JP2011135863A - 微生物発酵物の製造方法 - Google Patents

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誠司 檜垣
Aimi Yatsuka
愛実 八塚
Kazuo Tsuchiyama
和夫 土山
Kazuyoshi Iwane
和良 岩根
正樹 ▲高▼尾
Masaki Takao
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Abstract

【課題】前処理によってセルロース含有物に含まれるセルロースを、酵素分解する反応速度を向上させ、反応液1バッチにおけるセルロースから糖類への転換率を向上させて、その反応液1バッチから得られる微生物発酵物の収率を向上させる微生物発酵物の製造方法の提供。
【解決手段】セルロース含有物のアルカリ処理を行い、前記アルカリ処理したセルロース含有物を水又は酸性水溶液で洗浄し、前記洗浄したセルロース含有物とセルロース分解酵素を含む水溶液とを、該セルロース分解酵素の酵素活性温度において接触させる第一の酵素処理を行い、得られた酵素処理反応液と発酵微生物とを、該発酵微生物の発酵活性温度において接触させる第一の発酵処理を行った後、得られた発酵処理反応液を前記酵素活性温度に調節する第二の酵素処理と、得られた酵素処理反応液を前記発酵活性温度に調節する第二の発酵処理と、を順に行う微生物発酵物の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、微生物発酵物の製造方法に関する。より詳しくは、セルロース含有繊維製品やそれらの製品屑等のセルロース含有物を酵素によって加水分解して得られる、グルコース又は水溶性オリゴ糖を利用して、微生物発酵物を製造する方法に関する。
化石燃料の枯渇問題や地球温暖化をはじめとした環境問題を背景に、石油代替原料を用いた燃料開発、化学品・樹脂群への転換が進められている。たとえば、米国、ブラジル等ではトウモロコシやサトウキビを原料にしたバイオエタノール製造が大規模に進められている。しかしこれらは食糧資源と競合関係にあるため、近年、その供給に関して国際的な議論の対象となった。このような背景を受け、食糧資源と競合しないセルロース系バイオマス原料(木質系・草本系等)からのバイオエタノール合成が注目を集めており、各国がその商用化を競っている。しかし、製造技術面とコスト面が障害となり未だ大規模には実用化出来ていない。一方、セルロース系バイオマス原料としては、上記の木質系・草本系以外にも、不要品として廃棄・回収された紙資源や衣料品等のセルロース含有繊維廃棄物もその対象として検討が始められている。
セルロース含有物のセルロースは、1000個以上のグルコースがβ−グリコシド結合でつながった多糖類である。セルロースを加水分解することにより、単糖であるグルコースのほか、グルコースが2〜6個つながった水溶性のオリゴ糖類(セロオリゴ糖)を得ることができる。これらの水溶性糖類の中でもグルコースは、微生物を用いた発酵法によるエタノール生産等に有用であることから、セルロースを含有する物からグルコース等の糖類を効率よく製造できる糖化技術が望まれている。
セルロースを糖化する従来の方法としては、熱分解法、硫酸等を触媒とする酸触媒法(例えばアルケノール法)、超臨界または亜臨界状態の水溶液で加水分解する加圧熱水法(特許文献1参照)、酵素反応によって加水分解する酵素反応法(特許文献2参照)等が知られている。
熱分解法は、熱エネルギーによりセルロース分子鎖を切断する方法であり、セルロースを低分子化することが出来る。しかし、熱反応であるために反応の選択性が乏しく、グルコースの収率は低い。
酸触媒法は高濃度の硫酸でセルロースを加水分解処理した後に希硫酸で後処理をしてグルコースを得るものであるが、酸による設備腐食の問題と共に硫酸含有残渣処理・硫酸回収等の工程が必要となる問題がある。
水は超臨界または亜臨界状態においてイオン積が増大し、あたかも酸性水溶液として挙動することが知られている。これを利用すれば酸触媒を添加しなくても効率よくしかも速やかにセルロースを加水分解する事ができるはずである。例えば、超臨界水または亜臨界水を用いることでセルロースからグルコースが20%以上の収率で得られるという報告がなされている(特許文献1参照)。温度・圧力条件を制御することによりグルコースの収率をある程度向上しうる。しかし、加水分解の効率を優先し過ぎると、生成したグルコースが熱分解反応して収率が低下してしまう。また、この際にエタノール発酵工程の阻害物質であるフルフラール類が生成される問題がある。
酵素反応法はセルロースを加水分解する酵素(セルラーゼ)により処理する方法であり、穏和な反応条件(室温〜70℃)で処理できることが特徴である。近年、国内外の多くのメーカーが遺伝子操作技術を駆使して新規なセルラーゼ開発に力を入れている。しかし、一般にセルラーゼ自身が高価であることに加え、原料である高分子量のセルロースをグルコースに加水分解する効率が低く、生産性に劣る。例えば、数日から1週間程度の長時間の加水分解処理を行っても、グルコースへの転換率は30%未満である。このように反応速度が小さいのは、セルロースが固体状態でありかつ結晶性であるためにセルラーゼとの反応が固液反応となっているからだと考えられる。
前記セルラーゼの低い加水分解効率の問題を解決するために、原料であるセルロースの前処理を工夫して加水分解効率を向上させる方法が提案されている(特許文献2参照)。すなわち、セルロースを超臨界水または亜臨界水で一時的に可溶化し、反応物が溶液中に溶解している間にセルラーゼで加水分解処理を行なう方法である。
特開平5−31000号公報 特開2001−95594号公報
しかしながら、上記の超臨界水処理における反応条件は320〜500℃で圧力が20〜50MPaと極めて厳しい条件であり、特殊な装置・設備を要するとともにエネルギーコストが高くなる問題がある。
また、セルロース含有物及びセルロース分解酵素を含む酵素処理反応液において、酵素反応によるグルコース等の糖類の生成を進めると、酵素反応の基質であるセルロースが残っているにも関わらず、生成物である前記糖類の濃度上昇が頭打ちとなり、セルロースの加水分解が抑制される問題がある。つまり、反応液1バッチあたりの糖類収率が頭打ちとなることがある。その結果、前記反応液1バッチあたりの糖類を発酵して得られる微生物発酵物の収率も頭打ちとなる問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、比較的穏和な条件の前処理によって、セルロース含有物に含まれるセルロースを、酵素を用いて加水分解する際の反応速度を向上させるとともに、反応液1バッチあたりにおける、セルロースから糖類への転換率を向上させて、その反応液1バッチから得られる微生物発酵物の収率を向上させることができる、微生物発酵物の製造方法の提供を課題とする。
本発明の請求項1に記載の微生物発酵物の製造方法は、セルロース含有物とアルカリ水溶液とを接触させるアルカリ処理を行い、前記アルカリ処理したセルロース含有物を水又は酸性水溶液で洗浄し、前記洗浄したセルロース含有物とセルロース分解酵素を含む水溶液とを、該セルロース分解酵素の酵素活性温度において接触させる第一の酵素処理を行い、得られた酵素処理反応液と発酵微生物とを、該発酵微生物の発酵活性温度において接触させる第一の発酵処理を行った後、得られた発酵処理反応液を前記酵素活性温度に調節する第二の酵素処理と、得られた酵素処理反応液を前記発酵活性温度に調節する第二の発酵処理と、を順に行うこと特徴とする。
本発明の請求項2に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1において、前記酵素処理反応液中のグルコース又は水溶性オリゴ糖の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記第一の酵素処理を行うことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1又は2において、前記発酵処理反応液中の微生物発酵物の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記第一の発酵処理を行うことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記酵素処理反応液中のグルコース又は水溶性オリゴ糖の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記第二の酵素処理を行うことを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記発酵処理反応液中の微生物発酵物の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記第二の発酵処理を行うことを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記酵素活性温度と前記セルロース分解酵素の至適温度との差が10℃以内であることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1〜6のいずれか一項において、前記発酵活性温度と前記発酵微生物による発酵処理の至適温度との差が10℃以内であることを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1〜7のいずれか一項において、前記酵素活性温度が、前記発酵活性温度よりも高温であることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1〜8のいずれか一項において、前記酵素活性温度が、40〜60℃の範囲内の温度であることを特徴とする。
本発明の請求項10に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1〜9のいずれか一項において、前記発酵活性温度が、20〜40℃の範囲内の温度であることを特徴とする。
本発明の請求項11に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1〜10のいずれか一項において、前記微生物発酵物がエタノールであることを特徴とする。
本発明の請求項12に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1〜11のいずれか一項において、前記発酵微生物が酵母であることを特徴とする。
本発明の請求項13に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項12において、前記第一の発酵処理において、前段の前記第一の酵素処理で得られた酵素処理反応液に含まれるグルコース又は水溶性オリゴ糖の質量に対して、前記酵母を乾燥体の質量に換算して、0.01〜30質量%の割合で添加することを特徴とする。
本発明の請求項14に記載の微生物発酵物の製造方法は、請求項1〜13のいずれか一項において、さらに、前記第二の酵素処理と前記第二の発酵処理とを、この順で、少なくとも1回以上繰り返して行うことを特徴とする。
本発明の微生物発酵物の製造方法によれば、セルロース含有物を高温高圧で前処理する必要が無く、比較的穏和な条件であるアルカリ処理によって、後段の酵素処理によるセルロースの加水分解速度を向上させることができる。また、この酵素処理を酵素活性温度下で行うことによって得られた酵素処理反応液は、糖類の過分解物をほとんど含まず、高純度のグルコース又は水溶性オリゴ糖を含有するので、微生物発酵の原料として適している。この酵素処理反応液中のグルコース又は水溶性オリゴ糖の濃度は、頭打ちになるまで高めることができる。
この酵素処理反応液を使用して、発酵活性温度下で発酵微生物による発酵処理を行い、微生物発酵物を生産することによって、前記酵素処理反応液は、グルコース又は水溶性オリゴ糖の糖濃度が一時的に低下した、前記微生物発酵物を含有した発酵処理反応液となる。
その後、この発酵処理反応液を前記酵素活性温度に調節する第二の酵素処理を行うことによって、酵素処理反応液中のセルロース分解酵素の反応(酵素反応)を優勢にして、酵素処理反応液中のグルコース又は水溶性オリゴ糖の濃度を再び上昇させることができる。続いて、前記発酵活性温度に調節する第二の発酵処理を行うことによって、発酵処理反応液中の微生物発酵(発酵処理)を優勢にして、発酵処理反応液中の微生物発酵物の濃度をさらに高めることができる。この第二の酵素処理と第二の発酵処理とを順に繰り返した場合には、当該反応液中のセルロースが消費され尽くすまで、さらに微生物発酵物の濃度を高めることも可能となる。
したがって、前記第二の酵素処理と前記第二の発酵処理とを、この順で少なくとも1回以上繰り返して行うことによって、反応液1バッチあたりにおける、セルロースからグルコース又は水溶性オリゴ糖への変換率を高めるとともに、反応液1バッチあたりから得られる微生物発酵物の収率も高めることができる。
また、本発明の微生物発酵物の製造方法によれば、反応液1バッチの温度制御を、前記第二の酵素処理及び第二の発酵処理で行うことによって、前述の効果が得られるため、反応液に含まれる酵素を複数回の酵素処理で働かせることができる。つまり、一般に高コストな酵素を再利用することになるので、微生物発酵物の製造コストを押し下げることができる。さらに、反応液1バッチあたりの微生物発酵物の収率を高めることは、微生物発酵物を分離回収した後で、最終的に廃液として排出される使用済みの反応液の排出量を低減することと同義であり、環境負荷を低減することができる。
本発明にかかる微生物発酵物の製造方法を行った反応液における、糖濃度の経時変化を示すグラフである。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明にかかる微生物発酵物の製造方法は、セルロースの加水分解により得た、グルコース又は水溶性オリゴ糖を利用して、微生物発酵物を製造する方法である。
具体的には、セルロース含有物とアルカリ水溶液とを接触させるアルカリ処理を行い、前記アルカリ処理したセルロース含有物を水又は酸性水溶液で洗浄し、前記洗浄したセルロース含有物とセルロース分解酵素を含む水溶液とを、該セルロース分解酵素の酵素活性温度において接触させる第一の酵素処理を行い、得られた酵素処理反応液と発酵微生物とを、該発酵微生物の発酵活性温度において接触させる第一の発酵処理を行った後、得られた発酵処理反応液を前記酵素活性温度に調節する第二の酵素処理と、得られた酵素処理反応液を前記発酵活性温度に調節する第二の発酵処理と、を順に行う方法である。
より単純化して説明すると、本発明の微生物発酵物の製造方法は、アルカリ処理、洗浄処理、第一の酵素処理、及び第一の発酵処理の一連の処理を行った後、得られた発酵処理反応液について、第二の酵素処理と第二の発酵処理と、を順に行う方法である。
本発明の微生物発酵物の製造方法は、前記処理や前記操作以外の、補助的な処理又は操作をさらに含んでいても良い。
[アルカリ処理]
前記アルカリ処理は、セルロース含有物とアルカリ水溶液とを接触させる処理である。
前記セルロース含有物と前記アルカリ水溶液とを接触させる方法は特に制限されない。例えば、前記セルロース含有物を前記アルカリ水溶液に浸漬して接触させる方法を採用しても良いし、前記セルロース含有物を静置したところに、前記アルカリ水溶液を通液させて接触させても良い。より具体的な例として、アルカリ耐性のカゴに前記セルロース含有物を入れて、そのカゴを前記アルカリ水溶液中に浸漬して揺り動かすことにより前記アルカリ処理を行うこと方法が挙げられる。
本発明におけるセルロース含有物としては、本発明の効果が十分に得られることから、セルロース含有繊維が好ましく、綿を含有する繊維がより好ましい。
前記セルロース含有繊維としては、セルロースを含有する繊維状の物であれば特に限定されず、例えば、衣料品等の繊維として用いられている綿、麻(苧麻、亜麻、マニラ麻、ザイザル麻、ケナフ麻等)、テンセル、レーヨン、キュプラ等や、コピー紙や包装紙、段ボール等の紙製品等が好適なものとして挙げられる。また、前記衣料品等の繊維として、ポリエステル等の合成繊維やシルク等のセルロースを含有していない繊維と混紡された繊維であってもよい。
前記セルロース含有繊維の形態は特に制限されず、綿状、糸状、綱状、布状、平面・立体状等に加工されたものを用いることができる。
また、前記セルロース含有繊維の長さは、1mm以上1m以下が好ましく、5mm以上50cm以下がより好ましく、1cm以上30cm以下がさらに好ましい。
この範囲の長さであると、セルロース含有繊維の取り扱いが容易となる。セルロース含有繊維を脱水する場合に、セルロース含有繊維が通過し難い篩(ふるい)を用いて行う際の取り扱い性に優れる。
セルロースから糖類への転換率を高める観点から、該セルロース含有物には糖化反応(セルロースの加水分解反応)を阻害するような不純物はなるべく含まれていない方が好ましい。すなわち、本発明において用いられるセルロース含有物のセルロース含有率は高いほど好ましい。
本発明のアルカリ処理におけるアルカリ水溶液としては、前記セルロース含有物の吸水量を高めて膨潤させることができるものであれば特に制限されず、水酸化ナトリウム、アンモニア水等が挙げられる。
これらのなかでも、水酸化ナトリウムが好ましい。水酸化ナトリウムを用いることにより、当該セルロース含有物中のセルロース(セルロース結晶)の吸水量を高めて膨潤することができ、さらに、後段の洗浄処理における、水又は酸性水溶液による洗浄後に該セルロースをNaイオンが吸着したセルロースNa塩とすることができる。その結果、後段の酵素処理における反応系に酢酸を所定の量で添加すると、セルロースに吸着したNaイオン及び酢酸がpH緩衝剤として機能して、該反応系を酵素反応に好ましいpHで安定化することができる。
また、綿繊維等のセルロース含有繊維を、水酸化ナトリウム等でアルカリ処理することによって、該セルロース含有繊維が膨潤してセルロースの非晶領域が3倍以上増加しうる。さらに、X線回折によって測定される該セルロースの結晶格子の大きさも変化することから、セルロースの分子間相互作用が当該アルカリ処理によって変化させられると考えられる。その要因として、例えば、Naイオンの吸着によってセルロースの水酸基間の水素結合が切れて分子間の結合力が低下することが考えられる。
このように、アルカリ処理によって膨潤して吸水量が増加した綿繊維等のセルロース含有物は、後段の酵素処理において、セルロース分解酵素が前記セルロース含有物のセルロースにアタックし易くなっているため、酵素反応の効率を著しく向上させることができる。
前記アルカリ処理において、アルカリ水溶液が水酸化ナトリウム水溶液である場合には、その濃度(規定度)は、0.1〜10Nが好ましく、1〜5Nがより好ましい。
上記範囲の下限値以上及び上限値以下であると、前記セルロース含有物におけるセルロース(セルロース結晶)の膨潤及び吸水量を高めて、後段の酵素反応をより効率良く行うことができる。
一方、上記範囲の下限値未満及び上限値超であると、前記セルロース含有物におけるセルロースの膨潤及び吸水量が低下してしまう傾向がある。
前記アルカリ処理において、前記セルロース含有物と前記アルカリ水溶液とを接触させる際の温度は、−10〜50℃が好ましく、−5〜30℃がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上及び上限値以下であると、前記セルロース含有物におけるセルロースの膨潤及び吸水量を高めて、後段の酵素反応をより効率良く行うことができる。
一方、上記範囲の下限値未満及び上限値超であると、前記セルロース含有物におけるセルロースの膨潤及び吸水量が低下してしまう傾向がある。
前記アルカリ処理において、前記セルロース含有物と前記アルカリ水溶液とを接触させる際の処理時間の範囲は、通常48時間以下で行うことができ、0.1分〜60分が好ましく、1分〜30分がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上及び上限値以下であると、前記セルロース含有物におけるセルロースの膨潤及び吸水量を高めて、後段の酵素反応をより効率良く行うことができる。
一方、上記範囲の下限値未満であると、前記セルロース含有物におけるセルロースの膨潤及び吸水量が低下してしまう傾向がある。また、48時間を超えてアルカリ処理を行った場合には、アルカリ濃度にもよるが、概して変化の程度が少なくなり、膨潤及び吸水量は頭打ちとなる傾向がある。
[洗浄処理]
前記洗浄処理は、前記アルカリ処理したセルロース含有物を水又は酸性水溶液で洗浄する処理である。
前記アルカリ処理を行った前記セルロース含有物を水又は酸性水溶液で洗浄する方法としては、該セルロース含有物からアルカリを水又は酸性水溶液で洗い流すことができるものであれば特に制限されない。例えば、該セルロース含有物を脱イオン水又は酸性水溶液に浸漬して洗浄する方法を採用しても良いし、該セルロース含有物を静置したところに、脱イオン水又は酸性水溶液を通液させて洗浄しても良い。より具体的な例として、アルカリ耐性のカゴに前記セルロース含有物を入れて、そのカゴを脱イオン水又は酸性水溶液中に浸漬して揺り動かし、適宜、該脱イオン水又は酸性水溶液を交換することにより前記アルカリを該セルロース含有物から除去する方法が挙げられる。
前記酸性水溶液は、後段の酵素処理における酵素反応を阻害しないものであれば特に制限されず、例えば酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液等が好適に用いられる。
前記酸性水溶液のpHの範囲は、後段の酵素処理における酵素反応を阻害しない範囲であればよく、pH2.0〜6.9が好ましく、pH3.0〜pH6.9がより好ましく、pH4.0〜pH6.0がさらに好ましい。
この範囲のpHであると、洗浄したセルロース含有物に含まれる水溶液のpHを、後段の酵素処理における酵素反応の至適pH(一般にpH4〜6)に合わせることができるので好ましい。
なお、前記酸性水溶液の濃度は、前記アルカリ処理におけるアルカリの濃度によって適宜調整される。
前記水又は酸性水溶液で洗浄した後の前記セルロース含有物に残存するアルカリは、該セルロース含有物に含まれる水又は酸性水溶液のpHが酸性〜中性付近となるように、できる限り少ない量であることが望ましい。しかし、後段の酵素処理における酵素反応を阻害しない程度であれば、該アルカリが残存していてもよい。また、塩酸等の酸を用いて残存したアルカリを中和してもよい。
より具体的な前記アルカリ処理、並びに前記洗浄処理における酢酸による洗浄及びアルカリ中和の方法として、次の操作が例示できる。
まず、アルカリ耐性の容器(チーズ染色機)内において、木綿1kgに水を含ませてから脱水し、4N(15.8質量%)の水酸化ナトリウム水溶液9Lを投入して、前記アルカリ処理を所定時間行った後、該水酸化ナトリウム水溶液を排水する。該容器中に残ったアルカリを含む木綿に対して、4質量%の酢酸6Lを投入し、これを排水した後、再度4質量%の酢酸6Lを投入して排水する。このとき、1回目の排水はpH13以上であるが、2回目の排水はpH4〜5となっていることから、2度の酢酸投入後の木綿に含まれる水溶液は、酢酸と酢酸ナトリウムで構成されるpH4〜5の酢酸緩衝液に調製されていることがわかる。なお、このアルカリの中和反応は、CHCOOH+NaOH→CHCOONa+HOの反応式で表される。このようにpH調整された木綿は脱水しなくても、後段の酵素処理に使用することができる。
[第一の酵素処理]
前記第一の酵素処理は、前記洗浄したセルロース含有物とセルロース分解酵素を含む水溶液とを、酵素活性温度において接触させることによって、前記洗浄したセルロース含有物(酵素の基質であるセルロース)、グルコース又は水溶性オリゴ糖(酵素の生成物)を含む酵素処理反応液を得る処理である。
前記第一の酵素処理において、前記セルロース含有物と前記セルロース分解酵素を含む水溶液とを接触させる際の温度を酵素活性温度とする。
前記酵素活性温度は、使用するセルロース分解酵素が酵素活性を有する温度であって、そのセルロース分解酵素の至適温度(酵素活性が高くなる温度)付近であることが望ましい。公知のセルロース分解酵素の至適温度は10〜80℃の範囲である。
なお、前記酵素活性温度は、使用するセルロース分解酵素が酵素活性を示す全ての温度帯域を意味するものではなく、酵素処理を行う際に任意に設定することができる温度をいう。
前記酵素活性温度と、使用するセルロース分解酵素の至適温度との差は、プラスマイナス10℃以内であることが好ましい。当該酵素処理を至適温度の近傍である酵素活性温度で行うことによって、酵素によるセルロースの加水分解の反応速度を高めることができる。より具体的には、前記酵素活性温度は、後述する発酵処理における発酵活性温度よりも高温であることが好ましく、40〜60℃の範囲から選ばれた何れかの温度が好ましく、40〜50℃の範囲から選ばれた何れかの温度がより好ましい。
また、前記酵素活性温度は、後述する発酵微生物が死滅する温度よりも低温であることが好ましい。後述する第二の酵素処理と第二の発酵処理とを繰り返して行う場合に、第二の酵素処理において当該発酵微生物が死滅することを防ぎ、第二の発酵処理で当該発酵微生物を再利用することを可能にするためである。
前記第一の酵素処理において、前記水又は酸性水溶液で洗浄したセルロース含有物とセルロース分解酵素を含む水溶液とを接触させる方法は特に制限されない。例えば、前記セルロース含有物をセルロース分解酵素を含む水溶液に浸漬して接触させる方法を採用しても良いし、前記セルロース含有物を静置したところに、前記セルロース分解酵素を含む水溶液を通液させて接触させても良い。より具体的な例として、カゴに前記セルロース含有物を入れて、そのカゴを前記セルロース分解酵素を含む水溶液中に浸漬して揺り動かすことにより前記酵素処理を行う方法が挙げられる。
前記第一の酵素処理におけるセルロース分解酵素としては、セルロースを加水分解して水溶性オリゴ糖又はグルコースを生成できるものであれば特に制限されず、公知のセルロース分解酵素(セルラーゼ)を所定の量で用いればよい。ここで、該水溶性オリゴ糖は、2〜6分子程度のグルコースが縮合してつながった分子構造を有する水溶性のセロオリゴ糖をいう。
前記セルロース分解酵素としては、耐熱性のセルロース分解酵素であること好ましい。一般に耐熱性の酵素は構造安定性に富むため、長時間の使用においても酵素活性を維持する程度が高く、高温条件においても変性しづらいので反応速度を高めることができる。
また、耐熱性セルロース分解酵素を用いることによって、酵素処理を行う前記酵素活性温度を高めに設定できることも利点である。なぜならば、後述する発酵処理を行う発酵活性温度よりも、前記酵素活性温度の方を高温に設定することができ、酵素処理と発酵処理とを、温度設定によって制御することが可能になるからである。
前記セルロース分解酵素の、前記セルロース含有物に対する量は特に制限されず、適宜設定することができる。
前記第一の酵素処理におけるセルロース分解酵素を含む水溶液には、pHを安定させるためのpH緩衝剤を含ませることが好ましい。該水溶液のpHとしては、該セルロース分解酵素の至適pH(酵素活性が高くなるpH)付近であることが望ましい。一般に、該至適pHは酸性〜中性であることが多いので、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液等が好適に用いられる。
前述したように、水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ処理を行ったセルロース含有物の水酸基のプロトンの一部はNaカチオンに変換されている可能性があるので、前記セルロース分解酵素を含む水溶液に酢酸、クエン酸、リン酸等の酸を所定の量加えて該セルロース含有物に接触させることにより水酸基に戻すと共に、セルロース分解酵素によるセルロースの加水分解に適した酸性〜中性付近のpHに調整することにより、当該酵素処理を効率よく行うことができる。
前記第一の酵素処理において、前記セルロース含有物と前記セルロース分解酵素を含む水溶液とを接触させる際の処理時間の範囲は、適切な酵素濃度、pH、温度であれば、14日以下で行うことができる。多くの場合、反応開始後1日間が最も反応速度が高く、その後2〜6日で反応速度が徐々に低下し、反応開始10日後までには反応がほぼ停止してセルロース含有物に含まれるセルロースのグルコースへの転換率が頭打ちになる傾向がある。この原因として、酵素濃度に対する生成物の濃度が高まったために、酵素が基質を結合することを生成物が阻害しているためであると考えられる。
本発明の微生物発酵物の製造方法では、前記第一の酵素処理によって得られる酵素処理反応液中のグルコース又は水溶性オリゴ糖の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記第一の酵素処理を行うことが好ましい。
前記第一の酵素処理において、セルロースから糖類への転換率を、なるべく高くすることにより、本発明の製造方法のエネルギーコストを削減することができる。なぜならば、製造工程全体におけるエネルギーコストを高める要因である溶液の温度制御の回数を減らすことができるからである。逆に、酵素処理反応液におけるグルコース又はオリゴ糖の濃度が低い段階で、後段の発酵活性温度で行う第一の発酵処理に移った場合、当該反応液中に、非常に多くのセルロースが未分解の状態で残されることになり、後述する第二の酵素処理と第二の発酵処理とを繰り返す回数が増加することになる。
ここで、前記転換率とは、セルロース含有物に含まれるセルロースの質量に対する、糖化反応(加水分解反応)により得られた糖類の質量の割合をいう。該糖類とは、前記水溶性オリゴ糖又はグルコースをいう。本明細書中では、グルコース又は水溶性オリゴ糖を、単に糖類と呼ぶことがある。
前記第一の酵素処理では、セルロースの加水分解を酵素を用いて、比較的穏やかな条件で行うため、生成した前記糖類の過分解がほとんど起こらず、純度の高い糖類を得ることができる。生成した前記糖類は前記セルロース分解酵素を含む水溶液中(酵素処理反応液)に溶解している。
[第一の発酵処理]
前記第一の発酵処理は、前記酵素処理反応液と前記発酵微生物とを、発酵活性温度において接触させることによって、前記洗浄したセルロース含有物、及び前記微生物発酵物を含む発酵処理反応液を得る処理である。
前記発酵処理反応液中に含まれる、前記洗浄したセルロース含有物は、前記第一の酵素処理によって得られた酵素処理反応液に元々含まれていたものが残留したものである。
前記酵素処理反応液には、通常、前記セルロース分解酵素も残留している。ただし、前記第一の酵素処理において、セルロース分解酵素を保持した担体をカラムに充填したバイオリアクター等を使用した場合、当該酵素処理反応液には、セルロース分解酵素をほとんど残留させないことも可能である。
前記第一の発酵処理において、前記酵素処理反応液と前記発酵微生物とを接触させる際の温度を発酵活性温度とする。
前記発酵活性温度は、使用する発酵微生物が発酵活性を有する温度であって、その発酵微生物の発酵の至適温度(発酵活性が高くなる温度)付近であることが望ましい。前述したように、一般の酵母の至適温度は25〜30℃である。
なお、前記発酵活性温度は、使用する発酵微生物が発酵活性を示す全ての温度帯域を意味するものではなく、発酵処理を行う際に任意に設定することができる温度をいう。
前記発酵活性温度と、使用する発酵微生物の至適温度との差は、プラスマイナス10℃以内であることが好ましい。当該発酵処理を発酵微生物の至適温度の近傍である発酵活性温度で行うことによって、微生物による微生物発酵物(微生物の代謝産物)の生成速度を高めることができる。より具体的には、前記発酵活性温度は、前述の酵素処理における酵素活性温度よりも低温であることが好ましく、20〜40℃の範囲から選ばれた何れかの温度が好ましく、20〜30℃の範囲から選ばれた何れかの温度がより好ましい。
また、前記発酵活性温度は、前述したセルロース分解酵素が失活する温度よりも低温であることが好ましい。後述する第二の酵素処理と第二の発酵処理とを繰り返して行う場合に、第二の発酵処理において当該セルロース分解酵素が失活することを防ぎ、第二の酵素処理で当該セルロース分解酵素を再利用することを可能にするためである。
前記第一の発酵処理において、前記酵素処理反応液と前記発酵微生物とを接触させる方法は特に制限されない。例えば、前記酵素処理反応液中に前記発酵微生物を添加して、緩やかに撹拌することによって発酵微生物を酵素処理反応液中に分散させる方法が挙げられる。また、前記発酵微生物を担持する多孔質担体等を充填したカラム等のバイオリアクターに、前記酵素処理反応液を流通させてもよい。
前記発酵微生物としては、前記酵素処理反応液中に含まれる糖類を原料(栄養)として、目的の微生物発酵物を生産する能力を有するものであれば特に制限されない。例えば、目的の微生物発酵物がエタノールである場合、アルコール発酵能を有する発酵微生物であることが好ましい。
前記発酵微生物としては、前記酵素処理反応液のpHに対して耐性を有するものであることが好ましい。前記酵素処理反応液は、前記セルロース分解酵素の至適pHの近傍に調整することが多い。このため、酸性領域(例えばpH2.0〜pH6.9)において発酵能を有する発酵微生物が好ましい。例えば酵母が例示できる。酵母の多くの種は、pH3〜6程度でアルコール発酵能を有する。
アルコール発酵能を有する発酵微生物としては、公知の発酵微生物が適用可能であり、例えば、酵母、ザイモモナス菌(Zymomonas mobilis)、遺伝子組み換え技術によってアルコール発酵能が付与された微生物(大腸菌等)が挙げられる。これらなかでも、取り扱いが容易であり、アルコール発酵技術が成熟している酵母の使用が好ましい。
また、目的の微生物発酵物が乳酸である場合は、公知の乳酸菌を採用すればよい。
前記発酵微生物としては、前記酵素活性温度においても死滅しない耐温度性(耐熱性又は耐冷性)を有する発酵微生物であること好ましい。
例えば、酵母による発酵処理の至適温度は、25〜30℃であり、50℃程度にするとアルコール発酵の速度は非常に遅くなるものの、死滅はしない。25〜30℃に戻すと、アルコール発酵を再開することができる。一方、70℃程度にすると死滅してしまうものが多い。
したがって、発酵微生物として酵母を使用する場合、前記発酵活性温度は、20〜40℃の範囲、好ましくは25〜30℃の範囲、から選ばれる何れかの温度にすればよい。
なお、前記ザイモモナス菌のアルコール発酵の至適温度の高温側は、〜39℃であると言われている。
また、発酵微生物として酵母を使用する場合、前記酵素処理反応液に含まれるグルコース又は水溶性オリゴ糖の質量に対して、前記酵母を乾燥体の質量に換算して、0.01〜30質量%の割合で添加することが好ましい。この割合で添加することにより、得られたグルコース又は水溶性オリゴ糖をエタノールにより効率的に変換できる。
前記第一の発酵処理における反応液には、使用する微生物が要求するビタミン等の栄養素を添加してもよい。また、前記反応液には、使用する微生物の生存に適したpHとするためのpH緩衝剤を添加してもよい。
前記第一の発酵処理において、前記酵素処理反応液と前記発酵微生物とを接触させる際の処理時間の範囲は、適切な発酵微生物の濃度、pH、温度であれば、7日以下で行うことができる。多くの場合、処理開始後1〜3日が最も発酵速度が速く、その後3〜6日で反応速度が徐々に低下し、処理開始7日後までには発酵がほぼ停止して、発酵処理反応液中の微生物発酵物の濃度上昇が頭打ちになる傾向がある。この原因として、当該反応液中の糖類が枯渇するためであると考えられる。
本発明の微生物発酵物の製造方法では、前記第一の発酵処理によって得られる発酵処理反応液中の微生物発酵物の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記第一の発酵処理を行うことが好ましい。
前記第一の発酵処理において、なるべく多くの微生物発酵物を生産することにより、本発明の製造方法のエネルギーコストを削減することができる。なぜならば、製造工程全体におけるエネルギーコストを高める要因である溶液の温度制御の回数を減らすことができるからである。逆に、発酵処理反応液における糖類の濃度が高い段階で、前記酵素活性温度に調節する第二の酵素処理に移った場合、発酵処理反応液中に、多くの糖類が消費されずに残されることになり、後述する第二の酵素処理において、直ぐに反応液中の糖類濃度が頭打ちとなってしまう。
前記発酵処理で得られた発酵処理反応液に含まれる微生物発酵物は、公知の方法によって、当該反応液から分離して回収することができる。ただし、前記第一の発酵処理を終了した段階では、微生物発酵物を回収する必要は無く、そのまま、つぎの操作である、第二の酵素処理及び第二の発酵処理を行うことができる。
以上で説明した工程によって得られた発酵処理反応液には、微生物発酵物の他に、前記洗浄したセルロース含有物が含まれる。これは、前記第一の酵素処理によって得られた酵素処理反応液に元々含まれていたものが残留したものである。
前記発酵処理反応液には、通常、前記発酵微生物も残留している。ただし、前記第一の発酵処理において、発酵微生物を保持した担体をカラムに充填したバイオリアクター等を使用した場合、当該発酵処理反応液には、発酵微生物をほとんど残留させないことも可能である。
前記発酵処理反応液を得た後、該発酵処理反応液を前記酵素活性温度に調節する第二の酵素処理と、該第二の酵素処理によって得られた酵素処理反応液を前記発酵活性温度に調節する第二の発酵処理と、を順に行う。
[第二の酵素処理]
前記第二の酵素処理は、前記発酵処理反応液を前記酵素活性温度に調節する操作によって開始される。この操作によって、前記酵素処理反応液中では、前記洗浄したセルロース含有物を基質として、当該反応液中に残留する前記セルロース分解酵素による加水分解反応が優勢となり、当該反応液中の糖類濃度が上昇する。この酵素反応は、前述の第一の酵素処理における酵素反応と同じである。この酵素反応を高める目的で、前記第二の酵素処理の際に、新たにセルロース分解酵素を当該反応液に添加してもよい。
なお、前記第二の酵素処理によって前記酵素活性温度に調節された反応液において、発酵微生物による発酵が完全に停止される必要は無く、酵素反応と並行して発酵微生物による発酵が行われてもよい。
前記第二の酵素処理において、前記酵素処理反応液中のグルコース又は水溶性オリゴ糖の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記酵素処理反応液を前記酵素活性温度に留めることが好ましい。
一回の前記第二の酵素処理によって、当該反応液中におけるセルロースから糖類への転換率を、なるべく高くすることにより、本発明の製造方法のエネルギーコストを削減することができる。なぜならば、製造工程全体におけるエネルギーコストを高める要因である溶液の温度制御の回数を減らすことができるからである。逆に、反応液における糖類の濃度が低い段階で、後段の第二の発酵処理に移った場合、当該反応液中に、多くのセルロースが未分解の状態で残されることになり、第二の酵素処理と第二の発酵処理とを繰り返す回数が増加することになる。
[第二の発酵処理]
次に、糖類の濃度が上昇した酵素処理反応液を、前記発酵活性温度に調節する第二の発酵処理を行う。
前記第二の酵素処理は、前記酵素処理反応液を前記発酵活性温度に調節する操作によって開始される。この操作によって、当該反応液中では、前記糖類を原料として、前記発酵微生物による発酵が優勢となり、当該反応液中の微生物発酵物の濃度が上昇する。この発酵微生物による発酵は、前述の第一の発酵処理におけるものと同じである。この発酵微生物による発酵の速度を高める目的で、前記第二の発酵処理の際に、新たに発酵微生物を当該反応液に添加してもよい。
なお、前記第二の発酵処理によって前記発酵活性温度に調節された反応液において、残留した酵素によるセルロースの加水分解反応が完全に停止される必要は無く、発酵と並行して酵素反応が行われてもよい。
前記第二の発酵処理において、前記発酵処理反応液中の微生物発酵物の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記発酵処理反応液を前記発酵活性温度に留めることが好ましい。
一回の第二の発酵処理において、微生物発酵物をなるべく多く生産することにより、本発明の製造方法のエネルギーコストを削減することができる。なぜならば、製造工程全体におけるエネルギーコストを高める要因である溶液の温度制御の回数を減らすことができるからである。逆に、反応液における糖類の濃度が高い段階で、前記酵素活性温度に調節する第二の酵素処理に移った場合、当該反応液中に、多くの糖類が消費されずに残されることになり、第二の酵素処理において、直ぐに反応液中の糖類濃度が頭打ちとなってしまう。
前記第二の酵素処理と前記第二の発酵処理とを順に繰り返した場合には、当該反応液中のセルロースを全て消費して、微生物発酵物の収率を最大限にまで高めることも可能である。
故に、前記第二の酵素処理と前記第二の発酵処理とを、この順で少なくとも1回以上繰り返して行うことによって、反応液1バッチに含まれるセルロースを糖類へ変換する割合を高めるとともに、反応液1バッチあたりから得られる微生物発酵物の収率も高めることができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[実施例1]
セルロース含有物である綿糸5gと、4Nの水酸化ナトリウム水溶液200gとをガラス製ビーカー(300mL)で混合して、25℃で30分間、接触させた(アルカリ処理)。つぎに、ビーカーから前記水酸化ナトリウム水溶液を除去して、脱イオン水を加え、アルカリ処理した前記セルロース含有物を水洗し8時間放置した(洗浄処理)。その後、水洗した綿糸のうち乾燥重量換算で0.5gに相当する量を取り分けて、これに酢酸Na緩衝液(pH5.0)を加えて、試料A(pH5.0)とした。
つづいて、セルロース分解酵素であるセルラーゼSS(ナガセケムテック株式会社製;活性1600CUN/g以上)0.025mlを試料Aに添加して綿糸と酵素とを接触させ、全体を10mLに調整した。シェーカーで100rpmの振とうを行いつつ、50℃で維持した(第一の酵素処理)。
この第一の酵素処理の開始後、所定時間経過後における反応液に含まれるグルコースの濃度を市販の糖濃度計で測定した。
その結果、図1に示すように、糖濃度は72時間後に約30g/Lとなり、125時間後には糖濃度は頭打ちとなって、ほぼ一定となった。ここで得られた酵素処理反応液(溶液X)を30℃に下げて、オリエンタルイースト(オリエンタル酵母株式会社製)を乾燥重量換算で0.02g添加して、エタノール発酵を行った(第一の発酵処理)。なお、この添加量は、酵素処理反応液中の糖の質量(0.3g)に対して、6.7質量%に相当する量である。
この第一の発酵処理の開始後、所定時間経過後における反応液に含まれるグルコースの濃度を糖濃度計で測定した。その結果、図1に示すように、糖濃度は168時間後に約0g/Lとなり、当該反応液中のエタノール濃度の上昇は頭打ちとなった。
以上の工程で得られた発酵処理反応液を、昇温して再び50℃に調節すると(第二の酵素処理)、当該反応液中の糖濃度が再び上昇し、384時間後に糖濃度は約20g/Lとなった。続いて、当該反応液(溶液Y)を冷却して再び30℃に調節すると(第二の発酵処理)、エタノール発酵が再開されて、当該反応液中の糖濃度は408時間後に約0g/Lとなり、当該反応液中のエタノール濃度の上昇は頭打ちとなった。
前記溶液X及び溶液Yに含まれるグルコース量をHPLCによって測定し、「グルコースの転換率(質量%)=生成したグルコースの質量/綿繊維の質量(0.5g)」の計算を行った。その結果、グルコース転換率は溶液X=50%、溶液Y=30%であり、合計の転換率は80%であった。
[比較例1]
実施例1のアルカリ処理、洗浄処理、第一の酵素処理、及び第一の発酵処理の一連の処理からなる工程Aを行った段階で、試験を終了した。
ここで得られたエタノールの量、及びグルコースの転換率は、実施例1で最終的に得たエタノールの量、及びグルコースの転換率よりも劣ることは明らかである。
[参考例1]
セルロース含有物である綿糸5gと、脱イオン水とをガラス製ビーカー(300mL)で混合して、5℃で30分間、接触させた(アルカリ処理は無し)。
つぎに、ビーカーから前記脱イオン水を除去して、別の脱イオン水を加え、さらに前記セルロース含有物を水洗し8時間放置した(洗浄処理)。その後、水洗した綿糸のうち乾燥重量換算で0.5gに相当する量を取り分けて、これに酢酸Na緩衝液(pH5.0)を加えて、試料D(5.0)とした。
つづいて、セルロース分解酵素であるセルラーゼSS(ナガセケムテック株式会社製;活性1600CUN/g以上)0.2mlを試料Dに添加して綿糸と酵素とを接触させ、シェーカーによる振とうは行わずに静置して、40℃で維持した(酵素処理)。
その結果、実施例1と同様の方法で測定したグルコース転化率は1日後=0%、3日後=8%、5日後=18%となった。
本発明の微生物発酵物の製造方法は、セルロース含有物に含まれるセルロースを糖類に変換して、該糖類を利用する微生物発酵物を製造するために広く適用することが可能である。

Claims (14)

  1. セルロース含有物とアルカリ水溶液とを接触させるアルカリ処理を行い、前記アルカリ処理したセルロース含有物を水又は酸性水溶液で洗浄し、前記洗浄したセルロース含有物とセルロース分解酵素を含む水溶液とを、該セルロース分解酵素の酵素活性温度において接触させる第一の酵素処理を行い、得られた酵素処理反応液と発酵微生物とを、該発酵微生物の発酵活性温度において接触させる第一の発酵処理を行った後、
    得られた発酵処理反応液を前記酵素活性温度に調節する第二の酵素処理と、得られた酵素処理反応液を前記発酵活性温度に調節する第二の発酵処理と、を順に行うこと特徴とする微生物発酵物の製造方法。
  2. 前記酵素処理反応液中のグルコース又は水溶性オリゴ糖の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記第一の酵素処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の微生物発酵物の製造方法。
  3. 前記発酵処理反応液中の微生物発酵物の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記第一の発酵処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の微生物発酵物の製造方法。
  4. 前記酵素処理反応液中のグルコース又は水溶性オリゴ糖の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記第二の酵素処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の微生物発酵物の製造方法。
  5. 前記発酵処理反応液中の微生物発酵物の濃度上昇が頭打ちとなるまで、前記第二の発酵処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の微生物発酵物の製造方法。
  6. 前記酵素活性温度と前記セルロース分解酵素の至適温度との差が10℃以内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の微生物発酵物の製造方法。
  7. 前記発酵活性温度と前記発酵微生物による発酵処理の至適温度との差が10℃以内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の微生物発酵物の製造方法。
  8. 前記酵素活性温度が、前記発酵活性温度よりも高温であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の微生物発酵物の製造方法。
  9. 前記酵素活性温度が、40〜60℃の範囲内の温度であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の微生物発酵物の製造方法。
  10. 前記発酵活性温度が、20〜40℃の範囲内の温度であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の微生物発酵物の製造方法。
  11. 前記微生物発酵物がエタノールであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の微生物発酵物の製造方法。
  12. 前記発酵微生物が酵母であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の微生物発酵物の製造方法。
  13. 前記第一の発酵処理において、前段の前記第一の酵素処理で得られた酵素処理反応液に含まれるグルコース又は水溶性オリゴ糖の質量に対して、前記酵母を乾燥体の質量に換算して、0.01〜30質量%の割合で添加することを特徴とする請求項12に記載の微生物発酵物の製造方法。
  14. さらに、前記第二の酵素処理と前記第二の発酵処理とを、この順で、少なくとも1回以上繰り返して行うことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の微生物発酵物の製造方法。
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