JP2011115781A - 部分洗浄装置及び部分洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄対象部分の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを効果的に抑制し、洗浄対象部分を効率的に洗浄することができるばかりか、洗浄液の使用量を抑制し、かつ、洗浄後の乾燥時間を短縮できる部分洗浄装置及びそれを用いた部分洗浄方法を提供する。
【解決手段】部分洗浄装置及び部分洗浄方法であって、内部に洗浄液吐出ノズル及びエアー吹き付けノズルを有し、上方または側方の壁面に第1の開口部を有するハウジングと、第2の開口部を有し、ハウジングに対して取り外し可能に密着する弾性マスキング部材と、を備え、ハウジングの上方または側方において、弾性マスキング部材を介して載置された被洗浄物に対し、第1及び第2の開口部を通して、洗浄液吐出ノズルにて洗浄液を吐出した後、エアーを吹き付けノズルにてエアーを吹き付け、被洗浄物に付着した洗浄液を強制的に除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、部分洗浄装置及びそれを用いた部分洗浄方法に関する。特に、洗浄対象部分の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを防止し、洗浄対象部分を効率的に洗浄することができる部分洗浄装置及びそれを用いた部分洗浄方法に関する。
従来、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板あるいは半導体製造用マスク基板等の基板に対して、高圧の洗浄液を吐出し、基板にダメージを与えることなく、半田フラックス等を効果的に除去する洗浄装置が使用されている(例えば、特許文献1)。
すなわち、特許文献1には、図16に示すように、基板Wを水平姿勢で保持した状態で鉛直軸123周りに回転する基板保持手段124と、基板保持手段124に保持されて回転する基板Wに対して洗浄液を吐出する洗浄液吐出ノズル113と、洗浄液吐出ノズル113に加圧された洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、洗浄液吐出ノズル113から基板保持手段124に保持されて回転する基板Wに対して供給される洗浄液の供給位置が少なくとも基板保持手段124に保持されて回転する基板Wの回転中心Cと基板Wの周縁とを通過するように洗浄液吐出ノズル113を移動させる移動手段115とを備えた基板洗浄装置100において、洗浄液吐出ノズル113は、基板保持手段124に保持されて回転する基板Wの表面における各々異なる複数の位置に向けて洗浄液を吐出するための複数個の吐出孔を備えた基板洗浄装置100が開示されている。
特開平11−204481号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1の基板洗浄装置を用いた場合、基板に対するダメージを抑制することはできるものの、全体における僅かな部分にしか洗浄対象部分を有さない被洗浄物を全体的に洗浄した場合、以下に示すような問題が見られた。
(1)洗浄対象部分の周辺に対しても、使用済みの洗浄液が飛散して付着しやすい。
(2)洗浄液の使用量が多くなる。
(3)洗浄後の乾燥に時間がかかる。
(4)使用済みの洗浄液により、被洗浄物が侵食される。
そこで、本発明者等は、鋭意検討した結果、洗浄液吐出ノズル、エアー吹き付けノズル、所定の開口部を有するハウジングと、所定の弾性マスキング部材と、を備えた部分洗浄装置であれば、上述した問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、洗浄対象部分の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを効果的に抑制し、洗浄対象部分のみを効率的に洗浄することができるばかりか、洗浄液の使用量を抑制し、洗浄後の乾燥時間を短縮でき、かつ、使用済みの洗浄液により被洗浄物が侵食されることを防止できる部分洗浄装置及びそれを用いた部分洗浄方法を提供することにある。
本発明によれば、被洗浄物を部分的に洗浄するための部分洗浄装置であって、内部に洗浄液吐出ノズル及びエアー吹き付けノズルを有し、上方または側方の壁面に第1の開口部を有するハウジングと、ハウジングにおける第1の開口部と連通した開口部を形成するための第2の開口部を有し、ハウジングに対して取り外し可能に固定された弾性マスキング部材と、を備え、ハウジングの上方または側方において、弾性マスキング部材によって部分的にマスキングされた状態で載置された被洗浄物に対し、第1及び第2の開口部を通して、洗浄液吐出ノズルにて洗浄液を吐出した後、エアー吹き付けノズルにてエアーを吹き付け、被洗浄物に付着した洗浄液を強制的に除去することを特徴とする部分洗浄装置が提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、本発明の部分洗浄装置であれば、弾性マスキング部材によって部分的にマスキングされた状態で載置された被洗浄物に対し、連通した第1及び第2の開口部を通して洗浄液吐出ノズルにて洗浄液を吐出することができる。したがって、洗浄対象部分の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを効果的に抑制し、洗浄対象部分を効率的に洗浄することができるばかりか、洗浄液の使用量を抑制することができる。
また、弾性マスキング部材によって部分的にマスキングされた状態で載置された被洗浄物に対し、連通した第1及び第2の開口部を通してエアー吹き付けノズルにてエアーを吹き付けることができる。したがって、洗浄後の乾燥時間を短縮することができ、さらには、使用済みの洗浄液による被洗浄物の浸食を防止することができる。
また、被洗浄物を、ハウジングの上方または側方に載置させる構成であることから、吐出された洗浄液を、容易にハウジング下部にて回収することができる。
さらに、本発明の部分洗浄装置であれば、上述した構成であることから、図1(a)〜(b)に示すように、装置の省スペース化にも寄与することができる。
また、本発明の部分洗浄装置を構成するにあたり、ハウジングが、弾性マスキング部材が密着する側における第1の開口部の周囲に、凸状の被押圧部を有することが好ましい。
このように構成することにより、第1の開口部の周囲部分における被洗浄物及び弾性マスキング部材間における密着性、並びに弾性マスキング部材及びハウジング間における密着性を、部分的に向上させることができる。したがって、洗浄対象部分の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを、より効果的に抑制することができる。
また、本発明の部分洗浄装置を構成するにあたり、ハウジングにおける第1の開口部が、ハウジングの内部に向かって広がるように、第1の開口部の内壁が傾斜部を有することが好ましい。
このように構成することにより、洗浄液の吐出及び付着した洗浄液の強制除去を、より容易に行うことができる。したがって、洗浄後の乾燥時間を、さらに短縮することができる。
また、本発明の部分洗浄装置を構成するにあたり、弾性マスキング部材によって部分的にマスキングされた状態の被洗浄物を、ハウジングに対して押圧するための押圧手段を備えることが好ましい。
このように構成することにより、押圧力のムラを抑制して、洗浄対象部分の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを、さらに効果的に抑制することができる。
また、本発明の部分洗浄装置を構成するにあたり、ハウジングを構成する構成部材として、開口部を有するとともに、ハウジングから取り外し可能なトレイ部材を備え、かつ、当該トレイ部材が有する開口部を、第1の開口部とすることが好ましい。
すなわち、ハウジングにおける弾性マスキング部材を取り外し可能に固定させる部分を、ハウジング本体から取り外し可能なトレイ部材として構成することが好ましい。
このように構成することにより、トレイ部材のハウジング側において、連通した第1及び第2の開口部を通して、被洗浄物の洗浄対象部分が露出していることを容易に確認することができる。したがって、洗浄対象部分の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを、より確実に抑制することができる。
また、トレイ部材を交換することにより、第1の開口部の形状を、容易に変えることができる。
また、本発明の部分洗浄装置を構成するにあたり、弾性マスキング部材の主原料が、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム及びポリイソブチレンから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
このように構成することにより、弾性マスキング部材の弾性を、容易に調節することができるばかりか、被洗浄物との接触面における立体形状の加工も、容易に行うことができる。
また、本発明の部分洗浄装置を構成するにあたり、洗浄液吐出ノズルが、広角ノズルであるとともに、当該広角ノズルが、第1の開口部の開口面に沿って平行移動可能であることが好ましい。
このように構成することにより、洗浄対象部分の面積が比較的広い場合であっても、洗浄対象部分全面に対して、効率的に洗浄液を吐出することができる。
また、本発明の部分洗浄装置を構成するにあたり、ハウジングの一部にエアー排出口を備えることが好ましい。
このように構成することにより、エアー吹き付けノズルにより吹き付けられたエアーを、そのままハウジング外へと、安定的に排出することができる。
また、本発明の部分洗浄装置を構成するにあたり、エアー排出口の断面積を1〜200cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、エアー吹き付けノズルにより吹き付けられたエアーを、より安定的にハウジング外へと排出することができ、ひいては、洗浄後の乾燥時間をより安定的に短縮することができる。
また、本発明の部分洗浄装置を構成するにあたり、エアー吹き付けノズルが、スリット型エアーノズルであるとともに、当該スリット型エアーノズルが、第1の開口部の開口面に沿って平行移動可能であり、かつ、第1の開口部を介して、スリット型エアーノズルと対向する位置に、コの字型吸引ノズルを備えることが好ましい。
このように構成することにより、洗浄対象部分の面積が比較的広い場合であっても、洗浄対象部分に吐出された使用済みの洗浄液を、効率的に強制除去しつつ、吹き付けられたエアーを、安定的にハウジング外に排出することができる。
また、本発明の部分洗浄装置を構成するにあたり、スリット型エアーノズルにおけるエアー流速を80〜300m/秒の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、洗浄対象部分の面積が比較的広い場合であっても、洗浄対象部分に吐出された使用済みの洗浄液を、より効率的に強制除去することができる。
また、本発明の別の態様は、上述した部分洗浄装置を用いた部分洗浄方法であって、下記工程(a)〜(d)を含むことを特徴とする部分洗浄方法である。
(a)ハウジングに対して取り外し可能に固定された弾性マスキング部材に対して、被洗浄物を載置し、被洗浄物を弾性マスキング部材によって部分的にマスキングする工程。
(b)弾性マスキング部材によって部分的にマスキングされた状態の被洗浄物を、ハウジングに対して押圧する工程。
(c)押圧された状態の被洗浄物における洗浄対象部分に対し、洗浄液吐出ノズルから洗浄液を吐出し、被洗浄物を洗浄する工程。
(d)押圧された状態の被洗浄物における洗浄対象部分に対し、エアー吹き付けノズルからエアーを吹き付け、被洗浄物に付着した洗浄液を強制的に除去する工程。
すなわち、これらの工程を含む部分洗浄方法であれば、洗浄対象部分の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを効果的に抑制し、洗浄対象部分を効率的に洗浄することができるばかりか、洗浄液の使用量を抑制し、かつ、洗浄後の乾燥時間を短縮することができる。
また、本発明の部分洗浄方法を実施するにあたり、部分洗浄装置が、ハウジングを構成する構成部材として、開口部を有するとともに、ハウジングから取り外し可能なトレイ部材であって、当該トレイ部材が有する開口部を第1の開口部とするトレイ部材を備えるとともに、工程(a)の後に、下記工程(a´)を行うことが好ましい。
(a´)トレイ部材のハウジング側において、第1及び第2の開口部を通して、被洗浄物の洗浄対象部分が露出していることを確認する工程。
このように実施することにより、手作業で部分洗浄方法を実施する場合であっても、より安定的に所定の洗浄対象部分のみを洗浄することができる。
図1(a)〜(b)は、第1の実施形態の部分洗浄装置を説明するために供する図である。 図2は、第1の実施形態の部分洗浄装置におけるハウジングを説明するために供する図である。 図3は、被洗浄物の載置形態を説明するために供する図である。 図4(a)〜(b)は、第1の実施形態の部分洗浄装置による被洗浄物の洗浄態様を説明するために供する図である。 図5(a)〜(c)は、被洗浄物を説明するために供する図である。 図6(a)〜(b)は、第1の開口部の形態を説明するために供する図である。 図7は、トレイ部材を用いた場合の被洗浄物の載置形態を説明するために供する図である。 図8は、第1及び第2の開口部を通して露出した洗浄対象部分を説明するために供する図である。 図9は、スプレー距離及び洗浄液の吐出圧と、洗浄時間と、の関係を説明するために供する図である。 図10(a)〜(b)は、弾性マスキング部材を固定する態様を説明するために供する図である。 図11(a)〜(b)は、押圧部材について説明するために供する図である。 図12(a)〜(b)は、大面積用部分洗浄装置について説明するために供する図である。 図13(a)〜(c)は、広角ノズル、スリット型エアーノズルおよびフラットエアーノズルについて説明するために供する図である。 図14(a)〜(b)は、汎用部分洗浄装置について説明するために供する図である。 図15(a)〜(c)は、ペーストカップ用部分洗浄装置について説明するために供する図である。 図16は、従来の基板洗浄装置を説明するために供する図である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、被洗浄物を部分的に洗浄するための部分洗浄装置であって、図1及び図2に示すように、内部に洗浄液吐出ノズル3及びエアー吹き付けノズル4を有し、上方または側方の壁面に第1の開口部13を有するハウジング2と、ハウジング2における第1の開口部13と連通した開口部を形成するための第2の開口部31を有し、ハウジング2に対して取り外し可能に固定された弾性マスキング部材30と、を備え、ハウジング2の上方または側方において、弾性マスキング部材30によって部分的にマスキングされた状態で載置された被洗浄物20に対し、第1及び第2の開口部13、31を通して、洗浄液吐出ノズル3にて洗浄液を吐出した後、エアーを吹き付けノズル4にてエアーを吹き付け、被洗浄物20に付着した洗浄液を強制的に除去することを特徴とする部分洗浄装置1である。
なお、図1は、本発明である第1の実施形態の部分洗浄装置1を説明するために供する図であって、図2は、その部分洗浄装置1におけるハウジング2を、被洗浄物20とともに、特に説明するために供する図である。
以下、第1の実施形態としての部分洗浄装置について、構成要件ごとに具体的に説明する。
1.部分洗浄の概要
まず、第1の実施形態の部分洗浄装置を用いて行う部分洗浄の概要を説明する。
すなわち、第1の実施形態の部分洗浄装置は、図2および図3に示すように、ハウジング2の上方(または側方)位置において、弾性マスキング部材30によって部分的にマスキングされた状態で、被洗浄物20を載置するように構成してある。
図2は、弾性マスキング部材30を介して、被洗浄物20を載置するとともに、矢印Aで示される方向に加圧して、所定場所に密着させることを示している。
また、図3は、被洗浄物20を矢印Aで示されるように、反転させながら、弾性マスキング部材30を介して、所定場所に載置することを示している。
したがって、図4(a)〜(b)に示すように、連通した第1及び第2の開口部13、31を介して、被洗浄物20における所定の洗浄対象部分21のみを洗浄液吐出ノズル3及びエアー吹き付けノズル4に対して露出させることができる。
その結果、図4(a)に示すように、洗浄対象部分21のみを、洗浄液吐出ノズル3より吐出される洗浄液にて洗浄することができる。
さらに、図4(b)に示すように、洗浄対象部分21に付着している洗浄液を、エアー吹き付けノズル4より吹き付けられるエアーによって、強制的に除去し、乾燥させることができる。
したがって、第1の実施形態の部分洗浄装置1であれば、洗浄対象部分の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを効果的に抑制し、洗浄対象部分を効率的に洗浄することができるばかりか、洗浄液の使用量を抑制し、かつ、洗浄後の乾燥時間を短縮することができる。
2.被洗浄物
第1の実施形態の部分洗浄装置にて洗浄される被洗浄物としては、特に限定されるものではないが、被洗浄物の特定部分のみを洗浄対象部分として有する部材であることが好ましい。
例えば、部材中の一部にのみ回路基板部分を有するような家電部品、自動車部品、あるいはその他の工業用部品等であれば、当該回路基板部分に残留している半田フラックスを洗浄する必要があることから、本発明における被洗浄物として好適である。
このような被洗浄物としては、より具体的に、部分洗浄が必要なパーソナルコンピュータ用回路基板、テレビ用回路基板、ビデオ用回路基板、冷蔵庫用回路基板、洗濯機用回路基板、掃除機用回路基板、携帯電話用回路基板、複写器用回路基板、エアコン用回路基板、配電盤用回路基板、ロードセルに含まれる起歪体、ハードディスク用ベース、自動車電子制御用回路基板、車両用回路基板、船舶制御用回路基板、飛行機制御用回路基板等が挙げられる。
また、全体が回路基板からなる被洗浄物であっても、後付けされた部分のみを部分的に洗浄する場合があるため、このような被洗浄物も本発明における被洗浄物の対象として好適である。
さらに、部材中に回路基板部分を有していないものであっても、例えば、基板の表面実装に用いられるペーストの使用済みカップ(ペーストカップ)であれば、カップの内部に残留しているペーストを洗浄除去するに際し、容器の内部のみを部分洗浄することにメリットがあるため、本発明における被洗浄物の対象として好適である。
次いで、図5(a)〜(c)を用いて、被洗浄物20の一例としてのロードセルに含まれる起歪体を説明する。
ここで、図5(a)は、起歪体の側面図であり、図5(b)は、正面図であり、図5(c)は、斜視図である。
すなわち、図5(a)〜(c)に示す起歪体20には、歪みゲージが半田付けされた回路基板部分21(21a、21b、21c)が設けてあり、そこから歪増幅器や指示計等と接続可能に、電気配線や端子が配設されている。
したがって、このような起歪体20を本発明の部分洗浄装置にて洗浄する場合には、起歪体20における回路基板部分21(21a、21b、21c)のみを洗浄対象部分として、選択的に洗浄することになる。
3.ハウジング
本発明の部分洗浄装置のハウジングは、以下においてそれぞれ説明するように、第1の開口部、洗浄液吐出ノズル及びエアー吹き付けノズルを有することを特徴とする。
なお、かかるハウジングの構成材料としては、洗浄液による腐食や機械的強度等を考慮して、ステンレスとすることが好ましい。
また、ハウジングの容量としては、被洗浄物の大きさや、洗浄条件等にもよるが、一般的には5〜50リットルの範囲内の値とすることが好ましく、10〜20リットルの範囲内の値とすることがより好ましい。
(1)第1の開口部
本発明におけるハウジング2は、図2に示すように、上方または側方の壁面29において第1の開口部13を有することを特徴とする。
この理由は、ハウジング2が、上方または側方の壁面29において第1の開口部13を有することにより、後述する弾性マスキング部材30によって部分的にマスキングされた状態で載置された被洗浄物20に対し、当該第1の開口部13及び弾性マスキング部材30に設けられた第2の開口部31を通して、洗浄液吐出ノズル3にて洗浄液を吐出することができるためである。
その結果、これらの開口部13、31以外の部分、すなわち、洗浄対象部分21の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを効果的に抑制し、洗浄対象部分21を効率的に洗浄することができるばかりか、洗浄液の使用量を抑制することができるためである。
また、弾性マスキング部材30によって部分的にマスキングされた状態で載置された被洗浄物20に対し、連通した第1及び第2の開口部13、31を通してエアー吹き付けノズル4にてエアーを吹き付けることから、洗浄後の乾燥時間を短縮することができるためである。
また、被洗浄物20をハウジング2の上方また側方に載置させる構成であることから、吐出された洗浄液を、容易にハウジング2の下部にて回収することができる。
なお、第1の開口部の形状は、洗浄対象部分の形状に対応して形成されていればよく、図3に示すような不定形や、長方形、三角形、円形等、何ら制限されるものではない。
また、図2においては、第1の開口部13をハウジング2の上方に設けた形態のみを示しているが、第1の開口部13をハウジング2の側方に設けた場合であっても、洗浄対象部分の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを効果的に抑制し、洗浄対象部分を効率的に洗浄することができるばかりか、洗浄液の使用量を抑制し、かつ、洗浄後の乾燥時間を短縮することができる。
また、図6(a)に示すように、弾性マスキング部材30が固定される側における第1の開口部13の周囲に、凸状の被押圧部13aを設けることが好ましい。
この理由は、かかる被押圧部13aを設けることにより、第1の開口部13の周囲部分における被洗浄物及び弾性マスキング部材間における密着性、並びに弾性マスキング部材及びハウジング間における密着性を、部分的に向上させることができるためである。
その結果、洗浄対象部分21の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを、より効果的に抑制することができるためである。
なお、被押圧部13aの面積S2は、被洗浄物に対する押圧にもよるが、例えば、第1の開口部の面積1cm2当たり1〜10cm2の範囲内の値とすることが好ましく、2〜5cm2の範囲内の値とすることがより好ましい。
特に、第1の開口部の形状にかかわりなく、かかる被押圧部の面積を一定とすることで、被洗浄物の種類にかかわりなく、被押圧部に対する押圧力を一定レベルに調節することが容易になる。
また、被押圧部13aの高さとしては、1〜5mmの範囲内の値とすることが好ましく、2〜3mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、図6(b)に示すように、第1の開口部13が、ハウジングの内部に向かって広がるように、第1の開口部13の内壁に傾斜部13bを設けることが好ましい。
この理由は、かかる傾斜部13bを設けることにより、洗浄液の吐出及び付着した洗浄液の強制除去を、より容易に行うことができることから、洗浄後の乾燥時間を、さらに短縮することができるためである。
すなわち、図6(b)中に、傾斜角度(θ)で表わされる傾斜部を設けることにより、吐出された洗浄液の吐出方向を、洗浄対象部分に集中させやすくすることができるばかりか、付着した洗浄液についても、吹き付けられたエアーによって、容易に飛散させることができるためである。
なお、かかる傾斜部は、平面状であっても曲面状であってもよく、傾斜角度θについては、1〜60°の範囲内の値とすることが好ましく、10〜30°の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、図3に示すように、第1の開口部13の周囲に、弾性マスキング部材30及び被洗浄物20を安定的に位置決めするための位置決め部材12を設けることが好ましい。
この理由は、かかる位置決め部材12を設けることにより、連通した第1及び第2の開口部を通して、確実に洗浄対象部分をハウジング側に露出させることができるためである。
なお、かかる位置決め部材は、少なくとも縦及び横の位置決め部材をそれぞれ一つずつ設けることが好ましく、図3に示すように、合計3つ設けることも好ましい。
(2)トレイ部材
また、図7に示すように、ハウジング2を構成する構成部材として、開口部を有するとともに、ハウジング2から取り外し可能なトレイ部材40を備え、かつ、当該トレイ部材40が有する開口部を、前記第1の開口部13とすることが好ましい。
すなわち、ハウジング2における弾性マスキング部材30を取り外し可能に固定させる部分を、ハウジング本体2から取り外し可能なトレイ部材40とすることが好ましい。
この理由は、かかるトレイ部材を設けることにより、図8に示すように、トレイ部材40のハウジング側において、連通した第1及び第2の開口部13、31を通して、被洗浄物の洗浄対象部分21が露出していることを容易に確認することができるためである。
これにより、洗浄対象部分21の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを、より確実に抑制することができる。
また、トレイ部材40を交換することにより、第1の開口部13の形状を、容易に変えることができる。
すなわち、例えば、図3に示すように、トレイ部材を設けない場合、被洗浄部分がハウジング側において露出しているか否かを直接確認することは困難となる。
一方、トレイ部材40を設けた場合には、図7に示すようにトレイ部材40上に弾性マスキング部材30によって部分的にマスキングされた被洗浄物20を載置させた状態で、全体を反転させることにより、図8に示すように、容易に洗浄対象部分21が露出していることを確認することができる。
(3)洗浄液吐出ノズル
また、本発明におけるハウジングは、図2に示すように、内部に洗浄液吐出ノズル3を有することを特徴とする。
この理由は、ハウジング2の内部に洗浄液吐出ノズル3を設けることにより、ハウジング2の内部から、連通した第1及び第2の開口部13、31を通して、露出した洗浄対象部分21のみを、洗浄液にて洗浄することができるためである。
かかる洗浄液吐出ノズルとしては、特に制限されるものではなく、例えば、図1に示すように、エアー駆動式のダイアフラムポンプ等の洗浄液供給手段8によって、洗浄液汲み上げ管10a及び洗浄液供給管10bを介して洗浄液供給容器11aから供給された洗浄液を、圧力0.1〜0.5MPaの条件下、0.1〜24リットル/分の範囲内の吐出速度(流量)を得ることができるスプレーノズルとすることが好ましい。
また、かかるスプレーノズルとしては、被洗浄物に応じて、扇形、円錐、角錐、直進ノズル等を適宜使い分けて使用することができる。
また、1回の洗浄で用いる洗浄液の量は、洗浄対象部分のサイズにもよるが、一般的には1〜720,000ミリリットルの範囲内の値とすることが好ましく、1〜240,000ミリリットルの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、洗浄液吐出ノズル3は、図2に示すように、第1の開口部13の正面に位置するように設けることが好ましい。
この理由は、このように設けることにより、洗浄対象部分における半田フラックス等の汚染物質を、ムラなく安定的に洗浄することができるためである。
そして、第1の開口部13と、洗浄液吐出ノズル3と、の距離を、−200〜200mmの範囲内の値とすることが好ましく、−60〜60mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、第1の開口部と、洗浄液吐出ノズルと、の距離が負の値となる場合とは、例えば、弾性マスキング部材の厚さを非常に厚くした場合や、後述する汎用部分洗浄装置及びペーストカップ用部分洗浄装置における場合等に、洗浄液吐出ノズルの先端が、第1の開口部よりも、ハウジングの外側に位置している場合が該当する。
次いで、図9を用いて、第1の開口部及び洗浄液吐出ノズル間の距離(以下、洗浄距離と称する)及び洗浄液の吐出圧と、洗浄時間と、の関係を説明する。
すなわち、図9には、横軸に洗浄距離(mm)を採り、縦軸に洗浄時間(秒)を採った特性曲線A〜Cが示してある。
ここで、特性曲線A〜Cは、洗浄液の吐出圧を、それぞれ0.1、0.3及び0.5MPaとした場合の特性曲線である。
なお、洗浄時間とは、被洗浄物としてロードセルに含まれる起歪体の基板部分における半田フラックスの除去具合を、光学顕微鏡を用いて確認した場合に、樹脂残が全く無い状態となるまでに要した洗浄時間(秒)を意味する。
かかる特性曲線A〜Cより理解されるように、洗浄距離が0〜60mmまでであれば、吐出圧にかかわらず、20秒以内の洗浄時間で効率的に部分洗浄を行うことができる。
一方、洗浄距離が60mmを超えた値になると、洗浄時間に対する吐出圧の影響が徐々に大きくなってしまうことがわかる。
より具体的には、洗浄距離を90mmにして、20秒以内の洗浄時間を確保しようとするならば、0.3MPa以上の吐出圧としなければならないことがわかる。
したがって、本発明の部分洗浄装置においては、洗浄距離を0〜60mmの範囲内に調節することで、吐出圧によらず、優れた洗浄性を安定的に得ることができることが理解される。
他方、仮に洗浄距離を60〜200mmの範囲で、比較的大きく取った場合であっても、吐出圧を増加させることで、所望の洗浄性を維持できることが理解される。
(4)エアー吹き付けノズル
また、本発明におけるハウジングは、図2に示すように、内部にエアー吹き付けノズル4を有することを特徴とする。
この理由は、ハウジング2の内部にエアー吹き付けノズル4を設けることにより、洗浄対象部分21に付着した洗浄液を強制的に飛散させて、除去することができるためである。
したがって、かかるエアー吹き付けノズルを設けることにより、洗浄後の乾燥時間を短縮することができるばかりか、使用済みの洗浄液による被洗浄物の浸食についても効果的に抑制することができる。
ここで、かかるエアー吹き付けノズルの態様としては、特に制限されるものではなく、エアー供給管9aを介してコンプレッサ等に接続され、0.1〜0.8MPaの条件下で、100〜1,500リットル/分(0℃、1atm)の範囲内の吹き付け速度(流量)を得ることができるものであれば、幅広型エアーノズルであっても、集中型エアーノズルであってもよい。
また、1回のエアー吹き付け量としては、洗浄対象部分のサイズにもよるが、一般的には0.1〜45,000リットルの範囲内の値とすることが好ましく、1〜15,000リットルの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、エアー吹き付けノズル4は、図2に示すように、第1の開口部13の斜め方向に位置するように設けることが好ましい。
この理由は、このように設けることにより、洗浄対象部分に付着している洗浄液を、より容易に飛散させて、除去することができるためである。
そして、第1の開口部13と、エアー吹き付けノズル4と、の距離は、−200〜200mmの範囲内の値とすることが好ましく、−60〜60mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、エアー吹き付けノズル及びエアー駆動式のダイアフラムポンプに供給されるコンプレッサからのエアー供給タイミング及び供給量は、図1に示すように、エアー制御装置14によって、最適なプログラムに沿って制御することが好ましい。
(5)エアー排出口
また、本発明におけるハウジングは、図2に示すように、当該ハウジングの一部にエアー排出口5を備えることが好ましい。
この理由は、かかるエアー排出口5を設けることにより、エアー吹き付けノズル4から吹き付けられたエアーを、そのままエアー排出管6を介してハウジング2の外へと、安定的に排出することができ、ひいては、洗浄後の乾燥時間をより安定的に短縮することができるためである。
また、かかるエアー排出口5の断面積S1を1〜200cm2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、エアー排出口の断面積S1をかかる範囲内の値とすることによって、エアー吹き付けノズル4により吹き付けられたエアーを、より安定的にハウジング2の外へと排出することができるためである。
したがって、エアー排出口の断面積を3〜180cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、5〜80cm2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(6)洗浄液回収口
また、図1及び図2に示すように、ハウジング2の下部において、洗浄液回収口7を設けることが好ましい。
この理由は、洗浄液吐出ノズル3から吐出された使用済みの洗浄液を、回収洗浄液輸送管15を介して、容易にハウジング2の外に輸送し、洗浄液回収容器11b内に回収することができるためである。
4.弾性マスキング部材
本発明の部分洗浄装置は、図2に示すように、ハウジング2に対して取り外し可能に固定された弾性マスキング部材30を備えることを特徴とする。
この理由は、図4(a)〜(b)に示すように、弾性マスキング部材30を備えることにより、ハウジング2及び弾性マスキング部材30の間における密着性、並びに被洗浄物20及び弾性マスキング部材30の間における密着性を、それぞれ効果的に向上させることができるためである。
したがって、ハウジング2及び被洗浄物20と、弾性マスキング部材30と、の間に、洗浄液が侵入することを効果的に抑制することができ、ひいては、洗浄対象部分21以外の部分に対して洗浄液が付着することを、効果的に抑制することができる。
また、このような弾性マスキング部材30であれば、被洗浄物20との密着性に優れる一方で、剥離性にも優れることから、部分洗浄済の被洗浄物20を、容易に取り外し、次の被洗浄物20の部分洗浄に移行することができる。
また、このような弾性マスキング部材30であれば、加圧により適度に変形し、かつ、その変形が可塑的であるため、複数の被洗浄物20を連続して部分洗浄した場合であっても、上述した優れた密着性及び剥離性を、繰り返し、かつ、安定的に発揮することができる。
さらに、上述した弾性マスキング部材30であれば、加圧により適度に変形することから、部分洗浄時に被洗浄物20を押圧した場合であっても、被洗浄物20に対するダメージを効果的に抑制することができる。
(1)第2の開口部
また、図3に示すように、弾性マスキング部材30は、ハウジング2における第1の開口部13と連通した開口部を形成するための第2の開口部31を有することを特徴とする。
ただし、かかる第2の開口部31は、その形状がハウジング21における第1の開口部13の形状に対応するように形成されていれば、他の条件については特に制限されるものではない。
(2)材質
また、弾性マスキング部材の主原料が、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム及びポリイソブチレンから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
この理由は、これらの樹脂組成物であれば、弾性マスキング部材の弾性を、容易に調節することができるばかりか、後述する被洗浄物との接触面における立体形状の加工も、容易に行うことができるためである。
特に、ウレタンゴムであれば、弾性率が低くても耐溶剤性が高いため、より好適である。
なお、弾性マスキング部材の弾性の目安としては、そのヤング率を100〜5,000kPaの範囲内の値とすることが好ましく、150〜3,000kPaの範囲内の値とすることがより好ましい。
(3)形状
また、弾性マスキング部材における被洗浄物との接触面における立体形状を、第2の開口部を除き、被洗浄物に対して嵌合するように形成してあることが好ましい。
この理由は、弾性マスキング部材をこのように形成することにより、弾性マスキング部材により被洗浄物をマスキングする際に、容易に位置合わせをすることができるためである。
その結果、洗浄対象部分の周辺に対し、使用済みの洗浄液が飛散して付着することを、さらに確実に抑制することができる。
すなわち、このように構成することにより、洗浄対象部分と、第2の開口部と、の位置合わせを、容易に行うことができるためである。
また、弾性マスキング部材の厚さを3〜20mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、弾性マスキング部材の厚さが3mm未満の値となると、被洗浄物をハウジング側に押圧した場合であっても、十分な密着性を得ることが困難となる場合があるためである。一方、弾性マスキング部材の厚さが20mmを超えた値となると、押圧によって第2の開口部が過度に変形しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、弾性マスキング部材の厚さを4〜18mmの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜15mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)固定
また、弾性マスキング部材を、取り外し可能にハウジングに固定する方法としては、特に限定されるものではないが、ビス及びナット等によって固定することが好ましい。
この場合、被洗浄物と直接に接する部材であることから、被洗浄物側にビスもしくはナットを露出させることはできないため、図10(a)〜(b)に示すように、ビス33もしくはナット34を、弾性マスキング部材30に設けられた凹部32に収まるようにし、さらに、その上から、弾性マスキング部材30と同程度の弾性を有する樹脂35等によって、蓋をしておくことが好ましい。
5.押圧部材
本発明の部分洗浄装置では、図4(a)〜(b)に示すように、ハウジング2に対して、弾性マスキング部材30によって部分的にマスキングされた状態の被洗浄物20を、作業者が手によって直接押圧することで、十分に洗浄液の漏れを抑制することができる。
一方、かかる押圧を、押圧部材を用いて行うことも好ましい。
この理由は、押圧力のムラを抑制して、吐出された洗浄液の漏れを、さらに効果的に抑制することができるためである。
より具体的には、トグルクランプ、油圧シリンダー及び空圧シリンダー等を用いた押圧部材等を挙げることができる。
特に、図11(a)〜(b)に示すような、トグルクランプ50であれば、手動で容易に扱うことができる一方で、押圧力のムラを効果的に抑制することができることから、好適である。
また、このとき、被洗浄物の表面に押圧によるダメージを与えないために、図11(a)〜(b)に示すように、トグルクランプ50の押圧部に、例えば、ウレタン樹脂からなる弾性体層51を設けることが好ましい。
なお、被洗浄物に対する押圧力としては、10〜1,200kPaの範囲内の値とすることが好ましく、30〜800kPaの範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、押圧部材に対し、押圧計を設置した場合には、弾性マスキング部材の劣化具合を定量的に確認することができ、弾性マスキング部材を交換する時期の目安とすることもできる。
なお、被洗浄物20が、厚さの薄い回路基板等である場合には、洗浄後の被洗浄物20を弾性マスキング部材30上から回収しにくくなる場合があるため、例えば、真空パッド等のメカニカルチャックを部分洗浄装置に対して取り付けることも好ましい。
6.その他の態様
以上においては、主に、部材中の一部にのみ回路基板部分を有し、かつ、洗浄対象部分の面積が比較的狭い特定の被洗浄物の部分洗浄に特化した部分洗浄装置(以下、小面積用部分洗浄装置と称する場合がある。)を例に挙げて説明してきたが、本発明の部分洗浄装置は、かかる態様に限定されるものではない。
以下、その他の態様の例として、洗浄対象部分の面積が比較的広い被洗浄物を対象とした大面積用部分洗浄装置、汎用部分洗浄装置、及びペーストカップ用部分洗浄装置について、それぞれ説明する。
(1)大面積用部分洗浄装置
図12(a)〜(b)に示すように、大面積用部分洗浄装置1aの基本的な構成としては、図3に示す小面積用部分洗浄装置1と変わるところはないものの、被洗浄物20として、洗浄対象部分21の面積が比較的広い被洗浄物20aを対象としている点が大きく異なっている。
すなわち、かかる大面積用部分洗浄装置1aは、例えば、複数の半導体チップが、比較的広い面積、より具体的には、1〜1000cm2の範囲に渡って半田づけされている回路基板であっても、効率的に部分洗浄できる点を特徴とする。
したがって、大面積用部分洗浄装置1aにおける第1の開口部13の面積は、50〜600cm2の範囲内の値とすることがより好ましく、90〜200cm2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、大面積用部分洗浄装置における洗浄液吐出ノズルは、図13(a)に示すように、広角ノズル3aであることが好ましく、さらに、当該広角ノズル3aが、第1の開口部13の開口面に沿って平行移動可能であることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、洗浄対象部分21dの面積が比較的広い場合であっても、洗浄対象部分21dの全面に対して、効率的に洗浄液を吐出することができるためである。
すなわち、図13(a)に示すような、例えば、80〜150°の噴射角θ3を有する広角ノズル3aを、洗浄液を吐出しながら図12(a)に示すように、矢印Aの方向に平行移動させることで、被洗浄物20aにおける洗浄対象部分21dが比較的広い場合であっても、洗浄対象部分21dの全面に対して、効率的に洗浄液を吐出することができる。
したがって、広角ノズル3aの噴射角θ3を、10〜120°の範囲内の値とすることがより好ましく、90〜110°の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、広角ノズル3aの態様としては、所定の噴射角を有し、洗浄対象部分21dの全面に対して洗浄液を吐出できるものであれば、特に限定されるものではなく、扇形、円錐、角錐、直進ノズル等を適宜使い分けて使用することができる。
また、広角ノズルの移動速度としては、被洗浄物によるが、通常1〜30cm/秒の範囲内の値とすることが好ましく、10〜20cm/秒の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、順次、複数の被洗浄物を洗浄する観点から、広角ノズルが往復可能であることが好ましく、このときの洗浄液の吐出は、往時のみでも、往復時両方であってもよく、被洗浄物によって、適宜調節することが好ましい。
また、広角ノズルの移動方法としては、例えば、図12(b)に示すように、ハウジング2の内壁に対して広角ノズル3aの進行方向に沿って設けられたレール部材63(63a、63b)と、かかるレール部材63に対して移動可能に固定された広角ノズル移動部材64とを用いることが好ましい。
この理由は、かかる移動方法であれば、広角ノズル3aを安定的に第1の開口部13の開口面に対して平行方向に移動させることができるためである。
なお、広角ノズルが固定された広角ノズル移動部材を移動させる具体的な態様としては、例えば、モーター等の回転運動を往復運動に変換したロッド方式のピストン等が挙げられる。
また、広角ノズル3aが移動しながら洗浄液を吐出できるように、広角ノズル3aに対して洗浄液を供給するためのパイプは、洗浄液供給用可撓性パイプ62とすることが好ましい。
その他、大面積用部分洗浄装置における上述した以外の洗浄液の吐出条件については、既に記載した小面積用部分洗浄装置における条件と同様にすることができる。
また、大面積用部分洗浄装置におけるエアー吹き付けノズルは、図12(a)および(b)に示すように、スリット型エアーノズル4aであることが好ましく、さらに、当該スリット型エアーノズル4aが、第1の開口部13の開口面に沿って平行移動可能であることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、洗浄対象部分の面積が比較的広い場合であっても、洗浄対象部分に吐出された使用済みの洗浄液を、効率的に強制除去しつつ、吹き付けられたエアーを、安定的にハウジング外に排出することができるためである。
すなわち、スリット型エアーノズル4aを、被洗浄物20aに対して、エアーを吹き付けながら図12(a)に示すように、矢印Bの方向に平行移動させることで、被洗浄物20aにおける洗浄対象部分21dが比較的広い場合であっても、洗浄対象部分21dに吐出された使用済みの洗浄液を、効率的に強制除去することができる。
また、第1の開口部13を介して、スリット型エアーノズル4aと対向する位置に、コの字型吸引ノズル5aを備えることにより、スリット型エアーノズル4aから吹きつけられる大量のエアーを、積極的にハウジング2の外に排出して、ハウジング2の内圧が過度に上昇することを防ぐことができる。
なお、スリット型エアーノズルとは、スリット状のエアー吹き出し部を備えたエアーノズルであって、被洗浄物に対して断面形状が線状であるエアーを吹き付けて、所謂、エアーナイフを形成できるエアーノズルを意味する。
また、スリット型エアーノズルを、図13(b)に示すような長尺ノズル4aとすることが好ましい。
この理由は、洗浄対象部分21dの全面に対してエアーを吹き付ける必要があることから、スリット型エアーノズル4aの長さL1を洗浄対象部分21dの幅と同程度か、あるいはそれよりも大きな値とする必要があるためである。
したがって、洗浄対象部分21dの幅によるが、通常、スリット型エアーノズル4aの長さL1を5〜150cmの範囲内の値とすることが好ましく、2〜30cmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、エアー吹き出し部の幅、すなわち、スリット幅L3は、0.1〜3mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、スリット型エアーノズルにおけるエアー流速を所定の範囲内の値に調節して、洗浄対象部分に吐出された使用済みの洗浄液を、より効率的に強制除去することができるためである。
したがって、エアー吹き出し部の幅L3を50〜1,500mmの範囲内の値とすることがより好ましく、20〜300mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、エアー吹き付け角度θ1としては、特に制限されないが、1〜90°の範囲内の値とすることが好ましく、45〜90°の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、図13(b)に示すようにスリット型エアーノズル本体70の断面を、長方形とし、さらに、長手方向に設けられたエアー吹き出し部74を、被洗浄物が存在する方向に延設するための平板状延設冶具71およびL字状延設冶具72を備えることが好ましい。
この理由は、スリット型エアーノズル4aの断面を長方形とすることにより、その外面に対して、平板状延設冶具71およびL字状延設冶具72を、ネジ73等によって容易に固定することができるためである。
また、平板状延設冶具およびL字状延設冶具を備えることにより、これらの位置を微調整したり、交換したりすることで、エアー吹き出し部の幅の調節や、エアー吹き出し部と被洗浄物との距離の調節を容易に行うことができるためである。
また、スリット型エアーノズルにおけるエアーの吹き出し速さ、すなわち、エアー流速を80〜300m/秒の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるエアー流速を所定範囲内の値とすることにより、洗浄対象部分の面積が比較的広い場合であっても、洗浄対象部分に吐出された使用済みの洗浄液を、より効率的に強制除去することができるためである。
すなわち、かかるエアー流速が80m/秒未満の値となると、洗浄対象部分の面積が比較的広い場合には、洗浄対象部分に吐出された使用済みの洗浄液を、十分に吹き飛ばして強制除去することが困難になる場合があるためである。一方、かかるエアー流速が300m/秒を超えた値となると、ハウジング内の圧力制御が困難になったり、洗浄対象部分における半田づけされた半導体チップ等が脱落したり、破損したりする場合があるためである。
したがって、スリット型エアーノズルにおけるエアー流速を90〜200m/秒の範囲内の値とすることがより好ましく、100〜150m/秒の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、スリット型エアーノズルに対してエアーを供給するエアー供給装置としては、高圧ブロアを用いることが好ましい。
この理由は、大面積用部分洗浄装置においては、洗浄対象部分の面積が比較的大きいことから、スリット型エアーノズルからのエアー吹き付け量が大きく、小面積用部分洗浄装置におけるように、エアー供給装置としてコンプレッサ等を用いると、十分量のエアーを連続的に供給することが困難になる場合があるためである。
また、高圧ブロアであれば、その吸気口に対して後述するコの字型吸引ノズルを接続することにより、被洗浄物に対するエアー吹き付けと、ハウジング内のエアー吸引とを同時に行うことができるためである。
また、スリット型エアーノズルの移動速度としては、被洗浄物の種類によるが、通常1〜30cm/秒の範囲内の値とすることが好ましく、1〜10cm/秒の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、順次、複数の被洗浄物を洗浄する観点から、スリット型エアーノズルが往復可能であることが好ましく、このときのエアーの吹き付けは、往時のみでも、往復時両方であってもよく、被洗浄物によって、適宜調節することが好ましい。
また、スリット型エアーノズル4aの移動方法としては、広角ノズル3aの移動方法と同様に、ハウジング2の内壁に対してスリット型エアーノズル4aの進行方向に沿って設けられたレール部材と、かかるレール部材に対して移動可能に固定されたスリット型エアーノズル移動部材65とを用いる方法が好ましい。
なお、スリット型エアーノズルの移動方法の詳細については、広角ノズルの移動方法と重複するため、省略する。
また、スリット型エアーノズル4aが移動しながら洗浄液を吐出できるように、スリット型エアーノズル4aに対してエアーを供給するためのパイプは、エアー供給用可撓性パイプ61とすることが好ましい。
その他、大面積用部分洗浄装置における上述した以外のエアー吹き付け条件については、既に記載した小面積用部分洗浄装置における条件と同様にすることができる。
また、第1の開口部13を介して、スリット型エアーノズル4aと対向する位置に、コの字型吸引ノズル5aを備えることが好ましい。
このようにコの字型吸引ノズル5aを配置することにより、洗浄対象部分21dに当たって跳ね返ったエアーを、そのまま吸引することができるためである。
また、拡散したエアーについても効率的に吸引する必要があることから、コの字型エアーノズル5aの長さL2をスリット型エアーノズル4aの長さL1よりも大きな値とすることが好ましい。
したがって、スリット型エアーノズル4aの長さL1にもよるが、通常、コの字型吸引ノズル5aの長さL2を1〜30cmの範囲内の値とすることが好ましく、10〜20cmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、洗浄対象部分21dに当たって跳ね返ったエアーの大半を、そのまま吸引すべく、コの字型吸引ノズル5aにおける開口幅L4を1〜10cmの範囲内の値とすることが好ましく、1〜5cmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、同様の観点から、コの時型吸引ノズル5aの取り付け角度θ2を0〜80°の範囲内の値とすることが好ましく、20〜45°の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、大面積用部分洗浄装置におけるエアー吹き付けノズルとして、スリット型エアーノズルを中心に説明してきたが、洗浄対象部分の面積に合わせて、その他のエアー吹き付けノズルを適宜使用することも好ましい。
より具体的には、洗浄対象部分の幅が1〜20mmの範囲内の値である場合には、広角ノズルを用いることが好ましい。
なお、かかる広角ノズルは、構成として、洗浄液吐出ノズルとしての図13(a)に示す広角ノズル3aと同様の構成とすることができる。
また、洗浄対象部分の幅が20〜50mmの範囲内の値である場合には、図13(c)に示すような、所謂、フラットエアーノズル(例えば、いけうち(株)製、1/4M TF−F50−16−012 S304)4bを使用することが好ましい。
そして、最後に、洗浄対象部分の幅が50mm以上の値である場合には、上述してきたように、図13(b)に示すようなスリット型エアーノズル4aを使用することが好ましい。
なお、エアー吹き付けノズルとして広角ノズルやフラット型エアーノズルを用いる場合には、ハウジングからのエアー排出手段として、エアー排出口を用いてもよいし、コの字型吸引ノズルを用いてもよい。
また、コの字型吸引ノズルにおける負圧を形成するエアー吸引装置としては、スリット型エアーノズルの項において記載したように、高圧ブロアを用いることが好ましい。
この理由は、高圧ブロアであれば、その吸気口に対してコの字型吸引ノズルを接続することにより、スリット型エアーノズルから吹きつけられたエアーを、そのまま吸引して、被洗浄物に対するエアー吹き付けと、ハウジング内のエアー吸引とを同時に行うことができるためである。
(2)汎用部分洗浄装置
図14(a)〜(b)に示すように、汎用部分洗浄装置1bは、被洗浄物20を特定することなく、種々の被洗浄物20b、20c、20dを部分洗浄することができる態様の部分洗浄装置である。
すなわち、かかる汎用部分洗浄装置1bは、基本的に、図3に示す小面積用部分洗浄装置1と変わるところはないものの、弾性マスキング部材30を被洗浄物20に合わせて交換することなく、種々の回路基板や、それを含む部材等を、部分洗浄できる点を特徴とする。
したがって、種々の被洗浄物に適応可能とする観点から、図14(b)に示すように、第1の開口部13及び第2の開口部31の平面形状を、円形や長方形といった、汎用性の高い形状とすることが好ましい。
また、種々の洗浄部分に適応可能とすべく、第1の開口部13及び第2の開口部31の面積を、比較的大きめとすることが好ましい。
具体的には、1〜100cm2の範囲内の値とすることが好ましく、7〜40cm2の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、かかる汎用部分洗浄装置における弾性マスキング部材としては、図14(a)〜(b)に示すように、第1の開口部13における周辺部において、当該周辺部を囲むように、被洗浄物20b、20c、20dの側に突出した立設部30aが設けてあることが好ましい。
この理由は、弾性マスキング部材をこのように形成することによって、種々の被洗浄物における洗浄部分を、容易に開口部内に収めることができるためである。
また、被洗浄物における洗浄部分以外の領域における立体形状にかかわらず、洗浄部分を容易に開口部内に収めることができるためである。
また、弾性マスキング部材30における立設部30aの頭頂部30a´の形状を、水平または内側の方が高くなるように傾斜を設けることが好ましい。
この理由は、立設部における頭頂部の形状をかかる形状とすることにより、被洗浄物と、弾性マスキング部材と、の間にかかる圧力を大きくし、これらの密着性を効果的に向上させることができるためである。
なお、立設部30aの幅L1は、5〜30mmの範囲内の値とすることが好ましく、高さL2は、30〜100mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、ハウジングに対する弾性マスキング部材の固定方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、図14(a)〜(b)に示すように、立設部30aと、ハウジング2への固定に資する平面部分30bと、を有するマスキング部材30を、固定部材36並びにナット34及びボルト33等によって、ハウジング2との間で挟み込んで固定することが好ましい。
この理由は、所定の弾性マスキング部材をかかる態様で固定することにより、比較的固定しにくい立体形状を有する弾性マスキング部材であっても、安定的にハウジングに対して固定させることができるためである。
また、弾性マスキング部材における弾性体が劣化した場合等であっても、容易に取り外して、交換することができるためである。
なお、汎用部分洗浄装置における洗浄液の吐出条件や、エアーの吹き付け条件については、既に記載した小面積用部分洗浄装置における条件と同様にすることができる。
(3)ペーストカップ用部分洗浄装置
図15(a)〜(c)に示すようにペーストカップ用部分洗浄装置1cは、内容物としての半田ペーストを使い切った容器(ペーストカップ)20eにおける残留物を洗浄除去するための部分洗浄装置である。
すなわち、使用済みの容器20eの内部に残留しているペーストを、容器の内部のみを部分洗浄することで洗浄除去することができる点を特徴とする。
かかるペーストカップ用部分洗浄装置1cは、基本的に、図3に示す小面積用部分洗浄装置1と変わるところはないものの、容器20eの内部を部分洗浄することに特化していることから、容器20eをマスキングするための弾性マスキング部材30に特徴を有する。
すなわち、図15(a)〜(c)に示すように、容器20eの口部において、蓋と螺着により外嵌するために容器20eの外周面に刻設されたねじ部25に対して、弾性マスキング部材30が、螺着により外嵌するように、内壁部に溝部30cが形成してあることが好ましい。
この理由は、弾性マスキング部材30においてこのような溝部30cを形成することにより、洗浄対象外である容器20eの外周面を、効果的にマスキングすることができるためである。
また、被洗浄物である容器20eを、螺着により容易に固定することができるとともに、洗浄後には、容易に取り外すことができるためである。
なお、ペーストカップ用部分洗浄装置1cにおける第1の開口部13及び第2の開口部31の面積は、必然的に被洗浄物である容器20eにおける口部の面積に合わせた面積となる。
また、ハウジングに対する弾性マスキング部材の固定方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、図15(a)〜(c)に示すように、直接的に被洗浄物と密着するための溝部30cを有する内壁部と、ハウジング2との固定に資する平面部30dと、を有する弾性マスキング部材30を、固定部材36並びにナット34及びボルト33等によって、ハウジング2との間で挟み込んで固定することが好ましい。
この理由は、所定の弾性マスキング部材をかかる態様で固定することにより、弾性マスキング部材を安定的にハウジングに対して固定させることができるためである。
また、固定部材による挟み込み強度を変えることで、弾性マスキング部材における内壁部と、被洗浄物と、の密着具合を適宜調節することができるためである。
すなわち、固定部材による挟み込み強度を大きくすることで、弾性マスキング部材における内壁部が被洗浄物側に押し出され、密着力を増加させることができ、逆に、固定部材による挟み込み強度を小さくすることで、かかる密着力を減少させることができる。
また、ペーストカップ用部分洗浄装置における洗浄液吐出ノズルとしては、洗浄部分の表面積が比較的大きくなる関係上、より強い洗浄力が必要となることから、圧力0.1〜0.6MPaの条件下で、10〜30リットル/分の範囲内の吐出速度を得ることができる円錐スプレーノズルを用いることが好ましい。
また、1回の洗浄で用いる洗浄液の量についても、10,000〜900,000ミリリットルの範囲内の値とすることが好ましく、20,000〜450,000ミリリットルの範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、第1の開口部と、洗浄液吐出ノズルと、の距離は、−200〜200mmの範囲内の値とすることが好ましく、−60〜60mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、ペーストカップの内部をより確実に洗浄できる観点から、洗浄液吐出ノズルが上下方向に往復可能であることが好ましく、このときの洗浄液の吐出は、往時のみでも、往復時両方であってもよく、ペーストカップの態様によって、適宜調節することが好ましい。
また、洗浄液吐出ノズルの移動方法としては、大面積用部分洗浄装置における広角ノズルの移動方法と同様に、ハウジングの内壁に対して洗浄物吐出ノズルの進行方向に沿って設けられたレール部材と、かかるレール部材に対して移動可能に固定された洗浄液吐出ノズル移動部材とを用いる方法が好ましい。
また、洗浄液吐出ノズルが固定された洗浄液吐出ノズル移動部材を移動させる具体的な態様としては、例えば、モーター等の回転運動を往復運動に変換したロッド方式のピストン等が挙げられる。
なお、後述するエアー吹き付けノズルについても、洗浄剤吐出ノズルと同様に、上下方向に移動可能とすることが好ましい。
また、エアー吹き付けノズルについても、洗浄液吐出ノズルと同様に、比較的強い吹き付けが必要となることから、圧力0.1〜0.8MPaの条件下で、100〜1500リットル/分(0℃、1atm)の範囲内の吹き付け速度を得ることができるスプレーノズルを用いることが好ましい。
また、1回のエアー吹き付け量としても、0.1〜45,000リットルの範囲内の値とすることが好ましく、1〜15,000リットルの範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、第1の開口部と、エアー吹き付けノズルと、の距離は、−200〜200mmの範囲内の値とすることが好ましく、−60〜60mmの範囲内の値とすることがより好ましい。
7.洗浄液
(1)種類
また、使用する洗浄液の種類は特に制限されるものではないが、例えば、グリコールエーテル系化合物、グリコールエステル系化合物、芳香族炭化水素系化合物およびピロリドン系化合物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
この理由は、このような洗浄液であれば、安価であり、かつ、比較的少量で、被洗浄物を迅速かつ十分に洗浄することができるためである。
ここで、好ましいグリコール化合物として、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、グリコールエステル系化合物としては、メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、芳香族炭化水素系化合物としては、1,2,4−トリメチルベンゼン(プソイドクメン)、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、メチルイソプロピルベンゼン、ジペンテン(リモネン)等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、ピロリドン系化合物としては、N−メチルピロリドン等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
特に、1,2,4−トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系化合物と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートやジエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール化合物との混合溶剤や、1,2,4−トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系化合物と、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート等のグリコールエステル系化合物との混合溶剤が好ましい。
この理由は、このような組み合わせであれば、洗浄性が優れているばかりか、所定の帯電性に抑制することができ、さらには、比較的安価なためである。
なお、このような混合溶剤を構成する場合、芳香族炭化水素系化合物100重量部に対して、グリコール化合物あるいはグリコールエステル系化合物の添加量を、10〜200重量部の範囲内の値とすることが好ましく、20〜70重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルや3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコール化合物と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートや3−メトキシブチルアセテート等のグリコールエステル系化合物との混合溶剤も好ましい。
なお、このような混合溶剤を構成する場合、グリコール化合物100重量部に対して、グリコールエステル系化合物の添加量を、10〜900重量部の範囲内の値とすることが好ましく、100〜500重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、さらに、ジペンテン等の芳香族炭化水素化合物を、グリコール化合物100重量部に対して、5〜18重量部の範囲内の値で添加することも好ましい。
(2)添加剤
また、使用する洗浄液中に、アミン化合物およびアルキルアンモニウムヒドロキシド化合物、あるいはいずれか一方の化合物を、さらに含有することが好ましい。
この理由は、このように構成すると、フラックス残渣の化学的除去がさらに促進され、フラックス残渣を、より効率的に除去することができるためである。
ここで、好ましいアミン化合物として、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−シクロヘキジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン等の一種単独、または二種以上の組み合わせが挙げられる。
なお、上述したアミン化合物を添加する場合、その添加量を、洗浄液の主成分100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるアミン化合物の添加量が、0.1重量部未満の値となると、添加効果が発現しない場合があるためであり、一方、20重量部を超えた値となると、フラックスの除去効率が逆に低下する場合があるためである。
したがって、アミン化合物の添加量を、洗浄液の主成分100重量部に対して、1〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)引火点
また、洗浄液の引火点を30℃以上の値とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、被洗浄物を迅速かつ安全に洗浄することができるためである。
但し、過度に洗浄液の引火点が高くなると、被洗浄物の洗浄性が著しく低下する場合がある。
したがって、洗浄液の引火点を40〜160℃の範囲内の値とすることがより好ましく、50〜80℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、洗浄液の引火点を40℃以上の値とすることにより、法定上の防爆設備とする制約がなくなるため、洗浄装置をさらに小型化できるという利点がある。
(4)使用温度
また、洗浄液の使用温度(液温)は、被洗浄物に対する洗浄効果や、洗浄液の酸化劣化の程度等を考慮して定めることが好ましいが、具体的に、5〜70℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる洗浄液の温度が5℃未満となると、被洗浄物に対する洗浄効果が著しく低下する場合があるためである。一方、かかる温度が70℃を超えると、洗浄液の酸化劣化が著しくなったり、余分なフラックス等のみならず、被洗浄物が損傷したりする場合があるためである。
したがって、洗浄液の温度を20〜70℃の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜60℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、洗浄液の使用温度を定めるに際して、洗浄液の引火点を考慮することがさらに好ましい。すなわち、洗浄液の使用温度をT1(℃)とし、洗浄液の引火点をT2(℃)としたときに、T1<T2の関係を満足することが好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態としての部分洗浄装置を用いた部分洗浄方法であって、下記工程(a)〜(d)を含むことを特徴とする部分洗浄方法である。
(a)ハウジングに対して取り外し可能に固定された弾性マスキング部材に対して、被洗浄物を載置し、被洗浄物を弾性マスキング部材によって部分的にマスキングする工程。
(b)弾性マスキング部材によって部分的にマスキングされた状態の被洗浄物を、ハウジングに対して押圧する工程。
(c)押圧された状態の被洗浄物における洗浄対象部分に対し、洗浄液吐出ノズルから洗浄液を吐出し、被洗浄物を洗浄する工程。
(d)押圧された状態の被洗浄物における洗浄対象部分に対し、エアー吹き付けノズルからエアーを吹き付け、被洗浄物に付着した洗浄液を強制的に除去する工程。
すなわち、これらの工程を含む部分洗浄方法であれば、周辺部分に洗浄液を付着させることなく、洗浄対象部分を効率的に洗浄することができるばかりか、洗浄液の使用量を抑制、かつ洗浄後の乾燥時間を短縮することができる。
なお、これらの各工程における具体的な内容の説明については、第1の実施形態において説明した内容と重複するため、省略する。
また、本発明の部分洗浄方法を実施するにあたり、図7に示すように、部分洗浄装置1が、ハウジング2を構成する部材として、開口部を有するとともに、ハウジング2から取り外し可能なトレイ部材40であって、当該トレイ部材40が有する開口部を第1の開口部13とするトレイ部材40を備えるとともに、工程(a)の後に、下記工程(a´)を行うことが好ましい。
(a´)図8に示すように、トレイ部材40におけるハウジング2の側において、連通した第1及び第2の開口部13、31を通して、被洗浄物の洗浄対象部分21が露出していることを確認する工程。
この理由は、工程(a)の後に、下記工程(a´)を行うことにより、手作業で部分洗浄方法を実施する場合であっても、より安定的に洗浄対象部分のみを洗浄することができるためである。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
1.部分洗浄方法の実施
図1及び7に示す部分洗浄装置を用いて、基板部分に半田フラックス(ロジン系フラックス)が付着している状態の、図5に示すロードセルの起歪体を部分洗浄した。
すなわち、洗浄液として、プロピレングリコールモノメチルエーテル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(重量比10/90)の組成である洗浄剤A(引火点:43℃)を、扇形スプレーノズルを用いて、洗浄液温度20℃、吐出速度0.3リットル/分、吐出時間2秒(合計吐出量10ミリリットル)、吐出圧力0.3MPa、吐出距離1cmの条件で、基板部分の正面から吐出した。
また、起歪体に対する押圧は、作業者が手によって行った。このときの押圧力は、約400,000Paであった。
また、弾性マスキング部材としては、ヤング率が1,700kPaのウレタンゴムからなる厚さ8mmのプレートを用いた。
また、ハウジングにおける第1の開口部は、図6に示すように、面積2cm2、高さ3mmの被押圧部を周囲に設けるとともに、傾斜角(θ)が30°の傾斜部を有する態様とした。
さらに、エアー排出口の断面積を、80cm2とした。
次いで、起歪体を押圧したままの状態で、エアーを、集中型のエアーノズルを用いて、吹き付け速度180リットル/分(0℃、1atm)、吹き付け時間2秒(合計吹き付け量6リットル)、吹き付け圧力0.3MPa、吹き付け距離2cmの条件で、基板部分に対し、斜め30°の角度から吹き付けた。
2.評価
(1)洗浄性の評価
基板部分における半田フラックスの除去具合を、光学顕微鏡を用いて確認し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示す。
◎:樹脂残が全く無い。
○:樹脂残がほとんど無い。
△:樹脂残が少々認められる。
×:樹脂残が顕著に認められる。
(2)汚染性の評価
弾性マスキング部材に覆われていた基板部分周辺箇所に洗浄液が漏れ、汚染が生じているか否かを、光学顕微鏡を用いて確認し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示す。
◎:表面のシミが全く無い。
○:表面のシミがほとんど無い。
△:表面のシミが少々認められる。
×:表面のシミが顕著に認められる。
[実施例2〜7]
実施例2〜7においては、洗浄液供給条件及びエアー供給条件を、それぞれ表1に示すように変えたほかは、実施例1と同様に、部分洗浄方法を実施し、評価した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2011115781
[実施例8〜28]
実施例8〜28においては、洗浄液の種類を、それぞれ表2に示すように変えたほかは、実施例1と同様に、部分洗浄方法を実施し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例29〜30]
実施例29〜30においては、洗浄液の種類を、それぞれ表2に示すように変えるとともに、洗浄対象物である半田フラックスの種類を水溶性フラックスに変えたほかは、実施例1と同様に、部分洗浄方法を実施し、評価した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2011115781
本発明にかかる部分洗浄装置及びそれを用いた部分洗浄方法によれば、洗浄液吐出ノズル、エアー吹き付けノズルおよび所定の開口部を有するハウジングと、かかるハウジングの開口部と連通した開口部を形成するための所定の開口部を有する弾性マスキング部材と、を備えることにより、従来の問題を解決できるようになった。
すなわち、周辺部分に洗浄液を付着させることなく、洗浄対象部分を効率的に洗浄することができるばかりか、洗浄液の使用量を抑制し、洗浄後の乾燥時間を短縮でき、かつ、使用済みの洗浄液により被洗浄物が侵食されることを防止できるようになった。
したがって、本発明に係る部分洗浄装置及びそれを用いた部分洗浄方法は、基板等を含む部材の高品質化や、洗浄工程における作業の効率化及びコストの低減等に著しく寄与することが期待される。
1:部分洗浄装置、1b:汎用部分洗浄装置、1c:ペーストカップ用部分洗浄装置、2:ハウジング、3:洗浄液吐出ノズル、3a:広角ノズル、4:エアー吹き付けノズル、4a:スリット型エアーノズル、4b:フラットエアーノズル、5:エアー排出口、5a:コの字型吸引ノズル、6:エアー排出管、7:洗浄液回収口、8:洗浄液供給手段、9a、b:エアー供給管、10a:洗浄液汲み上げ管、10b:洗浄液供給管、11a:洗浄液供給容器、11b:洗浄液回収容器、12:位置決め部材、13:第1の開口部、13a:被押圧部、13b:傾斜部、14:エアー制御装置、15:回収洗浄液輸送管、20(20a、20b、20c、20d、20e):被洗浄物、20α:ロードセルに含まれる起歪体の表側の面、20β:ロードセルに含まれる起歪体の裏側の面、21:洗浄対象部分(回路基板部分)、22:配線、25:ねじ部、30:弾性マスキング部材、30a:立設部、30a´:頭頂部、30b:平面部、30c:溝部、30d:平面部、31:第2の開口部、32:凹部、33:ビス、34:ナット、35:樹脂、36:固定部材、40:プレート部材、50:トグルクランプ、61:エアー供給用可撓性パイプ、62:洗浄液供給用可撓性パイプ、63(63a、63b):レール部材、64:広角ノズル移動部材、65:スリット型エアーノズル移動部材、70:スリット型エアーノズル本体、71:平板状設冶具、72:L字状延設冶具、73:ねじ、74:エアー吹き出し部、80:噴射孔、81:エアー吸込孔、82:溝部、83:エアー供給口

Claims (13)

  1. 被洗浄物を部分的に洗浄するための部分洗浄装置であって、
    内部に洗浄液吐出ノズル及びエアー吹き付けノズルを有し、上方または側方の壁面に第1の開口部を有するハウジングと、
    前記ハウジングにおける第1の開口部と連通した開口部を形成するための第2の開口部を有し、前記ハウジングに対して取り外し可能に固定された弾性マスキング部材と、
    を備え、
    前記ハウジングの上方または側方において、前記弾性マスキング部材によって部分的にマスキングされた状態で載置された被洗浄物に対し、前記第1及び第2の開口部を通して、前記洗浄液吐出ノズルにて洗浄液を吐出した後、前記エアー吹き付けノズルにてエアーを吹き付け、前記被洗浄物に付着した洗浄液を強制的に除去することを特徴とする部分洗浄装置。
  2. 前記ハウジングが、前記弾性マスキング部材が密着する側における第1の開口部の周囲に、凸状の被押圧部を有することを特徴とする請求項1に記載の部分洗浄装置。
  3. 前記ハウジングにおける第1の開口部が、前記ハウジングの内部に向かって広がるように、前記第1の開口部の内壁が傾斜部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の部分洗浄装置。
  4. 前記弾性マスキング部材によって部分的にマスキングされた状態の前記被洗浄物を、前記ハウジングに対して押圧するための押圧手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の部分洗浄装置。
  5. 前記ハウジングを構成する構成部材として、開口部を有するとともに、前記ハウジングから取り外し可能なトレイ部材を備え、かつ、当該トレイ部材が有する開口部を、前記第1の開口部とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の部分洗浄装置。
  6. 前記弾性マスキング部材の主原料が、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム及びポリイソブチレンから選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の部分洗浄装置。
  7. 前記洗浄液吐出ノズルが、広角ノズルであるとともに、当該広角ノズルが、前記第1の開口部の開口面に沿って平行移動可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の部分洗浄装置。
  8. 前記ハウジングの一部にエアー排出口を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の部分洗浄装置。
  9. 前記エアー排出口の断面積を1〜200cm2の範囲内の値とすることを特徴とする請求項8に記載の部分洗浄装置。
  10. 前記エアー吹き付けノズルが、スリット型エアーノズルであるとともに、当該スリット型エアーノズルが、前記第1の開口部の開口面に沿って平行移動可能であり、かつ、前記第1の開口部を介して、前記スリット型エアーノズルと対向する位置に、コの字型吸引ノズルを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の部分洗浄装置。
  11. 前記スリット型エアーノズルにおけるエアー流速を80〜300m/秒以上の値とすることを特徴とする請求項10に記載の部分洗浄装置。
  12. 請求項1に記載の部分洗浄装置を用いた部分洗浄方法であって、
    下記工程(a)〜(d)を含むことを特徴とする部分洗浄方法。
    (a)ハウジングに対して取り外し可能に固定された弾性マスキング部材に対して、被洗浄物を載置し、前記被洗浄物を前記弾性マスキング部材によって部分的にマスキングする工程。
    (b)前記弾性マスキング部材によって部分的にマスキングされた状態の被洗浄物を、前記ハウジングに対して押圧する工程。
    (c)押圧された状態の前記被洗浄物における洗浄対象部分に対し、洗浄液吐出ノズルから洗浄液を吐出し、被洗浄物を洗浄する工程。
    (d)押圧された状態の前記被洗浄物における洗浄対象部分に対し、エアー吹き付けノズルからエアーを吹き付け、前記被洗浄物に付着した洗浄液を強制的に除去する工程。
  13. 前記部分洗浄装置が、前記ハウジングを構成する構成部材として、開口部を有するとともに、前記ハウジングから取り外し可能なトレイ部材であって、当該トレイ部材が有する開口部を第1の開口部とするトレイ部材を備えるとともに、前記工程(a)の後に、下記工程(a´)を行うことを特徴とする請求項12に記載の部分洗浄方法。
    (a´)前記トレイ部材のハウジング側において、第1及び第2の開口部を通して、前記被洗浄物の洗浄対象部分が露出していることを確認する工程。
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