JP2011125919A - アーク溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アーク未発生の原因となるワイヤ先端又は溶接対象物表面のスラグや酸化皮膜等を効率的に除去できるとともに、溶接品質の向上が図られたアーク溶接方法を提供する。
【解決手段】溶接開始予定点52においてアークが発生しなかった場合、一旦アークをストップし、溶接ワイヤ24の先端を溶接対象物50から離隔させる。次に溶接トーチ16を往復動させ、往復動作の実行前又は実行途中で再度アークスタートを実行する。溶接トーチの復路移動中に、溶接ワイヤの先端が溶接対象物の表面を摺動する。
【選択図】図5

Description

本発明は、アーク溶接方法に関する。
従来、アーク溶接におけるアーク未発生時のリトライ方法として、ワイヤ送給機による溶接ワイヤの送給と巻き戻しの繰り返し、又はロボットによる溶接トーチの移動によって、ワイヤ先端をワーク表面に対して接離させ、アークの発生を促すという方法がある。また、それでもアークが発生しない場合、予め設定しておいた条件によって、アーク開始位置を変えて上記リトライ方法を繰り返すということも行われている。しかしこれらの方法では、アーク未発生現象の原因となるワイヤ先端又は溶接対象物表面に付着したスラグや酸化皮膜等が除去されにくいため、リトライ動作を行ってもアーク発生しない場合があり、問題となっていた。
上記酸化皮膜等を除去することを企図した従来技術として、例えば特許文献1には、アークを切らずに、溶接予定線の全区間を一度に溶接することを目的とした自動溶接装置が開示されている。また特許文献1には、アークリトライのやり方として、溶接ワイヤの表面の酸化皮膜を破壊して中の導電面を露出させるために、溶接ワイヤを押し付けながら進める方法が記載されている。
特開昭62−161471号公報
特許文献1に記載の発明では、溶接ワイヤ先端がワーク表面のアーク未発生となった地点に押し付けられて接触したままの状態で、溶接トーチが溶接予定線方向へ移動する。よって溶接トーチが移動しているにも拘らず、ワイヤ先端が移動しないという現象が発生しやすい。つまり、例えば図8に示すように、ワイヤ2の先端が溶接対象物であるワーク4の溶接予定開始点6に押し付けられた状態(図8(a))のまま溶接トーチ8が溶接予定線方向へ移動を続ける(図8(b))ことによって、ワイヤ2が曲がり、最終的にはワイヤ2が座屈し、座屈して接触した地点からアーク9が発生する(図8(c))場合がある。そのとき、座屈した先のワイヤが飛散またはワークへ付着することによる溶接品質の悪化が問題となる。
また、上記リトライ動作によって溶接ワイヤの酸化皮膜等が除去されてアークが発生したとしても、アークを維持したままアーク発生地点から溶接開始予定点へトーチを戻すために、現在の溶接トーチの動作を減速停止させる時間、溶接開始予定点へ戻る動作を停止状態から起動する時間、さらに溶接開始予定点への移動時間等が必要となるため、溶接開始予定点付近の入熱が増えてビードが厚くなってしまう等の溶接品質上の問題が生じ得る。
そこで本発明は、アーク未発生の原因となるワイヤ先端又は溶接対象物表面のスラグや酸化皮膜等を効率的に除去できるとともに、溶接品質の向上が図られたアーク溶接方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ロボットに支持された溶接トーチを、溶接対象物上の溶接開始予定点を始点とする溶接予定線に沿って移動させながらアーク溶接を行う、アーク溶接方法において、前記溶接開始予定点にて、前記溶接トーチへの溶接電力供給及び溶接ワイヤの送給を開始してもアークが発生しなかったときに、前記溶接ワイヤの送給を停止し、前記溶接ワイヤの先端を溶接対象物と接触した状態から離隔させる段階と、溶接トーチに、前記溶接開始予定点から、所定距離の往路移動と、該往路移動に続く前記溶接開始予定点へ戻る復路移動とを行わせ、前記溶接トーチの往復移動の実行前又は実行途中で、前記溶接トーチへの溶接電力供給及び溶接ワイヤの送給を再度実行する段階と、前記溶接開始予定点への復路移動中に、前記溶接ワイヤの先端を前記溶接対象物の表面に摺動させる段階と、前記溶接開始予定点への復路移動中にアークが発生したときに、アークを維持したままアーク発生地点から前記溶接開始予定点まで前記溶接トーチを移動させた後、本溶接工程に移行する段階と、を含むアーク溶接方法を提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアーク溶接方法において、前記溶接ワイヤの先端を前記溶接対象物から離隔する段階が、前記溶接ワイヤの巻き戻しによって行われる、アーク溶接方法を提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のアーク溶接方法において、前記溶接ワイヤの先端を前記溶接対象物から離隔する段階が、前記溶接トーチの移動によって行われる、アーク溶接方法を提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のアーク溶接方法において、前記溶接ワイヤの先端を前記溶接対象物から離隔する段階が、前記溶接ワイヤの巻き戻し及び前記溶接トーチの移動の双方によって行われる、アーク溶接方法を提供する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアーク溶接方法において、前記溶接開始予定点への復路移動中にアークが発生しなかったときに、前記離隔させる段階、前記再度実行する段階及び前記摺動させる段階を、前記溶接開始予定点への復路移動中にアークが発生するまで、予め定めた回数だけ繰り返す段階を含む、アーク溶接方法を提供する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアーク溶接方法において、前記溶接トーチの往路移動及び復路移動の移動方向が前記溶接予定線に沿う方向である、アーク溶接方法を提供する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアーク溶接方法において、前記溶接ワイヤと前記溶接対象物との離隔量、前記溶接対象物からの離隔後における前記溶接ワイヤの先端の前記溶接対象物への接近速度、前記溶接トーチの前記往路移動の移動距離、該往路移動の移動速度、及び前記溶接トーチの前記復路移動の移動速度のうち少なくとも1つを予め調整する段階をさらに含む、アーク溶接方法を提供する。
本発明によれば、アーク未発生現象が発生したときでも、リトライ動作を行うことによって、アーク未発生の原因であるワイヤ先端及び溶接対象物表面に付着したスラグや酸化皮膜等を取り除き、アークを発生させることができる。その結果、製造ラインが止まることがなくなり、生産効率が向上する。また、リトライ動作によってアークが発生した場合、溶接開始予定点付近のビードへの影響を最小限に抑えることができる。
リトライ動作の回数を予め定めておくことにより、アークをより高い確率で発生させることができるとともに、アーク未発生の原因が溶接ワイヤへの酸化皮膜の付着等でない場合への対処を迅速に行うことができる。
ワイヤの離隔動作を溶接ワイヤの巻き戻しによって行うことにより、離隔動作における溶接トーチ自体の移動が不要となる。
溶接トーチの往復移動の方向を溶接予定線に沿う方向とすることにより、アーク発生地点から溶接開始予定点までのトーチ移動時に生成されるビードを、溶接予定線上に生成することができる。
溶接対象物からの溶接ワイヤの離隔量、離隔後における溶接ワイヤ先端の溶接対象物への接近(送給)速度、溶接トーチの往路移動における移動距離、該往路移動の移動速度、及び溶接トーチの復路移動速度のうち少なくともいずれか1つを予め調整することによって、復路移動中に溶接ワイヤを溶接対象物に接触させることが可能となる。
本発明のアーク溶接システムの第1の実施形態の概略構成を示す図である。 本発明のアーク溶接システムの第2の実施形態の概略構成を示す図である。 本発明のアーク溶接システムの第3の実施形態の概略構成を示す図である。 本発明に係るアーク溶接方法の具体例を示すフローチャートである。 溶接対象物からの溶接ワイヤの離隔を、溶接ワイヤの巻き戻しによって行う場合の例を示す図である。 溶接対象物からの溶接ワイヤの離隔を、溶接トーチの移動によって行う場合の例を示す図である。 溶接対象物からの溶接ワイヤの離隔を、溶接ワイヤの巻き戻し及び溶接トーチの移動の双方によって行う場合の例を示す図である。 従来技術におけるアーク溶接の問題点を説明する図である。
図1は、本発明に係る溶接システムの第1の実施形態の概略構成を示す図である。溶接システム10は、ロボット(ロボット本体)12と、ロボット12を制御するロボット制御装置14とを有し、ロボット12は溶接トーチ16を支持する(具体的にはロボット12のアーム先端部18に溶接トーチ16が装着される)。溶接トーチ16には、アーク溶接のための電力が溶接電源20から供給される。また溶接トーチ16には溶接ワイヤ送給機22が接続され、溶接ワイヤ送給機22はアーク溶接に使用される溶接ワイヤ24の送給又は巻戻しを行う。なお溶接電源20は、ロボット制御装置14外に別設されてもよいし、ロボット制御装置14内に組み込まれてもよい。また溶接ワイヤ送給機22は、ロボット本体12に取り付けられてもよいし、別設されてもよい。
ロボット12は好ましくは多関節ロボットであり、溶接トーチ16から出てくる溶接ワイヤ24の先端の位置決めを行うように構成される。或いは、ロボット12は、図示しない溶接対象物を把持し、定位置に固定された溶接トーチに対して該溶接対象物の位置決めを行うものでもよい。
ロボット制御装置14は、ロボット12のサーボモータ(図示せず)の制御を行うように構成される。図示例ではロボット制御装置14は、CPU26、ROM28、RAM30、不揮発性メモリ32、液晶ディスプレイ34を備えた教示操作盤36、ロボットの各軸を制御するロボット軸制御器38、サーボ回路40及び汎用インターフェイス42等を有し、これらの要素はバス44を介して互いに接続される。上述の溶接電源20及び溶接ワイヤ送給機22は汎用インターフェイス42に接続可能である。またロボット制御装置14は、アーク溶接ワイヤの送給及び巻戻しを行うサーボモータ(図示せず)も、ロボット12に付随する制御軸として制御することもできる。
図2は、本発明に係る溶接システムの第2の実施形態の概略構成を示す図である。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、溶接ワイヤ送給機22′が汎用インターフェイス42ではなく溶接電源20に接続される点である。他は第1の実施形態と同様でよいので、同様の構成要素には同じ参照符合を付して説明は省略する。
図3は、本発明に係る溶接システムの第3の実施形態の概略構成を示す図である。第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、溶接ワイヤ送給機22の代わりに溶接ワイヤの駆動源としてサーボモータ46を使用する点である。他は第1の実施形態と同様でよいので、同様の構成要素には同じ参照符合を付して説明は省略する。
次に、上述の溶接システムを用いたアーク溶接の手順について、図4のフローチャート及び図5を参照して説明する。先ずステップS1において、アーク溶接を行うためのロボットプログラム実行時に、溶接トーチを溶接開始予定点に向けて移動させる。
次にステップS2において、溶接トーチから突出している溶接ワイヤの先端が溶接開始予定点に到着したら、アークをスタートさせる。具体的には、溶接トーチ16への電力供給と、溶接対象物50への溶接ワイヤ24の送給(接近)とを概ね同時に行う(図5(a))。
ステップS3では、溶接開始予定点52(図5(b))におけるアークの検出、すなわちアーク発生の有無を確認する。予め指定した時間内にアークが発生すれば、ステップS4に進んで本溶接(通常の溶接処理)を行う。一方、指定時間内にアークが発生しなかった場合、ステップS5に進んでリトライカウント(RC)を0に初期化する。なおリトライカウントとは、現在何回目のリトライを実行中かを示すものであり、予め指定した回数だけリトライさせるためのカウンターとして使用する。
次のステップS6では、一旦アークをストップ(具体的には溶接トーチへの電力供給を停止)する。
次のステップS7では、図5(c)に示すように、溶接ワイヤ24の先端を溶接対象物50から離隔させる。ここで溶接ワイヤ先端の離隔方法としては、(1)溶接トーチを移動させずに溶接ワイヤを巻き戻す、(2)溶接ワイヤの巻き戻しを行わずに溶接トーチを離隔方向(図示例では上方)に移動させる、(3)溶接ワイヤの巻き戻し及びトーチの離隔方向への移動の双方を行う、の3通りが考えられるが、図5(c)は(1)の場合を図示している。(2)及び(3)の場合については後述する。
次のステップS8では、上述のリトライカウントをインクリメント、すなわち1増加させる。
次にステップS9において、溶接開始予定点から所定方向に所定距離だけ溶接トーチが移動(以降、往路移動と呼ぶ)させる。ここで所定方向とは、例えば、図5(d)に示す矢印54のように、溶接対象物50の面に対して平行な方向であることが好ましく、さらにアーク発生地点から溶接開始予定点までのトーチ移動時に生成されるビードを溶接予定線上に生成するという観点から溶接予定線方向に沿う方向であることが好ましいが、これに限定されるものではない。また所定距離は、本願発明の作用効果が得られる限りにおいて適宜設定可能であるが、好ましい所定距離は、5mmから20mm程度の間である。この距離が長い程、アーク発生地点から溶接開始予定点までのトーチ移動時に生成されるビード量が増加してしまうためである。
次に図5(e)に示すように、ステップS9での往路移動後に溶接開始予定点に溶接トーチを戻す移動(以降、復路移動と呼ぶ)を行う(ステップS10)。復路移動では例えば、往路移動と逆方向(矢印56で図示)に溶接トーチを移動させることができ、矢印56の方向も、溶接対象物50の面に対して平行な方向であることが好ましく、さらに溶接予定線方向に沿う方向であることが好ましい。ここで、ステップS7において(1)のように溶接ワイヤの巻き戻しによって溶接ワイヤの離隔が行われていた場合、以下ステップS9〜S10(或いはS10)の実行前又は実行途中で再度アークスタート(溶接電力の供給と溶接ワイヤの送給)を実行する。或いは、以下ステップS10の実行前又は実行途中で再度アークスタートを実行してもよい。従って図5(e)に示すように、本願発明では、上記調整によって復路移動中に溶接ワイヤ24の先端が溶接対象物50の表面を摺動し、溶接ワイヤに付着したスラグや酸化皮膜等が除去されて、溶接開始予定点の手前(例えば図5(e)に示す溶接対象物50上の部位57)アークが発生しやすくなる。
次のステップS11において、アークが発生したかをチェックする。アークの発生が確認(検出)された場合は、図5(f)に示すように、溶接トーチをそのまま溶接開始点52に戻して本溶接を行う(ステップS12)。
ステップS11でアーク未発生の場合、溶接トーチの復路移動が完了しているか否かをチェックする(ステップS13)。完了していない場合は、復路移動が完了するまでステップS11でのアーク発生チェックを行う。
溶接トーチの復路移動が完了した場合は、ステップS14に進んでリトライカウントが予め指定した指定回数を超えていないかをチェックする。リトライカウントが該指定回数を超えていない場合は、ステップS6に戻ってリトライ動作を再実行する。リトライカウントが指定回数を超えた場合は、指定されたリトライ回数以内にアークを発生させることができなかった旨をオペレータに知らせるためのアラーム等を発して処理を終了する(ステップS15)。ここで、リトライの指定回数は溶接条件や経験等に基づいて適宜設定可能であるが、例えば、指定回数を超えてもアークが発生しない場合は、オペレータは溶接ワイヤへの酸化皮膜等の付着以外にアーク未発生の原因がある可能性が高いと判断することができる。
図6は、ステップS7の説明における上記(2)の方法、すなわち溶接ワイヤの巻き戻しを行わずに溶接トーチを離隔方向(図示例では上方)に移動させる場合の処理の流れを示す図である。(2)の方法では、図6(c)に示すように、ステップS7での溶接ワイヤ24の離隔操作を、溶接ワイヤ24を巻き戻さずに溶接トーチ16の移動によって行う。ここでの移動方向は、図6(c)に示す矢印58のように溶接対象物50の表面に概ね垂直な方向が好ましいが、他の方向でもよい。
(2)の方法でも、(1)の方法と同様にステップS9〜S10(或いはS10)の実行前又は実行途中で再度アークスタートを行うが、(2)では溶接トーチ自体が図6(b)の状態よりも溶接対象から離れているので、アークスタート実行前に溶接トーチを上記移動方向とは逆方向(図示例では矢印60で示す下向き方向)に移動させる(図6(d))。そして該逆方向への戻り移動が終了するタイミングで、アークスタートを実行する。なお図6(a)、(b)、(e)及び(f)については、それぞれ図5(a)、(b)、(e)及び(f)と同様でよいので説明は省略する。
図7は、ステップS7の説明における上記(3)の方法、すなわち溶接ワイヤの巻き戻しと溶接トーチの移動の双方によって溶接ワイヤを溶接対象物から離隔させる場合の処理の流れを示す図である。(3)の方法では、図7(c)に示すように、ステップS7での溶接ワイヤ24の離隔操作を、溶接ワイヤ24の巻き戻し及び溶接トーチ16の移動の双方によって行う。ここでの溶接トーチの移動方向は、図7(c)のように溶接対象物50の表面に概ね垂直な方向が好ましいが、他の方向でもよい。
(3)の方法でも、(1)の方法と同様にステップS9〜S10(或いはS10)の実行前又は実行途中で再度アークスタートを行うが、(3)でも(2)と同様に、溶接トーチ自体が図7(b)の状態よりも溶接対象から離れているので、アークスタート実行前に溶接ワイヤを送給するとともに溶接トーチを上記移動方向とは逆方向(図示例では下方)に移動させる(図7(d))。そして該逆方向への戻り移動が終了するタイミングで、アークスタートを実行する。なお図7(a)、(b)、(e)及び(f)については、それぞれ図5(a)、(b)、(e)及び(f)と同様でよいので説明は省略する。
上記(1)−(3)のいずれの場合であっても、溶接トーチの復路移動中に溶接ワイヤの先端が溶接対象物に対して摺動する。このために、溶接対象物からの溶接ワイヤの離隔量、離隔後における溶接ワイヤ先端の溶接対象物への接近(送給)速度、溶接トーチの往路移動における移動距離、該往路移動の移動速度、及び溶接トーチの復路移動速度のうち少なくともいずれか1つを予め調整する。
一般に、往路移動中に溶接ワイヤが溶接対象物に接触してアークが発生した場合、以下の3つの時間が原因による溶接開始予定点付近の入熱増加及びビードが厚くなってしまうことが懸念される。
a) 往路動作を減速・停止させるまでの時間
b) アーク発生点から溶接開始予定点へ戻るまでの動作を停止状態から起動する時間
c) 戻り移動動作を完了するまでの時間
一方本願発明では、溶接トーチの復路移動中に溶接ワイヤが溶接対象物に対して摺動するので、復路移動中に溶接ワイヤが溶接対象物に接触してアークが発生し、現在の動作を停止させることなくそのまま溶接トーチを溶接開始予定点へ戻せばよいので、上記a)及びb)の時間は排除される。その結果、溶接開始予定点付近の入熱増加、及びビードが厚くなってしまうという問題を最小限に抑えることができる。
10 アーク溶接システム
12 ロボット
14 ロボット制御装置
16 溶接トーチ
22 溶接ワイヤ送給機
24 溶接ワイヤ
50 溶接対象物
52 溶接開始予定点

Claims (7)

  1. ロボットに支持された溶接トーチを、溶接対象物上の溶接開始予定点を始点とする溶接予定線に沿って移動させながらアーク溶接を行う、アーク溶接方法において、
    前記溶接開始予定点にて、前記溶接トーチへの溶接電力供給及び溶接ワイヤの送給を開始してもアークが発生しなかったときに、前記溶接ワイヤの送給を停止し、前記溶接ワイヤの先端を溶接対象物と接触した状態から離隔させる段階と、
    溶接トーチに、前記溶接開始予定点から、所定距離の往路移動と、該往路移動に続く前記溶接開始予定点へ戻る復路移動とを行わせ、前記溶接トーチの往復移動の実行前又は実行途中で、前記溶接トーチへの溶接電力供給及び溶接ワイヤの送給を再度実行する段階と、
    前記溶接開始予定点への復路移動中に、前記溶接ワイヤの先端を前記溶接対象物の表面に摺動させる段階と、
    前記溶接開始予定点への復路移動中にアークが発生したときに、アークを維持したままアーク発生地点から前記溶接開始予定点まで前記溶接トーチを移動させた後、本溶接工程に移行する段階と、
    を含むアーク溶接方法。
  2. 前記溶接ワイヤの先端を前記溶接対象物から離隔する段階が、前記溶接ワイヤの巻き戻しによって行われる、請求項1に記載のアーク溶接方法。
  3. 前記溶接ワイヤの先端を前記溶接対象物から離隔する段階が、前記溶接トーチの移動によって行われる、請求項1に記載のアーク溶接方法。
  4. 前記溶接ワイヤの先端を前記溶接対象物から離隔する段階が、前記溶接ワイヤの巻き戻し及び前記溶接トーチの移動の双方によって行われる、請求項1に記載のアーク溶接方法。
  5. 前記溶接開始予定点への復路移動中にアークが発生しなかったときに、前記離隔させる段階、前記再度実行する段階及び前記摺動させる段階を、前記溶接開始予定点への復路移動中にアークが発生するまで、予め定めた回数だけ繰り返す段階を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアーク溶接方法。
  6. 前記溶接トーチの往路移動及び復路移動の移動方向が前記溶接予定線に沿う方向である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアーク溶接方法。
  7. 前記溶接ワイヤと前記溶接対象物との離隔量、前記溶接対象物からの離隔後における前記溶接ワイヤの先端の前記溶接対象物への接近速度、前記溶接トーチの前記往路移動の移動距離、該往路移動の移動速度、及び前記溶接トーチの前記復路移動の移動速度のうち少なくとも1つを予め調整する段階をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアーク溶接方法。
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