JP2011132608A - 強化シート又は強化成形体及びそれらの製造方法 - Google Patents

強化シート又は強化成形体及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、無機粉体に起因する機能を十分に発現することができ、かつ、強度に優れた強化シート又は強化成形体を提供することである。
【解決手段】本発明に係る強化シート又は強化成形体は、無機粉体と、繊維体として有機繊維若しくは無機繊維又はその両方とを構造主成分とし、かつ、無機粉体の乾燥質量を繊維体の乾燥質量と同じか又はそれよりも多くし、有機酸若しくは無機酸又はその両方と凝集剤とを含有したシート又は該シートの熱圧成形体であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、強化シート又は強化成形体及びそれらの製造方法に関し、更に詳しくは、無機粉体を高含有し、かつ、強度に優れた強化シート又は強化成形体及びそれらの合理的かつ効率的な製造方法に関する。
従来、シート又は成形体に各種機能を付与するために無機粉体を含有せしめることが行われている。
しかるに、無機粉体を含有せしめることで一般にシート又は成形体の強度が低下し、特に無機粉体を高含有せしめた場合には、シート又は成形体の強度は著しく低下する。かかる難点を解決するために、現在までいくつかの提案がなされてきた。
無機粉体を高含有せしめたシート又は成形体の用途の一つである不燃・難燃材分野について見ると、例えば含水無機化合物と炭酸塩を特定配合比率で併用することによる難燃性の向上効果によって、含有し得る合成高分子の量を増加せしめ、かかる難燃性基材の強度を向上せしめるという技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、含水無機化合物又は含水無機化合物と炭酸塩を高配合し、その他にセルロース繊維、無機繊維及び熱硬化性樹脂を含有する不燃性基材において、該熱硬化性樹脂の所定量を該不燃性基材の表層部に含有せしめることによって、不燃性を維持しつつ、強度を向上させることができるという技術が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特開平5−112659号公報 特開平8−198980号公報
しかし、特許文献1に記載の技術をもってしても、かかる分野での性能向上要求は更に強いものがあり、より高度の難燃性を確保するために合成高分子の配合量を少なくすると強度の低下は避けられない。
また、特許文献2による技術では、不燃性基材中に熱硬化性樹脂が均一には含有されていない。すなわち、表層部には熱硬化性樹脂が比較的多く含有されるが、中芯部には熱硬化性樹脂が非常に少量しか含有されないため、表層部に含有せしめられた熱硬化性樹脂による強度発現効果が有効に作用する曲げ強さは比較的強くせしめることができるものの、基材中芯部のわずかな熱硬化性樹脂による強度発現効果は僅かなものとなり、基材中の最弱部の強度に依存する剥離強さなどは更なる改善が求められている。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたもので、無機粉体を高含有し、かつ、強度に優れた強化シート又は強化成形体及びそれらの合理的かつ効率的な製造方法を提供するものである。
本発明に係る強化シートの製造方法は、繊維体として有機繊維若しくは無機繊維又はその両方と、該繊維体と乾燥質量換算で同じか又はそれよりも多く配合した無機粉体と、有機酸若しくは無機酸又はその両方と、を含有する原料スラリーを調製する工程と、該原料スラリーに凝集剤を添加し、該原料スラリーを凝集状態とする工程と、凝集した原料スラリーを湿式抄造してシートを得る工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る強化シートの製造方法では、前記原料スラリーを調整する工程において、該原料スラリーに合成高分子バインダーを更に含有させることが好ましい。合成高分子バインダーを含有させることで、十分に、無機粉体に起因する機能及び機械的強度若しくは成形賦形効果又は無機粉体の脱落防止効果を確保しやすくなる。
本発明に係る強化シートの製造方法では、前記合成高分子バインダーが熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の中から選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。
本発明に係る強化シートの製造方法では、前記無機粉体が含水無機化合物、炭酸塩、タルク、鉄鋼スラグ及び珪酸カルシウムの中から選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。無機粉体の種類に応じて、シート又は成形体に不燃性、難燃性、調湿性等の機能を付与することができる。
本発明に係る強化シートの製造方法では、前記有機繊維がセルロース繊維及び有機合成繊維の中から選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。
本発明に係る強化シートの製造方法では、前記無機繊維がロックウール繊維及びガラス繊維の中から選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。
本発明に係る強化シートの製造方法では、前記有機酸が蟻酸及び酢酸の中から選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。
本発明に係る強化シートの製造方法では、前記無機酸が塩酸、硫酸、硝酸及び燐酸の中から選ばれた少なくとも1種類であることが好ましい。
本発明に係る強化シートの製造方法は、前記シートを重ねて、2層以上のシート積層体を形成する工程を更に有していてもよい。強化シートの厚さを容易に厚くすることができる。
本発明に係る強化シートの製造方法では、前記積層体を形成する工程において、巻取板紙抄紙機(ワイヤパートで形成した湿紙をワインドアップロール(カットオフロール)に巻き付けて所定の積層数にしてから、枚葉に切断し、プレス、乾燥して板紙を製造する機械。)にてシート積層体を形成することが好ましい。最小限の設備導入で、既存の抄紙機にてシート積層体が得られる。
本発明に係る強化成形体の製造方法は、本発明に係る強化シートの製造方法における前記のシート又はシート積層体を熱圧成形して成形体を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明に係る強化シート又は強化成形体は、本発明に係る強化シートの製造方法又は本発明に係る強化成形体の製造方法から得られたことを特徴とする。板状シートのみならず、各種形状の成形体が容易に得られる。
本発明に係る強化シート又は強化成形体は、無機粉体と、繊維体として有機繊維若しくは無機繊維又はその両方とを構造主成分とし、かつ、無機粉体の乾燥質量を繊維体の乾燥質量と同じか又はそれよりも多くし、有機酸若しくは無機酸又はその両方と凝集剤とを含有したシート又は該シートの熱圧成形体であることを特徴とする。
本発明に係る強化シート又は強化成形体では、合成高分子バインダーを更に含有することが好ましい。合成高分子バインダーを含有させることで、十分に、無機粉体に起因する機能及び機械的強度若しくは成形賦形効果又は無機粉体の脱落防止効果を確保しやすくなる。
本発明の強化シート又は強化成形体の製造方法によれば、原料スラリー中に有機酸若しくは無機酸又はその両方を含有せしめることによって、無機粉体を高含有せしめ該無機粉体に起因する機能を十分に付与せしめることができ、かつ、後加工でバインダーを塗布又は含浸せしめるなどの工程数の増加なしに、強度向上を図ることができるという長所が達成された。そして、本発明の強化シート又は強化成形体は、無機粉体に起因する機能を十分に発現することができ、かつ、強度に優れるという利点を有する。
次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係る強化シート又は強化成形体は、無機粉体と、繊維体として有機繊維若しくは無機繊維又はその両方とを構造主成分とし、かつ、無機粉体の乾燥質量を繊維体の乾燥質量と同じか又はそれよりも多くし、有機酸若しくは無機酸又はその両方と凝集剤とを含有したシート又は該シートの熱圧成形体である。ここで、本実施形態に係る強化シートは、例えば、繊維体として有機繊維若しくは無機繊維又はその両方と、繊維体と乾燥質量換算で同じか又はそれよりも多く配合した無機粉体と、有機酸若しくは無機酸又はその両方と、を含有する原料スラリーを調製する工程と、原料スラリーに凝集剤を添加し、原料スラリーを凝集状態とする工程と、凝集した原料スラリーを湿式抄造してシートを得る工程と、を有する製造方法によって得られる。次に詳細に説明する。
本実施形態で使用する有機酸は、有機化合物のうち酸性をもつものであり、蟻酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸などのカルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸などの中から少なくとも1種類を選択して使用する。この中で蟻酸又は酢酸がより好ましい。
本実施形態で使用する無機酸は、Cl、S、N、P、Cなどの非金属を含む酸基が水素と結合してできた酸であり、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、炭酸、硼酸などの中から少なくとも1種類を選択して使用する。この中で塩酸、硫酸、硝酸又は燐酸がより好ましい。
本実施形態における有機酸の添加量範囲、無機酸の添加量範囲又は有機酸及び無機酸の合計の添加量範囲は、有機酸又は無機酸の種類及び無機粉体の種類等を勘案して適宜決定されるが、いずれも、全原料固形分100質量部に対して、有効成分で好ましくは0.01〜10.00質量部、更に好ましくは0.03〜5.00質量部、最も好ましくは0.05〜3.00質量部である。その添加量が0.01質量部未満では、有機酸若しくは無機酸又はその両方の過少によって十分な強度向上効果が得られないことがある。反対に、10.00質量部を超えた場合は、有機酸若しくは無機酸又はその両方の過多によって抄紙時のpHを含む抄造排水pH(以下、抄造排水pHという。)の低下を招くことがある。ただし、有機酸若しくは無機酸又はその両方の添加量を有効成分で0.01〜10.00質部の範囲とすることで、抄造排水pHの低下を最小限度にしつつ、十分な強度向上効果を確保しやすくなり、0.03〜5.00質量部の範囲とすることで、一際、抄造排水pHの低下を最小限度にしつつ、十分な強度向上効果を確保しやすくなり、0.05〜3.00質量部の範囲とすることで、なお一段と、抄造排水pHの低下を最小限度にしつつ、十分な強度向上効果を確保しやすくなる。ここで、前記の全原料固形分とは構造主成分の固形分のことであり、つまり、無機粉体及び繊維体である有機繊維若しくは無機繊維又はその両方であり、更に合成高分子バインダーを含有する場合には、それも含む。また、有機酸及び無機酸はそれぞれ単独での添加が可能であるが、両方を添加する場合にはその配合質量比(有効成分比)は、例えば99:1〜1:99とする。
本実施形態で使用する無機粉体は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の含水無機化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、タルク、鉄鋼スラグ、珪酸カルシウム、シリカゲル、珪藻土等の中から少なくとも1種類を選択して使用する。使用する無機粉体の種類に応じて、シート又は成形体に不燃性、難燃性、調湿性等の機能を付与することができる。
本実施形態で使用する含水無機化合物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、二水和石こう、アルミン酸カルシウム(xCaO・Al・yHO;x=1〜4、y=5〜19)などを挙げることができる。これらの化合物は、何れも分子内に結晶水をもち、化学的に類似した構造を有する。また、含水無機化合物は、その種類によって分解温度及び吸熱量に幾分差があるが、高温加熱時に分解して吸熱作用によって難燃化効果を示すという点では全く共通している。したがって、基本的に前記した含水無機化合物の何れを用いてもよいが、入手価格等の経済性をも考慮すると水酸化アルミニウムが最適である。
本実施形態で使用する炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸ベリリウム、炭酸亜鉛等を挙げることができる。これらの炭酸塩は、その種類によって、分解温度及び吸熱量に幾分差があるが、高温加熱時に分解して吸熱作用によって難燃化効果を示すという点では全く共通している。したがって、基本的に前記した炭酸塩の何れを用いてもよいが、入手価格等の経済性をも考慮すると、炭酸カルシウムが最適である。なお、炭酸塩配合によるもうひとつの重要な効果として、本発明者が特許文献1で指摘したところの発煙量低減効果を挙げることができる。
本実施形態で使用するタルクは、粘土鉱物の1種であり、3MgO・2SiO・2HOなる化学式を有し、少量の酸化鉄(Fe)、酸化カルシウム(CaO)、酸化アルミニウム(Al)などを含有し得る。
本実施形態で使用する鉄鋼スラグは、鉄鋼製造工程において副産物として生成するものであり、高炉工程で生成する高炉スラグと製鋼工程で生成する製鋼スラグがある。鉄鋼スラグは、高炉スラグ及び製鋼スラグ共に酸化カルシウム(CaO)と二酸化珪素(SiO)とを主成分としており、いずれを用いてもよいが、粉体状又は繊維状に加工したものが好ましく、特に、高炉スラグ微粉末が適している。
本実施形態で使用する珪酸カルシウムは、珪酸塩の1種であり、酸化カルシウムと二酸化珪素の結合した組成を有する化合物である。主に天然物であるウォラストナイトと主に合成物であるゾノトライト、トバモライトなどがある。ウォラストナイトはCaSiO又はCaO・SiOで、ゾノトライトは6CaO・6SiO・HOで、トバモライトは5CaO・6SiO・5HOで示される。市販の珪酸カルシウムは、これらの化学式の他に、少量の酸化アルミニウム(Al)、酸化鉄(Fe)などを含有し得る。
本実施形態の強化シート又は強化成形体中において、無機粉体は構造主成分の一つであり、構造主成分のうちの無機粉体の含有率範囲は固形分で好ましくは50〜98質量%、更に好ましくは60〜95質量%、最も好ましくは70〜93質量%である。その含有率が50質量%未満では、無機粉体に起因する機能を十分に付与できないことがあり、98質量%を超えた場合は、有機繊維若しくは無機繊維又はその両方が過少となり、十分な抄造性を得ることができないことがある。ただし、強化シート又は強化成形体中の無機粉体の含有率を固形分で50〜98質量%の範囲とすることで、十分に、無機粉体に起因する機能及び抄造性を確保しやすくなり、60〜95質量%の範囲とすることで、一際、十分に、無機粉体に起因する機能及び抄造性を確保しやすくなり、70〜93質量%の範囲とすることで、なお一段と、十分に、無機粉体に起因する機能及び抄造性を確保しやすくなる。
前記した有機繊維としては、セルロース繊維、各種有機合成繊維などの中から選ばれる1種類又は2種類以上を併用して使用すればよい。この場合、セルロース繊維としては、針葉樹系若しくは広葉樹系の化学パルプ、機械パルプ、セミケミカルパルプ等の木材パルプ又は木綿パルプ、麻パルプ、各種古紙などを適宜使用すればよい。木材パルプは、供給量及び品質が安定しており価格も比較的安価であることから最も使いやすいセルロース繊維原料である。有機合成繊維としては、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ビニロン系繊維、アラミド系繊維などを適宜使用すればよい。
前記した無機繊維としては、ロックウール繊維、ガラス繊維、セラミック繊維又は炭素繊維などの中から少なくとも1種類を選択して使用する。この中でロックウール繊維又はガラス繊維がより好ましい。
本実施形態に係る強化シート又は強化成形体中の有機繊維の含有率範囲、無機繊維の含有率範囲又は有機繊維及び無機繊維の合計の含有率範囲、すなわち構造主成分のうちの繊維体の含有率範囲は、固形分で好ましくは1〜50質量%、更に好ましくは2〜40質量%、最も好ましくは3〜30質量%である。その含有率が1質量%未満では、有機繊維若しくは無機繊維又はその両方の過少によって十分な抄造性が得られないことがある。反対に、50質量%を超えた場合は、無機粉体の過少によって無機粉体に起因する機能を十分に付与できないことがある。ただし、強化シート又は強化成形体中の有機繊維若しくは無機繊維又はその両方の含有率を固形分で1〜50質量%の範囲とすることで、十分に、無機粉体に起因する機能及び抄造性を確保しやすくなり、2〜40質量%の範囲とすることで、一際、十分に、無機粉体に起因する機能及び抄造性を確保しやすくなり、3〜30質量%の範囲とすることで、なお一段と、十分に、無機粉体に起因する機能及び抄造性を確保しやすくなる。また、有機繊維及び無機繊維はそれぞれ単独での添加が可能であるが、両方を添加する場合には、その配合質量比は例えば99:1〜1:99、好ましくは90:10〜10:90とする。
本実施形態で使用する合成高分子バインダーは、配合される場合には構造主成分の一つとなるものであり、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ダップ樹脂等の熱硬化性樹脂若しくはポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂又はスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、アクリルニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、メチルメタクリレート・ブタジエンゴム(MBR)などの合成ゴムなどの中から少なくとも1種類を選択して使用する。これらの合成高分子は、その種類によって硬化温度、溶融軟化温度等に幾分差がある。しかし、加熱処理に伴う流動硬化作用又は軟化溶融・再固化作用によって、シート又は成形体に各種成形賦形効果若しくは諸強度の発現効果又は無機粉体の脱落防止効果を与えるという点では全く共通している。したがって、基本的には、前記合成高分子バインダーの何れを用いてもよいが入手価格等の経済性をも考慮すると、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、SBRなどが最適である。
本実施形態の強化シート又は強化成形体において、合成高分子バインダーは必須ではなく、必要に応じて用いればよい。その場合、構造主成分のうちの合成高分子バインダーの含有率範囲は、固形分で好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは2〜20質量%、最も好ましくは3〜15質量%である。その含有率が1質量%未満では、十分な機械的強度若しくは成形賦形効果又は無機粉体の脱落防止効果が得られないことがある。反対に、30質量%を超えた場合は、無機粉体の過少によって無機粉体に起因する機能を十分に付与できないことがある。ただし、構造主成分のうちの合成高分子バインダーの含有率を固形分で1〜30質量%の範囲とすることで、十分に、無機粉体に起因する機能及び機械的強度若しくは成形賦形効果又は無機粉体の脱落防止効果を確保しやすくなり、2〜20質量%の範囲とすることで、一際、十分に、無機粉体に起因する機能及び機械的強度若しくは成形賦形効果又は無機粉体の脱落防止効果を確保しやすくなり、3〜15質量%の範囲とすることで、なお一段と、十分に、無機粉体に起因する機能及び機械的強度若しくは成形賦形効果又は無機粉体の脱落防止効果を確保しやすくなる。
本実施形態の強化シート又は強化成形体の厚さは、特に限定するものではないが、本実施形態の強化シート又は強化成形体を壁材又は天井材などの主構成材として適用する場合、厚さは0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、0.7mm以上であると更に好ましい。厚さを0.3mm以上とすることで、十分な機械的強度を確保しやすくなり、0.5mm以上とすることで、更に十分な機械的強度を確保しやすくなり、0.7mm以上とすることで、一際、十分な機械的強度を確保しやすくなる。
本実施形態に係る強化シート又は強化成形体は、前記配合のもとに、無機粉体を高含有し、更に有機繊維若しくは無機繊維又はその両方を含有するか若しくは更に有機繊維若しくは無機繊維又はその両方、及び合成高分子バインダーを含有し、かつ、有機酸若しくは無機酸又はその両方を含有する原料スラリーを調成し、該スラリーに凝集剤を添加し、スラリーが凝集状態にて湿式抄造し、必要に応じて、熱圧成形することによって得られる。以下において、製造法にも言及しながら更に詳述する。
本実施形態に係る原料スラリーに添加する凝集剤としては、架橋吸着作用等によって該原料スラリー中の無機粉体を有機繊維若しくは無機繊維又はその両方に定着せしめる機能を発現するものであれば、その種類は特に限定されず、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系、ポリアミン系、ポリメタクリル酸エステル系、ジシアンジアミド系、ポリエチレンイミン系、キトサン系、カチオン澱粉系などの任意のものを使用できる。また、係る凝集剤の添加量は、その種類によって適宜決定すべきことはいうまでもないが、本実施形態の場合、原料スラリー中の無機粉体を有機繊維若しくは無機繊維又はその両方に強固に定着せしめるために、原料スラリー中の全固形分100質量部に対して前記凝集剤を固形分で0.005〜0.5質量部程度添加するのが好ましい。ここで、前記の原料スラリー中の全固形分とは構造主成分の固形分のことであり、つまり、無機粉体及び繊維体である有機繊維若しくは無機繊維又はその両方であり、更に合成高分子バインダーを含有する場合には、それも含む。
さらに、原料スラリー中には、必要に応じて着色のための合成染料、顔料などを含有せしめてもよい。また、用途によっては、機械的強度又は後加工性の改善等を図るべく乾燥又は湿潤紙力増強剤、サイズ剤、耐水化剤、はっ水剤などを含有せしめるべきことはいうまでもない。
原料スラリーへの無機粉体と有機繊維若しくは無機繊維又はその両方、若しくは無機粉体、有機繊維若しくは無機繊維又はその両方、並びに合成高分子バインダーの添加方法、添加順序などは任意であり、必要に応じて叩解処理などを施してもよい。
こうして得た原料スラリーを用いて湿式抄造するには、通常の抄造法によればよい。すなわち、長網、円網又は傾斜網などの抄造網上に前記原料スラリーを供給し、濾過、脱水した後、圧搾、乾燥すればよい。また、必要に応じて各種コンビネーション網、多漕円網又は各種ラミネーターなどによってシート層を2層以上重ね合わせてもよい。巻取板紙抄紙機を使用してシート積層体を形成してもよい。
熱圧成形については、従来慣用の熱圧プレス成形、予熱‐コールドプレス成形、高周波加熱成形などを単独で又は2種以上組み合せて適用すればよい。
また、用途によっては、得られた強化シート又は強化成形体に各種塗料による吹付け処理、塗布処理又は印刷などの表面処理を施したり、化粧紙、レザー、合成樹脂膜、突板、金属板、金属箔などの面材を貼り合わせるなどして固着せしめたり、該強化シート又は該強化成形体の付加価値を一段と高めることができることはいうまでもない。
無機粉体を高配合した原料スラリーによる湿式抄造シートの強度向上技術は、まだ十分確立されているとはいい難く、特に、無機粉体に起因する機能発現に支障が出るなどの理由でバインダーの添加量に制約がある場合、又はバインダーを塗布、含浸せしめるなどの後加工に制約がある場合、無機粉体を高配合した原料スラリーによる湿式抄造シートにおいて十分な強度を確保するのは極めて困難であった。
本実施形態の強化シート又は強化成形体の構成において重要な点は、無機粉体を高含有し、更に有機繊維若しくは無機繊維又はその両方を含有する原料スラリーか、又は、無機粉体を高含有し、更に有機繊維若しくは無機繊維又はその両方並びに合成高分子バインダーを含有する原料スラリーに、凝集剤を添加し、凝集状態にて湿式抄造するときに、該原料スラリー中に有機酸若しくは無機酸又はその両方を含有せしめることによって、後加工でバインダーを塗布、含浸せしめるなどの工程数の増加なしに、強度向上を図ることができるという長所が達成されたことである。その結果として、得られる本実施形態のシート又は成形体は、無機粉体を高含有し、該無機粉体に起因する機能を十分に付与され、かつ、強度に優れるという利点を有する。例えば、シート又は成形体に高度な難燃性を付与する場合、無機粉体の含有率を極力高め、ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験の総発熱量を小さく押えることで、建築基準法に規定する不燃材料、準不燃材料若しくは難燃材料の要件に合格できる高度な難燃性を確保し、又はUL94:1985規格V−0の要件に合格できる高度な難燃性を確保し、かつ、強度に優れるという利点を有する。
本実施形態の強化シート又は強化成形体における強度向上効果の発現機構の詳細は、不明である。しかし、硫酸アルミニウムが凝結作用を示すのに対し、有機酸又は無機酸が凝結作用をほとんど示さないことが関係しているものと推定される。すなわち、無機粉体を高含有し、更に有機繊維若しくは無機繊維又はその両方を含有する原料スラリーか、又は、無機粉体を高含有し、更に有機繊維若しくは無機繊維又はその両方並びに合成高分子バインダーを含有する原料スラリーに、硫酸アルミニウムを添加し、その後に凝集剤を添加する場合には、硫酸アルミニウムの凝結作用によって、硫酸アルミニウムを添加した時点で、有機繊維若しくは無機繊維又はその両方と無機粉体とからなる凝結体、又は、有機繊維若しくは無機繊維又はその両方と無機粉体と合成高分子バインダーとからなる凝結体が形成され、その後に凝集剤を添加すると、この凝結体同士が凝集し比較的大きな凝集体を形成すると考えられる。これに対し、無機粉体を高含有し、更に有機繊維若しくは無機繊維又はその両方を含有する原料スラリーか、又は、無機粉体を高含有し、更に有機繊維若しくは無機繊維又はその両方並びに合成高分子バインダーを含有する原料スラリーに、有機酸若しくは無機酸又はその両方を添加し、その後に凝集剤を添加する場合には、有機酸若しくは無機酸又はその両方はほとんど凝結作用を示さないため、有機酸若しくは無機酸又はその両方を添加した時点では凝結体はほとんど生成されず、その後に凝集剤を添加した時点で、有機繊維若しくは無機繊維又はその両方と無機粉体とが凝集するか、又は、有機繊維若しくは無機繊維又はその両方と無機粉体と合成高分子バインダーとが凝集することとなり、比較的小さな凝集体を形成すると考えられる。実際に、硫酸アルミニウムを使用したときの凝集体の大きさに比べ、有機酸又は無機酸を使用したときの凝集体が小さいことを目視観察ではっきりと認知できた。また、硫酸アルミニウムを使用したときに比べ、有機酸又は無機酸を使用した場合、凝集体は小さいものの無機粉体の歩留は硫酸アルミニウムを使用したときと同等であることから、小さいが強固な凝集体が形成されているものと考えられる。ここでいう無機粉体の歩留とは、(シート中の固形分中の無機粉体の含有率)/(原料スラリー中の固形分中の無機粉体の含有率)で求まる割合のことである。そして、有機酸若しくは無機酸又はその両方を使用したときは、硫酸アルミニウムを使用したときに比べ小さい凝集体が形成されることによって、この凝集体同士が結合してシートとなるときの凝集体同士の結合点が増加するとともに、シート構造がより均質化し、その結果として、曲げ強さ又は剥離強さといった諸強度が向上することとなると推定される。
なお、本実施形態においては、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸鉄などの凝結剤を使用しない方が好ましいが、有機酸若しくは無機酸又はその両方使用による強度向上効果が得られる範囲において、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸鉄などの凝結剤を併用することは本発明の範囲内である。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
本実施例・比較例中の各項目の測定は、次の方法によった。
(1)厚さ及び密度:JIS P 8118:1998に準拠した。
(2)曲げ強さ:JIS A 5905:1994に準拠した。繊維配向性がある場合、繊維配向方向とこれに直角をなす方向について測定し両者の平均を求めた。
(3)坪量:JIS P 8124:1998に準拠した。
(4)剥離強さ:JIS K 6853:1994の割裂接着強さ試験に準拠した。繊維配向性がある場合、繊維配向方向とこれに直角をなす方向について測定し両者の平均を求めた。
(5)難燃性1:建築基準法第2条第九号に該当する不燃材料の要件に対する合否で評価した。すなわち、ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験(加熱強度;50kW/m、過熱時間;20分)において、
総発熱量:8MJ/mを超えない場合が適合。
亀裂及び穴:防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がない場合が適合。
最高発熱速度:最高発熱速度が10秒を超えて継続して200kW/mを超えない場合が適合。
不燃材料合否:総発熱量、亀裂及び穴、並びに最高発熱速度が何れも適合の場合が合格。一つでも不適合の場合は不合格。
(6)難燃性2:建築基準法施行令第1条第五号に該当する準不燃材料の要件に対する合否で評価した。すなわち、ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験(加熱強度;50kW/m、過熱時間;10分)において、
総発熱量:8MJ/mを超えない場合が適合。
亀裂及び穴:防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がない場合が適合。
最高発熱速度:最高発熱速度が10秒を超えて継続して200kW/mを超えない場合が適合。
準不燃材料合否:総発熱量、亀裂及び穴、並びに最高発熱速度が何れも適合の場合が合格。一つでも不適合の場合は不合格。
(7)難燃性3:建築基準法施行令第1条第六号に該当する難燃材料の要件に対する合否で評価した。すなわち、ISO 5660 part 1:1993に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験(加熱強度;50kW/m、過熱時間;5分)において、
総発熱量:8MJ/mを超えない場合が適合。
亀裂及び穴:防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がない場合が適合。
最高発熱速度:最高発熱速度が10秒を超えて継続して200kW/mを超えない場合が適合。
難燃材料合否:総発熱量、亀裂及び穴、並びに最高発熱速度が何れも適合の場合が合格。一つでも不適合の場合は不合格。
(8)難燃性4:UL94:1985規格V−0の要件に対する合否で評価した。
なお、難燃性1〜難燃性4の評価項目については、「合格」か否かの評価は、本発明の必須に要求される評価ではなく、参考的評価である。もちろん「合格」の評価であれば、その用途に対する使用が可能となり、好ましい態様である。
[実施例1]
市販の針葉樹系未晒硫酸塩パルプ(以下、有機繊維aと略称する。)を標準離解機にて離解して得た有機繊維の分散液の所定量を取り、これに水酸化アルミニウム粉体(湿式沈降法による平均粒径が18μmである。以下同じ)、及び炭酸カルシウム粉体(比表面積法による平均粒径が2.8μmである。以下同じ)を添加し、攪拌機にて十分に分散混合した後、全原料固形分100質量部に対して、硫酸を有効成分で0.15質量部添加し撹拌し原料スラリーとした。次いで、全原料固形分100質量部に対して、ポリアクリル酸系凝集剤(栗田工業(株)社製、ハイホールダー251)を固形分で0.01質量部添加し、凝集状態にて、角型テスト抄紙機にて抄造し、圧搾、乾燥(ほぼ絶乾状態、水分1質量%以下)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿してシートAを得た。
シートAについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例2]
実施例1において、硫酸に代えて塩酸を有効成分で0.3質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、シートBを得た。
シートBについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例3]
有機繊維aと繊維長3mmのロックウール繊維(以下、無機繊維aと略称する。)を標準離解機にて離解して得た有機繊維と無機繊維の混合分散液の所定量を取り、これに炭酸カルシウム粉体を添加し、攪拌機にて十分に分散混合した後、全原料固形分100質量部に対して、硫酸を有効成分で0.15質量部添加し撹拌し原料スラリーとした。次いで、全原料固形分100質量部に対して、ポリアクリルアミド系凝集剤を固形分で0.01質量部添加し、凝集状態にて、角型テスト抄紙機にて抄造し、圧搾、乾燥(ほぼ絶乾状態、水分1質量%以下)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿してシートCを得た。
シートCについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例4]
実施例3において、硫酸に代えて塩酸を有効成分で0.3質量部添加した以外は、実施例3と同様にして、シートDを得た。
シートDについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例5]
有機繊維aと無機繊維aを標準離解機にて離解して得た有機繊維と無機繊維の混合分散液の所定量を取り、これに水酸化アルミニウム粉体、炭酸カルシウム粉体及び粉体状フェノール樹脂(平均粒径30μmである。以下同じ。)を添加し、攪拌機にて十分に分散混合した後、全原料固形分100質量部に対して、硫酸を有効成分で0.15質量部添加し撹拌し原料スラリーとした。次いで、全原料固形分100質量部に対して、ポリアクリルアミド系凝集剤を固形分で0.01質量部添加し、凝集状態にて、角型テスト抄紙機にて抄造し、圧搾、乾燥(ほぼ絶乾状態、水分1質量%以下)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿してシートEを得た。
シートEについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例6]
実施例5において、硫酸に代えて塩酸を有効成分で0.3質量部添加した以外は、実施例5と同様にして、シートFを得た。
シートFについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例7]
実施例5において、硫酸に代えて硝酸を有効成分で0.3質量部添加した以外は、実施例5と同様にして、シートGを得た。
シートGについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例8]
実施例5において、硫酸に代えて燐酸を有効成分で0.6質量部添加した以外は、実施例5と同様にして、シートHを得た。
シートHについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例9]
実施例5において、硫酸に代えて蟻酸を有効成分で0.8質量部添加した以外は、実施例5と同様にして、シートIを得た。
シートIについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例10]
実施例5において、硫酸に代えて酢酸を有効成分で0.9質量部添加した以外は、実施例5と同様にして、シートJを得た。
シートJについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例11]
実施例5において、無機繊維aに代えて繊維長3mmのガラス繊維(以下、無機繊維bと略称する。)を用いた以外は、実施例5と同様にして、シートKを得た。
シートKについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例12]
実施例11において、硫酸に代えて塩酸を有効成分で0.3質量部添加した用いた以外は、実施例11と同様にして、シートLを得た。
シートLについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例13]
実施例5において、無機繊維aに代えてポリオレフィン樹脂系繊維(市販のポリエチレン系合成パルプである。三井化学(株)社製、SWP E500、以下同じ。)を用いた以外は、実施例5と同様にして、シートMを得た。
シートMについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例14]
実施例13において、硫酸に代えて塩酸を有効成分で0.3質量部添加した以外は、実施例13と同様にして、シートNを得た。
シートNについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例15]
実施例5において、各成分の配合量を変化せしめた以外は、実施例5と同様にして、シートOを得た。
シートOについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例16]
実施例6において、各成分の配合量を変化せしめた以外は、実施例6と同様にして、シートPを得た。
シートPについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例17]
実施例7において、各成分の配合量を変化せしめた以外は、実施例7と同様にして、シートQを得た。
シートQについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例18]
実施例8において、各成分の配合量を変化せしめた以外は、実施例8と同様にして、シートRを得た。
シートRについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例19]
実施例9において、各成分の配合量を変化せしめた以外は、実施例9と同様にして、シートSを得た。
シートSについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例20]
実施例10において、各成分の配合量を変化せしめた以外は、実施例10と同様にして、シートTを得た。
シートTについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例21]
実施例15において、水酸化アルミニウム粉体と炭酸カルシウム粉体に代えてタルク粉体(平均粒径10μmである。以下同じ。)を用いた以外は、実施例15と同様にして、シートUを得た。
シートUについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例22]
実施例16において、水酸化アルミニウム粉体と炭酸カルシウム粉体に代えてタルク粉体を用いた以外は、実施例16と同様にして、シートVを得た。
シートVについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例23]
実施例5において、水酸化アルミニウム粉体と炭酸カルシウム粉体に代えて鉄鋼スラグの一種である高炉スラグ(湿式レーザー回折・散乱法による平均粒径が約15μmであり、ブレーン空気透過法による比表面積が3890cm/gである。以下同じ。)を用い、硫酸の添加量を有効成分で1.1質量部とした以外は、実施例15と同様にして、シートWを得た。
シートWについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例24]
実施例6において、水酸化アルミニウム粉体と炭酸カルシウム粉体に代えて高炉スラグを用い、塩酸の添加量を有効成分で1.2質量部とした以外は、実施例15と同様にして、シートXを得た。
シートXについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例25]
実施例15において、無機繊維aに代えてポリエステル系繊維(繊維径12μm、繊維長5mmである。以下同じ。)を用いた以外は、実施例15と同様にして、シートYを得た。
シートYについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例26]
有機繊維aと無機繊維aをパルパーにて離解し、これに水酸化アルミニウム粉体、炭酸カルシウム粉体及び粉体状フェノール樹脂を添加し、十分に分散混合した後、全原料固形分100質量部に対して、硫酸を有効成分で0.15質量部添加し撹拌し原料スラリーとした。次いで、全原料固形分100質量部に対して、ポリアクリルアミド系凝集剤を固形分で0.06質量部添加し、凝集状態にて、長網/ワインドアップロール構成の巻取板紙抄紙機にてシート層を20層積層させて抄造し、圧搾、乾燥(ほぼ絶乾状態、水分1質量%以下)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿してシートZを得た。
シートZについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、抄紙時のpH、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例27]
実施例5と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Eを得た。
成形体Eについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例28]
実施例6と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートFに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Fを得た。
成形体Fについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例29]
実施例7と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Gを得た。
成形体Gについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例30]
実施例8と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Hを得た。
成形体Hについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例31]
実施例9と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Iを得た。
成形体Iについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例32]
実施例10と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Jを得た。
成形体Jについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例33]
実施例11と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Kを得た。
成形体Kについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例34]
実施例12と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Lを得た。
成形体Lについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例35]
実施例13と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Mを得た。
成形体Mについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例36]
実施例14と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Nを得た。
成形体Nについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例37]
実施例15と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Oを得た。
成形体Oについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例38]
実施例16と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Pを得た。
成形体Pについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例39]
実施例17と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Qを得た。
成形体Qについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例40]
実施例18と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Rを得た。
成形体Rについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例41]
実施例19と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Sを得た。
成形体Sについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例42]
実施例20と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Tを得た。
成形体Tについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[実施例43]
実施例26と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体Zを得た。
成形体Zについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例1]
実施例1において、硫酸に代えて硫酸アルミニウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、シートAAを得た。
シートAAについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例2]
実施例3において、硫酸に代えて硫酸アルミニウムを固形分で0.25質量部添加した以外は、実施例3と同様にして、シートABを得た。
シートABについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例3]
実施例5において、硫酸に代えて硫酸アルミニウムを固形分で0.25質量部添加した以外は、実施例5と同様にして、シートACを得た。
シートACについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例4]
実施例11において、硫酸に代えて硫酸アルミニウムを固形分で0.25質量部添加した以外は、実施例11と同様にして、シートADを得た。
シートADについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例5]
実施例13において、硫酸に代えて硫酸アルミニウムを固形分で0.25質量部添加した以外は、実施例13と同様にして、シートAEを得た。
シートAEについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例6]
実施例15において、硫酸に代えて硫酸アルミニウムを固形分で0.25質量部添加した以外は、実施例15と同様にして、シートAFを得た。
シートAFについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例7]
実施例21において、硫酸に代えて硫酸アルミニウムを固形分で0.25質量部添加した以外は、実施例21と同様にして、シートAGを得た。
シートAGについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例8]
実施例23において、硫酸に代えて硫酸アルミニウムを固形分で0.25質量部添加した以外は、実施例23と同様にして、シートAHを得た。
シートAHについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例9]
実施例25において、硫酸に代えて硫酸アルミニウムを固形分で0.25質量部添加した以外は、実施例25と同様にして、シートAIを得た。
シートAIについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例10]
実施例26において、硫酸に代えて硫酸アルミニウムを固形分で0.25質量部添加した以外は、実施例26と同様にして、シートAJを得た。
シートAJについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例11]
比較例3と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートACに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体ACを得た。
成形体ACについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例12]
比較例4と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートADに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体ADを得た。
成形体ADについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例13]
比較例5と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートAEに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体AEを得た。
成形体AEについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例14]
比較例6と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートAFに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体AFを得た。
成形体AFについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
[比較例15]
比較例10と同様にして得た23℃、相対湿度50%にて十分に調湿したシート(シートAJに相当)を熱プレスにて加熱処理(温度175℃、圧力2.0MPa、時間3分)し、その後、23℃、相対湿度50%にて十分に調湿して成形体AJを得た。
成形体AJについて、各成分の含有率を表1に示すとともに、厚さ、密度、坪量、曲げ強さ、剥離強さ、難燃性1、難燃性2、難燃性3及び難燃性4をそれぞれ測定し、その結果を表2及び表3に示した。
前記した実施例1〜43及び比較例1〜15について、よく対応するものを比較しながら、更に詳しく説明する。
まず、実施例1、2と比較例1とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例1、2が無機酸(実施例1が硫酸、実施例2が塩酸)を用いたのに対し、比較例1では無機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例1、2と比較例1は共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例1が3.31mm、実施例2が3.43mm、比較例1が3.36mm)であり、難燃性も良好(UL94規格V−0の要件に対して、実施例1、2と比較例1とは共に合格)でほぼ同等であるが、曲げ強さは比較例1が0.39MPaであるのに対し、実施例1が0.49MaPであり約26%高く、実施例2が0.48MaPであり約23%高くなっている。このように、実施例1、2は、比較例1よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例3、4と比較例2とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例3、4が無機酸(実施例3が硫酸、実施例4が塩酸)を用いたのに対し、比較例2では無機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例3、4と比較例2は、共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例3が1.64mm、実施例4が1.68mm、比較例2が1.73mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する不燃材料、準不燃材料及び難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例3、4と比較例2とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例2が0.70MPaであるのに対し、実施例3が0.84MaPであって約20%高く、実施例4が0.85MaPであって約21%高くなっている。このように、実施例3、4は、比較例2よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例5、6、7、8、9、10と比較例3とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例5、6、7、8、9、10が無機酸又は有機酸(実施例5が硫酸、実施例6が塩酸、実施例7が硝酸、実施例8が燐酸、実施例9が蟻酸、実施例10が酢酸)を用いたのに対し、比較例3では無機酸又は有機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例5、6、7、8、9、10と比較例3とは共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例5が3.72mm、実施例6が3.73mm、実施例7が3.62mm、実施例8が3.51mm、実施例9が3.73mm、実施例10が3.47mm、比較例3が3.65mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する準不燃材料及び難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例5、6、7、8、9、10と比較例3とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例3が2.51MPaであるのに対し、実施例5が3.57MaPであって約42%高く、実施例6が3.94MaPであって約57%高く、実施例7が3.75MaPであって約49%高く、実施例8が3.57MaPであって約42%高く、実施例9が3.17MaPであって約26%高く、実施例10が4.62MaPであって約84%高くなっている。このように、実施例5、6、7、8、9、10は、比較例3よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例11、12と比較例4とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例11、12が無機酸(実施例11が硫酸、実施例12が塩酸)を用いたのに対し、比較例4では無機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例11、12と比較例4とは共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例11が3.86mm、実施例12が3.96mm、比較例4が4.14mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する準不燃材料及び難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例11、12と比較例4とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例4が1.95MPaであるのに対し、実施例11が2.74MaPであって約41%高く、実施例12が2.64MaPであって約35%高くなっている。このように、実施例11、12は、比較例4よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例13、14と比較例5とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例13、14が無機酸(実施例12が硫酸、実施例13が塩酸)を用いたのに対し、比較例5では無機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例13、14と比較例5とは共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例13が4.44mm、実施例14が4.17mm、比較例5が4.42mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例13、14と比較例5とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例5が1.92MPaであるのに対し、実施例13が2.65MaPであって約38%高く、実施例14が2.72MaPであって約42%高くなっている。このように、実施例13、14は、比較例5よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例15、16、17、18、19、20と比較例6とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例15、16、17、18、19、20が無機酸又は有機酸(実施例15が硫酸、実施例16が塩酸、実施例17が硝酸、実施例18が燐酸、実施例19が蟻酸、実施例20が酢酸)を用いたのに対し、比較例6では無機酸又は有機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例15、16、17、18、19、20と比較例6とは共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例15が3.31mm、実施例16が2.90mm、実施例17が2.90mm、実施例18が3.12mm、実施例19が3.07mm、実施例20が3.12mm、比較例6が3.14mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する不燃材料、準不燃材料及び難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例15、16、17、18、19、20と比較例6とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例6が1.93MPaであるのに対し、実施例15が2.61MaPであり約35%高く、実施例16が2.67MaPであって約38%高く、実施例17が2.35MaPであって約22%高く、実施例18が2.77MaPであって約44%高く、実施例19が2.97MaPであって約54%高く、実施例20が3.23MaPであって約67%高くなっている。このように、実施例15、16、17、18、19、20は、比較例6よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例21、22と比較例7とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例21、22が無機酸(実施例21が硫酸、実施例22が塩酸)を用いたのに対し、比較例7では無機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例21、22と比較例7とは共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例21が3.20mm、実施例22が3.19mm、比較例7が3.42mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する準不燃材料及び難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例21、22と比較例とは7共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例7が1.52MPaであるのに対し、実施例21が1.92MaPであって約26%高く、実施例22が1.88MaPであって約24%高くなっている。このように、実施例21、22は、比較例7よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例23、24と比較例8とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例23、24が無機酸(実施例23が硫酸、実施例24が塩酸)を用いたのに対し、比較例8では無機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例23、24と比較例8とは共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例23が3.33mm、実施例24が3.54mm、比較例8が3.39mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例23、24と比較例8とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例8が1.95MPaであるのに対し、実施例23が2.49MaPであって約28%高く、実施例24が2.43MaPであって約25%高くなっている。このように、実施例23、24は、比較例8よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例25と比較例9とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例25が無機酸(実施例25が硫酸)を用いたのに対し、比較例9では無機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例25と比較例9とは共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例25が3.21mm、比較例10が3.53mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する準不燃材料及び難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例25と比較例9とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例10が1.87MPaであるのに対し、実施例25が2.84MaPであって約52%高くなっている。このように、実施例25は、比較例10よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例26と比較例10とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例26が無機酸(実施例26が硫酸)を用いたのに対し、比較例10では無機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例26と比較例10とは共に熱プレス無でシート厚さもほぼ同等(実施例26が3.29mm、比較例10が3.30mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する不燃材料、準不燃材料及び難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例26と比較例10とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例10が1.94MPaであるのに対し、実施例26が2.74MaPであって約42%高くなっている。このように、実施例26は、比較例10よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例27、28、29、30、31、32と比較例11とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例27、28、29、30、31、32が無機酸又は有機酸(実施例27が硫酸、実施例28が塩酸、実施例29が硝酸、実施例30が燐酸、実施例31が蟻酸、実施例32が酢酸)を用いたのに対し、比較例11では無機酸又は有機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例27、28、29、30、31、32と比較例11とは共に熱プレス有でシート厚さもほぼ同等(実施例27が2.73mm、実施例28が2.58mm、実施例29が2.79mm、実施例30が2.72mm、実施例31が2.95mm、実施例32が2.67mm、比較例11が2.80mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する準不燃材料及び難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例27、28、29、30、31、32と比較例11とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例11が11.20MPaであるのに対し、実施例27が15.70MaPであり約40%高く、実施例28が15.00MaPであって約34%高く、実施例29が14.80MaPであって約32%高く、実施例30が14.56MaPであって約30%高く、実施例31が13.50MaPであって約21%高く、実施例32が13.62MaPであって約22%高くなっている。また、剥離強さは、比較例11が5.3kN/mであるのに対し、実施例27が11.7kN/mであって約2.2倍高く、実施例28が10.7kN/mであって約2.0倍高く、実施例29が15.1kN/mであって約2.8倍高く、実施例30が11.4kN/mであって約2.2倍高く、実施例31が12.8kN/mであって約2.4倍高く、実施例32が10.3kN/mであって約1.9倍高くなっている。このように、実施例27、28、29、30、31、32は、比較例11よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例33、34と比較例12とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例33、34が無機酸(実施例33が硫酸、実施例34が塩酸)を用いたのに対し、比較例12では無機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例33、34と比較例12とは共に熱プレス有でシート厚さもほぼ同等(実施例33が2.68mm、実施例34が2.69mm、比較例12が2.85mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する準不燃材料及び難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例33、34と比較例13とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例12が9.29MPaであるのに対し、実施例33が11.75MaPであって約26%高く、実施例34が11.37MaPであって約22%高くなっている。また、剥離強さは、比較例12が3.3kN/mであるのに対し、実施例33が5.8kN/mであって約1.8倍高く、実施例34が6.2kN/mであって約1.9倍高くなっている。このように、実施例33、34は、比較例12よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例35、36と比較例13とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例35、36が無機酸(実施例35が硫酸、実施例36が塩酸)を用いたのに対し、比較例13では無機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例35、36と比較例13とは共に熱プレス有でシート厚さもほぼ同等(実施例35が2.49mm、実施例36が2.48mm、比較例13が2.39mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例35、36と比較例14とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例14が17.17MPaであるのに対し、実施例35が23.70MaPであって約38%高く、実施例36が20.70MaPであって約21%高くなっている。また、剥離強さは、比較例13が23.6kN/mであるのに対し、実施例35が30.8kN/mであって約1.3倍高く、実施例34が29.1kN/mであって約1.2倍高くなっている。このように、実施例35、36は、比較例13よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例37、38、39、40、41、42と比較例14とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例37、38、39、40、41、42が無機酸又は有機酸(実施例37が硫酸、実施例38が塩酸、実施例39が硝酸、実施例40が燐酸、実施例41が蟻酸、実施例42が酢酸)を用いたのに対し、比較例14では無機酸又は有機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例37、38、39、40、41、42と比較例15とは共に熱プレス有でシート厚さもほぼ同等(実施例37が2.43mm、実施例38が2.43mm、実施例39が2.55mm、実施例40が2.57mm、実施例41が2.59mm、実施例42が2.44mm、比較例14が2.55mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する不燃材料、準不燃材料及び難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例37、38、39、40、41、42と比較例14とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例14が6.37MPaであるのに対し、実施例37が10.90MaPであって約71%高く、実施例38が8.55MaPであって約34%高く、実施例39が10.00aPであって約57%高く、実施例40が9.83MaPであって約54%高く、実施例41が8.95MaPであって約41%高く、実施例42が8.22MaPであって約29%高くなっている。また、剥離強さは、比較例14が4.5kN/mであるのに対し、実施例37が6.5kN/mであって約1.4倍高く、実施例38が6.1kN/mであって約1.4倍高く、実施例39が8.3kN/mであって約1.8倍高く、実施例40が7.1kN/mであって約1.6倍高く、実施例41が9.8kN/mであって約2.2倍高く、実施例42が6.9kN/mであって約1.5倍高くなっている。このように、実施例37、38、39、40、41、42は、比較例14よりも強度において優れていることがわかる。
次に、実施例43と比較例15とを比較する。これらはほぼ同一の組成を有しているが、実施例43が無機酸(実施例43が硫酸)を用いたのに対し、比較例15では無機酸を用いずに硫酸アルミニウムを用いた点が異なる。実施例43と比較例15とは共に熱プレス有でシート厚さもほぼ同等(実施例43が2.64mm、比較例15が2.65mm)であり、難燃性も良好(建築基準法に規定する不燃材料、準不燃材料及び難燃材料の要件並びにUL94規格V−0の要件に対して、実施例43と比較例15とは共に合格)でほぼ同等である。しかし、曲げ強さは、比較例15が6.38MPaであるのに対し、実施例43が9.80MaPであって約54%高くなっている。また、剥離強さは、比較例15が6.0kN/mであるのに対し、実施例43が10.9 kN/mであって約1.8倍高くなっている。このように、実施例43は、比較例15よりも強度において優れていることがわかる。
以上のとおり、本発明の強化シート又は強化成形体は、高含有する無機粉体に起因する機能を十分に発現しつつ、極めて優れた強度を有することが分かる。
Figure 2011132608
Figure 2011132608
Figure 2011132608

Claims (14)

  1. 繊維体として有機繊維若しくは無機繊維又はその両方と、該繊維体と乾燥質量換算で同じか又はそれよりも多く配合した無機粉体と、有機酸若しくは無機酸又はその両方と、を含有する原料スラリーを調製する工程と、
    該原料スラリーに凝集剤を添加し、該原料スラリーを凝集状態とする工程と、
    凝集した原料スラリーを湿式抄造してシートを得る工程と、を有することを特徴とする強化シートの製造方法。
  2. 前記原料スラリーを調整する工程において、該原料スラリーに合成高分子バインダーを更に含有させることを特徴とする請求項1に記載の強化シートの製造方法。
  3. 前記合成高分子バインダーが熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂の中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項2に記載の強化シートの製造方法。
  4. 前記無機粉体が含水無機化合物、炭酸塩、タルク、鉄鋼スラグ及び珪酸カルシウムの中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の強化シートの製造方法。
  5. 前記有機繊維がセルロース繊維及び有機合成繊維の中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の強化シートの製造方法。
  6. 前記無機繊維がロックウール繊維及びガラス繊維の中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の強化シートの製造方法。
  7. 前記有機酸が蟻酸及び酢酸の中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の強化シートの製造方法。
  8. 前記無機酸が塩酸、硫酸、硝酸及び燐酸の中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の強化シートの製造方法。
  9. 前記シートを重ねて、2層以上のシート積層体を形成する工程を更に有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の強化シートの製造方法。
  10. 前記積層体を形成する工程において、巻取板紙抄紙機にてシート積層体を形成することを特徴とする請求項9に記載の強化シートの製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のシート又は請求項10に記載のシート積層体を熱圧成形して成形体を形成する工程を有することを特徴とする強化成形体の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の強化シートの製造方法又は請求項11に記載の強化成形体の製造方法から得られたことを特徴とする強化シート又は強化成形体。
  13. 無機粉体と、繊維体として有機繊維若しくは無機繊維又はその両方とを構造主成分とし、かつ、無機粉体の乾燥質量を繊維体の乾燥質量と同じか又はそれよりも多くし、有機酸若しくは無機酸又はその両方と凝集剤とを含有したシート又は該シートの熱圧成形体であることを特徴とする強化シート又は強化成形体。
  14. 合成高分子バインダーを更に含有したことを特徴とする請求項13に記載の強化シート又は強化成形体。
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