JP7283911B2 - 洗浄装置 - Google Patents
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Description
まず、洗浄対象となるリターナブル品について、図1を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態におけるリターナブル品10は、直方体状に形成された樹脂成形品であり、上部に開口101が形成された容器である。このリターナブル品10には、例えば、飲料パックなどの商品が収容される。そして、このリターナブル品10は、商品の収容に繰り返し使用されるため、本実施形態に係る洗浄装置により、洗浄される。この洗浄装置において、リターナブル品10は、開口101を下向きにした上で、長手方向を搬送方向に向けて搬送される。したがって、以下では、説明の便宜のため、長手方向において、搬送方向を向く面を前面102、これとは反対の面を背面103、水平方向を向く一対の面を側面104と称することとする。また、開口101を下向きにするため、搬送中は、底面105が上方を向くことになるが、そのまま底面と称して説明を行う。
次に、洗浄装置について、図2~図6を参照しつつ説明する。図2は洗浄装置の概略側面図、図3は図2のA-A線矢視図、図4は図3のB-B線断面図、図5は図3のC-C線断面図、図6は回収タンクの平面図である。
図2に示すように、各搬送チェーン61は、それぞれ、第1洗浄室1の上流側端部に配置された従動スプロケット62、及び第2洗浄室2の下流側端部に配置された駆動スプロケット63に掛け渡されている。そして、駆動スプロケット63は、モータ(図示省略)により回転駆動し、これによって、両搬送チェーン61が上流側から下流側へ向かって移動する。このとき、リターナブル品10は、両搬送チェーン61に跨がるように配置される。したがって、両搬送チェーン61の間隔は、リターナブル品10の短手方向の幅よりも狭くなっている。また、各搬送チェーン61には係合突起(図示省略)が所定間隔おきに形成されており、この係合突起がリターナブル品10の後端部に係合し、これによってリターナブル品10が下流側へ押し遣られながら搬送される。また、係合突起がリターナブル品10の先端部内側に係合し、搬送してもよい。あるいは、リターナブル品の下方に各搬送チェーン61に平行して複数の搬送レールを配置し、搬送チェーン61の係合突起で押し遣りながら、リターナブル品を搬送レール上で滑走させて搬送してもよい。すなわち、搬送方法については、リターナブル品10の形状、向き、前後工程などに合わせて適宜決定することができ、特に限定されない。
次に、回収タンクについて説明する。図2及び図6に示すように、第1回収タンク3の上面には、下流側に開口31が形成されており、この開口31を塞ぐように第1フィルター32が配置されている。また、第1回収タンク3の上面には、第1フィルター32に向かって下方に延びる傾斜面が形成されている。したがって、第1洗浄室1から噴射された洗浄水は、下方に落下し、第1回収タンク3の上面を流れ、第1フィルター32を介して、第1回収タンク3の内部空間に流れ込むようになっている。第1フィルター32は、洗浄によってリターナブル品10から剥がれたラベルやゴミなどの異物が捕捉され、これら異物が取り除かれた洗浄水が第1回収タンク3の内部空間に流れ込むようになっている。なお、第1フィルター32は20~100メッシュ(目開き0.15~0.9mm)程度のものを少なくとも1つ備えるのが好ましいが、目開きが小さ過ぎるとフィルターが詰まり易く、洗浄水が下方に落下しなくなるため、フィルターの交換頻度が高くなるおそれがある。一方、目開きが大き過ぎると、洗浄水に含まれる汚れが多くなるため、汚れの再付着の可能性が高くなるおそれがある。そのため、フィルターの規格、数は、汚れの種類、程度に合わせて適宜決めればよく、上述したものに限定されない。
上述したように、第1回収タンク3に連結された第1排出管35には、ダイヤフラムポンプ8が連結されている。このダイヤフラムポンプ8は、公知のものであり、隣接するモータ81によって駆動するようになっている。モータ81とダイヤフラムポンプ8とはベルト82によって連結されており、モータ81の回転力がベルト伝動によってダイヤフラムポンプ8に伝動され、これによってダイヤフラムポンプ8が駆動するようになっている。ダイヤフラムポンプ8の駆動により、第1回収タンク3から洗浄水が吸引され、吸引された洗浄水が第1洗浄室1の各ノズル71~73から噴射されるようになっている。また、このダイヤフラムポンプ8は、第1回収タンク3及び各ノズル71~73の近傍に配置され、ダイヤフラムポンプ8から各ノズル71~73までの配管長さは、特に5m以内、好ましくは3m以内、特に好ましくは1m以内になるように配置されている。本実施形態では、第1回収タンク3の上流側で、第1搬送装置51の下方に配置されている。このようなダイヤフラムポンプ8の設置位置、つまり、洗浄装置の主要構成である第1回収タンク3や第1洗浄室1(各ノズル71~73)から5m以内の範囲が、本発明に係る洗浄装置の設置領域に相当する。
次に、上記のように構成された洗浄装置の動作について説明する。第1搬送装置51によって所定間隔をおいて連続的に搬送されたリターナブル品10は、順次第1洗浄室1に入っていく。そして、第1洗浄室1においては、各ノズル71~73から噴射される洗浄水によってリターナブル品10の外面及び内部の各面が高圧洗浄される。そして、第1洗浄室1を通過したリターナブル品は、第2洗浄室2において、各ノズル75から噴射される洗浄水によってすすぎ洗浄される。こうして2つの洗浄室1,2において洗浄されたリターナブル品10は、第2搬送装置52によって搬送され、乾燥工程を経て次工程に搬送されるか、あるいは所定の保管場所等において保管される。
以上のように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ダイヤフラムポンプ8は、従来から用いられているプランジャーポンプに比べ、小型化できるため、洗浄装置の設置領域内、特に第1回収タンク3の近傍に配置することができる。したがって、装置全体の省スペース化、小型化を図ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。また、以下の変形例は、適宜組み合わせることができる。
上記実施形態では、2つの洗浄室を用いてリターナブル品の洗浄を行っているが、第1洗浄室のみで洗浄することもできる。この場合、洗浄装置は、第1洗浄室1、各ノズル71~73、第1回収タンク3、及びダイヤフラムポンプ8等で構成することができる。また、供給栓21は、第1洗浄室1に設けることができる。いずれにしても、ダイヤフラムポンプ8は、洗浄装置の設置領域内に配置される。第1洗浄室1のみで洗浄する場合には、第1洗浄室1で噴射される全洗浄水の量のうち、再生水が70%以上になるように調整することになる。
ノズルの数、配置、及び態様は特には限定されないが、第1洗浄室1において、洗浄効果を高めるためには、上述したスイング式のノズル73のほか、気液洗浄ノズル、回転式ノズルなどを用いることができる。気液洗浄ノズルは、気体と液体との混合流を形成し、その混合流を洗浄ノズルを介して洗浄面に噴射する公知のノズルである。また、回転式ノズルは、所定の軸部材の外周面の周方向に亘って設けられた複数のノズルから洗浄水が噴射される。このとき、軸部材は軸周りにモータ等により回転する。また、ノズルの先端が、水流により自転する回転式洗浄ノズルを用いてもよい。このような洗浄性能の高いノズルを用いることで、プランジャーポンプに比べて、多少低い圧力であっても、洗浄効果を高めることができる。同様に、第2洗浄室2に設けられるノズルも特には限定されない。
洗浄装置における搬送手段は、上述した搬送チェーン以外でもよく、リターナブル品を搬送でき、洗浄水を下方に落下させることができれば、特には限定されない。
回収タンク3,4の構成も特には限定されない。少なくとも、洗浄水を回収し、各ポンプ8,9によって洗浄水吸引できるように構成されていればよい。また、フィルター32,42の形態、位置も特には限定されず、洗浄水が各ポンプ8,9に入る前に、異物を捕捉できるように構成されていればよい。多孔板36の形態は特には限定されず、泡を消失できるのであれば、板状以外の形態でもよい。また、水蒸気を噴射するような洗浄水を加熱する機構がない場合には、多孔板36は設けなくてもよい。
供給栓21の位置も特には限定されず、新たな水を洗浄水に加えることができればよい。
ダイヤフラムポンプ8は、公知のものを適宜、使用することができる。ポンプの脈動を抑えるために、複数のピストンから構成されるマルチダイヤフラムポンプを使用することで、より洗浄効果を高めることができる。具体的には、3以上のピストンで構成されるマルチダイヤフラムポンプが好ましく、5以上のピストンで構成されるマルチダイヤフラムポンプを使用することが特に好ましい。また、モータ81からの動力の伝動は、メンテナンスの観点からは、ベルト伝動が好ましいが、これに限定されない。
リターナブル品10の形態は、特には限定されず、上述した容器のほか、パレットなど、繰り返し使用され、洗浄が必要な各種の物品を、本発明の洗浄対象とすることができる。
洗浄水は、水のほか、種々の薬剤を含有したものを用いることができる。例えば、供給栓21から次亜塩素酸を含む洗浄水を供給することができる。これにより、リターナブル品10を殺菌することができる。また、本発明に係る洗浄装置は、従来のプランジャーポンプを使用する洗浄装置よりもフィルターの数を少なくできるため、洗浄水が汚れ易い。そのため、ポンプ8,9や配管の内部にスラッジ等が付着しやすくなる。これに対して、次亜塩素酸を含む洗浄水を供給すると、ポンプ8,9や配管の内部にスラッジが堆積(付着)し難くなり、スラッジによるトラブルを低減させることができる。また、次亜塩素酸など薬剤は、少なくとも一つの洗浄室1,2において、別途の配管とノズルを用いて、リターナブル品10に直接噴射することもでき、これによって殺菌効果を高めることができる。
3 第1回収タンク(回収タンク)
32 第1フィルター(フィルター)
33 注入管
36 多孔板(多孔部材)
61 搬送チェーン(搬送手段)
71 上部ノズル(洗浄手段)
72 下部ノズル(洗浄手段)
73 側部ノズル(スイング式ノズル)
8 ダイヤフラムポンプ
Claims (7)
- リターナブル品を洗浄する洗浄装置であって、
リターナブル品を搬送する搬送手段と、
前記リターナブル品に洗浄水を噴射する洗浄手段と、
前記リターナブル品に噴射された後の、使用後の前記洗浄水を回収する回収タンクと、
使用後の前記洗浄水から異物を除去するフィルターと、
前記回収タンクに連結され、当該回収タンクから洗浄水を吸引し、前記洗浄手段に圧送するダイヤフラムポンプと、
前記回収タンクに回収された洗浄水に、蒸気を注入する注入管と、
前記回収タンク内に配置された、泡の消失用の多孔部材と、
を備え、
前記ダイヤフラムポンプは、前記洗浄装置の設置領域内に配置され、
前記ダイヤフラムポンプから圧送される洗浄水の70%以上が、前記洗浄手段から噴射された後、回収された再生水で構成されており、
前記回収タンクにおいて、前記多孔部材を通過した洗浄水が、前記ダイヤフラムポンプに吸引されるように構成されている、洗浄装置。 - 前記洗浄手段は、複数のノズルを備え、
前記複数のノズルが、スイング式ノズル、気液洗浄ノズル、または回転式洗浄ノズルの少なくとも一つで構成されている、請求項1に記載の洗浄装置。 - 前記ダイヤフラムポンプを駆動するためのモータをさらに備えており、
前記モータの回転力は、ベルト伝動により、前記ダイヤフラムポンプに伝達されるように構成されている、請求項1または2に記載の洗浄装置。 - 前記回収タンクの上部に、使用後の前記洗浄水が流れ込む開口が形成されており、
前記開口に前記フィルターが配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の洗浄装置。 - 前記ダイヤフラムポンプと前記洗浄手段とを連結する配管の長さが5m以内である、請求項1から4のいずれかに記載の洗浄装置。
- 前記リターナブル品に貼り付けられたラベルが除去されるように構成されている、請求項1から5のいずれかに記載の洗浄装置。
- 前記洗浄水が、次亜塩素酸を含有する、請求項1から6のいずれかに記載の洗浄装置。
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