JP2011116930A - 植物由来接着剤と植物由来組成物および木質複合材料 - Google Patents

植物由来接着剤と植物由来組成物および木質複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】ホルムアルデヒドの放散を抑制することが可能な高い接着性を有する植物由来接着剤と植物由来組成物および木質複合材料を提供する。
【解決手段】水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と、水溶性エポキシ化合物とを含み、水溶性エポキシ化合物が、2以上のエポキシ基を有し、分子量が300以下であり、水溶性ポリフェノールが、加水分解型タンニン、縮合型タンニン、部分脱スルホン化リグニンスルホン酸である接着剤および、該接着剤を木質基材に塗布後、加熱により成形硬化させたことを特徴とする木質複合材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物由来接着剤と植物由来組成物および木質複合材料に関する。
近年、地球温暖化等の環境問題に対する関心が高まるにつれ、プラスチック分野においては、石油由来の材料に代替するものとして、低エミッションかつカーボンニュートラルな植物由来の分解物を重合して得られる樹脂に注目が集まってきている。中でも、植物由来の分解物の一種である乳酸を重合して得られたポリ乳酸は、結晶性を有し、他の植物由来樹脂と比較して物性の高い樹脂の一つであり、大量生産も可能で生産コストも比較的低い。しかし、ポリ乳酸は熱可塑性樹脂であり、汎用の石油由来の熱可塑性樹脂(PE、PP、ABS等)に比較すると、耐熱性と機械的特性が低いために、広く普及するには至っていない。また、ポリ乳酸は石油系の接着剤を代替できるような物性を有していない。
元来、木質用接着剤としては、バイオマス由来が中心でカゼインや大豆グルー、ニカワ等が用いられていたが、物性等が劣りユリア、メラミン、フェノール等の石油由来の接着剤に置き換わっていった。
一般の木質用接着剤(ユリア、メラミン、フェノール)は石油由来で、ホルムアルデヒドを硬化剤としている。水性であることが接着剤としての要件となっている。これらの接着剤はホルムアルデヒドの放散が問題となっており、低減策が施されているが、完全にホルムアルデヒドの放散を抑制することはできない。ホルムアルデヒドを放散しないイソシアネート系の接着剤も開発されているが、水分との反応や金属との結合等が課題となっており広く普及していない。
一方、木材や樹皮等に含まれるポリフェノール類であるタンニンは、製材やパルプ利用において廃棄物となるため、これを有効利用しようという試みが古くからなされてきた。
例えば、タンニンやリグニンは化学構造がフェノール樹脂に類似していることから、フェノール樹脂と同様にタンニンやリグニンをホルムアルデヒドと反応させ縮合させて接着剤として用いることが検討されてきた(特許文献1参照)。さらに、フェノール樹脂のメチロール基とタンニンやリグニンとの反応を期待して、フェノール樹脂にタンニンやリグニンを添加し、タンニンやリグニンをフェノール樹脂の高分子骨格の中に取り込む検討もなされてきた(非特許文献1、2参照)。
タンニンやリグニンを有効利用しようという他の試みとして、タンニンやリグニンのフェノール性水酸基とポリイソシアネートを反応させてウレタン樹脂とすること等が検討されている(非特許文献2参照)。
しかしながら、タンニンやリグニン等をホルムアルデヒドを用いて反応させる場合、残留したホルムアルデヒドや加水分解によって発生したホルムアルデヒドが放散されるという問題があった。また、タンニンやリグニンの反応性が従来のフェノール樹脂よりも低いため、物性と生産性が劣り、上記の技術は広く実用化されていないのが現状である。
このため、反応性の高いエポキシ化合物を用いることが提案されている(特許文献2、3参照)。また、タンニンとエポキシ化合物と第3級アミン(ヘキサメチレンテトラミン/トリエチルアミン等)とを混合することにより接着剤として利用することも提案されている(特許文献4、5参照)。
特許3796604号公報 特開2002−53699号公報 特表2000−514112号公報 特開2004−231814号公報 特開2009−102604号公報
「木質新素材ハンドブック」技報堂出版p. 361 「ウッドケミカルスの新展開」 シーエムシー出版p. 225(2007) 「木材の接着・接着剤」 産調出版p. 189
しかしながら、特許文献2では、エポキシ化合物とリグニンの反応についての実施例のみが記載されており、エポキシ化合物とタンニンの反応については実施例が記載されていない。この特許文献2の段落0029には、「リグニンのフェノール基、水酸基、およびカルボニル基は、エポキシまたはアミノアルデヒド架橋剤と反応する。」と記載されている。しかしながら、エポキシとタンニンを混合した場合にはエポキシ同士の自重合が優先的に起こる。これはタンニンとアミノアルデヒドとの反応性が比較的高いのに対して、エポキシとタンニンとの反応性が低いことが原因と考えられ、エポキシ化合物とタンニンを反応させることは非常に難しい。
また、特許文献3では、エポキシ化合物およびタンニンの他に無機酸化物粒子を必須としている。しかしながら、タンニンがタンパク質を捕集できる旨が記載されていることから、エポキシ化合物とタンニンとは架橋しておらず、接着剤として利用できる硬化物ができるものではない。
特許文献4,5では、第3級アミンが必須であり、エポキシ化合物とタンニンの反応よりエポキシ化合物と第3級アミンの反応が主体になっている。また、ヘキサメチレンテトラミン等の第3級アミンは加水分解によりホルムアルデヒドを生じるため、ホルムアルデヒドの放散を完全に抑制することができない。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、ホルムアルデヒドの放散を抑制することが可能な高い接着性を有する植物由来接着剤と植物由来組成物および木質複合材料を提供することを課題としている。
本発明は以下のことを特徴としている。
第1に、本発明の植物由来接着剤は、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と、水溶性エポキシ化合物とを含むことを特徴とする。
第2に、上記第1の発明において、水溶性エポキシ化合物が、2以上のエポキシ基を有していることを特徴とする。
第3に、上記第1または第2の発明において、水溶性エポキシ化合物の分子量が、300以下であることを特徴とする。
第4に、上記第1ないし第3の発明において、水溶性エポキシ化合物の含有量が、水溶性ポリフェノール100質量部に対して60質量部以上400質量部以下であることを特徴とする。
第5に、上記第1ないし第4の発明において、水溶性ポリフェノールが、加水分解型タンニンであることを特徴とする。
第6に、上記第1ないし第4の発明において、水溶性ポリフェノールが、縮合型タンニンであることを特徴とする。
第7に、上記第1ないし第4の発明において、水溶性ポリフェノールが、部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩であることを特徴とする。
第8に、本発明の植物由来組成物は、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と、水溶性エポキシ化合物とを含むことを特徴とする。
第9に、本発明の木質複合材料は、上記第1から第7のいずれか一項に記載の植物由来接着剤を木質基材に塗布後、加熱により成形硬化させたことを特徴とする。
第10に、本発明の木質複合材料は、上記第5から第7のいずれか一項に記載の植物由来接着剤を木質基材に塗布し、110℃以上200℃以下の温度で成形硬化させたことを特徴とする。
上記第1の発明によれば、加熱により高い接着性が発現する。
一般に水溶性ポリフェノールに含まれる水酸基は反応性が低く、単純に一般のエポキシ化合物と混合しても反応しないか、その反応は非常に遅い。そのためエポキシ化合物同士の自重合が優先的に起こり、エポキシ化合物のネットワーク中に水溶性ポリフェノールが分離して存在することとなる。水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と、水溶性エポキシ化合物はどちらも水に溶解し、しかも水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分は水溶性エポキシ化合物に溶解する。水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物が相溶することで、水溶性ポリフェノール中の水酸基の反応性が向上して、加熱により水溶性エポキシ化合物のエポキシ基と反応させることができる。また、水溶性ポリフェノール中には2つ以上の芳香族環を有しそれぞれが水酸基を有しているので、一分子中の複数の水酸基が複数のエポキシ基と反応することによりその反応物は3次元架橋した高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物となり、優れた接着性が発現する。反応系内に有機溶剤やホルムアルデヒドを含まず、また、分解によってホルムアルデヒドが発生する第3級アミン等を含んでいないため、接着剤由来の有機溶剤やホルムアルデヒドの放散を抑制できる。
上記第2の発明によれば、2以上のエポキシ基を有する多官能の水溶性エポキシ化合物を用いることで、水溶性ポリフェノールだけでなく水溶性エポキシ化合物が架橋点となり、高い3次元架橋密度の反応となり、より一層高い接着性が発現する。
上記第3の発明によれば、水溶性エポキシ化合物が分子量300以下の低分子化合物であるため、木材の接着剤として利用した場合に木材の細胞壁内に接着剤が入り込みやすくなる。これによって、加熱により水溶性エポキシ化合物と水溶性ポリフェノール中の水酸基が反応、硬化して接着性を発現する際、被着材である木材に接着剤が入り込んでアンカー効果が働き、その接着性が向上する。また、木材は吸水しやすく、これにより大きな寸法変化を起こしやすいが、水溶性エポキシ化合物が木材の細胞壁内に入る込むことで、水分の浸入が抑制されて大きな寸法変化の発生が低減する。しかも、接着した木材の耐水性が向上する利点も有する。
上記第4の発明によれば、反応時の架橋密度が高まり、接着性をさらに向上させることができる。
上記第5の発明によれば、水溶性ポリフェノールとして加水分解型タンニンを用いている。加水分解型タンニンは芳香族化合物とグルコース等の糖とがエステル結合を形成したものであり、縮合型タンニンより反応性が低いとされているため、その利用については検討が進んでいない。しかし、加水分解型タンニンを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物はどちらも水に溶解し、加水分解型タンニンを含有する植物の抽出成分は水溶性エポキシ化合物に溶解する等、加水分解型タンニンを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物は相溶する。このため、加水分解型タンニン中の水酸基の反応性が向上して水溶性エポキシ化合物のエポキシ基と反応させることができる。また、加水分解型タンニン中には2つ以上の芳香族環を有しそれぞれが水酸基を有しているので、一分子中の複数の水酸基が複数のエポキシ基と反応することによりその反応物は3次元架橋した高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物となり、優れた接着性が発現する。
上記第6の発明によれば、水溶性ポリフェノールとして縮合型タンニンを用いている。縮合型タンニンは複数分子のカテキンが炭素−炭素結合で縮合したものであり、縮合型タンニンをホルムアルデヒドと反応させ縮合させる試みがなされているが、一般のエポキシ化合物と混合しても反応しないか、その反応は非常に遅い。しかし、縮合型タンニンを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物はどちらも水に溶解し、縮合型タンニンを含有する植物の抽出成分は水溶性エポキシ化合物に溶解する等、縮合型タンニンを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物が相溶する。このため、縮合型タンニン中の水酸基の反応性が向上して水溶性エポキシ化合物のエポキシ基と反応させることができる。また、縮合型タンニン中には2つ以上の芳香族環を有しそれぞれが水酸基を有しているので、一分子中の複数の水酸基が複数のエポキシ基と反応することによりその反応物は3次元架橋した高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物となり、優れた接着性が発現する。
上記第7の発明によれば、水溶性ポリフェノールとして部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩を用いている。サルファイトパルプ製造での副産物として生産されるリグニンスルホン酸塩は、その構造中にスルホン基、カルボキシル基、フェノール性水酸基ないしアルコール性水酸基等の官能基を有する電解質の高分子であり、パルプ化処理において変性され、反応性が低い。しかし、部分脱スルホン化されたリグニンスルホン酸塩は、その構造中にスルホン基量が少ないために反応性が向上している。部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩と水溶性エポキシ化合物はどちらも水に溶解し、部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩は水溶性エポキシ化合物に溶解する等、部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩と水溶性エポキシ化合物は相溶する。このため、部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩中の水酸基の反応性が向上して水溶性エポキシ化合物のエポキシ基と反応させることができる。また、部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩中には2つ以上の芳香族環を有しそれぞれが水酸基を有しているので、一分子中の複数の水酸基が複数のエポキシ基と反応することによりその反応物は3次元架橋した高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物となり、優れた接着性が発現する。
上記第8の発明によれば、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と、水溶性エポキシ化合物とを含有している。水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物はどちらも水に溶解し、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分は水溶性エポキシ化合物に溶解する。水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物が相溶することで、水溶性ポリフェノール中の水酸基の反応性が向上して、加熱により水溶性エポキシ化合物のエポキシ基と反応する。また、水溶性ポリフェノール中には2つ以上の芳香族環を有しそれぞれが水酸基を有しているので、一分子中の複数の水酸基が複数のエポキシ基と反応することにより反応物は3次元架橋した高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物となる。したがって、接着剤のみならず、成形材料や塗料として利用することもできる。また、反応系内に有機溶剤やホルムアルデヒドを含まず、分解によってホルムアルデヒドが発生する第3級アミン等を含んでいないため、接着剤由来の有機溶剤やホルムアルデヒドの放散を抑制できる。
上記第9の発明によれば、植物由来接着剤を木質基材に塗布後、加熱により成形硬化させている。植物由来接着剤は、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物とを含み、そのどちらも水に溶解し、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分は水溶性エポキシ化合物に溶解する。水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物が相溶することで、水溶性ポリフェノール中の水酸基の反応性が向上して、加熱により水溶性エポキシ化合物のエポキシ基と反応させることができる。その反応物は3次元架橋した高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物となり、優れた接着性が発現する。木質基材は親水性が高く、植物由来接着剤との親和性が高い。反応系内に有機溶剤やホルムアルデヒドを含まず、また、分解によってホルムアルデヒドが発生する第3級アミン等を含んでいないため、接着剤由来の有機溶剤やホルムアルデヒドの放散を抑制できる。
上記第10の発明によれば、植物由来接着剤を木質基材に塗布し、110℃以上200℃以下の温度で成形硬化させている。植物由来接着剤は、植物の抽出成分として水溶性ポリフェノールを含有し、それが加水分解型タンニン、縮合型タンニンまたは部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩である。加水分解型タンニン、縮合型タンニンまたは部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩は2つ以上の芳香族環を有しそれぞれが水酸基を有している。このため、一分子中の複数の水酸基が複数のエポキシ基と反応することにより反応物は3次元架橋した高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物となり、優れた接着性が発現する。
以下、本発明を詳細に説明する。
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分の原料としての植物は、特に制限はない。具体例としては木本植物(マツ科、スギ科、ヒノキ科等の針葉樹、広葉樹)および草本植物の樹皮、幹、茎、枝、葉等の、水溶性ポリフェノール類が含まれているものが挙げられる。植物の種類、部位等によって、含まれる水溶性ポリフェノールの構造は異なる。水溶性ポリフェノールは、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を持つものであり、具体例として、タンニン、お茶等に含まれるフラボノイドの一種であるエピガロカテキンガレートと呼ばれるポリフェノール類、リグニン抽出物等が挙げられる。
水溶性ポリフェノールは天然物から抽出されるものであり、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分中の水溶性ポリフェノールの含有率は様々である。水溶性ポリフェノールの含有率が10質量%を下回ると水溶性エポキシ化合物と反応する水溶性ポリフェノールの官能基が少なくなり反応に寄与しない成分が多くなるため、植物の抽出成分中の水溶性ポリフェノールの含有率は10質量%以上100質量%以下が好ましい。
植物由来接着剤やその植物由来組成物に含有される水溶性エポキシ化合物としては、水に可溶であって、エポキシ基を有するものであれば特に制限はない。水溶性エポキシ化合物中のエポキシ基が単数である場合、反応物はエポキシ基を起点に3次元架橋することができず、水溶性ポリフェノールのみを起点に架橋することになるため、架橋密度が低下し、接着性が低下する場合がある。複数のエポキシ基を有するものを用いた場合、エポキシ基を起点に3次元架橋するので、水溶性エポキシ化合物は2以上のエポキシ基を有していることが好ましい。このような水溶性エポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
多官能の水溶性エポキシ化合物を用いることで、水溶性ポリフェノールだけでなく水溶性エポキシ化合物も架橋点となり、高い3次元架橋密度の反応となり、高い接着性が発現する。
水溶性エポキシ化合物のエポキシ基数の上限は特に限定されない。エポキシ基数が7以上になると水溶性が低下し、水溶性ポリフェノール中の水酸基の反応性が低下する場合があるため、エポキシ基数は6以下であることが好ましい。
本発明においては、水溶性エポキシ化合物の分子量が300以下であることが好ましい。分子量300以下の水溶性エポキシ化合物を用いた接着剤を木材の接着剤として利用した場合、木材の細胞壁内に接着剤が入り込みやすくなる。これによって、加熱により水溶性エポキシ化合物と水溶性ポリフェノール中の水酸基が反応、硬化して接着性を発現する際、被着材である木材に接着剤が入り込んでアンカー効果が働き、その接着性が向上する。また、木材は吸水しやすく、これにより大きな寸法変化を起こしやすいが、水溶性エポキシ化合物が木材の細胞壁内に入り込むことで、水分の浸入が抑制されて大きな寸法変化の発生が低減する。しかも、接着した木材の耐水性が向上する利点も有する。
水溶性エポキシ化合物の分子量の下限は特に限定されないが、分子量100未満の低分子化合物である場合、分解温度が低くなり、加熱硬化の際に揮発しやすいため、水溶性エポキシ化合物は分子量200以上であることが好ましい。
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と、水溶性エポキシ化合物の配合比率は、水溶性ポリフェノールの反応基当量および水溶性エポキシ化合物のエポキシ当量によって適宜に設定される。水溶性ポリフェノールに含まれる芳香族環には水酸基が複数有しているが、全ての水酸基がエポキシ基と反応するわけではなく、その一部が反応することを考慮する必要がある。
本発明において、植物由来接着剤やその植物由来組成物中の水溶性エポキシ化合物の含有量は、水溶性ポリフェノール100質量部に対して60質量部以上400質量部以下であることが好ましい。水溶性エポキシ化合物の含有量を当該範囲内とすることで、水溶性エポキシ化合物におけるエポキシ基と、水溶性ポリフェノール中の水酸基とが反応し易くなる。その結果として、接着性を向上させる水溶性ポリフェノール中のフェノール性芳香族環が反応物中に含有される割合が高くなる。
水溶性エポキシ化合物の含有量が60質量部未満であると、水溶性エポキシ化合物によるエポキシ基の数が不足するため、反応性が低下する場合がある。一方、水溶性エポキシ化合物の含有量が400質量部を超えると、水溶性エポキシ化合物におけるエポキシ基が、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分における水酸基に比べて過剰になり、エポキシ基同士の自重合が起こり易くなる。そうすると接着性を向上させる水溶性ポリフェノール中のフェノール性芳香族環が反応物中に含有される割合が低くなるので、接着性が低下する場合がある。
水溶性ポリフェノールとして用いられるタンニンは植物に由来し、タンパク質、アルカロイド、金属イオンと反応し強く結合して難溶性の塩を形成する水溶性化合物であり、植物界に普遍的に存在している。タンニンは、多数のフェノール性ヒドロキシ基を持つ複雑な芳香族化合物であり、分子量500程度の低分子化合物から分子量20000に達する巨大な高分子化合物まで存在する。
そしてタンニンは、没食子酸やエラグ酸等の芳香族化合物とグルコース等の糖とがエステル結合を形成した加水分解型タンニンと、フラバノール骨格を持つ化合物が重合した縮合型タンニンとの二つに分類される。
加水分解型タンニンは、双子葉離弁花植物に局在して分布し、ウコギ科ヌルデの葉にヌルデノミミフシアブラムシが寄生してできる虫こぶ(五倍子と称する)に含まれるガロタンニンや、フウロソウ科ゲンノショウコに含まれるエラジタンニンが挙げられる。
縮合型タンニンは、針葉樹、広葉樹のどちらにも分布している。幹の部分よりも樹皮に多く分布しており、アカシア属の樹木の樹皮タンニン含有率は20〜30質量%にのぼる。縮合型タンニンは世界で生産される総タンニン量のうち、90%を占めるといわれている。
いずれのタイプのタンニンも分子内に多くのフェノール性水酸基を含み、酸性有機物質として分子量もかなり大きな多価フェノールという点で共通する。基本構造に違いはあってもタンニンは多価フェノールであることに基づく共通の性質がある。例えば、蛋白質等生体高分子成分の含窒素の塩基性官能基に結合し凝集させる性質である。
タンニンは化学構造がフェノール樹脂に類似していることから、フェノール樹脂と同様にタンニンをホルムアルデヒドと反応させ縮合させて接着剤として用いることが検討されてきた。フェノール樹脂と同様に水酸基に対してオルト、パラの位置でホルムアルデヒドと反応してメチロール化が進行した後、縮合反応が進行する。しかしながら、加水分解型タンニンは反応性が低く、生産量が少ないこともあり、ほとんど検討されていない(非特許文献3参照)。
タンニンの水酸基とエポキシ化合物の反応により重合を図ることは特許文献2で提案されている。しかしながら、前述したように、エポキシ化合物とリグニンの反応についての実施例のみが記載されており、エポキシ化合物とタンニンの反応については実施例が記載されていない。また特許文献2には、リグニンのフェノール基、水酸基、およびカルボニル基は、エポキシまたはアミノアルデヒド架橋剤と反応する旨が記載されている。しかしながら、エポキシとタンニンを混合した場合、エポキシ同士の自重合が優先的に起こり、エポキシ化合物のネットワーク中にタンニンが分離して存在することとなる。これは、タンニンの水酸基とアミノアルデヒドとの反応性が比較的高いのに対して、エポキシとタンニンとの反応性が低いことが原因と考えられる。
水溶性ポリフェノールに含まれる水酸基は反応性が低く、単純に一般のエポキシ化合物と混合しても反応しないか、その反応は非常に遅い。そのためエポキシ化合物同士の自重合が優先的に起こり、エポキシ化合物のネットワーク中に水溶性ポリフェノールが分離して存在することとなる。水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と、水溶性エポキシ化合物はどちらも水に溶解し、しかも水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分は水溶性エポキシ化合物に溶解する。本発明では、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物とを用いることで、これらが相溶し、水溶性ポリフェノール中の水酸基の反応性が向上する。そして加熱により水溶性ポリフェノール中の水酸基と水溶性エポキシ化合物のエポキシ基とを反応させることができる。水溶性ポリフェノール中には2つ以上の芳香族環を有し、それぞれに水酸基を有している。このため、一分子中の複数の水酸基が複数のエポキシ基と反応することにより、その反応物は3次元架橋した高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物となり、優れた接着性が発現する。反応系内に有機溶剤やホルムアルデヒドを含まず、また、分解によってホルムアルデヒドが発生する第3級アミン等を含んでいないため、接着剤由来の有機溶剤やホルムアルデヒドの放散を抑制できる。
本発明においては、水溶性ポリフェノールとして、部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩を用いることができる。サルファイトパルプ製造での副産物として生産されるリグニンスルホン酸塩は、その構造中にスルホン基、カルボキシル基、フェノール性水酸基ないしアルコール性水酸基等の官能基を有する電解質の高分子であり、パルプ化処理において変性され、反応性が低い。しかし、部分脱スルホン化されたリグニンスルホン酸塩は、その構造中にスルホン基量が少ないために反応性が向上している。このような部分脱スルホン化したリグニンスルホン酸塩は、反応性を考慮すると有機硫黄含有率が4質量%以下のものを用いることが好ましい。有機硫黄含有率の下限値は、水溶性エポキシ化合物との相溶性や反応性を考慮すると1.5質量%であることが好ましい。有機硫黄含有率の好ましい範囲は2.0〜3.5質量%であり、より好適には2.0〜2.5質量%である。
部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛、銅、アルミニウム、マンガン、コバルト等の金属、また有機物でも塩を形成できれば、特に限定されることはない。
植物由来接着剤やその植物由来組成物は、上記した各成分に加えて、他の添加成分を配合してもよい。このような添加成分の具体例としては、パラトルエンスルホン酸水和物、トリフェニルホスフィン、イミダゾール、ジアザビシクロウンデセン等の硬化性樹脂に一般に用いられている硬化促進剤、充填材、増量材や他の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ワックス、界面活性剤等が挙げられる。
また、相溶性をさらに向上させて反応性を高める目的で、オキサゾリン系,エポキシ−アクリル系,エポキシ−酸無水物系相溶化剤等を適宜用いても良い。
植物由来接着剤は、木材チップ、ベニア等の木質材料を相互に接着して、木質パネルを製造する用途に用いることができ、ホルムアルデヒド放散量が非常に少ない木質パネルを得ることができる。木質パネルとしては、インシュレーションボード、パーティクルボード、ハードボード、配向性ボード(OSB)、ウェハーボード、中密度繊維板(MDF)等のいわゆる木質ボード類、合板、単板積層材(LVL)、集成材、突き板化粧板等を挙げることができる。また、木質パネル同士の接着や木材の接着、木質材料以外の紙、プラスチック、金属等の接着剤としても用いることができる。
植物由来組成物は、適宜の条件にて反応させることによって硬化物とされる。硬化反応の反応機構としては、水溶性ポリフェノール中の水酸基と、エポキシ化合物におけるエポキシ基との反応が主反応として進行し、副反応としてエポキシ化合物におけるエポキシ基同士の反応が進行する。これにより三次元網状構造の硬化物が形成されると考えられる。水溶性ポリフェノールは2つ以上の芳香族環を有し、それぞれに水酸基を有しているので、一分子中の複数の水酸基が複数のエポキシ基と反応することにより、反応物は3次元架橋した高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物となる。
硬化反応の条件は、特に制限はなく、従来の硬化性樹脂と同様の条件が適用できる。例えば、加熱、光照射、硬化促進剤の添加等により硬化反応を進行させることができる。
本発明の植物由来組成物は、高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物を形成することができるため、成形材料として好適に用いることができる。また、紙やガラス繊維等に含浸し、あるいは単板に塗布して積層板の作製に好適に用いることができる。また、種々の基材表面に塗布して塗料として好適に用いることができる。
本発明の木質複合材料は、木質基材および上記植物由来接着剤からなり、植物由来接着剤を木質基材に塗布後、加熱により成形硬化させている。木質基材としては、木材から切削して得られる挽き板、単板、木質ストランド、木質チップ、木質繊維、植物由来繊維等が例示される。その木質基材を植物由来接着剤により接着して成形硬化させ、面材である木質パネルや軸材に再構成し、集成材、合板、パーティクルボード、繊維板、MDF等の木質複合材料を得る。植物由来接着剤は、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物とを含んでいる。水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物は、そのどちらも水に溶解し、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分は水溶性エポキシ化合物に溶解する。水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物が相溶することで、水溶性ポリフェノール中の水酸基の反応性が向上して、加熱により水溶性エポキシ化合物のエポキシ基と反応させることができる。その反応物は3次元架橋した高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物となり、優れた接着性が発現する。木質基材は親水性が高く、植物由来接着剤との親和性が高い。反応系内に有機溶剤やホルムアルデヒドを含まず、また、分解によってホルムアルデヒドが発生する第3級アミン等を含んでいないため、接着剤由来の有機溶剤やホルムアルデヒドの放散を抑制できる。
木質複合材料に使用される植物由来接着剤は、その構成材料である水溶性ポリフェノールとして、加水分解型タンニン、縮合型タンニンまたは部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩が用いられていてもよい。加水分解型タンニン、縮合型タンニンまたは部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩は2つ以上の芳香族環を有しそれぞれが水酸基を有している。一分子中の複数の水酸基が複数のエポキシ基と反応することにより反応物は3次元架橋した高い耐熱性と機械的特性を有する硬化物となり、優れた接着性が発現するため、得られる木質複合材料の物性も優れたものとなる。
木質複合材料を製造する際の成形温度は、植物由来接着剤の構成材料である水溶性ポリフェノールが加水分解型タンニン、縮合型タンニンまたは部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩である場合、110℃以上200℃以下の範囲とすることができる。加水分解型タンニン、縮合型タンニンまたは部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩と、水溶性エポキシ化合物とが相溶することで、加水分解型タンニン、縮合型タンニンまたは部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩の水酸基の反応性が向上する。そして110℃以上200℃以下の温度で加熱成形することにより、加水分解型タンニン、縮合型タンニンまたは部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩の水酸基と、水溶性エポキシ化合物のエポキシ基との反応性が向上し、得られる木質複合材料の物性も優れたものとなる。成形温度が110℃未満の場合、加水分解型タンニン、縮合型タンニンまたは部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩の水酸基と、水溶性エポキシ化合物のエポキシ基との反応が極めて遅く、得られる木質複合材料の物性は低いものとなる。成形温度が200℃を上回る場合、水溶性エポキシ化合物の分解揮発が始まるとともに木質基材中に含まれるセルロース、ヘミセルロース等の構成成分の分解変性も開始するため、得られる木質複合材料の色調が焦げたような黒色となり物性も低いものとなる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1および表2の配合量は質量部を示す。
<実施例1>
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分として粉状のタンニン酸AL(タンニン含有率96%以上、富士化学工業(株)製、加水分解型タンニン)、水溶性エポキシ化合物としてデナコールEX810(エポキシ基数:2、分子量:226、ナガセケムテックス(株)製、Ethylene Glycol Diglycidyl Ether)を希釈溶媒の水中で混合して植物由来組成物とした。混合比は、抽出成分:エポキシ化合物:溶媒=100:100:200とした。
この植物由来組成物を接着剤として、パーティクルボードを作成した。針葉樹チップ(含水率5質量%)を使用し、含脂率15質量%となるようスプレーで植物由来組成物を噴霧した。これをフォーミング後、温度170℃、圧力3MPa、熱圧時間30分の条件下で加熱圧締し、厚さ12mm、密度750kg/mのパーティクルボードを作成した。本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。配合、作成条件および結果を表1に示す。
<実施例2>
水溶性エポキシ化合物としてデナコールEX512(エポキシ基数:3、分子量:504、ナガセケムテックス(株)製、Polyglycerol Polyglycidyl Ether)を用いた以外は、実施例1と同様に植物由来組成物を調製した。また、実施例1と同様にパーティクルボードを作成した。本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。配合、作成条件および結果を表1に示す。
<実施例3>
水溶性エポキシ化合物としてデナコールEX145(エポキシ基数:1、分子量:400、ナガセケムテックス(株)製、Phenol (EO) 5 GlycidylEther)を用いた以外は、実施例1と同様に植物由来組成物を調製した。また、実施例1と同様にパーティクルボードを作成した。本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。配合、作成条件および結果を表1に示す。
<実施例4>
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分として粉状のワトルタンニン(タンニン含有率90%以上、富士化学工業(株)製、縮合型タンニン)を用い、混合比を、抽出成分:エポキシ化合物:溶媒=100:300:200とした以外は、実施例1と同様に植物由来組成物を調製した。また、実施例1と同様にパーティクルボードを作成した。本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。配合、作成条件および結果を表1に示す。
<実施例5>
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分として粉状のワトルタンニン(タンニン含有率90%以上、富士化学工業(株)製、縮合型タンニン)を用い、混合比を、抽出成分:エポキシ化合物:溶媒=100:400:200とした以外は、実施例1と同様に植物由来組成物を調製した。また、実施例1と同様にパーティクルボードを作成した。本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。配合、作成条件および結果を表1に示す。
<実施例6>
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分として粉状のワトルタンニン(タンニン含有率90%以上、富士化学工業(株)製、縮合型タンニン)を用い、混合比を、抽出成分:エポキシ化合物:溶媒=100:500:200とした以外は、実施例1と同様に植物由来組成物を調製した。また、実施例1と同様にパーティクルボードを作成した。本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。配合、作成条件および結果を表1に示す。
<実施例7>
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分として粉状の高純度部分脱スルホンリグニンスルホン酸ナトリウム(バニレックスHW、日本製紙ケミカル(株)製、有機硫黄含有率2.4質量%)を用い、混合比を、抽出成分:エポキシ化合物:溶媒=100:75:200とした以外は、実施例1と同様に植物由来組成物を調製した。また、実施例1と同様にパーティクルボードを作成した。本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。配合、作成条件および結果を表1に示す。
<実施例8>
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分として粉状の高純度部分脱スルホンリグニンスルホン酸ナトリウム(バニレックスHW、日本製紙ケミカル(株)製、有機硫黄含有率2.4質量%)を用い、混合比を、抽出成分:エポキシ化合物:溶媒=100:60:200とした以外は、実施例1と同様に植物由来組成物を調製した。また、実施例1と同様にパーティクルボードを作成した。本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。配合、作成条件および結果を表1に示す。
<実施例9>
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分として粉状の高純度部分脱スルホンリグニンスルホン酸ナトリウム(バニレックスHW、日本製紙ケミカル(株)製、有機硫黄含有率2.4質量%)を用い、混合比を、抽出成分:エポキシ化合物:溶媒=100:50:200とした以外は、実施例1と同様に植物由来組成物を調製した。また、実施例1と同様にパーティクルボードを作成した。本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。配合、作成条件および結果を表1に示す。
<比較例1>
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを含有する接着剤B−2000(不揮発分率52%、オーシカ(株)製、硬化剤としてエポキシ化合物を含有していない)を接着剤として用い、実施例1と同様にパーティクルボードを作成した。本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。配合、作成条件および結果を表1に示す。
<比較例2>
植物の抽出成分を用いず石油由来の成分から作られたフェノールと硬化剤としてホルムアルデヒドを含有するフェノール樹脂接着剤PL−3630(不揮発分率47%、群栄化学(株)製、硬化剤としてエポキシ化合物を含有していない)を接着剤として用い、実施例1と同様にパーティクルボードを作成した。本実施例で得られたパーティクルボードについて、JIS A 5908に準じて吸水厚さ膨張率、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。配合、作成条件および結果を表1に示す。
Figure 2011116930
表1より、実施例1〜9では、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物とを含む植物由来組成物を接着剤として、パーティクルボードを作成できた。その物性はJIS A 5908に定められている、素地パーティクルボードの品質項目(吸水厚さ膨張率:25%以下、剥離強さ:0.3N/mm以上(13タイプの場合は0.2N/mm以上、8タイプの場合は0.15N/mm以上)、ホルムアルデヒド放散量:最も規格の厳しいF☆☆☆☆等級の場合平均0.3mg/L以下、最大0.4mg/L以下)をいずれもクリアしており、接着剤として必要且つ充分な特性を有しているといえる。
これに対して、従来の植物由来組成物を接着剤に用いた比較例1では、加水分解によりホルムアルデヒドを生成するヘキサメチレンテトラミンを含有しているため、ホルムアルデヒド放散量が一定値観測される。植物由来組成物を用いない従来のフェノール接着剤を用いた比較例2では、吸水厚さ膨張率が低く剥離強さが高い値を示しているが、接着剤中にホルムアルデヒドを含有しているため、ホルムアルデヒド放散量も多く観測される。また、植物由来成分は全く用いられていない。
また、実施例1と実施例3を比較すると、実施例1の吸水厚さ膨張率および剥離強さが実施例3と比べて向上している。これは、実施例1で用いた水溶性エポキシ化合物中のエポキシ基の数が2以上であるため、これらのエポキシ基を起点に3次元架橋して高い接着性が発現したと考えられる。
実施例1と実施例2を比較すると、実施例1の吸水厚さ膨張率および剥離強さが実施例2と比べて向上している。実施例1で用いた水溶性エポキシ化合物の分子量は実施例2で用いた水溶性エポキシ化合物よりも小さい。このことから、木材の細胞壁内に入り込みやすくなり、加熱によりエポキシ化合物と水溶性ポリフェノール中の水酸基が反応、硬化して接着性を発現する際に被着材である木材に入り込んだ接着剤にアンカー効果が働いて接着性が向上したと考えられる。また、接着剤が木材の細胞壁内に入り込むことにより、水分の浸入が抑制され、接着した木材の耐水性が向上したと考えられる。
実施例4、5と実施例6を比較すると、実施例5の吸水厚さ膨張率および剥離強さが実施例6と比べて向上しており、実施例7、8と実施例9を比較すると、実施例7、8の吸水厚さ膨張率および剥離強さが実施例9と比べて向上している。水溶性ポリフェノール100質量部に対して水溶性エポキシ化合物の含有部数が400質量部を超えると、水溶性エポキシ化合物におけるエポキシ基が水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分における水酸基に比べて過剰になる。その結果、エポキシ基同士の自重合が起こり易くなり、接着性を向上させる水溶性ポリフェノール中のフェノール性芳香族環が反応物中に含有される割合が低くなるため、実施例4、5の接着性が実施例6に比べて高くなっていると考えられる。また、水溶性ポリフェノール100質量部に対して水溶性エポキシ化合物の含有部数が60部質量未満であると、エポキシ化合物によるエポキシ基の数が不足して反応性が低下するため、実施例7、8の接着性が実施例9に比べて高くなっていると考えられる。
<実施例10>
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分として粉状のタンニン酸AL(タンニン含有率96%以上、富士化学工業(株)製、加水分解型タンニン)、水溶性エポキシ化合物としてデナコールEX810(エポキシ基数:2、分子量:226、ナガセケムテックス(株)製、Ethylene Glycol Diglycidyl Ether)を希釈溶媒の水中で混合して植物由来組成物とした。混合比は、抽出成分:エポキシ化合物:溶媒=100:100:200とした。
この植物由来組成物について、80℃で5時間、150℃で1時間加熱後、均一に硬化しているかどうかを確認した。その配合、作成条件および結果を表2に示す。
<比較例3>
エポキシ化合物として非水溶性エポキシ化合物(ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピクロン850S」、エポキシ基数:2、分子量:360、DIC(株)製)を用いた以外は、実施例10と同様に植物由来組成物を調製した。また、実施例10と同様に加熱し、均一に硬化しているかどうかを確認した。配合、作成条件および結果を表2に示す。
<比較例4>
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分の代わりに、水溶性でないポリフェノールを含有する植物の抽出成分として粉状のルチン(純正化学(株)製)を用いた以外は、実施例10と同様に植物由来組成物を調製した。また、実施例10と同様に加熱し、均一に硬化しているかどうかを確認した。配合、作成条件および結果を表2に示す。
Figure 2011116930
表2に示されるように、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物を混合した実施例10は加熱により均一に硬化した。これに対して、非水溶性エポキシ化合物を用いた比較例3、非水溶性ポリフェノールを含有するルチンを用いた比較例4は均一にならず、加熱しても硬化しなかった。
実施例10では、植物由来組成物中の水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と、水溶性エポキシ化合物とが相溶状態であるため、水溶性ポリフェノール中の水酸基の反応性が向上してエポキシ基と反応し、均一に硬化したものと考えられる。
<実施例11>
水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分として粉状のタンニン酸AL(タンニン含有率96%以上、富士化学工業(株)製、加水分解型タンニン)、水溶性エポキシ化合物としてデナコールEX850(エポキシ基数:2、分子量:246、ナガセケムテックス(株)製、Ethylene Glycol Diglycidyl Ether)を希釈溶媒の水中で混合して植物由来組成物とした。混合比は、抽出成分:エポキシ化合物:溶媒=100:100:14とした。
この植物由来組成物を接着剤として、合板を作成した。30cm×30cmで厚さ2.5mmのスギ単板(含水率5質量%)を使用し、塗布量が30cm×30cm=900cm当たり両面で37gとなるようにロールで植物由来接着剤を塗布した。これを5枚積層し、まず温度25℃、圧力0.8MPaで20分間冷圧後、温度120℃、圧力0.8MPaで30分間加熱圧締し、厚さ11.5mm、密度400kg/mの合板を作成した。本実施例で得られた合板について、剥離強さ、ホルムアルデヒド放散量を測定した。また外観を目視で評価した。結果を表3に示す。
<実施例12>
冷圧後の熱圧温度を100℃にした以外は実施例11と同様に合板を作成し評価した。結果を表3に示す。
<実施例13>
冷圧後の熱圧温度を200℃にした以外は実施例11と同様に合板を作成し評価した。結果を表3に示す。
<実施例14>
冷圧後の熱圧温度を220℃にした以外は実施例11と同様に合板を作成し評価した。結果を表3に示す。
Figure 2011116930
表3に示されるように、水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と水溶性エポキシ化合物を混合した植物由来組成物を接着剤として用いた合板は実施例11〜14いずれも作成可能であった。実施例11で得られた合板は実施例12に比べ、剥離強さが大きく向上した。実施例11で得られた合板は、110℃以上の温度で加熱圧締されて作成されており、該温度において水溶性ポリフェノール中の水酸基の反応性が向上してエポキシ基と反応し、接着力が向上したものと考えられる。また実施例13で得られた合板は実施例14に比べ、剥離強さが大きく向上した。実施例14で得られた合板は、表面が黒く焦げており、木質基材であるスギ単板が劣化していた。実施例13で得られた合板は、200℃以下の温度で加熱圧締されて作成されているため、木質基材の劣化が小さく、表面の色調も濃茶褐色で留まるとともに、剥離強さも保持されたものと考えられる。

Claims (10)

  1. 水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と、水溶性エポキシ化合物とを含むことを特徴とする植物由来接着剤。
  2. 水溶性エポキシ化合物が、2以上のエポキシ基を有していることを特徴とする請求項1記載の植物由来接着剤。
  3. 水溶性エポキシ化合物の分子量が、300以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の植物由来接着剤。
  4. 水溶性エポキシ化合物の含有量が、水溶性ポリフェノール100質量部に対して60質量部以上400質量部以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の植物由来接着剤。
  5. 水溶性ポリフェノールが、加水分解型タンニンであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の植物由来接着剤。
  6. 水溶性ポリフェノールが、縮合型タンニンであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の植物由来接着剤。
  7. 水溶性ポリフェノールが、部分脱スルホン化リグニンスルホン酸塩であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の植物由来接着剤。
  8. 水溶性ポリフェノールを含有する植物の抽出成分と、水溶性エポキシ化合物とを含むことを特徴とする植物由来組成物。
  9. 請求項1から7のいずれか一項に記載の植物由来接着剤を木質基材に塗布後、加熱により成形硬化させたことを特徴とする木質複合材料。
  10. 請求項5から7のいずれか一項に記載の植物由来接着剤を木質基材に塗布し、110℃以上200℃以下の温度で成形硬化させたことを特徴とする木質複合材料。
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