JP2011121333A - ポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本やコミックのスリーブ包装に適した、透明性、光沢性、包装仕上がり性、溶断シール性に優れ、廃棄処分が容易でコスト面に優れたポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルムを提供する。
【解決手段】プロピレン系樹脂を主体とする層を少なくとも1層以上含み、チューブラー二軸延伸により縦横とも延伸倍率3.5〜6.0倍の延伸加工を施した後、縦方向に1.05倍〜1.5倍の延伸加工を施す事を特徴とするポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、本やコミックのスリーブ包装に適した、透明性、光沢性、包装仕上がり性、溶断シール性に優れ、廃棄処分が容易でコスト面に優れたポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルムに関する。
従来から被包装物を熱収縮性フィルムで収縮包装する事は、被包装物の保護、不規則な形状の被包装物も美しく包装できること、自動包装に適していることなどの理由から広く利用されている。これらの収縮包装に使用されている熱収縮性フィルムは、被包装物の形状、出荷形態、包装速度、包装機械等に応じて選択され、例えばスリーブ収縮包装、オーバーラップ収縮包装、ストレッチ収縮包装等があり、包装方式によって要求される特性も異なっている。
現在、書店で販売される本やコミックの包装においても、汚れ防止、陳列の際の美観、包装形態の簡易性からスリーブ包装が多く用いられるようになり、主に透明性、光沢性、低温収縮性に優れたポリ塩化ビニル系フィルムが用いられている。しかしながら、ポリ塩化ビニル系フィルムは、使用後のフィルムの焼却処理時に塩化水素を発生する、また、ポリオレフィン系フィルムに比べると価格が高いという問題があった。
また、スリーブ包装の場合、ポリ塩化ビニル系フィルムのほかに、ポリエチレンを主原料としたインフレーション法で製造されたフィルムが従来から広く用いられている。インフレーション法で製造されたフィルムは、原料の融点以上で延伸されるため、低温シール性は優れるが、透明性や光沢性が劣り、耐熱性と低温収縮性に乏しい。そのため、本やコミックを収縮包装した際には、透明性、光沢性が悪く、また、収縮性が乏しくシワが多いため、見栄えが悪いといった問題があった。
更に、ポリプロピレンを主原料としてチューブラー延伸法で製造されたスリーブ包装にも適するフィルムとして、特開昭55−103931号公報にはチューブラー延伸後に縦方向に再延伸を行った熱収縮性フィルムの製造方法が提案されている。しかしながら、該発明で得られたフィルムは、チューブラー延伸の延伸倍率が小さいため、本やコミックを収縮包装した際には、透明性や光沢性が十分ではなく、低温収縮性に劣るため収縮包装後にシワが多く、見栄えが悪いといった問題があった。
特開昭55−103931号公報
本発明は、上記状況を鑑みてなされたもので、本やコミックのスリーブ包装に適した、透明性、光沢性、包装仕上がり性、溶断シール性に優れ、廃棄処分が容易でコスト面に優れたポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルムを提供する事を課題とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、プロピレン系樹脂を主体としたフィルムの延伸加工条件を特定にすることによって、このような要求特性を満足するフィルムが得られる事を見出した。
即ち、本発明は、
(1)プロピレン系樹脂を主体とする層を少なくとも1層以上含み、チューブラー二軸延伸により縦横とも延伸倍率3.5〜6.0倍の延伸加工を施した後、熱ロールを用いて原料の融点よりも10℃以上低い温度で縦方向に1.05倍〜1.5倍の延伸加工を施す事を特徴とするポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム、
(2)厚みが6〜12μmである事を特徴とする上記(1)記載のポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム、
(3)プロピレン系樹脂を主体とする層を両表面層と、エチレン系樹脂を主体とする内部層を有する少なくとも3層以上である事を特徴とする上記(1)または(2)に記載のポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム、
(4)プロピレン系樹脂を主体とする層を両表面層と、メタロセン触媒を用いて製造されるプロピレン系樹脂(以下、「メタロセンPP」と記す)を主体とする両中間層と、エチレン系樹脂を主体とする芯層を有する5層である事を特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム、
(5)書籍の熱収縮包装に用いる事を特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム、
に係るものである。
本発明のポリオレフィン系熱収縮性フィルムは、本やコミック等の書籍のスリーブ包装に適した、透明性、光沢性、包装仕上がり性、溶断シール性に優れ、廃棄処分が容易でコスト面に優れる、という効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムを製造するには、まず未延伸のポリオレフィン系熱収縮性フィルムについてはチューブラー二軸延伸を行う。チューブラー延伸の延伸倍率は、縦横共に3.5〜6.0倍が好ましい。延伸倍率が3.5倍未満であると、良好な透明性、光沢性、及び十分な収縮性が得られないため、本やコミックを包装した際に見栄えが悪くなってしまい好ましくない。延伸倍率が6倍を超えると、低温収縮性、耐引裂性、耐衝撃性が低下するため好ましくない。
チューブラー延伸後のフィルムについて、再延伸を行う。この再延伸は、熱ロールを用いて原料の融点よりも10℃以上低い温度で行う必要があり、縦方向に1.05〜1.5倍に延伸することによって、低温収縮性、縦方向の収縮性に優れ、横方向の収縮を抑制でき、包装時にシワがなく、スリーブ面のめくれもないフィルムを得ることができる。チューブラー延伸後、原料の融点−10℃よりも高い温度で再延伸すると、フィルムが破断したり、縦方向の収縮性が十分得られず、収縮力も小さくなるため、十分な包装仕上がり性を得ることができない。また、原料の融点−10℃よりも高い温度で緊張熱処理や弛緩処理の後、縦方向に延伸を行っても、チューブラー延伸で付与した縦方向と横方向の延伸配向が完全に緩和してしまって、耐引裂き性などの強度が著しく低下してしまう。
再延伸の倍率は、1.05〜1.5倍が好ましく、1.1〜1.3倍が更に好ましい。再延伸倍率が1.05倍未満の場合、横方向の収縮が大きいためスリーブ面のめくれが大きく、また、縦方向の収縮が不足し、シワが多く見栄えが悪くなるため好ましくない。再延伸倍率が1.5倍を超える場合は、再延伸時にフィルムが破断しやすくなるため好ましくない。
本発明における表面層に用いる樹脂としては、本やコミックの包装が溶断シール方式である事から、特にプロピレン系樹脂である事が好ましい。表層にポリエチレン系樹脂を用いることもできるが、溶断シールバーに樹脂が融着し、糸を引いた状態となりやすいため、特に背表紙にシール線がくる本やコミックの包装では見栄えが悪くなるので好ましくない。
本発明において用いられるプロピレン系樹脂とは、示差走査熱量計(以下、DSCと記す。)によって測定される融解ピーク温度が130〜165℃、メルトフローレート(以下MFRと記す、測定温度230℃、荷重2.16kgf)が1.0〜10.0g/10分の範囲のものであるプロピレン単独重合体またはプロピレンとα−オレフィンの共重合体である。例えばプロピレン−エチレン、プロピレン−ブテン共重合体等、及びプロピレン−エチレン−ブテン3元共重合体が挙げられ、主に耐熱性、高弾性率を付与する作用を成す。これらの内、耐熱性、高弾性率、熱収縮特性と透明性のバランスを考慮して、結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。
プロピレン系樹脂の融解ピーク温度が130℃未満では耐熱性が低いため好ましくなく、165℃を超えると低温収縮性が低下するため好ましくない。また、MFRが1.0g/10分未満では、溶融押出時のモーター負荷が高くなる等の問題点があり、10.0g/10分を超えると自動包装機使用時の溶断シール性が低下するため好ましくない。
本発明において、プロピレン系樹脂を主体とする層を1層以上含めば問題ないが、エチレン系樹脂と積層した3層以上の構成にする事で、低温収縮性、耐引裂性、耐衝撃性を向上させることができる。更に、メタロセンPPを積層した5層以上の構成にする事で、低温収縮性を向上させ、弾性率も付与できるため自動包装時の作業性を高める事ができる。
前述のプロピレン系樹脂及び後述のエチレン系樹脂と積層して用いるメタロセンPPは、融解ピーク温度が110〜130℃の範囲のものであり、110℃未満では多層フィルム全体としての耐熱性が低くなるため好ましくなく、130℃を超えると低温収縮性が低下するため好ましくない。MFRは、0.5〜10.0g/10分のものが好適に用いられる。0.5g/10分未満では溶融押出時のモーター負荷が高くなる等の問題点があり、10.0g/10分を超えると溶断シール性が低下するため好ましくない。
前述のプロピレン系樹脂及びメタロセンPPと積層して用いるエチレン系樹脂は、23℃における密度が0.900〜0.940g/cmの範囲のもので、長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン、エチレンとブテン―1、ペンテン―1、ヘキセン―1、4−メチルペンテン―1、オクテン―1を含む炭素数4〜20個のα―オレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン―酢酸ビニル共重合体、エチレン―脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン―脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも1種以上からなり、低温収縮性、耐引裂性、耐衝撃性を付与する作用をなす。これらの内、優れた低温収縮性を付与できる点から直鎖状低密度ポリエチレンが好適に用いられる。
ポリエチレン系樹脂の密度が0.900g/cm未満では引張弾性率や耐熱性が低下するため好ましくなく、0.940g/cmを越えると低温収縮性が低下するため好ましくない。また、メルトインデックス(以下MIと記す、測定温度190℃、荷重2.16kgf)は、0.3〜5.0g/10分のものが好適に用いられる。0.3g/10分未満では押出時のモーター負荷が高くなる等の問題点があり、5.0g/10分を越えると延伸安定性が低下するため好ましくない。
本発明の層構成は、プロピレン系樹脂を主体とする層を少なくとも1層以上含めば問題ない。また、本発明の目的に支障をきたさない範囲で、プロピレン系樹脂、メタロセンPP、エチレン系樹脂を混合して使用することができる。混合できる樹脂としては、本発明で使用するプロピレン系樹脂、メタロセンPP、エチレン系樹脂と同じであり、スクラップの再利用として用いることもできる。
各層には、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、酸化防止剤、核剤等の添加剤をそれぞれの有効な作用を具備させる目的で適宜使用することができる。
本発明における、ポリオレフィン系熱収縮性フィルムの厚みは、仕上がり性、溶断シール性を考慮し、6〜12μmが好ましく、更に好ましくは、8〜10μmが好ましい。本発明のフィルムの厚みが12μmを超えると、良好な仕上がり性、溶断シール性が得られにくい。また、6μm未満では、耐引裂性、耐衝撃性が低下するので好ましくない。
次に、本発明のフィルムの製造方法を示す。前記の樹脂を用いて本発明のフィルムを製造する方法は、公知のチューブラー延伸法、ロール再延伸法で行うことができる。
以下、3層積層環状製膜延伸の場合を例に挙げ、具体的に説明する。
まず、プロピレン系樹脂が両表面層、エチレン系樹脂を芯層となるように3台の押出機により溶融混練し、3層環状ダイより管状に共押出し、延伸することなく一旦急冷固化してチューブ状未延伸フィルムを作製する。得られたチューブ状未延伸フィルムを、チューブラー延伸装置に供給し、高度の配向可能な温度範囲、例えば芯層の融点以下10℃、好ましくは融点以下15℃よりも低い温度でチューブ内部にガス圧を適用して膨張延伸により同時二軸配向を起こさせる。延伸倍率は、優れた透明性、光沢性、収縮性などの物性を得るためには縦横ともに3〜6倍に延伸するのが好適である。
チューブラー延伸工程の後に、芯層原料の融点よりも10℃以上低い温度、例えば60〜100℃の加温ロールと20〜40℃の冷却ロール間にて縦方向に1.05倍以上に延伸し、その後アニーリングを行う。加温ロールと冷却ロールの組み合わせは1対に限らず、2対以上になってもよい。製品厚みは、チューブラー延伸やロール再延伸の延伸倍率を考慮して、チューブ状未延伸フィルムの厚みで調整され、厚み6〜12μmにする。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例の中で示した各物性測定は以下の方法によった。
1.フィルム厚み:JIS−Z1709に準じて測定した。
2.厚み比:フィルムの断面を顕微鏡で観察することにより測定した。
3.ヘイズ:JIS−K7105に準じて測定した。
4.グロス(60°):JIS−Z7105に準じて測定した。
5.120℃熱収縮率:縦横それぞれ100mmの正方形に切り取ったフィルムを120℃のグリセリン浴中に10秒間浸漬した後、水中で急冷し、縦横それぞれの長さを測定し、式(1)により縦、横の熱収縮率を算出した。
Figure 2011121333
6.スリーブ包装適性:ダイワテックス(株)製コミックシュリンカーPAPC LC IIを用いて市販の大判コミックを包装し、下記項目について下記の基準で評価した。
<シワ>
○:包装後、シワが全くない。
×:包装後、シワが目立つ。
<スリーブ面のめくれ>
○:スリーブ面のめくれがなく、コミックが問題なく包装されている。
×:スリーブ面のめくれが大きく、コミックがむき出しになっている部分がある。
<溶断シール性>
○:シールの切れがよく、糸を引いた状態も観察されない。
△:シールの切れがやや悪く、わずかに糸を引いた状態が観察される。
×:シールの切れが悪く、糸を引いた状態が観察される。
実施例1
表1に示すように、融解ピーク温度が140℃、MFRが2.3g/10分の特性を有するプロピレン−エチレン共重合体樹脂を両表面層とし、融解ピーク温度が125℃、MFRが4.0g/10分の特性を有するメタロセンPPを中間層とし、密度が0.920g/cm、MIが1.0g/10分の特性を有する直鎖状低密度ポリエチレンを芯層として、5台の押出機で溶融混練し、厚み比が1/1/5/1/1になるように各押出機の押出量を設定し、5層環状ダイスにより下向きに共押出した。形成された5層構成チューブを、内側は冷却水が循環している円筒状冷却マンドレルの外表面を摺動させながら、外側は水槽を通すことにより冷却して引き取り、未延伸フィルムを得た。
このチューブ状未延伸フィルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、縦横それぞれ4.5×4.5倍に延伸し、この延伸フィルムを熱ロール装置に導き、80℃の加温ロールと30℃の冷却ロールの2つのロール間で1.15倍に延伸をおこなった後、更に30〜90℃に適宜調整された熱ロールで数%程度の弛緩熱処理を施し、上下2枚に切り開き、上下それぞれを1枚で1本のロールに巻取り、フィルム厚み9μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例2
表1に示すように、熱ロール装置の加温ロールを90℃にした以外は実施例1と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例3
表1に示すように、加温ロールと冷却ロールの2つのロール間で1.2倍に延伸をおこなった以外は実施例2と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例4
表1に示すように、加温ロールと冷却ロールの2つのロール間で1.28倍に延伸をおこなった以外は実施例2と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例5
表1に示すように、溶解ピーク温度が138℃、MFRが2.5g/10分の特性を有するプロピレン−エチレン共重合体樹脂を単層として、1台の押出機で溶融混練し、ダイスにより下向きに共押出し、延伸倍率を4.0×4.0とした以外は実施例3と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例6
表1に示すように、融解ピーク温度が140℃、MFRが2.3g/10分の特性を有するプロピレン−エチレン共重合体樹脂を両表面層とし、融解ピーク温度が115℃、MIが2.0g/10分の特性を有する直鎖状低密度ポリエチレンを芯層として、3台の押出機で溶融混練し、厚み比が1/5/1になるように各押出機の押出量を設定し、3層環状ダイスにより下向きに共押出し、延伸倍率を5.0×5.0にした以外は実施例3と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、良好なものであった。
実施例7
表1に示すように、フィルム厚みを13.5μmとした以外は実施例3と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表1に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、厚みが12μmを越えるため、溶断シール時の切れがやや悪く、包装後の見栄えに若干影響した。
比較例1
表2に示すように、チューブラー延伸した後、30〜90℃に適宜調整された熱ロールで数%程度の弛緩処理を施した以外は実施例1と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表2に示す通りで、横方向の収縮が大きく、シワ、スリーブ面のめくれも多く、包装後の見栄えが悪く、本やコミックが汚れる可能性がある。
比較例2
表2に示すように、チューブラー延伸した後、30〜90℃に適宜調整された熱ロールで数%程度の弛緩処理を施した以外は実施例5と同様の方法で積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動もなく、またネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、平面性も良好であった。得られたフィルムの評価結果は、表2に示す通りで、横方向の収縮が大きく、シワ、スリーブ面のめくれも多く、包装後の見栄えが悪く、本やコミックが汚れる可能性がある。
比較例3
表2に示すように、延伸倍率を2.8×2.8とした以外は実施例3と同様の方法で、フィルム厚み9μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
表2に示すように、延伸性は良好で、延伸点の上下動や延伸チューブの揺動はなかったが、ややネッキングなどの不均一延伸状態が観察されず、平面性がやや劣るものであった。得られたフィルムの評価結果は、表1に示す通りで、透明性、光沢性が劣り、収縮性も劣るため、シワが多く、包装後の見栄えが悪かった。
Figure 2011121333
Figure 2011121333
本発明の熱収縮性包装材料は、本やコミックのスリーブ包装に適した、透明性、光沢性、包装仕上がり性、溶断シール性に優れ、廃棄処分が容易でコスト面に優れたポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルムとして好適に用いることができる。


Claims (5)

  1. プロピレン系樹脂を主体とする層を少なくとも1層以上含み、チューブラー二軸延伸により縦横とも延伸倍率3.5〜6.0倍の延伸加工を施した後、熱ロールを用いて原料の融点よりも10℃以上低い温度で縦方向に1.05倍〜1.5倍の延伸加工を施す事を特徴とするポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム。
  2. 厚みが6〜12μmである事を特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム。
  3. プロピレン系樹脂を主体とする層を両表面層と、エチレン系樹脂を主体とする内部層を有する少なくとも3層以上である事を特徴とする請求項1または2に記載のポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム。
  4. プロピレン系樹脂を主体とする層を両表面層と、メタロセン触媒を用いて製造されるプロピレン系樹脂を主体とする両中間層と、エチレン系樹脂を主体とする芯層を有する5層である事を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム。
  5. 書籍の熱収縮包装に用いる事を特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン系スリーブ包装用熱収縮性フィルム。
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