JP6256736B2 - 遊技機用制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機、スロットマシーン等の遊技機に設置される制御装置に関するものである。
従来、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機には、所謂「大当たり抽選」等の遊技に係る制御を実行する制御装置が内蔵されている。そのような制御装置の中には、制御基板を収容する収容ケースの上カバー(カバー部材)と下カバー(ベース部材)とをワンウェイタイプのネジ等により一体化するとともに、工具を用いて当該ワンウェイタイプのネジによる螺着部分を切断しなければ収容ケースを開放できないように構成し、制御基板に対する不正行為(たとえば、改造されたROMへの差し替え等)の防止機能を高めたものが知られている。
さらに、制御装置の中には、特許文献1の如く、収容ケースの内部において制御基板を内カバーで覆い、所定の識別情報(個別情報)をQRコード(登録商標)やバーコード等のコード等によって表示した識別シールを内カバーの表面に貼着するとともに、内カバーの外周を覆う収容ケースを透明な合成樹脂によって形成し、識別シールの識別情報を、収容ケースの外側からコードリーダー等にてチェックすることによって制御装置に対する不正行為を早期に発見可能としたものが提案されている。
特許公開2009−285326
しかしながら、上記の如く不正行為防止手段が講じられた制御装置においては、識別シールのコード(識別情報)を読み取る際に、コードリーダーから照射された光が制御装置のケース表面で反射してコードリーダー側へ戻ってきてしまうため、短時間で素早く読み取ることが困難であった。
本発明の目的は、上記従来の遊技機用の制御装置が有する問題点を解消し、識別シールのコード(識別情報)を読み取る際に、コードリーダーの照射光がコードリーダー側へ反射する事態が起こらず、短時間で素早く読み取ることが可能で防犯性能に優れた遊技機用制御装置を提供することにある。
かかる本発明のうち、請求項1に記載された発明は、制御素子を設置した基板が、透明な合成樹脂によって形成された上下一対のカバーによって覆われており、上側のカバーの端縁に切断可能な複数のネジ保持部が設けられており、それらのネジ保持部の内の少なくとも1つが、ワンウェイタイプのネジによって下側のカバーに螺着される遊技機用制御装置であって、前記制御素子の固有識別情報を表示した識別シールが、前記基板の外側に貼着されているとともに、前記カバーに、前記識別シールを確認するための透明な視認窓が設けられており、その視認窓の外面が、(基板の表面と平行な)カバーのベース面に対して傾斜状に設けられており、かつ、前記カバーが、基板を直接的に覆う内カバーと、その内カバーの外周を覆う外カバーとからなるものであり、前記視認窓が、前記外カバーに設けられた均一な厚みの板状体であるとともに、前記内カバーに、前記視認窓の板面と略平行に傾斜した傾斜面が形成されており、その傾斜面に前記識別シールが貼着されていることを特徴とするものである。
請求項1に記載された遊技機用制御装置は、ROM等の制御素子の固有情報を表示した識別シールを視認するための視認窓が、カバーのベース面に対して傾斜状に設けられているので、識別シールのQRコード(登録商標)やバーコード等のコードを読み取る際に、コードリーダーの照射光がコードリーダー側へ反射する事態を効果的に防止して、短時間で素早く読み取ることが可能であり、防犯性能に優れている。
請求項1に記載された遊技機用制御装置は、識別シール全面に亘って視認窓と近接させることができるので、識別シールのコード(識別情報)を読み取る際に、読み取りミスを低減して、より容易に読み取ることが可能となる。
遊技機用制御装置を、視認窓の周囲が壁体によって覆われたものとした場合には、識別シールのコード(識別情報)を読み取る際に、予期せぬ方向からの光の侵入等の外乱を抑制して、より正確に読み取ることが可能となる。
パチンコ機の背面を示す説明図である。 制御装置を示す説明図(正面図)である。 制御装置を示す説明図(斜視図)である。 制御装置を分解して示す説明図(斜視図)である。 分解した内カバーおよびメイン制御基板を拡大して示す説明図(斜視図)である。 ベース部材を示す説明図(斜視図)である。 内カバー(およびメイン制御基板)を組み付けた状態を示す説明図(斜視図)である。 組み付けた内カバー(およびメイン制御基板)に識別シールを貼着した状態を示す説明図(斜視図)である。 視認窓の設置部分の鉛直断面を示す説明図(図2におけるA−A線断面の拡大図)である。
以下、本発明に係る制御装置の一実施形態(パチンコ機へ設置した一実施形態)について、図面に基づいて詳細に説明する。
(1)制御装置の構造
図1は、制御装置を設置したパチンコ機の裏面を示したものである。パチンコ機1の裏側に付設された機構板3の中央よりやや下側には、パチンコ機1の遊技内容を制御ずるための制御装置20が取り付けられており、当該制御装置20の外側は、透明な合成樹脂製の裏カバー30で覆われた状態になっている。
図2は、制御装置20の正面、鉛直断面を示したものであり、図3は、制御装置20を斜め上方から見た状態を示したものである。また、図4は、制御装置20を分解した状態を示したものである。なお、制御装置20は、正面をパチンコ機1の後方に向けた状態で、機構板3に設置されており、以下の説明における“左右上下”は、特に断り書きがない限り、制御装置20の正面側(かしめカバー部材側)から見た場合の“左右上下”を言うものとする。制御装置20は、メイン制御基板21、メイン制御基板21を収容可能な裏側ケース部材31および表側ケース部材32からなる内カバー22、当該内カバー22を収容可能なベース部材41およびカバー部材42からなる外カバー23、不正防止用ビス44,44およびそれらのキャップ11,11・・、シール切断部材12等によって構成されている。なお、制御装置20においては、表側ケース部材32およびかしめカバー部材42が上カバーとして機能し、裏側ケース部材31およびベース部材41が下カバーとして機能する。そして、それらの表側ケース部材32、かしめカバー部材42、裏側ケース部材31およびベース部材41は、いずれも透明な合成樹脂によって形成されている。
図5は、内カバー22およびメイン制御基板21を示したものであり、内カバー22は、メイン制御基板21の裏面を覆う裏側ケース部材31と、メイン制御基板21の表面を覆う表側ケース部材32とを組み付けてなるもので、両ケース部材31,32を組み付けることで形成される内部空間にメイン制御基板21を収容可能となっている。裏側ケース部材31は、ポリカーボネートにより成形されており、外力が加わっても割れにくいようになっている。また、表側ケース部材32は、AS樹脂により成形されており、内カバー22を強引にこじ開けようとした場合等にドライバー等の先端によって表面に傷がつき易く、不正行為の痕跡が残り易いようになっている。
メイン制御基板21は、パチンコ機1の遊技内容に係る制御を実行するものであり、表面には、ROM10,CPUやRAM(図示せず)等の種々の制御素子が設置されている。また、メイン制御基板21の表面下部には、メイン制御基板21を他の電子部材と接続するためのコネクタ25,25が設けられている。さらに、メイン制御基板21の左右側縁部には、内カバー22内にネジ止めするためのネジ孔21a,21a・・が設けられている。そして、当該メイン制御基板21は、表面を外側へ向けてコネクタ25,25を下方に位置させた状態で、内カバー22内に収容され固定されている。
一方、表側ケース部材32は、略中央に外方へ膨出する膨出部を有し、後方側(メイン制御基板21と対峙した側)を開口させた箱状体である。また、表側ケース部材32の下部には、メイン制御基板21のコネクタ25,25を露出させるためのコネクタ窓33,33・・が穿設されている。また、表側ケース部材32の下部の左右両端には、係止凹部34,34が設けられている。さらに、表側ケース部材32の上部の左右両端には、ベース部材41へネジ止めするためのネジ孔を穿設した固定片35,35が突設されている。加えて、表側ケース部材32の上端縁には、一対の鍔片36a,36bが上方へ突設されており、表側ケース部材32の左右側縁には、一対の押止片37,37が外方へ突出するように設けられている。なお、後述するように左側の鍔片36aの左端縁際の部分は、平板状のベース板40の板面に対して、下方から上方にかけて後向きになるように約5°傾斜した状態になっている。加えて、表側ケース部材32の内面には、裏側ケース部材31およびメイン制御基板21をネジ止めするためのネジ受け部(図示せず)が設けられている。
また、裏側ケース部材31は、表側ケース部材32の開口と略同じ大きさに形成された板状体であり、表側ケース部材32の開口内へ嵌め込むようにして組み付けることができるようになっている。当該裏側ケース部材31の四隅には、表側ケース部材32と一体化するためのネジ孔38,38・・が穿設されている。また、裏側ケース部材31の下縁には、後方へ突出する凸条部39が設けられており、表側ケース部材32と一体化した後でコネクタ窓33,33・・周縁からの工具等の差し込み、メイン制御基板21に設置された各種素子への干渉を防止している。
一方、図4等の如く、外カバー23は、前方に開口を有するベース部材41と、当該ベース部材41の開口を覆うように組み付けられるかしめカバー部材42とからなるもので、両部材41,42を組み付けることで形成される内部空間に内カバー22を収容可能となっている。ベース部材41は、ポリカーボネートにより成形されており、外力が加わった際に割れにくく、かつ、不正防止用ビス44が食い込み易いようになっている。また、かしめカバー部材42は、アクリル樹脂により成形されており、後ケース32同様、外カバー23を強引にこじ開けようとした場合等にドライバー等の先端によって表面に傷がつき易く、不正行為の痕跡が残り易いようにしている。なお、かしめカバー部材42に使用するアクリル樹脂にはゴム等の樹脂が添加されており、かしめカバー部材42は、表側ケース部材32よりも若干傷付きにくくなっており、運搬時等における傷付きや破損等を防止している。
かしめカバー部材42は、図2〜図4に示すように、平板状のベース板14の上下左右をベース板14と直交するように後方に折り曲げた形状を有しており、後方を開口した箱状になっている。そして、上端の上側折返し板15に設けられた3つの凹状部16,16・・の裏側には、嵌入突起17,17・・が設けられている(図2参照)。また、かしめカバー部材42の左側の凹状部16と中央の凹状部16との間には、識別シール56を確認するための平板状の視認窓9が、ベース板14の板面より後方(図3では下方)に位置するように形成されている。当該視認窓9は、一定幅の帯状部9aの左側(図3では右側)に矩形部9bを連設した形状を有している。
また、かしめカバー部材42の左右には、六角形状の挿通孔を有するビス挿通部53a,53aが設けられており、ワンウェイタイプのねじ(締着する方向へのみ回転可能な木ねじ)である不正防止用ビス44を挿通可能になっている(なお、本実施形態においては、ビス部材61と芯部材62とからなる不正防止用ビス44を用いている)。それらのビス挿通部53a,53aは、ネジ保持部として機能するものであり、ベース部材41のビス受け部49に対応して上下に2つ連設されている。各ビス挿通部53a,53aは、ニッパ等により切断可能な切断リブ54,54・・を介してベース板14等と連結されており、切断リブ54,54・・(図2参照)を切断することによって、かしめカバー部材42の本体から切り離すことができる。加えて、左右のビス挿通部53a,53aの設置部分の下側には、立方体状の嵌合突起53d,53dが左右に突出するように設けられている。
一方、図6は、ベース部材41を示したものであり、ベース部材41は、前板の上下左右縁に沿って上機能部45、側機能部46,46、および下壁部47をそれぞれ後方へ立設してなるもので、当該上機能部45、左右の両側機能部46,46、および下壁部47に囲まれた空間41a内に内カバー22を収容することができるようになっている。上機能部45には、一対のビス収納部48,48が凹設されており、各ビス収納部48,48には、ベース部材41とかしめカバー部材42とを組み付けるための予備の不正防止用ビス44が収納可能となっている。
また、上機能部45の中央および左右両端部には、上面に開口した嵌入凹部45a,45a・・が設けられている(図3(a),(b)参照)。一方、各側機能部46には、4つの支持リブにより円筒部を支持してなる2つのビス受け部49,49が上下方向に連設されている。各ビス受け部49,49の円筒部は、固着前の不正防止用ビス44を挿通可能な径とされており、該円筒部の後方は、前板(被覆部)によって被覆状態とされている。また、ビス受け部49,49の下方には、下側のビス受け部49と下壁部47とを連結するように補強部50が設けられており、当該補強部50の左右方向内側には、矩形板状の係止片43,43が一体的に形成されている。さらに、空間41aの上部位置には、内カバー22を収容状態でネジ止めするためのネジ止め部51,51が設けられている。加えて、片側のネジ止め部51の外側には、制御装置20を機構板3の後面側に設置する際に使用する取付部材80が設置されている。なお、ビス収納部48内には、不正防止用ビス44の軸部を挟持する一対の挟持リブ48aが設けられている。また、各補強部50の前方と前板との間には空間が形成されており、かしめカバー部材42の嵌合突起53dを嵌合可能になっている。
(2)制御装置の組付方法
以下、上記の如く構成された内カバー22および外カバー23の組み立てについて説明する。まず、内カバー22の組み付けに際しては、裏側ケース部材31を、その前方にメイン制御基板21を介在させた状態で、後方からネジ24、24・・により表側ケース部材32へネジ止めする(図5等参照)。その際に、メイン制御基板21も、同ネジ24、24・・により、内カバー22内部において表側ケース部材32へネジ止めされる。そのように組み付けられると、裏側ケース部材31が、表側ケース部材32の開口内へ嵌め込まれた状態となり、強引にこじ開けようとしてもメイン制御基板21の表面(素子設置面)が露出しにくくなる。
次に、上記の如く組み立てた内カバー22をベース部材41に組み付ける。当該組み付けに際しては、予備の不正防止用ビス44,44をベース部材41のビス収納部48へ収納した後、空間41a内へ内カバー22を嵌め込み、ネジ55,55により固定片35をネジ止め部51にネジ止めして組み付ける。図7は、内カバー22を組み付けたベース部材41を斜め上方から見た状態を示したものであり、上記の如く組み付けると、内カバー22の鍔片36a,36bが左右のビス収納部48の開口を覆った状態となり、内カバー22の下部では、係止凹部34に係止片43が係止した状態となる。また、内カバー22の後面は、ベース部材41の内面に当接した状態となる。
しかる後、図8の如く、ROM10に固有の識別情報をQRコード(登録商標)によって表示した識別シール56を、内カバー22の鍔片36aの前面とベース部材41の上機能部45の上面(左側の部分)とに跨るように貼着する。このとき、識別シール56の鍔片36a側の表面に、QRコード(登録商標)(図示せず)を位置させる。また、QRコード(登録商標)(図示せず)の横には、QRコード(登録商標)とは別の形式で識別番号が記載されており、目視で識別番号の確認を可能としている。さらに、同表面には、シールの剥離に使用するような溶液等が付着すると化学反応によって変色する反応部(残痕部)が設けられおり、識別シール56の不正剥離を防止している。
上記の如くベース部材41に内カバー22を組み付け、識別シール56を貼着した後には、ベース部材41とかしめカバー部材42とを不正防止用ビス44,44を用いて一体化する。このとき、かしめカバー部材42は、ベース部材41の上方から下方へスライドさせ、上側折返し板15の裏面に突設された3つの嵌入突起17,17・・を、各嵌入凹部45a,45a・・内へ嵌入させるとともに、嵌合突起53d、53dを補強部50の前方へ嵌合させることによって、ベース部材41に組み付けられる。そして、左右のビス挿通部53a,53aのうちそれぞれ下側のビス挿通部53a,53aへ、不正防止用ビス44を前方(かしめカバー部材42側)から挿入し、不正防止用ビス44の先端をベース部材41のビス受け部49に係止および食い込ませることにより、ベース部材41とかしめカバー部材42とを一体化することによって、外カバー23の組み付けを完了する。
上記の如く組み付けられた状態においては、メイン制御基板21が、内カバー22および外カバー23により二重に覆われ、コネクタ25,25・・のみがコネクタ窓33,33・・から露出した状態となる。また、かしめカバー部材42の裏面に設けられた各種のリブ(図示せず)が、表側ケース部材32の鍔片36a,36b、押止片37,37、固定片35や表面に当接しており、かしめカバー部材42を取り外さない限り、内カバー22を開放したり、固定片35をネジ止めしているネジ55を取り外したり、ビス収納部48から予備の不正防止用ビス44を取り出したり、識別シール56を剥離したりできないようになる。また、かしめカバー部材42の上側折返し板15によって、ベース部材41の上機能部45の上面も被覆され、識別シール56に容易に触れることができないようになる。
上記の如く組み付けられた制御装置20は、取付部材80,80等(図4参照)によって、機構板3の後面側に取り付けられる。そして、メイン制御基板21の検査(たとえば、ROM11のチェック)等のため、再び開放する際には、不正防止用ビス44により固着状態にあるビス挿通部53aの周縁の切断リブ54,54・・をニッパ等によって切断する。そのように切断すると、ビス挿通部53aとかしめカバー部材42とが切り離され、ビス挿通部53aをベース部材41側へ残したまま、かしめカバー部材42をベース部材41から取り外すことが可能となる。そのため、上記した組み付け手順とは逆の順序でネジ55,55を取り外すとともに識別シール56を剥離して、内カバー22をベース部材41から取り出し、ネジ24,24・・を外すことにより、メイン制御基板21の検査を行うことが可能となる。さらに、再び組み付ける際には、上記した手順と略同様の手順により、当初ビス収納部48,48へ収納していた予備の不正防止用ビス44,44を、当初使用しなかった上側のビス挿通部53a,53aへ挿入し、それらの不正防止用ビス44の先端をベース部材41のビス受け部49に係止および食い込ませれば良い。
(3)本発明の特徴部分の説明
上記の如く、かしめカバー部材42の左側の凹状部16と中央の凹状部16との間には、一定幅の帯状部9aに矩形部9bを連設した形状を有する視認窓9が、ベース板14の板面より後方(図3では下方)に位置するように設けられている。図9は、かしめカバー部材42視認窓9の設置部分の鉛直断面(図2におけるA−A線断面)を示したものであり、視認窓9(帯状部9aおよび矩形部9b)は、所定の厚み(約2.0mm)の平板状に形成されている。そして、当該視認窓9は、平板状のベース板14の板面に対して、下方から上方にかけて後向き(図9では下向き)に約5°傾斜した状態になっている。さらに、視認窓9の矩形部9bの左右および下側が、それぞれ、視認窓9の板面に対して垂直な壁体8a,8b,8cによって囲まれた状態になっている。加えて、図1、図3の如く、視認窓9の帯状部9aの下側および右側(図3では左側)が、それぞれ、視認窓9の板面に対して垂直な壁体8d,8eによって囲まれた状態になっている。
加えて、上記の如く、表側ケース部材32の左側の鍔片36aの左端縁際の部分は、平板状のベース板40の板面に対して、下方から上方にかけて後向きに約5°傾斜しているため、当該鍔片36aの左端縁際の部分が、図9の如く、視認窓9に対して平行に対峙した状態になっている。そのため、ベース部材41と組み付けられた表側ケース部材32の鍔片36aの左端縁際に貼着された識別シール56に対して、視認窓9が近接した状態(約3.0mmの距離を隔てた状態)で、平行に配置された状態になっている。
(4)制御装置の効果
制御装置20は、上記の如く、メイン制御基板21が、ベース部材41とかしめカバー部材42とを組み付けてなる外カバー23の内部に収容された内カバー22内に収容されているため、メイン制御基板21に対して不正行為を働くためには、内カバー21と外カバー23との両方をこじ開けたり、穴を空けたりする必要があるため、メイン制御基板21に対して不正行為を働くことがきわめて困難であり、優れた防犯性を発揮することができる。また、内カバー22と外カバー23とに跨るように、固有の識別シール56が貼着されているため、メイン制御基板21に対して不正行為を働くためには、識別シール56の剥離をも行わなければならないので、防犯性が一段と高いものとなっている。
上記した効果に加えて、制御装置20は、ROM10等の制御素子の固有識別情報を表示した識別シール56が、メイン制御基板21の外側に貼着されているとともに、外カバー23であるかしめカバー部材42に、識別シール56を確認するための透明な視認窓9が設けられており、当該視認窓9の外面が、(メイン制御基板21の表面と平行な)かしめカバー部材42のベース板15の板面(ベース面)に対して傾斜状に設けられているため、識別シール56のQRコード(登録商標)(識別情報)を読み取る際に、コードリーダーの照射光がコードリーダー側へ反射する事態を効果的に防止して、短時間で素早く読み取ることが可能であり、防犯性能に優れている。
さらに、制御装置20は、制御素子を覆うカバーが、メイン制御基板21を直接的に覆う内カバー22(表側ケース部材31および裏側ケース部材32)と、その内カバー22の外周を覆う外カバー23(ベース部材41およびかしめカバー部材42)とからなるものであり、視認窓9が、外カバー23に設けられた均一な厚みの板状体であるとともに、内カバー22である表側ケース部材32の鍔片36aに、視認窓9の板面と略平行に傾斜した傾斜面が形成されており、その傾斜面に識別シール56が貼着されている。それゆえ、識別シール56が、全面に亘って視認窓9と近接した状態になっているので、識別シール56のQRコード(登録商標)を読み取る際に、読み取りミスを低減して、より容易に読み取ることができる。
加えて、制御装置20は、視認窓9(帯状部9aおよび矩形部9b)の周囲が壁体8a〜8eによって覆われているため、識別シール56のQRコード(登録商標)を読み取る際に、予期せぬ方向からの光の侵入等の外乱を抑制して、より正確に読み取ることができる。
また、上述したような制御装置20をパチンコ機1に設置することで、ROM10等が不正に取り替えられたりするおそれがなく、遊技者が安心して遊技可能なパチンコ機1を提供することができる。
(5)制御装置の変更例
なお、本発明の制御装置は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、基板、上カバー(表側ケース部材、カバー部材)、下カバー(裏側ケース部材、ベース部材)、不正防止用ビス、識別シール、視認窓、ネジ保持部、壁体等の形状、構造、あるいは取付位置、取付方法等の構成を本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することができる。
たとえば、本発明の制御装置は、上記実施形態の如く、視認窓をカバーのベース面に対して(下方から上方へかけて後向きに)5°傾斜させたものに限定されず、視認窓の傾斜角度や傾斜方向を、必要に応じて適宜変更することができる。なお、上記実施形態の如く、視認窓をカバーのベース面に対して3°〜10°の範囲内で傾斜させた場合には、カバーの前後厚みを不用意に厚くしたりする虞れがない上、識別シールのコード(識別情報)を読み取る際にコードリーダーの照射光がコードリーダー側へ反射する事態をより効果的に防止することができる、というメリットがある。加えて、上記実施形態の如く、視認窓を下方から上方へかけて後向きに傾斜させた場合には、識別シールのコード(識別情報)の読み取りを一段と容易なものとすることができる、というメリットがある。
また、本発明の制御装置は、上記実施形態の如く、外カバーおよび内カバーの全体を透明な合成樹脂によって構成したものに限定されず、視認窓のみ、あるいは視認窓を含む一部分のみを透明な合成樹脂によって形成したものに変更することも可能である。加えて、視認窓の設置位置(および識別シールの設置位置)も、上記実施形態の如く、制御装置の上方の端縁に限定されず、必要に応じて適宜変更することができる。加えて、設置窓の形状も、上記実施形態の如く、矩形の平板状に限定されず、円盤状や円形あるいは矩形等のレンズ状等に変更することも可能である。
さらに、本発明の制御装置における識別シールは、上記実施形態の如く、識別情報をQRコード(登録商標)によって表示したものに限定されず、ICタグを貼着したものや、バーコード、カラーコード等のQRコード(登録商標)以外の方法によって識別情報を表示したもの等に変更することも可能である。
加えて、上記実施形態においては制御装置がパチンコ機用のものである場合の一例について説明したが、本発明に係る制御装置は、スロットマシーンやテレビゲーム等のパチンコ機以外の遊技機用のものであっても良い。
なお、上記実施形態においては、本発明に係る制御装置の一例を示したにすぎず、特許請求の範囲、明細書、図面に記載されたすべての要素(たとえば、基板、上カバー(表側ケース部材、カバー部材)、下カバー(裏側ケース部材、ベース部材)、不正防止用ビス等)、識別シール(識別シール等)、視認窓、ネジ保持部、壁体等は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、それらの要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。したがって、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。たとえば、「〜装置」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらに、上記したすべての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくは一つの要素を複数の要素に分けて構成するかは、いずれも当業者であれば容易に考えられる事項である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する制御装置を、上記実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない(すなわち、本発明に係る制御装置の技術的範囲から外れるものとしたことにはならない)。その他、各要素の構成や形状等における、上記実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
本発明の制御装置は、上記の如く、趣向性の高いものであるので、パチンコ機、スロットマシーン等の遊技機用の制御装置として好適に用いることができる。
1・・パチンコ機(遊技機)
8a〜8c・・壁体
9・・視認窓
10・・ROM
20・・制御装置
21・・メイン制御基板
22・・内カバー
23・・外カバー
31・・裏側ケース部材(下カバー)
32・・表側ケース部材(上カバー)
41・・ベース部材(下カバー)
42・・かしめカバー部材(上カバー)
44・・不正防止用ビス(ワンウェイタイプのネジ)
53a・・ビス挿通部(ネジ保持部)
56・・識別シール

Claims (1)

  1. 制御素子を設置した基板が、透明な合成樹脂によって形成された上下一対のカバーによって覆われており、上側のカバーの端縁に切断可能な複数のネジ保持部が設けられており、それらのネジ保持部の内の少なくとも1つが、ワンウェイタイプのネジによって下側のカバーに螺着される遊技機用制御装置であって、
    前記制御素子の固有識別情報を表示した識別シールが、前記基板の外側に貼着されているとともに、
    前記カバーに、前記識別シールを確認するための透明な視認窓が設けられており、その視認窓の外面が、カバーのベース面に対して傾斜状に設けられており、かつ、
    前記カバーが、基板を直接的に覆う内カバーと、その内カバーの外周を覆う外カバーとからなるものであり、
    前記視認窓が、前記外カバーに設けられた均一な厚みの板状体であるとともに、
    前記内カバーに、前記視認窓の板面と略平行に傾斜した傾斜面が形成されており、その傾斜面に前記識別シールが貼着されていることを特徴とする遊技機用制御装置。
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