JP2011130105A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】前景とそれに隣接する背景とを有するモノクロ画像における前景と背景との見分け易さを高める。
【解決手段】画像処理装置は、処理対象のモノクロ画像から下地領域に隣接する背景部分と少なくとも当該背景部分に隣接する前景部分とで構成される複属性領域を抽出する領域抽出部と、複属性領域における前景部分に対して色または模様を付ける一次処理を行なう一次処理部と、複属性領域における背景部分と一次処理を受けた前景部分とが設定条件を満たすか否かを判定する判定部と、判定部が前記設定条件を満たさないと判定した場合に、背景部分か一次処理を受けた前景部分かのいずれかに対して、明度を変更する二次処理を行なう二次処理部と、を備える。
【選択図】図6
【解決手段】画像処理装置は、処理対象のモノクロ画像から下地領域に隣接する背景部分と少なくとも当該背景部分に隣接する前景部分とで構成される複属性領域を抽出する領域抽出部と、複属性領域における前景部分に対して色または模様を付ける一次処理を行なう一次処理部と、複属性領域における背景部分と一次処理を受けた前景部分とが設定条件を満たすか否かを判定する判定部と、判定部が前記設定条件を満たさないと判定した場合に、背景部分か一次処理を受けた前景部分かのいずれかに対して、明度を変更する二次処理を行なう二次処理部と、を備える。
【選択図】図6
Description
本発明は、モノクロ画像を対象とした画像処理を行なう画像処理装置に関する。
カラードキュメントがモノクロ印刷されることはよくある。使用可能なプリンタがモノクロプリンタであったり、カラープリンタを使用する場合に印刷コストを削減するためにモノクロ印刷モードが指定されたりする状況は少なくない。モノクロ印刷では色は再現されないものの、元の色に応じた濃淡を有するグレースケール画像が印刷されるので、印刷物において元の色の違いをある程度は見分けることができる。
カラー画像のモノクロ化に関しては、カラー画像データの同色とみなし得る隣接領域間に対して所定値以上の階調差を付与する技術がある(特許文献1)。この技術によれば、単純に色を濃度に変換するのと比べて元の色の差異が明瞭に表現されたモノクロ画像を生成することができる。
一方、モノクロ化とは逆にモノクロのドキュメントをカラー化(色付け)する画像処理に関しては、モノクロ画像の各画素にその濃度に応じて予め定められた色を割り当てる方法、および図形や文字といった領域ごとに隣接する領域の色が異なるように色づけする方法が知られている。また、白黒写真における被写体を判断して色を決める方法が提案されている(特許文献2)。さらに、モノクロ画像からハッチングや網点といった特定のパターンの部分(グラフや図形など)を抽出して選択的にカラー化する装置の開示がある(特許文献3)。
カラードキュメントをモノクロ化したドキュメントの中には、元の色の差異が明瞭に表現されたものであったとしても、ドキュメント情報の視認性の観点において見易いとは言えないものがある。その典型例は、下地の全部または一部が紋様や写真といった背景で装飾され、背景に重ねるように文字や図形などで構成される前景が配置されたモノクロ画像である。前景とそれに隣接する背景との間に顕著な明暗(濃淡)がなければ、前景と背景との見分けがつきにくい。
本発明は、このような事情に鑑み、前景とそれに隣接する背景とを有するモノクロ画像における前景と背景との見分け易さを高めることを目的としている。
上記目的を達成する画像処理装置は、処理対象のモノクロ画像から、下地領域に隣接する背景部分と少なくとも当該背景部分に隣接する前景部分とで構成される複属性領域を抽出する領域抽出部と、前記領域抽出部によって抽出された前記複属性領域における前記前景部分に対して色または模様を付ける一次処理を行なう一次処理部と、前記複属性領域における前記背景部分と前記一次処理を受けた前景部分とが設定条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部が前記設定条件を満たさないと判定した場合に、前記背景部分か前記一次処理を受けた前景部分かのいずれかに対して、明度を変更する二次処理を行なう二次処理部と、を備える。
本発明によれば、前景とそれに隣接する背景とを有するモノクロ画像に対して、前景と背景との見分け易さを高める画像処理を施すことができる。
モノクロ画像を見易くする画像処理は、例えば図1に示される画像形成システム1によって行われる。画像形成システム1は、多機能周辺機器(MFP:Multifunction Peripherals)と呼ばれる情報機器である複合機2と、画像処理装置3としてのデータ処理サーバとを備える。複合機2および画像処理装置3は、有線または無線の通信路を含むネットワーク4を介した相互のアクセスおよび相互のデータ交換が可能である。なお、実施の形態としては、複合機2と画像処理装置3とが別体の機器である図示のシステム構成に限らず、画像処理装置3のもつ画像処理機能を複合機2に組み込んだ形態でもよい。
画像形成システム1において、ユーザが複合機2の操作パネル28を操作してモノクロ画像に画像処理を加えるコピージョブを指定した場合、複合機2の構成要素であるイメージスキャナ22によって原稿8から読み取られたモノクロ画像が画像処理装置3へ送られる。画像処理装置3によってモノクロ画像に対して見易さを高める画像処理が施され、処理後の画像が複合機2へ入力される。そして、複合機2の構成要素であるカラープリンタ23によってモノクロ画像に対応した画像が印刷される。なお、ここでいうモノクロ画像とは、無彩色または有彩色の濃淡で情報を表す2値または多値の画像であり、カラー画像をモノクロ化したグレースケール画像を含む。
以下では説明の便宜のため、原稿8の画像を文字領域・図形領域・写真領域といった属性の異なる複数の領域(画素群)を有するモノクロ画像とする。ただし、実際上は単一属性のモノクロ画像(例えば情報が文字のみで表されるテキスト文書)も画像処理装置3による処理の対象となり得る。
図2に例示される原稿8は、テキスト(文字列)60、棒グラフ70、円グラフ75、および表76を画像要素として有するモノクロドキュメントである。原稿8において用紙に記載された画像要素のうちの棒グラフ70が、画像処理装置3による画像処理が有効となる画像要素である。棒グラフ70の詳細が図2(B)に示される。
図2(B)のように、棒グラフ70は、表示すべき数値の意味や目盛の数値を示す文字とともに、前景部分110と背景部分120とで構成される複属性領域70Aを有する。前景部分110は、属性判別によって分類される属性の一つが該当する領域であって、少なくとも背景部分120と隣接する部分である。背景部分120は、前景部分110とは属性が異なる領域であって、必ず下地領域50および前景部分110の双方と隣接する部分である。
例示の前景部分110は、棒グラフ70の必須要素である複数の棒(帯状の図形)であり、背景部分120と隣接し、用紙面がそのまま現れた下地領域50とも隣接する。図示のとおり、前景部分110では濃さの異なる3種の棒のうちの濃さの近い2種の棒が隣接しており、そのことがグラフを見辛くする第1の要因となっている。
例示の背景部分120は、左上側に雲の在る空の写真である。図示のとおり、背景部分120の濃さ(明度)が全体的に見て前景部分110の濃さに近く、そのことがグラフを見辛くする第2の要因となっている。
このような複属性領域G10を見易くする画像処理装置3の構成および動作は次のとおりである。
図3のように、画像処理装置3には、イメージスキャナ22の画像データ読取部225からグレーデータD1が入力される。グレーデータD1は原稿8から読み取ったモノクロ画像の各画素の明るさに応じた画素値を示す。このグレーデータD1が画像処理装置3によって画像データD3bに変換されてカラープリンタ23に送られる。
画像処理装置3は、前処理部30、領域抽出部32、一次処理部34、見易さ判定部35、二次処理部36および後処理部38を備える。これらの要素は、本実施形態においてはプログラムとそれを実行する図示しないコンピュータとで実現される。
前処理部30は、グレーデータD1に対してノイズ除去および領域区分のための属性判別を含む前処理をする。前処理部30による処理を受けたグレーデータD1bが領域抽出部32へ送られる。画像に含まれる文字、図形、写真といった画像要素の属性を判別して画像を複数の領域に区分する技術はデジタル複写機やスキャナに応用される公知技術であるので、ここでは属性判別の方法の詳しい説明を省略する。
領域抽出部32は、前処理部30による属性判別の結果に基づいて、処理対象のモノクロ画像としてのグレーデータD1bからそれに含まれる一つまたは複数の複属性領域を抽出する。複属性領域とは、上述したように属性の異なる二つの部分が隣接する領域である。そして、領域抽出部32は、抽出した複属性領域における前景部分と背景部分とを示す前景/背景判別情報D32を見易さ判定部35に与える。ここで、属性の異なる二つの部分の一方のみが下地領域と隣接する場合には、当該部分を背景部分とすることができる。二つの部分の双方が下地領域と隣接する場合に、どちらを前景部分または背景部分とするかについては、属性によって決める方法がある。本実施形態では、属性が「文字」である部分は前景部分とし、属性が「写真」または「背景模様」である部分は背景部分とする。図2(B)の例に当てはめると、属性が「写真」である部分が背景部分120となるので、属性が「図形」であるグラフの棒の部分が前景部分110となる。
一次処理部34は、領域抽出部32によって抽出された複属性領域における前景部分に対して色または模様を付ける一次処理を行なう。色を付ける一次処理はいわゆるカラー化である。模様を付ける一次処理は、連続する同じ濃さの領域を縞パターン(ハッチング)や網点を含む他の任意のパターン(スクリーン)に置き換える処理である。一次処理部34は、一次処理を施した一次処理データD2を二次処理部36に引き渡す。
一次処理としてカラー化を行なう場合は、予め濃度(明るさ)の値ごとに色を割り当てておき、元画像の画素の濃度に応じた色をカラー画像の画素の色とする方法を採用することができる。元画像の明暗がカラー画像に反映されるように、最大濃度には黒を割り当て、最小濃度には白を割り当て、他の濃度には所定明度の有彩色を割り当てる。例えば、最大から最小までの濃度変化に対して、黒、青、赤、黄、白の順の色相変化を対応させる。また、他のカラー化の手法としては、濃度で区分される部分ごとに隣接する部分と異なる色を割り当てる方法がある。割り当て可能な色の数を3以上とし、色の分布に極端な偏りが生じないように割り当て可能な色を均等に使用するのがよい。
見易さ判定部35は、一次処理データD2を参照し、一次処理を受けた前景部分と一次処理を受けていない背景部分とが設定条件を満たすか否か、すなわち背景部分または前景部分を対象とする二次処理の要否を判定する。この判定の設定条件には後述のように明度が関係する。設定条件が満たされていない場合は二次処理が必要である。
二次処理部36は、見易さ判定部35が設定条件を満たさないと判定した場合に、背景部分か一次処理を受けた前景部分かのいずれかに対して、明度を変更する二次処理を行なう。二次処理には、処理の対象である背景部分または前景部分の各画素の明度を一律に増減する単純な明度調整(以下、明度シフトという)と、各画素の明度をその大きさに応じて増減量が異なるように増減するコントラスト調整とがある。二次処理部36は、二次処理を施した二次処理データD3を後処理部38に引き渡す。
なお、見易さ判定部35が設定条件を満たすと判定した場合には、二次処理は行なわれず、一次処理データD2が後処理部38へ引き渡される。
後処理部38は、入力された二次処理データD3に対して色むらや濃度むらを低減するスムージングを含む所定の後処理を施し、それにより得られた画像データD3bをカラープリンタ23へ送る。画像データD3bは、一次処理としてカラー化が行なわれた場合は、カラープリンタ23の色変換部235によって減法混色に適したCMYKデータに変換される。そして、プリントエンジン236によってシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)の色材を用いてCMYKデータが用紙9に印刷される。カラー化ではない一次処理が行なわれた場合は、画像データD3bはカラープリンタ23のモノクロ印刷モードの動作によって印刷される。
次にフローチャートを参照して画像処理装置3の動作を説明する。
図4のように、画像処理装置3はイメージスキャナ22から入力される画像データを受け取り(#1)、画像データの種別をチェックする(#2)。入力された画像データがモノクロ画像データである場合に、画像処理装置3は画像の見易さを高めるための一連の処理を行なう。一連の処理とは、複属性領域を抽出して前景部分と背景部分とを判別する処理(#3)、前景部分に対して色付けまたは模様付けをする一次処理(#4)、および見易さを判定して必要に応じて背景部分または前景部分の明度を変更する二次処理(#5)である。これらの処理を終えた後、画像処理装置3は後処理を施した画像データをカラープリンタ23へ出力する(#6)。一方、入力された画像データがモノクロ画像データではない場合には、画像処理装置3は一次処理および二次処理を行なわずに、後処理を施した画像データをカラープリンタ23へ出力する(#2、#6)。
図5は図4のステップ#5の二次処理の第1例を示す。
二次処理サブルーチンでは、見易さ判定部35が領域抽出部32からの前景/背景判別情報D32を参照し、一次処理データD2から複属性領域の各画素の明度を取得する(#51)。本実施形態において、明度は8ビットのデータで表され、「0」から「255」までの値をとる。明度が小さいほど画素は暗く(濃い)、明度が大きいほど画素は明るい(淡い)。一次処理としてカラー化が行なわれた場合、前景部分についてはRGBの三つの色成分値に基づいて明度を算出する。算出には例えばY(明度)=0.3R+0.59G+0.11Bといったグレースケール処理において一般的な演算式が適用される。ただし、これに限らず、三つの色成分値の中の最も大きい値を明度とする方法、三つの色成分値の中の最も大きい値と最も小さい値との中間の値を明度とする方法、RGB表色系からXYZ表色系に変換してY成分値を明度とする方法、およびRGB表色系からLab表色系に変換してL値を明度とする方法などを適用してもよい。
続いて、見易さ判定部35は、前景部分と背景部分とのそれぞれについて代表明度値を定め、前景部分の代表明度値と背景部分の代表明度値との差を算出する。そして、算出した差と予め設定されている閾値とを比較する(#52)。代表明度値は、例えば該当部分(前景部分または背景部分)に含まれる全画素の明度の平均値である。ただし、これに限らず、該当部分における明度の最頻値または中央値を代表明度値としてもよい。閾値は明暗が顕著であるとみなす最小の明度差を示し、例えば40〜80の範囲内の任意の値とされる。本例では閾値が「60」であるとする。
前景部分と背景部分との代表明度値どうしの差が閾値または閾値を超える値である場合(#52でNO)、見易さ判定部35は、背景部分と一次処理の施された前景部分とが設定条件を満たすと判定する。この場合の処理の流れは、直ちに二次処理サブルーチンを抜けて図4のメインルーチンへ戻る。
一方、前景部分と背景部分との代表明度値どうしの差が閾値未満である場合(#52でYES)、見易さ判定部35は、背景部分と前景部分とのいずれに二次処理を加えるかを決めるため、前景部分の代表明度値と基準明度値との差および背景部分の代表明度値と基準明度値との差を算出し(#53)、算出した二つの差を比較する(#54)。基準明度値は明度の数値範囲(0〜255)の中央付近の値とされる。本例では基準明度値が「125」であるとする。したがって、本例における代表明度値と基準明度値との差(代表明度値−基準明度値)は、「−125〜130」の範囲の値をとり得る。
見易さ判定部35は、二次処理の対象として、前景部分と背景部分とのうち、代表明度値と基準明度値との差の絶対値が小さい方を選択する(#54)。差の絶対値が小さい方を選択するのは、明度の増減が可能な数値範囲が広いからである。そして、見易さ判定部35は、処理の対象と明度の増減量とを二次処理部36に伝える。明度の増減量は、代表明度値どうしの差が閾値を超える最小の値とされる。
具体例として、前景部分の代表明度値が「54」であり、背景部分の代表明度値が「62」である場合を想定する。この場合、代表明度値どうしの差「8」は閾値「60」よりも小さいので、前景部分または背景部分に二次処理を加える必要である。前景部分の代表明度値「54」と基準明度値「125」との差の絶対値「71」と比べて、背景部分の代表明度値「62」と基準明度値「125」との差の絶対値「63」が小さいので、二次処理の対象は背景部分である。背景部分の方が明るいので、背景部分の明度を下げるよりも背景部分の明度を上げる方が、より小さい幅の値変更で前景部分と背景部分との明度差を閾値以上とすることができる。前景部分の代表明度値「54」に閾値「60」を加えた値「114」と背景部分の代表明度値「62」との差「52」が二次処理における明度の増加量となる。
見易さ判定部35からの通知に従って、二次処理部36が前景部分または背景部分の各画素の明度を変更する(#55、#56)。すなわち、見易さ判定部35が指定した増減量の分だけ対象部分の画素の明度を一律に上げまたは下げる演算が行なわれる。このとき、現状の明度と増減量との和が最大値の255を超える値になる画素については最大値が演算の結果とされ、和が最小値の0より小さい値になる画素については最小値が演算の結果とされる。
なお、一次処理として前景部分のカラー化が行なわれ、二次処理が前景部分に対して行なわれた場合には、二次処理後の明度に対応するRGBの色成分値を算出する演算が二次処理部36によって行なわれる。
以上の画像処理装置3の動作により、図6および図7に示すようにモノクロ画像の見易さが高まる。
図6の例は一次処理としてカラー化を行なう例である。上述の棒グラフ70(図2参照)の複属性領域70Aにおいて、前景部分110と背景部分120とが判別される。一次処理として、前景部分110がカラー化される。カラー化された前景部分111では、カラー化の前の前景部分110と比べて、隣接する棒を見分け易い。しかし、一次処理を受けた段階の棒グラフ71では、前景部分111と背景部分120とを見分けにくい。そこで、例示では背景部分120の明度を上げる二次処理が行なわれる。二次処理後の棒グラフ72は、カラー化された前景部分111と処理前と比べて明るい背景部分121とで構成される複属性領域72Aを有する。二次処理後の棒グラフ72では、前景部分111と背景部分121とのコントラストが高いことから、前景部分111の各棒の長さの読み取りが容易である。
図7の例は一次処理としてハッチング処理を行なう例である。棒グラフ80は、複属性領域80Aを有する。この複属性領域80Aにおいて、前景部分210と背景部分220とが判別される。一次処理として、前景部分210に対して連続する同一明度の箇所を所定のパターンに置き換えるハッチング処理が行なわれる。ハッチング処理を受けた前景部分211では、処理前の前景部分210と比べて、隣接する棒を見分け易い。しかし、一次処理を受けた段階の棒グラフ81では、前景部分211と背景部分220とを見分けにくい。そこで、例示では背景部分220の明度を下げる二次処理が行なわれる。二次処理後の棒グラフ82は、ハッチング処理を受けた前景部分211と処理前と比べて暗い背景部分221とで構成される複属性領域82Aを有する。二次処理後の棒グラフ82では、前景部分211と背景部分221とのコントラストが高いことから、前景部分211の各棒の長さの読み取りが容易である。
図8は図4のステップ#5の二次処理の第2例を示す。
第2例の特徴は、画素の明度を一律に増減する明度シフトだけでなく、図9(B)のように明度に応じて増減量を異ならせるコントラスト調整を必要に応じて実施することである。処理の対象となる前景部分または背景部分の各画素の明度が設定範囲内の値であれば、処理速度の観点で有利な明度調整を行なう。設定範囲は、明度の値の取り得る範囲(0〜255)のうちの最小値側の一定範囲と最大値側の一定範囲とを除いた残りの範囲、すなわち最小値より大きい閾値Aから閾値Aより大きくかつ最大値よりも小さい閾値Bまでの範囲である。図9(A)の例示では、50から200までの範囲が明度シフトに係る設定範囲である。
設定範囲によって明度シフトの実施を限定する理由は、底づきや天井つきと呼ばれる現象を防ぐためである。明度が最小値(0)または最大値(255)に近い画素がある場合、明度シフトによって元々は異なる明度が同じ値(最小値または最大値)になって画像の階調が失われる。階調の消失を防ぐ上では、閾値Aを大きく閾値Bを小さくして設定範囲を狭くするのが良いが、明度シフトと比べて処理手段の負担の大きいコントラスト調整の実施を少なくする上では設定範囲を広くするのが良い。
図8のステップ#71〜#74の処理は、図5のステップ#51〜#54の処理と同様である。見易さ判定部35は、複属性領域の各画素の明度を取得し(#71)、前景部分の代表明度値と背景部分の代表明度値との差を算出して閾値とを比較する(#72)。前景部分と背景部分との代表明度値どうしの差が閾値以上である場合(#72でNO)、見易さ判定部35は、背景部分と一次処理の施された前景部分とが設定条件を満たすと判定する。この場合の処理の流れは、直ちに二次処理サブルーチンを抜けて図4のメインルーチンへ戻る。一方、前景部分と背景部分との代表明度値どうしの差が閾値未満である場合(#72でYES)、見易さ判定部35は、背景部分と前景部分とのいずれに二次処理を加えるかを決めるため、前景部分の代表明度値と基準明度値との差および背景部分の代表明度値と基準明度値との差を求め(#73)、これらの差を比較する(#74)。
前景部分と背景部分とのうち、代表明度値と基準明度値との差の絶対値が小さい方が二次処理の対象となる。見易さ判定部35は、明度シフトを実施するかコントラスト調整を実施するかを決めるため、処理の対象となった部分について当該部分の明度範囲が設定範囲内か否かをチェックする(#75、#77)。当該部分の全画素の明度が設定範囲内であれば、二次処理部36が、図4のステップ#55と同様に前景部分に対して明度シフトを行い(#76)、または図4のステップ#56と同様に背景部分に対して明度シフトを行う(#78)。
対象部分の明度範囲が設定範囲内でない場合(#75でNOまたは#77でNO)、二次処理部36は、対象部分のコントラストを明度範囲が設定範囲に収まるまで段階的に変更する(#79、#80)。その後、見易さ判定部35が、改めて前景部分の代表明度値と背景部分の代表明度値との差を算出して閾値とを比較する(#81、#82)。
前景部分と背景部分との代表明度値どうしの差が閾値以上である場合(#82でNO)、処理の流れは直ちに二次処理サブルーチンを抜けて図4のメインルーチンへ戻る。
一方、前景部分と背景部分との代表明度値どうしの差が閾値未満である場合(#82でYES)、見易さ判定部35および二次処理部36が連携して、代表明度値どうしの差が閾値以上となるように、コントラストを変更した対象部分について明度シフトを実施する(#83)。
以上の実施形態の変形として、一次処理として前景部分のカラー化を行なう場合に、二次処理の対象を背景部分に限定することができる。これによれば、二次処理の後に明度かカラー成分値を求める演算が不要になる。また、図5の二次処理サブルーチンにおけるステップ#53、ステップ#54およびステップ#55を省略して図10のように処理の流れを簡単化し、画像処理の所要時間の短縮を図ることができる。
上述の実施形態では、棒グラフ70,80に対して処理を行なう例を挙げたが、複属性領域に該当する任意の画像要素に対して有効な処理を施すことができる。モノクロ画像を印刷する場合に限らず、例えばディスプレイに表示させる場合にも一次処理によって画像を見易くし、二次処理によってさらに見易くすることができる。
上述の実施形態では、前景部分および背景部分のそれぞれの全画素の明度に基づいて代表明度値を定めたが、前景部分および背景部分のそれぞれにおける他方との境界付近の明度に基づいて代表明度値を定めてもよい。また、前景部分と背景部分との境界における明度差のうちの最も小さい値が閾値未満の場合に二次処理が必要であると判定するように、見易さ判定部35を構成してもよい。
3 画像処理装置
D1 グレーデータ(モノクロ画像)
8 原稿
50 下地領域
120,220 背景部分
110,210 前景部分
70A 複属性領域
32 領域抽出部
34 一次処理部
35 見易さ判定部(判定部)
36 二次処理部
D1 グレーデータ(モノクロ画像)
8 原稿
50 下地領域
120,220 背景部分
110,210 前景部分
70A 複属性領域
32 領域抽出部
34 一次処理部
35 見易さ判定部(判定部)
36 二次処理部
Claims (6)
- モノクロ画像に対して画像処理を行う画像処理装置であって、
処理対象のモノクロ画像から、下地領域に隣接する背景部分と少なくとも当該背景部分に隣接する前景部分とで構成される複属性領域を抽出する領域抽出部と、
前記領域抽出部によって抽出された前記複属性領域における前記前景部分に対して色または模様を付ける一次処理を行なう一次処理部と、
前記複属性領域における前記背景部分と前記一次処理を受けた前景部分とが設定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部が前記設定条件を満たさないと判定した場合に、前記背景部分か前記一次処理を受けた前景部分かのいずれかに対して、明度を変更する二次処理を行なう二次処理部と、を備える
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記判定部は、前記背景部分と前記一次処理を受けた前景部分との明度差が閾値未満の場合に、前記設定条件を満たさないと判定する
請求項1記載の画像処理装置。 - 前記判定部は、前記背景部分と前記前景部分とについて、当該二つの部分のそれぞれに含まれる全画素の明度の平均値か最頻値か中央値かのいずれかを代表明度値とし、当該二つの部分のそれぞれの代表明度値を予め定められた基準値と比較し、前記背景部分と前記前景部分とのうちの前記代表明度値と基準値との差が小さい方の部分を二次処理の対象とする
請求項1または2記載の画像処理装置。 - 前記二次処理部は、二次処理の対象とした前記背景部分または前記前景部分の明度範囲が設定範囲内である場合には、各画素の明度を一律に増減する明度調整をし、当該明度範囲が当該設定範囲外である場合には、各画素の明度をその大きさに応じて増減量が異なるように増減するコントラスト調整をする
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置。 - モノクロ画像に対して画像処理を行う画像処理装置が実行する画像処理プログラムであって、
前記画像処理装置に、
処理対象のモノクロ画像から、下地領域に隣接する背景部分と少なくとも当該背景部分に隣接する前景部分とで構成される複属性領域を抽出する領域抽出ステップと、
前記領域抽出ステップで抽出された前記複属性領域における前記前景部分に対して色または模様を付ける一次処理を行なう一次処理ステップと、
前記複属性領域における前記背景部分と前記一次処理を受けた前景部分とが設定条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記設定条件を満たさないと判定した場合に、前記背景部分か前記一次処理を受けた前景部分かのいずれかに対して、明度を変更する二次処理を行なう二次処理ステップとを、実行させる
ことを特徴とする画像処理プログラム。 - モノクロ画像に対して画像処理を行う画像処理方法であって、
画像処理装置が、処理対象のモノクロ画像から、下地領域に隣接する背景部分と少なくとも当該背景部分に隣接する前景部分とで構成される複属性領域を抽出する領域抽出ステップと、
前記画像処理装置が、前記領域抽出ステップで抽出された前記複属性領域における前記前景部分に対して色または模様を付ける一次処理を行なう一次処理ステップと、
前記画像処理装置が、前記複属性領域における前記背景部分と前記一次処理を受けた前景部分とが設定条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記画像処理装置が、前記判定ステップで前記設定条件を満たさないと判定した場合に、前記背景部分か前記一次処理を受けた前景部分かのいずれかに対して、明度を変更する二次処理を行なう二次処理ステップとを有する
ことを特徴とする画像処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009285556A JP2011130105A (ja) | 2009-12-16 | 2009-12-16 | 画像処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009285556A JP2011130105A (ja) | 2009-12-16 | 2009-12-16 | 画像処理装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016018391A (ja) * | 2014-07-08 | 2016-02-01 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像処理装置およびプログラム |
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2009
- 2009-12-16 JP JP2009285556A patent/JP2011130105A/ja active Pending
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