JP2011124405A - アクチュエーター装置の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置の製造方法 - Google Patents

アクチュエーター装置の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011124405A
JP2011124405A JP2009281295A JP2009281295A JP2011124405A JP 2011124405 A JP2011124405 A JP 2011124405A JP 2009281295 A JP2009281295 A JP 2009281295A JP 2009281295 A JP2009281295 A JP 2009281295A JP 2011124405 A JP2011124405 A JP 2011124405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric layer
manufacturing
piezoelectric
lower electrode
actuator device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009281295A
Other languages
English (en)
Inventor
Kinzan Ri
欣山 李
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009281295A priority Critical patent/JP2011124405A/ja
Publication of JP2011124405A publication Critical patent/JP2011124405A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】安定した変位特性を有し、信頼性の低下を抑えたアクチュエーター装置の製造方法、このアクチュエーター装置を備えた液体噴射ヘッドの製造方法およびこの液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置の製造方法を得ること。
【解決手段】フォトリソエッチ工程の段階で、下電極60が形成される領域を残して、振動板52上の第1圧電体層71が除去されるが、フォトリソエッチ工程後に、第1圧電体層71、下電極60および振動板52にわたって、4nm以上、20nm以下の厚みのチタン酸ジルコン酸鉛を含む第2圧電体層72を形成する。第2圧電体層72が、下電極60に形成された第1圧電体層71および第2圧電体層72上に形成される第3圧電体層73と同じチタン酸ジルコン酸鉛なので、第1圧電体層71と第2圧電体層72との界面付近および第2圧電体層72と第3圧電体層73との界面付近で組成不安定相を生じにくくできる。
【選択図】図7

Description

本発明は、アクチュエーター装置の製造方法、アクチュエーター装置を備えた液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置の製造方法に関する。
アクチュエーター装置に用いられる圧電素子としては、電気機械変換機能を呈する圧電材料、例えば、結晶化した強誘電体材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電体層を、下電極と上電極との2つの電極で挟んで構成したものがある。
このような圧電素子と振動板とを備えたアクチュエーター装置は、撓み振動モードのアクチュエーター装置と呼ばれ、例えば、液体噴射ヘッド等に搭載されて使用されている。
また、液体噴射ヘッドは、液体噴射装置に搭載されて、記録媒体等に対して走査され、例えば画像形成に利用されている。
液体噴射ヘッドの代表例としては、例えば、インク滴を噴射するノズル開口と連通する圧力発生室の一部をアクチュエーター装置の振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を噴射させるインクジェット式記録ヘッド等が知られている。また、このようなインクジェット式記録ヘッドを搭載した液体噴射装置として、インクジェット式記録装置が知られている。
インクジェット式記録ヘッドに搭載されるアクチュエーター装置としては、例えば、振動板の表面全体にわたって成膜技術により圧電体層を形成し、この圧電体層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて圧力発生室毎に独立するように形成された圧電素子を備えたものが知られている。
チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電体層は、例えば次のように形成される。
まず、下電極上にスパッタ等によりチタン結晶を形成し、このチタン結晶上にゾル−ゲル法により1層目の圧電体前駆体膜を形成する。その後、この圧電体前駆体膜を焼成して1層目の圧電体膜を形成する。そして、1層目の圧電体膜上にチタン結晶をさらに形成し、このチタン結晶上に2層目以降の圧電体膜を順次積層することで所定の厚さの圧電体層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−174211号公報
しかしながら、このような圧電体層には、下電極と1層目の圧電体膜との界面近傍、1層目の圧電体膜と2層目の圧電体膜との界面近傍にチタン濃度の高い領域である組成不安定相が形成される。圧電体膜はチタン濃度が高いと歪み難いという性質を有しているので、圧電体層の歪みは組成不安定相により阻害される。したがって、安定した変位特性を有するアクチュエーター装置の製造方法、このアクチュエーター装置を備えた液体噴射ヘッドの製造方法およびこの液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置の製造方法を得ることが困難である。
また、圧電体層は、界面近傍の組成不安定相では歪み難く、組成不安定相以外の他の領域では歪み易くなっているため、組成不安定相と他の領域との間に応力差が生じる。この結果、圧電体層にクラック等が発生し、信頼性の低下を招く。
本発明は、上述の課題のうち少なくとも一つを解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
振動板上に、下電極、チタン酸ジルコン酸鉛を含む圧電体層、上電極を順に積層した圧電素子を備えたアクチュエーター装置の製造方法であって、前記振動板上に下電極膜を形成する下電極膜形成工程と、前記下電極膜上に種層を形成する種層形成工程と、前記種層上に、チタン酸ジルコン酸鉛を含む第1圧電体層を形成する第1圧電体層形成工程と、前記下電極膜と前記第1圧電体層とを前記振動板までエッチングして、前記下電極膜から前記下電極を形成するフォトリソエッチ工程と、前記第1圧電体層、前記下電極および前記振動板にわたって、4nm以上、20nm以下の厚みのチタン酸ジルコン酸鉛を含む第2圧電体層を形成する第2圧電体層形成工程と、前記第2圧電体層上に、チタン酸ジルコン酸鉛を含む第3圧電体層を形成する第3圧電体層形成工程と、前記第1圧電体層、前記第2圧電体層および前記第3圧電体層を含む前記圧電体層を形成する圧電体層形成工程とを含むことを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
この適用例によれば、フォトリソエッチ工程の段階で、下電極が形成される領域を残して、振動板上の第1圧電体層および種層が除去されるが、フォトリソエッチ工程後に、第1圧電体層、下電極および振動板にわたって、4nm以上、20nm以下の厚みのチタン酸ジルコン酸鉛を含む第2圧電体層を形成する。ここで、第2圧電体層が、下電極に形成された第1圧電体層および第2圧電体層上に形成される第3圧電体層と同じチタン酸ジルコン酸鉛なので、第1圧電体層と第2圧電体層との界面付近および第2圧電体層と第3圧電体層との界面付近で組成不安定相が生じにくい。また、振動板上に形成された第2圧電体層がその上に形成される第3圧電体層の種として働き、振動板上の第3圧電体層および圧電体層の結晶粒径の大粒化が抑制され、配向も揃いやすい。したがって、組成不安定相による圧電体層の歪みへの阻害が少なく、安定した変位特性を有するアクチュエーター装置の製造方法が得られる。
また、大粒化した結晶粒から加わる応力および組成不安定相による応力が減少し、信頼性の向上したアクチュエーター装置の製造方法が得られる。
ここで、第2圧電体層が4nm以上であれば成長する結晶粒径が抑制され、20nm以下であれば第2圧電体層の形成時間が短縮され、アクチュエーター装置の製造コストが低減する。
[適用例2]
上記アクチュエーター装置の製造方法において、前記第2圧電体層を、高周波スパッタ法で形成することを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
この適用例では、誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛は、高周波スパッタ法によって容易に成膜されるので、製造に要する時間が短縮され製造コストの低減したアクチュエーター装置の製造方法が得られる。
[適用例3]
上記アクチュエーター装置の製造方法において、前記第2圧電体層のZrとTiとの比率が、48:52〜56:44であることを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
この適用例では、第2圧電体層のZrとTiとの比率が、48:52〜56:44であるので、第1圧電体層と第2圧電体層との界面付近および第2圧電体層と第3圧電体層との界面付近での組成変化が小さく組成不安定相がより生じにくい。したがって、組成不安定相による圧電体層の歪みへの阻害がより少なく、より安定した変位特性を有するアクチュエーター装置の製造方法が得られる。
[適用例4]
上記アクチュエーター装置の製造方法において、前記下電極膜を金属で形成し、前記種層は、チタンを含むことを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
この適用例では、金属の下電極膜上に形成される種層が金属のチタンなので、下電極膜と種層の密着性が、金属酸化物と比較してよい。この種層をもとに下電極膜(下電極)上の圧電体層が形成されるので、下電極と圧電体層との密着性が良好になる。したがって、下電極と圧電体層との剥離が減少し、信頼性のより向上したアクチュエーター装置の製造方法が得られる。
[適用例5]
上記アクチュエーター装置の製造方法において、前記種層は、チタン酸ジルコン酸鉛を含むことを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
この適用例では、種層が、第1圧電体層、第2圧電体層および第3圧電体層を含む圧電体層と同様にチタン酸ジルコン酸鉛を含むので、組成不安定相がより生じにくく、組成不安定相による圧電体層の歪みへの阻害がより少なく、より安定した変位特性を有するアクチュエーター装置の製造方法が得られる。
[適用例6]
上記アクチュエーター装置の製造方法において、前記第1圧電体層および前記第3圧電体層を液相法で形成することを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
この適用例では、液相法によれば、誘電体をスパッタによって成膜する成膜方法と比較して、厚い膜厚のチタン酸ジルコン酸鉛を含む第1圧電体層および第3圧電体層を短時間で形成できるので、製造コストの低減したアクチュエーター装置の製造方法が得られる。
[適用例7]
上記に記載のアクチュエーター装置の製造方法を含むことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
この適用例によれば、前述の効果を有する液体噴射ヘッドの製造方法が得られる。
[適用例8]
上記に記載の液体噴射ヘッドの製造方法を含むことを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
この適用例によれば、前述の効果を有する液体噴射装置の製造方法が得られる。
実施形態におけるインクジェット式記録装置の概略構成を示す図。 インクジェット式記録ヘッドの分解部分斜視図。 (a)は、インクジェット式記録ヘッドの部分平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図。 アクチュエーター装置の製造方法を示すフローチャート図。 (a)〜(c)は、アクチュエーター装置の製造方法を示す圧力発生室の長手方向の断面図。 (d)〜(f)は、アクチュエーター装置の製造方法を示す圧力発生室の長手方向の断面図。 (g)〜(j)は、アクチュエーター装置の製造方法を示す圧力発生室の長手方向の断面図。 (k)および(l)は、アクチュエーター装置の製造方法を示す圧力発生室の長手方向の断面図、(m)は、インクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す圧力発生室の長手方向の断面図。 (n)および(o)は、インクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す圧力発生室の長手方向の断面図。 (p)および(q)は、インクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す圧力発生室の長手方向の断面図。
以下、実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。なお、図面では、説明を分かりやすくするために、一部を省略したり、各構成等を誇張したりして図示している。
以下の説明は、液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド1が、液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置1000に搭載される場合を例に挙げて行う。
図1は、インクジェット式記録装置1000の概略構成を示す図である。図1中、X方向は、キャリッジ104が移動する主走査方向を示し、Y方向は、記録媒体Pが移送される副走査方向を示している。Z方向は、X方向およびY方向と直交する方向である。
図1において、インクジェット式記録装置1000は、インクジェット式記録ヘッド1と、キャリッジ104と、キャリッジ移動機構105と、プラテンローラー106と、インクカートリッジ107とを備えている。
インクジェット式記録ヘッド1は、キャリッジ104の記録媒体P側(図1中Z方向下面)に取付けられ、記録媒体Pの表面にインクを液滴として噴射する。
キャリッジ移動機構105は、タイミングベルト108と、駆動プーリー111と、従動プーリー112と、モーター109とを備えている。タイミングベルト108は、キャリッジ104が係止されており、駆動プーリー111と従動プーリー112とに張設されている。駆動プーリー111は、モーター109の出力軸に接続されている。
モーター109が作動すると、キャリッジ104は、インクジェット式記録装置1000に架設されたガイドロッド110に案内されて、主走査方向であるX方向に往復移動する。
プラテンローラー106は、モーター103から駆動力を受け、記録媒体Pを副走査方向であるY方向に移送する。インクカートリッジ107は、インクを貯留し、キャリッジ104に着脱可能に装着される。インクカートリッジ107は、インクジェット式記録ヘッド1にインクを供給する。
インクジェット式記録装置1000は、キャリッジ104をキャリッジ移動機構105によりX方向に往復移動させるとともに、記録媒体Pをプラテンローラー106によりY方向に移送させながら、キャリッジ104に取付けられたインクジェット式記録ヘッド1からインクを液滴として噴射することによって、記録用紙等の記録媒体P上に画像等の記録を行うことができる。
図2は、インクジェット式記録ヘッド1の分解部分斜視図である。図3(a)は、インクジェット式記録ヘッド1の部分平面図、図3(b)は、(a)におけるA−A断面図である。図2には、図1と同様にX方向、Y方向、Z方向を示した。
図2および図3において、インクジェット式記録ヘッド1は、流路形成基板10とノズルプレート20と保護基板30とを備えている。
流路形成基板10は、面方位(110)のシリコン単結晶基板からなる。その一方の面には、予め熱酸化により形成された厚さ0.5μm〜2.0μmの二酸化シリコンが形成されている。
流路形成基板10には、他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された複数の圧力発生室12が、Y方向に並設されている。
圧力発生室12のX方向一端部側には、インク供給路14と連通路15とが、隔壁11によって区画されている。
また、連通路15の一端には、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバー100の一部を構成する連通部13が形成されている。
インク供給路14は、圧力発生室12のX方向一端部側に連通し、X方向の断面積が、圧力発生室12より小さい断面積を有する。例えば、インク供給路14は、リザーバー100と各圧力発生室12との間の圧力発生室12側の流路の幅を絞ることで、圧力発生室12の幅より小さい幅で形成されている。
各連通路15は、インク供給路14の圧力発生室12とは反対側に連通し、X方向の断面積が、インク供給路14より大きい断面積を有する。図2では、連通路15を圧力発生室12と同じ断面積で描いてある。
流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。
ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01mm〜1.00mmで、300℃以下の線膨張係数が、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板またはステンレス鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.00μmの二酸化シリコン膜51が形成され、この上には、厚さが例えば、約0.40μmの絶縁体膜54が形成されている。
さらに、この絶縁体膜54上には、厚さが例えば、約0.20μmの下電極60と、厚さが例えば、約1.10μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極80とが、後述する製造方法で積層形成されて、圧電素子300を構成している。
ここで、圧電素子300は、下電極60、圧電体層70および上電極80を含む部分をいう。
圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極および圧電体層70を圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極および圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。
図2および図3では、下電極60を圧電素子300の共通電極とし、上電極80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
また、圧電素子300と圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板52とを合わせてアクチュエーター装置400と称する。
なお、実施形態では、二酸化シリコン膜51、絶縁体膜54および下電極60が振動板52として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、二酸化シリコン膜51と絶縁体膜54単独でもよい。また、圧力発生室12の一部を構成し、その変位により圧力発生室12内の圧力に変化を生じさせるものであれば、振動板52は二酸化シリコン膜51、絶縁体膜54および下電極60に限らない。
圧電体層70は、分極構造を有する酸化物の強誘電体材料からなるペロブスカイト構造の結晶膜であるチタン酸ジルコン酸鉛を含む。
また、圧電体層70は、菱面体晶系(rhombohedral)の結晶構造を有するものである。このようなチタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電体層70は、ゾル−ゲル法またはMOD(Metal−Organic Decomposition)法により複数層の圧電体膜が積層されて形成される。
さらに、圧電素子300の個別電極である各上電極80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、絶縁体膜54上にまで延設されている、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、振動板52とリード電極90上には、リザーバー100の少なくとも一部を構成するリザーバー部31を有する保護基板30が接合されている。リザーバー部31は、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、流路形成基板10の連通部13と連通されて、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバー100を構成している。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。
さらに、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路120が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボンディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
また、保護基板30上には、封止膜41および固定板42からなるコンプライアンス基板40が接合されている。
インクジェット式記録ヘッド1では、図1に示したインクカートリッジ107と接続したインク導入口からインクを取り込み、リザーバー100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たす。その後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極60と上電極80との間に電圧を印加し、振動板52、下電極60および圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以下、アクチュエーター装置400、インクジェット式記録ヘッド1およびインクジェット式記録装置1000の製造方法について、アクチュエーター装置400およびインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を中心に説明する。
図4に、アクチュエーター装置400の製造方法を示すフローチャート図を示した。インクジェット式記録ヘッド1およびインクジェット式記録装置1000の製造方法は、アクチュエーター装置400の製造方法を含む。
図4において、アクチュエーター装置400の製造方法は、振動板形成工程としてのステップ1(S1)と、下電極膜形成工程としてのステップ2(S2)と、種層形成工程としてのステップ3(S3)と、第1圧電体層形成工程としてのステップ4(S4)と、フォトリソエッチ工程としてのステップ5(S5)と、第2圧電体層形成工程としてのステップ6(S6)と、第3圧電体層形成工程としてのステップ7(S7)と、圧電体層形成工程としてのステップ8(S8)と、上電極形成工程としてのステップ9(S9)と、を含む。
図5(a)〜図8(l)は、アクチュエーター装置400の製造方法を示す圧力発生室12の長手方向の断面図である。
図5(a)および(b)は振動板形成工程(S1)を、図5(c)は下電極膜形成工程(S2)を、図6(d)は種層形成工程(S3)を、図6(e)および(f)は第1圧電体層形成工程(S4)を、図7(g)はフォトリソエッチ工程(S5)を、図7(h)は第2圧電体層形成工程(S6)を、図7(i)は第3圧電体層形成工程(S7)を、図7(j)は圧電体層形成工程(S8)を、図8(k)および(l)は上電極形成工程(S9)を表している。
図5(a)および(b)において、振動板形成工程(S1)では、シリコンウェハーから形成される流路形成基板10の表面に、二酸化シリコン膜51を形成する。次いで、二酸化シリコン膜51上に、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜54を形成する。二酸化シリコン膜51と絶縁体膜54とで振動板52が構成される。
図5(c)において、下電極膜形成工程(S2)では、白金(Pt)の単層またはこの白金(Pt)層にイリジウム(Ir)層を積層し合金化した下電極膜65を形成する。
図6(d)において、種層形成工程(S3)では、下電極膜65上にチタン(Ti)からなる種層61を形成する。例えば、種層61の膜厚は約4nm程度でよい。また、種層61は非晶質であることが好ましい。
具体的には、種層61のX線回折強度、特に、(002)面のX線回折強度(XRD強度)が実質的に零となっていることが好ましい。このように種層61が非晶質であると、種層61の膜密度が高まり表層に形成される酸化層の厚みが薄く抑えられ、その結果、図2および図3に示した圧電体層70の結晶をさらに良好に成長させることができる。
また、このように下電極膜65の上に種層61を設けることにより、後の工程で下電極膜65上に種層61を介して圧電体層70を形成する際に、圧電体層70の優先配向方位を(100)または(111)に制御することができ、圧電素子として好適な圧電体層70を得ることができる。なお、種層61は、圧電体層が結晶化する際に、結晶化を促進させるシードとして機能し、圧電体層の焼成後には圧電体層70内に拡散するものである。
なお、このような下電極膜65および種層61は、例えば、DCマグネトロンスパッタリング法によって形成することができる。
また、種層61としてチタン酸ジルコン酸鉛からなる層を形成してもよい。
図6(e)および(f)において、第1圧電体層形成工程(S4)では、チタン酸ジルコン酸鉛からなる第1圧電体層71を形成する。実施形態では、金属有機物を溶媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる第1圧電体層71を得る、液相法であるいわゆるゾル−ゲル法を用いて第1圧電体層71を形成している。
なお、第1圧電体層71の製造方法は、ゾル−ゲル法に限定されず、MOD法を用いてもよい。
図6(e)において、第1圧電体層71の具体的な形成手順としては、下電極膜65および種層61上にPZT前駆体膜である圧電体前駆体膜74を成膜する。圧電体前駆体膜74の成膜は、下電極膜65が形成された流路形成基板10上にチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)および鉛(Pb)を含むゾル(溶液)を塗布し(塗布工程)、所定温度に加熱して一定時間乾燥させる(乾燥工程)。例えば、圧電体前駆体膜74を150℃〜170℃で5分〜10分間保持することで乾燥することができる。乾燥後、さらに所定温度に加熱して一定時間保持することによって脱脂する(脱脂工程)。例えば、300℃〜400℃程度の温度に加熱して約5分〜10分間保持することで脱脂する。
なお、ここで言う脱脂とは、圧電体前駆体膜74に含まれる有機成分を、例えば、NO2、CO2、H2O等として離脱させることである。また、脱脂工程では、昇温レートを15℃/sec以上とするのが好ましい。
次に、図6(f)において、圧電体前駆体膜74と種層61とを所定温度に加熱して一定時間保持することによって焼成して結晶化させ(焼成工程)、第1圧電体層71を形成する。
焼成工程では、1層目の圧電体前駆体膜74を630℃〜680℃に加熱し、昇温レートを90℃〜110℃/secとすることが好ましい。
また、塗布工程において種層61上に塗布される1層目の圧電体前駆体膜74の膜厚は特に限定されないが、焼成工程後の第1圧電体層71の厚さが、後述する3層目以降の各第3圧電体層73よりも薄くなるように1層目の圧電体前駆体膜74を塗布することが好ましい。例えば、焼成工程後の第1圧電体層71の厚さが種層61の厚さの5倍〜40倍となるようにゾルを塗布して1層目の圧電体前駆体膜74を形成する。
なお、このような乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程で用いる加熱装置としては、例えば、ホットプレートや、赤外線ランプの照射により加熱するRTP(Rapid Thermal Processing)装置などを用いることができる。
図7(g)において、フォトリソエッチ工程(S5)では、下電極膜65および第1圧電体層71をそれらの側面が傾斜するように振動板52までエッチングしてパターンニングし、下電極60を形成する。なお、下電極膜65および第1圧電体層71のパターニングは、例えば、イオンミリング等のドライエッチングにより行うことができる。
ここで、例えば、下電極膜65の上に種層61を形成した後にパターニングしてから1層目の第1圧電体層71を形成すると、フォト工程、イオンミリング、アッシングして下電極膜65をパターニングするために種層61が変質してしまう。変質した種層61上に第1圧電体層71を形成しても当該第1圧電体層71の結晶性が良好なものではなくなる。1層目の第1圧電体層71の上に形成される2層目以降の第2圧電体層72も、1層目の第1圧電体層71の結晶状態に影響して結晶成長するため、最終で良好な結晶性を有する圧電体層70を形成することができない。
また、下電極膜65をパターニングしてから1層目の第1圧電体層71を焼成する際に、下地として下電極膜65が存在する領域と存在しない領域とが混在し、下地の違いから1層目の第1圧電体層71の加熱を面内で均一化することができず、結晶性にばらつきが生じてしまう。したがって、下電極膜65がパターンニングによって狭くなると、下電極膜65が存在しない領域が広がり、下電極膜65上の配向性がよくない。
それに比べて、下電極膜65上に1層目の第1圧電体層71を形成してから、同時にパターニングすれば、良好な結晶性を有する圧電体層70を形成することができる。
図7(h)において、第2圧電体層形成工程(S6)では、第1圧電体層71、下電極60および振動板52にわたって、チタン酸ジルコン酸鉛からなる第2圧電体層72を形成する。第2圧電体層72は、高周波スパッタ法によって形成する。
第2圧電体層72の厚みは、4nm以上、20nm以下が好ましい。また、第2圧電体層72のチタン酸ジルコン酸鉛の組成は、ZrとTiとの比率が、48:52〜56:44であるのが好ましい。
図7(i)において、第3圧電体層形成工程(S7)では、第2圧電体層72上に、上述したゾル−ゲル法の塗布工程、乾燥工程、脱脂工程および焼成工程からなる圧電体膜形成工程を行うことにより、3層目の圧電体膜が形成される。この3層目の圧電体膜が第3圧電体層73となる。
ここで、第2圧電体層72は、第3圧電体層73に取り込まれ、第3圧電体層73と一体になる。
また、この焼成工程では、図6(e)に示した1層目の圧電体前駆体膜74と同様に焼成する。具体的には、630℃〜680℃に加熱し、昇温レートを90℃〜110℃/secとすることが好ましい。
また、塗布工程において第2圧電体層72上に塗布される圧電体前駆体膜74の膜厚は特に限定されないが、図6(e)に示した1層目の圧電体前駆体膜74と同様に、焼成工程後の第3圧電体層73の厚さが第2圧電体層72の厚さの5倍〜40倍となるようにゾルを塗布する。
図7(j)において、第3圧電体層73(第2圧電体層72を含む)の上に、上述した塗布工程、乾燥工程、脱脂工程および焼成工程からなる圧電体膜形成工程を繰り返し行うことにより、複数層の第3圧電体層73を形成する。この焼成工程では、1層目の圧電体前駆体膜74の焼成温度よりも高い温度で焼成する。具体的には、680℃〜850℃に加熱することが好ましい。また、焼成工程では、昇温レートを90℃/sec〜110℃/secとすることが好ましい。なお、塗布工程における4層目以降の各圧電体前駆体膜74の膜厚は、0.10μmとした。
以上の工程により、第1圧電体層71と、第3圧電体層73(第2圧電体層72を含む)と第3圧電体層73の積層とを合わせて、圧電体層76を形成する。
図8(k)および(l)において、上電極形成工程(S9)では、まず圧電体層76上にわたって、例えば、イリジウム(Ir)からなる上電極膜81を形成する。次に、圧電体層76および上電極膜81を、図2および図3に示した各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして、下電極60、圧電体層70および上電極80を含む圧電素子300を形成する。
圧電体層70および上電極膜81のパターニング方法としては、例えば、反応性イオンエッチングやイオンミリング等のドライエッチングが挙げられる。
ここで、圧電素子300と振動板52とを合わせたアクチュエーター装置400が得られる。
図8(m)、図9および図10は、インクジェット式記録ヘッド1の製造方法を示す圧力発生室の長手方向の断面図である。
図8(m)において、リード電極90を形成する。具体的には、流路形成基板10の全面に亘って、例えば、金(Au)等からなるリード電極膜91を形成後、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示なし)を介して圧電素子300毎にパターニングすることでリード電極90を形成する。
図9(n)において、流路形成基板10の圧電素子300側に、シリコンからなる保護基板30を接合する。
次に、図9(o)において、流路形成基板10を所定の厚みにまで、研磨または化学機械研磨(CMP)などにより、薄くする。
次いで、図10(p)において、流路形成基板10の裏面にエッチング用のマスク膜53を新たに形成し、所定形状にパターニングする。
そして、図10(q)において、流路形成基板10をKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)を行なうことにより、圧電素子300に対応する圧力発生室12、連通部13、インク供給路14および連通路15等を形成する。なお、図には示されていないが、この時、保護基板30、リザーバー部31、貫通孔33は、エッチングされないように保護されている。
その後は、流路形成基板10および保護基板30のウェーハー外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板10の保護基板30とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板30にコンプライアンス基板40を接合し、流路形成基板10等を図2および図3に示すような一つのチップサイズのインクジェット式記録ヘッド1とする。
インクジェット式記録装置1000は、図1に示した各部品を組み立て、インクジェット式記録ヘッド1を組み込み搭載することで製造する。
以上に述べた実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)フォトリソエッチ工程の段階で、下電極60が形成される領域を残して、振動板52上の第1圧電体層71(種層61は第1圧電体層71に吸収されている)が除去されるが、フォトリソエッチ工程後に、第1圧電体層71、下電極60および振動板52にわたって、4nm以上、20nm以下の厚みのチタン酸ジルコン酸鉛を含む第2圧電体層72を形成する。ここで、第2圧電体層72が、下電極60に形成された第1圧電体層71および第2圧電体層72上に形成される第3圧電体層73と同じチタン酸ジルコン酸鉛なので、第1圧電体層71と第2圧電体層72との界面付近および第2圧電体層72と第3圧電体層73との界面付近で組成不安定相を生じにくくできる。また、振動板52上に形成された第2圧電体層72がその上に形成される第3圧電体層73の種として働き、振動板52上の第3圧電体層73および圧電体層70の結晶粒径の大粒化を抑制でき、配向を揃えることができる。したがって、組成不安定相による圧電体層70の歪みへの阻害が少なく、安定した変位特性を有するアクチュエーター装置400の製造方法を得ることができる。
また、大粒化した結晶粒から加わる応力および組成不安定相による応力を減少でき、信頼性の向上したアクチュエーター装置400の製造方法を得ることができる。
ここで、第2圧電体層72が4nm以上であれば成長する結晶粒径を抑制でき、20nm以下であれば第2圧電体層72の形成時間を短縮でき、アクチュエーター装置400の製造コストを低減できる。
(2)誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛は、高周波スパッタ法によって容易に成膜できるので、製造に要する時間を短縮でき製造コストの低減したアクチュエーター装置400の製造方法を得ることができる。
(3)第2圧電体層72のZrとTiとの比率が、48:52〜56:44であるので、第1圧電体層71と第2圧電体層72との界面付近および第2圧電体層72と第3圧電体層73との界面付近での組成変化を小さくでき、組成不安定相をより生じにくくできる。したがって、組成不安定相による圧電体層70の歪みへの阻害をより少なくでき、より安定した変位特性を有するアクチュエーター装置400の製造方法を得ることができる。
(4)金属の下電極膜65上に形成される種層61が金属のチタンなので、金属酸化物と比較して下電極膜65と種層61の密着性をよくすることができる。この種層61をもとに下電極膜65(下電極60)上の圧電体層70が形成されるので、下電極60と圧電体層70との密着性を良好にできる。したがって、下電極60と圧電体層70との剥離を減少でき、信頼性のより向上したアクチュエーター装置400の製造方法を得ることができる。
(5)種層61が、第1圧電体層71、第2圧電体層72および第3圧電体層73を含む圧電体層70と同様にチタン酸ジルコン酸鉛を含むので、組成不安定相がより生じにくく、組成不安定相による圧電体層70の歪みへの阻害をより少なくでき、より安定した変位特性を有するアクチュエーター装置400の製造方法を得ることができる。
また、種層61としてチタン酸ジルコン酸鉛を用いると、チタンと同様に優先配向方位の制御ができ、結晶化を促進させる種として機能する。
(6)液相法によれば、チタン酸ジルコン酸鉛を含む第1圧電体層71および第3圧電体層73を他の成膜方法と比較して、短時間で厚い膜厚が形成できるので、製造コストの低減したアクチュエーター装置400の製造方法を得ることができる。
(7)前述の効果を有するインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を得ることができる。また、インクの噴射量の安定したインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を得ることができる。
(8)前述の効果を有するインクジェット式記録装置1000の製造方法を得ることができる。また画質の安定したインクジェット式記録装置1000の製造方法を得ることができる。
上述した実施形態以外にも、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、下電極膜65が金属でなく導電性を有する金属酸化膜であってもよい。例えば、導電性酸化物(例えば酸化イリジウムなど)、ストロンチウムとルテニウムの複合酸化物、ランタンとニッケルの複合酸化物などを用いることができる。この場合、種層61をチタン酸ジルコン酸鉛で形成すれば、下電極60との密着性も向上する。
また、上述した実施形態では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッド1を挙げて説明したが、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用できる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
1…記録ヘッド、10…流路形成基板、12…圧力発生室、13…連通部、14…インク供給路、15…連通路、20…ノズルプレート、21…ノズル開口、30…保護基板、31…リザーバー部、32…圧電素子保持部、33…貫通孔、40…コンプライアンス基板、41…封止膜、42…固定板、51…二酸化シリコン膜、52…振動板、54…絶縁体膜、60…下電極、61…種層、65…下電極膜、70…圧電体層、71…第1圧電体層、72…第2圧電体層、73…第3圧電体層、76…圧電体層、80…上電極、90…リード電極、91…リード電極膜、100…リザーバー、103…モーター、104…キャリッジ、105…キャリッジ移動機構、106…プラテンローラー、107…インクカートリッジ、108…ダイミングベルト、109…モーター、110…ガイドロッド、111…駆動プーリー、112…従動プーリー、120…駆動回路、121…接続配線、300…圧電素子、400…アクチュエーター装置、1000…記録装置。





1…液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド、52…振動板、60…下電極、61…種層、62…第2圧電体層、70…圧電体層、71…第1圧電体層、72…第3圧電体層、80…上電極、400…アクチュエーター装置、1000…液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置、300…圧電素子。

Claims (8)

  1. 振動板上に、下電極、チタン酸ジルコン酸鉛を含む圧電体層、上電極を順に積層した圧電素子を備えたアクチュエーター装置の製造方法であって、
    前記振動板上に下電極膜を形成する下電極膜形成工程と、
    前記下電極膜上に種層を形成する種層形成工程と、
    前記種層上に、チタン酸ジルコン酸鉛を含む第1圧電体層を形成する第1圧電体層形成工程と、
    前記下電極膜と前記第1圧電体層とを前記振動板までエッチングして、前記下電極膜から前記下電極を形成するフォトリソエッチ工程と、
    前記第1圧電体層、前記下電極および前記振動板にわたって、4nm以上、20nm以下の厚みのチタン酸ジルコン酸鉛を含む第2圧電体層を形成する第2圧電体層形成工程と、
    前記第2圧電体層上に、チタン酸ジルコン酸鉛を含む第3圧電体層を形成する第3圧電体層形成工程と、
    前記第1圧電体層、前記第2圧電体層および前記第3圧電体層を含む前記圧電体層を形成する圧電体層形成工程とを含む
    ことを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載のアクチュエーター装置の製造方法において、
    前記第2圧電体層を、高周波スパッタ法で形成する
    ことを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
  3. 請求項1および請求項2に記載のアクチュエーター装置の製造方法において、
    前記第2圧電体層のZrとTiとの比率が、48:52〜56:44である
    ことを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のアクチュエーター装置の製造方法において、
    前記下電極膜を金属で形成し、前記種層は、チタンを含む
    ことを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のアクチュエーター装置の製造方法において、
    前記種層は、チタン酸ジルコン酸鉛を含む
    ことを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のアクチュエーター装置の製造方法において、
    前記第1圧電体層および前記第3圧電体層を液相法で形成する
    ことを特徴とするアクチュエーター装置の製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のアクチュエーター装置の製造方法を含む
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  8. 請求項7に記載の液体噴射ヘッドの製造方法を含む
    ことを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
JP2009281295A 2009-12-11 2009-12-11 アクチュエーター装置の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置の製造方法 Withdrawn JP2011124405A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009281295A JP2011124405A (ja) 2009-12-11 2009-12-11 アクチュエーター装置の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009281295A JP2011124405A (ja) 2009-12-11 2009-12-11 アクチュエーター装置の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011124405A true JP2011124405A (ja) 2011-06-23

Family

ID=44287999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009281295A Withdrawn JP2011124405A (ja) 2009-12-11 2009-12-11 アクチュエーター装置の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011124405A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015154014A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 株式会社ユーテック 強誘電体膜及びその製造方法
JP2015154037A (ja) * 2014-02-19 2015-08-24 セイコーエプソン株式会社 圧電アクチュエーター、液体噴射ヘッド、及び圧電アクチュエーターの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015154014A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 株式会社ユーテック 強誘電体膜及びその製造方法
JP2015154037A (ja) * 2014-02-19 2015-08-24 セイコーエプソン株式会社 圧電アクチュエーター、液体噴射ヘッド、及び圧電アクチュエーターの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5251031B2 (ja) 圧電素子、液体噴射ヘッド、液体噴射装置、センサー
JP5187489B2 (ja) アクチュエータ装置の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP2009113419A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法及び圧電素子の製造方法
JP5105040B2 (ja) 圧電素子の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP5578311B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP5152461B2 (ja) 圧電素子及びその製造方法並びに液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2008172100A (ja) アクチュエータ装置及びその製造方法並びに液体噴射ヘッド
JP2007173691A (ja) 圧電素子の製造方法及びアクチュエータ装置並びに液体噴射ヘッド
US8491105B2 (en) Production method of piezoelectric element, piezoelectric element, liquid ejecting head, and liquid ejecting apparatus
JP2010214800A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法、圧電素子の製造方法
JP5104609B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに圧電素子
JP5376107B2 (ja) 圧電素子及びその製造方法、アクチュエータ装置、液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置
JP2011124405A (ja) アクチュエーター装置の製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法および液体噴射装置の製造方法
JP5304976B2 (ja) 積層膜の製造方法及びアクチュエータ装置の製造方法並びに液体噴射ヘッドの製造方法、アクチュエータ装置
JP2008016586A (ja) 誘電体膜の製造方法及び圧電素子の製造方法並びに液体噴射ヘッドの製造方法
JP2010199265A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法及びアクチュエーター装置の製造方法
JP5365793B2 (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2007173605A (ja) 圧電素子の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP2008205048A (ja) 圧電素子の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP2012199445A (ja) 圧電素子の製造方法、圧電素子、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP5716939B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びにアクチュエーター装置
JP2007152912A (ja) 圧電素子の製造方法及び圧電素子並びに液体噴射ヘッド
JP2006019513A (ja) 圧電素子の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP2023121050A (ja) 圧電デバイスの製造方法および液体噴射ヘッドの製造方法
JP2011077197A (ja) 液体噴射ヘッド、アクチュエーター装置及び液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130305