JP2005232312A - 土質安定用薬液およびそれを用いた地盤安定化工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高炉スラグ微粉末およびポルトランドセメントを含んだ微粒子セメントとアルミナセメントおよびII型無水石膏とを含んでなる組成物と水との混練物を調製した液を地盤に注入する土質安定用薬液であって、所定の硬化時間を有し、強度発現性に優れ、かつ、浸透性が良好であり、初期はもとより経時にわたって膨脹することがない土質安定用薬液および地盤安定化工法を提供する。
【解決手段】 高炉スラグ微粉末及びポルトランドセメントからなるブレーン値が8000〜15000cm2/gの微粒子セメント(a)と、アルミナセメント(b)及びブレーン値が5000cm2/g以上のII型無水石膏(c)を含んでなる土質安定用薬液であって、b:c=3〜23:97〜77及び(b+c)/(a+b+c)=10〜35%の範囲で水懸濁液として用いることを特徴とする土質安定用薬液および該土質安定用薬液を用いる地盤安定化工法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高炉スラグ微粉末およびポルトランドセメントからなる微粒子セメントを含んでなる土質安定用薬液およびそれを用いた地盤安定化工法に関するものである。
水硬性セメント(アルミナセメントを除く)と水との混練物を主剤液(A液ともいう)とし、石膏とアルミナセメントと水との混練物を硬化剤液(B液ともいう)として、これらを組み合わせて地盤内に注入するとA液とB液との混合液は数分〜数十分で硬化することが知られている。
特許文献1には、可溶性アルミと無機硫酸塩との混合物を、セメント急硬剤としてセメントと混合する急硬性セメントの施工方法が開示され、そして、可溶性アルミとしては、結晶質および(または)無定形質のカルシウムアルミネートとこれにハロゲン元素が固溶したカルシウムハロアルミネートであり、特に好ましい鉱物は12CaO・7Al2O3またはこれにハロゲン元素が固溶した無定形物であることが、また、無機硫酸塩としては、無水,半水,二水のセッコウなどが使用でき、好ましくは無水セッコウであることが、記載されている。また、アルミナセメントとセッコウの混合物を添加したセメントが、急硬性セメントとして既に知られていることが記載されている。
また、微粉末スラグとアルカリ成分としての珪酸アルカリ、及び珪酸アルカリをゲル化させる硬化剤などを含んでなる薬液、さらにその薬液を地盤内に注入し硬化させて地盤を安定化させる方法などが知られている。
前記特許文献1にも記載されているように、一般に急硬性セメントは、短時間内に強度を発現する性質を有している反面、凝結時間が短いので取り扱い中に凝結硬化してしまい施工に支障をきたすという問題がある。
その対策として一般に、その凝結硬化を遅らせるために、急硬性セメントにグルコン酸、クエン酸等の有機カルボン酸やその塩などの凝結遅延剤を添加することが実施工の場面では必要不可欠である。ところが、凝結遅延剤を添加した場合でも、その効果は添加した凝結遅延剤の種類や量により変化し、更に温度や混練時間などの実施工における種々の付帯条件の影響を受ける。
前記のA液に対して、水硬性セメントに対するセメント急硬剤としての可溶性アルミと無機硫酸塩との混合物と、水との混練物を硬化剤液(B液)として、これらを組み合わせて地盤内に注入する地盤安定化工法においても、前記したと同様の問題点がある。
すなわち、可溶性アルミとして前記特許文献1に開示され、結晶質または無定形質のカルシウムアルミネートまたはこれにハロゲン元素が固溶したカルシウムハロアルミネートである、12CaO・7Al2O3,3CaO・Al2O3または11CaO・7Al2O3・CaF2を用いてB液を調整した場合には、B液それ自身が長くとも30分以内には凝結硬化してしまうので、実施工の場面では地盤内への注入作業中に、調液槽内やB液を圧送するための配管やポンプ内で硬化物が生成し、作業を継続することができなくなる恐れがある。
B液の凝結硬化を遅らせて施工上必要なB液の安定性を確保するには、B液を調製する際に、グルコン酸、クエン酸などの有機カルボン酸やその塩などの凝結遅延剤を添加することが必要であり、また凝結遅延剤を添加しても、その効果は添加した凝結遅延剤の種類や量により変化し、更に温度や混練時間やその実施工における種々の付帯条件の影響を受け、施工中、地盤内への注入前に不測の凝結が硬化が起こってB液を圧送できず、施工できなくなるという問題点がある。また、B液の硬化を遅延させるための凝結遅延剤は、セメント急硬材を水と混練してB液を調製する前に、あらかじめB液調製用の混練水に溶解させておくことを要し、施工現場での作業を煩雑なものにするという問題点もある。
また、当然のことではあるが、これら薬液として用いる材料を1液で調製した場合には、直ちに凝結硬化してしまい、施工できない。
なお、カルシウムアルミネートとしてCaO・Al2O3を用いたB液は、調製する際の水とカルシウムアルミネートとの量比にもよるが、3時間以上硬化せず、また、アルミナセメントを用いたB液はその硬化時間が7時間程度であり、いずれも施工上充分なB液の安定性を確保することはできるが、これらのB液とA液とを混合して形成される硬化体は、その圧縮強度が低いという問題点があった。
従来知られている方法では、凝結遅延剤を添加してもB液の安定性が悪かったり、B液の安定性が確保できてもA液とB液との混合液の地盤内での浸透性が悪かったり、あるいは、形成される硬化体の圧縮強度の発現が低いという問題点がある。
また、これらを解決するために本発明者らが先に出願した特許文献2や特許文献3は、アルミナセメントを除く水硬性セメントと水で調製した混練物(A液)と、所定の配合比率としたアルミナセメント・II型無水石膏と水とで調製した混練物(B液)とを、施工時に両液を混合して地盤に注入する土質安定用薬液および地盤安定化工法であって、これらに凝結遅延剤を添加することなくB液の十分な安定性を確保して、薬液の注入前に凝結硬化を起こして施工できなくなる恐れを解消し、A液とB液との混合物が所定の時間で硬化し、かつ形成される硬化体の圧縮強度は良好である土質安定用薬液および地盤安定化工法を提供した。
しかしながら、先に本出願人が提案した土質安定用薬液では、A液のアルミナセメントを除く水硬性セメントを高炉スラグ微粉末を主体とし、これにポルトランドセメントを含んでなる微粒子セメントに置き換え、そして所定の配合比率としたアルミナセメント、II型無水石膏及び水で調製した混練物(B液)を混練した場合には、圧縮強度が極端に低くなってしまうことがわかった。
また、他の薬液として、微粉末スラグにアルカリ成分として珪酸アルカリ、および珪酸アルカリをゲル化させるための硬化剤を含んでなる薬液が知られているが、この系統の薬液は、地盤内へ注入した時の浸透性に優れるものの、硬化後の強度発現性、特に初期強度の発現が悪いために、注入施工した場所の隣接した箇所を注入する場合には、ある程度の養生日数が必要であり、施工が長期にわたり、施工面でも経済面でも好ましくない。
特開昭50−16717号公報 特許第2929352号公報 特開平8−239660号公報
本発明の目的は、従来の方法における問題点を改善することはもとより、高炉スラグ微粉末を主体とし、これにポルトランドセメントを含んだ微粒子セメントとアルミナセメント・II型無水石膏を含んでなる組成物と水との混練物を調製し、調製した液を地盤に注入する土質安定用薬液及びそれを用いた地盤安定化工法であって、高炉スラグ微粉末を主体とした微粒子セメントを用いても、所定の硬化時間を有し、強度発現性に優れ、かつ、硬化剤としてアルミナセメント・II型無水石膏を用いても浸透性が良好であり、初期はもとより経時にわたって膨脹することがない土質安定用薬液および地盤安定化工法を提供することである。
本発明の土質安定用薬液において、その性能としての、ゲルタイム、浸透性、形成された硬化体の圧縮強度は、それぞれ次の規格を満たすことを目的とする。また、アルミナセメントとII型無水石膏をB液として使用した場合の安定性についても、次の規定を満たすことを目的とする。
・ゲルタイム・・・温度20℃において、粉体と水を混合して得られた薬液が、混合後30分〜5時間以内に硬化すること。
・浸透性・・・円柱型枠(内径:5cm)内に最密に充填した豊浦珪砂層の表面に、温度20℃において、薬液100mlを流し込んで自然に浸透させ、形成された硬化体における、薬液の硬化分と砂とが混在している部分の厚み(浸透深さ)が、30mm以上であること。
・硬化体の圧縮強度・・・200Lあたり、微粒子セメントとアルミナセメントおよびII型無水石膏の合計量を54kg含む薬液を用いたときに、形成された硬化体の材令28日の一軸圧縮強度が1.0N/mm2以上であること。
本発明者らは前記問題点を改善し課題を解決すべく鋭意検討し、高炉スラグ微粉末およびポルトランドセメントからなる微粒子セメントと、アルミナセメントおよびII型無水石膏を含んでなる土質安定用薬液および土質安定化工法において、ある特定のブレーン値に調製した微粒子セメントおよびII型無水石膏を用い、さらに微粒子セメントとアルミナセメント・II型無水石膏、アルミナセメントとII型無水石膏とを、ある特定範囲の量比となるように配合することによって、地盤内で良好な浸透性を示し、かつ所定の時間で硬化し、硬化体の強度発現性も良好であるという知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明の第一の発明は「高炉スラグ微粉末及びポルトランドセメントからなるブレーン値が8000〜15000cm2/gの微粒子セメント(a)と、アルミナセメント(b)及びブレーン値が5000cm2/g以上のII型無水石膏(c)を含んでなる土質安定用薬液であって、質量比でb:c=3〜23:97〜77及び(b+c)/(a+b+c)=10〜35%の範囲で水懸濁液として用いることを特徴とする土質安定用薬液。」を要旨とする。
また、第二の発明は、「高炉スラグ微粉末及びポルトランドセメントからなるブレーン値が8000〜15000cm2/gの微粒子セメント(a)と、アルミナセメント(b)及びブレーン値が5000cm2/g以上のII型無水石膏(c)を含んでなる土質安定用薬液であって、質量比b:c=3〜23:97〜77及び(b+c)/(a+b+c)=10〜35%の範囲で配合し、水と混練して地盤内に注入することを特徴とする地盤安定化工法。」を要旨とする。
本発明により、高炉スラグ微粉末およびポルトランドセメントからなる微粒子セメント(a)と、アルミナセメント(b)及びII型無水石膏(c)を含んでなる土質安定用薬液およびそれを用いた地盤安定化工法であって、薬液の地盤注入前に凝結硬化を起こして施工できなくなる恐れを解消することはもとより、硬化剤としてアルミナセメント・II型無水石膏を用いても地盤内で良好な浸透性を示し、30分〜5時間の範囲内に硬化し、かつ高炉スラグ微粉末を主としポルトランドセメントを含んだ微粒子セメントを用いても強度発現性が良好であり、更には、時間が経過しても膨脹することなく安定な硬化体を得ることができる、土質安定用薬液および地盤安定化工法を提供することができ、より確実に地盤を安定化させることができる。
以下、本発明について説明する。
本発明の土質安定用薬液に用いられる微粒子セメントとしては、高炉スラグ微粉末を主成分とし、これにポルトランドセメントを混合・粉砕したものである。ここでいう微粒子セメントには、高炉スラグとポルトランドセメントクリンカーに少量の石膏を混ぜ粉砕、または、別々に粉砕し混ぜ合わせた、JIS R 5211に規定される高炉セメントは含まない。
また、本発明で用いる微粒子セメントのブレーン値は、8000〜15000cm2/g、好ましくは9000〜15000cm2/g、さらに好ましくは10000〜15000cm2/gの範囲であるものを用いる。ブレーン値が8000cm2/g未満では薬液を地盤内に注入した時に浸透性が小さい。一方、ブレーン値が15000cm2/gを超えるものを用いても効果的には変わらず、むしろ粉砕に非常に手間を要し、好ましくない。
本発明に用いるアルミナセメントとしては、JIS-R2511「耐火物用アルミナセメント」規格に規定されているアルミナセメント1種〜5種、もしくはこれらに相当する品質を有するアルミナセメントを用いる。これらの内、アルミナセメント3種ないし4種、もしくはこれに相当する品質を有するものを用いるのが好ましい。
アルミナセメントは、CaO・Al2O3,CaO・2Al2O3などのカルシウムアルミネートを主成分とし、4CaO・Al2O3・Fe2O3などのカルシウムアルミノフェライト、2CaO・SiO2などのカルシウムシリケートおよび2CaO・Al2O3・SiO2などのカルシウムアルミノシリケートなどの化合物で構成されるセメントである。
本発明でアルミナセメント或いはアルミナセメントとII型無水石膏を微粒子セメントとは別に水懸濁液とした場合(いわゆる2液タイプ、3液タイプ)、前記したように、アルミナセメントは、前記特許文献1に開示された可溶性アルミとは異なる挙動を示す。すなわち、結晶質または無定形質のカルシウムアルミネートまたはこれにハロゲン元素が固溶したカルシウムハロアルミネートである12CaO・7Al2O3、3CaO・Al2O3または11CaO・7Al2O3・CaF2を硬化剤としてB液を調製したいときには、B液それ自身が調製後3時間以内に凝結硬化してしまう。これに対して、アルミナセメントを用いたB液の凝結硬化時間は7時間程度であり施工上充分な水懸濁液の安定性を確保することができる。
本発明には、更に、II型無水石膏を併用する。アルミナセメントとII型無水石膏の質量比は、アルミナセメント3〜23に対してII型無水石膏97〜77、好ましくはアルミナセメント5〜20に対してII型無水石膏80〜95、更に好ましくはアルミナセメント5〜15に対してII型無水石膏85〜95の範囲とする。アルミナセメント23に対してII型無水石膏の質量が77未満では、ゲルタイムが短かくなる、および/または28日強度が低く、本発明の目的を達成できない。一方、アルミナセメント3に対してII型無水石膏の質量が97を超えると、ゲルタイムが長くなり、本発明の目的を達成できなくなる。
石膏としては、II型無水石膏の形態のほかに、例えば、α半水石膏、β半水石膏、二水石膏、III型無水石膏などがあるが、これら石膏を用いると、何れも薬液を硬化させた時の固結体強度が弱く、本発明の目的を達成することができない。
但し、用いられるII形無水石膏の中に、II型無水石膏以外の他の形態の石膏が不純物として混入することは許容される。
さらにII型無水石膏としては、ブレーン値が5000cm2/g以上、好ましくは6000cm2/g以上、最も好ましいのは微粒子セメントと同等のブレーン値、つまり8000cm2/g〜15000cm2/gが良い。ブレーン値が5000cm2/g未満では、II型無水石膏の粒子が砂等の土粒子の粒子間を塞ぎ、浸透性が悪くなる。さらに、薬液を硬化させる際に、強度低下を起こしてしまう、或いは材料分離が激しくなり、均一な固結体を形成しなくなる。一方、15000cm2/g以上の粒子を用いることも可能ではあるが、粉砕時間が長くなり、コストが嵩む、など効率的でなくなるために、実用的でなくなる。
薬液における微粒子セメント(a)、アルミナセメント(b)及びII型無水石膏(c)の合計量(a+b+c)に対するアルミナセメント(b)及びII型無水石膏(c)の合計量(b+c)の質量比(b+c)/(a+b+c)は、10〜35%、好ましくは15〜30%の範囲である。アルミナセメント及びII型無水石膏の合計量の質量比が10%未満では、ゲルタイムが長くなる、および/または薬液を硬化させた時の固結体強度が弱く、本発明の目的を達成することができない。一方、アルミナセメント及びII型無水石膏の合計量の質量比が35%を超えると、薬液を硬化させた時の固結体強度が弱くなる、および/またはゲルタイムが短く、本発明の目的を達成することができない。
さらに薬液における微粒子セメント、アルミナセメント及びII型無水石膏の合計量は、薬液200Lあたり45〜90kgの範囲で配合して用いることが良い。薬液200Lあたりの微粒子セメント、アルミナセメント及びII型無水石膏の合計量が45kg未満である場合には、単位体積あたりの粉体量が不足する為に、地盤に浸透した後の止水効果が乏しくなり好ましくない。また、薬液200Lあたりの微粒子セメント、アルミナセメント及びII型無水石膏の合計量が90kgを超えると固結体強度は充分に得られるが、薬液の粘度が高くなることから浸透性が悪くなり好ましくない。
本発明の土質安定用薬液は、例えばA液とB液を混合して使用することができる。A液には微粒子セメントと水とを混練・調製した水懸濁液、B液にはアルミナセメントとII型無水石膏と水とを混練・調製した水懸濁液の形態を例示することができる。
当然のことではあるが、2液だけでなく、1液や3液など、どの様な形態にしてもよく施工条件や施工上の作業性に応じ、適宜使い分けることができる。
1液の場合には、微粒子セメント・アルミナセメント・II型無水石膏と水とを混練し調製する。また、2液の場合にも、上記以外の粉体の分け方として、微粒子セメント・II型無水石膏−アルミナセメント(A液側−B液側にそれぞれ添加することを示す)など、種々の形態で調製し、混合することが可能である。さらに微粒子セメント、アルミナセメント、II型無水石膏、それぞれを水と混練調製し、混合することもできる。
ゲルタイムや施工条件にもよるが、1液あるいは2液の形態をとることが好ましい。さらに2液の場合には、微粒子セメントをA液、アルミナセメント・II型無水石膏をB液にそれぞれ加えて調製し、混合することが好ましい。この形態をとることにより、特にB液の安定性は充分に確保される。
また、微粒子セメント、アルミナセメント、II型無水石膏の包装形態としては、それぞれを予めブレンドし、プレミックスにすることもできるし、アルミナセメントとII型無水石膏だけをブレンド、あるいはそれぞれを別々に包装し、現場へ搬入し用いることもできる。従って、本発明の規定する範囲内であれば、どの様な形態をとることも可能であり特に限定されるものではない。
ゲルタイムや施工条件にもよるが、微粒子セメント、アルミナセメント、II型無水石膏の包装形態としては、1液の場合には、それぞれを予めブレンドし、プレミックスにした形態をとるのが、現場での作業を簡略化できるため、効率的で好ましい。また、2液の場合には、微粒子セメントを個別包装、アルミナセメントとII型無水石膏を予めブレンドし、ブレンドしたものを包装した形態をとることができる。
本発明の土質安定用薬液を用いた地盤安定化工法においては、ゲルタイムや施工条件にもよるが、1液あるいは2液の形態で地盤内に注入する。1液で注入する場合の方法としては、たとえば、前記の量比で微粒子セメント・アルミナセメント・II型無水石膏と水を混合調製し、調製した薬液をポンプを用いて圧送する方法が挙げられる。
また、2液で注入する場合の方法としては、たとえば、前記配合の量比となるように、A液に微粒子セメントと水の懸濁液を、B液にアルミナセメントとII型無水石膏と水の懸濁液をそれぞれ調製し、調製したA液とB液それぞれを、単位時間当りの送液容量が等しいポンプを用いて個別にY字管、装置、注入管内に設けられた混合室(管内混合器・管路混合器)などに圧送して混合する方法が挙げられる。本発明の地盤安定化工法においては、前記の方法により調製した薬液を、単管式・多重管式・多管式などの各種注入管を用いて地盤内に注入し硬化させて地盤を安定化させる。また、噴射ノズルを有する注入管を用いて圧力5〜50MPaで噴射することもできる。
本発明の薬液には、必要に応じて、減水剤など、通常各種セメントに用いられるセメント混和剤を添加することができる。例えば、減水剤としては、リグニンスルホン酸塩またはその誘導体・オキシ有機酸塩・アルキルアリルスルホン酸塩・ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオール複合体・高級多価アルコールスルホン酸塩・メラミンホルマリン縮合物スルホン酸塩などを主成分とする各種の減水剤・分散剤・高性能減水剤・流動化剤を挙げることができる。
次に、実施例および比較例によって、本発明を具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
また、以下に1液の形態で用いた場合の実施例を示すが、当然のことながらこれに限定されるものではない。
実施例および比較例
・微粒子セメント・・・高炉スラグ(市販品)および普通ポルトランドセメント(市販品)を粉砕して種々のブレーン値になる様調製し、微粒子セメントを得る。
・II型無水石膏・・・II型無水石膏(市販品)を粉砕し、種々のブレーン値になるよう調製した。
・アルミナセメント・・・アルミナセメントは市販品をそのまま用いた。
上記のように調製した微粒子セメントとアルミナセメントおよびII型無水石膏を表1に示す割合で配合した後に水を加えて混練りし、練り上がりの容量が200Lとなるように水量を調整して薬液を調製した。また、表2においても記載の割合になるように同様に調製した。
上記のようにして調製した薬液を用いて後記の項目の試験を行った。
表1に微粒子セメント(a)中の高炉スラグ(S)およびポルトランドセメント(PC)の比率(質量比:S:PC)と微粒子セメントのブレーン値および配合割合、アルミナセメント(b)の配合割合、II型無水石膏(c)のブレーン値および配合割合、アルミナセメントとII型無水石膏の質量比b:c、粉体中のアルミナセメント及びII型無水石膏の合計量と、微粒子セメント、アルミナセメント及びII型無水石膏の合計量との質量比(b+c)/(a+b+c)を示した。
また、表2に微粒子セメント(a)のブレーン値および配合割合、アルミナセメント(b)の配合割合、II型無水石膏(c)のブレーン値および配合割合、アルミナセメントとII型無水石膏の質量比b:c、粉体中のアルミナセメント及びII型無水石膏の合計量と、微粒子セメント、アルミナセメント及びII型無水石膏の合計量との質量比(b+c)/(a+b+c)、200L当りの微粒子セメント、アルミナセメントおよびII型無水石膏の合計粉体量(a+b+c)を示した。
試験項目、試験方法ならびに表示記号と評価内容は、次の通りである。
・ゲルタイム・・・温度20℃において充分に混合した薬液を容器内に静置し、混合後容器を傾けても内容物(粉体層)が動かなくなるまでの所要時間を測定し、ゲルタイムとした。
○・・・ゲルタイムが、30分〜5時間の範囲内であった。
×・・・ゲルタイムが、30分未満または5時間を超えた。
・浸透性・・・温度20℃において、薬液100mlを、円柱型枠(内径:5cm)内に最密充填した豊浦珪砂層の表面に流し込んで自然浸透させ、形成された硬化体について薬液の硬化分と砂とが混在している部分の厚みを測定し、浸透深さとした。
○・・・浸透深さが、30mm以上あった。
×・・・浸透深さが、30mm未満であった。
・硬化体の圧縮強度・・・温度20℃において、充分に混合された薬液を円柱形の型枠(径5cm×高さ10cm)内に流し込み、形成された硬化体を1日後に脱型し、材令28日まで水中養生し、一軸圧縮強度を測定した。
○・・・圧縮強度値が、1.0N/mm2以上であった。
×・・・硬化体が1日後に脱型できなかった、または圧縮強度値が、1.0N/mm2未満であった。
実験No.1は、微粒子セメントではなくスラグ単独を用いた場合、実験No.2〜5は、微粒子セメントのブレーン値の影響を示す。微粒子セメントの代わりにスラグ単独を用いた場合では、硬化時間が長く、かつ初期強度発現性が悪く(実験No.1)、本発明の目的が達成されなかった。また、微粒子セメントのブレーン値が8000cm2/g未満では、薬液の浸透深さが小さく(実験No.5)、本発明の目的が達成されなかった。
実験No.6〜10は、アルミナセメントとII型無水石膏との合計に対するII型無水石膏の質量比の影響を示す。II型無水石膏の質量比が、アルミナセメントとII型無水石膏の合計に対し77未満では、硬化時間が短く、薬液の浸透深さも小さく、かつ強度発現性も悪い(実験No.6)。一方、II型無水石膏の質量比が97を超えると、硬化時間が長くなり(実験No.10)、いずれも本発明の目的を達成することができなかった。
実験No.11〜12は、II型無水石膏のブレーン値の影響を示す。II型無水石膏のブレーン値が5000cm2/g未満では、薬液の浸透深さが小さく、強度発現性も悪くなり(実験No.11)、本発明の目的を達成することができなかった。
実験No.13〜21は、微粒子セメント・アルミナセメント・II型無水石膏の合計量に対するアルミナセメント・II型無水石膏の質量比(b+c)/(a+b+c)の影響を示す。アルミナセメント・II型無水石膏の質量比が10%未満では、硬化時間が長い(実験No.13)、或いは強度発現性が悪い(実験No.18)。一方、アルミナセメント・II型無水石膏の質量比が35%を超えると、強度発現性が悪くなる(実験No.17)、或いは硬化時間が短くなり、強度発現性が悪くなる(実験No.21)。
これに対して本発明の要件を満たした場合には、いずれも、30分〜5時間の間に硬化し、浸透深さが30mm以上であって、形成された硬化体の強度の発現性も良く、本発明の目的を達成することができた(実験No.2〜4,7〜9,12,14〜16,19〜20,22〜26)。
Figure 2005232312
Figure 2005232312

Claims (2)

  1. 高炉スラグ微粉末及びポルトランドセメントからなるブレーン値が8000〜15000cm2/gの微粒子セメント(a)と、アルミナセメント(b)及びブレーン値が5000cm2/g以上のII型無水石膏(c)を含んでなる土質安定用薬液であって、質量比b:c=3〜23:97〜77及び(b+c)/(a+b+c)=10〜35%の範囲で水懸濁液として用いることを特徴とする土質安定用薬液。
  2. 高炉スラグ微粉末およびポルトランドセメントからなるブレーン値が8000〜15000cm2/gの微粒子セメント(a)と、アルミナセメント(b)およびブレーン値が5000cm2/g以上のII型無水石膏(c)を含んでなる土質安定用薬液であって、質量比b:c=3〜23:97〜77及び(b+c)/(a+b+c)=10〜35%の範囲で配合し、水と混練して地盤内に注入することを特徴とする地盤安定化工法。
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