以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.システム概要>
図1は、印刷システム1の構成を示す概略図である。
図1に示すように、印刷システム1は、印刷用の出力データを生成するコンピュータ10と、印刷出力機能を有するプリンタ80とを備える。
プリンタ80は、印刷出力部85等を備えており、コンピュータ10等からの印刷出力指令に基づいて、印刷出力部85等を用いて印刷出力動作を実行する。プリンタ80は、たとえば、単機能プリンタ、あるいは、マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral)(MFPとも略称する)などとして構成される。
コンピュータ10は、CPU2、半導体メモリ(RAM等)3、ハードディスクドライブ4、表示部(液晶表示部等)5、および入力部(キーボード、マウス等)6を備えて構成される(図3参照)。コンピュータ10は、そのCPU2等を用いて各種のプログラムを実行することによって様々な機能を実現する。
コンピュータ10には所定のOS(オペレーティングシステム)がインストールされており、複数のアプリケーションソフトウエアプログラム(単に、アプリケーション或いはアプリケーションソフトウエアなどとも称する)20を当該OS上で実行することが可能である。これらの複数のアプリケーションの中には、上述のような特定のアプリケーション20S(たとえば、EXCEL(商標))が含まれる。
また、各アプリケーションソフトウエア20は、ユーザによる印刷操作(印刷指令)に応じて、プリンタ80制御用のプリンタドライバプログラム(単にプリンタドライバとも称する)30を呼び出して実行する。プリンタドライバ30は、操作者(ユーザ)の入力操作等による印刷設定内容に応じて印刷設定動作を行い、プリンタ80に対する印刷制御動作を実行する。そして、プリンタドライバ30の印刷制御動作に応じて、プリンタ80は印刷出力動作を行う。このように、コンピュータ10は、プリンタ80の印刷出力を制御する印刷制御装置としても機能する。
また、コンピュータ10は、図2に示すように、入出力制御部11と分類部13とデータ格納制御部15とを有する。これらの処理部は、アプリケーションソフトウエア20およびプリンタドライバ30等を実行することによって実現される。なお、図2は、コンピュータ(印刷制御装置)10の構成を示す機能ブロック図である。
入出力制御部11は、各種の画面GA〜GF(図14〜図22)等をコンピュータ10の表示部に表示させるとともに、当該コンピュータ10の操作者による操作入力を当該画面GA〜GFを用いて受け付ける。すなわち、入出力制御部11は、ユーザインターフェイスとしての画面GA〜GFを介して、操作者に対して所定の情報を提示するとともに、操作者からの操作入力を受け付ける。
なお、画面GA〜GFのうち保存先設定用画面GD(図16〜図19)は、後述するように、印刷設定情報(詳細には、DEVMODE構造体のデータ)の各項目のデータの保存先に関する保存先情報60(図10参照)を表示する画面である。
分類部13は、印刷設定情報MPの各項目を異なるグループGR1,GR2に分類する処理部である。分類部13は、たとえば、保存先設定用画面GD(詳細にはGD1あるいはGD2)を用いて入力された保存先情報60に基づいて、印刷設定情報MP内の複数の項目(およびそのデータ)を2つのグループGR1,GR2に分類する。
データ格納制御部15は、印刷設定情報MPに含まれる各項目に関するデータを特定アプリケーションのデータとともに保存するか否か、を決定する処理部である。詳細には、データ格納制御部15は、印刷設定情報MPのうちグループGR1に分類される項目のデータ51(図9および図11参照)を、特定アプリケーション20S用のデータファイルFLの内部に保存する。一方、データ格納制御部15は、印刷設定情報MPのうちグループGR2に分類される項目のデータ52(図9および図11参照)を、データファイルFL内に保存せず、データファイルFLの外部に保存する。当該データDT2は、たとえば、コンピュータ10の各ユーザ環境でのレジストリ領域において、データファイルFLとは別のデータとして保存(記憶)される。
<2.印刷設定情報>
コンピュータ10において、複数のアプリケーションソフトウエア20のうち特定のアプリケーションソフトウエア20Sが実行され、所定の保存動作が実行されると、当該特定のアプリケーションソフトウエア20S向けの特定形式のデータファイルFLが作成される。また、当該特定のアプリケーションソフトウエア20Sの実行中において、プリンタドライバ30が呼び出されて印刷設定動作が行われると、当該印刷設定動作に伴って設定された印刷設定情報は、原則として、当該特定形式のデータファイルFL内に保存される。たとえば、EXCEL(商標)の実行中にプリンタドライバ30が呼び出され、設定用画面GF(図7参照)を用いて印刷設定動作が実行されると、設定された印刷設定情報は、原則として、当該特定形式のデータファイルFL内にも保存される。
印刷設定動作において保存される印刷設定情報は、たとえば特定の構造体(DEVMODE構造体等)(図4参照)のデータとして管理される。
図4は、当該特定の構造体(DEVMODE構造体)のデータ50の一例を示す概念図である。図4に示すように、このDEVMODE構造体データ50は、パブリック部(パブリック構造体とも称する)50a(図5参照)とプライベート部(プライベート構造体とも称する)50b(図6参照)とを有する。図5は、パブリック部50aの構成例(C言語での記述例)を示す図であり、図6は、プライベート部50bの構成例(C言語での記述例)を示す図である。
パブリック部50a(図5参照)は、各社のプリンタドライバ30に依存しない設定項目に関するデータを有している。換言すれば、パブリック部50aは、アプリケーションソフトウエア20Sにおいて、各社のプリンタドライバ30で共用される共通設定部分である。
プライベート部50b(図6参照)は、各社のプリンタドライバ30に依存する設定項目(固有設定項目)に関するデータを有している。プライベート部50bは、各社のプリンタドライバ30で固有に設定される固有設定部分である。
図7は、印刷設定動作に用いられる設定用画面GFの一例を示す図である。
設定用画面GFは、複数の設定項目を設定する画面であり、当該複数の設定項目は、複数のタブ(「基本設定」、「レイアウト」、「仕上げ」、「カバーシート挿入」、「スタンプ/ページ印字」、「画像品質」、「その他」)で区分されて表示される。
たとえば、図7の「基本設定」タブには、複数(詳細には12個)の設定項目と当該各設定項目に関する設定内容とが表示される。操作者は、画面GF(図7)を用いた入力操作によって当該各設定項目に関する内容の設定動作(変更動作)を行うことが可能である。
ここにおいて、上記の12個の設定項目のうちの一部の設定項目M1〜M7に関するデータは、パブリック部50a内に格納される
詳細には、図7の画面GF内の「原稿の向き」に関する設定項目M1は、原稿の向き(「縦」向きであるか「横」向きであるか)を設定する項目であり、パブリック部50a内の変数「dmOrientation」に対応する(図5参照)。設定項目M1に関する設定内容は、変数「dmOrientation」の値として格納される。このように、設定項目M1に関する設定内容は、パブリック部50a内の対応変数「dmOrientation」に格納される。
同様に、設定項目M2(「原稿サイズ」)に関する設定内容は、パブリック部50a内の対応変数「dmPaperSize」に格納され、設定項目M3(「ズーム」)に関する設定内容は、パブリック部50a内の対応変数「dmScale」に格納される。また、設定項目M4(「給紙トレイ」)に関する設定内容は、パブリック部50a内の対応変数「dmDefaultSource」に格納され、設定項目M5(「用紙種類」)に関する設定内容は、パブリック部50a内の対応変数「dmMediaType」に格納される。さらに、設定項目M6(「部数」)に関する設定内容は、パブリック部50a内の対応変数「dmCopies」に格納され、設定項目M7(「ソート」)に関する設定内容は、パブリック部50a内の対応変数「dmCollate」に格納される。
一方、上記の12個の設定項目のうちの他の一部の設定項目M21〜M25に関するデータは、プライベート部50b内に格納される。
詳細には、図7の画面GF内の「出力サイズ」に関する設定項目M21は、印刷出力媒体(印刷用紙等)のサイズ(「A4サイズ」等)を設定する項目であり、プライベート部50b内の変数「OutputSize」に対応する(図6参照)。設定項目M21に関する設定内容は、変数「OutputSize」の値として格納される。このように、設定項目M21に関する設定内容は、プライベート部50b内の対応変数「OutputSize」に格納される。
同様に、設定項目M22(「出力方法」)に関する設定内容(「通常印刷」および「セキュリティ印刷」等)は、プライベート部50b内の対応変数「OutputType」に格納される。また、設定項目M23(「仕分け」)に関する設定内容は、プライベート部50b内の対応変数「ShiftSort」に格納される。さらに、設定項目M24((セキュリティ印刷における)「ID」)に関する設定内容は、プライベート部50b内の対応変数「SecurityID」に格納され、設定項目M25((セキュリティ印刷における)「パスワード」)に関する設定内容は、プライベート部50b内の対応変数「SecurityPass」に格納される。
なお、「セキュリティ印刷」は、直ちに印刷出力を開始するのではなく、印刷出力用のプリントデータをプリンタ80(MFP)内のボックス(セキュリティ文書ボックス)に蓄積しておき、その後、「ID」と「パスワード」とをプリンタ80(MFP)の本体操作パネルを用いて入力すると印刷出力を開始するものである。これによれば、他人による持ち去り或いは取り間違いなどを防止することが可能である。
また、図7においては、「基本設定」タブに関する設定項目等が例示されているが、他のタブにおいても、それぞれ対応する種々の設定項目が表示され、当該種々の設定項目に関する設定動作が実行される。また、各種の設定項目の設定内容は、上述のパブリック部50aとプライベート部50bとに分類されて保存される。
<3.ファイル格納動作>
図8は、構造体データ50内の複数の設定項目に関するデータを纏めて示す図である。
図8に示すように、図7の12個の項目を含む複数の項目を有する構造体データ50は、パブリック部50aとプライベート部50bとに分類される。
また、当該複数の項目のデータは、データファイルFLの内部に保存される内部保存用データ51と当該データファイルFLの外部に保存される外部保存用データ52とにも分類される。
この実施形態においては、図9にも示すように、プライベート部50b内の一部のデータ(50d)が外部保存用データ52として分類される。一方、プライベート部50b内の他の一部のデータ(50c)とパブリック部50a内のデータとは、内部保存用データ51として分類される。内部保存用データ51と外部保存用データ52とに関する分類動作等については、後に詳述する。
上記においては、表計算ソフトウエア(EXCEL)の実行中にプリンタドライバ30が呼び出され、設定用画面GF(図7参照)を用いて印刷設定動作が実行されると、設定された印刷設定情報は、原則として、当該特定形式のデータファイルFLの内部に保存される旨を説明した。
ただし、より正確には、この実施形態においては、設定された印刷設定情報のうち、上記の外部保存用データ52として分類されたデータは、例外的に、データファイルFLの内部に保存されずデータファイルFLの外部に保存される。当該外部保存用データ52は、データファイルFLとは別のデータとして保存される。たとえば、当該外部保存用データ52は、コンピュータ10の各ユーザ環境でのレジストリ領域において、元のレジストリデータとも別のデータDRとして保存される。
また、プリンタドライバ30の呼出時においてデータファイルFL内にDEVMODE構造体データ50が未だ存在しない場合には、レジストリ領域内のDEVMODE構造体データ50の内容が利用されて、印刷設定動作等が実行される。
より詳細には、この場合には、まず、操作ユーザのレジストリ領域(当該ユーザアカウントのレジストリ領域)に保存されたDEVMODE構造体データ(元のレジストリデータとも称する)50が読み出され、半導体メモリ2内のテンポラリ領域に一時的に格納される。各種の印刷設定内容に関する編集処理は、このテンポラリ領域上で実行される。その後、テンポラリ領域内に格納されたデータ50のうち内部保存用データ51は、最終的には、データファイルFL内に格納される。一方、テンポラリ領域内に格納されたデータ50のうち外部保存用データ52は、最終的には、操作ユーザのレジストリ領域において、元のレジストリデータとは別のデータDRとして格納される。すなわち、当該外部保存用データ52は、データファイルFL内には格納されない。
一方、プリンタドライバ30の呼出時において既にデータファイルFL内にDEVMODE構造体データ50が存在する場合には、データファイルFL内のDEVMODE構造体データ50の内容が優先的に利用されて、印刷設定動作等が実行される。
より詳細には、この場合には、まず、DEVMODE構造体データ50のうち内部保存用データ51(すなわちデータ50a,50c)は、データファイルFLから読み出されて、テンポラリ領域に一時的に格納される。一方、データ50のうち外部保存用データ52(すなわちデータ50d)は、データファイルFL内には存在しない。操作ユーザのレジストリ領域における上述のデータDRが外部保存用データ52(すなわちデータ50d)として読み出されて、テンポラリ領域に一時的に格納される。そして、各種の印刷設定内容に関する編集処理は、このテンポラリ領域上で実行される。その後、上記と同様の格納動作が最終的に実行される。具体的には、テンポラリ領域内に格納されたデータ50のうち内部保存用データ51は、データファイルFL内に格納される。一方、外部保存用データ52は、操作ユーザのレジストリ領域において、元のレジストリデータとは別のデータDRとして保存され、データファイルFL内には格納されない。
なお、この実施形態においては、より詳細には、DEVMODE構造体データ50の各設定項目に関する保存先をそれぞれ規定した保存先設定データ60(図10参照)も、データファイルFL内に格納される(図11参照)。DEVMODE構造体データ50の少なくとも一部がデータファイルFL内に存在する場合には、プリンタドライバ30は、データファイルFL内の保存先設定データ60を参照することによって、データ50の各設定項目の保存先を知得(取得)することが可能である。保存先設定データ60においては、データ50a,50cに属する設定項目の設定内容が「ファイル」に保存されること(すなわち保存先がデータファイルFLであること)が規定されているとともに、データ50dに属する各設定項目の設定内容が「非ファイル」に保存されること(すなわち保存先がデータファイルFLでないこと)が規定されている。
さて、ここにおいて、仮に図25に示すように、DEVMODE構造体データ50の全てをデータファイルFL内に保存する比較例を想定する。
このような比較例においては、プリンタドライバの設定内容に含まれる全てのセキュリティ情報がデータファイルFL内に格納されるため、当該データファイルFLが他人に渡されると、当該セキュリティ情報の漏洩リスクが高くなる。
一方、この実施形態においては、操作者の指示に基づいて、このような全セキュリティ情報の一部あるいは全部は、外部保存用データ52として分類され、データファイルFLの内部には保存されず、データファイルFLの外部に保存される(図9)。
これによれば、データファイルFLが他人に渡されたとしても、当該一部あるいは全部のセキュリティ情報は、外部保存用データ52に分類され、データファイルFLの外部に保存されているため、当該データファイルが他人に渡されるときでも、当該セキュリティ情報もが共に移動してしまう可能性を低減し、当該セキュリティ情報の漏洩リスクを低減することができる。このように、全ての印刷設定情報が特定アプリケーションのデータファイルに画一的に格納されてしまうことを回避して、ユーザの利便性を向上させることが可能である。
また、上記のような比較例においては、プリンタドライバの印刷設定内容に含まれる全情報がデータファイルFL内に格納される。そして、当該データファイルFLが他人に渡されると、当該他人のコンピュータにおいてデータファイルFLをオープンする場合にも、当該データファイルFL内の印刷設定情報が引き継がれる。そのため、当該他人にとって予期せぬ印刷設定(特に不都合な印刷設定)および予期せぬ印刷動作が行われる可能性がある。
これに対して、この実施形態においては、操作者の選択操作に応じて全情報のうちの一部の項目のデータが外部保存用データ52として分類され、データファイルFLの内部には保存されず、データファイルFLの外部に保存される(図9)。
これによれば、データファイルFLが他人に渡されたとしても、選択された一部の情報は、外部保存用データ52に分類され、データファイルFLの外部に保存されるため、当該データファイルが移転されるときには、当該一部の情報は引き継がれない。したがって、移転先の他人にとって予期せぬ印刷設定(特に不都合な印刷設定)等が行われる可能性を低減することができる。このように、全ての印刷設定情報が特定アプリケーションのデータファイルに画一的に格納されてしまうことを回避して、ユーザの利便性を向上させることが可能である。
<4.詳細動作>
つぎに、図12および図13等を参照しながら、印刷システム1における印刷設定動作等についてさらに詳細に説明する。図12および図13は、コンピュータ10(詳細にはプリンタドライバ30)による印刷設定動作等を示すフローチャートである。ここでは、起動中のアプリケーションソフトウエア20において「印刷設定メニュー」が選択され、当該起動中アプリケーションソフトウエア20からプリンタドライバ30が呼び出されて印刷設定動作が実行される状況を想定する。
図12に示すように、呼び出されたプリンタドライバ30は、呼出元のアプリケーションソフトウエア20が特定タイプのアプリケーションソフトウエア20Sであるか否かを判定する。ここで、特定タイプのアプリケーションソフトウエア20Sは、印刷設定情報の少なくとも一部をデータファイルFL内に保存(格納)するタイプのアプリケーションソフトウエアである。また、プリンタドライバ30は、その内部情報として、当該特定タイプのアプリケーションソフトウエア20Sのリスト情報(名称リスト)を有している。
具体的には、ステップS11においては、プリンタドライバ30は、呼出元のアプリケーションソフトウエア20の名称をAPI(Application Programming Interface)(たとえばWindows(登録商標)API)等を用いてOSから取得する。そして、上述のリスト情報に列挙されたアプリケーションソフトウエアの中に、呼出元のアプリケーションソフトウエア20が存在するか否かが判定される。そして、この判定結果に応じて、呼出元のアプリケーションソフトウエア20が、特定タイプのアプリケーションソフトウエア20Sであるか否かがさらに判定される。
呼出元のアプリケーションソフトウエア20が特定タイプのアプリケーションソフトウエア20Sではないと判定される場合には、ステップS11からステップS12に進む。ステップS12では、図7のような設定用画面GFを用いて、印刷設定動作が行われる。そして、印刷設定動作終了後においては、当該印刷設定情報は、たとえば、コンピュータ10内の(操作ユーザに関する)レジストリ領域に格納される。当該印刷設定情報は、データファイルFL内には格納されない。
一方、呼出元のアプリケーションソフトウエア20が特定タイプのアプリケーションソフトウエア20Sであると判定される場合には、ステップS11からステップS13に進む。ステップS13では、確認用画面GB(図14)が表示される。
上述のように、特定タイプのアプリケーションソフトウエア20Sは、印刷設定情報を原則としてデータファイルFL内に保存するタイプのアプリケーションソフトウエアである。この確認用画面GBの表示欄D11においては、その判定内容(すなわち、呼出元のアプリケーションソフトウエア20が当該特定タイプのアプリケーションソフトウエア20Sであり、印刷設定情報が原則としてデータファイルFL内に保存されること)が提示されている。操作者は、表示欄D11の内容を了解する場合(原則に従って全ての印刷設定情報をデータファイルFLに保存することを許容する場合)には、OKボタンBN12を押下する。OKボタンBN12が押下されると、ステップS14からステップS16に進む。ステップS16においては、図7のような設定用画面GFを用いて印刷設定動作が行われた後、印刷設定情報が操作ユーザのレジストリ領域に格納されるとともに、当該印刷設定情報は全てデータファイルFL内にも格納される。いわゆる通常の動作(原則通りの動作)が実行される。
なお、確認用画面GB(図14)において、キャンセルボタンBN13が押下されると、印刷設定動作および印刷設定情報の格納動作は行われることなく、本処理は終了する。
また、上述したように、この実施形態においては、呼出元のアプリケーションソフトウエアが特定タイプのアプリケーションソフトウエア20Sであっても、操作者の指示に基づいて、印刷設定情報の一部をデータファイルFL内に保存しないように設定変更することが可能である。確認用画面GBの表示欄D12においては、「操作者が当該変更を希望する場合にはボタンBN11を押下すべきである」旨が表示されている。操作者は、当該変更を希望する場合にはボタンBN11(「ドライバ設定を制御する...」ボタン)を押下する。当該ボタンBN11が押下されると、ステップS14からステップS15に進み、設定用画面GC(図15)が表示される。
そして、設定用画面GC(図15)内のボタンの押下状況に応じて、ステップS21,S23,S25,S27,S28における分岐処理が実行される。
<設定用画面GC>
設定用画面GCは、チェックボックスCB11,CB12とラジオボタンRB11〜RB13とボタンBN14〜BN18とを有している。操作者は、設定用画面GCを用いることによって、印刷設定情報の格納動作等に関する設定動作を行うことができる。
チェックボックスCB11は、印刷設定情報の保存先に関する変更の有無を指定するチェックボックスである。
チェックボックスCB11にチェック印が付されていない場合には、ラジオボタンRB11〜RB13とボタンBN14,BN15とは無効化され、これらのボタンRB11〜RB13,BN14,BN15に対する操作は受け付けられない。
一方、チェックボックスCB11にチェック印が付されている場合には、ラジオボタンRB11〜RB13が有効化されるとともに、ラジオボタンRB11〜RB13の選択状況に応じて各ボタンBN14,BN15が有効化ないし無効化される。より詳細には、ラジオボタンRB11選択時にはボタンBN14,BN15は無効化され、ラジオボタンRB12選択時にはボタンBN14は有効化され且つボタンBN15は無効化され、ラジオボタンRB13選択時にはボタンBN14は無効化され且つボタンBN15は有効化される。
操作者は、チェックボックスCB11にチェック印を付した後に、3つのラジオボタンRB11〜RB13のいずれかを選択して押下する。
ラジオボタンRB11は、「印刷設定情報の複数の項目を全てデータファイルFLに保存する」ことを指定する選択肢である。一方、ラジオボタンRB12,RB13は、「印刷設定情報内の複数の項目のうちの一部の項目を選択的にデータファイルFLに保存する」ことを指定する選択肢である。詳細には、ラジオボタンRB12は、「各項目の内容をデータファイルFLに保存すべきか否かを所定の設定区分ごとに指定する」ことを選択する選択肢である。また、ラジオボタンRB13は、「複数の項目のうちセキュリティに関連する項目の内容をデータファイルFLに保存すべきか否かを、(所定の設定区分ごとに)指定する」ことを選択する選択肢である。
また、ラジオボタンRB12,RB13が押下された後に、対応するボタンBN14,BN15がさらに押下されることによって、詳細設定が変更され得る。
<保存先設定用画面GD1を用いた保存先設定動作>
たとえば、ラジオボタンRB12が押下された後に更にボタンBN14が押下されると、各設定内容の保存先に関する設定画面GD1を表示すべき旨の指示が付与されたものと判定され、ステップS21からステップS22に進む。
ステップS22においては、プリンタドライバ30は、保存先設定用画面GD1(図16,図17)を表示部5に表示する。
操作者は、この画面GD1を用いて、印刷設定情報の各項目に関する設定内容の保存先を「データファイルFL」のままに維持するか、あるいは、「データファイルFLとは別の場所」に変更するかを指定することができる。そして、操作者による指定入力に基づいて、確認用画面GBを用いた設定変更動作が実行される。
図16等に示すように、画面GD1においては、設定用画面GF(図7)内の複数のタブTB1〜TB7にそれぞれ対応する複数のタブTB11〜TB17が設けられている。また、各タブTB11〜TB17には、それぞれ、対応する設定区分に含まれる複数の設定項目の保存先を指定するチェックボックスCB等が設けられている。
図16は、「基本設定」タブTB11に関する複数の設定項目の保存先を指定する設定画面GD1(GD11)を示している。
画面GD1の中央左寄りにおいては複数の設定項目(名称)が縦方向に配列され、画面GD1の中央右寄りには、対応する各設定項目に関する保存先を指定する指定欄が縦方向に配列されている。また、画面GD1の最も左側の欄には、各設定項目の内容に応じて、「i」マーク(インフォーメーションマーク)MK1、錠マークMK2などが表示されている。ここで、印刷設定情報(DEVMODE構造体データ)のうちのパブリック部50aに対応する設定項目には「i」マークMK1が付されている。一方、上記のプライベート部50bに対応する設定項目には、錠マークMK2が付されているか、或いはいずれのマークも付されていない(該当欄は空欄である)。なお、錠マークMK2は、セキュリティに関連する設定項目であることを示すマークであり、錠マークMK2が付された設定項目はセキュリティに関連する設定項目である。また、空欄は、セキュリティに関連しない設定項目であることを示しており、空欄に対応する設定項目は、セキュリティに関連しない設定項目である。
上述のように、パブリック部50a内の各設定項目の設定内容は、常にデータファイルFLに保存される。そのため、パブリック部50a内の各設定項目に対応する右側の欄においては、「ファイルに保存する(変更不可)」の文字が淡色表示されており、パブリック部50a内の各設定項目の設定内容は変更され得ない(変更不可である)。
たとえば、「原稿の向き」の設定項目には、「i」マークMK1が付されているとともに、「ファイルに保存する(変更不可)」の文字が淡色表示されている。「原稿サイズ」、「ズーム」、「給紙トレイ」等についても同様である。
また、プライベート部50b内の各設定項目には、当該各設定項目の保存先を指定するチェックボックスCBが設けられている。具体的には、当該各設定項目の設定内容を「ファイルに保存する」か否かを指定するチェックボックスがそれぞれ設けられている。当該チェックボックスにチェック印を付すことによって、対応する設定項目の設定内容をデータファイルFLに保存することが指定(設定)される。逆に、当該チェックボックスからチェック印を外すことによって、対応する設定項目の設定内容をデータファイルFLに保存せずにデータファイルFL以外の場所に保存することが指定(設定)される。
たとえば、「出力サイズ(用紙サイズ)」の設定項目には、錠マークMK2(および「i」マークMK1)が付されておらず、セキュリティに関連しない設定項目であることが示されている。また、当該「出力サイズ(用紙サイズ)」の設定項目に対応するチェックボックスCBにはチェック印が付されている。これによって、「出力サイズ(用紙サイズ)」の設定項目の設定内容をデータファイルFLに保存することが指定されている。「仕分け」の設定項目についても同様である。
また、「ID」の設定項目には、錠マークMK2が付されておりセキュリティに関連する設定項目であることが示されている。また、「ID」の設定項目に対応するチェックボックスCBにはチェック印が付されていない。これによって、「ID」の設定項目の設定内容をデータファイルFLには保存しないこと(換言すれば、データファイルFL以外の場所に保存すること)が指定されている。「出力方法」および「パスワード」等の設定項目についても同様である。
なお、保存先設定用画面GD11においては、それぞれ、全選択ボタンBN23および全選択クリアボタンBN24が設けられている。全選択ボタンBN23が押下されると、「基本設定」に関する全てのチェックボックスCBにチェック印が付される。逆に、全選択クリアボタンBN24が押下されると、「基本設定」に関する全てのチェックボックスCBからチェック印が外される。これらのボタンBN23,BN24を用いることによれば効率的な操作を行うことが可能である。
また、図17の画面GD1(GD12)は、「レイアウト」タブTB12に関する設定項目のそれぞれに関する設定内容の保存先を指定する画面である。なお、画面GD12への切換操作は、タブTB12をマウスでクリックすることなどによって実行される。
図17の画面GD12によれば、図16と同様にして、各設定項目(詳細には「レイアウト」に関する各設定項目)の保存先を指定することができる。
たとえば、「ページ割付」の設定項目には、錠マークMK2(および「i」マークMK1)が付されておらず、セキュリティに関連しない設定項目であることが示されている。また、当該「ページ割付」の設定項目に対応するチェックボックスCBにはチェック印が付されていない。これによって、「出力サイズ(用紙サイズ)」の設定項目の設定内容をデータファイルFLには保存しないこと(換言すれば、データファイルFL以外の場所に保存すること)が指定されている。
操作者は、同様にして、その他のタブTB13〜TB17(「仕上げ」および「カバーシート挿入」等)に関する各設定項目の保存先を指定する指定操作を行うことができる。
このように、操作者は、画面GD1を用いて、印刷設定情報の各設定項目に関する設定内容の保存先を「データファイルFL」のままに維持するか、あるいは、「データファイルFLとは別の場所」にするかを、所定の設定区分ごとに指定することができる。
その後、OKボタンBN21が押下されると、画面GD1による詳細設定内容が確定され、再び画面GC(図15)を用いた操作が実行される。なお、キャンセルボタンBN22が押下されると、設定変更内容がキャンセルされ、元の画面GCに戻る。
<保存先設定用画面GD2を用いた保存先設定動作>
また、ラジオボタンRB13(図15)が押下された後に更にボタンBN15が押下されると、各設定内容の保存先に関する設定画面GD2を表示すべき旨の指示が付与されたものと判定され、ステップS21からステップS23を経由してステップS24に進む。
ステップS24においては、プリンタドライバ30は、保存先設定用画面GD2(図18,図19)を表示部5に表示する。
操作者は、この画面GD2を用いて、印刷設定情報の一部の項目(具体的には、セキュリティ関連項目(次述))に関する設定内容の保存先を「データファイルFL」のままに維持するか、あるいは、「データファイルFLとは別の場所」にするかを指定することができる。なお、セキュリティ関連項目以外の項目に関する設定内容の保存先は、「データファイルFL」のまま維持され変更されない。
図18等に示すように、画面GD2は、画面GD1と同様の保存先設定用画面である。ただし、画面GD2は、複数の設定項目のうちセキュリティに関連する項目(セキュリティ関連項目とも称する)のみを抽出して一覧表示する点で、画面GD1と相違する。操作者は、このような画面GD2を用いることによれば、セキュリティ関連項目の設定内容の保存先を効率的に指定することが可能である。
なお、ここでは、4つのタブTB12〜TB14,TB16(「レイアウト」、「仕上げ」、「カバーシート挿入」、「画像品質」)には、セキュリティ関連項目が存在しない場合を想定している。そのため、図18および図19においては、複数のセキュリティ関連項目が、残余3つのタブTB11、TB15,TB17(「基本設定」、「スタンプ/ページ印字」、「その他」)に区分されて表示されている。
<保存先確認用画面GEを用いた確認動作>
また、画面GC(図15)においてボタンBN16が押下されると、各設定内容の保存先を確認するための画面(保存先確認用画面)GEを表示すべき旨の指示が付与されたものと判定され、ステップS21,S23,S25を経由してステップS26に進む。
ステップS26においては、プリンタドライバ30は、保存先確認用画面GE(図20,図21)を表示部5に表示する。
画面GEにおいては、設定用画面GF(図7)内の複数のタブTB1〜TB7にそれぞれ対応する複数のタブTB21〜TB27が設けられている。また、各タブTB21〜TB27の表示領域には、それぞれ、対応する設定区分に含まれる複数の設定項目(図の右側参照)と当該複数の設定項目に関する保存先設定(図の左側参照)とが示されている。
たとえば、画面GE1においては、「基本設定」に関する複数の設定項目について、その保存先に関する設定内容が示されている。
詳細には、「原稿の向き」の設定項目(詳細には当該設定項目欄の最も左側)には、「ファイルに保存すること」(換言すれば、保存先がデータファイルFLであること)を示すアイコン画像CN1が表示されている。「原稿サイズ」、「出力サイズ」、「ズーム」等についても同様である。
また、「出力方法」の設定項目(詳細には当該設定項目欄の最も左側)には、「ファイルに保存しないこと」(換言すれば、保存先がデータファイルFL以外であること)を示すアイコン画像CN2が表示されている。「ID」、「パスワード」についても同様である。
同様に、画面GE2においては、「レイアウト」に関する複数の設定項目について、その保存先に関する設定内容が示されている。なお、画面GE2への切換操作は、タブTB22をマウスでクリックすることなどによって実行される。
この画面GE2においては、たとえば、「ページ割付」の設定項目(詳細には当該設定項目欄の最も左側)には、「ファイルに保存しないこと」を示すアイコン画像CN2が表示されている。また、「ページ割付」のサブ項目である「順序」には、「ファイルに保存すること」を示すアイコン画像CN1が付与されている。その他の項目についても同様である。
このようにして、タブの切換操作を伴って、所望の項目に関する保存先指定内容を確認することができる。そして、閉じるボタンBN25が押下されると、画面GEによる詳細設定内容の確認動作が終了し、再び画面GC(図15)を用いた操作が実行される。
<保存動作>
また、画面GC(図15)において、キャンセルボタンBN18が押下されると、ステップS21,S23,S25,S27,S28を経由してステップS35に進む。
ステップS35においては、設定内容のリセット動作(キャンセル処理)が実行され、その後、本処理は終了する。
また、画面GC(図15)において、OKボタンBN17が押下されると、ステップS21,S23,S25,S27を経由してステップS29に進む。
ステップS29においては、画面GD1における設定内容に応じて下記のような分岐処理が実行される。
チェックボックスCB11にチェック印が付され且つラジオボタンRB13が選択されている場合には、ステップS31に進む。なお、チェックボックスCB11のチェック印が外されている場合にも、ステップS31に進む。
ステップS31では上述のステップS16と同様の処理が実行される。具体的には、ステップS16においては、図7のような設定用画面GFを用いて印刷設定動作が行われた後、印刷設定情報が操作ユーザのレジストリ領域に格納されるとともに、当該印刷設定情報は全てデータファイルFL内に一括的に格納される。いわゆる通常の動作(一括保存動作とも称する)が実行される。
一方、チェックボックスCB11にチェック印が付され且つラジオボタンRB12が選択されている場合には、ステップS29からステップS32に進む。
ステップS32では、設定用画面GF(図7)を用いて印刷設定動作が実行された後に、いわゆる通常の格納動作とは異なる選択的保存動作が実行される。
ステップS32の選択的保存動作においては、まず、保存先設定用画面GD1を用いて設定された保存先情報60(図10参照)に基づいて、印刷設定情報の各項目が2つのグループGR1,GR2に分類される。具体的には、「データファイルFL」が保存先として指定された設定項目は、グループGR1に分類される。一方、「データファイルFL以外」が保存先として指定された設定項目は、グループGR2に分類される。
そして、印刷設定情報(詳細には、DEVMODE構造体のデータ)のうちグループGR1に分類される項目のデータ51は、特定アプリケーションソフトウエア用のデータファイルFL内に保存されることが最終的に決定(確定)され、当該データファイルFL内に保存される。
また、印刷設定情報のうちグループGR2に分類される項目のデータ52は、データファイルFLの外に保存されることが最終的に決定(確定)され、当該データファイルFLの外に保存される。具体的には、グループGR2に分類される項目のデータ52は、コンピュータ10内の操作ユーザのレジストリ領域において元のレジストリデータとは別のデータDRとして保存され、データファイルFL内には保存されない。
なお、この実施形態においては、印刷設定情報の各項目の保存先情報60は、グループGR1,GR2への分類結果にかかわらず、いずれもデータファイルFL内に保存されるものとする(図11参照)。
また、チェックボックスCB11にチェック印が付され且つラジオボタンRB13が選択されている場合には、ステップS29からステップS33に進む。
ステップS33では、設定用画面GF(図7)を用いて印刷設定動作が実行された後に、いわゆる通常の格納動作とは異なる選択的保存動作が実行される。
ステップS33の選択的保存動作においては、ステップS32の選択的保存動作と同様の動作が実行される。ただし、保存先設定用画面GD1を用いて設定された保存先情報に基づくのではなく、保存先設定用画面GD2を用いて設定された保存先情報に基づいて、印刷設定情報の各項目が2つのグループGR1,GR2に分類される点で相違する。
以上のような動作によれば、印刷設定情報(DEVMODE構造体のデータ)の各項目データの保存先に関する保存先情報60を設定する保存先設定用画面GD(GD1あるいはGD2)が表示され、当該保存先設定用画面GDを用いて入力された保存先情報60に基づいて、印刷設定情報の各項目が2つのグループGR1,GR2に分類される。そして、印刷設定情報のうちグループGR1に分類される項目のデータ51は、特定アプリケーションソフトウエア用のデータファイルFL内に保存される。一方、印刷設定情報のうちグループGR2に分類される項目のデータ52は、データファイルFLの外に保存される。したがって、全ての印刷設定情報が特定アプリケーションのデータファイルFL内に画一的に格納されてしまうことを回避して、ユーザの利便性を向上させることが可能である。また、保存先設定用画面GDを用いることにより、複数の項目のそれぞれについて保存先を設定することができるので、細やかな対応を行うことが可能である。
上記動作においては、印刷設定情報のうちの一部の項目のデータが外部保存用データ52として分類され、データファイルFLの内部には保存されず、データファイルFLの外部に保存される。これによれば、データファイルFLが他人に渡されたとしても、選択された一部の情報は当該他人には渡されない。したがって、移転先の他人にとって予期せぬ印刷設定(特に不都合な印刷設定)が行われる可能性を低減することができる。
たとえば、上述のように、1枚の用紙に4枚の原稿の内容を縮小印刷する設定、すなわち「4in1設定」は、或る人物P1にとっては好ましい設定内容であるが、他の人物P2にとっては、その文字が小さすぎて見にくくなるために不都合を生じることがある。これに対して、保存先設定用画面GD1(GD12)を用いて「ページ割付」に関する設定項目の保存先をデータファイルFL以外に設定することによれば、当該設定項目の設定内容(例えば「4in1設定」)は、データファイルFLには保存されない。したがって、当該データファイルFLが移転される際には、「ページ割付」に関する設定項目の設定内容は引き継がれず、移転先の他人にとって予期せぬ印刷設定(特に不都合な印刷設定)が維持されることを回避できる。このように、全ての印刷設定情報が特定アプリケーションのデータファイルに画一的に格納されてしまうことを回避して、ユーザの利便性を向上させることが可能である。
また、印刷設定情報に含まれるセキュリティ関連情報の一部あるいは全部は、グループGR2(ひいては外部保存用データ52)として分類され、データファイルFLの内部には保存されず、データファイルFLの外部に保存される。換言すれば、グループGR2に分類される項目は、セキュリティに関連する項目を含む。これによれば、データファイルFLが他人に渡されたとしても、セキュリティ関連情報がデータファイルFLと共に当該他人に渡される可能性を低減し、当該セキュリティ関連情報の漏洩リスクを低減することができる。このように、全てのセキュリティ関連情報が特定アプリケーションのデータファイルFLに画一的に格納されてしまうことを回避して、ユーザの利便性を向上させることが可能である。
また、保存先設定用画面GD2は、印刷設定情報の項目のうちセキュリティに関連するセキュリティ関連項目を抽出して一覧表示し、当該セキュリティ関連項目の各データをデータファイルFL内に保存するか否かをそれぞれ設定する画面である。そのため、保存先設定用画面GD2を用いることによって、セキュリティに関連する複数の項目を効率的に2つのグループGR1,GR2に分類することが可能である。
さらに、プリンタドライバ30の呼出元のアプリケーションが特定アプリケーション20Sであることが判定されると、設定用画面GC(および保存先設定用画面GD)をさらに呼び出すための確認用画面GBが(自動的に)表示される。したがって、保存先の設定をより確実に行うことが可能であり、ユーザの利便性をさらに向上させることができる。
なお、上述の確認用画面GB(図14)の表示動作を含む動作(図12,図13)は、設定用画面GC(図15)内のチェックボックスCB12にチェック印が付されていることを前提にして実行される動作である。一方、チェックボックスCB12にチェック印が付されていない場合に、特定タイプのアプリケーションソフトウエア20Sにて「印刷設定メニュー」が選択されるときには、直ちに図7の画面GFを用いた印刷設定動作が実行される。当該印刷設定動作後には、直前の設定内容にしたがって各設定項目の保存先が決定される。チェックボックスCB12に対するチェック印の付与操作および削除操作は、プロパティ画面GA(次述)を利用して表示された設定用画面GC等を用いて行うことも可能である。
また、上記においては、プリンタドライバ30がアプリケーションソフトウエアから呼び出されたときに確認用画面GBが表示され、当該確認用画面GBを用いて設定用画面GCを表示させる状況について例示した。しかしながら、設定用画面GCは、このような状況においてのみ表示されるものではなく、たとえば、プリンタ80のプロパティ画面GA(図22)において、ボタンBN1が押下されたことに応答して表示されることも可能である。
<5.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態においては、印刷設定情報のうちグループGR2に分類される外部保存用データ52は、コンピュータ10内の操作ユーザのレジストリ領域において、元のレジストリデータとは別のデータDRとして保存される場合を例示したが、これに限定されない。具体的には、外部保存用データ52は、任意のユーザフォルダ等において、データファイルFLとは別のデータファイルFTとして保存されるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、印刷設定情報の各項目の保存先情報60(図10参照)は、グループGR1,GR2への分類結果にかかわらず、いずれもデータファイルFL内に保存される場合を例示したが、これに限定されない。
具体的には、図23に示すように、グループGR1,GR2への分類結果に応じて保存先情報60の保存場所を変更するようにしてもよい。詳細には、グループGR1に分類された項目の保存先情報61がデータファイルFLの内部に保存され、グループGR2に分類された項目の保存先情報62がデータファイルFLの外部に保存されるようにしてもよい。
あるいは、図24に示すように、グループGR1,GR2への分類結果にかかわらず、全ての保存先情報60がデータファイルFLの外部に保存されるようにしてもよい。より詳細には、全ての保存先情報60(61,62)がコンピュータ10内の操作ユーザのレジストリ領域(当該ユーザアカウントのレジストリ領域)に格納されるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、画面GD等を用いて入力された保存先情報60に基づいて、印刷設定情報の各項目の保存先決定動作等が行われる場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、図24に示すように、ユーザごとに設定される保存先情報60を各ユーザアカウントのレジストリ領域に予め格納しておき、当該各ユーザアカウントのレジストリ領域に格納された保存先情報60に基づいて、印刷設定情報の各項目の保存先決定動作等を行うようにしてもよい。