JP2007299643A - シールド導電路の製造装置及びシールド導電路の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストアップを伴わずに金属パイプを不具合なく曲げ加工できる製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】製造装置1は、電線シールド用の金属パイプ20を製造する装置として構成されており、金属パイプ20を保持しつつ一端側から送り出す送り出し装置40と、金属パイプ20に対して曲げ加工を施す曲げ加工装置50とを備えている。さらに、金属パイプ20の延出部分20Aを支持する支持部90と、この支持部90を保持する保持ユニット80とを備えたパイプ支持装置70を有している。さらに変位手段としての変位機構140及び主制御回路101を備えており、曲げ加工装置50による曲げ加工及び送り出し装置40による送り出しに応じて支持部90を延出部分20Aに追従させるべく支持部90及び保持ユニット80の少なくともいずれかを変位させる構成をなしている。
【選択図】図3

Description

本発明は、シールド導電路の製造装置及びシールド導電路の製造方法に関するものである。
従来、シールド機能を備えた導電路として、特許文献1に記載されているものがある。この導電路は、シールド機能を有しない複数本の電線を、編組線からなる筒状のシールド部材によって一括して包囲した構成となっている。
特開2002−313496公報
上記のような導電路を自動車のボディのフロア下面に沿って配索する場合、走行中の飛び石等によって電線が傷付けられることが懸念される。この対策として、金属製のパイプの中に電線を挿通させる構造が考えられる。この構造によれば、パイプが、シールド部材としての機能と電線を保護する機能との両機能を兼ね備えるので、部品点数を増やすことなく、電線を確実に保護できる。
ところで、シールド機能を備える導電路は、一直線状に配索されることは殆どなく、屈曲した経路に沿って配索されることから、パイプを用いた導電路の場合も、配索経路に沿ってパイプを屈曲させる必要がある。その加工方法としては、例えばパイプの一端側を延出させて片持ち状に保持し、その状態で延出部分を屈曲させる方法が考えられる。
しかしながらこのようにパイプの曲げ加工を行う場合、保持位置からパイプを長く延出させるとその延出部分の自重によってパイプが曲がってしまったり、パイプを保持する保持位置でのすべりが生じる虞がある。自重によるパイプの曲がりを回避しようと肉厚を大きくすると、パイプの重量が更に増すと共にコストアップが避けられなくなる。また、すべりを回避するため保持力を増大させると、パイプが保持手段によって握り潰されてしまう虞がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コストアップを伴わずに金属パイプを不具合なく曲げ加工できる製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、
電線シールド用の金属パイプを備えたシールド導電路を製造する製造装置であって、
前記金属パイプを保持しつつ一端側から送り出す送り出し手段と、
前記金属パイプに対して曲げ加工を施す曲げ加工手段と、
前記金属パイプの延出部分を支持する支持部と、この支持部を保持する保持手段とを備えたパイプ支持装置と、
前記曲げ加工手段による曲げ加工及び前記送り出し手段による送り出しに応じて前記支持部を前記延出部分に追従させるべく前記支持部及び前記保持手段の少なくともいずれかを変位させる変位手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のシールド導電路の製造装置において、
前記支持部は、前記金属パイプの前記延出部分を吊り下げ状態で支持する構成をなし、
前記変位手段は、前記保持手段からの前記支持部の吊り下げ長さを調節可能な長さ調節手段を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載のシールド導電路の製造装置において、
前記支持部は可撓性部材を有してなり、
前記保持手段は、前記可撓性部材を巻き付ける巻き付け軸と、当該巻き付け軸を回転可能に保持するフレームとを有し、
前記長さ調節手段は、前記巻き付け軸を駆動する駆動モータを備えることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシールド導電路の製造装置において、
前記変位手段は、前記保持手段を前記先端部の上方位置又は下方位置に追従させる移動手段を備えたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載のシールド導電路の製造装置において、
前記移動手段は、前記保持手段を水平方向に沿って移動させる水平移動機構を有してなることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のシールド導電路の製造装置において、
前記送り出し手段による前記金属パイプの送り出し量と、前記曲げ加工手段による前記金属パイプの曲げ角度と、に基づいて、前記金属パイプの先端部の位置を特定する位置特定手段を備え、
前記変位手段は、前記位置特定手段にて特定された前記先端部の位置に前記支持部を追従させるべく前記支持部及び前記保持手段の少なくともいずれかを変位させることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のシールド導電路の製造装置において、
前記送り出し手段によって送り出され、かつ前記曲げ加工手段によって曲げ加工される前記金属パイプは、内部に電線が挿通されるものであることを特徴とする。
請求項8の発明は、電線シールド用の金属パイプを備えたシールド導電路を製造する製造方法であって、
送り出し手段により前記金属パイプを保持しつつ一端側から送り出す送り出し工程と、
前記金属パイプに対して曲げ加工手段により曲げ加工を施す曲げ加工工程とを含み、
前記送り出し工程及び前記曲げ加工工程において、前記金属パイプの延出部分を、この延出部分を支持する支持部と、この支持部を保持する保持手段とを備えたパイプ支持装置によって支持し、かつ前記曲げ加工手段による曲げ加工に応じて前記支持部を前記延出部分に追従させるべく前記支持部及び前記保持手段の少なくともいずれかを変位手段によって変位させることを特徴とする。
<請求項1、8の発明>
請求項1の発明によれば、シールド導電路を製造するに際し、曲げ加工手段による曲げ加工及び送り出し手段による送り出しに応じて支持部を延出部分に追従させ、その延出部分を安定的に支持することができる。従って、金属パイプを極めて強い力で保持する必要がなくなり、かつ自重による曲がりやすべりを効果的に防ぐことができる。
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、変位手段が、保持手段からの支持部の吊り下げ長さを調節可能な長さ調節手段を備えているため、支持部を延出部分の位置に応じた吊り下げ長さとすることができ、金属パイプをより適切に支持できるようになる。
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、支持部が金属パイプの延出部分を吊り下げ状態で支持する可撓性部材を有してなるため、自由度をもって金属パイプを支持できるようになる。また、巻き付け軸を駆動モータによって駆動することにより可撓性部材の吊り下げ長さを調整できるため吊り下げ長さを制御しやすい構成となる。
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、変位手段が、保持手段を先端部の上方位置又は下方位置に追従させる移動手段を備えているため、送り出しや曲げ加工によって変位する先端部を常に安定的に支持できるようになる。
<請求項5の発明>
請求項5の発明によれば、移動手段が、保持手段を水平方向に沿って移動させる水平移動機構を備えているため、水平方向に関して保持手段を先端部に追従させやすい好適例となる。
<請求項6の発明>
請求項6の発明によれば、送り出し手段による金属パイプの送り出し量と、曲げ加工手段による金属パイプの曲げ角度とに基づいて、先端部の位置を特定するようにしているため、先端部の位置を精度高く特定でき、先端部に対してより適切に追従させることができる。
<請求項7の発明>
加工対象となる金属パイプの内部に電線が挿通される構成の場合、延出部分の自重がより大きくなるためその自重により曲がりが生じやすくなってしまう。これに対し請求項7の発明によれば、自重による曲がりを効果的に解消できるため有効である。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図面を参照して説明する。
(シールド導電路)
まず、本発明に係るの製造装置及び製造方法を用いて製造されるシールド導電路Waについて説明する。図1は、シールド導電路を概略的に例示する平面図であり、図2は、そのシールド導電路の概略断面図である。
図1、図2に示すように、シールド導電路Waは、シールド機能を有しない6本の電線10A,10Bを、シールド機能と電線10A,10Bの保護機能とを兼ね備えた金属パイプ20で一括して包囲した形態のものであり、屈曲した経路を構成する。シールド導電路Waは、後述するように真っ直ぐな状態の金属パイプ20に電線10A,10Bを挿通し、電線10A,10Bが挿通された状態で金属パイプ20に曲げ加工を施すことによって製造される。
図1、図2に示すように、6本の電線10A,10Bのうち3本は、例えば電気自動車のモータに大電流の電力を供給するための大径電線10Aであり、図2に示す他の3本は、例えば自動車の電装品(エアコン等)に台形電線10Aよりも小さい電流を供給するための小径電線10Bとなっている。尚、図2以外では、小径電線10Bの図示を省略している。図2に示すように、大径電線10Aは、円形をなす銅合金製の芯線11Aを架橋ポリエチレン製の円筒形をなす絶縁被覆12Aで包囲したものであって、芯線11Aとして断面積が例えば15平方ミリメートルの太さのものが使用され、絶縁被覆12Aの外径は例えば7.0ミリメートルとされている。小径電線10Bは、円形をなす銅合金製の芯線11Bを架橋ポリエチレン製の円筒形をなす絶縁被覆12Bで包囲したものであり、芯線11Bとして断面積が例えば3平方ミリメートルの太さのものが使用され、絶縁被覆12Bの外径は例えば3.8ミリメートルとされている。
尚、本実施形態では、芯線11A,11Bを銅合金製としたが、これに限らず、アルミ合金等の金属材料を芯線11A,11Bとして用いてもよい。また、絶縁被覆12A,12Bを架橋ポリエチレン製としたが、これに限らず、架橋ポリウレタン製の樹脂材料を絶縁被覆12A,12Bとして用いてもよい。また、芯線11A,11Bの断面積と絶縁被覆12A,12Bの外径寸法は、上記以外の数値とすることもできる。
これら6本の電線10A,10Bは、図2に示すように、3本の大径電線10Aを俵積み状(三角形をなすように外接した形態)に配置するとともに、大径電線10Aの外周の間に形成される隙間に小径電線10Bを嵌め込むようにすることで、全体として概ね円形をなすように束ねられている。そして、この束ねた電線10A,10Bは、長さ方向に間隔を空けた複数箇所において粘着テープ(図示せず)が巻き付けられることにより、束ねた状態に保たれている。また、3本の大径電線10Aの前端部においては、絶縁被覆12Aを除去して露出させた芯線11Aに、端子金具13が圧着などの方法によって導通可能に固着されている。同様に、3本の小径電線10Bの前端部にも端子金具(図示せず)が固着されている。尚、電線10A,10Bの後端部については、金属パイプ20に曲げ加工を施す前の段階(シールド導電路Waの製造を開始する前の段階)では端子金具は固着されず、金属パイプ20の曲げ加工が完了した後で電線10A,10Bの後端部に端子金具が固着されるようになっている。
金属パイプ20は、例えばアルミ合金製であり、肉厚が一定の真円筒状をなす。シールド導電路Waの製造前の段階では、金属パイプ20は一直線状をなしている。金属パイプ20の外径は、例えば23ミリメートルであり、肉厚は例えば1ミリメートルである。また、金属パイプ20の長さは、電線10A,10Bの全長よりも短い寸法とされている。かかる金属パイプ20の前端部には、外周側へフランジ26が張り出した形態の金属製(例えば、アルミ合金製)のブラケット25が固着されている。尚、本実施形態では、金属パイプ20をアルミ合金製としたが、これに限らず、他の金属材料(例えば、ステンレス)を金属パイプ20として用いてもよい。また、金属パイプ20の外径寸法と肉厚寸法は、上記以外の数値とすることもできる。
かかる金属パイプ20は、後述する曲げ加工機により、長さ方向に間隔を空けた5ヶ所において屈曲されており、金属パイプ20における各屈曲部21A,21B,21C,21D,21Eの両側の領域は直線部22a,22b,22c,22d,22e,22fとなっている。金属パイプ20の前端に近い位置には第1屈曲部21Aが形成され、第1屈曲部21Aの後方(図1〜図4における左方)には第2屈曲部21Bが形成され、第2屈曲部21Bの後方には第3屈曲部21Cが形成され、第3屈曲部21Cの後方には第4屈曲部21Dが形成され、第4屈曲部21Dの後方(金属パイプ20の後端部に最も近い位置)には第5屈曲部21Eが形成されている。第1屈曲部21Aにおいては金属パイプ20がほぼ直角に曲げられており、第2〜第5の屈曲部21B,21C,21D,21Eにおいては金属パイプ20が鈍角状に曲げられており、5つの屈曲部21A〜21Eのうち第1屈曲部21Aが最も大きく曲げられている。なお、図1に示す金属パイプ20の形状はあくまで一例であり、様々な形状に曲げ加工できることは勿論である。
(製造装置)
次に、上述のシールド導電路Waを製造するための製造装置について説明する。なお、図3は、製造装置1を概略的に例示する斜視図であり、図4は、送り出し方向を右側として上方から見た要部概略図である。図5は、曲げ加工装置50の要部を概略的に説明する説明図である。図3ないし図5に示すように、製造装置1は、電線シールド用の金属パイプを製造する装置であり、送り出し装置40、曲げ加工装置50、及びパイプ支持装置70を備えている。
送り出し装置40は、送り出し手段の一例に相当するものであり、金属パイプ20の後端部を保持しつつ図示しないレールに沿って移動可能なチャック30と、チャック30よりも前方の固定された位置において金属パイプ20を下から支承する受け部材31とを有している。この送り出し装置40により金属パイプ20を保持しつつ一端側から送り出す構成をなしている。チャック30と受け部材31とにより、金属パイプ20は水平に支持されるようになっている。チャック30が金属パイプ20を保持した状態で移動すると、金属パイプ20は、その長さ方向(X軸方向)に沿って前方へ動かされるようになっている。
曲げ加工装置50は、曲げ加工手段の一例に相当するものであり、受け部材31の近傍で且つ受け部材31よりも前方の位置において金属パイプ20を中心に回転移動可能な2つのアーム(図示せず)が設けられ、一方のアームには、図3ないし図5に示すように、金属パイプ20の外周と外接可能であり、金属パイプ20の外径とほぼ同曲率の円弧形をなすガイド面33を備えたガイド部材32が固定されている。他方のアームには、ガイド部材32に対して金属パイプ20を挟んで対向する位置関係を保ちつつ、ガイド面33と同心の円弧状経路に沿って移動可能な曲げ治具34が設けられている。この曲げ治具34におけるガイド面33と対向する内面35(金属パイプ20への接触面)は、図5に示すように、金属パイプ20の長さ方向と直角な断面形状が略三角形に凹んだ溝状をなしている。
パイプ支持装置70は、金属パイプ20の延出部分20Aを支持する支持部90と、この支持部90を保持する保持ユニット80(保持ユニット80は保持手段の一例に相当する)とを備え、さらに、曲げ加工装置50による曲げ加工及び送り出し装置40による送り出しに応じて支持部90を延出部分20Aに追従させるべく支持部90及び保持ユニット80の少なくともいずれかを変位させる変位機構140(変位機構140は、移動手段の一例に相当する)を備えている。
具体的には、X軸方向移動機構(レール122、123、スライダ124、125、X軸サーボモータ110(図6)を有してなる機構)と、Y軸方向移動機構(レール112、スライダ114、Y軸サーボモータ120(図6)を有してなる機構)とからなる水平移動機構141を有しており、保持ユニット80を金属パイプ20の先端部20Bの上方位置に追従させるべく、保持ユニット80を水平方向に沿って移動させる構成をなしている。なお、X軸方向移動機構では、X軸サーボモータ110(図6)の作動により図示しない公知のボールねじ軸が回転駆動され、この回転に伴いスライダ124、125がレール122、124に沿って移動するように構成されている。また、Y軸方向移動機構では、Y軸サーボモータ120の作動により、図示しない公知のボールねじ軸が回転駆動され、この回転に伴いスライダ114がレール112に沿って移動するように構成されている。
さらに、変位機構140は、長さ調節機構142を備えている。本実施形態に係る支持部90は、金属パイプ20の延出部分20Aを吊り下げ状態で支持する構成をなし、長さ調節機構142は、保持ユニット80からの支持部90の吊り下げ長さを調節する構成をなしている。なお、長さ調節機構142は長さ調節手段の一例に相当する。
支持部90は、可撓性部材としてのワイヤ91と、このワイヤ91が接続されたパイプ保持具92と、ワイヤ91とパイプ保持具92とを連結するスプリング93によって構成されている。パイプ保持具92は、金属パイプ20の先端部20Bの周囲に環状に固定されており、この先端部20Bを吊り下げる構成をなしている。なお、このようなパイプ保持具92を用いずに、ワイヤ91を金属パイプ20に直接巻き付けるようにして保持してもよい。
保持ユニット80は、このワイヤ91を巻き付ける巻き付け軸133と、当該巻き付け軸133を回転可能に保持するフレーム135とを有し、長さ調節機構142は、巻き付け軸を駆動するウインチモータ130(ウインチモータ130は駆動モータの一例に相当する)を備えている。ウインチモータ130は、例えばステッピングモータなどによって構成されており、制御量に応じた回転が可能とされている。
次に、製造装置1の電気的構成について説明する。図6は、製造装置1の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
製造装置1は、CPUからなる主制御回路101、ROM102、RAM103などを備えたコントローラ100を備えている。このコントローラ100には、X軸サーボモータ110及びその駆動回路111と、Y軸サーボモータ120及びその駆動回路121とを備えた上述の水平移動機構141が接続されており、さらに、ウインチモータ130とこれを駆動する駆動回路131とを備えた長さ調節機構142が接続されている。
X軸サーボモータ110は、公知のサーボモータによって構成されており、駆動回路111は、主制御回路101から与えられた制御信号をX軸サーボモータ110を駆動する駆動信号に変換する回路である。同様に、Y軸サーボモータ110は、公知のサーボモータによって構成されており、駆動回路121は、主制御回路101から与えられた制御信号をY軸サーボモータ110を駆動する駆動信号に変換する回路として構成されている。また、駆動回路131は、主制御回路101からの制御信号をウインチモータ130を駆動する駆動信号に変換する回路である。なお、CPUによる制御によってX軸及びY軸のサーボモータを駆動する構成は公知であるので詳細な説明は省略する。また、CPUによりステッピングモータの回転数や回転位置を制御する構成は公知であり、本実施形態に係るウインチモータ130はこの公知の制御方法を採用することとする。
さらに、コントローラ100の主制御回路101には、上述の曲げ装置50及び送り出し装置40が接続されると共に、公知のディスプレイからなる表示装置105やキーボードなどの入力装置106も接続されている。なお、図6のブロック図では、各種インターフェースなどは省略して示している。
主制御回路101は、予め記憶されているプログラムに従って水平移動機構141、長さ調節機構142、曲げ加工装置50、送り出し装置40の動作を統括的に制御している。具体的には予め入力される形状データに従って送り出し装置40による送り出しタイミング及び送り出し量を制御し、さらに、曲げ加工装置50による曲げ加工タイミング及び曲げ角度を制御する。
本実施形態では、さらに水平移動機構141、長さ調節機構142からなる変位機構140と、主制御回路101によって変位手段が構成されており、これらによって支持部90及び保持ユニット80の少なくともいずれかを変位させる構成をなしている。
具体的には主制御回路101により、送り出し装置40による金属パイプ20の送り出し量と、曲げ加工装置50による金属パイプ20の曲げ角度とに基づいて、金属パイプ20の先端部20Bの位置を特定しており、更に主制御回路101は、その特定された先端部20Bの位置に支持部90を追従させるべく水平移動機構141及び長さ調節機構142の少なくともいずれかに制御信号を与え、支持部90及び保持ユニット80の少なくともいずれかを変位させるようにしている。なお、この主制御回路101は、位置特定手段の一例に相当する。
(製造方法)
次に、上述の製造装置1を用いて行われるシールド導電路Waの製造工程について説明する。
まず、各電線10A,10Bの前端部に端子金具13を固着するとともに、6本の電線10A,10Bを図2に示す所定の形態に束ね、テープ(図示せず)を巻き付けることによって束ねた状態に固定する。次に、金属パイプ20が真っ直ぐの状態(曲げ加工される前の状態)で、束ねた電線10A,10Bを、その後端部を先に向けて前方からブラケット25及び金属パイプ20内に挿入する。そして、各電線10A,10Bの前端部(端子金具13が接続されている側の端部)を金属パイプ20(正確にはブラケット25)から前方へ導出させ、その導出長さを所定長さに調整する。次いで、この長さ調整した電線10A,10Bの前端部からブラケット25に亘ってテープ28を巻き付ける。このとき、テープ28は、ブラケット25だけでなく、金属パイプ20の前端部まで巻き付けてもよい。以上により、電線10A,10Bの前端部と金属パイプ20の前端部とが、電線10A,10Bの長さ方向への相対移動を規制された状態に固定される。
この後、図4に示すように金属パイプ20を製造装置1にセットし、金属パイプ20の後端部をチャック30で保持するとともに、金属パイプ20の前端部近くを受け部材31に支承させる。このとき、金属パイプ20の先端部付近がガイド部材32と曲げ治具34との間に挟まれるように配置される。この状態で、金属パイプ20の先端部20B付近の所定位置を吊り下げるべく、支持部90を装着する。パイプ支持装置70は、初期の吊り下げ位置P1にてワイヤ91が適当な張力となるようにウインチモータ130が調整される。また、初期の吊り下げ位置P1の真上に保持ユニット80が位置するように水平移動機構141が調整される。
加工が開始されると、送り出し装置40により所定量送り出された後停止し、アームが回転することにより、ガイド部材32の円弧状断面のガイド面33が、金属パイプ20の外周に対し第1屈曲部21Aの曲げの内側となる位置に接するとともに、曲げ治具34が、図7に想像線で示すように、金属パイプ20の外周に対し曲げの外側となる位置に接する状態となる。
次に、曲げ治具34が、図7に想像線で示す位置から金属パイプ20の前方側に向かってガイド面33に沿いつつ円弧状に(ガイド面33と同心の円弧を描くように)約90°の範囲に亘って図7に実線で示す位置まで水平移動する。この間、曲げ治具34は、その三角溝状の内面35を金属パイプ20の外周に摺接させつつ金属パイプ20を前方へしごくようにガイド面33に向かって押圧し、この曲げ治具34の押圧により、金属パイプ20が電線10A,10Bの束を挿通させた状態でガイド部材32を支点として電線10A,10Bと一緒にほぼ直角に曲げられる。以上により、図7、図8に示すように第1屈曲部21Aが形成され、第1屈曲部21Aの前後両側に連なる2つの直線部22a,22bは、ほぼ90°をなす。
このように大きな角度で曲げられた第1屈曲部21Aにおいては、電線10A,10Bは、大きく曲げられることから、芯線11A,11B及び絶縁被覆12A,12Bが有する弾性復元力によって真っ直ぐの状態に戻ろうとする。したがって、図9に示すように、第1屈曲部21Aの前後両側の直線部22a,22bの内周に電線10A,10Bの束が強く押し付けられるとともに、第1屈曲部21Aの内周の曲げの内側となる突起状部分に対して電線10A,10Bの束が強く押し付けられ、この第1屈曲部21Aの突起状部分が電線10A,10Bの接縁被覆に食い込むようになる。これにより、第1屈曲部21Aにおいては、その内周との間の摩擦抵抗と食い込み作用とにより、電線10A,10Bの束が長さ方向へ移動することを規制される。
このとき、金属パイプ20内では、電線10A,10Bにおける曲げ加工部(第1屈曲部21A)よりも前方の部分と曲げ加工部よりも後方の部分が、曲げ加工部に向かって引っ張られるのであるが、電線10A,10Bにおける曲げ加工部よりも前方の領域は、テープ28の巻き付けによって金属パイプ20に対する長さ方向への相対変位を規制されているので、曲げ加工部(第1屈曲部21A)に向かって移動するのは、電線10A,10Bのうち曲げ加工部よりも後方の領域だけとなる。したがって、電線10A,10Bの前端部の金属パイプ20からの導出長さが変わることはない。
また、金属パイプ20における曲げ加工部(第1屈曲部21A)よりも後方の領域は真っ直ぐの状態であるため、電線10A,10Bにおける曲げ加工部よりも後方の領域が金属パイプ20内で前方へ(曲げ加工部に向かって)移動しても、金属パイプ20の内周と電線10A,10Bの外周との間に生じる摩擦抵抗は小さく、電線10A,10Bの絶縁被覆12A,12Bは、金属パイプ20の内周に擦れても傷付けられる虞はない。
さらに、曲げ加工時には、曲げ治具34からガイド部材32側に向かって金属パイプ20に付与される水平方向の押圧力のために、真円の金属パイプ20が上下方向へ延びるように(幅方向に潰れるように)楕円状に変形することが懸念される。しかし、本実施形態では、曲げ治具34の内面35を三角溝状とし、その三角形の溝内に金属パイプ20を嵌め込むことによって金属パイプ20の上下方向への延び変形を阻止しているので、金属パイプ20は、ほぼ真円に近い形状(真円を略楕円状をなすように僅かに潰れ変形させた形状)に保たれる。
さて、第1屈曲部21Aの形成が済むと、曲げ治具34が原位置(図7に想像線で示す位置)に復帰移動する。その後、チャック30が前方へ所定距離だけ移動し、金属パイプ20における第2屈曲部21Bと対応する部分が、ガイド部材32と曲げ治具34に挟まれる。そして、第1屈曲部21Aの形成時と同様に、曲げ治具34が円弧状に移動しつつ金属パイプ20をガイド面33側へ押圧することにより、金属パイプ20が電線10A,10Bとともに曲げられ、図10のように第2屈曲部21Bが形成される。このときの曲げ治具34の移動領域は、90°よりも小さい角度範囲に留まる。したがって、第2屈曲部21Bは、曲率半径が第1屈曲部21Aとほぼ同じであるが、長さ寸法が第1屈曲部21Aよりも短い。つまり、第2屈曲部21Bの曲げの程度(大きさ)は、第1屈曲部21Aよりも小さく、第2屈曲部21Bの前後両側に連なる直線部22b,22cのなす角度は、90°よりも大きい鈍角となる。
この第2屈曲部21Bでは曲げの程度が小さいので、図11に示すように、電線10A,10Bが第2屈曲部21Bの内周に接触してしても、電線10A,10Bの絶縁被覆12A,12Bに対する第2屈曲部21Bの内周の食い込みの程度が小さく、また、電線10A,10Bと第2屈曲部21Bとの間の摩擦抵抗も小さい。したがって、この第2屈曲部21Bにおいては電線10A,10Bの長さ方向の移動が規制されることはない。また、第2屈曲部21Bを形成する工程では、電線10A,10Bに対して曲げ加工部(第2屈曲部21B)に向かう引張力が作用するのであるが、電線10A,10Bにおける第2屈曲部21Bよりも前方の領域、即ち第1屈曲部21Aと直線部22a,22bに挿通されている領域は、第1屈曲部21Aにおいて移動規制されているため、第2屈曲部21B側へ引っ張られて移動するのは、第2屈曲部21Bよりも後方の領域、即ち金属パイプ20が真っ直ぐの部分に挿通されている領域だけとなる。
この後は、上記と同様にして第3屈曲部21C、第4屈曲部21D及び第5屈曲部21Eが順に形成される。つまり、金属パイプ20は、その前端側から後端側に向かって順に第1〜第5の屈曲部21A〜21Eが形成されていき、屈曲部21A〜21Eの形成工程が進むのに伴ない、金属パイプ20の前端側が曲げ加工機のガイド部材32及び曲げ治具34よりも前方へ突き出していくことになる。
一方、本実施形態では上述のように曲げ加工装置50による曲げ加工及び送り出し装置40による送り出しが行われる最中に、パイプ支持装置70によって常に金属パイプ20の延出部分20Aの支持(より詳しくは先端部20Bの支持)がなされるようになっている。
具体的には上述したように、送り出し装置40による金属パイプ20の送り出し量と、曲げ加工装置50による金属パイプ20の曲げ角度とに基づいて、金属パイプ20の先端部20Bの位置を特定しており、その特定された先端部20Bの位置に支持部90を追従させるべく水平移動機構141及び長さ調節機構142の少なくともいずれかに制御信号を与え、支持部90及び保持ユニット80の少なくともいずれかを変位させるようにしている。
図13ないし図16ではその位置特定の方法を概念的に例示している。なお、図13から図17では、金属パイプ20について実線にて概念的に示している。本実施形態では、水平方向に関して金属パイプ20の送り出し方向をX軸方向とし、そのX軸方向と直交する方向をY軸方向としている。また、鉛直方向をZ軸方向としている。図13では、金属パイプ20の先端部20Bの初期位置を符号P1で示しており、先端部20Bの位置を符号P2で示している。図13では、先端部20Bの初期位置P1から送り出し装置40により長さLだけ送り出された状態を示しており、この場合、先端部20Bの座標は、初期位置P1の座標(X,Y)から(X,Y)へと移る。このときY軸方向が変化せず、X軸方向が距離Lだけ加わるため、先端部20Bの位置P2の座標(X,Y)はX=X+L1、Y=0として特定できる。
また、さらにこの状態で、θだけ曲げ加工された場合、新たな先端部20Bの位置P2の座標(X,Y)は、X=(X+L)cosθ、Y=(X+L)sinθとして特定できる。
さらに、図15に示すように、図14の状態からLだけ送り出された場合のP2の座標(X、Y)は、X=X+L、Y=Yとして特定できる。このときtanθ=X/Yとなるためθが判明し、さらに、L3=X4+Y4の関係からL3も判明する。
図16に示すように、その状態からさらにθだけ回転すると、X=Lcos(θ+θ)、Y=sin(θ+θ)となる。
つまり、一般化すると、送り出し前の座標(X,Y)からLn+1だけ送り出された座標(Xn+1,Yn+1)は、Xn+1=X+Ln+1、Yn+1=Yとして特定できる。また、図17に示すように、回転前(曲げ加工前)の座標(X,Y)からθn+1だけ回転(曲げ加工)した座標(Xn+1,Yn+1)は、Xn+1=Lsin(θ+θn+1)、Yn+1=cos(θ+θn+1)として特定できるようになる。なお、θ、Lは回転前の座標(X,Y)から特定できることは明らかである。なお、図13ないし図17の例では、水平面に沿って曲げ加工する例を示すものであるため、Z軸方向の座標は一定である。
このように、先端部20Bの位置P2は、送り出し或いは曲げ加工前の座標と、送り出し量或いは曲げ角度によって特定できることとなる。そして、その特定される位置に支持部90を追従させるべく支持部90及び保持ユニット80の変位を変位機構140及び主制御回路101によって制御することとなる。
なお、図7ないし図12の例では、金属パイプ20を水平面(XY平面)に沿って曲げる例のみを示したが、水平面と直交する直交面(XZ平面)に沿って曲げるようにもできる。この場合、例えばガイド部材32及び曲げ治具34を含んだ曲げ加工装置50全体(ガイド部材32、曲げ治具34及びこれらを保持する図示しないアーム部材を含めた駆動機構全体)が金属パイプ20の中心軸を中心として90°回転可能となるように構成すれば実現できる。金属パイプ20を水平面と直交する直交面に沿って曲げるようにした場合、Z軸方向にも変位することとなるが、この場合であっても、送り出し装置40による送り出し量と、曲げ加工装置50による曲げ角度とに基づいて先端部のX座標、Y座標、Z座標を特定するようにすればよい。
即ち、送り出し装置40によって送り出す場合には、Z方向は変化しないため容易に特定できる。また、XZ平面に沿って曲げ加工を行う場合、Y軸方向には変化しないためX座標は一定となる。この曲げ加工について図18を参照して説明する。図18は、回転(曲げ加工前)前の座標が(X,Y,Z)である金属パイプ20をXZ平面に投影した図であり、原点座標P0、先端部20Aを投影した位置P2’を概念的に示している。なお、P0から先端側は、先端部の投影位置P2’のみを示し、パイプ形状は省略して示している。回転前の座標が(X,Y,Z)である場合、この状態からXZ平面に沿ってθm+1だけ回転すると、その回転後の座標(Xm+1,Ym+1,Zm+1)は、Xm+1=Lsin(θ+θm+1)、Ym+1=Y,Zm+1=cos(θ+θm+1)として特定できるようになる。そして、先端部20Bの位置P2のX座標、Y座標が変化した場合には上述のように水平移動機構141によって保持ユニット80の位置を調整し、Z座標が変化した場合には、長さ調節機構150によりワイヤ91の長さを調整すれば常に先端部20Bを適切に支持できるようになる。
なお、ここでは水平面(XY平面)に沿った曲げ加工及び水平面と直交する直交面(XZ平面)に沿った曲げ加工が共に可能な例を示したが、図13ないし図16に示すように水平面に沿ってのみ曲げ加工を施すようにしてもよい。この場合、長さ調節機構142を省略しスライダ114から一定長さのワイヤを吊り下げて金属パイプ20の先端部20Bを支持するようにしてもよい。
なお、上記構成では、水平面と直交する直交面に沿って曲げるようにした構成も例示したが、水平面に対して所定角度傾斜する傾斜面に沿って曲げるようにしてもよい。この場合であっても、ガイド部材32、曲げ治具34及びこれらを保持する図示しないアーム部材を含めた駆動機構全体)が金属パイプ20の中心軸を中心として所定角度回転可能となるように構成すれば実現できる。金属パイプ20を水平面に対して所定角度傾斜する傾斜面に沿って曲げるようにした場合、その傾斜面の角度と、曲げ加工装置による曲げ角度と、曲げ加工前(回転前)のX座標、Y座標、Z座標が特定できれば、幾何学的計算により曲げ加工後の座標も特定できることはいうまでもない。
以上により、金属パイプ20に全ての屈曲部(図1の例では第1〜第5屈曲部21A〜21E)が形成されて、曲げ工程が完了する。この後は、製造装置1から金属パイプ20が外され、電線10A,10Bの金属パイプ20から導出されている後端部に対して端子金具(図示せず)が固着される。そして、電線10A,10Bの前端部に巻き付けられていたテープ28が外されることによりシールド導電路Waが完成する。
このように製造されたシールド導電路Waは、金属パイプ20の前端部がブラケット25を介して機器(例えば、電気自動車のインバータ装置やモータなど)のシールドケース(図示せず)に対して導通可能に固定されるとともに、各端子金具13が機器側コネクタの待ち受け端子(図示せず)に接続される。尚、金属パイプ20の後端部も機器のシールドケース(図示せず)に接続されるとともに、電線10A,10Bの後端部に固着した端子金具も機器側コネクタの待ち受け端子(図示せず)に接続されることとなる。
以上のように、本実施形態によれば、シールド導電路Waを製造するに際し、曲げ加工手段による曲げ加工及び送り出し装置40による送り出しに応じて支持部90を延出部分20Aに追従させ、その延出部分20Aを安定的に支持することができる。従って、金属パイプ20を極めて強い力で保持する必要がなくなり、かつ自重による曲がりやすべりを効果的に防ぐことができる。
変位機構140が、保持ユニット80からの支持部90の吊り下げ長さを調節可能な長さ調節機構142を備えているため、支持部90を延出部分20Aの位置に応じた吊り下げ長さとすることができ、金属パイプ20をより適切に支持できるようになる。
支持部90が金属パイプ20の延出部分20Aを吊り下げ状態で支持する可撓性部材としてのワイヤ91を有してなるため、自由度をもって金属パイプ20を支持できるようになる。また、巻き付け軸133を駆動モータとしてのウインチモータ130によって駆動することによりワイヤ91の吊り下げ長さを調整できるため吊り下げ長さを制御しやすい構成となっている。
変位機構140が、保持ユニット80を先端部20Bの上方位置に追従させる水平移動手段としての水平移動機構141を備えているため、送り出しや曲げ加工によって変位する先端部20Bを常に安定的に支持できるようになる。また、この水平移動機構141によって保持ユニット80を水平方向に沿って移動させているため、水平方向に関して保持ユニット80を先端部20Bに追従させやすくなっている。
送り出し装置40による金属パイプ20の送り出し量と、曲げ加工装置50による金属パイプ20の曲げ角度とに基づいて、先端部20Bの位置を特定するようにしているため、先端部20Bの位置を精度高く特定でき、先端部20Bに対して支持部90をより適切に追従させることができるようになっている。
送り出し装置40によって送り出され、かつ曲げ加工装置50によって曲げ加工される金属パイプ20は、内部に電線が挿通されるものである。このように加工対象となる金属パイプ20の内部に電線が挿通される構成の場合、延出部分20Aの自重がより大きくなるためその自重により曲がりが生じやすくなってしまう。これに対し本実施形態の構成によれば、自重による曲がりを効果的に解消できるため有効である。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では電線の数を6本としたが、本発明によれば、電線の本数は5本以下、または7本以上でもよい。
(2)上記実施形態では電線がシールド機能を有しないものとしたが、本発明は、電線がシールド機能を有するものであっても適用できる。
(3)上記製造装置1では、金属パイプ20に電線を挿通した後、曲げ加工装置50、送り出し装置40、パイプ支持装置70を用いて曲げ加工を施していたが、金属パイプ10に電線を挿通する前にこれら曲げ加工装置50、送り出し装置40、パイプ支持装置70を用いて曲げ加工を施し、その後電線を挿通するようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、水平移動機構141を設けた例を示したが、図19に示すように、水平移動機構141を省略し、保持ユニット80を上方側の所定位置に固定的に配置するようにしてもよい。この場合、保持ユニット80に実施形態1と同様の長さ調節機構142を設けると共に、先端部20Aの位置に応じた長さとするようにウインチモータ130を制御するように構成できる。即ち、保持ユニット80の座標は固定的であるため、先端部20Aの座標が上述の方法によって特定できれば、この保持ユニット80から先端部20Aまでの距離が判明するため、その距離に応じた長さとするように、可撓性部材としてのワイヤ91の長さをウインチモータ130の制御によって調節できる。なお、図19の例では、ワイヤ91とパイプ保持部92との間にスプリングを設けていないが、実施形態1と同様にスプリングを設けるようにしてもよい。
実施形態1に係る製造装置及び製造方法を用いて製造されるシールド導電路を概略的に例示する平面図 図1のシールド導電路の概略断面図 製造装置1を概略的に例示する斜視図 送り出し方向を右側として上方から見た要部概略図 曲げ加工装置50の要部を概略的に説明する説明図 製造装置1の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 第1屈曲部を形成する様子を説明する説明図 第1屈曲部が形成された金属パイプを概念的に例示する説明図 第1屈曲部の内部構成を例示する断面図 第2屈曲部が形成された金属パイプを概念的に例示する説明図 第2屈曲部付近の内部構成を例示する断面図 全て屈曲部の形成後の様子を示す説明図 初期状態から一定距離送り出された場合の先端部の位置特定について説明する説明図 図13の状態から一定角度曲げ加工された場合の先端部の位置特定について説明する説明図 図14の状態から一定距離送り出された場合の先端部の位置特定について説明する説明図 図15の状態から一定角度曲げ加工された場合の先端部の位置特定について説明する説明図 曲げ加工後の先端部の位置特定について曲げ加工前の座標等を用いて一般化した説明図 XZ平面に沿って曲げ加工する場合の先端部の位置特定について説明する説明図 製造装置の変形例について概略的に示す斜視図
符号の説明
Wa…シールド導電路
1…製造装置
10A,10B…電線
20…金属パイプ
20A…延出部分
20B…先端部
40…送り出し装置(送り出し手段)
50…曲げ加工装置(曲げ加工手段)
70…パイプ支持装置
80…保持ユニット(保持手段)
90…支持部
91…ワイヤ(可撓性部材)
101…主制御回路(変位手段、位置特定手段)
130…ウインチモータ(駆動モータ)
135…フレーム
140…変位機構(移動手段、変位手段)
141…水平移動機構
142…長さ調節機構(長さ調節手段)

Claims (8)

  1. 電線シールド用の金属パイプを備えたシールド導電路を製造する製造装置であって、
    前記金属パイプを保持しつつ一端側から送り出す送り出し手段と、
    前記金属パイプに対して曲げ加工を施す曲げ加工手段と、
    前記金属パイプの延出部分を支持する支持部と、この支持部を保持する保持手段とを備えたパイプ支持装置と、
    前記曲げ加工手段による曲げ加工及び前記送り出し手段による送り出しに応じて前記支持部を前記延出部分に追従させるべく前記支持部及び前記保持手段の少なくともいずれかを変位させる変位手段と、
    を備えたことを特徴とするシールド導電路の製造装置。
  2. 前記支持部は、前記金属パイプの前記延出部分を吊り下げ状態で支持する構成をなし、
    前記変位手段は、前記保持手段からの前記支持部の吊り下げ長さを調節可能な長さ調節手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシールド導電路の製造装置。
  3. 前記支持部は可撓性部材を有してなり、
    前記保持手段は、前記可撓性部材を巻き付ける巻き付け軸と、当該巻き付け軸を回転可能に保持するフレームとを有し、
    前記長さ調節手段は、前記巻き付け軸を駆動する駆動モータを備えることを特徴とする請求項2に記載のシールド導電路の製造装置。
  4. 前記変位手段は、前記保持手段を前記先端部の上方位置又は下方位置に追従させる移動手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシールド導電路の製造装置。
  5. 前記移動手段は、前記保持手段を水平方向に沿って移動させる水平移動機構を有してなることを特徴とする請求項4に記載のシールド導電路の製造装置。
  6. 前記送り出し手段による前記金属パイプの送り出し量と、前記曲げ加工手段による前記金属パイプの曲げ角度と、に基づいて、前記金属パイプの先端部の位置を特定する位置特定手段を備え、
    前記変位手段は、前記位置特定手段にて特定された前記先端部の位置に前記支持部を追従させるべく前記支持部及び前記保持手段の少なくともいずれかを変位させることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のシールド導電路の製造装置。
  7. 前記送り出し手段によって送り出され、かつ前記曲げ加工手段によって曲げ加工される前記金属パイプは、内部に電線が挿通されるものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のシールド導電路の製造装置。
  8. 電線シールド用の金属パイプを備えたシールド導電路を製造する製造方法であって、
    送り出し手段により前記金属パイプを保持しつつ一端側から送り出す送り出し工程と、
    前記金属パイプに対して曲げ加工手段により曲げ加工を施す曲げ加工工程とを含み、
    前記送り出し工程及び前記曲げ加工工程において、前記金属パイプの延出部分を、この延出部分を支持する支持部と、この支持部を保持する保持手段とを備えたパイプ支持装置によって支持し、かつ前記曲げ加工手段による曲げ加工に応じて前記支持部を前記延出部分に追従させるべく前記支持部及び前記保持手段の少なくともいずれかを変位手段によって変位させることを特徴とするシールド導電路の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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