JP2011113396A - 印刷制御プログラム、及び印刷制御装置 - Google Patents

印刷制御プログラム、及び印刷制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】保留されている印刷コマンドについての処理をより適切に判断できる印刷制御プログラム、及び印刷制御装置を提供する。
【解決手段】印刷制御プログラムであって、順次入力される印刷対象データに基づいて印刷コマンドを生成する生成手段と、生成手段によって生成された印刷コマンドの画像形成手段への出力を保留する保留手段と、保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドについて、出力、削除、又は保留継続のいずれの処理を実行するかをその印刷コマンドが生成された印刷対象データより後に入力された印刷対象データの内容に基づいて判断する判断手段と、保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドに判断手段によって判断された処理を実行する処理手段としてコンピュータを機能させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、印刷制御プログラム、及び印刷制御装置に関する。
従来、保留されている印刷コマンドについての処理を次ページの有無によって判断するデバイスドライバのプログラムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上述した従来のデバイスドライバのプログラムでは、1ページ分の画像データを分割し、前半部分の画像データを画像記録装置に送信した後、次ページ有コマンド(印刷コマンド)や後半部分の画像データ(印刷コマンド)の送信を保留しておく。そして、ページを処理するときそのページより先に処理されたページの有無(処理済ページ数が1以上か否か)を判断し、先に処理されたページが有る場合は次ページが有る(現在処理中のページが次ページに相当)として、先に処理されたページについて、先に次ページ有コマンドを送信してから後半部分の画像データを送信している。
特開2007−293427号公報
しかしながら、従来のデバイスドライバのプログラムは保留されている印刷コマンドを出力するか否かを、言い換えると保留されている印刷コマンドについての処理を処理済ページ数のみによって判断するものであり、処理を適切に判断できない場合があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、保留されている印刷コマンドについての処理をより適切に判断できる印刷制御プログラム、及び印刷制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、印刷制御プログラムであって、順次入力される印刷対象データに基づいて印刷コマンドを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された印刷コマンドの画像形成手段への出力を保留する保留手段と、前記保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドについて、出力、削除、又は保留継続のいずれの処理を実行するかをその印刷コマンドが生成された印刷対象データより後に入力された印刷対象データの内容に基づいて判断する判断手段と、前記保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドに前記判断手段によって判断された前記処理を実行する処理手段としてコンピュータを機能させる。
この発明によると、保留されている印刷コマンドについての処理を、その印刷コマンドが生成された印刷対象データより後に入力された印刷対象データの内容に基づいて判断するので、処理済みページ数のみによって処理を判断する場合に比べ、保留されている印刷コマンドについての処理をより適切に判断できる。
後に入力された印刷対象データは、入力されたのが保留されている印刷コマンドが生成された印刷対象データの後であればよく、保留されている印刷コマンドが生成された印刷対象データの直後に入力された印刷対象データに限られない。
第2の発明は、第1の発明の印刷制御プログラムであって、前記判断手段は、前記保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドについての前記処理の問い合せを受け付け、その問い合せされた印刷コマンドについての前記処理をその印刷コマンドの種類に応じて判断する処理判断手段と、前記生成手段によって印刷コマンドが生成されると、先に保留されている印刷コマンドから順に前記処理判断手段に前記処理を問い合せる問い合せ手段と、を有する。
印刷コマンドには多くの種類があり、保留されている印刷コマンドについての処理を判断する判断処理はその保留されている印刷コマンドの種類によって異なる。この場合、印刷コマンドの種類毎に判断処理を定義することもできるが、そうすると印刷制御プログラムはどの種類の印刷コマンドのときにどの判断処理を実行するかを管理していなければならず、印刷コマンドの種類が多いとその管理が複雑になる。
この発明によると、処理の判断が処理判断手段に一元化されるので、印刷制御プログラムはどの種類の印刷コマンドのときにどの判断処理を実行するかを管理しなくてよい。これにより、印刷制御プログラムによる管理を簡素化でき、印刷制御プログラムの開発者による開発作業や保守作業が容易になる。
第3の発明は、第2の発明の印刷制御プログラムであって、前記保留手段は、印刷コマンドにその印刷コマンドの種類を示すコマンド識別子を付加して保留し、前記処理判断手段は、印刷コマンドの種類をその印刷コマンドに付加されている前記コマンド識別子を参照して判断する。
この発明によると、コマンド識別子を参照することにより、保留されている印刷コマンドの種類を容易に判断できる。
第4の発明は、第2又は第3の発明の印刷制御プログラムであって、前記問い合せ手段は、前回生成された印刷コマンドとは異なる種類の印刷コマンドが生成されることを条件として、前記処理判断手段に前記処理を問い合せる。
印刷コマンドが生成される毎に保留されている印刷コマンドについての処理を毎回問い合せてもよいが、そうすると処理効率が低下する虞がある。
この発明によると、印刷コマンドが生成される毎に毎回問い合せるのではなく、前回生成された印刷コマンドとは異なる種類の印刷コマンドが生成されると問い合せるので、処理効率の低下を低減できる。
第5の発明は、第2〜第4のいずれかの発明の印刷制御プログラムであって、前記問い合せ手段は、前記処理判断手段によっていずれかの印刷コマンドが保留継続と判断された場合は、先に保留されている印刷コマンドから順に前記処理判断手段への問い合せを繰り返す。
この発明によると、保留継続と判断された印刷コマンドより後に保留されている印刷コマンドがその印刷コマンドより先に出力されてしまわないようにすることができる。
第6の発明は、第1〜第5のいずれかの発明の印刷制御プログラムであって、前記生成手段は、前記画像形成手段への出力が確定している出力確定コマンド、及び出力が確定していない出力未確定コマンドを生成し、前記保留手段は、前記生成手段によって生成された印刷コマンドが出力未確定コマンドである場合は出力を保留してバッファに格納し、出力確定コマンドである場合は、前記バッファに印刷コマンドが格納されていなければ前記画像形成手段に出力し、格納されていれば前記バッファに格納する。
この発明によると、バッファに印刷コマンドが格納されていなければ出力確定コマンドを保留せずに出力するので、より早い時点で画像形成手段に印刷コマンド(出力確定コマンド)を出力できる。これにより、画像形成手段はその印刷コマンドに基づく処理をより早い時点で開始できる。
一方、バッファに印刷コマンドが格納されている場合は出力確定コマンドであってもバッファに格納するので、出力確定コマンドより前に生成された出力未確定コマンドよりも先にその出力確定コマンドが画像形成手段に出力されてしまわないようにすることができる。
第7の発明は、第6の発明の印刷制御プログラムであって、前記保留手段は、印刷コマンドを前記バッファに格納するとき、その印刷コマンドが出力確定コマンドであるか出力未確定コマンドであるかを識別可能に格納し、前記処理手段は、保留されている印刷コマンドを出力すると、その印刷コマンドの次に格納されている印刷コマンドが出力確定コマンドである場合には、その出力確定コマンドを無条件に出力する。
出力確定コマンドは先にバッファに格納されている印刷コマンドより先に出力されないようにするためにバッファに格納されるものであり、先に格納されている印刷コマンドが全て出力、又は削除によりバッファからなくなった場合には無条件に出力してよい印刷コマンドである。
この発明によると、出力確定コマンドの場合は無条件に出力するので、処理の判断を省略でき、効率よく出力できる。
第8の発明は、印刷制御装置であって、順次入力される印刷対象データに基づいて印刷コマンドを生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された印刷コマンドの画像形成手段への出力を保留する保留手段と、前記保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドについて、出力、削除、又は保留継続のいずれの処理を実行するかをその印刷コマンドが生成された印刷対象データより後に入力された印刷対象データの内容に基づいて判断する判断手段と、前記保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドに前記判断手段によって判断された前記処理を実行する処理手段と、を備える。
この発明によると、保留されている印刷コマンドについての処理をより適切に判断できる。
本発明によれば、保留されている印刷コマンドについての処理をより適切に判断できる。
本発明の実施形態1に係る印刷制御装置、及び画像形成手段を示すブロック図。 プリンタドライバの論理的構成を示すブロック図。 生成モジュールによって生成された印刷コマンドの一例を示す模式図。 バッファに格納されている印刷コマンドの一例を示す模式図。 生成モジュールの全体処理の流れを示すフローチャート。 ページ出力処理の流れを示すフローチャート。 保留モジュールの処理の流れを示すフローチャート。 問い合せ・処理モジュールの処理の流れを示すフローチャート。 処理判断モジュールの処理の流れを示すフローチャート。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。
(1)印刷システム
図1は、本発明の実施形態1に係るパーソナルコンピュータ1(コンピュータ、印刷制御装置の一例、以下PCという)、及びプリンタ2(画像形成手段の一例)を示す模式図である。PC1とプリンタ2とはLAN(Local Area Network)などの通信ネットワーク3で通信可能に接続されている。
(1−1)PCの電気的構成
PC1は、CPU11(生成手段、保留手段、判断手段、処理判断手段、問い合せ手段、処理手段、保留手段の一例)、ROM12、RAM13(バッファの一例)、記憶部14、表示部15、操作部16、ネットワークインタフェース(I/F)17などを備えて構成されている。
CPU11は、ROM12や記憶部14に記憶されている各種のプログラムを実行することによりPC1の各部を制御する。ROM12はCPU11が実行するための各種のプログラムやデータなどを記憶している。RAM13はCPU11が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる他、印刷コマンドを保留するバッファとしても用いられる。
記憶部14は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体を用いて各種のプログラムやデータを記憶する外部記憶装置である。記憶部14には、オペレーティングシステム(OS)、プリンタ2用のプリンタドライバ(印刷制御プログラムの一例)、印刷対象情報(文書、表、画像、イラスト、写真など印刷され得る情報であればよい)、OSを介してプリンタドライバに印刷対象情報の印刷を指示する各種のアプリケーションプログラムなどが記憶されている。
表示部15は、CRTや液晶ディスプレイなどの表示装置で構成されている。
操作部16は、マウスやキーボードなどで構成されている。
ネットワークインタフェース(I/F)17は、通信ネットワーク3を介してプリンタ2などの外部の機器と接続される。なお、PC1は例えばUSBやRS−232Cなどによってプリンタ2に直接接続される構成であってもよい。
(1−2)プリンタの電気的構成
プリンタ2は、CPU21、ROM22、RAM23、印刷部24、ネットワークインタフェース(I/F)25などを備えて構成されている。
CPU21はROM22に記憶されている各種のプログラムを実行することによりプリンタ2の各部を制御する。ROM22はCPU21が実行するための各種のプログラムやデータなどを記憶している。RAM23はCPU21が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
印刷部24は、印刷コマンドに基づいて、レーザー方式、LED方式、インクジェット方式などにより紙などの被記録媒体に画像を形成する。
ネットワークインタフェース(I/F)25は、通信ネットワーク3を介してPC1などの外部の機器と接続されている。
(2)プリンタドライバの論理的構成
図2は、プリンタドライバ30の論理的構成を示すブロック図である。プリンタドライバ30は、生成モジュール31(生成手段の一例)、保留モジュール32(保留手段の一例)、及び、判断・処理モジュール34(判断手段、処理判断手段、問い合せ手段、処理手段の一例)を備えて構成されている。
ここで、本実施形態では印刷対象情報はビットマップ形式のデータ(ラスタデータ)であるとするが、ベクタデータであってもよい。印刷対象情報は複数のページで構成されることができる。OSは印刷対象情報をページ毎に所定ライン(例えば1ライン)ずつプリンタドライバ30に順次入力する。1回当たりに入力される所定ライン分のページは印刷対象データの一例である。
(2−1)生成モジュール
生成モジュール31は、順次入力される印刷対象データに基づいて印刷コマンドを生成し、生成した印刷コマンドを保留モジュール32に送信するモジュールである。
ここでいう「印刷対象データに基づいて」には、印刷対象データそのものに基づく場合の他、印刷対象データが入力されたことに基づく場合や、印刷対象データの入力が終了したことに基づく場合、それまでに入力された印刷対象データの合計データ量、あるいは合計印刷対象データ数(合計ライン数)に基づく場合、印刷対象データによって表されるページの切り替わりに基づく場合なども含む。また、「生成」には、予めROM12に記憶されている印刷コマンドを読み込むことも含む。
図3は、生成モジュール31によって生成された印刷コマンドの一例を示す模式図である。ここでは3ページからなる印刷対象情報を例に説明する。
ジョブ開始コマンドは印刷ジョブが開始されることをプリンタ2に通知する印刷コマンドである。ジョブ終了コマンドは印刷ジョブが終了したことをプリンタ2に通知する印刷コマンドである。ジョブ開始コマンド、及びジョブ終了コマンドはプリンタ2への出力が確定している出力確定コマンドである。
ページ開始コマンド、画像コマンド、及びページ終了コマンドは、ページ毎に生成される印刷コマンドである。生成モジュール31はRAM13の使用量を節約するためにページを領域に区切って処理するものであり、ページの最初のラインが入力されるとページ開始コマンドを生成し、以後、一領域分のラインが入力される毎に当該領域を表す画像コマンドを生成し、そのページのラインが全て入力されるとページ終了データを生成する。
プリンタドライバ30は、ページが空白ページ(被記録媒体にドットが形成されないページ)である場合には被記録媒体を無駄に出力しないようにするためにそのページはないものとみなす。プリンタドライバ30にとってはそのページの全てのラインが入力され終わるまで空白ページであるか否かが判らないので、ページ開始コマンドや画像コマンド(最後の領域の画像コマンドは除く)を生成した時点では、そのページが空白ページであるか否かを判断できない。そこで、プリンタドライバ30は、ページ開始コマンド、画像コマンド、及びページ終了コマンドを生成すると出力を保留し、空白ページであることが確定した場合には、これらの印刷コマンドをプリンタ2に出力せずに削除する。したがって、ページ開始コマンド、画像コマンド、及びページ終了コマンドは、プリンタ2への出力が確定していない出力未確定コマンドである。
連続給紙コマンドは、現在処理中のページの次のページが印刷される被記録媒体の搬送を開始するようプリンタ2に指示するコマンドである。すなわち、連続給紙コマンドは被記録媒体を連続的に給紙させるためのコマンドである。生成モジュール31は、現在処理中のページの印刷が終了したときに速やかに次のページの印刷を開始できるようにするために、現在処理中のページの処理途中(そのページの印刷コマンドを生成している途中)で連続給紙コマンドを生成する。より具体的には、生成モジュール31は最後の領域の前に連続給紙コマンドを生成する。なお、連続給紙コマンドを生成するタイミングは適宜選択可能である。
プリンタドライバ30は、次ページが無い場合には被記録媒体を無駄に出力しないようにするために連続給紙コマンドを出力しない。プリンタドライバ30にとってはOSから次ページのラインが入力されるまで次ページが有ることが判らないので、ページの処理途中では次ページの有無が判らない。そこで、プリンタドライバ30は連続給紙コマンドを生成すると出力を保留し、次ページが無いことが確定した場合には、生成した連続給紙コマンドをプリンタ2に出力せずに削除する。したがって、連続給紙コマンドは、プリンタ2への出力が確定していない出力未確定コマンドである。
上述した連続給紙コマンドの説明でいう次ページには空白ページは含まれない。空白ページはないものとみなされるからである。従って、次ページが空白ページである場合には、更にその次以降のページの有無によって連続給紙コマンドの出力が判断される。
空白ページの処理途中でも連続給紙コマンドが生成されるが、空白ページで生成された連続給紙コマンドはページ開始コマンドなどと同様にプリンタ2に出力されずに削除される。
(2−2)保留モジュール
保留モジュール32は、生成モジュール31によって生成された印刷コマンドを出力する、又は出力を保留するモジュールである。
生成された印刷コマンドが出力未確定コマンドである場合は、保留モジュール32はプリンタ2への出力を保留し、バッファに格納する。
一方、生成された印刷コマンドが出力確定コマンドである場合は、保留モジュール32はバッファに印刷コマンドが格納されているか否かを判定し、印刷コマンドが格納されていなければプリンタ2に出力し、格納されていればバッファに格納する。出力確定コマンドであってもバッファに印刷コマンドが格納されていればバッファに格納するのは、バッファに格納されている印刷コマンドより先にその出力確定コマンドが出力されてしまわないようにするためである。出力確定コマンドは先にバッファに格納されている印刷コマンドが全て出力、又は削除によってバッファからなくなると無条件に出力される。
図4は、保留モジュール32によってバッファに格納されている印刷コマンドの一例を示す模式図である。保留モジュール32は、印刷コマンドをバッファに格納するとき、各種の情報を付加して格納する。各種の情報は印刷コマンドが出力未確定コマンドであるか出力確定コマンドであるかによって異なり、出力未確定コマンドの場合は出力フラグ、ページ数、及びコマンドの種類(コマンド識別子の一例)が付加され、出力確定コマンドの場合は出力フラグが付加される。
出力フラグは、その印刷コマンドが出力確定コマンドであるか出力未確定コマンドであるかを識別するための情報である。
ページ数は、その印刷コマンドが生成されたページのページ番号を示す情報である。
コマンドの種類は、その印刷コマンドの種類がページ開始コマンド、画像コマンド、連続給紙コマンド、又はページ終了コマンドのいずれであるかを示す情報である。
(2−3)判断・処理モジュール
判断・処理モジュール34は、処理判断モジュール35と、問い合せ・処理モジュール36とで構成されている。
処理判断モジュール35は、バッファに格納されている印刷コマンドについての処理の問い合せを受け付け、出力、削除、又は保留継続のいずれの処理を実行するかをその問い合せされた印刷コマンドが生成された印刷対象データより後に入力された印刷対象データの有無、及び当該後に入力された印刷対象データが有る場合にはその内容に基づいて判断するモジュールである。
問い合せ・処理モジュール36は、バッファに格納されている印刷コマンドのうち、出力未確定コマンドについて先頭の印刷コマンドから順に処理判断モジュール35に処理を問い合せ、その印刷コマンドを処理判断モジュール35による判断結果に応じて処理するモジュールである。
図3に示す問い合せタイミングD1〜D13は、問い合せ・処理モジュール36が処理判断モジュール35に処理を問い合せるタイミングを示している。問い合せタイミングD1〜D13は、前回生成された印刷コマンドとは異なる種類の印刷コマンドが生成される毎に設定されている。
画像コマンドの場合は、直前の印刷コマンドが画像コマンドであれば原則として問い合せを行わないが、直前の印刷コマンドが画像コマンド以外の印刷コマンド(具体的にはページ開始コマンド)である場合も原則として問い合せを行わない。ここで「原則として」としたのは、詳しくは後述するが画像コマンドの場合は最初に空白以外のラインが入力されたときやページの最後の画像コマンドが生成された後に問い合せを行うからである
また、連続給紙コマンドの場合も、直前の印刷コマンドが連続給紙コマンド以外の印刷コマンドであっても問い合せを行わない。連続給紙コマンドが生成されても保留されている印刷コマンドの処理についての判断に変化はないからである
(3)各モジュールの処理の流れ
以下、各モジュールの処理の流れについて説明する。以下の説明において生成モジュール31というときは生成モジュール31を実行するCPU11のことをいうものとする。保留モジュール32、判断・処理モジュール34、処理モジュールについても同様である。
(3−1)生成モジュール
(3−1−1)全体処理
図5は、生成モジュール31の全体処理の流れを示すフローチャートである。利用者がアプリケーションプログラムで印刷を指示すると、OSからプリンタドライバ30に印刷が指示される。本処理はその指示を受けて開始される。
S101では、生成モジュール31はジョブ開始コマンドを保留モジュール32に送信する。
S102では、生成モジュール31はジョブ開始処理完了を判断・処理モジュール34に通知する。ジョブ開始処理完了とは、ジョブ開始コマンドを保留モジュール32に送信する処理が完了したことをいう。以下においても同様である。
S103では、生成モジュール31は次のページ(本処理の開始直後は1ページ目)があるか否かを判定する。生成モジュール31は、次のページがある場合はS104に進み、次のページがない場合はS105に進む。
S104では、生成モジュール31はページ毎に印刷コマンドを生成する処理である「ページ出力処理」を実行する。「ページ出力処理」の詳細については後述する。
S105では、生成モジュール31はジョブ終了コマンドを保留モジュール32に送信する。
S106では、生成モジュール31はジョブ終了処理完了を判断・処理モジュール34に通知する。
(3−1−2)ページ出力処理
図6は、S104で実行されるページ出力処理の流れを示すフローチャートである。
S201では、生成モジュール31は処理中のページが空白ページであるか否かを示す変数である空白フラグに初期値として空白であることを示す値(真)を設定する。空白フラグはページ毎に記憶される変数である。
S202では、生成モジュール31はページ開始コマンドを保留指定して保留モジュール32に送信する。保留指定して送信するとは、その印刷コマンドをバッファに格納するよう指定して送信することをいう。
また、生成モジュール31は、印刷コマンドを保留指定して送信する場合には、前述した各種の情報も保留モジュール32に送信する。生成モジュール31は前述した各種の情報に次の値を設定して保留モジュール32に送信する。
出力フラグ=出力未確定コマンド
ページ数=(処理中のページのページ番号)
コマンドの種類=ページ開始コマンド
S203では、生成モジュール31はページ開始処理完了を判断・処理モジュール34に通知する。
S204では、生成モジュール31はページの全領域について処理が終了したか否かを判定し、終了していない場合はS205に進み、終了している場合はS211に進む。
S205では、生成モジュール31は現在処理中の領域に描画処理を実行する。描画処理とは、印刷対象データに含まれる文字や図形などの描画に加えて、描画した領域に各種の画像処理(ガンマ補正、色空間変換など)を施し、処理後のデータに基づいて、プリンタ2が形成するドットのパターンを表す二値画像(所謂ハーフトーンデータ)を色毎に生成する処理である。
S206では、生成モジュール31は現在処理中の領域が空白(全てのドットが白)であるか否かを判定し、空白ではない場合はS207に進み、空白である場合はS208に進む。
S207では、生成モジュール31は現在処理中のページの空白フラグにそのページが空白ページではないことを示す値(偽)を設定する。
S208では、生成モジュール31は空白フラグが偽になったことを判断・処理モジュール34に通知する。空白フラグが偽になったことの通知は、現在処理中のページの空白フラグが偽になったときに1度だけ行われる。
S209では、生成モジュール31は現在処理中の領域が最終領域であるか否かを判定し、最終領域である場合はS210に進み、最終領域ではない場合はS211に進む。
S210では、生成モジュール31は連続給紙コマンドを保留指定して保留モジュール32に送信するとともに、前述した各種の情報に次の値を設定して保留モジュール32に送信する。
出力フラグ=出力未確定コマンド
ページ数=(処理中のページのページ番号)
コマンドの種類=連続給紙コマンド
S211では、生成モジュール31は描画処理された領域を表す画像コマンドを生成し、生成した画像コマンドを保留指定して保留モジュール32に送信するとともに、前述した各種の情報に次の値を設定して保留モジュール32に送信する。
出力フラグ=出力未確定コマンド
ページ数=(処理中のページのページ番号)
コマンドの種類=画像コマンド
S212では、生成モジュール31は描画処理完了を判断・処理モジュール34に通知する。
S213では、生成モジュール31はページ終了コマンドを保留指定して保留モジュール32に送信するとともに、前述した各種の情報に次の値を設定して保留モジュール32に送信する。
出力フラグ=出力未確定コマンド
ページ数=(処理中のページのページ番号)
コマンドの種類=ページ終了コマンド
S214では、生成モジュール31はページ終了処理完了を判断・処理モジュール34に通知して全体処理に戻る。
(3−2)保留モジュール
図7は、保留モジュール32の処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、生成モジュール31から送信された印刷コマンドを受信した場合に開始される。
S301では、保留モジュール32は生成モジュール31から送信された印刷コマンドが保留指定されているか否かを判定し、保留指定されている場合はS302に進み、保留指定されていない場合はS303に進む。
S302では、保留モジュール32は送信された印刷コマンドに各種の情報(出力フラグ、ページ数、コマンドの種類)を付加してバッファに格納する。
S303では、保留モジュール32はバッファに印刷コマンドが格納されているか否かを判定し、格納されている場合はS304に進み、格納されていない場合はS305に進む。
S304では、保留モジュール32は送信された印刷コマンドに各種の情報(出力フラグ)を付加してバッファに格納する。出力フラグには次の値が設定される。
出力フラグ=出力確定コマンド
S305では、保留モジュール32は送信された印刷コマンドをプリンタ2に出力する。
(3−3)問い合せ・処理モジュール
図8は、問い合せ・処理モジュール36の処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、生成モジュール31から各処理の完了が通知される毎に実行される。
S401では、問い合せ・処理モジュール36はバッファに印刷コマンドが格納されているか否かを判定し、格納されている場合はS402に進み、格納されていない場合は処理を終了する。
S402では、問い合せ・処理モジュール36はバッファに格納されている印刷コマンドのうち先頭の印刷コマンドを選択し、選択した印刷コマンドが出力確定コマンド(具体的にはジョブ終了コマンド)であるか否かを出力フラグを参照して判定する。問い合せ・処理モジュール36は、選択した印刷コマンドが出力確定コマンドである場合はS403に進み、出力未確定コマンドである場合はS404に進む。
S403では、問い合せ・処理モジュール36は選択した印刷コマンドをプリンタ2に出力する。
S404では、問い合せ・処理モジュール36は選択した印刷コマンドについての処理を処理判断モジュール35に問い合せる。
S405では、問い合せ・処理モジュール36は処理判断モジュール35による判断結果を判定し、判断結果が「出力」である場合はS403に進み、「削除」である場合はS406に進み、「保留継続」である場合は処理を終了する。
「保留継続」である場合に処理を終了するのは、保留継続と判断された印刷コマンドの後に格納されている印刷コマンドがその保留継続と判断された印刷コマンドより先に出力されてしまわないようにするためである。ただし、生成モジュール31から各処理の完了が通知されると本処理を開始するので、バッファに格納されている印刷コマンドについての問い合わせを先頭から順に繰り返すことになる。
S406では、問い合せ・処理モジュール36は選択した印刷コマンドをバッファから削除する。
(3−4)処理判断モジュール
図9は、処理判断モジュール35の処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、問い合せ・処理モジュール36から印刷コマンドについての処理が問い合せられる毎に実行される。
S501では、処理判断モジュール35は、問い合せされた印刷コマンドのページ番号と一致するページの空白フラグが偽であるか否かを判定する。処理判断モジュール35は、空白フラグが偽ではない場合、すなわち真である場合はS502に進み、偽である場合はS504に進む。
S502では、処理判断モジュール35は問い合せされた印刷コマンドが生成されたページのページ終了処理が完了しているか否かを判定する。空白フラグが真であり、且つページ終了処理が完了しているということは、問い合せされた印刷コマンドが生成されたページが空白ページであるということであるので、処理判断モジュール35はページ終了処理が完了している場合は問い合せされた印刷コマンドを削除すると判断してS503に進む。一方、ページ終了処理が完了していない場合はこの時点でまだ空白ページであるか否かを確定できないので、処理判断モジュール35は保留継続と判断してS508に進む。
S503では、処理判断モジュール35は問い合せ・処理モジュール36に判断結果として「削除」を返信する。
S504では、処理判断モジュール35は問い合せされた印刷コマンドの種類が連続給紙コマンドであるか否かをコマンドの種類を参照して判定する。処理判断モジュール35は、連続給紙コマンドである場合はS505に進む。一方、問い合せされた印刷コマンドが連続給紙コマンドではない場合(ページ開始コマンド、画像コマンド、又はページ終了コマンドである場合)は、その印刷コマンドが生成されたページが空白ページではないことがS501で確定しているので、処理判断モジュール35は出力と判断してS509に進む。
S505では、処理判断モジュール35はジョブ終了処理が完了しているか否かを判定する。ジョブ終了処理が完了しているということは、その問い合せされた連続給紙コマンドが生成されたページに次ページがないということであるので、処理判断モジュール35はジョブ終了処理が完了している場合は削除と判断してS503に進み、ジョブ終了処理が完了していない場合はS506に進む。
S506では、処理判断モジュール35は、現在処理中のページ(生成モジュール31が現在印刷コマンドを生成中のページ)のページ番号が、その問い合せされた連続給紙コマンドのページ番号より大きいか否かを判定する。現在処理中のページのページ番号が連続給紙コマンドのページ番号より大きいということは次ページが空白ページであるか否かまでは不明であるものの次ページが有るということであるので、処理判断モジュール35はS507に進む。一方、現在処理中のページのページ番号が連続給紙コマンドのページ番号以下である場合はこの時点でまだ次ページの有無を確定できないので、処理判断モジュール35は保留継続と判断してS508に進む。
S507では、処理判断モジュール35は現在処理中のページの空白フラグが偽であるか否かを判定する。空白フラグが偽ではない場合、すなわち真である場合はこの時点でまだ次ページが空白ページであるか否かを確定できないので、処理判断モジュール35は保留継続と判断してS508に進む。一方、現在処理中のページの空白フラグが偽である場合は、次ページは空白ページではないということであるので、処理判断モジュール35は出力と判断してS509に進む。
S508では、処理判断モジュール35は問い合せ・処理モジュール36に判断結果として「保留継続」を返信する。
S509では、処理判断モジュール35は問い合せ・処理モジュール36に判断結果として「出力」を返信する。
(4)判断・処理モジュールによる判断例
以下、判断・処理モジュール34による判断例を、図3に示す印刷コマンドを例に説明する。
問い合せタイミングD1では、バッファに印刷コマンドが格納されていない。ジョブ開始コマンドは出力確定コマンドであり、ジョブ開始コマンドが生成された時点でバッファに印刷コマンドが格納されていないので、バッファに格納されることなくプリンタ2に出力されるからである。バッファに印刷コマンドが格納されていないので、このタイミングでは判断は行われない。
問い合せタイミングD2では、バッファに1ページ目のページ開始コマンドが格納されている。このタイミングでは現在処理中のページ(1ページ目)の空白フラグが真のままであり、且つ1ページ目のページ終了処理が完了していないので、1ページ目のページ開始コマンドは保留継続と判断される。
問い合わせタイミングD3では、バッファに1ページ目のページ開始コマンドと1ページ目の最初の画像コマンド41とが格納されている。このタイミングでは現在処理中のページ(1ページ目)の空白フラグが偽であるので1ページ目のページ開始コマンド、及び1ページ目の最初の画像コマンド41は出力と判断される。
問い合せタイミングD4では、1ページ目の2番目の画像コマンド42から1ページ目の4番目の画像コマンド44までがバッファに格納されている。このタイミングでは現在処理中のページ(1ページ目)の空白フラグが偽であるので、1ページ目の2番目の画像コマンド42から1ページ目の3番目の画像コマンド43までは出力と判断される。1ページ目の連続給紙コマンドについては、この時点ではジョブ終了処理が完了しておらず、且つ現在処理中のページのページ番号(1ページ目)が1ページ目以下であるので保留継続と判断される。
いずれかの印刷コマンドが保留継続と判断された場合はその問い合せタイミングでの判断は終了するので、保留継続と判断された印刷コマンドより後に保留されている印刷コマンド(この場合は1ページ目の4番目の画像コマンド44)については処理を問い合せることなく保留継続される。
問い合せタイミングD5では、1ページ目の連続給紙コマンドから1ページ目のページ終了コマンドまでがバッファに格納されている。このタイミングでもジョブ終了処理が終了しておらず、且つ現在処理中のページのページ番号(1ページ目)が1ページ目以下であるので、1ページ目の連続給紙コマンドは保留継続と判断される。
問い合せタイミングD6では、1ページ目の連続給紙コマンドから2ページ目のページ開始コマンドまでがバッファに格納されている。このタイミングでは現在処理中のページのページ番号(2ページ目)は1ページ目より大きい。しかしながら、このタイミングでは現在処理中のページ(2ページ目)の空白フラグが真のままであるので、1ページ目の連続給紙コマンドは保留継続と判断される。
問い合せタイミングD7では、1ページ目の連続給紙コマンドから2ページ目の4番目の画像コマンド45までがバッファに格納されている。このタイミングでも現在処理中のページ(2ページ目)の空白フラグが真のままであるので、1ページ目の連続給紙コマンドは保留継続と判断される。
問い合せタイミングD8では、1ページ目の連続給紙コマンドから2ページ目のページ終了コマンドまでがバッファに格納されている。このタイミングでも現在処理中のページ(2ページ目)の空白フラグが真のままであるので、1ページ目の連続給紙コマンドは保留継続と判断される。
問い合せタイミングD9では、1ページ目の連続給紙コマンドから3ページ目のページ開始コマンドまでがバッファに格納されている。このタイミングでも現在処理中のページ(3ページ目)の空白フラグが真のままであるので、1ページ目の連続給紙コマンドは保留継続と判断される。
問い合わせタイミングD10では、1ページ目の連続給紙コマンドから3ページ目の最初の画像コマンド46までがバッファに格納されている。このタイミングでは現在処理中のページ(3ページ目)の空白フラグが偽であるので、1ページ目の連続給紙コマンドは出力と判断される。この場合、1ページ目の連続給紙コマンドから1ページ目のページ終了コマンドまでは出力と判断される。2ページ目は空白ぺージであるので2ページ目の印刷コマンドは全て削除と判断される。3ページ目のページ開始コマンド、及び3ページ目の最初の画像コマンド46は、3ページ目の空白フラグが偽であるので出力と判断される。
問い合せタイミングD11では、3ページ目の2番目の画像コマンド47から3ページ目の4番目の画像コマンド49までがバッファに格納されている。このタイミングでは現在処理中のページ(3ページ目)の空白フラグが偽であるので、3ページ目の2番目の画像コマンド47から3ページ目の3番目の画像コマンド48までは出力と判断される。3ページ目の連続給紙コマンドについては、このタイミングでは現在処理中のページ(3ページ目)が3ページ目以下であるので保留継続と判断される。
問い合せタイミングD12では、3ページ目の連続給紙コマンドから3ページ目のページ終了コマンドまでがバッファに格納されている。このタイミングでも現在処理中のページのページ番号(3ページ目)が3ページ目以下であるので保留継続と判断される。
問い合せタイミングD13では、3ページ目の連続給紙コマンドからジョブ終了コマンドまでがバッファに格納されている。このタイミングではジョブ終了コマンドが生成されていることにより3ページ目に次ページがないことが確定しているので、3ページ目の連続給紙コマンドは削除と判断される。3ページ目の4番目の画像コマンド49から3ページ目のページ終了コマンドまでは、3ページ目の空白フラグが偽であるので出力と判断される。
ジョブ終了コマンドは出力確定コマンドであるので、判断・処理モジュール34による判断は行われず、先にバッファに格納されている印刷コマンドが全て出力、又は削除によってバッファからなくなったことにより無条件に出力される。
(5)実施形態の効果
以上説明した本発明の実施形態1に係るプリンタドライバ30によると、連続給紙コマンドが生成されたページの次ページ以降に空白ページではないページがあるか否かを、その連続給紙コマンドが生成された印刷対象データより後に入力された印刷対象データ(その連続給紙コマンドが生成されたページの次ページ以降の印刷対象データ)に基づいて判断し、次ページ以降に空白ページではないページがある場合のみその連続給紙コマンドを出力するので、処理済みページ数のみによって判断する場合に比べ、被記録媒体の無駄な出力を低減できる。
また、プリンタドライバ30によると、連続給紙コマンドが生成されたページについて、連続給紙コマンドを生成する前に入力された印刷対象データの内容が全て空白データである場合は、その連続給紙コマンドが生成された後に入力された印刷対象データの内容が全て空白データであるかを判断し、後に入力された印刷対象データの内容が全て空白データである場合、すなわちそのページが空白ページである場合には、次ページの有無によらずそのページで生成した印刷コマンドを出力しない。これにより、処理済みページ数のみによって判断する場合に比べ、空白ページが被記録媒体に印刷されることによる被記録媒体の無駄な使用を低減できる上、そのページで生成された連続給紙コマンドも出力されないことにより、被記録媒体の無駄な出力も低減できる。
このように、実施形態1に係るプリンタドライバ30によると、保留されている印刷コマンドについての処理を、その印刷コマンドが生成された印刷対象データより後に入力された印刷対象データの有無、及び当該後に入力された印刷対象データが有る場合にはその内容に基づいて判断するので、処理済みページ数のみによって処理を判断する場合(すなわち次ページの内容は考慮しない場合)に比べ、保留されている印刷コマンドについての処理をより適切に判断できる。
更に、プリンタドライバ30によると、保留されている印刷コマンドについての処理の判断が処理判断モジュール35に一元化されている。
印刷コマンドには多くの種類があり、保留されている印刷コマンドについての処理を判断する判断処理はその保留されている印刷コマンドの種類によって異なる。例えば、保留されている印刷コマンドが連続給紙コマンドの場合とページ開始コマンドの場合とでは図9に示すように判断の流れが異なる。この場合、印刷コマンドの種類毎に判断処理を定義することもできるが、そうするとプリンタドライバ30はどの種類の印刷コマンドのときにどの判断処理を実行するかを管理していなければならず、印刷コマンドの種類が多いとその管理が複雑になる。
プリンタドライバ30によると、処理の判断が処理判断モジュール35に一元化されるので、生成モジュール31によって印刷コマンドが生成されたときには問い合せ・処理モジュール36によって処理判断モジュール35に処理を問い合せるだけでよく、どの種類の印刷コマンドのときにどの判断処理を実行するかを管理しなくてよい。これによりプリンタドライバ30による管理を簡素化でき、プリンタドライバ30の開発者による開発作業や保守作業が容易になる。
更に、プリンタドライバ30によると、印刷コマンドに「コマンドの種類」を付加して保留するので、保留されている印刷コマンドの種類を容易に判断できる。
更に、プリンタドライバ30によると、例えば画像コマンドが連続して生成された場合はその都度問い合わせを行わず、前回生成された印刷コマンドとは異なる種類の印刷コマンドが生成されると問い合せるので、処理効率の低下を低減できる。
更に、プリンタドライバ30によると、先に格納されている印刷コマンドから順に処理判断モジュール35に処理を問い合わせ、処理判断モジュール35によっていずれかの印刷コマンドが保留継続と判断された場合は、処理判断モジュール35への問い合せを終了するので、保留継続と判断された印刷コマンドより後に保留されている印刷コマンドがその印刷コマンドより先に出力されてしまわないようにすることができる。つまり、プリンタドライバ30によると、印刷コマンドを目的の出力順で出力することができる。
更に、プリンタドライバ30によると、バッファに印刷コマンドが格納されていなければ出力確定コマンド(具体的にはジョブ開始コマンド)を保留せずに出力するので、より早い時点でプリンタ2に出力確定コマンドを出力できる。これにより、プリンタ2はその出力確定コマンドに基づく処理をより早い時点で開始できる。
一方、バッファに印刷コマンドが格納されている場合は出力確定コマンド(具体的にはジョブ終了コマンド)であってもバッファに格納するので、出力確定コマンドより前に生成された出力未確定コマンドよりも先にその出力確定コマンドがプリンタ2に出力されてしまわないようにすることができる。
更に、プリンタドライバ30によると、保留されている印刷コマンドを出力した場合に、その印刷コマンドの次に格納されている印刷コマンドが出力確定コマンド(具体的にはジョブ終了コマンド)である場合には、その出力確定コマンドを無条件に出力する。出力確定コマンドは先にバッファに格納されている印刷コマンドより先に出力されないようにするためにバッファに格納されるものであり、先に格納されている印刷コマンドが全て出力、又は削除によりバッファからなくなった場合には無条件に出力してよい印刷コマンドである。プリンタドライバ30によると、出力確定コマンドの場合は無条件に出力するので、処理の判断を省略でき、効率よく出力できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では印刷コマンドの種類を判断するためにコマンド識別子を付加しているが、保留されている印刷コマンドそのものから種類を判断できる場合には、コマンド識別子を付加しないようにしてもよい。
(2)上記実施形態では前回生成された印刷コマンドとは異なる種類の印刷コマンドが生成されることを条件として問い合せを行うが、印刷コマンドが生成される毎に判断してもよい。
(3)上記実施形態ではいずれかの印刷コマンドが保留継続と判断された場合はその保留継続と判断された印刷コマンドより後に保留された印刷コマンドについては処理判断モジュール35に問い合せを行わないが、問い合わせを行うようにしてもよい。ただし、その場合は保留継続と判断されるようにしておく必要がある。
(4)上記実施形態では、印刷コマンドが出力確定コマンドである場合に、バッファに印刷コマンドが格納されていなければプリンタ2に出力しているが、バッファに印刷コマンドが格納されていない場合であってもバッファに格納するようにしてもよい。つまり、生成された印刷コマンドは必ずバッファに格納されるようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、1ページ分のデータを複数の領域に分割して、その領域ごとに印刷コマンドを生成しているが、1ページ分のデータ毎に印刷コマンドを生成してもよい。この場合、連続給紙コマンドを挿入するタイミングを「最終領域の前」といった領域で指定する代わりにライン数で指定すればよい。
1・・・パーソナルコンピュータ
2・・・プリンタ
11・・・CPU
12・・・ROM
13・・・RAM
30・・・プリンタドライバ
31・・・生成モジュール
32・・・保留モジュール
34・・・判断・処理モジュール
35・・・処理判断モジュール
36・・・・問い合わせ・処理モジュール

Claims (8)

  1. 順次入力される印刷対象データに基づいて印刷コマンドを生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された印刷コマンドの画像形成手段への出力を保留する保留手段と、
    前記保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドについて、出力、削除、又は保留継続のいずれの処理を実行するかをその印刷コマンドが生成された印刷対象データより後に入力された印刷対象データの内容に基づいて判断する判断手段と、
    前記保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドに前記判断手段によって判断された前記処理を実行する処理手段としてコンピュータを機能させる印刷制御プログラム。
  2. 請求項1に記載の印刷制御プログラムであって、
    前記判断手段は、
    前記保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドについての前記処理の問い合せを受け付け、その問い合せされた印刷コマンドについての前記処理をその印刷コマンドの種類に応じて判断する処理判断手段と、
    前記生成手段によって印刷コマンドが生成されると、先に保留されている印刷コマンドから順に前記処理判断手段に前記処理を問い合せる問い合せ手段と、
    を有する、印刷制御プログラム。
  3. 請求項2に記載の印刷制御プログラムであって、
    前記保留手段は、印刷コマンドにその印刷コマンドの種類を示すコマンド識別子を付加して保留し、
    前記処理判断手段は、印刷コマンドの種類をその印刷コマンドに付加されている前記コマンド識別子を参照して判断する、印刷制御プログラム。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の印刷制御プログラムであって、
    前記問い合せ手段は、前回生成された印刷コマンドとは異なる種類の印刷コマンドが生成されることを条件として、前記処理判断手段に前記処理を問い合せる、印刷制御プログラム。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の印刷制御プログラムであって、
    前記問い合せ手段は、前記処理判断手段によっていずれかの印刷コマンドが保留継続と判断された場合は、先に保留されている印刷コマンドから順に前記処理判断手段への問い合せを繰り返す、印刷制御プログラム。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の印刷制御プログラムであって、
    前記生成手段は、前記画像形成手段への出力が確定している出力確定コマンド、及び出力が確定していない出力未確定コマンドを生成し、
    前記保留手段は、前記生成手段によって生成された印刷コマンドが出力未確定コマンドである場合は出力を保留してバッファに格納し、出力確定コマンドである場合は、前記バッファに印刷コマンドが格納されていなければ前記画像形成手段に出力し、格納されていれば前記バッファに格納する、印刷制御プログラム。
  7. 請求項6に記載の印刷制御プログラムであって、
    前記保留手段は、印刷コマンドを前記バッファに格納するとき、その印刷コマンドが出力確定コマンドであるか出力未確定コマンドであるかを識別可能に格納し、
    前記処理手段は、保留されている印刷コマンドを出力すると、その印刷コマンドの次に格納されている印刷コマンドが出力確定コマンドである場合には、その出力確定コマンドを無条件に出力する、印刷制御プログラム。
  8. 順次入力される印刷対象データに基づいて印刷コマンドを生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された印刷コマンドの画像形成手段への出力を保留する保留手段と、
    前記保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドについて、出力、削除、又は保留継続のいずれの処理を実行するかをその印刷コマンドが生成された印刷対象データより後に入力された印刷対象データの内容に基づいて判断する判断手段と、
    前記保留手段によって出力が保留されている印刷コマンドに前記判断手段によって判断された前記処理を実行する処理手段と、
    を備える印刷制御装置。
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