JP2011135385A - 画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、原稿搬送装置による連続読み時にその読取速度を高速に維持しながら、立体物や厚い本などを読み取る際にガラス面より高い位置での画像を光量十分に読み取ることを可能とする。
【解決手段】光源201sの導光体201kに、光源201sから発せられる光束を原稿面位置204と原稿面上方位置205へ照射する第1出射面206に加えて、光源201sから発せられる光束のうち第1出射面206から照射される光束以外の光束を原稿面上方位置205に照射する第2出射面207を設けることにより、光源201sの光量を増やしたり、ガラス部材202の面直上での光量を減少させること無く、ガラス面上方の光量を増加させることを可能としたものである。
【選択図】図7

Description

本発明は、原稿を照射したときの反射光により原稿画像の読取を行うように構成された画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
一般に、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置やその他の各種装置において、光源手段から射出された原稿読取用の照明光を原稿に照射し、その原稿からの反射光の進路を反射手段により適宜に変更しつつ光学系により集光して光電変換手段に結像させることにより画像の読取を行うように構成された画像読取装置が広く採用されている。
このような画像読取装置では、厚い本を見開きで読み取る場合には読み取る部分をすべてガラスに密着させることは難しく、どうしてもガラスより浮いた状態で原稿情報を読み取る必要が生じる。そのような状況を想定して従来の照明手段では、読取位置であるガラス面の直上のみを狙って照明させることはせず、ガラス面直上だけでなくガラス面上方までも幅広く照射させるように照明の角度や照明の照射幅を調整し、ガラス面上方も適度に光を照射させるようにしている。
例えば、図11に示されているように、光源であるLED7a,7bからの光束は、導光体2a,2bにより出射面31より出射され、ガラス面直上位置やガラス面上方位置を照射している。すなわち、このときの原稿読取位置は、ガラス部材5上にある原稿面位置24と、その原稿面位置24より上方の範囲を指す原稿面上方位置25とからなり、それらに照射された光は、図示を省略した原稿面により反射され、その反射光の一部の光束29が読取ユニットに配置されている光電変換手段30で画像として読み取られるようになっている。
しかしながら、原稿読取装置と一体になっている原稿搬送装置により原稿を搬送しながら画像を読み取るような場合には、原稿はガラス面にごく近い位置にいるときに画像が読み取られる。この場合、主にガラス面直上での光量が必要になる。近年は、単位時間あたりの読取原稿の枚数がより多い装置が求められており、より速く画像を読み取る必要が生じ、読取速度向上と比例するように原稿を照射する照明光の光量はより必要になっている。そのような状況では、ガラス面直上の光量が従来より多大に必要になってきており、従来の光量及び導光体が同一の形状である場合には、今までガラス面上方へも照射していた照明光をガラス面直上へ向きを変え、光量を向上させるなどの処置が必要になってくる。そのためにはガラス面上方の光量が少なくなることが避けられず、そのような状態でガラス面より距離がある部分を読み取った画像は、原稿面上方の部分が影のように暗くなってしまう不具合が起きる。また、ガラス面上方の光量を多くするために、照明の位置や角度、または照射範囲等を調整すると、今度はガラス面直上の読取位置での光量が足りなくなってしまい、一般的な紙原稿を読み取る際に光量が足りなくなってしまい、コントラストの低下、画像ノイズの増大などが発生し、適正な画像で読み取ることができなくなってしまう。
ここで、上述した図11の状態で原稿面位置24と原稿面上方位置25にLED7a,7bからの光束が効率良く照射されている状態であっても、出射面から出射されることなく導光体の内部で乱反射を繰り返し、反射する毎に減衰していきいずれ消滅してしまう光束が存在している。そのような消滅してしまう光束をできる限り出射面から出射させるような形状はより複雑な形状にする必要があるばかりか、複数のLEDが原稿面を照射するため原稿面での照度ムラという問題も解決する必要があり、限界がある。
さらに、照明や光源の数を増加させたり、照明への電流供給量を増やすことで光量そのものを向上させれば確かに上記原稿面上方への光量という問題はある程度解決されるが、照明や光源の数量を増やすことはコストを多大に増加させることになるばかりでなく、電流供給量を増加させることなどでも照明による温度上昇が大きくなる。読取デバイス自身や光学系等などは、温度による性能変化が大きいため、温度上昇によって読み取った画像に不具合を起こすおそれがある。また、温度を下げるためにファンなどを追加すると、それもコストアップになり、安易に採用することは難しい。
特開2008−131121号公報
本発明は、従来の上記課題を解決するものであり、その目的は、原稿の画像を読み取る画像読取装置においてガラス面直上の照明光量を減らすことなく、かつガラス面上方の光量を確保でき、薄い紙や厚い本でも良好な読取画像を得ることができるようにした画像読取装置及びこれを備える画像形成装置を提供するものである。
上記目的を達成するため本発明では、原稿を載置するガラス部材と、該ガラス部材の上面の原稿読取位置に光を照射するための光源と、該光源を前記原稿読取位置に導光させる導光体を有する照明手段とを備え、前記原稿読取位置が、前記ガラス部材上にある原稿面位置と該原稿面位置より上方の範囲を指す原稿面上方位置とからなるものであって、前記照明手段により原稿表面で反射された光束を結像手段にて結像し、前記結像手段の結像位置に配置された光電変換手段により原稿の画像を読み取るように構成された画像読取装置の照明手段において、前記導光体には、前記光源から発せられる光束を前記原稿面位置と前記原稿面上方位置へ照射する第1出射面と、前記光源から発せられる光束のうち前記第1出射面から照射される光束以外の光束を前記原稿面上方位置に照射する第2出射面が設けられている。
通常、光源からの光束をガラス面上の原稿読取範囲に導光する導光体を使用している照明系においては、光源からの光束が導光体内部で複数回反射を行いながら導光体の出射面より原稿読取位置へ向け照射されているが、光源からの光束がすべて出射面から出射されるわけではなく、光源からの光束は平行光ではないため出射面から出射されることなく、導光体内部で無数の反射を繰り返して、そのまま減衰し消滅する光束も存在する。本発明の構成によれば、原稿面直上を照射するための導光体の第1の出射面とは別に新たに第2の出射面を設け、その第2出射面は原稿面上方を照射するように向けられており、前述の導光体内部で減衰し消滅してしまう光束の一部を第2の出射面から出射させることにより、第1出射面からの光束の量を減少させること無く原稿面上方の光量を向上させることができる。
また、このときの本発明による構成において、第1出射面から出射される光束の導光体内での光路を妨げない位置に第2出射面か第2出射面の近傍を略焦点とするような湾曲した面、または平面を導光体内部に持つことにより、この湾曲面または平面を通る第1出射面から出射される光束以外の光束がより多く第2出射面方向へ向かい第2出射面から出射されることになり、より効率良く照射させることが可能である。さらに、第2出射面の角度を任意に変更することで光束の向きを調節することも可能であるし、第2出射面を凸または凹形状にすることによってもより効率よく照射が可能であり、メインである原稿面直上を照射するための第1出射面の形状をまったく変更することなく、その他の光束を調整することができる。
以上述べたように、本発明にかかる画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置は、光源の導光体に、光源から発せられる光束を原稿面位置と原稿面上方位置へ照射する第1出射面に加えて、光源から発せられる光束のうち第1出射面から照射される光束以外の光束を原稿面上方位置に照射する第2出射面を設けることにより、光源の光量を増やしたり、ガラス面直上での光量を減少させること無く、ガラス面上方の光量を増加させることが可能であり、原稿搬送装置による連続読み時にその読取速度を高速に維持しながら、立体物や厚い本などを読み取る際にガラス面より高い位置での画像を光量十分に読み取ることが出来、簡易な構成で画像読取装置の信頼性を大幅に向上させることができる。
本発明を適用する画像形成装置の一例としての複写機の全体構成の概略を表した縦断面説明図である。 図1に表された複写機に用いられている画像読取装置からカバーを取り外した状態の全体構造を表した外観斜視説明図である。 図2に表された画像読取装置に用いられている一体型照明光学ユニットの外観斜視説明図である。 図2及び図3に表された一体型照明光学ユニットの内部構造を表した横断面説明図である。 図2乃至図4に表された一体型照明光学ユニットの上面部分の一部を拡大して表した外観斜視説明図である。 図2乃至図5に表された一体型照明光学ユニットの上面部分の一部を拡大して表した横断面説明図である。 本発明の一実施形態における導光体を用いた照明光束を模式的に表した部分拡大側面図である。 本発明の一実施形態における照明光束のうちの乱反射光の光束を模式的に表した部分拡大側面図である。 本発明の一実施形態における導光体の第2出射面の構造を表した外観斜視説明図である。 本発明の第2実施形態における導光体に設けられた反射湾曲面で反射された光束の動きを模式的に表した部分拡大側面図である。 従来における導光体を用いた照明光束を模式的に表した部分拡大側面図である。
以下、画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置としての複写機に本発明を適用した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
先ず、本発明を適用した複写機の全体構成は、図1に示されているように、画像形成装置本体Aの各部に、スキャナ部B、画像形成部C及びシートデッキDを備えたものとなっている。画像形成装置本体Aの上部に配置されたスキャナ部Bは、ブック原稿の画像情報を読み取る画像読取装置を構成するものであるが、そのスキャナ部Bの下部側に画像形成手段となる画像形成部Cが配置され、さらにその画像形成部Cの下部側にシートデッキDが組み付けられている。
前記スキャナ部(画像読取装置)Bは、本発明にかかる照明手段を構成している一体型照明光学ユニット201が、原稿を載置するガラス部材としてのプラテンガラス202の直下で往復移動されるように構成されており、前記プラテンガラス202上に、本や記録紙等からなるブック原稿又はシート状原稿などが原稿面を下向きにして載置された後に、画像形成装置本体Aに対して開閉可能な原稿圧板203により背面を押圧して静止状態にセットが行われるようになっている。その状態でユーザが読取スタートキー(図示省略)を押すと、上述した一体型照明光学ユニット201がプラテンガラス202の下部を矢印a方向に移動して読取走査が行われて原稿面の画像情報が読み取られる。
上記一体型照明光学ユニット201により読み取られた原稿の画像情報は、画像処理部において処理され、電気信号に変換されてから画像形成部Cのレーザスキャナ111に伝送される。ここで、画像形成装置本体Aは、画像形成部Cのレーザスキャナ111に画像処理部の処理信号を入力すれば複写機として機能し、外部装置(コンピュータ)の出力信号を入力すればプリンタとして機能する。また、画像形成装置本体Aは、他のファクシミリ装置からの信号を受信したり、画像処理部の信号を他のファクシミリ装置に送信したりすれば、ファクシミリ装置としても機能する。
一方、上述した画像形成部Cの下部にはシートカセット1が装着されている。このシートカセット1は、下段カセット1aと上段カセット1bの2個で1つの給送ユニットを構成しており、本実施形態では、2つの給送ユニットU1及びU2による計4個のカセットが装着可能になされている。そして、上方側に配置された1つの給送ユニットU1は、前記画像形成装置本体Aに対して着脱可能に取り付けられ、下方側の給送ユニットU2は、シートデッキDに対して着脱可能に取り付けられている。
このような下段カセット1a及び上段カセット1bの内部に収容されたシート状記録媒体(用紙)は、給送回転体となるピックアップローラ3により繰り出され、フィードローラ4とリタードローラ5との協動作用により1枚ずつ分離・給送された後、搬送ローラ104、105によってレジストローラ106まで搬送され、該レジストローラ106によって後述する画像形成動作に同期するようにして画像形成部Cへと給送される。また、前述したシートカセット1とは別に、手差しトレイ6が画像形成装置本体Aの側面に配置されており、手差しトレイ6上のシートは手差し給紙ローラ7により、レジストローラ106へと繰り出される。
また、前記画像形成部Cは、電子写真感光ドラム112、画像書き込み光学系113、帯電ローラ116、現像器114及び転写帯電器115等を備えた構成になされている。そして、帯電ローラ116により一様に帯電された感光体ドラム112の表面に、レーザスキャナ111から射出された画像情報に対応するレーザ光が画像書き込み光学系113により走査されて静電潜像が形成され、その静電潜像が現像器114により現像されることによりトナー像が形成される。その感光体ドラム112上のトナー像は、当該感光体ドラム112の回転に同期して上記レジストローラ106から送り出されたシート状記録媒体(用紙)の第1面に、転写帯電器115が配置された転写部で転写されるようになっている。。
ここで、図中の符号117は、上述したようにしてトナー像を形成されたシート状記録媒体を搬送する搬送部を示し、また符号118及び119は、定着装置及び排出ローラをそれぞれ示している。上記搬送部117は、トナー像を形成された被加熱材としてのシート状記録媒体(記録用紙)を搬送可能とする構成になされていて、トナー像を形成されたシート状記録媒体は、上記搬送部117により定着装置118に搬送され、そこで加熱及び加圧が行われることによってトナー像が表面に定着された後、排出ローラ119によって機外の排紙トレイ120に向かって排出され積載される構成になされている。
また、シート状記録媒体(記録用紙)の両面に画像を記録する場合には、定着装置118から排出されたシート状記録媒体が排出ローラ119に挟持されて当該シート状記録媒体の後端が分岐点207を通過した時点で上記排出ローラ119が逆転方向に回転駆動される。それにより上記シート状記録媒体は両面トレイ121上に一旦載置され、その後に搬送ローラ104、105により搬送されてレジストローラ106に到達し、その反転されたシート状記録媒体の第2面に上述と同様にして画像が形成された後、排紙トレイ120に排出・積載される構成になされている。
[スキャナ部(画像読取装置)Bについて]
ここで、本発明の要部であるスキャナ部(画像読取装置)Bの構成について説明する。スキャナ部Bは、特に図2に示されているような平面略矩形状の枠体を有しているとともに、その枠体における副走査方向両端部分に配置された両側枠B1,B1どうしの間に、丸棒状をなす一対のメイン走査用支軸B2及びサブ走査用支軸B2’が、副走査方向に掛け渡すようにして略平行状態で取り付けられている。一方のメイン走査用支軸B2には、前述した一体型照明光学ユニット201を構成している筐体シャーシ201aの底面部に設けられた摺動軸受201bが摺動自在に装着されているとともに、他方のサブ走査用支軸B2’には、前記筐体シャーシ201aの底面部に取り付けられた摺動部材が摺動自在に載置されている。
このように、後述する原稿読取用の照明光を射出する光源手段を内部に備えた筐体シャーシ201aが、当該筐体シャーシ201aに設けられた摺動軸受201bを介して、副走査方向に延在するメイン走査用支軸B2に往復移動可能に取り付けられており、それによって上記一体型照明光学ユニット201の全体が、原稿を載置するガラス部材としてのプラテンガラス202の下方側において、副走査方向に往復移動される構成になされている。
一方、前記移動支持軸B2の近傍に沿って延在するようにして無端環状ベルトB3が張設されており、その無端環状ベルトB3の途中部分に上述した一体型照明光学ユニット201の筐体シャーシ201aが固定されている。上記無端環状駆動ベルトB3は、プーリB4を介してモータB5の出力軸に掛け回されており、前記モータB5の回転駆動力により上記無端環状駆動ベルトB3が循環されるようにして移動される構成になされている。そして、その無端環状駆動ベルトB3の循環移動によって前記一体型照明光学ユニット201が前記移動支持軸B2に沿って往復移動され、そのときに前記プラテンガラス202上の原稿面に対する読取が行われる構成になされている。
前記一体型照明光学ユニット201を構成している筐体シャーシ201aは、図3及び図4にも示されているように、副走査方向に直交する主走査方向である原稿幅方向(図1の紙面垂直方向)に沿って細長状に延在している。この筐体シャーシ201aは、上部に開口部を備えた中空箱状をなすように形成されたものであって、当該筐体シャーシ201aの上部開口部を覆うようにして保持部材としてのカバー部材201cが取り付けられている。
その保持部材としてのカバー部材201cは、金属材やセラミック材等の良熱伝導体からなる板状部材により形成されたものであって、後述する反射手段としてのミラー201m,201n,201p,201q,201r(図4参照)による反射領域の上部に配置されており、前記各ミラーによる反射領域に加えて、後述する結像光学系及びCCDセンサ(光電変換手段)201sに対して、前記原稿面からの反射光束以外の外部光を侵入させないように前記シャーシ201bの上部全体をほぼ覆うように配置されている。このように本実施形態における保持部材は、一体型照明光学ユニットの内部に侵入する外部光を遮蔽するカバー部材201cにより構成されている。
また、前記カバー部材(保持部材)201cには、特に図5及び図6に示されているように、段差状に窪む一対の光源取付面201h,201hが、主走査方向である原稿幅方向(図1の紙面垂直方向)に延在するように形成されている。これら一対の光源取付面201h,201hは、副走査方向において互いに対面するように形成されており、それら光源取付部201h,201hの段差を構成している立上り壁面に対して、照明光を射出する光源を構成する多数の点光源からなるLEDアレイ201i,201iが取り付けられている。それらのLEDアレイ201i,201iは、点光源である微小発光ダイオードが主走査方向に沿ってアレイ配列された構成からなるものであり、それらの各LEDアレイ201i,201iに設けられた発光面201j,201jが、副走査方向において互いに対向し合う配置関係になされている。このように本実施形態においては、光源が、カバー部材201cからなる所定の保持部材上にアレイ配列された複数の点光源であるLEDアレイ201i,201iを有しているとともに、その保持部材としてのカバー部材201cは、少なくとも前記各点光源である発光ダイオードに対面する部位が良熱伝導部材により形成されている。
さらに、一体型照明光学ユニット201は、上述したガラス部材としてのプラテンガラス202の上面の原稿読取位置に光を照射するための光源、つまり各LEDアレイ201i,201iを原稿読取位置に導光させる導光体を有している。すなわち、前記各LEDアレイ201i,201iの発光面201j,201jには、当該光源手段としてのLEDアレイ201i,201iから射出される照明光が入射される導光手段を構成する導光体201k,201kが隣接するように配置されている。これらの導光手段としての導光体201k,201kは、光源手段から入射する照明光を所定方向に出射させて原稿の照射を行うものであって、主走査方向である原稿幅方向に沿って延在する細長状の透明体から形成されており、前記各LEDアレイ201i,201iの発光面201j,201jを前面側から覆うように配置されている。これによって、前記各LEDアレイ201iの各点光源から射出された照明光は、前記プラテンガラス202上の原稿の表面に向かって出射されるようになっている。なお、図5においては導光体の記載を省略している。
そして、このような各LEDアレイ201iから導光体201kを通して射出された照明光の光束は、前記カバー部材(保持部材)201cの上方部分に配置されたプラテンガラス202上の原稿面に照射される。すなわち、このときの原稿読取位置は、ガラス部材としてのプラテンガラス202上にある原稿面位置204と、その原稿面位置204より上方の範囲を指す原稿面上方位置205とからなる。
原稿表面で反射された光束は、前記筐体シャーシ201aの内壁面側に取り付けられた反射手段としてのミラー201m,201n,201p,201q,201rによって反射されて進行方向を変えられ、その後に、前記原稿からの反射光を光電変換手段に結像させる光学系、すなわち、図示を省略した結像レンズ等からなる光学系によって、結像される位置に配置された光電変換手段であるCCDセンサ201sに適宜の倍率で原稿画像が結像されて受光が行われ、原稿画像の読取が完了されるようになっている。
上述したように前記導光体201kの光学的機能によって照明の方向が制御されていることから、前記カバー部材201cを構成している板金の形成精度が低下していることなどにより、例えば当該導光体201kとLEDアレイ201iとの間に多少の隙間が空いてしまったような場合であっても、その導光体201kの光学的機能により読取光量が大幅に低下するような事態を生じることはない。
このとき、光源であるLEDアレイ201i,201iの光束量を増やすことなく、プラテンガラス202におけるガラス面直上位置である原稿面位置204における光量を向上させる場合、つまり、より高速に原稿を読み取る場合や、より高解像度な読取を行う場合などには、従来では、導光体201k,201kの出射面の方向を変更し、より原稿面位置204を照射するように調整するしかなったが、そのようにすると原稿面上方位置205での光量は調整前より明らかに落ちることになり、読み取られた画像は、調整前よりも暗い画像になってしまう。つまり、プラテンガラス202における原稿面位置204と原稿面上方位置205の光量は、互いに反比例して相互依存の関係にあるのが従来からの常識となっている。
これに対して、本実施形態における導光体201k,201kには、図7に示されているように、従来と同様にして設けられた第1出射面206に加えて、第2出射面207が設けられている。この第2出射面207は、図8にも示されているように、導光体201kの内部で乱反射した光束の一部を原稿面上方位置205へ照射するように設けられたものである。この第2出射面207から原稿面直上に照射しない理由としては、当該第2出射面207から照射される光束は、元来、導光体201kの内部で乱反射して第1出射面206からは出射されない光の一部であるために、当該第2出射面207から出射された光束に、照射の向きやその量に規則性が少ないからである。もし、そのような光を原稿面直上に照射すると、不規則な向きと均一でない光量分布のために、原稿面の被読取物の表面で正反射を起こし、正反射光が直接光学系へ反射しフレアとして読取画像に現れたり、不均一な光量分布によって良好な読取画像が得られない。
これに対して、第2出射面207からの照射光を原稿面直上ではなく原稿面の上方へ照射すると、上述した原稿面直上に比較して被読取物までの距離が遠いために光束の分散が大きくなって光量そのものも低下することから、読取範囲の光量分布のピーク光量とボトム光量との差分においては、ピーク光量の低下がボトム光量の低下に比べ大きくなり、不均一な光量分布は大きく改善される。また、そのとき被読取物は、立体物や厚い本であるような高さのある物体であるために、ガラス面上に水平に被読取物を置いて読ませる原稿面直上時とは違って、読取画像でのフレアや迷光に対しては非常に鈍感である。さらに、原稿面上方での光量は、第1出射面206から原稿面上方へ照射する光量より少ないために、第2出射面207からの光束が不規則であるということが非常に目立たなくなる。これらの理由から、第2出射面207から不規則な光束を照射する場合には、原稿面上方へ照射させるのが望ましいこととなる。
これら第1出射面206及び第2出射面207から原稿面へ照射されている照明系は、図9に示されているように構成されている。すなわち、光源であるLEDアレイ201i,201iから出射する光束のうちの第1出射面206から照射される光束は、いわゆるメインの照明であり、その光量や照射角度、光量分布等は計算に基づき規則性を持ちながら原稿面へ照射される。一方、第2出射面207からの光束は、導光体201kの内部で第1出射面206から出射されるようにコントロールできなかった光束であるため、原稿面直上へ照射しないようにだけさえすれば、第1出射面206からの光束に対する補助的な照明の役割をし、原稿面上方での画像の光量を向上させる効果がある。
一方、上述した第1の実施形態と同一の構成部材に対して同一の符号を付した図10にかかる第2の実施形態においては、導光体201kには、第1出射面206からの照射光が通る光路を妨げない位置に、前記第2出射面207の近傍を焦点とし、かつ光軸が前記第2出射面207を通るように湾曲反射面301が形成されている。すなわち、この湾曲反射面301は、導光体201kの第1出射面206から照射される光束の光路を妨げないように導光体201kの下面側に配置されたものであって、第2出射面207の近傍に焦点を有するとともに、その第2出射面207から照射された照明光のいわゆる光軸が、図8中の一点鎖線で示されているように、湾曲反射面301と、その焦点を通るように構成されている。そして導光体201kの内部で乱反射された光束が湾曲面31で反射することによって、おおむね第2出射面207の方向へ反射されて第2出射面207から出射されるようになっている。このような構成とすれば、湾曲反射面301を備えていない構造に比して効率良く照射が行われる。
以上、本発明者によってなされた発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態においては光源手段を構成している点光源としてLEDアレイを採用しているが、冷陰極管やキセノン管を使った光源手段や、導光体の側面から複数またはひとつのLEDチップにて照射する方式の光源手段等のように、種々の光源手段が採用可能である。
加えて上述した実施形態は、複写機に対して本発明を適用したものであるが、プリンタ等の画像形成装置、あるいはその他の装置に対しても本発明は同様に適用することができる。
以上述べたように本発明にかかる原稿読取装置及びそれを備えた画像形成装置は、プリンタや複写機などの多種多様な画像形成装置やその他の装置に対して広く適用することが可能である。
A 画像形成装置本体
B スキャナ部(画像読取装置)
B1 両側枠
B2 移動支持軸
B3 無端環状ベルト
B4 プーリ
B5 モータ
C 画像形成部
D シート状記録媒体デッキ
R 画像転写部
N 定着ニップ部
112 感光ドラム
115 転写ローラ
118 定着装置
201 一体型照明光学ユニット
201a 筐体シャーシ
201b 摺動軸受
201c カバー部材(保持部材)
201h 光源取付面
201i LEDアレイ(点光源)
201j 発光面
201k 導光体
201m,201n,201p,201q,201r ミラー
201s CCDセンサ(光電変換手段)
202 プラテンガラス(ガラス部材)
204 原稿面位置
205 原稿面上方位置
206 第1出射面
207 第2出射面
301 湾曲反射面

Claims (3)

  1. 原稿を載置するガラス部材と、該ガラス部材の上面の原稿読取位置に光を照射するための光源と、該光源を前記原稿読取位置に導光させる導光体を有する照明手段とを備え、
    前記原稿読取位置が、前記ガラス部材上にある原稿面位置と該原稿面位置より上方の範囲を指す原稿面上方位置とからなるものであって、
    前記照明手段により原稿表面で反射された光束を結像手段にて結像し、前記結像手段の結像位置に配置された光電変換手段により原稿の画像を読み取るように構成された画像読取装置の照明手段において、
    前記導光体には、前記光源から発せられる光束を前記原稿面位置と前記原稿面上方位置へ照射する第1出射面と、前記光源から発せられる光束のうち前記第1出射面から照射される光束と異なる光束を前記原稿面上方位置に照射する第2出射面が設けられていることを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記導光体には、前記第1出射面からの照射光が通る光路を妨げない位置に、前記第2出射面近傍を焦点とし、かつ光軸が前記第2出射面を通るように湾曲反射面が形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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