以下、本発明を実施するための形態を図面に従って説明する。図1は本発明の第1実施の形態による電子写真印刷装置の要部を示す断面図、図2は電子写真印刷装置を示す模式図である。なお以下に説明する実施の形態においては、画像形成装置として電子写真印刷装置を例にして説明する。まず電子写真印刷装置の概略を図2により説明する。
図2において、電子写真印刷装置1の内部には媒体の搬送方向に沿って駆動ローラ2、3に張設した媒体搬送ベルト4が設けてあり、媒体搬送ベルト4に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像を形成する同一な構成を有する画像形成ユニット5〜8と転写ローラ9とが配置してある。また電子写真印刷装置1のカバー10には、先端部に露光手段としてのLEDヘッドを具備した突起部11が形成されている。
図1はトナーカートリッジが装着された画像形成ユニットを示す。図1において、トナーカートリッジ16は画像形成ユニット5( ここではイエローの画像形成ユニット5を例に説明するが、他の画像形成ユニットも構成は同様である。) に対して着脱可能になっている。トナーカートリッジ16内には現像剤としてのトナーが収容され、また攪拌バー17 が回転可能に設けられている。
トナーカートリッジ16の下部には、画像形成ユニット5にトナーを供給するための供給口20が形成されている。この供給口20に対応して画像形成ユニット5側に取入口21が形成され、取入口21の下方に規制手段としてのシャッター22が移動可能に設けられている。シャッター22はシャッター駆動部( ソレノイド等で構成される)23により水平方向に往復移動し、図において左方向に移動することにより取入口21を開き、右方向に移動することにより取入口21を閉じる。シャッター駆動部23を制御することにより画像形成ユニット5 に対するトナーの供給を規制する。
シャッター22の下方にはトナー収容部24が形成されている。トナー収容部24にはトナーセンサレバー25が設けられている。トナーセンサレバー25は、トナー収容部24内のトナーの残量を検出するものである。検出の仕組みを説明すると、トナーセンサレバー25はクランク形状に形成され、回転自在になっており、回転する駆動部に押されて回転するようになっている。したがってトナーの残量が少ない場合は、トナーセンサレバー25のクランク部は駆動部に押されて上死点に達した後、残留トナーの上面に向かって自重落下する。
クランク部が所定の高さより下に位置する時間は、残量トナーが多い場合は短く、残量トナーが少ない場合は長い。したがって、トナーセンサレバー25のクランク部の高さによって出力の変化するセンサ25aを設けることにより、トナーセナレバー25が所定の高さより下にある時間と回転周期の比率よりトナー残量を検出することができる。( 特開2004−309999号公報参照)そしてこの比率に対して2つの閾値を設けることにより、異なる2つのレベルのトナー残量を検出することが可能である。本実施の形態のトナー残量検出では、少なくとも図1に点線で示すトナーフルレベル26とトナーローレベル27の2つの残量レベルを検出可能となっている。なお上記閾値は1つにして、それよりも上か下かで判別するようにしてもよい。
トナー収容部24の下部には攪拌スクリュー28a、28bおよび供給ローラ29がそれぞれ回転可能に設けられている。攪拌スクリュー28a、28bはトナー収容部24内のトナーを攪拌する。供給ローラ29はトナー収容部24内のトナーを現像ローラ30へ供給する。
画像形成ユニット5の下方には感光ドラム31が回転可能に設けられている。感光ドラム31の周囲には、順に帯電ローラ32、露光手段としてのLEDヘッド33、現像ローラ30およびクリーニング部材34がそれぞれ配置されており、これらの部材により電子写真プロセスで感光ドラム31上にトナー画像を形成する。
図3は第1の実施の形態による電子写真印刷装置の制御系を示すブロック図である。図3において、制御CPU41は装置の動作全体を制御するもので、CPUバス42を介して他の回路に接続されている。CPUバス42に接続されたプログラムROM43には制御プログラムが予め書き込まれており、制御CPU41はこの制御プログラムの手順に従って各処理を実行する。同様にCPUバス42に接続されたワークRAM44は、処理を実行する際に必要な変数やデータ等を一時的に保持する。
CPUバス42に接続された入出力回路45には、画像形成ユニットに設けられたトナーセンサ25aの出力を含む各種センサ46が接続されている。トナーセンサ25aは、上述したトナーセンサレバー25の動作タイミングを検出するものである。制御CPU41は、トナーセンサ25a からの検出信号により、画像形成ユニット内のトナー残量を検出する。
CPUバス42に接続された画像処理回路47は、外部インタフェース48を介して図示しない上位装置から送信されてくる画像データを受信し、受信した画像データを、CPUバス42に接続されたビデオ処理回路49へ送る。ビデオ処理回路49は、画像データをDRAM50に一旦格納し、制御CPU41により生成される印刷タイミングに従ってDRAM50から画像データを読出し、LEDヘッド33へ送信する。これにより感光ドラム31上に光電画像を形成する。またビデオ処理回路49には、LEDヘッド33に送信した画像データに応じた印刷ドットの数をカウントするドットカウンタが設けられている。
CPUバス42に接続された出力回路51には、画像形成ユニット内のシャッター22を駆動するシャッター駆動部23を含む各種の駆動回路52が接続されている。これらの駆動回路52には各種のモータやクラッチなどのアクチュエータ53などが接続されており、制御CPU41の指令に従って印刷用紙を搬送するなどの動作を実行する。また出力回路51にはヒータ駆動回路54が接続されており、ヒータ駆動回路54が定着器ヒータ55を加熱することにより印刷用紙上に転写されたトナーを定着させる。
CPUバス42に接続されたタイマ回路56には複数のタイマが内蔵されており、印刷タイミングや各種アクチュエータの駆動タイミングなどの時間間隔を測定する。制御CPU41はタイマ回路56で測定するタイミングに従って各種の処理を実行する。
次に第1の実施の形態の動作を図4に示すフローチャートにしたがって説明する。図1において、トナーカートリッジ16が画像形成ユニット5に装着され、供給口20が開けられ、さらにシャッター22が開けられると、トナーカートリッジ16内のトナーは画像形成ユニット5内に供給される。トナー収容部24に供給されたトナーの収容量が、トナーセンサレバー25およびトナーセンサ25aにより、トナーフルレベル26まで達したことが検出されると、制御CPU41はシャッター駆動部23を駆動し、シャッター22を閉じる。
電子写真印刷装置1で印刷を行ってトナーを消費するに連れてトナー収容部24内のトナーは漸次減少する。トナー収容部24内のトナー量がトナーローレベル27にまで減少したことがトナーセンサレバー25およびトナーセンサ25aにより検出されると(ステップ1) 、制御CPU41はシャッター駆動部23を駆動し、シャッター22を開ける(ステップ2) 。これにより再びトナーが供給され、これによりトナー量がトナーフルレベル26まで達すると(ステップ3) 、制御CPU41はシャッター駆動部23を駆動し、シャッター22を閉じる(ステップ4) 。この動作を繰り返すことにより、トナー収容部24内のトナー量はトナーフルレベル26とトナーローレベル27の間に保たれる。
図5はトナー収容部24内のトナー量の変化を示すグラフであり、横軸は画像形成ユニットの使用量を示し、縦軸はトナー収容部24内のトナー量を示す。図5において、A、B、Cの時点でトナーローレベル27が検出されてトナーカートリッジ16からトナーが供給され、トナーフルレベル26まで達したことが示されている。
印刷を行う場合に図1に示す感光ドラム31が回転する。感光ドラム31の回転数は図示しないカウント手段によりカウントされる。感光ドラム31の使用量としての回転数が所定の値になると画像形成ユニットが寿命に達したと判定される。図5においてDの時点で寿命に達したことが示されている。ステップ5において画像形成ユニットが寿命に達したことが検出されても、制御CPU 41は引き続き印刷を行い、トナー収容部24内のトナーの量は引き続き減少していく。
ステップ6においてトナーの量がトナーローレベル27に達したことが検出されると、制御CPU41はシャッター22を開けることなく、引き続き印刷を続行する。トナーローレベル27が検出された時点で、制御CPU41は、図3に示すビデオ処理回路49に内蔵されているカウンタ(内蔵カウンタ)に、予め定められた「トナーローレベル検出時の画像形成ユニット内トナー残量」を設定する(ステップ7) 。同時に制御CPU41は、この内蔵カウンタに、画像形成ユニット内のトナーの消費量をカウントさせる(ステップ8)。トナーの消費量は具体的には印刷するドットの数をカウントすることによりカウントされる。内蔵カウンタは印刷したドットの数にしたがって減算していく。
さらに印刷が行われて内蔵カウンタのカウント値が予め決められた一定値に達すると(図5に示すEの時点)(ステップ9)、制御CPU41は画像形成ユニット内のトナー残量がエンプティレベルに到達したと判断し、印刷を停止し、ユーザに対して画像形成ユニットが寿命に達したことを表示して知らせる(ステップ10)。これにより、画像形成ユニットが寿命に達したことを知らせる時点では、画像形成ユニット内はトナー残量がほぼ空の状態になっており、画像形成ユニットを交換する際にトナーを無駄にすることはない。なおトナー残量がエンプティレベルに到達する前に、オペレータの要求に応じて、カウントにより得られたトナー残量を表示するようにしてもよい。
図5においては説明を簡単にするためにすべての印刷パターンの印刷デューティは一定であると仮定して、画像形成ユニットの使用量の経過とトナー残量の減少との関係を直線的に示しているが、実際の印刷では印刷パターンの印刷デューティは一様ではないので、上記の関係は直線にはならない。
上記の説明では、トナーローレベル27検出時に内蔵カウンタに「トナーローレベル検出時の画像形成ユニット内トナー残量」を設定し、そこから減算カウントするようにしているが、トナーフルレベル26検出時に内蔵カウンタに「トナーフルレベル検出時の画像形成ユニット内トナー残量」を設定してそこから減算カウントするようにしてもよい。
またに上記の説明では内蔵カウンタのカウント値が一定値に達したときにトナーエンプティレベルに到達したと判断し印刷を停止させているが、内蔵カウンタのカウント値が一定値に達したときに、トナーニアエンドに到達したと判断して画像形成ユニットが寿命に達したことを表示し、印刷は継続するようにしてもよい。
次に第2の実施の形態を説明する。図6は第2実施の形態による電子写真印刷装置の要部を示す断面図である。図6において、トナーカートリッジ16内部の上部には、RFID( r a d i o f r e q u e n c y i d e n t i f i c a t i o n: 電波方式認識) タグ18が取付けられている。RFIDタグ18は、基材とICチップおよびICチップに接続されたアンテナとで構成される。ICチップは、リーダライタと通信するための送信部および受信部、データを記憶するためのメモリ部および電源部とから構成される。
装置のカバー10の裏側にはRFIDリーダライタ19が取付けられている。RFIDリーダライタ19は、コントローラとコントローラに接続されるアンテナとで構成される。RFIDタグ18をRFIDリーダライタ19のアンテナに近づけると、アンテナからの電波をRFIDタグ18のアンテナが受信することにより起電力が発生し、RFIDタグ18内の電源部がこの起電力をもとに動作電力を生成する。これによりICチップが動作してRFIDリーダライタ19とデータの送受信を行う。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
図7は第2の実施の形態の制御系の構成を示すブロック図である。図7において、CPUバス42に接続された入出力回路45には、画像形成ユニットに設けられたトナーセンサ25aを含む各種センサ46のほかにRFIDリーダライタ19が接続されている。制御CPU41は、RFIDリーダライタ19によりRFIDタグ18に対して読み書きを行うことが可能である。またCPUバス42には不揮発メモリ57が接続されており、不揮発メモリ57には画像形成ユニット内のトナーの残量カウント値等が記憶され、装置の電源を遮断しても記憶された値が消滅することはない。さらにCPUバス42には表示部58が接続されている。
図8は第2の実施の形態の不揮発メモリのメモリマップを示す説明図である。図8において、不揮発メモリ57は、画像形成ユニット5内のトナー残量をカウントした「トナー残量カウント値」を記憶するトナー残量エリア57a 、装置に装着されるトナーカートリッジのRFIDタグ18内に記憶されている固有の「タグ番号」を記憶するためのタグ番号エリア57bおよび工場出荷時に書き込まれる当該装置の製造番号である「装置シリアル番号」を記憶する装置番号エリア57c を有する。なおタグ番号エリア57bは工場出荷時にはクリアされている。
図9はトナーカートリッジに取付けられるRFIDタグ内のメモリのメモリマップを示す説明図である。図9において、RFIDタグ内のメモリ61には、印刷することにより使用するトナーカートリッジ内のトナー量を記憶するためのトナー使用量エリア61a、画像形成ユニット内に残っているトナー量を記憶するためのID内トナー残量エリア61b、RFIDタグ18毎に付与されている固有のタグ番号を記憶するタグ番号エリア61c、および当該トナーカートリッジ16が装着された装置の製造番号である「装置シリアル番号」を記憶する装置番号エリア61dが設けられている。
次に第2の実施の形態の動作を説明する。トナーカートリッジ16は装置1に対して着脱可能になっており、トナーカートリッジ16内のトナーが終わらないうちにそのトナーカートリッジを装置から取り外して他の装置に装着することが起こり得る。第2の実施の形態はこのような場合でもトナーカートリッジ内に残るトナー量を正しく補正するようにしたものである。まずトナーカートリッジの交換を検出する動作を図10に示すフローチャートにしたがって説明する。
まず電子写真印刷装置1の電源が投入されるか又は制御CPU41が図示しないセンサによりカバー10が閉じられたことを検出すると(ステップ11)、制御CPU41はRFIDリーダライタ19を使用してトナーカートリッジ16のRFIDタグ18のタグ番号エリア61cから固有のタグ番号を読み出す(ステップ12)。
次に制御CPU41は、読み出したタグ番号を、不揮発メモリ57のタグ番号エリア57bに記憶してあるタグ番号と照合し、一致しているかどうかを判定する(ステップ13)。両方のタグ番号が一致している場合にはステップ17へ移行し、一致していない場合にはステップ14へ移行する。
ステップ14では、RFIDタグ18のタグ番号エリア61cから読み出したタグ番号を、不揮発メモリ57のタグ番号エリア57b にコピーする。次にステップ15において、不揮発メモリ57の装置番号エリア57cに記憶されている装置シリアル番号を、トナーカートリッジ16のRFIDタグ18の装置番号エリア61dにコピーする。次にステップ16において、トナーカートリッジ16が交換された証としてトナー交換フラグに“1”を設定し、ステップ20へ移行してトナーカートリッジ交換判定処理を終了する。
ステップ13においてタグ番号が一致した場合、ステップ17において、トナーカートリッジ16のRFIDタグ18の装置番号エリア61dから装置シリアル番号を読み出す。次にステップ18において、ステップ17で読み出した装置シリアル番号と、不揮発メモリ57の装置番号エリア57cに記憶されている装置シリアル番号とを照合して一致しているかどうか判定する。一致していない場合はステップ15へ移行する。
ステップ18において装置シリアル番号が一致している場合、ステップ19において、トナーカートリッジ16が交換されていなかった証として、トナー交換フラグに“ 0 ”を設定し、ステップ20へ移行してトナーカートリッジ交換判定処理を終了する。
以上のように、不揮発メモリ57に記憶されたタグ番号と、RFIDタグ18に記憶されたタグ番号が一致し、かつ不揮発メモリ57に記憶された装置シリアル番号と、RFIDタグ18に記憶された装置シリアル番号が一致した場合にトナーカートリッジは交換されなかったと判定することにより、例えば、装置から一旦は取り外されたが、すぐに元の装置に戻されたトナーカートリッジの場合は交換されなかったと判定され、またトナーカートリッジを一旦別の装置に装着して装置の電源を入れ、再びそのトナーカートリッジが戻された場合はトナーカートリッジは交換されたと判定される。このように確実にトナーカートリッジの交換を検出することができる。
次にトナーカートリッジを装置から取り外して他の装置に装着した場合のトナー残量を検出する動作を説明する。図11はトナーカートリッジ内のトナー量の変化を示す説明図である。ここでは、ある程度トナーを使用したトナーカートリッジを別の装置に装着する場合について説明する。
トナーカートリッジ16を装置に装着してシャッター22が開けられると、トナーカートリッジ16内のトナーが画像形成ユニット5のトナー収容部24に供給される。そして印刷が行われると画像形成ユニット内のトナーが印刷に消費される。このとき、トナーカートリッジ16から供給されたトナー量は、実際に印刷に使用されたトナー使用量と画像形成ユニット内にあってまだ印刷に使用されていないトナー残量との合計である。
ここでトナー使用量の求め方について説明する。印刷を行うと、制御CPU41は、ビデオ処理回路49の内蔵カウンタに印刷したドット数をカウントさせる。トナーカートリッジ16のRFIDタグ内のメモリ61には、印刷することにより使用されたトナーカートリッジ内のトナー量を記憶するためのトナー使用量エリア61aが設けられており、このトナー使用量エリア61aに記憶されているトナー使用量に、上記の内蔵カウンタによりカウントした値を加算することにより、トナー使用量エリア61aには現在までのトナーの使用量が記憶される。図11(a)は新品の画像形成ユニット5に新品のトナーカートリッジ16を取付け、トナーカートリッジ16からトナー収容部24にトナーをトナーフルレベル26まで供給した状態を示している。
次に画像形成ユニット5内のトナー残量について説明する。第1の実施の形態において説明したように、画像形成ユニット5のトナー収容部24内にはトナーセンサレバー25が設けられ、トナーフルレベル26とトナーローレベル27が検出できるようになっている。トナー収容部24内のトナー収容量がトナーフルレベル26またはトナーローレベル27に達したとき、トナー収容部24内におけるトナー収容量が確定する。したがって制御CPU41は、トナーフルレベル26またはトナーローレベル27が検出された時点で、予め定められた「トナーフルレベル検出時の画像形成ユニット内のトナー残量」または「トナーローレベル検出時の画像形成ユニット内のトナー残量」を不揮発メモリ57のトナー残量エリア57aにカウント値として書き込むことにより、画像形成ユニットのトナー収容部24内におけるトナー残量を記憶することができる。
他方で制御CPU41は、ビデオ処理回路49の内蔵カウンタに印刷したドット数をカウントさせ、そのカウント値を、不揮発メモリ57のトナー残量エリア57aに記憶されたトナー残量カウント値から減ずる。これにより、印刷に使用したトナー量分だけ初期のトナー残量カウント値が減算される。制御CPU41は、減算したカウント値をトナーカートリッジ16のRFIDタグ内のメモリ61のID内トナー残量エリア61bに書き込む。これにより、ID内トナー残量エリア61b内には常に、現在の画像形成ユニット5のトナー収容部24内のトナー残量が記憶される。
図11において、上段はトナーカートリッジ16内のトナーの収容量を示し、下段は画像形成ユニット5のトナー収容部24a内のトナーの残量を示す。また下段においてトナーフルレベル26およびトナーローレベル27が示してある。(a)は、未使用のトナーカートリッジ16が画像形成ユニット5に装着されてトナーが画像形成ユニット5のトナー収容部24aにトナーフルレベル26まで供給された直後の状態を示す。この状態では、トナーカートリッジ16のRFIDタグのトナー使用量エリア61aのトナー使用量は「0」である。また、装置側の不揮発メモリ57のトナー残量エリア57aには、供給されたトナー量P1に対応するトナー残量カウント値が記憶される。またトナーカートリッジ16のRFIDタグのID内トナー量エリア61bにも供給されたトナー量P1に対応するトナー残量カウント値が記憶される。
(a)の状態から印刷が開始されると、制御CPU41は、ビデオ処理回路49の内蔵カウンタに、トナー収容部24a内のトナーの使用量をカウントさせる。内蔵カウントは、印刷するドットの数をカウントし、カウント結果はRFIDタグのトナー使用量エリア61a内のカウント値に加算される。トナー使用量エリア61aには常に最新のトナー使用量が記憶される。
また不揮発メモリ57のトナー残量エリア57a、およびトナーカートリッジ16のRFIDタグのID内トナー量エリア61bに記憶されたトナー残量カウント値から、使用したトナー量に対応するカウント値が減算される。これによりトナー残量エリア57aおよびID内トナー残量エリア61bには画像形成ユニット5内のトナー残量が記憶される。
印刷を行うにしたがってトナー収容部24a内のトナーは徐々に減少し、トナー残量がトナーローレベル27に達したことが検出されると、トナーカートリッジ16からトナーがトナーフルレベル26になるまで供給される。このとき、トナー残量エリア57aおよびID内トナー量エリア61bに記憶されているカウント値は、トナーフルレベル26に対応するトナー残量カウント値に更新される。
図11(b)は(a)の状態から印刷が行われた後の状態を示す。(b)の状態において、トナー収容部24a内のトナー残量P2に相当するトナー残量カウント値が不揮発メモリ57のトナー残量エリア57aおよびRFIDタグのID内トナー残量エリア61bに記憶されている。またトナーカートリッジ16からは、トナー収容部24a内のトナー量P2と既に印刷に使用されたトナー量P3との合計の量P4がこれまでに供給されている。そして既に印刷に使用されたトナー量P3に相当するカウント値がトナーカートリッジ16のRFIDタグのトナー使用量エリア61aに記憶されている。
図11(b)に示す状態になった時点で、トナーカートリッジ16が装置から取り外され、他の装置に装着されるものとする。装着されるトナーカートリッジが交換されたことは図10で説明した通りに検出される。トナーカートリッジ16が他の装置に装着された状態を図11(c)に示す。トナーカートリッジ16が新たに装着された画像形成ユニットのトナー収容部24bには、トナー残量P5が収容されているものとする。なおP5はP2とは異なる値である。そしてこのトナー残量P5に相当するトナー残量カウント値は、新たにトナーカートリッジ16が装着された装置の不揮発メモリ57のトナー残量エリア57aに記憶されている。
トナーカートリッジの交換を検出すると、装置側の制御CPU41は、トナーカートリッジ16のRFIDタグ内のメモリ61のトナー使用量エリア61aに記憶されているトナー使用量を補正する。即ち、交換する前の装置に残留しているトナー残量P2は既に使用したものと見做して、このトナー残量P2に相当するカウント値をトナー使用量エリア61aに記憶されているトナー使用量P3に加算する。トナー残量P2に相当するカウント値はID内トナー残量エリア61bに記憶されているので、新たなトナー使用量P4 は、「トナー使用量P4」=「トナー使用量P3」+ 「ID内トナー残量P2」で求める。
そして新たに装着された装置にトナーが残っている場合((c)の場合にはトナー残量P5がある)、その残っているトナー残量P5が印刷に使用できるので、これをトナーカートリッジ16から供給したと見做して、トナー使用量から減算する。トナー残量P5に相当するトナー残量カウント値は、トナーカートリッジ16が新たに装着された装置の不揮発メモリ57のトナー残量エリア57aに記憶されているので、新たなトナー使用量P6は、「トナー使用量P6」=「トナー使用量P4」−「ID内トナー残量P5」で求め、トナーカートリッジ16のRFIDタグ内のメモリ61のトナー使用量エリア61aを書き換える。
また制御CPU41は、トナーカートリッジ16のRFIDタグ内のメモリ61のID内トナー残量エリア61bに記憶されているトナー残量P2に相当するカウント値を、新たに装着された装置の不揮発メモリ57のトナー残量エリア57aに記憶されているトナー残量P5に相当するトナー残量カウント値に書き換える。即ち、「ID内トナー残量」=「トナー残量P5」とする。以上のようにして、トナーカートリッジ16のRFIDタグ内のメモリ61のトナー使用量エリア61aおよびID内トナー残量エリア61bのカウント値を補正する。
その後印刷が行われると、ドット数をカウントすることにより、トナー使用量エリア61aに記憶されているカウント値が加算される。そしてトナー収容部24b内のトナーがトナーローレベル27になると、図11(d)に示すように、トナーカートリッジ16からトナー収容部24b内にトナーが供給される。これが繰り返されて、トナー使用量エリア61aに記憶されているカウント値は次第に加算されていく。トナー使用量エリア61aに記憶されているカウント値は、制御CPU41によって表示部58に表示される。なおトナー使用量の情報は、外部インタフェース48を介して外部の装置に通知し、外部装置において表示するように構成してもよい。
以上のように第2の実施の形態によれば、印刷に使用されたトナー使用量をカウントするとともに、トナーカートリッジ16から画像形成ユニットに供給されつつもまだ印刷に使用されていないトナーの量をID内トナー残量としてトナーカートリッジ16のRFIDタグに記憶させ、装置側にも画像形成ユニットに残留しているトナー残量を記憶させるようにし、トナーカートリッジ16が他の装置に交換装着された場合にトナー使用量を補正するようにしたので、トナーカートリッジが交換されても使用可能なトナー残量を把握することができ、無駄なくトナーを使用することが可能になる。
上記第1および第2の実施の形態において装置内のトナー残量を把握することが可能になる。そして装置内にトナー残量無しと判定するトナー残量カウント値を任意に設定可能である。この設定値は、通常、完全にトナーが無くなる値ではなく、若干量が残っている値に設定される。即ち、トナー残量無しと判定した時点においては、装置内に若干のトナーが残っている。この若干の残量トナーを使用可能にする実施の形態例として第3の実施の形態を説明する。
図12は第3の実施の形態の不揮発メモリのメモリマップを示す説明図である。第3の実施の形態は、前記第2の実施の形態と同様の構成を有しており、異なる点は不揮発メモリのメモリマップである。図12において、第3の実施の形態の不揮発メモリ62には、画像形成ユニット5内のトナー残量をカウントした「トナー残量カウント値」を記憶するトナー残量エリア62aのほかに、画像形成ユニットが寿命に達したと判断した時に印刷動作を継続するか否かを決定するための「動作継続フラグ」を記憶するための動作継続フラグエリア62bが設けられている。動作継続フラグは装置の図示しない操作パネルの操作によって“ 1 ”または“ 0 ”に設定することができる。その他の構成は第2の実施の形態と同様である。
図13は第3の実施の形態の動作を示すフローチャートであり、このフローチャートに従って第3の実施の形態の動作を説明する。説明にあたっては第2の実施の形態の図7を流用する。なお上述の動作継続フラグは予め“ 1 ”または“ 0 ”に設定されているものとする。なお“ 1 ”は継続して印刷しないことを示し、“ 0 ”は継続して印刷することを示す。
ステップ31において制御CPU41が画像形成ユニットの寿命を検出すると(この時点では画像形成ユニット内のトナーは若干残っていることがある)、制御CPU41は、動作継続フラグエリア62bの動作継続フラグが“ 1 ”に設定されているか或いは“ 0 ”に設定されているかを判定する(ステップ32)。動作継続フラグが“ 1 ”に設定されていると判定した場合、制御CPU41はステップ34へ移行し、印刷動作を停止する。
ステップ32において動作継続フラグが“ 0 ”に設定されていると判定した場合、制御CPU41は不揮発メモリ62のトナー残量カウンタエリア62aのトナー残量カウント値を判定し(ステップ33)、トナー残量カウント値がゼロでない、即ち、トナーがまだ残っていると判定した場合は印刷動作を継続する。またステップ33においてトナー残量カウント値がゼロである、即ち、トナーがもう残っていないと判定した場合、動作継続せず、印刷動作を停止する(ステップ34)。
以上のように、第3の実施の形態によれば、通常は画像形成ユニット5が寿命に達した場合は印刷品位の保持のために印刷を停止するのであるが、例えば印刷品位が多少落ちても画像形成ユニット内のトナーを全部使い切りたいという要望のあるユーザに対して、その要望に応えることが可能となり、ユーザによりフレキシブルな対応が可能になる。
前記第2の実施の形態では、装置側に不揮発メモリ57を設けるとともに、トナーカートリッジ16にメモリを具備したRFIDタグ18を設け、トナーカートリッジ16の交換を検出するようにしているが、トナーカートリッジ16は必ずしも正規のものが装着されるとは限らない。このように正規のものではないトナーカートリッジが装着された場合にも対応可能な装置について付加実施例として次に説明する。
この付加実施例の構成は前記第2の実施の形態と同様であるが、不揮発メモリの内容が異なる。図14は付加実施例の不揮発メモリのメモリマップを示す説明図である。図14において、不揮発メモリ63は、装置に装着されるトナーカートリッジのRFIDタグ内に記憶されている固有の「タグ番号」を記憶するためのタグ番号エリア63a、工場出荷時に書き込まれる当該装置の製造番号である「装置シリアル番号」を記憶する装置番号エリア63bのほかに、工場出荷時に書き込まれる出荷地域を示す「仕向けコード」を記憶するための仕向けコードエリア63c、当該装置の仕向けグループコードを記憶するための仕向けグループエリア63d、消耗品制御を決定する「動作制御コード」を記憶するための動作制御コードエリア63eを有する。なお図示していないが、画像形成ユニット内のトナー残量をカウントした「トナー残量カウント値」を記憶するトナー残量エリアも有する。
図15は付加実施例のトナーカートリッジに取付けられるRFIDタグ内のメモリのメモリマップを示す説明図である。図15において、RFIDタグ内のメモリ64には、RFIDタグ毎に付与されている固有のタグ番号を記憶するタグ番号エリア64a、当該トナーカートリッジが装着された装置の製造番号である「装置シリアル番号」を記憶する装置番号エリア64bのほかに、工場出荷時に書き込まれる出荷地域を示す「仕向けコード」を記憶するための仕向けコードエリア64c、当該装置の仕向けグループコードを記憶するための仕向けグループエリア64dが設けられている。図示していないがこのほかに、印刷することにより使用するトナーカートリッジ内のトナー量を記憶するためのトナー使用量エリア、および画像形成ユニット内に残っているトナー量を記憶するためのID内トナー残量エリアが設けられている。
次に図16に示すフローチャートにしたがって付加実施例におけるトナーカートリッジが正常か否かを判定する処理を説明する。図16は付加実施例の動作を示すフローチャートである。説明にあたっては図7のブロック図を流用する。まず電子写真印刷装置の電源が投入されるか又は制御CPU41が図示しないセンサによりカバーが閉じられたことを検出すると、制御CPU41はRFIDリーダライタ19を使用してトナーカートリッジ16のRFIDタグのタグ番号エリア64aから固有のタグ番号を読み出せるかどうか判定する(ステップ41)。タグ番号を読み出せる場合はステップ42へ移行し、読み出せない場合はステップ46へ移行する。
ステップ46は、制御CPU41が、RFIDタグがない、もしくはトナーカートリッジ16がないと判定した場合であり、装置の表示部58に「トナー無し」を表示し、以後の印刷処理中にユーザに注意を促すために、一定間隔で印刷停止させるための「間欠印刷フラグ」に“ 1 ”を設定し、処理を終了する。なお「間欠印刷フラグ」は不揮発メモリ63に設けられている。
ステップ42において制御CPU41は、読み出したタグ番号が、予め定められた固有のものであるかどうかを判定し、固有のタグ番号であると判定した場合にはステップ43へ移行し、固有のタグ番号ではないと判定された場合にはステップ47へ移行する。
ステップ47においては、固有の「タグ番号」ではない、即ち非純正のトナーカートリッジが装着されていると判定した場合であり、装置の表示部58に「非純正トナー」である旨を表示し、以後の印刷処理中にユーザに注意を促すために、一定間隔で印刷停止させるための「間欠印刷フラグ」に“ 1 ”を設定し、処理を終了する。
ステップ43 において制御CPU41は、RFIDリーダライタ19を使用してトナーカートリッジ16のRFIDタグの仕向けコードエリア64cおよび仕向けグループエリア64dから記憶データを読み出す。そして読み出した両データが予め定められたコードと合致するか否かを判定し、合致した場合はステップ44へ移行し、合致しない場合はステップ48へ移行する。
ステップ48は、読み出したデータが「仕向けコード」あるいは「仕向けグループコード」ではない、即ち外販した純正のトナーカートリッジが装着されたと判定した場合であるので、ユーザに対する警告表示は行わず、一定間隔での印刷停止もしないように「間欠印刷フラグ」に“ 0 ”を設定し、処理を終了する。
ステップ44において制御CPU41は、仕向けコードエリア64cから読み出した「仕向けコード」と、不揮発メモリ63の仕向けコードエリア63cに記憶してある「仕向けコード」とを照合し、両者が一致するかどうか判定する。一致しない場合、即ち装置の仕向けに合わないトナーカートリッジが装着されていると判定された場合は、ステップ45へ移行する。トナーカートリッジの「仕向けコード」と装置側の「仕向けコード」が一致した場合は、ステップ49へ移行する。
ステップ49は、トナーカートリッジの「仕向けコード」と装置側の「仕向けコード」が一致した場合、即ち正しい仕向け先のトナーカートリッジが装着されていると判定された場合で、ユーザに対する警告表示は行わず、一定間隔での印刷停止もしないように「間欠印刷フラグ」に“ 0 ”を設定し、処理を終了する。
ステップ45において制御CPU41は、仕向けグループエリア64dから読み出した「仕向けグループコード」と、不揮発メモリ63の仕向けグループエリア63dに記憶してある「仕向けグループコード」とを照合し、両者が一致するかどうか判定する。一致しない場合、ステップ50へ移行し、一致した場合は、ステップ51へ移行する。
ステップ50は、装置とトナーカートリッジとで「仕向けコード」も「仕向けグループコード」も一致していない場合、即ち間違った仕向け先のトナーカートリッジが装着されていると判定された場合で、装置の表示部58に「非純正トナー」である旨を表示し、以後の印刷処理中にユーザに注意を促すために、一定間隔で印刷停止させるための「間欠印刷フラグ」に“ 1 ”を設定し、処理を終了する。
ステップ51では、不揮発メモリ63の動作制御コードエリア63eに記憶された「動作制御コード」を参照し、「動作制御コード」が“ 警告のみ” を示すコードであればステップ52へ移行し、“ 印刷停止” を示すコードであればステップ53へ移行し、“ 動作制限なし” であればステップ54へ移行し、“ 間欠印刷” であればステップ55へ移行する。
ステップ52では、装置の表示部58に「不正トナー」である旨を表示するが、印刷動作に制限を加えないようにするために「間欠印刷フラグ」に“ 0 ”を設定し、処理を終了する。ステップ53においては、装置の図示しない表示部に「不正トナー」である旨を表示し、印刷動作を停止し、一連の処理を終了する。
ステップ54では警告表示はせず、印刷動作に制限を加えないようにするために「間欠印刷フラグ」に“ 0 ”を設定し、処理を終了する。またステップ55では、装置の図示しない表示部に「不正トナー」である旨を表示し、以後の印刷処理中にユーザに注意を促すために、一定間隔で印刷停止させるための「間欠印刷フラグ」に“ 1 ”を設定し、処理を終了する。
以上のように、正規のものではないトナーカートリッジが装着された場合でも、その装着されたトナーカートリッジの種類に応じて適正な対応が可能となり、出荷地域や客先の要求に細かく対応が可能な仕向け仕様が可能になる。