JPH09279141A - 土木用材料およびこれを用いた施工方法 - Google Patents

土木用材料およびこれを用いた施工方法

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JPH09279141A
JPH09279141A JP8111215A JP11121596A JPH09279141A JP H09279141 A JPH09279141 A JP H09279141A JP 8111215 A JP8111215 A JP 8111215A JP 11121596 A JP11121596 A JP 11121596A JP H09279141 A JPH09279141 A JP H09279141A
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Akira Sekine
彰 関根
Masaki Takahashi
政樹 高橋
Shigeru Tsukahara
茂 塚原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LW工法で使用するセメント−水ガラス系薬
液を改良して、瞬結性に優れた土木用材料およびこれを
用いた施工方法を提供する。 【解決手段】 セメント類、ベントナイトおよびこれら
に分散剤を配合した水性スラリーをA液とし、水ガラス
溶液をB液とする土木用材料において、A液はセメント
量が 220〜420Kg/m3、ベントナイト量が50〜140Kg/m3
あって、B液はモル比SiO2/Na2O が 3.4以上でSiO2濃度
が20重量%以下の珪酸ソーダ希釈液を用い、かつB液/
A液の容量比が 0.2〜0.3 の範囲で混合させると反応硬
化する土木用材料。また施工方法は、この土木用材料を
1.5 ショットまたは2 ショットで瞬時に混合できる薬液
注入機に導入して、圧力注入する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント−水ガラ
ス系の改良された懸濁型土木用材料およびこれを用いた
施工方法に関するものである。更に詳しくは、トンネル
堀削工事等において、湧水や漏水する場所の止水や土壌
安定化、地山のゆるみや地盤沈下等を防止するためおこ
なわれている即時裏込め注入等に使用する土木用材料お
よびその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、都市部や臨海地域等のトンネル掘
削工事等においてシールド工法による工事が主に採用さ
れており、シールド堀削と同時に裏込め注入が可能な土
木用材料の開発が要望され、事実、いろいろな材料が使
用されている。裏込め注入の主な目的は、シールド堀進
に伴いシールド機械とセグメントの間に発生する空隙が
長時間放置されたままにおかれると必然的に地山が崩壊
し地盤沈下が生じたり、地下水がセグメント内に漏水す
ることを防止するためにおこなわれる。
【0003】更に、トンネル堀削工事で要求される裏込
め材は施行性や充填性に優れ、充填されたものが早期に
地山の強度と同等以上になることが要求される。
【0004】従来、セメント−水ガラス系のグラウト材
はLW工法と称して、軟弱地盤の安定化に用いられ、あ
るいはこれを主材とする裏込め材もまた周知である。ま
た、微粉スラグに消石灰を配合したもの(特開昭53−61
2 号公報) 、ポルトランドセメントに石膏およびスラグ
粉末を配合したもの(特開昭55−108487号公報、特開昭
55−102677号公報、特開昭51−141459号公報)、あるい
はスラグ粉末と石灰およびベントナイトのスラリーと水
ガラス溶液より硬化させるグラウト材や裏込め材が知ら
れている。更に、セメントとアルミナ化合物との混合物
の裏込め材(特開昭62−111100号公報)も知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のLW工法は通
常、A液としてセメントスラリーまたはセメントとベン
トナイト混合スラリーを、B液として水ガラス溶液を使
用し、これら両液を等容量ずつ混合注入する方法が採ら
れている。しかし、LW工法は一般に地盤内に注入する
が、ゲルタイムを30秒以下に短縮することが難しいた
め、シールド工法の即時裏込め注入等に使用する土木用
材料としては適当でない。
【0006】一方、A液:B液の容量比を1:0.2以
下とする提案(特公昭62−24474 号公報) もあるが、A
液に含まれる水の量の割合が多いため、使用に際してA
液スラリーのブリージングを防止するためにベントナイ
ト等を多量に使用する必要があり、これが結果的に注入
材料の硬化能力を低下させる問題がある。
【0007】このように、セメント−水ガラス系薬液材
料はトンネル工事等種々の土木工事現場に追随できるよ
うに薬液の種類や配合方法、配合量などに多くの工夫が
なされてきた。これは、特に土木業界では薬液を多量に
用いる必要上、安価な材料であることが現実問題として
重要であり、セメント−水ガラス系が好んで用いられた
一つの大きな理由である。
【0008】しかし、セメント−水ガラス系の薬剤で
は、その素材や用い方が一見わずかな相違であっても機
能が変化するため、施行を求められる現場で適用できる
条件を満たせば、これを高く評価される場合が多い。
【0009】本発明者等の数多くの実験によれば、従来
のLW工法で用いるセメント−水ガラス系薬液におい
て、即時注入可能なゲルタイムを20秒以下に短縮でき
る瞬結性の高いものは得難く、また得られたとしても現
実に使用するには無理な条件が必要となるなど、極めて
困難であることが判った。
【0010】このような諸問題に鑑み、本発明者らはセ
メント−水ガラス系薬液を主組成とする土木用材料が助
剤の種類や量、配合方法などの異なる条件下で諸機能が
如何なる変化をするかについて、長年にわたり鋭意研究
を重ねてきた。この結果、ブリージング防止剤の使用量
を可及的に抑制した高濃度セメントスラリーのA液と、
高モル比水ガラスを希釈したB液とを所定の容量比で構
成すると、作業性もよく、瞬結性で実用上要求される強
度を満足できることを知見して本発明を完成した。すな
わち、本発明は通常LW工法と称されるセメント−水ガ
ラス系薬液を改良した瞬結性のある土木用材料およびこ
れを用いた施行方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による土木用材料は、セメント類、ベントナイ
トおよびこれらに分散剤を配合した水性スラリーをA液
とし、水ガラス水溶液をB液とする土木用材料におい
て、A液はセメント量が220〜420kg/m3、ベント
ナイト量が50〜140kg/m3であって、B液はモル比
SiO2 /Na2Oが3.4以上でSiO2 濃度が20
重量%以下の珪酸ソーダ希釈液を用い、かつB液/A液
の容量比が0.2〜0.3の範囲で混合させると反応硬
化することを構成上の特徴とする。
【0012】また、本発明によるこの土木材料を用いた
施工方法は、湧水や漏水する場所の止水、土壌安定化ま
たは即時裏込め材として、A液とB液とを容量比(B液
/A液)0.2〜0.3の割合となるように1.5ショ
ットまたは2ショットで瞬時に混合できる薬液注入機に
導入して、圧力注入することを構成上の特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る土木用材料におい
て、A液の構成材料であるセメントとしては、例えばポ
ルトランドセメント、高炉セメント、早強セメントなど
が使用できるが、特に3CaO・SiO2 含有量の多い
早強セメントが好ましい。早強セメントは立ち上がり強
度が優れるため、シールド工法において地山のゆるみや
地盤沈下等を防止する効果に優れているからである。
【0014】A液を単にセメントスラリー系にした場
合、セメント粒子と水とが分離するいわゆるブリージン
グを生じて、均質で強固な土木材料として機能しないば
かりでなく、施工現場での貯蔵や輸送、注入に重大な支
障を生じる。従って、後述する分散剤と共にブリージン
グ防止剤を不可欠な材料として使用することが重要であ
る。
【0015】本発明ではベントナイトをA液のブリージ
ング防止材として使用するものであるが、そのブリージ
ング防止効果はベンナイトの膨潤度に依拠し、その値が
大きいほどブリージング防止作用に優れている。しかし
ながら、ベンナイトはブリージング防止材としての効果
とはうらはらに、セメントとの混合スラリー系ではセメ
ントから遊離したCa2+とベントナイトのNa+ とがカ
チオン交換するため、セメントの硬化能力を低下させる
欠点がある。
【0016】このように、ベントナイトはブリージング
防止作用と材料の強度劣化作用と相矛盾する機能を有す
ることから、その使用は可能な限り必要最小限に留める
ことが好ましい。したがって、A液におけるベントナイ
トの使用に当たっては、その選択や使用量の設計が難し
くかつ重要な要因となる。
【0017】このようなことから、本発明における土木
材料においてはA液中のセメント量を220〜420kg
/m3の濃度範囲に調整し、セメントスラリー濃度を高く
設定している点が特徴の一つであり、好ましくは240
〜400kg/m3の濃度に調整する。420kg/m3以上の
スラリー濃度になると、流動性が低下してポンプ輸送が
困難となり、実用的でなくなるためである。
【0018】A液における他の特徴として、ベントナイ
トの使用量を50〜140kg/m3の濃度範囲に調整して
いる点であり、好ましくは60〜120kg/m3の濃度範
囲に設定される。この場合、ベントナイトは膨潤度が5
ml/g 以上のものが特に好ましい。ここで膨潤度とはベ
ントナイト1g が水を吸収してゼリー状に膨潤した時の
容積である。セメントとベントナイトの微粒子を水に懸
濁させて、安定性の良いスラリーを調製するには、粒子
間の反応抑制と再凝集を防ぐために分散剤を必要とす
る。
【0019】分散剤としては、クエン酸、酒石酸、グル
コン酸等のオキシカルボン酸アルカリが機能上および環
境上の点から好ましいが、特に限定的なものではない。
分散剤の使用量はセメントおよびベントナイトの種類や
配合割合あるいは分散剤の物性等によって変化するが、
多くの場合1〜8kg/m3、好ましくは2〜5kg/m3の範
囲で添加される。
【0020】このようにして、安定性の良いスラリーを
調製することができ、フロー値が10秒以下で、1日経
過後のブリージング値が10%以下の安定なスラリーが
調製される。
【0021】他方、B液としては、水ガラスを上記した
ようにモル比SiO2 /Na2 Oが3.4以上、好まし
くは3.5〜4.2の高モル比水ガラスであって、Si
2濃度が20重量%以下と希釈されたものに調製して
使用することが特徴である。なお、4以上の高モル比に
する場合には、必要に応じてシリカゲルを水ガラスに溶
解することにより調製することができる。
【0022】また、B液には必要に応じてベントナイ
ト、フライアッシュ、シリカフラワー、粘土類などの粒
子を添加することができる。その理由はB液は比較的濃
度の低い水ガラスとして用いられるため、これらの粒子
を分散させることが可能であり、裏込め材として使用す
る場合に更に強度向上を図ることができる。
【0023】本発明に係る土木用材料はA液とB液とを
容量比(B液/A液)が0.2〜0.3の範囲で混合す
ることも特徴の一つである。通常のLW工法におけるセ
メント−水ガラス系においてはA液とB液の容量比は1
前後の等量近くに設定されるが、本発明ではA液に対す
るB液の容量が0.2〜0.3と非常に小さい限られた
容量比で混合することが重要である。この理由は、この
範囲外での混合比では反応硬化物が土木用材料として、
本発明が目的とする施工性、耐グリージング性、瞬間的
硬化性、強度などを満足できる高機能性のものは得るこ
とができないためである。
【0024】本発明に係る土木用材料を用いた施工方法
は、例えばトンネル掘削工事等において湧水や漏水する
場所の止水、土壌安定化または即時裏込め材として用い
る場合、セメントスラリー系のA液と水ガラス系のB液
とを容量比(B液/A液)が0.2〜0.3の割合とな
るように1.5ショットまたは2ショットで瞬時に混合
できる薬液注入機に導入して、圧力注入することにより
行われる。圧力としては0.5〜10kg/cm2 好ましく
は1〜5kg/cm2 の範囲である。
【0025】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明する。なお、以下の実施例における試験およ
び測定方法は下記の方法を適用した。 (1) ゲルタイム A液とB液との混合物が流動性を失うまでの時間をい
い、A液とB液を混合して、この土木用材料を入れたビ
ーカーを90度傾けても流下しなくなる時点までの時間
を測定した。 (2) 圧縮強度 土木用材料(A液とB液との混合物)を50mmφ×10
0mmLの円筒型枠に入れてゲル化後脱型し、供試体を1
日間湿気養生した後、水中に浸漬し、所定時間経過後に
取り出して圧縮強度試験機を用いて一軸圧縮強度を測定
した。 (3) ブリージング A液を調製し、1000mlのメスシリンダーに入れて所
定時間放置後の上澄み液量を測定し、全容量との百分率
で示した。 (4) フロー値 A液を調製し、プレパックドコンクリートの注入モルタ
ルの流動性試験方法により、Pロートによる流下時間を
測定した。(水による測定値は8.5秒)。
【0026】また、試験に使用した各材料は下記の通り
である。 セメントa;早強セメント セメントb;ポルトランドセメント 助材a;膨潤度8ml/g のベントナイト 助材b;膨潤度5ml/g のベントナイト 助材c;膨潤度3ml/g のベントナイト 助材d;木節粘土 助材e;フライアッシュ 助材f;シリカフラワー 分散剤a;グルコン酸ソーダ 分散剤b;リグニンスルフォン酸ソーダ
【0027】実施例1〜15 これらのセメント、助剤および分散剤を用いてA液を調
製した。なお、分散剤の使用量はセメントの1%とし
た。またB液にはSiO2 /Na2 Oのモル比が3.4
で、SiO2 濃度が27%の珪酸ソーダを使用した。調
製したA液およびB液、その配合比を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】表2にA液のフロー値およびブリージング
の特性、またA液とB液を混合して反応硬化させた際の
ゲルタイムおよび圧縮強度を示した。表2の結果から、
本発明に係る土木用材料は3時間後のブリージングが3
%以下、1日経過後であってもブリージングが8%以下
であり、A液の送液に支障をきたすことはない。また、
硬化反応のゲルタイムも15秒以下と瞬結性が高く、圧
縮強度も高いものであることが分かる。
【0030】
【表2】
【0031】実施例16〜20 B液にも助剤を添加した以外は実施例1〜15と同様に
してA液およびB液を調製した。なお、A液の調製には
セメントa、助材a、分散剤aを用いた。調製したA液
およびB液の配合比を表3に示した。また、A液のフロ
ー値、ブリージング特性と、A液とB液を混合して反応
硬化させた時のゲルタイムおよび圧縮強度を測定して、
その結果を表4に示した。
【0032】
【表3】 表注:トータル容量=1080リットル A液:B液=1:0. 25
【0033】
【表4】
【0034】表4の試験結果から分かるように配合比が
1:0.25の場合、フロー値、ブリージング、ゲルタ
イム、圧縮強度とも良好であった(実施例7)が、A液
に添加している助材の一部をB液側に添加したり(実施
例16、17)、助材をB液側に添加することにより
(実施例18〜20)、圧縮強度が高くなることが分か
る。
【0035】実施例21〜25、比較例1〜2 珪酸ソーダのモル比を変えてゲルタイムへの影響を測定
した。珪酸ソーダは、SiO2 濃度を24%とし、それ
ぞれのモル比になるようにNa2 O量を調整した。な
お、A液の調製にはセメントa、助剤a、分散剤aを用
いた。調製したA液およびB液の配合比を表5に、また
A液のフロー値、ブリージング特性と、A液とB液を混
合して反応硬化させた時のゲルタイムを測定して、その
結果を表6に示した。
【0036】
【表5】 表注:トータル容量=1080リットル A液:B液=1:0.3
【0037】
【表6】
【0038】表5、表6の結果から珪酸ソーダのモル比
が3.1以下の比較例1、2ではゲルタイムが30秒以
上となり、瞬結性に欠けるため本発明の目的の材料とし
て適合しないものであった。なお、珪酸ソーダのモル比
が3.4以上の場合はゲルタイムが15秒以下となり、
瞬結性に優れることが分かる。
【0039】比較例3〜6 A液:B液の容量比がフロー値、ブリージング、ゲルタ
イムに及ぼす影響を検討するために、表7に示した配合
により、A液の特性(フロー値、ブリージング率)とゲ
ルタイムを測定して、その結果を表8に示した。
【0040】
【表7】 表注:比較例3および5はセメントa、助材a、分散剤aを使用し、比較例4 および6はセメントb、助材c、分散剤bを使用した。なお、水ガラスはJ珪酸 ソーダ3号(モル比;3.15)の80vol %(SiO2 濃度;24%)を使用 し、分散剤の使用量はセメントの1%とした。
【0041】
【表8】
【0042】表7、表8の試験結果から分かるように配
合比が1:0.1以下の場合はA液の水の量が多すぎる
ため、ブリージングが大きすぎてA液の送液に支障をき
たすため実用的でなく、一方、配合比が1:1の場合は
A液の水の量が少なすぎるため流動性が低下してA液の
送液が困難である。
【0043】実施例26 さらに、本発明の土木用材料を使用して現場試験した施
工例を示す。都内の軟弱なシルト層の下をシールド工法
によって下水管を敷設する工事で、実施例7の配合によ
りA液864リットルを調製し、一方B液にはSiO2
濃度が24%でモル比SiO2 /Na2 Oが3.4の珪
酸ソーダ80リットルを水で希釈して216リットルに
調製したものを使用した。A液とB液とを容量比(B液
/A液)が0.25の割合となるように、A液は40リ
トッル/分、B液は10リットル/分の吐出量となるよ
うに調整しながら、別々の注入ポンプで送り、1.5シ
ョットで瞬時に混合できる薬液注入機(A液とB液を合
流させ、かつミキシング効果を有する)に導入して地盤
内に圧力注入した。注入圧力は1〜2kg/cm2 で20分
間で所定量の注入が完了し、注入後調査したところ、地
盤とセグメントの空隙部は本発明の土木用材料がしっか
りと充填されていて試験は成功裏に終わることができ
た。
【0044】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の土木用材料およ
びこの土木用材料を用いた施工方法によれば、A液はフ
ロー値が10秒以下で、1日後のブリージング値が10
%以下のスラリー安定性を有し、ベントナイトは膨潤度
が5ml/g 以上であり、A液とB液との反応硬化におい
て、ゲルタイムが20秒以下であって、1日後の圧縮強
度が少なくとも8kg/cm2 の即時硬化能を有し、トンネ
ル掘削工事等において瞬時に混合できる薬液注入機に導
入して、圧力注入することにより湧水や漏水する場所の
止水、土壌安定化または即時裏込め材として極めて有用
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】更に、トンネル堀削工事で要求される裏込
め材は施工性や充填性に優れ、充填されたものが早期に
地山の強度と同等以上になることが要求される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】しかし、セメント−水ガラス系の薬剤で
は、その素材や用い方が一見わずかな相違であっても機
能が変化するため、施工を求められる現場で適用できる
条件を満たせば、これを高く評価される場合が多い。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】このような諸問題に鑑み、本発明者らはセ
メント−水ガラス系薬液を主組成とする土木用材料が助
剤の種類や量、配合方法などの異なる条件下で諸機能が
如何なる変化をするかについて、長年にわたり鋭意研究
を重ねてきた。この結果、ブリージング防止剤の使用量
を可及的に抑制した高濃度セメントスラリーのA液と、
高モル比水ガラスを希釈したB液とを所定の容量比で構
成すると、作業性もよく、瞬結性で実用上要求される強
度を満足できることを知見して本発明を完成した。すな
わち、本発明は通常LW工法と称されるセメント−水ガ
ラス系薬液を改良した瞬結性のある土木用材料およびこ
れを用いた施工方法を提供することを目的とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本発明ではベントナイトをA液のブリージ
ング防止材として使用するものであるが、そのブリージ
ング防止効果はベントナイトの膨潤度に依拠し、その値
が大きいほどブリージング防止作用に優れている。しか
しながら、ベントナイトはブリージング防止材としての
効果とはうらはらに、セメントとの混合スラリー系では
セメントから遊離したCa2+とベントナイトのNa
とがカチオン交換するため、セメントの硬化能力を低下
させる欠点がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】本発明に係る土木用材料はA液とB液とを
容量比(B液/A液)が0.2〜0.3の範囲で混合す
ることも特徴の一つである。通常のLW工法におけるセ
メント−水ガラス系においてはA液とB液の容量比は1
前後の等量近くに設定されるが、本発明ではA液に対す
るB液の容量が0.2〜0.3と非常に小さい限られた
容量比で混合することが重要である。この理由は、この
範囲外での混合比では反応硬化物が土木用材料として、
本発明が目的とする施工性、耐ブリージング性、瞬間的
硬化性、強度などを満足できる高機能性のものは得るこ
とができないためである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【表4】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】実施例26 さらに、本発明の土木用材料を使用して現場試験した施
工例を示す。都内の軟弱なシルト層の下をシールド工法
によって下水管を敷設する工事で、実施例7の配合によ
りA液864リットルを調製し、一方B液にはSiO
濃度が27%でモル比SiO/NaOが3.4の珪
酸ソーダ80リットルを水で希釈して216リットルに
調製したものを使用した。A液とB液とを容量比(B液
/A液)が0.25の割合となるように、A液は40リ
トッル/分、B液は10リットル/分の吐出量となるよ
うに調整しながら、別々の注入ポンプで送り、1.5シ
ョットで瞬時に混合できる薬液注入機(A液とB液を合
流させ、かつミキシング効果を有する)に導入して地盤
内に圧力注入した。注入圧力は1〜2kg/cmで2
0分間で所定量の注入が完了し、注入後調査したとこ
ろ、地盤とセグメントの空隙部は本発明の土木用材料が
しっかりと充填されていて試験は成功裏に終わることが
できた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E02D 3/12 101 E02D 3/12 101 E21D 11/00 E21D 11/00 A // C09K 103:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント類、ベントナイトおよびこれら
    に分散剤を配合した水性スラリーをA液とし、水ガラス
    水溶液をB液とする土木用材料において、A液はセメン
    ト量が220〜420kg/m3、ベントナイト量が50〜
    140kg/m3であって、B液はモル比SiO2 /Na2
    Oが3.4以上でSiO2 濃度が20重量%以下の珪酸
    ソーダ希釈液を用い、かつB液/A液の容量比が0.2
    〜0.3の範囲で混合させると反応硬化することを特徴
    とする土木用材料。
  2. 【請求項2】 A液は、フロー値が10秒以下で、1日
    後のブリージング値が10%以下のスラリー安定性を有
    する請求項1記載の土木用材料。
  3. 【請求項3】 ベントナイトは、膨潤度が5ml/g 以上
    である請求項1または2記載の土木用材料。
  4. 【請求項4】 A液とB液との反応硬化において、ゲル
    タイムが20秒以下であって、1日経過後の圧縮強度が
    少なくとも8kg/cm2 の即時硬化能を有する請求項1、
    2または3記載の土木用材料。
  5. 【請求項5】 湧水や漏水する場所の止水、土壌安定化
    または即時裏込め材として、A液とB液とを容量比(B
    液/A液)0.2〜0.3の割合となるように1.5シ
    ョットまたは2ショットで瞬時に混合できる薬液注入機
    に導入して、圧力注入することを特徴とする請求項1、
    2、3または4記載の土木用材料を用いた施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004075746A (ja) * 2002-08-12 2004-03-11 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 地中接合用2液性充填材
JP2011122017A (ja) * 2009-12-09 2011-06-23 Tokyo Metropolitan Sewerage Service Corp 裏込め注入材
JP2018044124A (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 住友大阪セメント株式会社 注入材、注入材の充填方法

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