JP2011131829A - ハイブリッド電気自動車の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機への要求トルクを零に設定したゼロトルク制御中において、電動機に回生側と駆動側との微小トルクを交互に発生させるSOC維持制御を実行したときの車両の加減速に起因する運転者の違和感を軽減できるハイブリッド電気自動車の制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリのSOCが所定許容範囲の中央値である50%以上のときには(S4がYes)、電動機に回生側と駆動側の微小トルクを交互に発生させながらSOCを50%近傍に維持するSOC維持制御を実行し(S6)、一方、SOCが50%未満で且つSOCが増加中のときには(S4,S8共にNo)、ゼロトルク制御により電動機に発生した微小な回生電流がバッテリに充電されつつあるため、SOC維持制御を実行せずに待機する。
【選択図】図2

Description

本発明はエンジンと電動機とを備えたハイブリッド電気自動車の制御装置に関する。
従来より、エンジンと電動機とを車両に搭載し、エンジンの駆動力と電動機の駆動力とをそれぞれ車両の駆動輪に伝達可能としたハイブリッド電気自動車が開発され実用化されている。
このようなハイブリッド電気自動車の一例として、エンジンから変速機に伝達される駆動力を断接するクラッチの出力軸と変速機の入力軸との間に電動機の回転軸を連結したハイブリッド電気自動車が提案されている。当該ハイブリッド電気自動車においては、車両発進時にはクラッチを切断してバッテリからの電力供給により電動機をモータ作動させ、電動機の駆動力のみで車両を発進させる一方、発進後の車両走行時にはクラッチを接続してエンジンの駆動力が変速機を介して駆動輪に伝達される。そして、エンジンの駆動力により車両が走行しているときには、車両の走行に必要なトルクをエンジンと電動機とに適切に配分し、電動機をモータ作動させて駆動力を補助し、車両減速時には電動機を発電機作動させて回生制動力を発生させ、制動エネルギを電力に変換してバッテリを充電するようにしている。
このようなハイブリッド電気自動車では、例えばエンジンをアイドル運転させた車両停車時或いは高速道路での定速走行時などのように、車両の運転状態によっては電動機による駆動力や制動力を必要としない場合があり、この場合の電動機はモータ及び発電機のいずれとしても作動せずに、クラッチを介したエンジンからの駆動力或いは駆動輪側から逆伝達される駆動力を受けて回転している。しかし、例えば電動機として永久磁石式同期電動機を用いているような場合には、その作動原理から電動機への要求トルクを零としても実際のトルクを完全に零のまま維持することは困難であり、電動機とバッテリとの間に微少な電流が流れてしまう。
このため、上記車両停車時や定速走行時などのようにゼロトルク制御が長時間継続した場合、バッテリと電動機との間に微少な電流が継続して流れることにより、バッテリの充電率(以下SOCという)が次第に減少或いは増加していくことになる。そして、バッテリのSOCが減少しすぎた場合には、電動機を発電機作動させてバッテリを強制充電する制御が実行され、バッテリのSOCが増加しすぎた場合には、電動機をモータ作動させると共に、電動機側のトルク配分を増大させてバッテリを強制放電させる制御が実行され、これによりSOCを所定許容範囲内に保持している。
しかし、バッテリの強制充電は、エンジンが発生した運動エネルギを電気エネルギに変換するものであるためエネルギ効率が低下し、強制放電は、本来エンジンが発生した運動エネルギで車両を駆動可能であるにも拘わらず電気エネルギを用いるため、これもエネルギ効率を低下させる要因となり、何れの場合も可能な限り回避することが望ましい。
このような不具合に着目した対策として、例えば特許文献1に記載された技術を挙げることができる。当該特許文献1の技術では、上記電動機への要求トルクを零に設定したゼロトルク制御時に、電動機に微小な駆動トルクと回生トルクとを交互に発生させるSOC維持制御を実行することにより、バッテリのSOCを所定許容範囲内に維持している。
このSOC維持制御は、上記強制充電や強制充電を行う必要がないSOCの所定許容範囲の中央値、例えば50%を基準として開始される。図3は当該SOC維持制御によるSOCの制御状況を示すフローチャートであるが、例えばSOC維持制御開始時のバッテリのSOCが50%未満のときには、まず電動機に回生側の微小トルクを発生させ、これによりバッテリのSOCが次第に増加してゼロトルク制御開始時の値よりも0.8%増加すると、電動機の微小トルクを駆動側に反転させ、それに伴って減少に転じたSOCがSOC維持制御開始時の値に達すると、再び電動機の微小トルクを回生側に転じる。
SOC維持制御開始時のバッテリのSOCが50%以上のときには、逆に、電動機に駆動側の微小トルクを発生させ、これによりバッテリのSOCが次第に減少してゼロトルク制御開始時の値よりも0.8%減少すると、電動機の微小トルクを回生側に反転させ、それに伴って増加に転じたSOCがSOC維持制御開始時の値に達すると、再び電動機の微小トルクを駆動側に転じる。このような微小トルクの回生側と駆動側との反転を繰り返すことにより、バッテリのSOCを所定許容範囲の中央値(図では50%)近傍に維持している。
特開2007−216762号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術によれば、ゼロトルク制御中に常にSOC維持制御によりバッテリの充放電が繰り返されるため、運転者は充電時には回生トルクによる減速感を感じ、放電時には駆動トルクによる加速感を感じ、結果として大きな違和感を受けるという問題があった。
特にゼロトルク制御が実行される車両停車時や定速走行時などでは車両に加減速Gがほとんど生じないことから、運転者は充放電に伴う減速感や加速感を敏感に感じ易い傾向がある。しかも、0.8%の狭いSOC制御幅による充放電の繰り返しにより加減速が頻繁に切り換わるだけでなく、加速感と減速感とが等間隔に生じる単調で周期的な変動であることから、運転者は減速感や加速感を不快な違和感として感じ易いという問題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電動機への要求トルクを零に設定したゼロトルク制御中において、電動機に回生側と駆動側との微小トルクを交互に発生させるSOC維持制御を実行したときの車両の加減速に起因する運転者の違和感を軽減することができるハイブリッド電気自動車の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、エンジンと電動機とを備えたハイブリッド電気自動車の制御装置において、電動機がモータ作動するときに電動機に電力を供給し、電動機が発電機作動するときに電動機が発電した電力を充電可能なバッテリと、電動機に要求されるトルクが零に設定され、且つ電動機がエンジンからの駆動力或いは駆動輪から伝達される駆動力を受けて回転している所定運転状態を判定する電動機運転判定手段と、バッテリの充電率を検出する充電率検出手段と、充電率検出手段によって検出されたバッテリの充電率が所定許容範囲内から外れたときには、充電率を所定許容範囲内に戻すべく電動機を制御してバッテリの強制充電または強制放電を行い、一方、電動機運転判定手段によって所定運転状態と判定されたときには、強制充電または強制放電に必要な電動機のトルクより絶対値が小さい回生側及び駆動側の微小トルクを電動機に交互に発生させることにより、バッテリの充電率を所定許容範囲内に維持する充電率維持制御を実行する充電率制御手段とを備えたハイブリッド電気自動車の制御装置において、充電率制御手段が、電動機運転判定手段によって所定運転状態と判定されているとき、充電率検出手段によって検出されたバッテリの充電率が所定許容範囲内に設定された基準値よりも低く且つバッテリの充電率が増加中の場合には、充電率維持制御を実行することなく待機するものである。
従って、バッテリの充電率が所定許容範囲内から外れたときには、バッテリの強制充電または強制放電が行われて充電率が所定許容範囲内に戻される。また、電動機への要求トルクが零に設定され、且つエンジンや駆動輪から駆動力を受けて電動機が回転している所定運転状態と判定されたときには、電動機が回生側及び駆動側の微小トルクを交互に発生する充電率維持制御が実行される。
所定運転状態では、電動機のトルクを完全に零に維持することが困難であり、電動機とバッテリとの間に流れる微小電流によりバッテリの充電率が次第に減少或いは増加して所定許容範囲を逸脱してしまうため、強制充電または強制放電を行う必要が生じる。このときに充電率維持制御が実行されてバッテリの充電率が所定許容範囲内に維持されるため、エネルギ効率の悪い強制充電や強制放電の実行が必要なくなる。
そして、本発明では、所定運転状態と判定されているときであっても、バッテリの充電率が所定許容範囲内に設定された基準値よりも低く且つバッテリの充電率が増加中の場合には、電動機の微小な回生トルクによりバッテリに微小な回生電流が充電されつつあると共に、バッテリの充電率が低い故に充電率の増加が好ましい状況と見なせることから、充電率制御手段が充電率維持制御を実行することなく待機する。これにより、元々生じている微小な回生電流を利用してバッテリの充電率が増加されるため、バッテリ充電のためのエンジン駆動による燃費悪化などの弊害を防止した上で充電率を回復可能となる。そして、このように充電率維持制御を実行することなくバッテリの充電率を増加させるため、充電率維持制御の実行時の車両の加減速に起因する運転者の違和感が軽減される。
請求項2の発明は、請求項1において、充電率制御手段が、増加中のバッテリの充電率が所定許容範囲内の基準値に到達した時点で充電率維持制御を開始するものである。
従って、充電率維持制御を実行することなく待機することにより微小な回生電流が充電されてバッテリの充電率は次第に増加し、その充電率が所定許容範囲内の基準値に到達した時点で充電率維持制御が開始される。このため、以降のバッテリの充電率は基準値近傍に維持されて所定許容範囲内からの逸脱が防止される。
請求項3の発明は、請求項1または2において、充電率制御手段が、電動機運転判定手段によって所定運転状態と判定されているとき、充電率検出手段によって検出されたバッテリの充電率が所定許容範囲内に設定された基準値よりも低く且つバッテリの充電率が減少中の場合には、駆動側の微小トルクの発生による充電率の減少側への変動量よりも回生側の微小トルクの発生による充電率の増加側への変動量が大となるように充電率維持制御を実行するものである。
従って、所定運転状態と判定され、バッテリの充電率が所定許容範囲内の基準値よりも低く且つ減少中の場合には、充電率維持制御として充電率の減少側への変動量よりも増加側への変動量が大となるように電動機の回生側及び駆動側の微小トルクが制御されるため、バッテリの充電率は次第に増加する。このため、バッテリの充電率が減少して所定許容範囲を逸脱するのが防止されるだけでなく、充電率が増加することにより次回の電動機のモータ作動に確実に対応可能となる。
請求項4の発明は、請求項3において、充電率制御手段が、充電率の減少側への変動量よりも増加側への変動量が大となり、且つ駆動側の微小トルクの継続期間と回生側の微小トルクの継続期間とが相違するものである。
従って、充電率維持制御は、充電率の減少側への変動量よりも増加側への変動量が大となるだけでなく、駆動側の微小トルクの継続期間と回生側の微小トルクの継続期間とが相違するように実行される。必然的に運転者が受ける減速感と加速感との長さも相違することになり、等間隔には生じない単調でも周期的でもない変則的な変動となり、運転者が不快な違和感を受け難くなる。
請求項5の発明は、請求項3または4において、充電率制御手段が、増加中のバッテリの充電率が所定許容範囲内の基準値に到達した時点で、充電率の減少側への変動量と増加側への変動量とが略等しくなるように充電率維持制御を実行するものである。
従って、充電率の減少側への変動量よりも増加側への変動量を大とした充電率維持制御によりバッテリの充電率は次第に増加し、その充電率が所定許容範囲内の基準値に到達した時点で、充電率の減少側への変動量と増加側への変動量とを略等しくした制御内容に充電率維持制御が切り換えられる。このため、以降のバッテリの充電率は基準値近傍に維持されて所定許容範囲内からの逸脱が防止される。
以上説明したように請求項1の発明のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、電動機への要求トルクが零に設定され、且つエンジンや駆動輪から駆動力を受けて電動機が回転している所定運転状態のときであっても、バッテリの充電率が所定許容範囲内に設定された基準値よりも低く且つバッテリの充電率が増加中の場合には、充電率維持制御を実行することなく待機するようにしたため、元々生じている微小な回生電流を利用してエンジン駆動による燃費悪化などの弊害を生じることなく充電率を回復することができる。結果として、このような状況では充電率維持制御が実行されなくなるため、充電率維持制御の実行時の車両の加減速に起因する運転者の違和感を軽減することができる。
請求項2の発明のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、請求項1に加えて、バッテリの充電率が所定許容範囲内の基準値に到達した時点で充電率維持制御を開始するため、充電率を基準値近傍に良好に維持して所定許容範囲内からの逸脱を防止することができる。
請求項3の発明のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、請求項1または2に加えて、所定運転状態と判定され、バッテリの充電率が所定許容範囲内の基準値よりも低く且つバッテリの充電率が減少中の場合には、充電率の減少側への変動量よりも増加側への変動量が大となるように充電率維持制御を実行するため、バッテリの充電率が減少して所定許容範囲を逸脱するのを防止できるだけでなく、バッテリの充電率を増加させて次回の電動機のモータ作動に確実に対応することができる。
請求項4の発明のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、請求項3に加えて、充電率維持制御による駆動側の微小トルクの継続期間と回生側の微小トルクの継続期間とを相違させたため、微小トルクに起因する車両の加減速が変則的な変動となり運転者の違和感を一層軽減することができる。
請求項5発明のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、請求項3または4に加えて、バッテリの充電率が所定許容範囲内の基準値に到達した時点で、充電率の減少側への変動量と増加側への変動量とを略等しくした制御内容に充電率維持制御を切り換えるため、充電率を基準値近傍に良好に維持して所定許容範囲内からの逸脱を防止することができる。
本発明が適用されるハイブリッド電気自動車1の要部構成図である。 インバータECUが実行するSOC維持ルーチンを示すフローチャートである。 制御開始時のSOCが50%未満のときの第1のSOC維持制御及び従来技術によるSOCの制御状況を示すタイムチャートである。 第2のSOC維持制御によるSOCの制御状況を示すタイムチャートである。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明が適用されるハイブリッド電気自動車1の要部構成図である。ディーゼルエンジンであるエンジン2の出力軸にはクラッチ4の入力軸が連結されており、クラッチ4の出力軸は永久磁石式同期電動機(以下電動機という)6の回転軸を介して自動変速機(以下変速機という)8の入力軸が連結されている。そして、変速機8の出力軸はプロペラシャフト10、差動装置12及び駆動軸14を介して左右の駆動輪16に接続されている。
従って、クラッチ4が接続されているときには、エンジン2の出力軸と電動機6の回転軸の両方が駆動輪16と機械的に接続され、クラッチ4が切断されているときには電動機6の回転軸のみが駆動輪16と機械的に接続された状態となる。
電動機6は、バッテリ18に蓄えられた直流電力がインバータ20によって交流電力に変換されて供給されることによりモータとして作動し、その駆動力が変速機8によって適切な速度に変速された後に駆動輪16に伝達されるようになっている。また、車両減速時には、電動機6が発電機として作動し、駆動輪16の回転による運動エネルギが変速機8を介し電動機6に伝達されて交流電力に変換されることにより回生制動力を発生する。そして、この交流電力はインバータ20によって直流電力に変換された後、バッテリ18に充電され、駆動輪16の回転による運動エネルギが電気エネルギとして回収される。
一方、エンジン2の駆動力は、クラッチ4が接続されているときに電動機6の回転軸を経由して変速機8に伝達され、適切な速度に変速された後に駆動輪16に伝達されるようになっている。従って、エンジン2の駆動力が駆動輪16に伝達されているときに電動機6がモータとして作動する場合には、エンジン2の駆動力と電動機6の駆動力とがそれぞれ駆動輪16に伝達されることになる。即ち、車両の駆動のために駆動輪16に伝達されるべき駆動トルクの一部がエンジン2から供給されると共に、残部が電動機6から供給される。
また、バッテリ18の充電率(以下SOCという)が減少してバッテリ18を充電する必要があるときには、電動機6が発電機として作動すると共に、エンジン2の駆動力の一部を用いて電動機6を駆動することにより発電が行われ、発電された交流電力をインバータ20によって直流電力に変換した後にバッテリ18に充電するようにしている。
車両ECU22は、車両やエンジン2の運転状態、及びエンジンECU24、インバータECU26並びにバッテリECU28からの情報などに応じて、クラッチ4の接続・切断制御及び変速機8の変速段切換制御を行うと共に、これらの制御状態や車両の発進、加速、減速など様々な運転状態に合わせてエンジン2や電動機6を適切に運転するための統合制御を行っており、エンジン2が発生すべきトルク及び電動機6が発生すべきトルクを設定している。なお、電動機6が発生すべきトルクは、電動機6をモータ作動させる場合には正の値となり、発電機作動させる場合には負の値となる。
エンジンECU24は、エンジン2の始動・停止制御やアイドル制御、或いは排ガス浄化装置(図示せず)の再生制御など、エンジン2自体の運転に必要な各種制御を行うと共に、車両ECU22によって設定されたエンジン2に必要とされるトルクをエンジン2が発生するよう、エンジン2の燃料の噴射量や噴射時期などを制御する。
一方、インバータECU26は、車両ECU22によって設定された電動機6が発生すべきトルクに基づきインバータ20を制御することにより、電動機6をモータ作動または発電機作動させて運転制御する。
また、バッテリECU28は、バッテリ18の温度や、バッテリ18の電圧、インバータ20とバッテリ18との間に流れる電流などを検出すると共に、これらの検出結果からバッテリ18のSOCを求め、求めたSOCを検出結果と共に車両ECU22に送っている。このようにバッテリ18のSOCを算出するときのバッテリECU28が本発明の充電率検出手段として機能する。
このように構成されたハイブリッド電気自動車1において、車両を走行させるために車両ECU22を中心として行われる制御の概要は以下の通りである。
まず、車両が停止状態にあるときには、クラッチ4が切断され、エンジン2はアイドル運転状態にある。そして、運転者がアクセルペダル(図示せず)を踏み込むと、アクセルペダルの踏込量に応じて車両を発進させるために必要な電動機6のトルク、即ち正のトルクを車両ECU22が設定する。インバータECU26は、車両ECU22が設定したトルクに応じてインバータ20を制御し、バッテリ18の直流電力がインバータ20によって交流電力に変換されて電動機6に供給される。電動機6は交流電力が供給されることによってモータ作動して駆動力を発生し、電動機6の駆動力は変速機8を介して駆動輪16に伝達され、車両が発進する。
このように、車両発進時には運転効率のあまり良くないエンジン2を使用せずに、専ら電動機6の駆動力により車両を発進させることにより、車両を効率良くスムーズに発進することができるようになっている。
車両が発進して電動機6の回転速度がエンジン2のアイドル回転速度の近傍まで上昇すると、車両ECU22はクラッチ4を接続すると共に、車両の発進加速及びその後の走行に必要な駆動トルクをエンジン2側と電動機6側に適切に振り分け、エンジン2が発生すべきトルクをエンジンECU24に指示すると共に、電動機6が発生すべきトルクをインバータECU26に指示する。エンジンECU24及びインバータECU26はこれを受けて、エンジン2及び電動機6をそれぞれ制御し、エンジン2及び電動機6が発生したトルクが変速機8を介して駆動輪16に伝達される。また、このとき車両ECU22は車両の運転状態に応じ、変速機8の変速段を適宜切換制御すると共に、変速段の切り換えに合わせてエンジン2や電動機6のトルクを適切に制御するよう、エンジンECU24及びインバータECU26に対して指示している。
通常、車両走行中にはエンジン2の運転状態が高効率で運転可能な領域にあるようにエンジン2のトルクが車両ECU22によって設定され、車両の走行に必要なトルクに対してエンジン2のトルクが不足する分を電動機6のトルクによって補うように、ECU22が電動機6のトルクを設定している。
次に、車両が減速し停止する場合、車両ECU22は車両の運転状態に基づきエンジン2及び電動機6から発生すべき制動トルクを求め、この制動トルクをエンジン2側と電動機6側に振り分け、エンジン2が発生すべき制動トルクをエンジンECU24に指示すると共に、電動機6が発生すべき制動トルク、即ち負のトルクをインバータECU26に指示する。これを受けて、エンジンECU24はエンジン2を減速運転状態としてエンジンブレーキ力を発生させ、インバータECU26はインバータ20を制御して電動機6を発電機作動させる。電動機6の発電機作動により、駆動輪16の回転による運動エネルギが変速機8を介し電動機6に伝達されて交流電力に変換され、電動機6による回生制動力が発生する。電動機6によって得られた交流電力はインバータ20を介して直流電力に変換されてバッテリ18に充電され、駆動輪16の回転による運動エネルギが電気エネルギとして回収される。
このとき、車両ECU22は車両の減速に合わせてクラッチ4の断接や変速機8の変速段を適宜切換制御し、電動機6のみで必要な制動力を得ることができるようになった場合や、電動機6の回転速度がエンジン2のアイドル回転速度の近傍まで低下した場合などにはクラッチ4を切断すると共に、エンジン2をアイドル運転するようエンジンECU24に指示する。そしてクラッチ4を切断した状態では、電動機6の回生制動力のみがブレーキ装置による制動力と共に駆動輪に作用し、車両が停止する。
上述したように、バッテリ18は車両減速時の電動機6による回生制動によって充電が行われるようになっているが、車両の運転状態により電動機6をモータ作動させる頻度が高い場合にはSOCが大きく減少し、バッテリ18が過放電状態となる可能性がある。
このような事態を回避するため、バッテリ18の強制充電が行われる。即ち、車両ECU22はバッテリECU28から送られてくるバッテリ18のSOCが例えば30%未満となった場合、車両の運転状態に応じて電動機6が発生可能な負のトルクをインバータECU26に対して指示する。このときに指示される負のトルクは、エンジン2が発生可能なトルクが車両の走行に必要なトルクを上回っている場合に設定可能であって、その余剰分が負のトルクとして設定される。従って、車両ECU22はエンジンECU24に対し、走行に必要なトルクと電動機6による発電に必要なトルクとを合計したトルクをエンジン2が発生するようエンジンECU24に対して指示する。
インバータECU26は、車両ECU22が設定した負のトルクを発生するように電動機6を制御して発電機作動させ、エンジンECU24は走行に必要なトルクと電動機6による発電に必要なトルクとを合計したトルクをエンジン2が発生するようエンジン2を制御する。この結果、エンジン2が発生したトルクの一部が電動機6の駆動に使用され、その残部が変速機8を介して駆動輪16に伝達される。そして、発電機作動している電動機6はエンジン2からの駆動によって発電を行い交流電力を発生する。電動機6が発生した交流電力は、インバータ20によって直流電力に変換されてバッテリ18に充電され、バッテリ18のSOCが回復する。
一方、電動機6による回生制動の頻度が増すなどした場合にはバッテリ18のSOCが大きく増加し、バッテリ18が過充電状態となる可能性がある。
このような事態を回避するため、バッテリ18の強制放電が行われる。即ち、車両ECU22はバッテリECU28から送られてくるバッテリのSOCが例えば70%を超えた場合、車両の走行に必要なトルクの全部または大部分を電動機6のモータ作動により賄うよう、インバータECU26に指示する電動機6が発生すべきトルクを増大させる。このとき、車両ECU22は電動機6側のトルクの増大に伴い、エンジンECU24に指示するエンジン2側のトルクを減少させ、エンジン2側のトルクが不要である場合にはクラッチ4を切断する場合もある。
インバータECU26は、車両ECU22が設定したトルクを発生するように電動機6を制御してモータ作動させ、車両の走行に必要なトルクの全部または大部分が電動機6によって供給される。この結果、バッテリ18の直流電力がインバータ20により交流電力に変換されて電動機6によって消費され、バッテリ18のSOCが適正値まで減少する。
このように、バッテリ18のSOCが30%以上で70%以下という所定許容範囲を逸脱した場合には、バッテリ18の強制放電や強制充電が行われ、バッテリ18のSOCが上記所定許容範囲内となるようにエンジン2及び電動機6が制御される。
前述したように、車両走行時には車両ECU22がエンジン2のトルクと電動機6のトルクとを適宜設定し、エンジンECU24及びインバータECU26にそれぞれ指示しているが、車両が定速走行している場合には、エンジン2を高効率で運転することが可能であるため、電動機6からトルクを発生させずにエンジン2のみで駆動を行うようになっている。また、車両が停車している場合にも、電動機6からトルクを発生する必要がなくなる。
このように、電動機6からトルクを発生させる必要がない場合には、車両ECU22はインバータECU26に対して電動機6への要求トルクとして零を設定する(以下、当該制御をゼロトルク制御という)。従って、車両の定速走行時には、エンジン2からの駆動力がクラッチ4及び変速機8を介して駆動輪16側に伝達され、車両の停車時には、変速機8が何れの変速段も選択しないニュートラル状態とされてアイドル運転中のエンジン2から駆動輪16側への駆動力の伝達が遮断されるが、何れの場合も電動機6はモータ及び発電機のいずれとしても作動せず、クラッチ4を介したエンジン2から駆動力或いは駆動輪16側から逆伝達される駆動力を受けて回転する状態となる。この状態が、本発明の所定運転状態に相当する。
インバータECU26は車両ECU22からの指示を受けて電動機6のトルクが零となるようにインバータ20を制御するが、特に電動機6が永久磁石式同期電動機である場合、その特性上電動機6のトルクを完全に零の状態で維持することは困難であり、電動機6とバッテリ18との間には微少電流が流れる。
このような状態が長く継続すると、バッテリ18のSOCが徐々に減少或いは増加し、最終的には強制充電または強制放電を行う必要が生じる。強制充電はエンジン2が発生した運動エネルギを電気エネルギに変換するものであるためエネルギ効率が低下し、強制放電は本来エンジン2が発生した運動エネルギにより車両を駆動可能であるところを、電気エネルギを用いるため、これもエネルギ効率を低下させることになる。
また、強制充電や強制放電が必要となるほどSOCが増加或いは減少することは、バッテリ18の寿命にも悪影響を与えることになる。従って、電動機6のトルクが零となるような状態が長く継続したときに、強制充電や強制放電が行われるまで放置するようにした場合には、エネルギ効率が低下して燃費が悪化するばかりでなく、バッテリ18の寿命を短縮するおそれがある。
そこで本実施形態では、このような事態を回避するため、電動機6に要求されるトルクが零となる所定運転状態にある場合には、インバータECU26がバッテリ18のSOCを維持するためのSOC維持制御を行うようにしている。
図2はインバータECU26が実行するSOC維持ルーチンを示すフローチャートであり、インバータECU26は当該ルーチンを所定の制御周期で実行する。
まず、ステップS2で、ゼロトルク制御中で且つ電動機6が回転中の所定運転状態であるか否かを判定する。このようにステップS2の判定処理を実行するときのインバータECU26が本発明の電動機運転手段として機能する。例えば、上記した車両の定速走行時や停車時には電動機6のトルクが必要ないため、電動機6への要求トルクを零に設定したゼロトルク制御が実行されると共に、このときの電動機6はクラッチ4を介してエンジン2から駆動力を受けて回転している。電動機6がこのような状態でないときにはステップS2でNo(否定)の判定を下して一旦ルーチンを終了する。
また、電動機6が回転中且つゼロトルク制御中としてステップS2でYes(肯定)の判定を下したときには、ステップS4で現在のバッテリ18のSOCが予め設定された所定値以上であるか否かを判定する。本実施形態では、上記強制充電や強制充電を行う必要がないSOCの所定許容範囲の中央値、即ち、30%から70%の中央値である50%が予め所定値(本発明の基準値)として設定されており、この50%を閾値としてステップS4の判定が行われる。
ステップS4の判定がYesのときにはステップS6に移行し、第1のSOC維持制御を実行した後にルーチンを終了する。当該第1のSOC維持制御は、[背景技術]で説明した特許文献1の従来技術と同様の内容であり、電動機6に回生側と駆動側との微小トルクを交互に発生させながらバッテリ18のSOCを所定許容範囲内の充電率維持制御開始時のSOC近傍に維持するものである。
このステップS6で実行される第1のSOC維持制御が本発明の第1の充電率維持制御に相当し、このように第1のSOC維持制御を実行するときのインバータECU26が本発明の充電率制御手段として機能する。
第1のSOC維持制御は、制御開始時のバッテリ18のSOCと所定許容範囲の中央値である50%との比較に基づき開始される。図3のタイムチャートは、第1のSOC制御の開始時のSOCが50%未満であるときの第1のSOC維持制御によるSOCの制御状況を示しているが、このときには、まず電動機6に回生側の微小トルクを発生させ、これによりバッテリ18のSOCが次第に増加して第1のSOC維持制御の開始時の値よりも0.8%増加すると、電動機6の微小トルクを駆動側に反転させ、それに伴って減少に転じたSOCが第1のSOC維持制御の開始時の値に達すると、再び電動機6の微小トルクを回生側に転じている。このような微小トルクの回生側と駆動側との反転を繰り返すことによりバッテリ18のSOCは、第1のSOC維持制御の開始時の値を下限値とし、その値よりも0.8%増加側の値を上限値とした0.8%の狭い制御幅内で周期的に変動しながら制御される。
また、図示はしないが、第1のSOC制御開始時のゼロトルク制御開始時のSOCが50%以上であるときには上記と逆のSOCの制御状態となり、まず電動機6に駆動側の微小トルクを発生させ、これによりバッテリ18のSOCが次第に減少して第1のSOC維持制御の開始時の値よりも0.8%減少すると、電動機6の微小トルクを回生側に反転させ、それに伴って増加に転じたSOCが第1のSOC維持制御の開始時の値に達すると、再び電動機6の微小トルクを駆動側に転じる。このときのバッテリ18のSOCは、第1のSOC維持制御の開始時の値を上限値とし、その値よりも0.8%減少側の値を下限値とした0.8%の狭い制御幅内で周期的に変動しながら制御される。
何れの場合でも発電機の微小トルクは、上記した強制充電や強制放電に必要な電動機6のトルクよりも小さな値として設定されており、この点は後述する第2のSOC維持制御で設定される微小トルクについても同様である。そして、このような第1の充電率維持制御により、バッテリ18のSOCは所定許容範囲内の充電率維持制御開始時のSOC近傍に良好に維持されるため、エネルギ効率を悪化させる要因となる強制充電や強制放電の実行を未然に回避することができる。
一方、ステップS4の判定がNoのときにはステップS8に移行し、現在のSOCが増加側と減少側との何れの方向に変化しているかを判定し、SOCが増加側に変化しているときには、一旦ルーチンを終了する。
このようにバッテリ18のSOCが増加しているときには、ゼロトルク制御により電動機6が微小な回生トルクを生じ、それに伴って発生した微小な回生電流がバッテリ18に充電されつつある状況と推測できる。従って、これを放置すれば何れかの時点でバッテリ18は過充電に至ることから、それを防止するための強制放電が必要となる。しかしながら、現時点でのSOCは上記所定許容範囲の中央値である50%に満たないため、ゼロトルク制御によるSOCの増加はバッテリ18にとって寧ろ好ましい現象である。また、このときに電動機6が発生する回生電流が微少なため、SOCは所定許容範囲内を中央値に向けて緩やかに増加しているにすぎず、その増加を直ちに抑制すべき緊急性もない。
結果として、この時点ではインバータECU26は何ら対処を行うことなく待機する。このようにバッテリ18のSOCが増加しているときに、そのままルーチンを終了するときのインバータECU26が本発明の充電率制御手段として機能する。
車両の走行状態の変化によりゼロトルク制御が中断されない限り、バッテリ18のSOCは電動機6が発生した微小な回生電流により緩やかに増加し続ける。そして、SOCが所定許容範囲の中央値である50%に到達して上記ステップS4の判定がYesになると、ステップS6で第1のSOC維持制御が開始され、以降のバッテリ18のSOCは50%近傍に維持される。このように待機によりSOCが50%まで増加して第1のSOC維持制御を開始するときのインバータECU26が本発明の充電率制御手段として機能する。
即ち、特許文献1の従来技術では、上記ステップS2で電動機6が回転中且つゼロトルク制御中と判定したときには、ステップS4のSOCの判定結果に応じて無条件でステップS6の第1のSOC維持制御を実行してSOCの維持を図った。これに対して本実施形態では、SOCが50%未満で且つSOCが増加中のとき、即ちゼロトルク制御によりSOCは変化しているものの、その変化がバッテリ18にとって望ましい増加方向であると判断したときには、そのまま待機することによりSOCを最も理想的な所定許容範囲の中央値である50%まで到達させている。
ゼロトルク制御による微小な回生電流は元々生じているものであり、SOCが50%に到達するまでの間は、この回生電流を利用してSOCを増加される。従って、例えば第1のSOC維持制御を実行した場合のように微少電流とはいえ積極的に電動機6を発電機作動させる場合に比較して、エンジン駆動による燃費悪化などの弊害を未然に防止した上でバッテリ18のSOCを回復させることができる。
そして、[発明が解決しようとする課題]でも述べたように、SOC維持制御の実行中にはバッテリ18の充放電の繰り返しにより運転者が周期的な減速感と加速感により違和感を受けるという問題を生じるが、本実施形態では、バッテリ18のSOCが50%未満で且つSOCが増加中のときには、SOCが50%に到達するまでは第1のSOC維持制御が開始されない。結果としてゼロトルク制御中における第1のSOC維持制御の実行期間が短くなり、第1のSOC維持制御の実行時の車両の加減速に起因する運転者の違和感を軽減することができる。
一方、上記ステップS8でバッテリ18のSOCが減少していると判定したときには、ステップS10に移行して第2のSOC維持制御を実行した後にルーチンを終了する。このステップS10で実行される第2のSOC維持制御が本発明の第2の充電率維持制御に相当し、このように第2のSOC維持制御を実行するときのインバータECU26が本発明の充電率制御手段として機能する。
当該第2のSOC維持制御は、増加側のSOCの変動量を減少側のSOCの変動量よりも大に設定することにより、電動機6に回生側と駆動側との微小トルクを交互に発生させながらバッテリ18のSOCを所定許容範囲内で次第に増加させるものである。
即ち、第1のSOC維持制御では、増加側のSOCの変動量と減少側のSOCの変動量とを共に0.8%に設定することにより、SOCを所定許容範囲内の充電率維持制御開始時のSOC近傍に維持した。これに対して第2のSOC制御では、減少側のSOCの変動量である0.8%に対して増加側のSOCの変動量をより大きな2%に設定することにより、バッテリ18のSOCを増減させながら次第に増加側に変移させている。
図4はこのときの第2のSOC維持制御によるSOCの制御状況を示しており、この図に基づきSOCの制御状況をさらに詳述する。バッテリ18のSOCを増加方向に変移させる第2のSOC維持制御の目的から、制御開始当初の電動機6の微小トルクは回生側に設定される。従って、電動機6が回生側の微小トルクを生じることによりバッテリ18のSOCは次第に増加し、増加開始時の値よりもSOCが2%増加した時点で電動機6の微小トルクを駆動側に反転させる。微小トルクの反転によりSOCは減少に転じ、減少開始時の値よりもSOCが0.8%減少すると、再び電動機6の微小トルクを回生側に反転させている。
回生側と駆動側とで微小トルクの絶対値は等しく設定されているため、SOCは同一変化率をもって増加或いは減少する。従って、このような微小トルクの回生側と駆動側との反転を繰り返すことにより、バッテリ18のSOCは次第に増加側に変移して、所定許容範囲の中央値である50%に接近する。
第2のSOC維持制御を開始する以前のバッテリ18のSOCは所定許容範囲の中央値である50%に満たず、しかもSOCはゼロトルク制御により減少し続けている。このため、バッテリ18にとっては、減少したSOCが所定許容範囲を逸脱するのを防止することは勿論必要であるが、次回の電動機6のモータ作動に備える観点からは、SOCを所定許容範囲の中央値である50%に向けて増加させることが望ましい。
第2のSOC維持制御によりバッテリ18のSOCは次第に増加し、SOCが所定許容範囲の中央値である50%に到達した時点でステップS4の判定がYesになり、ステップS6で第2のSOC維持制御に代えて第1のSOC維持制御が開始される。従って、以降のバッテリ18のSOCは50%近傍に維持される。このようにSOCが50%まで増加して第1のSOC維持制御から第2のSOC維持制御に切り換わるときのインバータECU26が本発明の充電率制御手段として機能する。
なお、ステップS4でYesの判定が下されたときのバッテリ18のSOCは50%であるため、現在のSOCと50%との大小関係から最初の微小トルクの発生方向を決定する第1のSOC維持制御の手法をそのまま用いることができない。そこで、例えば、第1のSOC維持制御によるSOCの制御幅の半分である0.4%だけSOCが増加するまで待機し、その後に第1のSOC維持制御を開始して電動機4に駆動側の微小トルクを発生させるようにしてもよい。
結果として、例えば定速走行からの加速或いは停車からの発進などに際して、ゼロトルク制御が終了されて電動機6をモータ作動させるときには、十分に確保されたバッテリ18のSOCにより余裕をもって電動機6を駆動して運転者のアクセル操作に対応する走行を行うことができる。
一方、第2のSOC維持制御の実行中には第1のSOC制御と同じく、運転者はバッテリ18の充電時に回生トルクによる減速感を感じ、放電時に駆動トルクによる加速感を感じるが、上記のように増加側と減少側とのSOCの変動量が相違している故に、このときに運転者が受ける不快な違和感が軽減される。
即ち、図4から明らかなように、バッテリ18のSOCが同一変化率をもって増加或いは減少する場合、0.8%に設定されたSOC変動量だけSOCが減少するための期間、換言すれば駆動側の微小トルクの継続期間t1に比較して、2%に設定されたSOC変動量だけSOCが増加するための期間、換言すれば回生側の微小トルクの継続期間t2は2倍以上長くなる。必然的に運転者が受ける減速感と加速感との長さも相違することになり、等間隔には生じない単調でも周期的でもない変則的な変動となる。
このため、第2のSOC維持制御の実行中において、運転者は電動機6の微小トルクの反転により加減速の変動を感じはするが、第1のSOC維持制御ほどには不快な違和感を受け難くなる。特許文献1の従来技術では、第2のSOC維持制御が実行されるバッテリ18のSOCが50%未満で且つ減少中であるときにも第1のSOC維持制御と同一内容の制御を実行したが、本実施形態では、より運転者が違和感を受け難い第2のSOC維持制御を実行することから、ゼロトルク制御が継続される全体から見れば、車両の加減速に起因する運転者の違和感を軽減することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、エンジン2をディーゼルエンジンとし、変速機8を自動変速機とし、電動機6をクラッチ4と変速機8との間に配置したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、エンジン2をガソリンエンジンとし、変速機8を手動変速機とし、電動機6をエンジン2とクラッチ4との間に配置してもよい。
また、上記実施形態では、強制充電や強制充電を行う必要がないSOCの所定許容範囲の中央値である50%を閾値として設定し、現在のバッテリ18のSOCが50%以上のときに増加側と減少側とのSOC変動量を共に0.8%に設定した第1のSOC維持制御を実行し、SOCが50%未満でSOCが増加中のときには何ら対処を行うことなく待機し、SOCが50%未満でSOCが減少中のときには増加側のSOC変動量を2%に、減少側のSOC変動量を0.8%に設定した第2のSOC維持制御を実行した。
しかし、本発明はこれらの設定に限定されるものではなく各設定を任意に変更してもよい。例えば、SOCを判定するための閾値を所定許容範囲の中央値以外に設定したり、所定許容範囲とは関係ない値に設定したりしてもよい。また、第1及び第2SOC維持制御で適用する増加側及び減少側のSOC変動量に関しても、上記設定から任意に変更してもよい。
また、上記実施形態では、第2のSOC維持制御においてバッテリ18のSOC変動量を減少側より増加側を大とすると共に、増加側と減少側とのSOCの変化率を同一に設定することで微小トルクの駆動側の継続期間t1より回生側の継続期間t2を長くし、これにより、次回の電動機6のモータ作動に備えたバッテリ18のSOCの増加作用と、変則的な加減速の変動による運転者の違和感の軽減作用を実現したが、これらの作用を共に発揮させる必要は必ずしもない。例えば、微小トルクの駆動側の継続期間t1と回生側の継続期間t2とを等しくすると共に、増加側のSOCの変化率を減少側のSOCの変化率よりも大きく設定することでSOC変動量を減少側より増加側を大として、バッテリ18のSOCの増加作用のみを得るようにしてもよい。
2 エンジン
6 電動機
16 駆動輪
18 バッテリ
26 インバータECU(充電率制御手段)
28 バッテリECU(充電率検出手段)

Claims (5)

  1. エンジンと電動機とを備えたハイブリッド電気自動車の制御装置において、
    上記電動機がモータ作動するときに上記電動機に電力を供給し、上記電動機が発電機作動するときに上記電動機が発電した電力を充電可能なバッテリと、
    上記電動機に要求されるトルクが零に設定され、且つ上記電動機が上記エンジンからの駆動力或いは駆動輪から伝達される駆動力を受けて回転している所定運転状態を判定する電動機運転判定手段と、
    上記バッテリの充電率を検出する充電率検出手段と、
    上記充電率検出手段によって検出された上記バッテリの充電率が所定許容範囲内から外れたときには、該充電率を上記所定許容範囲内に戻すべく上記電動機を制御して上記バッテリの強制充電または強制放電を行い、一方、上記電動機運転判定手段によって上記所定運転状態と判定されたときには、上記強制充電または強制放電に必要な上記電動機のトルクより絶対値が小さい回生側及び駆動側の微小トルクを上記電動機に交互に発生させることにより、上記バッテリの充電率を上記所定許容範囲内に維持する充電率維持制御を実行する充電率制御手段と
    を備えたハイブリッド電気自動車の制御装置において、
    上記充電率制御手段は、上記電動機運転判定手段によって上記所定運転状態と判定されているとき、上記充電率検出手段によって検出された上記バッテリの充電率が上記所定許容範囲内に設定された基準値よりも低く且つ該バッテリの充電率が増加中の場合には、上記充電率維持制御を実行することなく待機することを特徴とするハイブリッド電気自動車の制御装置。
  2. 上記充電率制御手段は、上記増加中のバッテリの充電率が上記所定許容範囲内の基準値に到達した時点で上記充電率維持制御を開始することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  3. 上記充電率制御手段は、上記電動機運転判定手段によって上記所定運転状態と判定されているとき、上記充電率検出手段によって検出された上記バッテリの充電率が上記所定許容範囲内に設定された基準値よりも低く且つ該バッテリの充電率が減少中の場合には、上記駆動側の微小トルクの発生による上記充電率の減少側への変動量よりも上記回生側の微小トルクの発生による上記充電率の増加側への変動量が大となるように上記充電率維持制御を実行することを特徴とする請求項1または2記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  4. 上記充電率制御手段は、上記充電率の減少側への変動量よりも増加側への変動量が大となり、且つ上記駆動側の微小トルクの継続期間と上記回生側の微小トルクの継続期間とが相違するように上記充電率維持制御を実行することを特徴とする請求項3記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  5. 上記充電率制御手段は、上記増加中のバッテリの充電率が上記所定許容範囲内の基準値に到達した時点で、上記充電率の減少側への変動量と増加側への変動量とが略等しくなるように上記充電率維持制御を実行することを特徴とする請求項3または4記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
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