JP2011108505A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部短絡発生時における急激な発熱を素早く抑制し得るリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】本発明により提供されるリチウムイオン二次電池は、電位により導電性を発揮する有機導電性ポリマーで表面部がコートされた正極と、負極活物質を有する負極とを備え、該正極には、リチウム遷移金属複合酸化物から成る正極活物質と、該活物質とは異なる物質であって、LiO、LiおよびLiNiOから成る群から選択される少なくとも1種又は2種以上のLiドープ剤と、を含んでおり、電池のSOC低下時に、負極の電位上昇率よりも、正極の電位下降率の方が大きいことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等の二次電池は、電気を駆動源とする車両搭載用電源、あるいはパソコン及び携帯端末その他の電気製品等に搭載される電源として重要性が高まっている。特に、高容量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、車両(例えば自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車)搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。この種のリチウムイオン二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)は、電荷担体となる化学種(リチウムイオン)が、電極間(具体的には正極および負極)を移動することによって充放電が行われ、優れた電池特性(サイクル特性、出力特性等)を得るために様々な側面からの検討が行われている。
リチウムイオン二次電池の電池特性向上に関する従来技術として、特許文献1および2が挙げられる。特許文献1には、正極活物質の表面に伝導性高分子を均一にコーティングすることにより、サイクル特性に優れた電池を製造する方法が開示されている。また、特許文献2には、初回充電時にリチウムイオンと電解液等との反応によって負極活物質の表面に被膜が形成されることにより生じる不可逆容量の損失を補うような材料が添加された電池が開示されている。
特開2002−25558号公報 特開2000−502831号公報
このようなリチウムイオン二次電池においては、外的要因(電池の製造工程における金属粉混入あるいは使用時における突き刺しなど)による内部短絡や、デンドライトの生成によってもたらされる内部短絡が発生したときに熱暴走を引き起こす虞があり、その場合、短絡部分がジュール熱で発熱し、負極活物質が異常に発熱するなどして、急激な発熱に至る場合がある。このような急激な発熱は、高容量化または高エネルギー密度化が実現されるリチウムイオン二次電池においてより顕著になるため、高い安全性または信頼性が確保される必要がある。
そこで、本発明はリチウムイオン二次電池のより高い安全性を目指すべく創出されたものであり、その目的とするところは内部短絡発生時における急激な発熱を素早く抑制し得るリチウムイオン二次電池を提供することである。また、このようなリチウムイオン二次電池を備える車両を提供することを他の目的とする。
上記目的を実現するべく本発明により、電位により導電性を発揮する有機導電性ポリマーで表面部がコートされた正極と、負極活物質を有する負極と、を備えるリチウムイオン二次電池が提供される。本発明に係るリチウムイオン二次電池の正極には、リチウム遷移金属複合酸化物から成る正極活物質と、該活物質とは異なる物質であって、LiO、LiおよびLiNiOから成る群から選択される少なくとも1種又は2種以上のLiドープ剤と、を含んでおり、上記電池のSOC(State Of Charge)低下時に、上記負極の電位上昇率よりも、上記正極の電位下降率の方が大きいことを特徴とする。
なお、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間のリチウムイオンの移動により充放電が実現される二次電池をいう。一般に、リチウムイオン電池と称される二次電池は、本明細書におけるリチウムイオン二次電池に包含される典型例である。
また、本明細書において「正極活物質」または「負極活物質」とは、二次電池において電荷担体となる化学種(すなわちリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および脱離)可能な活物質(正極活物質または負極活物質)をいう。
また、本明細書において「SOC」とは、電池の充電状態、即ち残容量を表す指標であり、満充電状態における容量と所定時点における容量との比をいう。
リチウムイオン二次電池は、一般にSOCが所定の領域(例えばSOC20%〜90%程度)を下回ったり、あるいは上回ったりすることがないように制御された状態で使用されるが、外的要因(電池の製造工程における金属粉混入あるいは使用時における突き刺しなど)による内部短絡や、デンドライトの生成によってもたらされる内部短絡が発生したときに、短絡電流が流れ、ジュール熱が発生して急激に発熱し、最終的にはSOCが実質的にゼロ(即ち完全放電状態)まで低下する。本発明に係るリチウムイオン二次電池は、電位により導電性を発揮する有機導電性ポリマーで表面部がコートされた正極を有するため、内部短絡発生によってSOCが低下し正極の電位が低下すると、有機導電性ポリマーの導電性がなくなり正極の内部抵抗が増加する。すると、短絡電流が低下し、ジュール熱の発熱が低減されるため、急激な発熱が抑制されるようになる。しかしながら、Liドープ剤を含まない電池では、SOC低下時において、正極の電位が下降するよりも負極の電位が上昇する割合の方が大きいことから、正極の電位が十分に下がらずに有機導電性ポリマーの導電性が思うように遮断されず、急激な発熱を十分に抑制するのが困難となる場合があった。
本発明では、このような内部短絡時におけるリチウムイオン二次電池の急激な発熱を確実且つ十分に抑制すべく、ここに開示されるリチウムイオン二次電池の正極には、正極活物質とは異なる物質であって、LiO、LiおよびLiNiOから成る群から選択される少なくとも1種又は2種以上のLiドープ剤が含まれている。かかる構成の電池では、充電時(典型的には初回充電時)、Liドープ剤からリチウムイオンが大量に放出され、負極活物質にリチウムイオンが取り込まれる。具体的には、充電時に、2LiO→4Li+O、またはLi→2Li+O、あるいはLiNiO→2Li+NiOの反応が進行し、負極活物質内にリチウムイオンが吸蔵されるため、内部短絡が発生しSOCが低下すると、負極負極の電位上昇率よりも、正極の電位下降率の方が大きくなる。正極の電位が大きく低下すると、正極の表面部をコートする有機導電性ポリマーが導電性を失うため、正極の内部抵抗が増加し、その結果、短絡電流が低下して発熱量が低減する。これにより、内部短絡時における急激な発熱を素早く抑制することのできる、安全性の高いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
また、本発明によって提供されるリチウムイオン二次電池の好ましい一態様では、上記有機導電性ポリマーは、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリイソチアナフテンから成る群から選択される少なくとも1種又は2種以上が用いられる。
一般にSOCが所定の領域内になるように制御された状態でリチウムイオン二次電池が使用される時、これらの有機導電性ポリマーは導電性を発揮するが、内部短絡が発生しSOCが低下すると、負極の電位が上昇する割合よりも大きな割合で正極の電位が低下する。これにより、有機導電性ポリマーは導電性を有しなくなるため、正極の内部抵抗が増加し、短絡電流が低下する。これにより、内部短絡時における急激な発熱が抑制された、より安全性の高いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
さらに好ましい他の一態様では、上記Liドープ剤の添加量は、上記正極中の正極活物質の全質量を100としたときのその2質量%以上5質量%以下に相当する量である。
ここで、リチウムイオン二次電池は、充電状態において負極活物質が強還元剤として機能し、初回の充電時に電解液が還元分解され活物質の表面に被膜(SEI:Solid Electrolite Interface)が生成される。しかしながら、上記範囲内に設定された添加量のLiドープ剤を添加することにより、初回充電時に生じる不可逆容量の損失を補い、且つ十分な量のリチウムイオンを負極活物質に吸蔵させることができる。
さらに、本発明によると、ここに開示されるリチウムイオン二次電池を備える車両を提供する。本発明によって提供されるリチウムイオン二次電池は、内部短絡発生時における急激な発熱を素早く抑制し、特に車両に搭載される電池の電源として適した性能(例えばハイレート特性またはサイクル特性)を示すものであり得る。したがって、ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、ハイブリッド自動車、電気自動車のような電動機を備える自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用の電源として好適に使用され得る。
Liドープ剤を含まない電池のSOCと電位との関係について示すグラフである。 一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図2におけるIII−III線断面図である。 電極体を捲回して作製する状態を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)は、上述のとおり、電位により導電性を発揮する有機導電性ポリマーで表面部がコートされた正極と、負極活物質を有する負極と、を備えている。
まず、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の正極の各構成要素について説明する。ここで開示される正極は、正極集電体の表面に正極活物質層が形成された構成を備え、正極の表面部は有機導電性ポリマーでコートされている。ここで開示される有機導電性ポリマーは、その主鎖がπ共役系からなる電子導電性を発現する高分子であり、電位により導電性を発揮することができる。ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリイソチアナフテン、ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリピロール、ポリアニリン、これらの誘導体が例示される。特に好ましい有機導電性ポリマーとして、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリイソチアナフテンが挙げられる。例えば、ポリチオフェンの場合、凡そ3.7V以上の電位で導電性を発揮するため、通常の電池起動時のSOC(例えば20%〜90%程度)では導電性を有する状態で正極内に存在し得る。
上記正極の基材となる正極集電体としては、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。正極集電体の形状は、負極集電体と同様にリチウムイオン二次電池の形状等に応じて異なり得るため特に制限はない。
上記正極集電体の表面に形成された正極活物質層は、電荷担体となるリチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質を含んでいる。ここで開示される正極活物質としては、本発明の目的を実現し得る限りにおいて従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。典型的な正極活物質として、リチウム(Li)と少なくとも一種の遷移金属元素を含む、リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。例えば、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、またはニッケル・マンガン系のLiNiMn1−x(0<x<1)やLiNiMn2−x(0<x<2)、ニッケル・コバルト系のLiNiCo1−x(0<x<1)、コバルト・マンガン系のLiCoMn1−x(0<x<1)で表わされるような、遷移金属元素を二種含むいわゆる二元系リチウム遷移金属複合酸化物でもよい。あるいは、遷移金属元素を3種含むニッケル・コバルト・マンガン系のような三元系リチウム遷移金属複合酸化物(典型的にはLiNi1/3Co1/3Mn1/3)でもよい。
ただし、より好ましくは、ニッケルを主体として構成されるいわゆるニッケル系リチウム遷移金属複合酸化物であって、一般式:
LiNi1−y (1)
(式(1)中のxおよびyは、
1≦x≦1.2、
0≦y<0.5、を満たす数であり、
Mは、Co及び/又はMnである。)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物である。かかるリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として使用することにより、理論上のリチウムイオン吸蔵容量が大きくなり、電池特性に優れたリチウムイオン二次電池を構築することができる。
ここで、上記リチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム(Li)と少なくとも一種の遷移金属元素のニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)を主構成金属元素とする酸化物のほか、少なくとも一種の金属元素(すなわち上記主構成金属元素以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)を各主構成金属元素のモル比よりも少ない割合で微少構成金属元素として含む酸化物をも包含する意味である。かかる微少構成金属元素としては、例えば、アルミニウム(Al),クロム(Cr),鉄(Fe),バナジウム(V),マグネシウム(Mg),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),タングステン(W),銅(Cu),亜鉛(Zn),ガリウム(Ga),インジウム(In),スズ(Sn),ランタン(La)およびセリウム(Ce)からなる群から選択される一種または二種以上であり得る。なお、一般式がLiMPO(MはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種以上の元素;例えばLiFePO、LiMnPO)で表記されるオリビン構造のリン酸リチウムを上記正極活物質として用いてもよい。
また、このようなリチウム遷移金属複合酸化物は、例えば、従来公知の方法で調製・提供されるリチウム遷移金属複合酸化物粉末をそのまま使用することができる。例えば、原子組成に応じて適宜選択されるいくつかの原料化合物を所定のモル比で混合し、適当な手段で焼成することによって該酸化物を調製することができる。また、焼成物を適当な手段で粉砕、造粒および分級することにより、所望する平均粒径および/または粒径分布を有する二次粒子によって実質的に構成された粒状のリチウム遷移金属複合酸化物を得ることができる。
また、本発明に係るリチウムイオン二次電池の正極(典型的には正極活物質層)には、リチウム遷移金属複合酸化物から成る正極活物質の他、該活物質とは異なる物質であって、LiO、LiおよびLiNiOから成る群から選択される少なくとも1種又は2種以上のLiドープ剤を含む。そのため、充電時(典型的には初回充電時)、Liドープ剤からリチウムイオンが大量に放出され、負極活物質にリチウムイオンが取り込まれる。具体的には、充電時に、2LiO→4Li+O、またはLi→2Li+O、あるいはLiNiO→2Li+NiOの反応がそれぞれ進行し、負極活物質内にリチウムイオンが吸蔵され、負極の充電容量が大きい正極規制型の電池が構成される。
ここで、リチウムイオン二次電池は、充電状態において負極活物質が強還元剤として機能し、初回の充電時に電解液が還元分解され、負極活物質の表面に被膜(SEI:Solid Electrolite Interface)が生成される。かかる被膜は電解液の分解を阻止する物理的バリヤーとなり、劣化や過充電などを抑制するため、電池特性の向上に寄与することが知られる。しかしながら、過剰量の被膜が生成されると、容量の低下や充電効率の低下につながるため好ましくない。しかしながら、本発明に係るリチウムイオン二次電池では、上記Liドープ剤が正極活物質層に含まれているため、Liドープ剤から放出されるリチウムイオンによって、初回充電時に生じる不可逆容量の損失を補い、且つ十分な量のリチウムイオンを負極活物質を吸蔵させることができる。
上記Liドープ剤の添加量は、例えば、初回充電時に負極活物質内に不可逆的に取り込まれるリチウムイオンの損失量を予め測定しておき、その損失量に応じたリチウムイオンを放出し得るようにLiドープ剤の添加量を調整するとよい。一例を挙げると、上記正極中の正極活物質の全質量を100としたときのその2質量%以上5質量%以下に相当する量であることが好ましい。このような添加量の範囲にすることにより、初回充電時にリチウムイオンと電解液との反応によって負極活物質の表面に被膜が形成されることにより生じる不可逆容量の損失を補い、且つ十分な量のリチウムイオンを負極活物質に吸蔵することができるため、負極の充電容量が大きな正極規制型の電池が構成される。なお、正極にLiドープ剤を添加する方法は特に制限されないが、正極活物質層を形成するときに正極活物質と共にLiドープ剤を混合しておくとよい。
さらに、上記正極活物質層は、典型的には、その構成成分として、上記正極活物質およびLiドープ剤の他に、導電材、結着材等の任意成分を必要に応じて含有し得る。導電材としては、カーボン粉末やカーボンファイバー等の導電性粉末材料が好ましく用いられる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、グラファイト粉末等が好ましい。また、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、銅、ニッケル等の金属粉末類およびポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。なお、これらのうち一種のみを用いても、二種以上を併用してもよい。
また、上記結着材としては、一般的なリチウムイオン二次電池の正極に使用される結着材と同様のものを適宜採用することができる。例えば、使用する溶媒に溶解または分散可溶なポリマーを選択することが好ましい。水系溶媒を用いる場合においては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル共重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類;等の水溶性または水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。また、非水系溶媒を用いる場合においては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のポリマーを好ましく採用することができる。このような結着材は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記で例示したポリマー材料は、結着材としての機能の他に、上記組成物の増粘材その他の添加材としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
次いで、上記リチウムイオン二次電池の正極の作製方法について説明する。
まず、正極活物質およびLiドープ剤が上記質量比になるようにそれぞれ秤量し、さらに導電材と結着材等と共に上記適当な溶媒(水系溶媒または非水系溶媒)で混合して、ペーストまたはスラリー状の正極活物質層形成用組成物(以下、「正極活物質層形成用ペースト」という)を調製する。各構成材料の配合比率は、例えば、正極活物質層に占める正極活物質およびLiドープ剤の合計割合は、凡そ50質量%以上(典型的には50〜95質量%)であることが好ましく、凡そ70〜95質量%(例えば75〜90質量%)であることがより好ましい。また、正極活物質層に占める導電材の割合は、例えば凡そ2〜20質量%とすることができ、通常は凡そ2〜15質量%とすることが好ましい。さらに、結着材を使用する組成では、正極活物質層に占める結着材の割合を例えば凡そ1〜10質量%とすることができ、通常は凡そ2〜5質量%とすることが好ましい。こうして各構成材料を混合して調製したペーストを正極集電体に塗布し、溶媒を揮発させて乾燥させた後、圧縮(プレス)する。これにより正極活物質層が正極集電体上に形成されたリチウムイオン二次電池の正極が得られる。
上記のように作製した正極の表面部(少なくとも一部の表面部でもよい)を、上述した有機導電性ポリマーでコート(塗布あるいは被覆)する。有機導電性ポリマーをコートする方法としては、特に限定するものではないが、有機導電性ポリマーを含有する溶媒に正極活物質を浸漬させて乾燥(焼成)する液相法(晶析法)、あるいは蒸着法(気相法)等の従来公知の各種成膜手法を、単独で、または適宜組み合わせて使用することができる。ここでいう蒸着法の概念には、物理蒸着法(PVD法、例えばスパッタリング法)、化学蒸着法(CVD法、例えばプラズマCVD法)、反応性蒸着法等の各種蒸着法が包含される。かかるいずれかの方法を用いることにより、表面部が有機導電性ポリマーでコートされた正極を作製することができる。
なお、上記正極活物質層形成用ペーストを調製するために用いられる溶媒としては、水系溶媒および非水系溶媒のいずれも使用可能である。水系溶媒は、典型には水であるが、全体として水性を示すものであればよく、すなわち、水または水を主体とする混合溶媒を好ましく用いることができる。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。例えば、水系溶媒の凡そ80質量%以上(より好ましくは凡そ90質量%以上、さらに好ましくは凡そ95質量%以上)が水である溶媒の使用が好ましい。特に好ましい例として、実質的に水からなる溶媒が挙げられる。また、非水系溶媒の好適例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、トルエン等が例示される。
また、正極集電体に上記ペーストを塗布する方法としては、従来公知の方法と同様の技法を適宜採用することができる。例えば、スリットコーター、ダイコーター、グラビアコーター、コンマコーター等の適当な塗布装置を使用することにより、正極集電体に該ペーストを好適に塗布することができる。また、溶媒を乾燥するにあたっては、自然乾燥、熱風、低湿風、真空、赤外線、遠赤外線、および電子線を、単独または組合せにて用いることにより良好に乾燥し得る。さらに、圧縮方法としては、従来公知のロールプレス法、平板プレス法等の圧縮方法を採用することができる。かかる厚さを調整するにあたり、膜厚測定器で該厚みを測定し、プレス圧を調整して所望の厚さになるまで複数回圧縮してもよい。
次に、ここで開示されるリチウムイオン二次電池の負極の各構成要素について説明する。かかる負極は、負極集電体の表面に負極活物質層が形成された構成を備える。上記負極の基材となる負極集電体としては、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、銅、または銅を主成分とする合金を用いることができる。負極集電体の形状は、リチウムイオン二次電池の形状等に応じて異なり得るため特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。車両搭載用高出力電源として用いられるリチウムイオン二次電池の負極の集電体としては、厚さが5〜100μm程度の銅箔が好適に用いられる。
上記負極集電体の表面に形成された負極活物質層には、電荷担体となるリチウムイオンを吸蔵および放出可能な負極活物質が含まれる。負極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、カーボン粒子が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が好ましく用いられる。いわゆる黒鉛質のもの(グラファイト)、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、これらを組み合わせた構造を有するもののいずれの炭素材料も好適に使用され得る。中でも特に、黒鉛粒子を好ましく使用することができる。黒鉛粒子(例えばグラファイト)は、電荷担体としてのリチウムイオンを好適に吸蔵することができるため導電性に優れる。また、粒径が小さく単位体積当たりの表面積が大きいことからよりハイレートのパルス充放電に適した負極活物質となり得る。
また、上記負極活物質層は、典型的には、その構成成分として、上記負極活物質の他に、結着材等の任意成分を必要に応じて含有し得る。かかる結着材としては、一般的なリチウムイオン二次電池の負極に使用される結着材と同様のものを適宜採用することができ、上述の正極の構成要素で列挙した結着材として機能し得る各種のポリマー材料を好適に使用し得る。
次いで、上記リチウムイオン二次電池の負極の作製方法について説明する。上記負極集電体の表面に負極活物質層を形成するため、まず、負極活物質を、結着材等と共に上記適当な溶媒(水系溶媒または非水系溶媒)で混合して、ペーストまたはスラリー状の負極活物質層形成用組成物(以下、「負極活物質層形成用ペースト」という)を調製する。各構成材料の配合比率は、例えば、負極活物質層に占める負極活物質の割合が、凡そ50質量%以上であることが好ましく、凡そ85〜99質量%(例えば90〜97質量%)であることがより好ましい。また、負極活物質層に占める結着材の割合を例えば凡そ1〜15質量%とすることができ、通常は凡そ3〜10質量%とすることが好ましい。こうして調製したペーストを負極集電体に塗布し、溶媒を揮発させて乾燥させた後、圧縮(プレス)する。これにより該ペーストを用いて形成された負極活物質層を負極集電体上に有するリチウムイオン二次電池の負極が得られる。なお、塗布、乾燥および圧縮方法は、上述の正極の製造方法と同様に従来公知の手段を用いることができる。
図1は、Liドープ剤を含まない電池のSOCと電極電位との関係について示すグラフである。図1の実線で示されるように、Liドープ剤を含まない電池では、外的要因(電池の製造工程における金属粉混入あるいは使用時における突き刺しなど)による内部短絡や、デンドライトの生成によってもたらされる内部短絡が発生し、それに伴ってSOCが低下すると、正極の電位が下降する割合よりも負極の電位が上昇する割合が大きいことを特徴とする。そのため、ここで開示されるような有機導電性ポリマーが表面部にコートされた正極を備えるリチウムイオン二次電池では、内部短絡が発生しSOCが低下しても、正極の電位の低下が緩やかであるため、有機導電性ポリマーの導電性が思うように遮断されず、急激な発熱を十分に抑制するのが困難となる場合があった。
しかしながら、本発明では正極にLiドープ剤を含むことから、上述のように正極規制型の電池に構成されている。正極規制型の電池では、図1の点線で示されるように、内部短絡が発生しSOCが低下すると、負極の電位上昇率よりも、正極の電位下降率の方が大きくなる。正極の電位が大きく低下すると有機導電性ポリマーの導電性が失われるため、正極の内部抵抗が増加する。その結果、短絡電流が低下し、発熱量が低減する。これにより、内部短絡時における急激な発熱が素早く抑制された安全性の高いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
以下、本発明に係るリチウムイオン二次電池の一つの具体例として、捲回電極体を備える角型形状のリチウムイオン二次電池について説明するが、本発明をかかる例に限定することを意図したものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、電極体の構成および製造方法、セパレータの構成および製造方法、リチウムイオン二次電池その他の電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図2は、一実施形態に係る角型形状のリチウムイオン二次電池を模式的に示す斜視図であり、図3は、図2中のIII−III線断面図である。また、図4は、電極体を捲回して作製する状態を模式的に示す斜視図である。
図2および図3に示されるように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、直方体形状の角型の電池ケース10と、該ケース10の開口部12を塞ぐ蓋体14とを備える。この開口部12より電池ケース10内部に扁平形状の電極体(捲回電極体20)及び電解質を収容することができる。また、蓋体14には、外部接続用の正極端子38と負極端子48とが設けられており、それら端子38,48の一部は蓋体14の表面側に突出している。また、外部端子38,48の一部はケース内部で内部正極端子37または内部負極端子47にそれぞれ接続されている。
次に、図3および図4を参照し、本実施形態に係る捲回電極体20について説明する。図4に示されるように、捲回電極体20は、長尺状の正極集電体32の表面に正極活物質層34を有するシート状の正極シート30、長尺シート状のセパレータ50、長尺状の負極集電体42の表面に負極活物質層44を有するシート状の負極シート40とから構成される。そして、図5に示されるように、捲回軸方向Rの方向での断面視において、正極シート30及び負極シート40は、2枚のセパレータ50を介して積層されており、正極シート30、セパレータ50、負極シート40、セパレータ50の順に積層されている。該積層物は、軸芯(図示しない)の周囲に筒状に捲回され、得られた捲回電極体20を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形されている。
また、図4に示されるように、本実施形態に係る捲回電極体20は、その捲回軸方向Rの中心部には、正極集電体32の表面上に形成された正極活物質層34と、負極集電体42の表面上に形成された負極活物質層44とが重なり合って密に積層された部分が形成されている。また、捲回軸方向Rに沿う方向での断面視において、該方向Rの一方の端部において、正極活物質層34が形成されずに正極集電体32の露出した部分(正極活物質層非形成部36)がセパレータ50および負極シート40(あるいは、正極活物質層34と負極活物質層44との密な積層部分)からはみ出た状態で積層されて構成されている。即ち、上記電極体20の端部には、正極集電体32における正極活物質層非形成部36が積層されて成る正極集電体積層部35が形成されている。また、電極体20の他方の端部も正極シート30と同様の構成であり、負極集電体42における負極活物質層非形成部46が積層されて、負極集電体積層部45が形成されている。
なお、セパレータ50は、ここでは正極活物質層34および負極活物質層44の積層部分の幅より大きく、該電極体20の幅より小さい幅を備えるセパレータが用いられ、正極集電体32と負極集電体42が互いに接触して内部短絡を生じさせないように正極活物質層34および負極活物質層44の積層部分に挟まれるように配されている。
セパレータ50は、正極シート30および負極シート40の間に介在するシートであって、正極シート30の正極活物質層34と、負極シート40の負極活物質層44にそれぞれ接するように配置される。そして、正極シート30と負極シート40における両活物質層34,44の接触に伴う短絡防止や、該セパレータ50の空孔内に電解質(非水電解液)を含浸させることにより電極間の伝導パス(導電経路)を形成する役割を担っている。
かかるセパレータ50の構成材料としては、樹脂からなる多孔性シート(微多孔質樹脂シート)を好ましく用いることができる。ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の多孔質ポリオレフィン系樹脂が特に好ましい。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、以下のように構築することができる。上述した態様で正極(典型的には正極シート30)及び負極(典型的には負極シート40)を2枚のセパレータ50と共に積重ね合わせて捲回し、得られた捲回電極体20を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形する。そして、正極集電体32の正極活物質層非形成部36に内部正極端子37を、負極集電体42の該露出端部には内部負極端子47をそれぞれ超音波溶接、抵抗溶接等により接合し、上記扁平形状に形成された捲回電極体20の正極シート30または負極シート40と電気的に接続する。こうして得られた捲回電極体20を電池ケース10に収容した後、非水電解液を注入し、注入口を封止することによって、本実施形態のリチウムイオン二次電池100を構築することができる。なお、電池ケース10の構造、大きさ、材料(例えば金属製またはラミネートフィルム製であり得る)、および正負極を主構成要素とする電極体の構造(例えば捲回構造や積層構造)等について特に制限はない。
非水電解液は、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等からなる群から選択された一種又は二種以上を用いることができる。また、上記支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等のリチウム化合物(リチウム塩)を用いることができる。なお、非水電解液における支持塩の濃度は、従来のリチウムイオン二次電池で使用される非水電解液と同様でよく、特に制限はない。適当なリチウム化合物(支持塩)を0.1〜5mol/L程度の濃度で含有させた電解質を使用することができる。
このようにして構築されたリチウムイオン二次電池100は、上述したように、内部短絡発生時における急激な発熱が素早く抑制された安全性に優れた電池であって、車両搭載用高出力電源として良好な電池特性(サイクル特性またはハイレート特性)を維持し得るものであり得る。従って、本発明に係るリチウムイオン二次電池100は、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。従って、図5に模式的に示すように、かかるリチウムイオン二次電池100(当該リチウムイオン二次電池100を複数個直列に接続して形成される組電池の形態であり得る。)を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)1を提供する。
以下の試験例において、ここで開示されるリチウムイオン二次電池(試験用電池)を構築し、その性能評価を行った。ただし、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
[リチウムイオン二次電池の構築(実施例)]
実施例では、有機導電性ポリマーとしてポリチオフェンを、Liドープ剤としてLiをそれぞれ用いて、試験用リチウムイオン二次電池を構築した。
まず、試験用リチウムイオン二次電池の正極を作製した。すなわち、正極における正極活物質層を形成するにあたり正極活物質層形成用ペーストを調製した。該ペーストは、正極活物質としてのLiNiOと、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着材としてのポリビニリデンフロライド(PVDF)と、Liドープ剤としてのLiとを、これら材料の質量%比が85:10:5:2となるようにN−メチルピロリドン(NMP)と混合することにより調製した。
次いで、正極集電体としてのアルミニウム箔(厚さ15μm)に単位面積あたりの正極活物質の被覆量が凡そ15mg/cmになるように正極活物質層形成用ペーストを正極集電体の片面に塗布し乾燥させた。乾燥後、ローラプレス機にてシート状に引き伸ばすことにより厚さ凡そ90μmに成形し、正極活物質層が所定の幅を有するようにスリットして正極(正極シート)を作製した。
上記作製した正極は、有機導電性ポリマーとしてのポリチオフェン3質量%を溶解させたTHF溶液に浸漬し、溶液から引き上げて乾燥させた。
次に、試験用リチウムイオン二次電池の負極を作製した。すなわち、負極における負極活物質層を形成するにあたり負極活物質層形成用ペーストを調製した。該ペーストは、負極活物質としてのグラファイトと、結着材としてのポリビニリデンフロライド(PVDF)とを、これら材料の質量%比が98:2となるようにN−メチルピロリドン(NMP)と混合することにより調製した。
次いで、負極集電体としての銅箔(厚さ10μm)に単位面積あたりの負極活物質の被覆量が凡そ10mg/cmになるように負極集電体の片面に塗布し乾燥させた。乾燥後、ローラプレス機にてシート状に引き伸ばすことにより厚さ凡そ90μmに成形し、負極活物質層が所定の幅を有するようにスリットして負極(負極シート)をそれぞれ作製した。
上記作製した正極シートと負極シートとを用いて、実施例に係る試験用リチウムイオン二次電池を構築した。すなわち、正極シート及び負極シートを積層し、両シートの間に2枚のポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレン製の三層フィルム(PE/PP/PEフィルム)セパレータ(厚さ25μm)を挿入し、捲回して電極体を作製した。そして、この電極体を非水電解液とともに容器に収容して、直径18mm、高さ65mm(18650型)の円筒型リチウムイオン二次電池を構築した。なお、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との3:7(体積比)混合溶媒に1mol/LのLiPFを溶解させた組成のものを用いた。
[リチウムイオン二次電池の構築(比較例1)]
比較例1では、有機導電性ポリマーとしてポリチオフェンを用いて試験用リチウムイオン二次電池を構築した。すなわち、Liドープ剤を用いないことを除き、実施例と同様の方法でリチウムイオン二次電池を構築した。
まず、試験用リチウムイオン二次電池の正極を作製した。すなわち、正極における正極活物質層を形成するにあたり正極活物質層形成用ペーストを調製した。該ペーストは、正極活物質としてのLiNiOと、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着材としてのポリビニリデンフロライド(PVDF)とを、これら材料の質量%比が85:10:5となるようにN−メチルピロリドン(NMP)と混合することにより調製した。そして、調製した正極活物質層形成用ペーストを用いて、実施例と同様の方法で正極(正極シート)を作製した。作製した正極を、有機導電性ポリマーとしてのポリチオフェン3質量%を溶解させたTHF溶液に浸漬し、溶液から引き上げて乾燥させた。
上記作製した正極シートと、実施例で作製した負極シートとを用いて、比較例1に係る試験用リチウムイオン二次電池を実施例と同様の方法で構築した。
[リチウムイオン二次電池の構築(比較例2)]
比較例2では、有機導電性ポリマーおよびLiドープ剤を用いないことを除き、実施例と同様の方法でリチウムイオン二次電池を構築した。
まず、試験用リチウムイオン二次電池の正極を作製した。すなわち、正極における正極活物質層を形成するにあたり正極活物質層形成用ペーストを調製した。該ペーストは、正極活物質としてのLiNiOと、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着材としてのポリビニリデンフロライド(PVDF)とを、これら材料の質量%比が85:10:5となるようにN−メチルピロリドン(NMP)と混合することにより調製した。そして、調製した正極活物質層形成用ペーストを用いて、実施例と同様の方法で正極(正極シート)を作製した。
上記作製した正極シートと、実施例で作製した負極シートとを用いて、比較例2に係る試験用リチウムイオン二次電池を実施例と同様の方法で構築した。
[安全性評価試験]
上記構築した実施例および比較例1、2のリチウムイオン二次電池について、以下の釘刺し試験を行った。
まず、60℃の温度条件下にて、各電池をSOC100%に調整し、直径5mmの鋼製の釘を、該電池の厚み方向に20mm/秒の速度で貫通させることにより、該電池を強制的に内部短絡させ、その時の電池の様子を観察し、最高温度を測定した。なお、上記釘はそのまま電池内に留めた。表1に、観察結果および温度測定値を示す。
Figure 2011108505
表1に示されるように、釘刺し試験の結果、有機導電性ポリマーおよびLiドープ剤を含む正極を用いて構築した実施例に係るリチウムイオン二次電池は、内部短絡が発生しても発煙などの異常挙動(熱暴走)は観察されず、また電池温度は測定温度とほぼ同じ温度で変化しないことが確認された。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、例えば、本発明は、上述した捲回型の電池に限られず、種々の形状のリチウムイオン二次電池に適用することができる。また、該電池の大きさおよびその他の構成についても、用途(典型的には車載用)によって適切に変更することができる。
本発明により、上述したように内部短絡発生時における急激な発熱が素早く抑制された高安全性を有するリチウムイオン二次電池を提供する。また、かかるリチウムイオン二次電池は、自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。したがって本発明により、図5に模式的に示すように、リチウムイオン二次電池(典型的には複数直列接続してなる組電池)100を電源として備える車両1(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)を提供する。
1 車両
10 電池ケース
12 開口部
14 蓋体
20 捲回電極体
30 正極シート
32 正極集電体
34 正極活物質層
35 正極集電体積層部
36 正極活物質層非形成部
37 正極集電端子
38 外部正極集電端子
40 負極シート
42 負極集電体
44 負極活物質層
45 負極集電体積層部
46 負極活物質層非形成部
47 負極集電端子
48 外部負極集電端子
50 セパレータ
100 リチウムイオン二次電池
R 捲回軸方向

Claims (4)

  1. 電位により導電性を発揮する有機導電性ポリマーで表面部がコートされた正極と、
    負極活物質を有する負極と、
    を備えるリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極には、リチウム遷移金属複合酸化物から成る正極活物質と、該活物質とは異なる物質であって、LiO、LiおよびLiNiOから成る群から選択される少なくとも1種又は2種以上のLiドープ剤と、を含んでおり、
    前記電池のSOC低下時に、前記負極の電位上昇率よりも、前記正極の電位下降率の方が大きいことを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記有機導電性ポリマーは、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリイソチアナフテンから成る群から選択される少なくとも1種又は2種以上が用いられる、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記Liドープ剤の添加量は、前記正極中の正極活物質の全質量を100としたときのその2質量%以上5質量%以下に相当する量である、請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池を備える、車両。


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