JP2011122017A - 裏込め注入材 - Google Patents

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Abstract

【課題】固結体の乾燥収縮が防止され、長期的な強度や寸法安定性が高く、かつ、A液のブリージングが抑制された2液混合型裏込め注入材を提供する。
【解決手段】硬化材、増粘固液分離抑制材、硬化遅延剤及び水を含有するA液と、珪酸ソーダからなるB液からなる2液混合型裏込め注入材であって、前記増粘固液分離抑制材の組成比率がベントナイトに対し下水汚泥焼却灰の整粒化粉末を35〜500質量%混和してなる裏込め注入材。
【選択図】なし

Description

本発明は、トンネル等を掘削する場合のシールド工法で用いる裏込め注入材に関する。
シールド工法による掘削工事では、その機構上、掘削された地山とセグメントの間にテールボイドと呼ばれる隙間が生じる。通常、これを埋めるための充填材として裏込め注入材を用いる。この裏込め注入材としては、使用直前にA液とB液を混合して直ちにゲル化させる2液混合型のものが主流である。
A液は、通常、セメント系材料を主とする硬化材、助材(増粘固液分離抑制材)、安定剤(硬化遅延剤)、及び水から構成される。B液は、混合したときにA液中の硬化材とゲル化反応を起こし瞬時に固化させるため、水ガラス(珪酸ソーダ)が用いられる。
A液における硬化遅延剤は、シールド注入で長距離圧送や同時注入が行われるために、硬化材の硬化を遅らせてA液の可使時間を長くするために用いられるものである。また、助材は、A液を作液後長時間保存する際や長距離圧送する際に生ずる材料の分離を防ぎ、遊離水の発生(ブリージング)を防止して管内の閉塞を解消し均一な強度を得るために、A液に適度な粘性を持たせるためのもので、ベントナイトやメチルセルロース系樹脂に代表される増粘固液分離抑制材が使用されている。
A液のブリージングやフロー値、及びA液とB液とを混合した後のゲルタイムや一軸圧縮強度を考慮して、裏込め注入材の配合が設定されている。
長期的な観点から、裏込め注入材が使用された周辺環境の影響(地山の乾燥、地山の自重など)によっては、充填された裏込め注入材の固結体に含まれる水分量が減少し、ゲル構造が失われることで、固結体が収縮しクラックが生じて強度が低下するおそれがある。また、再掘削を伴う工法において、裏込め注入材が一定期間乾燥雰囲気下におかれて、乾燥収縮して亀裂を生じる可能性もある。裏込め注入材の固結体が水分を失って、一度このように強度を低下させてしまうと、再び吸水したとしても復元性が極めて低い。また、経時に固結体の寸法が変化してしまうと、テールボイドに裏込め注入材を充填したにもかかわらず、地山と固結体の間に新たに隙間が生じるという問題がある。
このような固結体の乾燥収縮を抑えた裏込め注入材料として、硬化材にフライアッシュを混和したものが提案されている(特許文献1参照)。しかし、この裏込め注入材料では、乾燥収縮抑制の効果を得るためにフライアッシュを大量に用いる必要がある。この際、粘性発生源であるベントナイト中のモンモリロナイト粒子が構成しているネットワーク(いわゆるカードハウス構造)間にフライアッシュが入り込み、このネットワークを崩すこととなる。そのためA液の粘性低下を招き、材料が分離しやすくなる。また、従来の一般的な裏込め注入材に比べて作液時に投入する固形分量が多く、分散に時間がかかるため、作業効率に劣る。
さらに、フライアッシュを多量に含有する裏込め注入材料を土壌への充填材として用いると、六価クロムの溶出が生じる可能性が指摘されており、環境に対する安全性にも問題がある。このため、フライアッシュをそのまま使用せず、六価クロムの溶出量の少ないものを選別して使用した土木資材が提案されている(特許文献2参照)。
特開平10−17354号公報 特開2001−281235号公報
本発明は、固結体の乾燥収縮が防止され、長期的な強度や寸法安定性が高く、かつ、A液のブリージングが抑制された2液混合型裏込め注入材を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題に鑑み鋭意研究した結果、下水汚泥焼却灰の整粒化粉末がポーラスな水保持構造を有しており、これをベントナイトとともにA液の増粘固液分離抑制材として用いることで、A液のブリージングを抑制しつつ、固結体の保水性を改善し、乾燥状態でもゲル構造を保って強度を維持できることを見出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
すなわち上記課題は、下記の手段によって達成された。
(1)硬化材、増粘固液分離抑制材、硬化遅延剤及び水を含有するA液と、珪酸ソーダからなるB液からなる2液混合型裏込め注入材であって、前記増粘固液分離抑制材の組成比率がベントナイトに対し下水汚泥焼却灰の整粒化粉末を35〜500質量%混和してなることを特徴とする裏込め注入材。
(2)前記下水汚泥焼却灰の整粒化粉末の平均粒径が10〜30μmであることを特徴とする(1)に記載の裏込め注入材。
(3)前記増粘固液分離抑制材が前記硬化材に対し15〜70質量%であることを特徴とする(1)または(2)に記載の裏込め注入材。
本発明の裏込め注入材によれば、固結体の保水性が改善されて乾燥収縮が抑制され、かつ、長期的な強度の安定性が得られる。固結体が乾燥状態に曝されても水分の低下が抑えられ、ゲル構造が保たれることで、寸法安定性が向上し、強度も維持される。これにより、地山に対する支保性が向上し、施工後の地面の陥没等の危険が防止される。
また、高価なベントナイトの使用量を減少させ、代替として安価なリサイクル材である下水汚泥焼却灰の整粒化粉末を用いることで、施工コストを低減させることができる。
さらに本発明の裏込め注入材においては、ブリージングが抑制され、A液の長時間流動性が確保されており、ポンプでの圧送が容易で施工性が向上している。
本発明の裏込め注入材は、使用直前にA液とB液を混和して用いる2液混合型である。
A液は硬化材、増粘固液分離抑制材、硬化遅延剤、水を含んでなる。まず、A液の各成分について説明する。
(1)硬化材
硬化材としては、通常用いられるセメント系材料を特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、高炉B種セメント、普通ポルトランドセメントなどがあげられる。
(2)増粘固液分離抑制剤
本発明においては、増粘固液分離抑制材にベントナイトと下水汚泥焼却灰の整粒化粉末の混和物を用いることを特徴とする。下水汚泥焼却灰の整粒化粉末は、ベントナイトに対し35〜500質量%、好ましくは100〜300質量%混和する。
本発明で用いられる下水汚泥焼却灰の整粒化粉末は下水汚泥を焼却して得られた焼却灰を粉砕又は分級により、整粒化したものである。整粒化(粒度調整)した下水汚泥焼却灰を用いることで、整粒化していないものを用いた場合に対して、A液中での粒子沈降が抑制され、ブリージング抑制効果が高まる。また、ベントナイトと粒子径を揃えることで材料としての均一性を確保できる上、さらなる粒子の沈降防止及びブリージング抑制の効果がある。
下水汚泥焼却灰の整粒化粉末は多孔質であるため保水性を有し、内部構造が緻密で止水効果がある。このため固結体の水分量低下を抑えて強度維持に寄与するとともに、A液のブリージング抑制にも効果がある。従来、増粘固液分離抑制材として用いられているベントナイトは、水膨潤性の無機粘土鉱物であるためA液に粘性を与え、ブリージング挙動を改善するが、粘性を有するがゆえに作液時にいわゆるママコ(粉体を溶かす時に、粉体の固まりの表面だけ濡れ、内部に水が浸透しにくい粉体の固まり)を発生しやすく作業性が悪いという問題があった。このベントナイトと下水汚泥焼却灰の整粒化粉末をあわせて用いることで作液時の分散性が改善し、作業効率向上の効果が得られる。下水汚泥焼却灰の整粒化粉末は安価なリサイクル材であるため、ベントナイトの使用量を低減してコストを抑制できるというメリットもある。また、下水汚泥焼却灰の整粒化粉末に含まれるリン化合物により、初期段階で、硬化材であるセメントとの反応が抑制されるので、A液の流動性が長時間維持されるという、硬化遅延剤に対する相乗効果もある。
本発明で用いられる下水汚泥焼却灰の整粒化粉末は、平均粒径10〜30μmとすることが好ましい。このような粒径のものを用いることで、ベントナイトの量を減らしてもA液の流動性が維持でき、ブリージングも抑制できる。また下水汚泥焼却灰の整粒化粉末の粒度は、0.5〜200μmとすることが好ましい。
下水汚泥焼却灰の整粒化粉末の飽和吸水能については特に制限はないが、飽和吸水能は0.8〜1.2g/gのものが好ましい。本発明において、飽和吸水能は日本ベントナイト工業会標準試験法(JABAS)「ベントナイト(粉状)の膨潤度試験方法」に準じて測定された値である。この範囲内の飽和吸水能の下水汚泥焼却灰の整粒化粉末を用いることにより、安定して良好な保水性能を確保することができる。上記飽和吸水能の試験手順は以下のとおりである。
(試験手順)
1)膨潤セルを通水板上に濾紙面が密着するようにのせ、30分間静置して吸水させたのち、10枚重ねた濾紙上に押し当て、5秒間経過したら位置を変え、再び5秒間押し当てる。この操作を1分間繰り返して脱水させる。直ちにセルの質量を10mg単位まで測定しておく。
2)試料を2.00g秤量し、セルの濾紙上に一様に拡げ、膨潤槽内の通水板上に密着させて置き、24時間吸水させた後、はじめと同様にして余分の水を脱水し、直ちに秤量する。次式により膨潤度を計算し、小数第1位まで表示する。ただし、1試料について測定個数を3個とし、平均値との差が±0.1g/g以内の2個以上の平均値をとる。
膨潤度(g/g)=[(W2−W1)/{S×(100−M)/100}]−1
W1:空の膨潤セルの吸水後の質量(g)
W2:試料入り膨潤セルの吸水後の質量(g)
S:試料採取量(g)
M:試料の水分(%)
増粘固液分離抑制材の使用量は、硬化材に対し15〜70質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
(3)硬化遅延剤
硬化遅延剤は硬化材に対し0.1〜3.0質量%使用することが好ましく、0.5〜1.5質量%がより好ましい。硬化遅延剤の配合によりA液の可使時間が延長されるため、所望の可使時間に応じて硬化遅延剤の量を調整することができるが、多すぎると粘性が低下し、材料分離を引き起こしてブリージングが発生することがある。硬化遅延剤としては、リグニンスルホン酸系、ヒドロキシカルボン酸系、オキシカルボン酸系等が代表的であり、通常用いられているものを特に制限なく用いることができる。
(4)水
A液の水分量は硬化材に対し250質量%以上が好ましく、280〜430質量%がより好ましい。水が少なすぎると流動性が低下する。水分量は、要求されるフロー値などに応じて適宜定めることができる。
B液としての珪酸ソーダは、通常、2液型の裏込め注入材の急結剤として用いられるものであれば、特に制限はないが、JIS K1408に規定される3号珪酸ソーダ同等品が好ましい。
A液とB液の混合量は、A液:B液の体積比で93.5:6.5〜92.5:7.5が好ましい。B液が多すぎるとゲル化時間が短くなり、作業性が低下する。B液が少なすぎるとゲル化強度が著しく低くなり好ましくない。また、B液が少なすぎるとゲル化時間が長くなり、切羽等への漏洩や不必要な周辺地山への逸走を招く。
本発明の裏込め注入材は、ゲルタイムが20秒以下であることが好ましい。また、一軸圧縮強度が作液1時間後で0.02N/mm以上、材令28日後で2.0N/mm以上となるようにすることが好ましい。A液のブリージング率は1時間後で5%以下であることが好ましく、フロー値は8〜11秒であることが好ましい。なお、本明細書におけるブリージング率とはPCグラウトブリージング率測定用ポリエチレン袋を用い、土木学会基準JSCE−F522−1999「プレパックドコンクリートの注入モルタルのブリーディング率および膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)」に準じて測定したものをいい、フロー値とはプレパクトフローコーン(いわゆるPロート)を用い、土木学会規準 JSCE−F521−1999「プレパックドコンクリートの注入モルタルの流動性試験方法(P漏斗法)」に準じて測定したものをいう。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜4、比較例1〜9
表1−1〜表1−3に示す組成のA液及びB液を調製した。
なお、表中の各成分の詳細は以下の通りである。
硬化遅延剤 :RPS安定剤 ラサテック(株)製
ベントナイト :商品名 クニゲルMB、クニミネ工業(株)製
粒度調整灰 :下水汚泥焼却灰の整粒化粉末、平均粒径26.9μm、
飽和吸水能0.89g/g(測定方法は上述のとおり)
下水汚泥焼却灰(原粉):平均粒径51.0μm
フライアッシュ :JISフライアッシュ
珪石微粉 :(株)三栄シリカ社製
硬化材 :RPS硬化材 ラサテック(株)製
急結剤 :3号珪酸ソーダ 東曹産業(株)製
Figure 2011122017
Figure 2011122017
Figure 2011122017
(フロー値、ブリージング率、経時粘性の評価)
実施例1、2及び比較例1〜5のA液について、フロー値及びブリージング率を測定した。また、実施例1、2及び比較例5の試料の経時粘性を測定した。フロー値は土木学会規準 JSCE−F521−1999「プレパックドコンクリートの注入モルタルの流動性試験方法(P漏斗法)」、ブリージング率は土木学会基準JSCE−F522−1999「プレパックドコンクリートの注入モルタルのブリーディング率および膨張率試験方法(ポリエチレン袋方法)」に準じて評価した。経時粘性はB型粘度計((株)東京計器製)により測定した。結果を表2に示す。
下水汚泥焼却灰(原粉)を用いた比較例2〜4の試料では、3時間後、5時間後のブリージング率が高くなっている。未処理の下水汚泥焼却灰は粒子が粗い部分が多いために、粒子の沈降が早まってブリージングが発生すると思われる。
これに対し実施例1、2の試料は、従来の一般的な裏込め注入材の配合と同様の比較例5と同等のフロー値を示しており、適度な粘性を有していることがわかる。実施例1、2の試料は十分にブリージング抑制効果があり、A液として好適な特性を有している。また、これらの試料はブリージング抑制効果が高いうえに、比較例5の試料よりも低い粘性を維持しており、A液の圧送にあたり非常に扱いやすい状態にある。これは下水汚泥焼却灰の整粒化粉末に含まれるリン化合物が初期のセメント固化反応を抑制するため、硬化遅延剤との相乗効果で低い粘性を維持しているものと考えられる。
実施例1、2に対して比較例1のブリージング抑制効果は低かった。下水汚泥焼却灰の整粒化粉末が過剰であると若干の粘性の低下を招き粒子が沈降し、ブリージングが発生すると思われる。
Figure 2011122017
(裏込め注入材の保水性試験)
実施例1、2、比較例5〜7について、1mあたり表1−1〜表1−3の配合で裏込め注入材を作液し、直径5cm×高さ10cmの供試体を作製し、1週間50℃で水による促進養生を行った。
その後、室内で封緘養生した。このとき、供試体は上面と下面にワセリンを塗り、側面からのみ水が抜ける状態とした。養生中の供試体質量を、封緘養生直後から3日後、7日後に測定した。このとき、一軸圧縮強度と供試体寸法(供試体の上面、中央、下面の径と高さ)も測定した。
初期値と配合比から計算で固形分量を求め、質量測定結果から固形分量を引いて水分量を求め、次式で保水率を算出した。
保水率(%)=(測定時水分量/初期水分量)×100
結果を表3に示す。
実施例1、2は比較例5〜7に対して保水率が優れており、水分の蒸発による収縮が大きく改善され寸法安定性に優れていることが確認された。また、一軸圧縮強度についても、比較例5、7は封緘養生3日後、比較例6は7日後に一般的に要求される強度である2N/mm2を下回ったのに対し、実施例1、2は7日後でも2N/mm2以上の強度を維持しており、安定性の確保が確認された。
Figure 2011122017
(透水係数試験)
実施例2、比較例5、8について、1mあたり表1−1〜表1−3の配合で裏込め注入材を作液し、中心に直径1cm×高さ17cmのプラスチック製の棒が設置された直径5cm×高さ15cmのプラスチックモールドに流し込み、3日間水中養生した。
養生後、供試体をモールドから取り出し、供試体中心に直径1cmの穴が空いた直径5cm×高さ7cmの供試体を成形し、加圧試験装置にて透水試験を行った。
結果を表4に示す。
比較例5、8に対して実施例2は同等の透水係数を有することが確認された。下水汚泥焼却灰の整粒化粉末は多孔質であるため、保水性を有するが、透水性は従来のものとほぼ同等であることがわかる。
Figure 2011122017
(一軸圧縮強度試験)
実施例3、4、比較例5について、1mあたり表1−1、表1−2の配合で裏込め注入材を作液し、直径5cm×高さ10cmの供試体を12本作製し、湿式養生した。
作液完了後、1時間後、1日後、7日後、28日後にそれぞれn=3にて一軸圧縮強度を測定した。結果を表5に示す。
一般的にはW/C(水セメント比)が低く固形分濃度が高いほど一軸圧縮強度が高くなる傾向があるが、実施例3、4は比較例5に対して1時間後、1日後及び7日後の早期一軸圧縮強度が同等以上に確保され、28日後の一軸圧縮強度は1.6倍以上高い結果となり、より安全性が確保されている。
実施例3、4は、実施例1、2より1m3あたりの硬化材の配合量を20kg減らしW/Cを20〜29%高くしているが、下水汚泥焼却灰の整粒化粉末を25kg以上配合することで上記のような強度を維持することができた。
Figure 2011122017
また、実施例2、比較例8、9について、1mあたり表1−1、表1−3の配合で裏込め注入材を作液し、直径5cm×高さ10cmの供試体を12本作製し、湿式養生した。
作液完了後、28日後にそれぞれn=3にて一軸圧縮強度を測定した。結果を表6に示す。
実施例2、比較例8、9は、W/Cは同じであるが、実施例3で下水汚泥焼却灰の整粒化粉末を使用しているのに対し、比較例8、9はそれぞれフライアッシュ、珪石微粉を用いた例である。実施例2は、比較例8に対して1.6倍、比較例9に対して2.3倍の一軸圧縮強度を示した。W/C及び固形分の密度が同条件であっても下水汚泥焼却灰の整粒化粉末を用いることで一軸圧縮強度が著しく向上することがわかる。
Figure 2011122017
(土壌溶出試験)
実施例1、2について、表1−1の通りの配合で作液した裏込め注入材について、環境庁告示第46号による土壌溶出試験を行った。結果を表7に示す。カドミウム、鉛、六価クロム、ひ素、全水銀、セレン、ふっ素およびほう素は、すべて環境基準内であり、環境安全上、問題ないレベルであることがわかる。
Figure 2011122017

Claims (3)

  1. 硬化材、増粘固液分離抑制材、硬化遅延剤及び水を含有するA液と、珪酸ソーダからなるB液からなる2液混合型裏込め注入材であって、前記増粘固液分離抑制材の組成比率がベントナイトに対し下水汚泥焼却灰の整粒化粉末を35〜500質量%混和してなることを特徴とする裏込め注入材。
  2. 前記下水汚泥焼却灰の整粒化粉末の平均粒径が10〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載の裏込め注入材。
  3. 前記増粘固液分離抑制材が前記硬化材に対し15〜70質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の裏込め注入材。
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