JP2011115361A - 遊技機の不正防止構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板ケース1を、回路基板70を覆う略容器状の蓋部材1aと、これを受ける底部材1bとで構成し、蓋部材1aと底部材1bとを対向方向に組付け、両部材1a,1bの側壁の端縁を衝合させて基板ケース1を閉じる構成とし、閉じられた基板ケース1の蓋部材1aおよび底部材1bの側壁の外面13,19には、両部材1a,1bの衝合線Lを跨ぐようにICタグ2を貼着し、ICタグ2を覆ってこれに貼着したカバー部材3を基板ケース1に係止固定せしめ、カバー部材3が外されることによりICタグ2が破壊されるようにした。
【選択図】 図3
Description
そこで従来の遊技機では、不正行為の発見や不正行為の防止を目的に、回路基板が収納された基板ケースに、これを構成する複数の部材に跨って、固有の識別情報を無線にて出力するシート状のICタグを貼着することが行われている(例えば特許文献1参照。)。これによれば、ROM等を不正に交換するために基板ケースが開かれるとICタグが破壊され、ICタグが破壊されることで識別情報が出力されなくなるので不正行為が発見できる。
そこで本発明は、不正行為により基板ケースを開こうとすると確実にICタグが破壊され、不正行為の発見および不正行為の防止効果を奏することができる遊技機の不正防止構造を提供することを課題としてなされたものである。
遊技の動作を制御する電子部品が実装された回路基板を基板ケースに収納するとともに、該基板ケースには、固有の識別情報を無線にて出力するシート状のICタグを、該基板ケースを開いたときにICタグが破壊されるように貼着せしめた遊技機の不正防止構造において、
前記基板ケースは、前記回路基板を覆う蓋部材と、該蓋部材を受ける底部材とからなり、
前記蓋部材および前記底部材を対向方向に組付け、両部材の側壁の端縁を衝合させて前記基板ケースを閉じる構成とし、
閉じられた前記基板ケースの蓋部材および底部材の側壁の外面には、両側壁の衝合線を跨ぐように前記ICタグを貼着し、
前記ICタグを覆ってこれに貼着したカバー部材を前記側壁に係止固定せしめる。
前記蓋部材および前記底部材の側壁の外面には、それぞれ前記衝合線沿いに、前記基板ケースが閉じられたときに相対向する開口縁が衝合して上記側壁の衝合線の上を覆う箱体を形成する半割り箱形状の突出部を形成するとともに、
前記側壁には前記突出部まわりに溝を形成し、
前記カバー部材はこれを、上記箱体に覆嵌する蓋形に形成し、
前記箱体の外面には前記両突出部の衝合線を跨ぐように前記ICタグを貼着し、
前記箱体と、これに覆嵌するとともに開口周縁を前記溝に嵌入し係止固定した前記カバー部材の内面とで、前記ICタグを挟み該ICタグを前記カバー部材の内面に貼着せしめる。
前記ICタグをほぼコ字形に屈曲せしめて前記箱体の前記衝合線を有する頂面部と該頂面部の両側の両側面部に跨って貼着せしめ、
前記箱体に対応して断面ほぼコ字形に形成した前記カバー部材は、前記頂面部側から前記箱体に覆嵌せしめ、該覆嵌の方向に沿って前記開口周縁を前記溝に嵌入し係止固定せしめるとともに、前記頂面部と対向する前記カバー部材の底面部内面を前記ICタグに貼着せしめる。
例えば、カバー部材を箱体に覆嵌する方向と、係止固定する方向とが異なる構成では、覆嵌後にカバー部材を移動すると、覆嵌時に箱体およびカバー部材の両者に貼着されたICタグが破損することとなる。またICタグとカバー部材とを前記覆嵌の方向に沿う面で貼着せしめる構成では、カバー部材を箱体に覆嵌する途中でICタグとカバー部材とが接触すると両者が互いに張り付いてICタグが破損する。従って請求項3の構成によれば、カバー部材の取付作業時にICタグに損傷を与えることがない。
前記カバー部材の開口周縁には、これを前記溝に嵌入させたときに該溝に係止固定される爪を設けるとともに、上記開口周縁には前記爪に対応する位置に、前記開口周縁が前記溝に嵌入されたときに上記周縁と上記溝の開口との間の隙間を閉じる突縁を形成する。
前記基板ケースの前記側壁の外面と前記ICタグとの間、および前記カバー部材の内面と前記ICタグとの間の少なくともいずれかにはクッション部材を介在せしめる。
前記ICタグは、ICチップ部と該ICチップ部に接続されたアンテナ部とを備え、
前記ICタグは、前記ICチップ部の一方の面を前記箱体の前記頂面部に、前記アンテナ部を前記側面部に貼着せしめ、これらの接着強度を前記ICチップ部よりも前記アンテナ部の方が強くなるようになし、
前記ICタグは前記ICチップ部の他方の面を前記カバー部材の底面部内面に貼着せしめ、かつその接着強度を前記一方の面の前記頂面部への接着強度よりも強くなるように貼着せしめる。
図1に示すように、パチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51に、ヒンジ53を介して、前枠52および図略の内枠が開閉可能に設けられている。前枠52には板ガラス61が嵌められ、板ガラス61の奥には前記内枠に保持された遊技盤60が配置されている。図は省略するが遊技盤60には、遊技の進行に応じて図柄を変動表示せしめる表示装置、遊技球を入球させる複数の入球口や入賞口が設けられている。
本パチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付設されている。
基板ケース1は、主制御基板70をその表面側より被覆する浅い角形容器状の蓋部材1aと、主制御基板70の裏面側より蓋部材1aを受けて蓋部材1aの開口を塞ぐ底部材1bとからなる。
更に右側壁12には上下のカシメ用のボス103間に、右側壁11から右横方向へ突出する突出部13が形成されている。突出部13は縦長の半割の箱型状をなし、蓋部材1aと底部材1bとを組付けて基板ケース1を閉じたときに、突出部13と対向する蓋部材1aの半割の箱型状をなす突出部19とで箱体Eを構成する。
蓋部材1aには、表壁部15の4隅付近に設けられたねじ穴からなる複数の締結部151に主制御基板70の4隅がねじ締め固定されて蓋部材1a側に主制御基板70が取付けられる。
尚、主制御基板70には表面上端に複数のコネクタ類701が設けられ、これらに対応して表壁部15の上端部には複数のコネクタ挿通穴155が設けられている。図3の156は主制御基板70のコネクタ類701類のうちの小型コネクタに応じてこれらを挿通せしめるように設定された補助板で、補助板156により表壁部15に形成された大型のコネクタ挿通穴と前記小型コネクタとの隙間を覆い隠す。
蓋部材1aの右側壁18には、前記底部材1bの右側端のカシメ用のボス103に対応するボス154が上下一対形成されている。そして上下のボス154間には、底部材1b側と同様に、右側壁18から右横方向に突出する前記突出部19が形成されている。
そして、両ボス154,103に圧入したカシメ部材により両ボス154,103をカシメ固定することにより、蓋部材1aと底部材1bとが組付け固定される。
図略ではあるが、箱体E内には、縦横に複数の補強リブが設けられ、更に突出部19には2つのねじ部材貫通穴が、これら対応して突出部13にはねじ穴が設けられ、両突出部19,13が前記ねじ部材Nで締結されている。
箱体Eの蓋部材1a側の側面部E2の根元には、右側壁18から右横方向へ突出し、側面部E2の根元と間隔をおいて平行に延びる突条141が形成されている。そして突条141と側面部E2の根元との間に溝14が形成されている。溝14内には、突条141の内面の上下2個所に、カバー部材3の爪34を係止する係止部142が形成されている。
カバー部材3の開口周縁には、長径方向の開口縁をなす両側面部31,31の端縁に、前記箱体Eの根元の溝14,14に嵌入せしめる先端部32,32が形成されている。尚、両先端部32,32は同一構造をなす。
ところで、ICタグ2の表面にはICチップ部21により若干の凹凸があるためこれらの凹凸を吸収して貼着できるように、また基板ケース1の箱体Eにカバー部材3を覆嵌したときの組付精度のバラツキにより箱体Eの頂面部E1とカバー部材3の底面部30の内面との間に隙間が生じてもこれを吸収してICタグ2と貼着できるように、予めカバー部材3の底面部30の内面には、厚み(約1〜2mm)を有するシート状(板状)の透明な合成樹脂製のクッション部材4を貼着しておき、該クッション部材4にICタグ2の前記中央の範囲210表面を接着剤(又は粘着材)により貼着せしめる。尚、クッション部材4は1Cタグ2側よりも接着強度の強い接着剤(又は粘着材)によりカバー部材3の底面部30の内面に接着されている。
クッション部材4はICタグ2とは別部材として説明したが、ICタグ2の表面にクッション部材4と同等な役割を持たせたクッション部を設けたものとしてもよく、別部材に限定されるものではない。また、ICタグ2の表面に対応する位置にクッション部材4を設けるものとして説明したが、ICタグ2の裏面に対応する位置に設けても、ICタグ2の表面に対応する位置及び裏面に対応する位置に個々に設けてもよく、基板ケース1の箱体Eの頂面部E1とカバー部材3の底面部30の内面とでICタグを挟み付けた際に隙間が生じなければ差し支えない。
カバー部材3は、表側および裏側の両先端部32、32を基板ケース1の蓋部材1aおよび底部材1b側の溝14,14にそれぞれ係止したこと、各先端部32の爪32が溝14内の凸部143により溝14内係止部142に確実に係止されること、更に、溝14と先端部32との隙間に先の細いドライバなどの工具が挿し込まれ爪34の係止が解除されることを防ぐように突縁35により前記隙間を塞いだので、カバー部材3は所謂嵌め殺しの状態で基板ケース1に固定され、破壊されなければ外れない。
仮に破壊してカバー部材3を外せたとしても、カバー部材3の底面部30の内面とICタグ2とが貼着してあるので、カバー部材3を外すことでICタグ2が破壊される。よって不正行為の発見および予防に高い効果を奏する。
例えばICタグ2のアンテナ部22側とカバー部材3の側面部31の内面とを貼着しようとすると、覆嵌する途中でICタグ2のアンテナ部22側とカバー部材3の側面部31の内面とが接触した場合に互いに張り付いてしまい、この状態でカバー部材3を完全に覆嵌するとICタグ2が破れるおそれがある。このため覆嵌方向に沿うICタグ2のアンテナ部22側とカバー部材3の側面部31の内面とは貼着しないことが望ましい。
またカバー部材3は直線的な移動により基板ケース1に取付けるので、ICタグに損傷を与えない。
即ち、ICタグ2のアンテナ部22の基板ケース1側への接着強度をICチップ部21の基板ケース1側への接着強度よりも強くする一方、ICチップ部21のカバー部材3側への接着強度を基板ケース1側への接着強度よりも強くする。
またICタグ2の貼着に用いるクッション部材4は、ICタグ2のICタグ部21が基板ケース1側の箱体Eの頂面部E1とカバー部材3の底面部30の内面とに確実に当接するのであれは必ずしも必要なものではない。しかしながら、クッション部材4が無いと前記頂面部E1と底面部30の内面とを衝合させたときの精度が要求されることになり、またクッション部材4はICタグ2を保護する効果が期待できるためクッション部材4を設けることが望ましい。
1a 蓋部材
1b 底部材
13 底部材の突出部(側壁の外面)
14 溝
19 蓋部材の突出部(側壁の外面)
2 ICタグ
20 シート部材
21 ICチップ部
22 アンテナ部
3 カバー部材
30 底面部
32 先端部(開口周縁)
34 爪
35 突縁
4 クッション部材
70 主制御基板(回路基板)
E 基板ケースの箱体
E1 頂面部
E2,E3 側面部
L 衝合線
Claims (6)
- 遊技の動作を制御する電子部品が実装された回路基板を基板ケースに収納するとともに、該基板ケースには、固有の識別情報を無線にて出力するシート状のICタグを、該基板ケースを開いたときにICタグが破壊されるように貼着せしめた遊技機の不正防止構造において、
前記基板ケースは、前記回路基板を覆う蓋部材と、該蓋部材を受ける底部材とからなり、
前記蓋部材および前記底部材を対向方向に組付け、両部材の側壁の端縁を衝合させて前記基板ケースを閉じる構成とし、
閉じられた前記基板ケースの蓋部材および底部材の側壁の外面には、両側壁の衝合線を跨ぐように前記ICタグを貼着し、
前記ICタグを覆ってこれに貼着したカバー部材を前記側壁に係止固定せしめたことを特徴とする遊技機の不正防止構造。 - 請求項1に記載の遊技機の不正防止構造において、
前記蓋部材および前記底部材の側壁の外面には、それぞれ前記衝合線沿いに、前記基板ケースが閉じられたときに相対向する開口縁が衝合して上記側壁の衝合線の上を覆う箱体を形成する半割り箱形状の突出部を形成するとともに、
前記側壁には前記突出部まわりに溝を形成し、
前記カバー部材はこれを、上記箱体に覆嵌する蓋形に形成し、
前記箱体の外面には前記両突出部の衝合線を跨ぐように前記ICタグを貼着し、
前記箱体と、これに覆嵌するとともに開口周縁を前記溝に嵌入し係止固定した前記カバー部材の内面とで、前記ICタグを挟み該ICタグを前記カバー部材の内面に貼着せしめた遊技機の不正防止構造。 - 請求項2に記載の遊技機の不正防止構造において、
前記ICタグをほぼコ字形に屈曲せしめて前記箱体の前記衝合線を有する頂面部と該頂面部の両側の両側面部に跨って貼着せしめ、
前記箱体に対応して断面ほぼコ字形に形成した前記カバー部材は、前記頂面部側から前記箱体に覆嵌せしめ、該覆嵌の方向に沿って前記開口周縁を前記溝に嵌入し係止固定せしめるとともに、前記頂面部と対向する前記カバー部材の底面部内面を前記ICタグに貼着せしめた遊技機の不正防止構造。 - 請求項2または3に記載の遊技機の不正防止構造において、
前記カバー部材の開口周縁には、これを前記溝に嵌入させたときに該溝に係止固定される爪を設けるとともに、上記開口周縁には前記爪に対応する位置に、前記開口周縁が前記溝に嵌入されたときに上記周縁と上記溝の開口との間の隙間を閉じる突縁を形成した遊技機の不正防止構造。 - 請求項1ないし4に記載の遊技機の不正防止構造において、
前記基板ケースの前記側壁の外面と前記ICタグとの間、および前記カバー部材の内面と前記ICタグとの間の少なくともいずれかにはクッション部材を介在せしめた遊技機の不正防止構造。 - 請求項3に記載の遊技機の不正防止構造において、
前記ICタグは、ICチップ部と該ICチップ部に接続されたアンテナ部とを備え、
前記ICタグは、前記ICチップ部の一方の面を前記箱体の前記頂面部に、前記アンテナ部を前記側面部に貼着せしめ、これらの接着強度を前記ICチップ部よりも前記アンテナ部の方が強くなるようになし、
前記ICタグは前記ICチップ部の他方の面を前記カバー部材の底面部内面に貼着せしめ、かつその接着強度を前記一方の面の前記頂面部への接着強度よりも強くなるように貼着せしめた遊技機の不正防止構造。
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