13(a)、(b)に示すように、シート給送部230は、支持板240に支持されたピックアップローラ231を上昇退避位置から給送位置に向けて付勢する付勢手段としての付勢バネ280を有する。付勢バネ280は、コイルバネであり、引っ掛け部281と、コイル部282とを有する。引っ掛け部281は、フレーム211の一部に引っ掛けられており、コイル部282は、搬送ローラ232の回転軸232aの周囲と支持板240と一体に形成されたばね受け部244との間に配置されている。これにより、付勢バネ280は、ばね受け部244を介して支持板240を回転軸232aを中心に下方に、即ち、給送位置に向かう方向に付勢している。
上述したように、支持板240に支持されたピックアップローラ231を上昇退避位置に向けて移動させる退避部材251は、ワンウェイクラッチ252により回転軸232aが搬送ローラ232のシート搬送方向と逆方向に回転する場合には回転軸232aから駆動が伝達される。一方、回転軸232aがこれと逆方向に回転した場合には、回転軸232aから退避部材251に駆動が伝達されない。この場合、ワンウェイクラッチ252が空転し、支持板240に支持されたピックアップローラ231が自重と上述の付勢バネ280の付勢力により、上昇退避位置から給送位置に向かう方向に揺動する。したがって、退避部材251は、モータ301の逆回転により駆動されて、支持板240を給送位置から上昇退避位置に向けて移動させ、モータ301の正回転により支持板240を上昇退避位置から給送位置に移動可能とする。
[駆動伝達機構]
次に、図14、図15を用いて、搬送ローラ232及びピックアップローラ231の駆動伝達機構300について説明する。なお、図14、図15では、モータ301からピックアップローラ231までの駆動伝達経路のみを抜き出して示している。
駆動手段としてのモータ301は、例えば、パルスモータであり、多段収納装置200の筐体204(図5など参照)に設けられている。このため、収納庫210を筐体204から引き出した場合、モータ301から搬送ローラ232までの駆動伝達経路が途中で離れるように、駆動伝達機構300は、接続手段としてのカップリング302を有する。即ち、駆動伝達機構300は、モータ301からカップリング302までのモータ側駆動伝達機構310と、カップリング302からピックアップローラ231までのローラ側駆動伝達機構320とを有する。カップリング302は、収納庫210を筐体204に挿入した状態でモータ301とピックアップローラ231との間を駆動伝達可能に接続し、収納庫210が引き出される際にモータ301とピックアップローラ231との間の駆動接続を解除する。
モータ側駆動伝達機構310は、モータ301の駆動軸301aと、カップリング302に駆動を伝達する伝達軸302aとの間をベルト311とプーリ312、313とで駆動を伝達する機構としている。即ち、駆動軸301aにプーリ312を、伝達軸302aにプーリ313をそれぞれ設け、これらプーリ312、313に無端状のベルト311を掛け渡している。これにより、モータ301の駆動がプーリ312、ベルト311、プーリ313を介して伝達軸302aに伝達される。なお、モータ側駆動伝達機構310は、このようなプーリとベルトによる機構以外に、ギア列による駆動を伝達する機構などであっても良い。
ローラ側駆動伝達機構320は、カップリング302のもう一方の伝達軸302bからピックアップローラ231まで駆動を伝達する機構である。ローラ側駆動伝達機構320は、伝達軸302bに設けられたギア321、搬送ローラ232の回転軸232aの端部に設けられたギア322、回転軸232aの中間部に設けられたギア323、ピックアップローラ231の回転軸231a(給送ローラ回転軸)に設けられたギア324、ギア323とギア324との間に設けられたアイドルギア325を有する。本実施形態では、ピックアップローラ231の回転軸231aには、搬送ローラ232の回転軸232a及びアイドルギア325を介してモータ301の駆動が伝達される。
伝達軸302bからピックアップローラ231までの駆動伝達は次のように行われる。まず、モータ側駆動伝達機構310及びカップリング302を介してモータ301の駆動が伝達軸302bに伝達される。次いで、伝達軸302bの回転がギア321と噛合するギア322に伝達されることで回転軸232aが回転する。これにより搬送ローラ232が回転する。次いで、回転軸232aの回転がギア323と噛合するアイドルギア325、アイドルギア325と噛合するギア324に順に伝達されることで回転軸231aが回転する。これにより、ピックアップローラ231が回転する。アイドルギア325は、搬送ローラ232とピックアップローラ231の回転方向を同じにするために設けられている。なお、回転軸231aを非回転に固定し、ピックアップローラ231及びギア324を回転軸231aに回転自在に支持し、ギア324とピックアップローラ231を連結するようにしても良い。この場合、アイドルギア325からギア324への駆動伝達により、ピックアップローラ231がギア324と共に回転軸231aに対して相対回転する。
モータ301は、正逆回転が可能なモータであり、正回転した場合には搬送ローラ232及びピックアップローラ231がシートを搬送する方向に回転する。一方、モータ301が逆回転した場合には、搬送ローラ232及びピックアップローラ231がシートを搬送する方向とは逆方向に回転する。また、モータ301が逆回転した場合には、回転軸232aからワンウェイクラッチ252を介して退避部材251(図11(a)など参照)に回転が伝達され、後述するように、ピックアップローラ231及び支持板240が給送位置から上昇退避位置に移動する。
モータ301及びモータ側駆動伝達機構310は、筐体204側に設けられ、ピックアップローラ231、搬送ローラ232及びローラ側駆動伝達機構320は、収納庫210側に設けられている。収納庫210を筐体204から引き出す際には、カップリング302が分離して、モータ301の駆動力が搬送ローラ232側には伝達されない。一方、収納庫210を筐体204に挿入し、収納庫210が筐体204の所定の装着位置に装着された場合には、カップリング302が接続され、モータ301の駆動が搬送ローラ232側に伝達可能となる。所定の装着位置とは、収納庫210内に収容されたシートを多段収納装置200内で搬送可能な位置である。
[収納庫の引き出し時のシート給送部の動作]
次に、収納庫210を筐体204から引き出す際のシート給送部230の動作について説明する。本実施形態では、シート給送部230が収納庫210に設けられており、収納庫210と共に引き出される。この際、ピックアップローラ231が給送位置に位置していた場合、シートを積載トレイ221に積載する際にピックアップローラ231とシートとが干渉し易く、シートの積載がしにくい。このため、本実施形態では、収納庫210が引き出される際に、ピックアップローラ231をシートの積載の邪魔になりにくい位置である上昇退避位置まで移動させるようにしている。
図16は、多段収納装置200の制御構成を示すブロック図であり、図17は、収納庫210を筐体204から引き出す際の制御処理を示すフローチャートである。図17に示すように、制御手段としての制御部203は、シートを収納すべく収納庫210を筐体204から引き出す際において、上述したように操作者がボタン205を押下操作したことに基づき収納庫210の引き出しに係る処理を開始する(S1)。
次に、制御部203は、収納庫210が引き出される前にモータ301を逆回転させて、支持板240に支持されたピックアップローラ231を上昇退避位置に位置させる(S2)。即ち、収納庫210が所定の装着位置に装着されている状態では、支持板240に支持されたピックアップローラ231は給送位置(図11(a)、(b)など参照)に位置し、更に、モータ301の駆動を搬送ローラ232側に伝達可能な状態である。したがって、この状態でモータ301を逆回転させて、モータ側駆動伝達機構310及びカップリング302を介してローラ側駆動伝達機構320に駆動を伝達する。
すると、搬送ローラ232の回転軸232aが回転し、この回転がワンウェイクラッチ252を介して退避部材251に伝達される(図12(a)、(b)など参照)。上述したように、ワンウェイクラッチ252は、モータ301の逆回転の駆動を退避部材251に伝達する。このため、モータ301を逆回転させると、回転軸232a及びワンウェイクラッチ252を介して退避部材251が、図11(a)の時計方向に回転し、退避部材251と共に退避係合部254も同方向に回転する。そして、上述したように、退避係合部254の退避側係合面254aが支持板側係合部242と係合する。更に、退避部材251が回転すると、図12(a)、(b)に示すように、支持板240とピックアップローラ231が上昇退避位置に移動する。
また、この際、退避部材251に設けられたロック係合部253も同方向に回転し、上述したように、傾斜面253aが揺動レバー271の係合面272aと係合することで揺動レバー271が持ち上げられる。そして、傾斜面253aが係合面272aを乗り越えると、図9に示すように、揺動レバー271が下方に揺動し、レバー側係合部273がロック係合部253と係合する。これにより、退避部材251がこの位置でロックされ、モータ301からの駆動伝達が切断されても、退避部材251が不用意に支持板240を給送位置に向けて移動させる方向に回転することを防止している。また、このように退避部材251がロックされることで、退避係合部254との係合により上昇退避位置に位置している支持板240に支持されたピックアップローラ231も、上昇退避位置にロックされた状態となる。
次に、制御部203は、支持板240に支持されたピックアップローラ231が上昇退避位置に移動することで、不図示のセンサによってフラグ243(図12(a)参照)が検知されたことに基づき、支持板240に支持されたピックアップローラ231が上昇退避位置にロックされたと判断する(S3)。制御部203は、上述のように支持板240が上昇退避位置にロックされると、上述したように、収納庫210を所定の装着位置にロックしていたロック装置を解除する。支持板240に支持されたピックアップローラ231が上昇退避位置に移動すると、支持板240に設けられたフラグ243がフレーム211に形成されたスリットを通過し、フレーム211の裏側に設けられたセンサがフラグ243を検知する。制御部203は、このようにセンサがフラグ243を検知することで、支持板240に支持されたピックアップローラ231が上昇退避位置にロックされたと判断する。
制御部203が上述のロック装置を解除すると、収納庫210が不図示のバネにより筐体204から押し出され、シートを収納可能な位置まで引き出し可能となる。本実施形態では、このように収納庫210を引き出す際に、支持板240及びピックアップローラ231を上昇退避位置に退避させ、かつ、この位置でロックしている。
[検知機構と退避レバー]
支持板240には、図7、図8に示すように、給送位置において、シート収納部220(図5参照)に収納されたシートを検知可能な検知手段としての検知機構290の検知レバー291が、回転軸232aを中心に回動自在に支持されている。検知機構290の検知レバー291は、積載トレイ221(図5参照)に積載された最上位シートと接触可能な接触部291aを有する。検知レバー291は、ピックアップローラ231よりもシート収納部220に収納されたシート側に接触部291aが突出した第1位置において、接触部291aがシートと接触することで該シートを検知可能である。ピックアップローラ231は、検知機構290によってシートが検知されることで、シートを送り出す。
本実施形態の検知機構290は、支持板240に支持されたピックアップローラ231が上昇退避位置に移動した際に、シートを検知可能な状態の位置から検知レバー291が図8に示す矢印r方向に回動することで、第1位置から退避した第2位置に移動する。即ち、検知機構290は、支持板240に支持されたピックアップローラ231が給送位置にある場合には、シート収納部220に収納されたシートがピックアップローラ231に接触していない状態で、検知レバー291の接触部291aがピックアップローラ231よりもシート側に突出した第1位置に位置する。
このため、検知機構290は、支持板240に支持されたピックアップローラ231が給送位置にあり、かつ第1位置に位置する状態において、ピックアップローラ231がシートと当接する位置よりもシートの搬送方向上流側で、検知レバー291の接触部291aがシート収納部220に収納されたシートと接触する。また、図8に示すように、検知機構290は、支持板240が給送位置にあり、かつ第1位置に位置する場合、シート収納部220を筐体204から引き出す方向において、ピックアップローラ231がシートと当接する位置よりも奥側で、検知レバー291の接触部291aが収納されたシートと接触する。
一方、検知機構290は、支持板240に支持されたピックアップローラ231が上昇退避位置にある場合に、検知レバー291の接触部291aが第1位置よりもピックアップローラ231から突出していない第2位置に位置する。検知機構290は、支持板240に支持されたピックアップローラ231が上昇退避位置に位置し、かつ第2位置に位置する場合、図9に示すように、シート収納部220のシートが収納される収納領域とシートの積載方向において重複しない位置に検知レバー291の接触部291a(図7,8参照)が位置する。なお、検知機構290では、支持板240に支持されたピックアップローラ231が上昇退避位置に移動する際に、第1位置から第2位置に移動する前において、シート収納部220のシートが収納される収納領域とシートの積載方向において重複する位置に検知レバー291の接触部291aが位置する。
このような検知機構290の第1位置と第2位置との間での移動を可能にするために、支持板240には、回動部材としての退避レバー292が回動軸292aを中心に回動自在に支持されている。退避レバー292は、回動軸292aに対して長手方向一端側の端部292bが検知レバー291の下方に位置し、長手方向他端側の端部292cが、給送位置において上方に突出している。そして、支持板240に支持されたピックアップローラ231が上昇退避位置に移動した際に、退避レバー292の他端側の端部292cが、係合部としてのフレーム211と当接及び係合することで回動軸292aを中心に回動し、退避レバー292の一端側の端部292bが検知レバー291と係合する。退避レバー292の一端側の端部292bが検知レバー291と係合した状態で退避レバー292が回動軸292aを中心に回動することで、検知機構290は、退避レバー292によって検知レバー291が持ち上げられる。この結果、検知機構290は、検知レバー291の接触部291aが第2位置に位置するように回動する。
検知機構290の動作について、図10を用いて詳細に説明する。図10(a)は、支持板240に支持されたピックアップローラ231が給送位置に位置し、かつ検知機構290の接触部291aがシート収納部220に収納されているシートに当接していない状態を示す図である。図8、図10(a)に示すように、検知機構290は、回転軸232aに回動自在に取り付けらた検知レバー291を有している。また、検知機構290は、回転軸232aに回動自在に取り付けられ、フレーム211に挿入されている検知フラグ293を有している。そして、検知レバー291と検知フラグ293とは、捩じりコイルばね295によって接続されている。捩じりコイルばね295は、一端が検知レバー291にかけられ、他端が検知フラグ293にかけられており、検知レバー291を下方に向けて付勢するとともに、検知レバー291の動作を検知フラグ293に伝達している。
捩じりコイルばね295によって検知レバー291の動作が伝達されることで、検知フラグ293は、検知レバー291が上方に向けて回動することに伴い下方に向けて回動する。
また、検知機構290は、フレーム211に光学系のセンサである検知センサ294を有している。検知センサ294は、不図示の受光部と発光部294aを有しており、受光部の受光の有無によってシート収納部220内のシートの有無を検知する。図10(a)に示すように、検知機構290では、接触部291aがシートと当接していない場合、検知センサ294の発光部294aと受光部との間が検知フラグ293によって遮光されず、発光部294aと受光部とが導光した状態となる。制御部203(図16参照)は、検知センサ294の発光部294aと受光部とが導光した状態であることを認識することで、シート収納部220の上面のシートが給送位置に位置していないと判定する。
図10(b)は、シート収納部220内のシートが給送位置に位置することで、検知レバー291の接触部291aがシート収納部220内のシートと当接した状態を示す図である。図10(b)に示すように、検知機構290では、接触部291aがシートと当接し、シートによって押し上げられることで、検知レバー291の回動に伴い検知フラグ293が回動し、検知センサ294の発光部294aと受光部との間を遮光する。
制御部203(図16参照)は、検知センサ294の発光部294aと受光部とが遮光された状態であることを認識することで、シート収納部220の上面のシートが給送位置に位置していると判定する。そして、制御部203は、シート収納部220内のシートを上昇及び下降させる不図示の昇降機構の動作を停止する。
図10(c)は、支持板240に支持されたピックアップローラ231が上昇退避位置に移動し、かつ検知レバー291が第2位置に位置した状態を示す図である。図10(c)に示すように、検知レバー291は、支持板240の動きに伴い係合した退避レバー292(図7、図8参照)によって略垂直な状態となる第2位置に移動される。このとき、検知フラグ293は、検知レバー291の動きに伴い反時計方向に回動していくが、フレーム211の底部211aと検知フラグ293の当接面293aが当接することで、検知フラグ293の回動が停止される。
フレーム211の底部211aと当接することで検知レバー291と連動した回動が規制されることで、検知フラグ293は、過度に回動しシートの収納領域内に出現してしまうことが防止されている。なお、検知レバー291は、検知フラグ293の動きが規制された以降においても、支持板240の移動によって係合した退避レバー292によって、捩じりコイルばね295の付勢力に抗して、第2位置に向けた移動を継続する。
このような構成により、収納庫210では、支持板240に支持されたピックアップローラ231が給送位置から上昇待機位置に移動することに伴い、退避レバー292が回動し、一端側の端部292bが検知機構290の検知レバー291と係合する。そして、シート収納部220では、退避レバー292の回動によって検知レバー291の接触部291aが第1位置から第2位置に移動する。これにより、収納庫210では、収納庫210を引き出してシートを収納する際に、ピックアップローラ231及び検知機構290の検知レバー291が退避することで、シートに干渉し邪魔になってしまうことを防ぎ、操作者がシートを収納する作業を容易に行うことができる。
以上のように、本実施形態の収納庫210は、多段収納装置200から引き出される際に、支持板240に支持されたピックアップローラ231が給送位置から上昇待機位置に移動するとともに、退避レバー292の回動により検知レバー291の接触部291aが第1位置から第2位置に移動する。この構成により、収納庫210は、装置の大型化や重量の増加を招くことなく、多段収納装置200から引き出される前にピックアップローラ231及び検知機構290をシートの収納領域から退避することができる。つまり、収納庫210は、シート収納部220にシートを収納する場合に、収納されるシートにピックアップローラ231や検知機構290といった各構成が干渉してしまうことを防止できる。
<他の実施形態>
上述の実施形態では、モータ301やソレノイド261を制御する制御部203を多段収納装置200に設けたが、これらの制御を画像形成装置100の制御部140により行うようにしても良い。また、シート給送装置は、上述の多段収納装置に関らず1段のデッキなど他の構成であっても良い。
また、本実施形態において、検知レバー291は、支持板240と同軸の回転軸232aを中心に回動するように構成されているが、これに限定されない。検知レバー291は、回転軸232aとは異なる軸を中心に回動するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、退避レバー292は、支持板240に配設されているが、これに限定されない。退避レバー292は、収納庫210のいずれかに配設されていればよい。
また、本実施形態において、検知レバー291は、退避レバー292によって第1位置と第2位置との間で回転軸232aを中心に回動するように構成されているが、これに限定されない。検知レバー291は、例えば、第1位置と第2位置との間を退避レバー292によって直線的又は曲線的に動かされるように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、検知機構290は、第1位置に位置する場合に、ピックアップローラ231がシートと当接する位置よりもシートの搬送方向上流側で、接触部291aがシート収納部220に収納されたシートと接触するように構成されているが、これに限定されない。検知機構290は、例えば、シートの搬送方向において、ピックアップローラ231がシートと当接する位置と少なくとも一部が重複する位置で、接触部291aがシート収納部220に収納されたシートと接触するように構成されていてもよい。また、検知機構290は、例えば、ピックアップローラ231がシートと当接する位置よりもシートの搬送方向下流側で、接触部291aがシート収納部220に収納されたシートと接触するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、検知機構290は、支持板240に支持されたピックアップローラ231が給送位置にあり、かつ第1位置に位置する場合、シート収納部220を筐体204から引き出す方向において、ピックアップローラ231がシートと当接する位置よりも奥側で、接触部291aが収納されたシートと接触するように構成されているが、これに限定されない。検知機構290は、例えば、シート収納部220を筐体204から引き出す方向において、ピックアップローラ231がシートと当接する位置と少なくとも一部が重複する位置で、接触部291aが収納されたシートと接触するように構成されていてもよい。また、検知機構290は、例えば、シート収納部220を筐体204から引き出す方向において、ピックアップローラ231がシートと当接する位置よりも手前側で、接触部291aが収納されたシートと接触するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、多段収納装置200は、収納庫210を引き出す場合において、収納庫210の引き出しが開始される前にピックアップローラ231を上昇退避位置に移動させ検知機構290を第2位置に移動させるように構成されているが、これに限定されない。多段収納装置200は、例えば、収納庫210を引き出す場合において、収納庫210の引き出しが開始(移動開始)されてから終了するまでにおいて、ピックアップローラ231を上昇退避位置に移動させ検知機構290を第2位置に移動させるように構成されていてもよい。また、多段収納装置200は、例えば、収納庫210を引き出す場合において、収納庫210の引き出しが終了した後に、ピックアップローラ231を上昇退避位置に移動させ検知機構290を第2位置に移動させるように構成されていてもよい。