JP2011051141A - 画像形成装置、画像処理方法及び制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】描画処理における記憶領域の利用効率を向上すること。
【解決手段】ディスプレイリストを印刷コマンドに基づいて生成するDL生成部220と、生成されたディスプレイリストを記憶する中間データ記憶部230と、ディスプレイリストに基づいて描画データを生成する描画処理部250とを含み、ディスプレイリストは、ページに含まれるオブジェクト毎に情報がまとめられたオブジェクトデータ部と、ページを複数に分割したバンド毎に情報がまとめられ、且つ夫々のバンドに含まれるオブジェクトとしてオブジェクトデータ部のオブジェクトの情報を指定するレコードポインタを含むことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成装置、画像処理方法及び制御プログラムに関し、特に、画像形成出力を実行するための描画情報を生成する描画処理を複数並列して実行可能な画像形成装置、画像処理方法及び制御プログラムに関する。
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリ及び書類の電子化に用いるスキャナ等の画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能な複合機として構成されることが多い。
このような画像処理装置のうち、電子化された情報の出力に用いるプリンタにおいては、入力された画像情報に基づいてプリントエンジンが画像形成出力を実行するための描画情報を生成し、ページメモリと呼ばれる記憶領域に格納する画像処理(以降、描画処理とする)が行われる。この描画処理は、専用のハードウェアによって実行される他、CPU(Central Processing Unit)等の演算手段がソフトウェアに従って動作することにより実行される。
このようなハードウェア及びソフトウェアによって描画処理可能な画像形成装置において、双方の処理を効率化して出力の高速化を図る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術においては、描画手段としてハードウェアである図形描画回路とソフトウェアである図形描画部とが設けられている。そして、ディスプレイリスト作成部が、いずれの描画手段に受け渡すかを判断した上でディスプレイリストを作成する。このような処理により、ハードウェア及びソフトウェアを効率的に動作させる。
また、近年の情報処理機器の発展により複数の演算手段が含まれるマルチコアCPU等の演算機器が普及している。マルチコアCPUにおいては、複数のコアが夫々独立して動作するため、処理を並列化することにより、処理時間を短縮することが可能になる。従って、上記の画像処理もマルチコアCPUに対応させることにより、処理を効率化することが望まれている。マルチコアCPUの性能を効率的に発揮させるためには、処理を夫々のコアに適切に配分することにより、片方のコアの動作中において片方のコアに待機、即ち、待ちが発生しないようにする必要がある。
複数の演算手段を有する画像形成装置において、上述した画像処理を効率化する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示された技術においては、メインプロセッサによるレンダリング手段の処理状況に応じて、サブプロセッサによるレンダリング手段が描画処理を実行することにより、既に生成されたディスプレイリストの処理待ちの状態を低減する方法が開示されている。
ここで、上述したように、描画処理の実行に際してはディスプレイリストを生成する必要がある。このディスプレイリストとは、画像に含まれる夫々のオブジェクト毎に必要となる図形の情報がまとめられた情報である。そして、複数の描画手段が存在する場合、生成されたディスプレイリストを、夫々の描画手段に対応した記憶領域若しくは記憶媒体に、格納する必要がある。
ここで、複数の描画手段が並列して動作する場合の処理の分散態様として、1つのページを“バンド”と呼ばれる複数の領域に分割し、各描画手段がいずれかのバンドの描画処理を実行することにより処理を分散する態様がある。この場合、夫々のバンド毎にディスプレイリストが生成され、そのバンドの描画処理を実行する描画手段に対応した記憶領域に格納される。
従来、描画手段が認識可能な情報形式は限られており、ディスプレイリストが生成された後、情報形式が変換された上で描画手段に応じた記憶領域(以降、中間データメモリとする)に格納されることが一般的であった。例えば、ベクターデータで記述されたオブジェクトのディスプレイリストが生成されると、そのベクターデータについてスキャンライン変換がされ、変換後のデータが中間データメモリに格納されていた。
これに対して、近年描画手段の機能向上により、描画情報を生成してページメモリに格納する描画手段に対して、スキャンライン変換前のベクターデータを入力することが可能になることが考えられる。これにより、上述したように、中間データメモリへ中間データを格納する前にスキャンライン変換を行う必要がなくなる。
しかしながら、画像形成装置に入力されるオブジェクトの情報形式によっては、分割が不可能な場合がある。例えば、ベジエ曲線によって構成されるベクターデータは、端点と制御点の情報を含み、端点及び制御点全ての情報によって図形の描画が可能となるため、ベクターデータの状態で部分毎に分割することができない。従って、処理対象の画像のページにおいて、複数のバンドに亘って分割が不可能なオブジェクトが表示されている場合、上記分割が不可能なオブジェクトのベクターデータを、そのオブジェクトが存在する全てのバンドのディスプレイリストに含める必要がある。
従って、情報の重複が発生し、中間データを格納する記憶領域の利用効率が低下する。また、夫々のバンドに対応した描画手段において、同一のオブジェクトについてのスキャンライン変換等が実行されるため、処理の重複も発生し、描画処理の処理効率が低下する。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、画像形成出力を実行するための描画情報を生成する描画処理を複数並列して実行可能な画像形成装置において、描画処理における記憶領域の利用効率を向上することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、画像形成出力を実行するための画像処理を複数の処理手段によって並列して実行可能な画像形成装置であって、ページ記述言語に基づいて得られた描画命令を取得する描画命令取得部と、描画すべき画像のページの構成を示すページ構成情報を前記取得された描画命令に基づいて生成するページ構成情報生成部と、前記生成されたページ構成情報を記憶するページ構成情報記憶部と、前記記憶されたページ構成情報に基づいて画像形成出力を実行するための描画情報を生成する複数の描画情報生成部とを含み、前記ページ構成情報は、描画すべきページを複数に分割した夫々の分割単位毎に情報がまとめられた分割単位情報と、描画すべきページに含まれる図形毎に情報がまとめられた図形情報とを含み、前記分割単位情報は、夫々の分割単位に含まれる図形として前記図形情報に含まれる図形の情報を指定する図形指定情報を含み、前記複数の描画情報生成部は、複数の前記分割単位のいずれかに割り当てられ、前記分割単位情報に含まれる図形指定情報によって指定されている図形の情報を取得することにより前記図形を描画するための描画情報を生成することを特徴とする。
ここで、前記複数の描画情報生成部は、前記分割単位情報における前記図形指定情報の記述順に従い、前記図形指定情報に基づいて前記図形の情報を取得し、前記ページ構成情報生成部は、前記複数の描画情報生成部による前記描画情報の生成処理の並列化を考慮して前記ページ構成情報を生成することが好ましい。
例えば、前記ページ構成情報生成部は、複数の分割単位にわたって存在している第1の図形があり、前記第1の図形を含む複数の分割単位において前記第1の図形のみを含む第1の分割単位と、前記第1の図形とは異なる第2の図形をも含む第2の分割単位とがある場合、前記第2の分割単位における描画処理において前記第2の図形の描画処理が先に実行され、前記第2の分割単位における前記第2の図形の描画処理と並行して前記第1の分割単位における前記第1の図形の描画処理が実行され、前記第1の分割単位における前記第1の図形の描画処理において生成された前記第1の図形の描画情報に基づいて前記第2の分割単位における前記第2の図形の描画処理が実行されるように前記ページ構成情報を生成することが好ましい。
また、前記ページ構成情報は、部分毎に分割不可能な形式の情報を前記図形の情報とする前記図形情報を含むことができる。
また、前記分割単位情報に含まれる図形指定情報によって指定されている前記図形情報に含まれる夫々の図形の情報について、前記描画情報生成部による前記図形の情報の取得が完了した場合に、前記図形の情報を前記ページ構成情報記憶部から削除する図形情報削除部を更に含むことが好ましい。
また、前記描画情報生成部は、前記描画すべきページに含まれる図形について前記図形情報に基づいて生成した描画情報を前記ページ構成情報記憶部に記憶させ、前記分割単位情報に含まれる図形指定情報によって指定されている図形の情報を取得する際、前記指定されている図形について前記描画情報が記憶されている場合、その描画情報を取得することが好ましい。
また、前記図形情報は、前記図形毎に前記描画情報が記憶されていることを示す描画済み識別情報を含み、前記描画情報生成部は、前記描画済み識別情報に基づき、前記指定されている図形について前記描画情報が記憶されていることを判断することが好ましい。
また、前記分割単位情報は、前記ページにおける前記分割単位の範囲を示す範囲情報を含み、前記描画情報生成部は、複数の分割単位にわたって存在する図形の描画処理を行う場合、前記取得した図形の情報に基づいて生成した描画情報を前記範囲情報に基づいて切り出すと共に、前記切り出す前の描画情報を前記ページ構成情報記憶部に記憶させることが好ましい。
また、前記分割単位情報は、前記図形指定情報によって指定されている図形について前記描画情報生成部による描画情報の生成処理中であることを示す処理中識別情報を含み、前記描画情報生成部は、前記図形指定情報に基づいて前記図形の情報を取得する際、他の分割単位情報における前記処理中識別情報を参照し、取得すべき図形の情報が描画情報の生成処理中である場合、その描画情報の生成処理が完了するまで待機することが好ましい。
他方、本発明の他の態様は、画像形成出力を実行するための描画情報の生成処理を複数の処理手段によって並列して実行する画像処理方法であって、描画命令取得部が、ページ記述言語に基づいて得られた描画命令を取得し、ページ構成情報生成部が、描画すべきページに含まれる図形毎に情報がまとめられた図形情報と、描画すべきページを複数に分割した夫々の分割単位毎に情報がまとめられ、且つ夫々の分割単位に含まれる図形として前記図形情報に含まれる図形の情報を指定する図形指定情報を含む分割単位情報とを含むページ構成情報を前記取得された描画命令に基づいて生成し、ページ構成情報記憶部が、前記生成されたページ構成情報を記憶し、複数の描画情報生成部が、複数の前記分割単位のいずれかに割り当てられ、前記分割単位情報に含まれる図形指定情報によって指定されている図形の情報を取得することにより前記図形を描画して画像形成出力を実行するための描画情報を生成することを特徴とする。
また、本発明の更に他の態様は、画像形成出力を実行するための描画情報の生成処理を複数の処理手段によって並列して実行する画像処理装置の制御プログラムであって、ページ記述言語に基づいて得られた描画命令を取得するステップと、描画すべきページに含まれる図形毎に情報がまとめられた図形情報と、描画すべきページを複数に分割した夫々の分割単位毎に情報がまとめられ、且つ夫々の分割単位に含まれる図形として前記図形情報に含まれる図形の情報を指定する図形指定情報を含む分割単位情報とを含むページ構成情報を前記取得された描画命令に基づいて生成するステップと、前記生成されたページ構成情報を記憶するステップと、前記分割単位情報に含まれる図形指定情報によって指定されている図形の情報を取得することにより前記図形を描画して画像形成出力を実行するための描画情報を生成するステップとを前記画像処理装置に実行させることを特徴とする。
本発明によれば、画像形成出力を実行するための描画情報を生成する描画処理を複数並列して実行可能な画像形成装置において、描画処理における記憶領域の利用効率を向上することが可能となる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像処理部に含まれる機能を示す図である。 本発明の実施形態に係る中間データ記憶部に記憶されるディスプレイリストの情報形式を示す図である。 本発明の実施形態に係るオブジェクトレコードの情報形式の例と夫々の情報形式について、レンダラによって実行される処理を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像形成出力において出力される画像の1ページの例を示す図である。 本発明の実施形態に係る描画情報の生成動作を示すシーケンス図である。 本発明の実施形態に係る描画処理の各段階を示す図である。 本発明の実施形態に係る描画処理の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、プリンタ、スキャナ、複写機等の機能を含む複合機(MFP:Multi Function Peripheral)としての画像形成装置を例として説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等の情報処理端末と同様の構成に加えて、画像形成を実行するエンジンを有する。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、エンジン40、HDD(Hard Disk Drive)50及びI/F60がバス90を介して接続されている。また、I/F60にはLCD(Liquid Crystal Display)70及び操作部80が接続されている。
CPU10は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。また、本実施形態に係るCPU10は、マルチコアCPUであり、互いに独立して動作可能な複数の演算手段、即ちコアを含む。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。エンジン40は、画像形成装置1において実際に画像形成を実行する機構である。
HDD50は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。I/F60は、バス90と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD70は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部80は、キーボードやマウス等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD50若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10の制御に従って動作することにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ100、ADF(Auto Documennt Feeder:原稿自動搬送装置)110、スキャナユニット120、排紙トレイ130、ディスプレイパネル140、給紙テーブル150、プリントエンジン160、排紙トレイ170及びネットワークI/F180を有する。
また、コントローラ100は、主制御部101、エンジン制御部102、入出力制御部103、画像処理部104及び操作表示制御部105を有する。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、スキャナユニット120、プリントエンジン160を有する複合機として構成されている。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙の流れを破線の矢印で示している。
ディスプレイパネル140は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェース(操作部)でもある。ネットワークI/F180は、画像形成装置1がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリ並びにHDD50や光学ディスク等の不揮発性記録媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM20等の揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU10の制御に従って構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部101は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。エンジン制御部102は、プリントエンジン160やスキャナユニット120等を制御若しくは駆動する駆動手段としての役割を担う。入出力制御部103は、ネットワークI/F180を介して入力される信号や命令を主制御部101に入力する。また、主制御部101は、入出力制御部103を制御し、ネットワークI/F180を介して他の機器にアクセスする。
画像処理部104は、主制御部101の制御に従い、入力された印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン160が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。また、印刷ジョブに含まれる印刷情報とは、PC等の情報処理装置にインストールされたプリンタドライバによって画像形成装置1が認識可能な形式に変換された情報であり、PDL(Page Description Language)や、Postscript、PCL(Printer Command Language)、RPCS等の情報である。換言すると、上記印刷情報とは、画像形成出力のコマンドが記述されたコマンド情報である。尚、本実施形態においては、ページ記述言語としてPDLを用いる場合を例とするが、他の言語であっても良い。
本実施形態においては、画像処理部104による上記描画情報の生成処理が要旨である。画像処理部104の機能については後に詳述する。操作表示制御部105は、ディスプレイパネル140に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル140を介して入力された情報を主制御部101に通知する。
画像形成装置1がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部103がネットワークI/F180を介して印刷ジョブを受信する。入出力制御部103は、受信した印刷ジョブを主制御部101に転送する。主制御部101は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部104を制御して、印刷ジョブに含まれる印刷情報に基づいて描画情報を生成させる。
画像処理部104によって描画情報が生成されると、エンジン制御部102は、生成された描画情報に基づき、給紙テーブル150から搬送される用紙に対して画像形成を実行する。即ち、プリントエンジン160が画像形成部として機能する。プリントエンジン160の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。プリントエンジン160によって画像形成が施された文書は排紙トレイ170に排紙される。
画像形成装置1がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル140の操作若しくはネットワークI/F180を介して外部のクライアント用の情報処理端末等から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部105若しくは入出力制御部103が主制御部101にスキャン実行信号を転送する。主制御部101は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部102を制御する。
エンジン制御部102は、ADF110を駆動し、ADF110にセットされた撮像対象原稿をスキャナユニット120に搬送する。また、エンジン制御部102は、スキャナユニット120を駆動し、ADF110から搬送される原稿を撮像する。また、ADF110に原稿がセットされておらず、スキャナユニット120に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット120は、エンジン制御部102の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。即ち、スキャナユニット120が撮像部として動作する。
撮像動作においては、スキャナユニット120に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。エンジン制御部102は、スキャナユニット120が生成した撮像情報を画像処理部104に転送する。画像処理部104は、主制御部101の制御に従い、エンジン制御部102から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。画像処理部104が生成した画像情報はHDD40等の画像形成装置1に装着された記憶媒体に保存される。即ち、スキャナユニット120、エンジン制御部102及び画像処理部104が連動して、原稿読み取り部として機能する。
画像処理部1104によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのままHDD40等に格納され若しくは入出力制御部103及びネットワークI/F180を介して外部の装置に送信される。即ち、スキャナユニット120及びエンジン制御部102が画像入力部として機能する。
また、画像形成装置1が複写機として動作する場合は、エンジン制御部102がスキャナユニット120から受信した撮像情報若しくは画像処理部104が生成した画像情報に基づき、画像処理部104が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部102がプリントエンジン160を駆動する。
このような画像形成装置1において、本実施形態に係る要旨は、画像処理部104による描画情報の生成処理にある。以下、本実施形態に係る画像処理部104の機能及び動作について説明する。図3は、本実施形態に係る画像処理部104に含まれる機能を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係る画像処理部104は、PDL解析部210、DL(Display List:ディスプレイリスト)生成部220、中間データ記憶部230、DL解釈部240、描画処理部250及びページメモリ260を含む。また、描画処理部250は、ソフトウェァ描画部A251、ソフトウェァ描画部B252及びハードウェア描画部253を含む。
尚、本実施形態においては、図3に示すように、レンダラである描画処理部250としてソフトウェァ描画部A251及びソフトウェァ描画部B252と、ハードウェア描画部253とが含まれる場合を例として説明するが、これは一例であり、ソフトウェァ描画部及びハードウェア描画部の数は、装置の構成によって異なる。
PDL解析部210は、PDLで記述された印刷情報を取得し、DL生成部220がディスプレイリストを生成するために処理可能な形式のデータに変換する。この変換された形式の情報が、DL生成部220において描画命令として処理される。即ち、PDL解析部210が描画命令取得部として機能する。
DL生成部220は、描画処理部250に含まれる各描画部、即ちレンダラが描画情報を生成するためのディスプレイリストを生成して保存する。具体的には、DL生成部220が、PDL解析部210によって変換されたデータに基づいてディスプレイリストを作成し、生成したディスプレイリストを中間データ記憶部230に記憶させる。
ディスプレイリストとは、画像形成出力すべき画像の情報が夫々のページ毎にまとめられた情報であり、各ページの構成が記述されたページ構成情報である。即ち、DL生成部220がページ構成情報生成部として機能する。また、中間データ記憶部230が、ページ構成情報記憶部として機能する。この中間データ記憶部230に記憶されるディスプレイリストのデータの形式が本実施形態に係る要旨の1つである。中間データ記憶部230に記憶されるデータの形式については後に詳述する。
DL解釈部240は、DL生成部220によって生成され且つ中間データ記憶部230に保存されたディスプレイリストを解釈し、描画処理部250によって処理可能な形式に変換する。描画処理部250は、DL解釈部240によって解釈されたディスプレイリストに基づき、描画処理を実行する。具体的には、描画処理部270に含まれるソフトウェァ描画部A251、ソフトウェア描画部B252及びハードウェア描画部253が、ディスプレイリストに基づいてラスタデータを生成する。描画処理部250に含まれる各描画部が、夫々描画情報生成部として機能する。
ページメモリ260は、描画処理部250によって生成されたラスタデータを記憶する記憶領域である。ページメモリ260にラスタデータが格納されることにより、そのラスタデータに基づいてプリントエンジン160が画像形成出力を実行する。
次に、本実施形態に係る中間データ記憶部230に記憶されるディスプレイリストの情報形式について、図4を参照して説明する。図4は、1ページ分のディスプレイリストに含まれる情報の形式を示す図である。図4に示すように、中間データ記憶部230に記憶されるディスプレイリストは、バンドデータ部及びオブジェクトデータ部を含む。バンドデータ部は、画像形成出力すべき画像の各ページの構成が、ページを複数に分割したバンド毎に記述された部分であり、図4に示すようにページ管理データ及びそのページに含まれるバンド毎のバンドデータが含まれる。即ち、バンドデータ部の情報は、描画すべきページを複数に分割した夫々の分割単位であるバンド毎に情報がまとめられた分割単位情報として用いられる。
これに対してオブジェクトデータ部は、そのページに含まれるオブジェクトの情報が、バンドとは無関係に、オブジェクト毎にまとめられた情報であり、オブジェクト管理データ及び各オブジェクトの情報を含む。即ち、オブジェクトデータ部の情報は、描画すべきページに含まれるオブジェクト、即ち図形毎に情報がまとめられた図形情報として用いられる。
ページ管理データは、そのページの基本構成を示す情報であり、ページのサイズや、そのページのカラースペースの情報等を含む。各バンドのバンドデータは、バンド管理データ及びDL(Display List)を含む。バンド管理データに含まれるのは、描画アトリビュートや管理用フラグ等であり、具体的には、そのバンドの属性情報や、そのバンドのページにおける範囲の情報即ち、クリップの情報等が含まれる。
本実施形態においては、描画処理部250に含まれる各描画部に応じて、バンドデータが生成される。即ち、DL生成部220は、描画処理部250の構成に応じて、図4に示すバンドデータを生成し、描画処理部250に含まれる描画部の総数と同数のバンドデータを生成する。本実施形態においては、図3に示すように描画部の総数は3つであるため、図4に示すように#0〜#2の3つのバンドデータが生成される。
各バンドにおけるDLには、そのバンドに含まれるオブジェクトのレコードを指定するレコードポインタと、レコードポインタを介して参照しているオブジェクトのレコードを示す参照中レコードの情報を含む。この参照中レコードは、レコードポインタに対応するオブジェクトレコードが、描画処理手段によって処理中であることを示す処理中識別情報として用いられる。参照中レコードの用いられ方については、後に詳述する。このように、バンドデータ部には、ページに表示される図形の情報は含まれず、ページの構成を記述する情報のみが含まれる。即ち、レコードポインタの情報は、図形情報に含まれる図形の情報を指定する図形情報指定部として用いられる。
オブジェクト管理データは、ページに含まれるオブジェクトを管理するデータであり、メモリハンドルや参照カウント値等の情報を含む。ここで、参照カウント値は、オブジェクトデータ部に含まれる各オブジェクトが、バンドデータ部に含まれるレコードポインタによって指定されている数の総数である。バンドデータ部のレコードポインタを介してオブジェクトレコードが参照される度にこの参照カウント値がマイナス1され、0になると、オブジェクト管理データ及び各オブジェクトのデータが消去される。これにより、メモリ領域が解放される。このオブジェクトのデータの消去は、例えばDL解釈部240や画像処理部104を制御している主制御部101によって実行される。即ち、DL解釈部240若しくは主制御部101が、図形情報削除部として機能する。
各オブジェクトデータは、オブジェクト個別管理データ及びオブジェクトレコードを含む。オブジェクト個別管理データは、夫々のオブジェクトを管理するための情報であり、参照カウント値、サイズ、描画済みフラグ等の情報を含む。オブジェクト個別管理データに含まれる参照カウント値は、そのオブジェクトがバンドデータ部に含まれるレコードポインタによって指定されている数である。オブジェクト管理データにおける参照カウント値と同様に、バンドデータ部のレコードポインタを介してオブジェクトレコードが参照される度にこの参照カウント値がマイナス1され、0になると、オブジェクト個別管理データ及び各オブジェクトレコードが消去される。
サイズは、各オブジェクトのサイズである。描画済みフラグは、そのオブジェクトレコードが描画処理部250によって処理され、描画キャッシュが生成されていることを示すフラグ情報である。即ち、描画済みフラグは、描画済み識別情報として用いられる。これについては後に詳述する。オブジェクトレコードは、そのオブジェクトそのものを示す情報であり、ベクターデータ、テキストデータ、JPEG等の圧縮された静止画像データ、MPEG等の圧縮された動画データ等である。このような様々な形式のオブジェクトレコードに対して、描画処理部250は、描画情報を生成するために、夫々の情報形式に対応した処理を行う。図5に、オブジェクトレコードの情報形式と、夫々の情報形式に応じて実行される処理を示す。
図5に示すように、ベクターデータであれば、スキャンライン変換処理を経て画像のビットマップ化が行われる。テキストデータであれば、テキストのアウトライン化及びアウトラインのスキャンライン変換を経て、画像のビットマップ化が行われる。また、圧縮画像データであれば、圧縮形式に応じた展開処理を経て、画像のビットマップ化が行われる。また、動画データであれば、動画を構成するフレームの抽出処理を経て、画像のビットマップ化が行われる。尚、動画が圧縮されている場合、圧縮静止画像データと同様に画像の展開処理が行われる。
図5の“情報形式”として示す夫々の情報は、一連不可分の情報であり、部分によって分割することが出来ない情報である。即ち、本実施形態に係るDL生成部220は、ベクターデータ等の情報を分割可能な情報に変換することなくディスプレイリストを生成し、描画処理部250に入力するための中間データ記憶部230に記憶させる。本実施形態に係る画像形成装置1に係る描画情報の生成処理の特徴は、このような部分毎に分割不可能な情報を描画処理部250に入力する場合において、特に有効である。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。本実施形態においては、図6に示すようにフィル0、フィル1、フィル2の3つのオブジェクトが表示されたページを画像形成出力する場合を例として説明する。図7は、本実施形態に係る画像形成装置1が図6に示すようなページを画像形成出力する場合の、画像処理部104における処理を示すシーケンス図である。
図7の前提として、既にPDL解析部210によってPDL解析が実行され、DL生成部220によって図4において説明した形式のディスプレイリストが生成され、中間データ記憶部230に格納されているものとする。図7に示すように、まずはソフトウェァ描画部A251、ソフトウェァ描画部B252及びハードウェア描画部253が、夫々自身に対応するバンドのバンドデータに含まれるディスプレイリストを参照し、レコードポインタによって指定されているオブジェクトレコードを取得する(S701、S702、S703)。
本実施形態においては、ソフトウェァ描画部A251がバンド0を描画し、ソフトウェァ描画部B252がバンド1を描画し、ハードウェア描画部253がバンド2を描画する。そして、ソフトウェァ描画部A251は、S701においてフィル2のレコードを取得し、ソフトウェァ描画部B252は、S702においてフィル0のレコードを取得し、ハードウェア描画部253は、S703においてフィル1のレコードを取得する。尚、図7においては、図示の容易化のため、描画処理部250に含まれる各描画部が、中間データ記憶部230から直接情報を取得しているように示しているが、実際には、図3において説明したように、DL解釈部240を介して取得している。
描画処理部250の各描画部は、夫々オブジェクトレコードを取得すると、夫々取得したオブジェクトの描画処理を実行し、生成した描画情報を描画キャッシュとして中間データ記憶部230に格納する(S704、S705、S706)。ここで、S704におけるソフトウェァ描画部A251の処理を例として、各描画部による描画処理について図8(a)〜(e)を参照して説明する。
図8(a)〜(e)は、描画部による描画処理の例として、S704におけるフィル2のスキャンライン変換処理の各段階を示す図である。ベクターデータのベジエ曲線は、端点及び制御点の座標データによって構成されている。図8(a)は、ベジエ曲線を構成する点として端点P0、P3及び制御点P1、P2を有する場合のプロット例である。
図8(b)は、図8(a)に示すような端点及び制御点について曲線のパスを描画した図である。端点及び制御点から曲線のパスを描画する方法は公知の方法であり詳細な説明を省略するが、隣接する2点を結ぶ線分を任意の割合で分割して点を描画し、その点を結ぶ線分を更に同様の割合で分割する点を求めることによってパス上の1点が求められる。そして、上記任意の割合を変化させて同様の処理を繰り返すことにより曲線のパスを示す点が描画される。図8(b)に示すように曲線のパスを描画する処理がスキャンライン変換の第1段階であるパス作成処理である。
パス作成処理が完了すると、次に、図8(c)に示すように、ベクターデータのパスからビットのパスへの変換処理が実行される。図8(c)に示す処理がスキャンライン変換の第2段階であるビットパス変換処理である。
ビットパス変換処理が完了すると、次に、図8(d)に示すように、パスで囲まれる画素の塗りつぶし処理が実行される。ここでは、元のベクターデータのFILL設定に基づき、塗りつぶしの要否が判断され、塗りつぶしを行う設定になっていれば、図8(d)に示すようにパス内部が塗りつぶされた画像が生成される。図8(d)に示す処理が、スキャンライン変換の第3段階であるFILL処理である。
FILL処理が完了すると、図8(e)に示すように、設定されているクリップに基づいて画像の切り出し処理が実行される。上述したように、各バンドのクリップの情報は、バンド管理データ内に含まれる。従って、各描画部は、描画処理において、バンド管理データに含まれるクリップ情報を参照して図8(e)に示すように、オブジェクトの切り出しを行う。S704はバンド0に対応しているソフトウェァ描画部A251の処理であるため、図8(e)に示すバンド0の部分が選択されて切り出される。
尚、中間データ記憶部230へ格納される描画キャッシュは、図8(d)の状態、即ちクリッピングされる前の描画データである。これにより、バンド1、2についてのフィル2の描画処理においては、図8(a)〜図8(d)の処理を省略し、図8(e)のクリッピング処理のみで処理を完了することができる。尚、描画キャッシュの格納に際して、ソフトウェァ描画部A251は、元のオブジェクトレコードを消去して新たに描画データを格納する。これにより、中間データ記憶部230の記憶領域を効率的に利用することができる。
また、ソフトウェァ描画部A251が描画キャッシュを格納する際、図4において説明したように、オブジェクトデータ部に含まれるフィル2のオブジェクト個別管理データの処理済みフラグが、「処理済み」を示す“ON”に更新される。この処理済みフラグの更新処理及び上述した描画キャッシュの格納処理は、描画処理部250が実行しても良いし、画像処理部104を制御している主制御部101が実行しても良い。
図6において説明したように、バンド0に含まれるオブジェクトはフィル2のみであるため、S704の処理が完了すると、ソフトウェァ描画部A251は、生成した描画データをページメモリ260に出力し(S711)、処理を終了する。他方、ソフトウェァ描画部B252及びハードウェア描画部253は、夫々S705、S706の処理が終了すると、再度DL参照し、次のレコードポインタによって指定されているオブジェクトレコードの取得を試みる(S707、S708)。
ここで、ソフトウェァ描画部B252及びハードウェア描画部253が次に取得しようとするのは、フィル2のオブジェクトレコードである。上述したように、フィル2についてはソフトウェァ描画部A251によって既に描画処理が実行され、処理済みフラグが“ON”になっている。従って、ソフトウェァ描画部B252及びハードウェア描画部253は、フィル2のオブジェクトレコードではなく、フィル2の描画キャッシュを取得する(S707、S708)。
尚、ソフトウェァ描画部A251が、フィル2についての描画処理を完了する前に、ソフトウェァ描画部B252及びハードウェア描画部253がS707、S708の処理を開始すると、フィル2についての処理済みフラグが“ON”になっていないため、描画キャッシュではなく元のオブジェクトレコードが取得され、重複した描画処理が実行されてしまう。これに対して、ソフトウェァ描画部B252及びハードウェア描画部253は、他の描画部(この場合、ソフトウェァ描画部A251)が対応しているバンドのバンド管理データに含まれる参照中レコードを確認し、参照中レコードがフィル2である場合は、その描画処理が完了するまで待機する。これにより、上述したような処理の重複を回避することができる。
フィル2の描画キャッシュを取得すると、ソフトウェァ描画部B252及びハードウェア描画部253は、フィル2の描画処理を行う(S709、S710)。上述したように、S709、S710においては、図8(a)〜(d)の処理は省略され、図8(e)のクリッピング処理のみが行われる。即ち、ソフトウェァ描画部B252は、図8(e)のバンド1の部分をクリッピングし、ハードウェア描画部253は、図8(e)のバンド2の部分をクリッピングする。
S709、S710の処理が完了すると、ソフトウェァ描画部B252及びハードウェア描画部253は、夫々生成した描画データをページメモリ260に出力し(S712、S713)、処理を終了する。このような処理により、本実施形態に係る描画処理部250による描画処理が完了する。
次に、描画処理部250に含まれる各描画部単体の処理の詳細について、図9を参照して説明する。図9は、描画処理部250に含まれる各描画部単体の処理を示すフローチャートである。図9に示すように、各描画部は、まずDL解釈部240によって解釈されたDLを参照し(S901)、レコードポインタを選択する(S902)。
S902においては、図4に示すように“レコードポインタ#0”、“レコードポインタ#1”、・・・と構成されたDLにおいて、前から順番にレコードポインタが選択される。また、レコードポインタが選択されると、DLの“参照中レコード”の領域に、選択したレコードポインタを示す情報が書き込まれる。この処理は、各描画部やDL解釈部240、主制御部101によって実行される。
レコードポインタを選択すると、各描画部は、DL解釈部240を介して、自身が対応していない他バンドのバンド管理データに含まれる参照中レコードを確認する(S903)。その結果、S902において選択したレコードポインタが指定しているレコードが、他バンドにおいて参照されていたら(S904/YES)、各描画部は、その参照が解除されるまで、待機する(S905)。これにより、上述したように、描画処理の重複を回避することができる。
S903の確認の結果、S902において選択したレコードポインタが指定しているレコードが参照されていなかった場合(S904/NO)、若しくはS905の待機処理が完了すると、各描画部は、S902において選択したレコードポインタによって指定されているオブジェクトのオブジェクト個別管理データを参照する(S906)。S906の参照の結果、処理済みフラグが“ON”であれば(S907/YES)、各描画部は、描画キャッシュを取得する(S908)。他方、処理済みフラグが“ON”でなければ、(S907/NO)、各描画部は元データのオブジェクトレコードを取得する(S909)。
S910において描画キャッシュを取得した場合、各描画部は図8(e)において説明したクリッピング処理を実行する(S910)。他方、S909においてオブジェクトレコードを取得した場合、各描画部は、取得したデータに基づいて図8(a)〜図8(e)において説明した描画処理を実行し(S911)描画データを生成する。そして、各描画部は、生成した描画データを描画キャッシュとして中間データ記憶部230に格納する(S912)。
S910のクリッピング処理若しくはS912のキャッシュ格納処理が完了すると、各描画部は、DL解釈部240を介して自身が対応するバンドの全てのレコードポインタについての処理が完了したか確認する(S913)。処理が完了していなければ(S913/NO)、各描画部は、S902からの処理を繰り返す。他方、処理が完了していれば(S913/YES)、各描画部は生成した描画データをページメモリ260に出力し(S914)、処理を終了する。
このような処理により、本実施形態に係る描画処理部250に含まれる各描画部の処理が完了する。本実施形態においては、PDL解析後の中間データの形式として、図4において説明したように、各描画部が対応するバンド毎に構成されたバンドデータ部と、バンドとは無関係にページに含まれるオブジェクト毎に構成されたオブジェクトデータ部とを含む形式を採用する。
このような構成により、図6に示すフィル2のような複数のバンドにまたがり、且つ部分毎に分割できないオブジェクトが中間データ記憶部230において重複して登録されることを防ぎ、中間データ記憶部230の記憶領域を効率的に利用することができる。また、いずれかの描画部による描画処理によって生成された描画データを中間データ記憶部230に格納することにより、他の描画部が他のバンドにおいてそのオブジェクトを用いる場合の描画処理を省略し、クリッピング処理のみとすることで、重複した処理を回避することができる。
このように、本実施形態においては、図4において説明したディスプレイリストの形式が特徴となる。DL生成部220は、図4に示すような形式のディスプレイリストを生成する際、まずPDL解析部210によって解析された情報に基づき、ページに含まれるオブジェクト毎にオブジェクト個別管理データを生成してオブジェクトデータ部の情報を生成する。
オブジェクトデータ部の情報を生成した後、DL生成部220は、描画処理部250に含まれる夫々の描画部とバンドとを対応させてバンド管理データを生成する。バンド管理データを生成する際、DL生成部220は、そのバンド管理データに含まれるレコードポインタにおいて、既に生成してあるオブジェクトデータ部に含まれるオブジェクトレコードを指定する。
また、バンド管理データの生成において、DL生成部220は、ページに含まれるオブジェクトとバンドとの関係に基づき、描画処理が最適化されるようにバンド管理データを生成する。例えば、図6において説明したページのバンド管理データを生成する場合、図7において説明したように効率的な処理が実行されるように、バンド管理データを生成する。
ここで、図7において説明した効率的な処理とは、バンド0に対応したソフトウェァ描画部A251が、フィル2の描画処理を実行している間に、バンド1、バンド2に対応した描画部が夫々フィル0、フィル1の描画処理を実行し、その後に、フィル2の描画キャッシュを用いてバンド1、バンド2に対応した描画部がフィル2の描画処理を実行する態様である。
上述したように、描画処理部250による描画処理は、バンドデータ部の構成に従って実行される。従って、DL生成部220は、上述したような効率的な処理が実行されるように、夫々の描画部とバンドとの対応付けをすると共に、各バンド管理データにおけるレコードポインタの順番を設定する。図7の例の場合、DL生成部220は、ソフトウェァ描画部A251とバンド0、ソフトウェァ描画部B252とバンド1、ハードウェア描画部253とバンド2とを夫々対応付ける。更に、バンド1、バンド2におけるバンド管理データの構成に際しては、夫々フィル0、フィル2が先に処理されるように、レコードポインタの順番を設定する。これにより、図7において説明したような効率的な描画処理が実現される。
このような処理により、図4に示すディスプレイリストが生成される。尚、“ディスプレイリスト”とは、広義には図4に示すバンドデータ部及びオブジェクトデータ部によって構成される全体の情報を示すが、狭義には、バンドデータ部に含まれる“DL”を示す。
以上説明したように、本実施形態に係る構成を採用することにより、画像形成出力を実行するための描画情報を生成する描画処理を複数並列して実行可能な画像形成装置において、描画処理における記憶領域の利用効率を向上することが可能となる。また、描画処理の重複を回避し、描画処理の処理効率を向上することが可能となる。
1 画像形成装置、
10 CPU、
20 RAM、
30 ROM、
40 エンジン、
50 HDD、
60 I/F、
70 LCD、
80 操作部、
90 バス、
100 コントローラ、
101 主制御部、
102 エンジン制御部、
103 入出力制御部、
104 画像処理部、
105 操作表示制御部、
110 ADF、
120 スキャナユニット、
130 排紙トレイ、
140 ディスプレイパネル、
150 給紙テーブル、
160 プリントエンジン、
170 排紙トレイ、
180 ネットワークI/F、
210 PDL解析部、
220 DL生成部、
230 中間データ記憶部、
240 DL解釈部、
251 秒処理部、
251 ソフトウェァ描画部A、
252 ソフトウェァ描画部B、
253 ハードウェア描画部、
260 ページメモリ、
特開2006−7496号公報 特開2007−196468号公報

Claims (11)

  1. 画像形成出力を実行するための画像処理を複数の処理手段によって並列して実行可能な画像形成装置であって、
    ページ記述言語に基づいて得られた描画命令を取得する描画命令取得部と、
    描画すべき画像のページの構成を示すページ構成情報を前記取得された描画命令に基づいて生成するページ構成情報生成部と、
    前記生成されたページ構成情報を記憶するページ構成情報記憶部と、
    前記記憶されたページ構成情報に基づいて画像形成出力を実行するための描画情報を生成する複数の描画情報生成部とを含み、
    前記ページ構成情報は、描画すべきページを複数に分割した夫々の分割単位毎に情報がまとめられた分割単位情報と、描画すべきページに含まれる図形毎に情報がまとめられた図形情報とを含み、
    前記分割単位情報は、夫々の分割単位に含まれる図形として前記図形情報に含まれる図形の情報を指定する図形指定情報を含み、
    前記複数の描画情報生成部は、複数の前記分割単位のいずれかに割り当てられ、前記分割単位情報に含まれる図形指定情報によって指定されている図形の情報を取得することにより前記図形を描画するための描画情報を生成することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記複数の描画情報生成部は、前記分割単位情報における前記図形指定情報の記述順に従い、前記図形指定情報に基づいて前記図形の情報を取得し、
    前記ページ構成情報生成部は、前記複数の描画情報生成部による前記描画情報の生成処理の並列化を考慮して前記ページ構成情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記ページ構成情報生成部は、複数の分割単位にわたって存在している第1の図形があり、前記第1の図形を含む複数の分割単位において前記第1の図形のみを含む第1の分割単位と、前記第1の図形とは異なる第2の図形をも含む第2の分割単位とがある場合、
    前記第2の分割単位における描画処理において前記第2の図形の描画処理が先に実行され、
    前記第2の分割単位における前記第2の図形の描画処理と並行して前記第1の分割単位における前記第1の図形の描画処理が実行され、
    前記第1の分割単位における前記第1の図形の描画処理において生成された前記第1の図形の描画情報に基づいて前記第2の分割単位における前記第2の図形の描画処理が実行されるように前記ページ構成情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記ページ構成情報は、部分毎に分割不可能な形式の情報を前記図形の情報とする前記図形情報を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記分割単位情報に含まれる図形指定情報によって指定されている前記図形情報に含まれる夫々の図形の情報について、前記描画情報生成部による前記図形の情報の取得が完了した場合に、前記図形の情報を前記ページ構成情報記憶部から削除する図形情報削除部を更に含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記描画情報生成部は、前記描画すべきページに含まれる図形について前記図形情報に基づいて生成した描画情報を前記ページ構成情報記憶部に記憶させ、前記分割単位情報に含まれる図形指定情報によって指定されている図形の情報を取得する際、前記指定されている図形について前記描画情報が記憶されている場合、その描画情報を取得することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記図形情報は、前記図形毎に前記描画情報が記憶されていることを示す描画済み識別情報を含み、
    前記描画情報生成部は、前記描画済み識別情報に基づき、前記指定されている図形について前記描画情報が記憶されていることを判断することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記分割単位情報は、前記ページにおける前記分割単位の範囲を示す範囲情報を含み、
    前記描画情報生成部は、複数の分割単位にわたって存在する図形の描画処理を行う場合、前記取得した図形の情報に基づいて生成した描画情報を前記範囲情報に基づいて切り出すと共に、前記切り出す前の描画情報を前記ページ構成情報記憶部に記憶させることを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置。
  9. 前記分割単位情報は、前記図形指定情報によって指定されている図形について前記描画情報生成部による描画情報の生成処理中であることを示す処理中識別情報を含み、
    前記描画情報生成部は、前記図形指定情報に基づいて前記図形の情報を取得する際、他の分割単位情報における前記処理中識別情報を参照し、取得すべき図形の情報が描画情報の生成処理中である場合、その描画情報の生成処理が完了するまで待機することを特徴とする請求項6乃至8いずれかに記載の画像形成装置。
  10. 画像形成出力を実行するための描画情報の生成処理を複数の処理手段によって並列して実行する画像処理方法であって、
    描画命令取得部が、ページ記述言語に基づいて得られた描画命令を取得し、
    ページ構成情報生成部が、描画すべきページに含まれる図形毎に情報がまとめられた図形情報と、描画すべきページを複数に分割した夫々の分割単位毎に情報がまとめられ、且つ夫々の分割単位に含まれる図形として前記図形情報に含まれる図形の情報を指定する図形指定情報を含む分割単位情報とを含むページ構成情報を前記取得された描画命令に基づいて生成し、
    ページ構成情報記憶部が、前記生成されたページ構成情報を記憶し、
    複数の描画情報生成部が、複数の前記分割単位のいずれかに割り当てられ、前記分割単位情報に含まれる図形指定情報によって指定されている図形の情報を取得することにより前記図形を描画して画像形成出力を実行するための描画情報を生成することを特徴とする画像処理方法。
  11. 画像形成出力を実行するための描画情報の生成処理を複数の処理手段によって並列して実行する画像処理装置の制御プログラムであって、
    ページ記述言語に基づいて得られた描画命令を取得するステップと、
    描画すべきページに含まれる図形毎に情報がまとめられた図形情報と、描画すべきページを複数に分割した夫々の分割単位毎に情報がまとめられ、且つ夫々の分割単位に含まれる図形として前記図形情報に含まれる図形の情報を指定する図形指定情報を含む分割単位情報とを含むページ構成情報を前記取得された描画命令に基づいて生成するステップと、
    前記生成されたページ構成情報を記憶するステップと、
    前記分割単位情報に含まれる図形指定情報によって指定されている図形の情報を取得することにより前記図形を描画して画像形成出力を実行するための描画情報を生成するステップとを前記画像処理装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
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