JP2011107182A - シールド材 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素透過性が低く、耐薬品性に優れた脂環式構造含有熱可塑性樹脂からなるシートをホログラム記録媒体のシールド材として用いることにより、長期の未記録状態における使用有効期限(シェルフライフ)を有するホログラム記録媒体を提供する。
【解決手段】30℃における酸素透過係数が400(cm・100μm/m/24hr/atm)以下、且つガラス転移温度が120〜180℃の範囲である脂環式構造含有熱可塑性樹脂から形成されたホログラム記録媒体用シールド材。
【選択図】なし

Description

本発明は、光を照射することによって情報を記録する記録層を有する光情報記録媒体に好適なシールド材に関する。中でも本発明は、情報を付与された情報光と参照光によって形成された干渉縞が記録されるホログラム記録層を有する光情報記録媒体に好適なシールド材に関する。より詳しくは、本発明は、脂環式構造含有熱可塑性樹脂から形成されたシールド材であって、特に酸素透過性が低く、耐薬品性が良好であり、未記録状態における長期保存性を確保可能な光情報記録媒体に好適なシールド材を提供するものである。
ホログラフィを利用して記録媒体に情報を記録するホログラム記録媒体は、光磁気記録媒体や相変化光記録媒体などに比べ、記録再生するデータの大容量化・高速転送速度化を実現可能な光記録技術の一つである。
ホログラム記録媒体の記録は、一般的に、イメージ情報を持った情報光と参照光とを記録媒体内部で重ねあわせ、そのときに形成される干渉縞を記録媒体に書き込むことによって行われる。記録された情報の再生時には、記録媒体に参照光を照射することにより、記録した干渉縞による回折によりイメージ情報が再生される。
近年では、体積ホログラフィ、特にデジタル体積ホログラフィが実用域で開発され注目を集めている。体積ホログラフィとは、記録媒体の厚み方向を利用して、3次元的に干渉縞を書き込む方式であり、厚みを増すことで回折効率を高め、多重記録を用いて記録容量を増大することが可能である。そして、デジタル体積ホログラフィとは、体積ホログラフィと同様の記録媒体と記録再生方式を用いており、記録するイメージ情報を2値化したデジタルパターンに限定したホログラフィック記録方式である。このデジタル体積ホログラフィでは、例えば画像情報を、デジタルデータへ変換し、更に2次元デジタルパターン情報に展開し、これをイメージ情報として記録する。再生時は、このデジタルパターン情報を読み出してデコードすることで、元の画像情報に戻して表示する。これにより、再生時にSN比(信号対雑音比)が多少悪くても、微分検出を行ったり、2値化データをコード化しエラー訂正を行ったりすることで、極めて忠実に元の情報を再現することが可能になる。
このような体積ホログラフィを用いたホログラフィック記録再生を行うホログラム記録媒体として、特許文献1及び2には図1に示すような構造体が提案されている。かかるホログラム記録媒体1は、エンボスピット3aを有する反射層3及び透明層4が形成されたディスク状の第1の基板2と、光透過性を有するディスク状の第2の基板5とを、それらの外周部および内周部にスペーサー7を挿入して所定の厚みに調整し、厚み方向に干渉縞を記録する記録層6を封入することにより製造される。
ホログラム記録層としては、入射光強度によって屈折率変化を生じるニオブ酸リチウム(LiNbO)のような無機結晶が使用されていた。しかしながら、LiNbOは非常に高価であり、経時的に屈折率変化が減衰し、しかも有意な屈折率変化を生じさせるために厚い結晶を用いる必要があった。
そこで特許文献3では、光学的に誘起された重合反応を利用してより大きい屈折率変化を生じる物質が記録層として使用されている。これらの物質は、フォトポリマー(感光性樹脂)といわれており、1種以上の光活性の重合性液体モノマーまたはオリゴマー、開始剤、不活性ポリマー充填材、及び増感剤等の均一な混合物からなる。
記録層としてフォトポリマーを用いた場合、空気中の酸素により、フォトポリマーの重合反応が阻害されるため、未記録状態におけるホログラム記録媒体の使用有効期限(シェルフライフ)が短くなり、長期保存性を確保することが課題となる。ホログラム記録媒体の厚み方向に関しては記録層の上下に各層が積層されており、酸素によるフォトポリマーの劣化はほとんど生じないと考えられる。しかしながら、半径方向は記録層が直接空気に接触していることから酸素による劣化が進行すると考えられる。そこで特許文献4では、記録層の外周部および内周部に用いているスペーサーをシールド材として用い、スペーサーの幅を長くすることにより、外部からの空気の進入を防止することが記載されている。しかしながら、シールド材の具体的な材質、特性については記載されていない。
そこで、特許文献4に記載されていたポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAから得られたポリカーボネート樹脂、以下PC−A)をリング状のプラスチックシートに加工し、両面に接着剤を塗布し、シールド材として検討したところ、記録材料との接触により、耐薬品性が不足していることから、PC−Aが白濁し透明性が得られないとの問題、また、酸素透過により、未記録状態におけるホログラム記録媒体の長期保存性に対する改善効果もあまり得られないとの問題がある。
尚、上記はディスク状のホログラム記録媒体を一例として説明したが、記録媒体の形状はカード状であってもよい。かかる製造において、記録層の課題は程度の差はあるものの共通であり、殊にホログラム記録媒体の記録容量が大きいほど重要となる。
特開2003−331464号公報 特開2004−126041号公報 特開2005−107312号公報 特開2008−027488号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決し、酸素透過性が低く、耐薬品性に優れた、ノルボルネン系重合体などの脂環式構造含有熱可塑性樹脂からなる樹脂シートをホログラム記録媒体のシールド材として用いることにより、長期保存性を有するホログラム記録媒体を提供することにある。
従来、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂からなる樹脂シートは、耐熱性は良好であるが、酸素透過性が高く、記録層及び接着剤に対する耐薬品性に優れず、シールド材には不向きであるとの認識がある。そこで、本発明者らは、驚くべきことにノルボルネン系重合体などの脂環式構造含有熱可塑性樹脂からなる樹脂シートをホログラム記録媒体のシールド材に用いることにより、上記課題がいずれも解決でき、ホログラム記録媒体の長期保存性に極めて好適であることを見出した。かかる知見に基づき更に検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、上記課題は、下記構成により解決される。
(構成1):30℃における酸素透過係数が400(cm・100μm/m/24hr/atm)以下、且つガラス転移温度が120〜180℃の範囲である脂環式構造含有熱可塑性樹脂から形成されたホログラム記録媒体用シールド材。
本発明の好適な態様の1つは、
(構成2):脂環式構造含有熱可塑性樹脂がノルボルネン系重合体である上記構成1記載のホログラム記録媒体用シールド材である。
本発明の好適な態様の1つは、
(構成3):シールド材は、シート状の形状を有し、厚みが5〜500μm、幅が1〜15mmである上記構成1または構成2記載のホログラム記録媒体用シールド材である。
本発明の好適な態様の1つは、
(構成4):エンボスピットが形成された第1の基板と、光透過性の第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間にホログラム記録層を有し、ホログラム記録層が上記構成1〜3のいずれか1項に記載のシールド材に保護されたホログラム記録媒体である。
本発明のノルボルネン系重合体などの脂環式構造含有熱可塑性樹脂から形成されたシールド材は、酸素透過性が低く、耐薬品性に優れ、且つ、長期保存性を確保したホログラム記録媒体を提供することが可能である。したがって、その奏する産業上の効果は格別である。
従来のホログラム記録媒体の概略断面図を示す。 (A)本発明のホログラム記録媒体における一実施様態の概略平面図を示す。 (B)本発明のホログラム記録媒体における一実施様態の半径方向の概略断面図を示す。
以下、本発明の詳細について説明する。
<脂環式構造含有熱可塑性樹脂>
脂環式構造含有熱可塑性樹脂としては、主鎖及び/または側鎖に脂環式の環構造を有するものであり、機械的強度や耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン構造)や不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械的強度や耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造が好適である。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、好ましくは4〜30個、より好ましくは5〜20個、さらに好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度や耐熱性に優れ、成形加工性にも優れるので好適である。
本発明に使用される脂環式構造含有熱可塑性樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%、特に好ましくは100重量%である。脂環式構造含有熱可塑性樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性に劣り好ましくない。脂環式構造含有熱可塑性樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
かかる脂環式構造を有する熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)脂環式構造含有ビニル系重合体、及び(5)これらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物などの熱可塑性ノルボルネン系樹脂、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物がより好ましい。
(1)ノルボルネン系重合体及びその水素添加物
ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122137号公報などで開示される方法によって、ノルボルネン系モノマーを重合したものが用いられる。具体的には、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物の付加型重合体などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化合物の付加型重合体などが好ましく、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物が特に好ましい。
ノルボルネン系モノマーは、上記各公報や特開平2−227424号公報、特開平2−276842号公報などに開示されている公知のモノマーであって、例えば、ノルボルネン構造を有する多環炭化水素;そのアルキル、アルケニル、アルキリデン、芳香族等の置換誘導体;ハロゲン、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等の極性基置換誘導体;これら極性基を有するアルキル、アルケニル、アルキリデン、芳香族等の置換誘導体;などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン構造を有する多環炭化水素、及びそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、芳香族等の置換誘導体などが、樹脂型の耐久性や成形体との離型性に優れ好適である。
ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン等;
ジシクロペンタジエン、その上記と同様の置換誘導体、例えば、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;
ジメタノオクタヒドロナフタレン、その上記と同様の置換誘導体、例えば、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等;
シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、その上記と同様の置換誘導体、例えば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレン等;
シクロペンタジエンの多量体、その上記と同様の置換誘導体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン等;
1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、その上記と同様の置換誘導体;
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、その上記と同様の置換誘導体、例えば、1,4−メタノ−8−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−クロロ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−ブロモ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン等;
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロベンゾフラン、その上記と同様の置換誘導体;
1,4−メタノ−9−フェニル−1,4,4a,9a−テトラヒドロカルバゾール、その上記と同様の置換誘導体;
1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、その上記と同様の置換誘導体;
7,10−メタノ−6b,7,10,10a−テトラヒドロフルオランセン、その上記と同様の置換誘導体;などが挙げられる。
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。ノルボルネン系重合体中におけるノルボルネン系モノマー単位の結合量割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは100重量%であるものが好適である。
ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。
これらのビニル化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ノルボルネン系モノマーまたはノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化合物との(共)重合方法及び水素添加方法は、格別な制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体は、ノルボルネン系モノマーを、開環重合触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩、またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無溶媒で、通常、−50°C〜100°Cの重合温度、0〜50kg/cmの重合圧力で開環(共)重合させることにより得ることができる。触媒系に、分子状酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などの第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を高めることができる。
ノルボルネン系モノマーとビニル化合物との付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中または無溶媒で、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cmの重合圧力で共重合させる方法により得ることができる。
水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環(共)重合体などの不飽和結合を有するノルボルネン系重合体を、水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法により得ることができる。
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開昭64−66216号公報に開示されているシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどに示される単環の環状オレフィン系モノマーの付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−136057号公報や特開平7−258318号公報に開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系モノマーを1,2−または1,4−付加重合した重合体、及びその水素添加物などを用いることができる。
(4)脂環式構造含有ビニル系重合体及びその水素添加物
脂環式構造含有ビニル系重合体としては、例えば、特開昭51−59989号公報に開示されているビニルシクロヘキセンやビニルシクロヘキサンなどの脂環式構造含有ビニル系モノマーを重合した重合体及びその水素添加物、特開昭63−43910号公報や特開昭64−1706号公報などに開示されているスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系モノマーを重合した重合体の芳香環部分の水素添加物などを用いることができる。
本発明に使用される脂環式構造含有熱可塑性樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン(またはトルエン)を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリイソプレン換算(またはポリスチレン換算)の重量平均分子量(Mw)で、好ましくは1,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜500,000、さらに好ましくは10,000〜200,000の範囲である。脂環式構造含有熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときに、機械的強度と成形加工性のバランスが保たれ好適である。本発明に使用される脂環式構造含有熱可塑性樹脂の分子量分布は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサンを(またはトルエン)溶媒とするGPCで測定されるポリイソプレン換算(またはポリスチレン換算)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表すと、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。
本発明で使用する脂環式構造含有熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、120〜180℃の範囲であり、好ましくは125〜175℃の範囲であり、より好ましくは130〜170℃の範囲である。樹脂のTgは高いほど、例えばホログラム記録媒体に用いられる記録材料を硬化させる際に発生するの発熱による変形に耐えられ耐久性が高くなり好ましい。一方、樹脂のTgが高すぎると、シート加工がしにくくなる場合がある。したがって、樹脂のTgは、前記範囲にある時に、耐熱性と成形加工性が高度にバランスして好適である。
本発明で使用される脂環式構造含有熱可塑性樹脂は、試験温度30℃における酸素透過係数が400(cm・100μm/m/24hr/atm)以下である。好ましくは350(cm・100μm/m/24hr/atm)以下であり、より好ましくは300(cm・100μm/m/24hr/atm)以下である。酸素透過係数が400(cm・100μm/m/24hr/atm)を越えると、室外に近い温湿度条件(例えば東京の初夏の想定気候)下における酸素バリア性が悪く、ホログラム記録媒体における記録材料の劣化が顕著となる。
ここで酸素透過係数とは、ASTM D―1434―75M法に基づく気体透過度試験において、測定気体である酸素の透過量を示し、ガスシールド性を表す材料固有の指標である。かかる気体透過係数は、気体透過係数=気体透過量(体積)×フィルム厚さ/(透過面積×時間×圧力差)で算出される。
<シールド材>
本発明のシールド材は、シート状の形状を有し、ホログラム記録材料の酸素による劣化を防止する目的で使用されるとともに、ホログラム記録材料の厚みを調整するためのスペーサーとして用いられる。
脂環式構造含有熱可塑性樹脂から樹脂シートを製造する方法としては、脂環式構造含有熱可塑性樹脂をTダイより溶融押出する方法、カレンダー成形法、溶剤キャスティングする方法、およびインフレーション法などをあげることができる。その中でもTダイより溶融押出する方法が最も好適である。
また、本発明の脂環式構造含有熱可塑性樹脂からなる樹脂シートは、延伸シートであっても、未延伸シートであってもよい。
本発明のシールド材は、金型等を用いてシートをリング状または必要な大きさに打ち抜くことで好適に作成される。
シールド材は、その幅が1〜15mmであることが好ましい。幅の上限は、より好ましくは12mmである。幅の下限は、より好ましくは3mmである。下限未満では、酸素透過によりホログラム記録媒体が著しく劣化し、上限を超えるとホログラムを記録する領域が狭くなることにより記録媒体の記録容量が低下する。
また、シールド材の厚みはホログラム記録媒体の記録容量の観点から、5〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましい。さらに、シールド材の厚み斑は小さいほうが良い。厚み斑はシートの厚みにより変化するが、シートの厚みに対して、厚み斑の範囲は好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。ここで、厚み斑5%とは、厚さ100μmのシートにおいて厚さの最大値と最小値の差が5μmであるとする。厚み斑が5%より大きくなると表面平滑性が損なわれる。シートの厚み斑の測定方法は、連続厚み計(アンリツ(株)製フィルムシックネステスター型式KG601A)を用いて、位置を変えて厚みを測定し、その最大値と最小値との差を平均値で割った値を算出し、厚み斑を求めることができる。
<ホログラム記録媒体について>
本発明のシールド材を用いるホログラム記録媒体は図2に示す実施態様であり、図2(A)に概略平面図、図2(B)に半径方向の概略断面図を示す。
図2のホログラム記録媒体1は、第1の基板2と、第2の基板5と、第1の基板2と第2の基板5との間にシールド材10に囲まれた記録層6とを有しており、第1の基板2には、位置制御層12aと、反射層3と、波長選択層11と、ギャップ層4とを有している。図2のホログラム記録媒体1は、図2(A)に示すように、円盤形状であり、中心には開口部1bが形成されており、例えば、記録再生装置のスピンドルに開口部1bを装着することにより、ホログラム記録媒体1を回転可能に保持するように構成されている。
第1の基板2は、ガラス、金属、プラスチックなどが用いられるが、加工性、コストの面から、プラスチックが特に好適に用いられる。前記プラスチックとしては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリレーン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ乳酸樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、加工性、耐熱性、光学特性、コストの面から、ポリカーボネート樹脂が特に好適に用いられる。
第1の基板2における位置制御光9を位置制御層12aに照射することによって再生される制御情報としては、トラッキング情報、フォーカス情報、アドレス情報、ディスク条件情報などが挙げられる。前記トラッキング情報は、例えば、ウォブルピット、ウォブルグルーブ、トラッキングピットなどが挙げられる。前記フォーカス情報は、例えば、第2の基板6表面に形成した反射層3、フォーカス用ミラー部分、フォーカス用ピットなどが挙げられる。前記アドレス情報は、例えば、前記ウォブルピット上に形成した凹凸、エンコードしたピット列、ウォブル変調信号などが挙げられる。
前記第1の基板2における位置制御層12aの表面に反射層3として反射膜を形成する。前記反射膜の材料としては、位置制御光9に対して高い反射率を有する材料を用いることが好ましい。例えば、Al、Al合金、Ag、Ag合金、Au、Cu合金等が好ましい。前記反射膜の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等のPVD法、あるいはCVD法等、種々の薄膜形成法が適用できる。
ギャップ層4は、樹脂材料、例えば紫外線硬化性樹脂等の材料をスピンコート法等によって塗布し、その後光照射し硬化させることで形成することができる。更には、ポリカーボネート等の樹脂シートに接着剤等を塗布して貼り合せることで形成することもできる。ギャップ層4は、記録層6や波長選択層11を保護すると共に、記録層6内に生成される干渉縞6aの大きさや記録再生用光8と位置制御光9の焦点距離間の間隔などを調整するためにも有効である。また、ギャップ層4は、干渉縞が集中する記録再生光8の焦点近傍の部分を記録層6中に位置しないようにできるので、干渉縞が集中する焦点近傍の部分によって記録層6のフォトポリマーが大量に消費され、記録容量が低下することを防ぐことができる。ギャップ層4の厚みとしては、10〜100μmの範囲とすることが好ましい。
波長選択層11は、記録再生用光8を反射し、位置制御光9を透過する。波長選択層11としては、高屈折率物質と低屈折率物質を交互に積層させたダイクロイックミラー膜やコレステリック液晶膜を用いることができる。波長選択層11における記録再生用光8に対する反射面は、情報を安定して記録・再生できるように、平坦であることが好ましい。
シールド材10は、第1の基板2と第2の基板5との間に配置され、シールド材10と第1の基板2及び第2の基板5とによって形成される空間内に記録層6を封入するためのものであり、少なくとも位置制御光9を透過する必要がある。さらに、シールド材10として接着剤、両面粘着シールなどを使用すれば、シールド材10によって第1の基板2と第2の基板5とを貼り合わせることもできる。なお、シールド材10は、第1の基板2と第2の基板5との間隔を一定に保持するスペーサーを兼用してもよいし、別途スペーサーを配置することもできる。なお、シールド材10は、記録再生用光8を透過してもよいし、透過しなくてもよい。図2(A)においては、記録領域1aが広くなるように、円盤の内縁と外縁にシールド材10が配置されている。
記録層6は、シールド材10の内側に形成されており、記録再生光8との干渉縞6aが記録される。特に好ましくは、記録再生用光8には感光し、アドレス情報等を読み取るための位置制御光9には感光しない材料が好ましい。記録層6としては、フォトポリマー(感光性材料)を使用することができる。一般的に、フォトポリマーとしてラジカル重合性化合物及び光ラジカル重合開始剤に加え、三次元架橋ポリマーマトリクスを有する感光性材料が好適に用いられる。
マトリクスを形成する三次元架橋ポリマーとなる化合物は、エポキシ化合物が用いられる。具体的には、エポキシ化合物としては、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエポキシオクタン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、およびエポキシプロポキシプロピル末端のポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
ラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物が挙げられる。例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸アミド、ビニル化合物などが挙げられる。より具体的には、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ビシクロペンテニルアクリレート、アクリル酸フェニル、イソボルニルアクリレート、アクリル酸アダマンチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸フェニル、フェノキシエチルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、メタクリル酸アダマンチル、イソボルニルメタクリレート、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ビニルピリジン、スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、トリブロモフェニルアクリレート、トリクロロフェニルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、トリクロロフェニルメタクリレート、ビニルベンゾエート、3,5−ジクロロビニルベンゾエート、ビニルナフタレン、ビニルナフトエート、ナフチルメタクリレート、ナフチルアクリレート、N−フェニルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ビニルピロリジノン、N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、ビシクロペンテニルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールトリメタクリレート、N−ビニルカルバゾールおよびN−ビニルピロリドンが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、イミダゾール誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、有機過酸化物、およびチオキサントン誘導体等が挙げられる。具体的には、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンジルメトキシエチルエーテル、2,2’−ジエチルアセトフェノン、2,2’−ジプロピルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、3,3’4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、2−[(p−メトキシフェニル)エチレン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、チバスペシャルティケミカルズ社製のイルガキュア149、184、369、651、784、819、907、1700、1800、1850など各番号のもの、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、デカノイルーパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、およびシクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
必要に応じてシアニン、メロシアニン、キサンテン、クマリン、エオシンなどの増感色素、シランカップリング剤、および可塑剤などを加えてもよい。
記録層6に用いられる材料として、緑又は青色光に感度を有するフォトポリマーを使用した場合であれば、記録再生用光8には緑又は青色光を使用し、位置制御光9にはそれ以外の波長の光、例えば赤色光を使用すればよい。なお、本発明において、記録層6はフォトポリマーに限定されるものではない。
記録層6の形成方法としては、第1の基板2と第2の基板5とをシールド材10を介在させて貼り合わせた状態で、シールド材10の一部に注入口を設けておき、シールド材10の内部の空間を真空にし、記録層6を注入させ、注入後に注入口を封止する方式でもよい。さらには、第1の基板2又は第2の基板5にシールド材10を配置し、その間に記録層6を滴下して他方の基板を貼り合わせる方式でもよい。
第2の基板5には必要に応じて、記録再生光8の入射光側に反射防止層を設けることができる。反射防止層としては、高屈折率材料と低屈折材料を複数積層させた反射防止膜を蒸着やスパッタリングすることができる。更には、第2の基板5を射出成形等により成形する際に、蛾の眼の角膜表面における微小突起に類似した波長よりも小さい寸法の繰り返しパターン(モスアイパターン)を電子ビーム等によってパターニングした金属スタンパを用いて樹脂表面に波長以下の微小突起を有するモスアイパターンを転写させることで反射防止層を形成することもできる。微小突起の寸法が光学波長よりも小さい場合、光波は微小構造を認識せず、その結果、表面上で観測される屈折率は深さ方向に沿って徐々に変化する。したがって、2つの透過媒質間の境界面における屈折率の劇的な変化に起因して生じる反射が低減される。
<ホログラム記録再生について>
本発明のシールド材を用いたホログラム記録媒体の記録方法は、記録再生光である情報光及び参照光を同軸または異軸として照射し、該情報光と参照光との干渉による干渉縞によって情報を記録層6に記録する同軸干渉方式(コリニア方式)または二光束干渉(ポリトピック)方式によるホログラム記録方法を用いることができる。再生方法としては、前記記録方法により記録層6に形成された干渉縞に参照光を照射して該干渉縞に対応した回折光により記録情報を再生することができる。本発明のシールド材を用いたホログラム記録媒体は、情報の記録再生だけではなく、再生時の回折光の強度パターンを識別対象となる強度パターンと比較することにより画像認証、動画識別に用いることができる。特に、本発明のシールド材を用いたホログラム記録媒体は、全光型超高速画像・動画識別システムに適応することできる。
以下、本発明の実施例について説明する。尚、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中の各種特性の測定は、以下の方法で行った。
(1)酸素透過係数
樹脂シートを用い、ASTM D―1434―75M法に基づき、市販のガス透過率測定装置(東洋精機製作所製GTRテスターM―C1)にて酸素透過係数を求めた。樹脂シートの両側に圧力差をつけ、測定温度30℃における圧力、時間に対する変化の勾配から酸素透過率を算出し、単位厚み当りの酸素透過係数に換算した。単位は[cm・100μm/m/24hr/atm]である。
(2)耐薬品性
樹脂シートを用い、有機溶媒を少量含ませたベンコット(旭化成製、型式M−3)を用いて指圧(約500g)による拭き取り(10往復)を行い、目視にて樹脂シートの状態を観察した。有機溶媒としては、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエンを用いた。
(3)厚み及び厚み斑
連続厚み計(アンリツ(株)製フィルムシックネステスター型式KG601A)を用い、10mm幅毎のシート厚みを測定した。得られた測定値の算術平均値をシート厚みとし、厚みの最大値と最小値の差を平均値で割った値を算出し厚み斑(%)を求めた。
(4)ホログラム記録媒体の特性評価
(i)パルステック工業製二光束干渉方式標準ホログラムテスター、型式SHOT−500を用いて作成直後のホログラム記録媒体の評価を行った。測定用光源は532nmの緑光源、ビーム直径は5mm、ビーム強度は7mW/cmである。露光量を7,000mJ/cmとしてスケジューリングを行い、ステージの回転角を−60°から60°に20°の角度間隔で記録し、更に各回転角毎に入射角を−6°から6°まで2°の角度間隔で多重記録し、計49個のホログラムを多重記録した。ホログラム記録後、残留する未反応成分を反応させるため、媒体面全体に、波長532nmの青色LEDで十分な光を照射した。再生は同一光源を用いてステージの回転角を−60°から60°に20°の角度間隔、更に各回転角毎に入射角を−7°から7°まで0.2°の角度間隔で再生し、回折光強度から回折効率を求めた。更に、ダイナミックレンジM/#(回折効率の平方根の和)を算出した。
(ii)長期保存性(シェルフライフ特性)として、上記構成のホログラム記録媒体を更に2つ準備し、1ヶ月保管後、3ヶ月保管後のダイナミックレンジを測定した。
[実施例1〜2、比較例1]
(1)ホログラム記録層材料溶液の調製
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル100重量部に対してジエチレントリアミン23重量部を加え、マトリクス溶液を作成した。また、ラジカル重合性化合物としてポリエチレングリコールジアクリレート100重量部に、光重合開始剤としてイルガキュア−784(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)3重量部を加え混合した。ホログラム記録材料層溶液の全体量に対して、マトリクス材料の割合が67重量%、光重合性モノマーの割合が33重量%となるように室温にて混合し、ホログラム記録材料層溶液を調製した。
(2)ホログラム記録媒体の作成
表1記載の各樹脂シートを50mm角の大きさにカットし、樹脂シートの外側から幅10mmとなるように均一に打ち抜くことによってシールド材を作成した。また、両面に波長532nmにおける表面反射率が0.1%以下となるように蒸着した反射防止膜(ARコート)が設けられた50mm角サイズ、0.5mm厚のガラス基板を2枚準備した。前記ガラス基板上にシールド材を積層し、(1)で調製したホログラム記録層材料溶液を塗布した。更に記録層材料溶液をもう一枚の前記ガラス基板で挟み込み封入した。常温常湿で1時間放置し、次いで80℃で10時間乾燥し、乾燥膜厚100μmのホログラム記録材料層を有するホログラム記録媒体を得た。得られたホログラム記録媒体を評価した結果を表1に示した。
なお、表1中の樹脂シートは下記のものを示す。
樹脂シート−1:ZEONOR ZF14(日本ゼオン(株)製熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シート、Tg136℃、フィルム厚み100μm、溶融押出法により製造)
樹脂シート−2:ZEONOR ZF16(日本ゼオン(株)製熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シート、Tg163℃、フィルム厚み100μm、溶融押出法により製造)
樹脂シート−3:ピュアエース C−110−100(帝人化成(株)製ビスフェノールAから得られたポリカーボネート樹脂シート、Tg156℃、フィルム厚み100μm、溶液キャスト法により製造)
表1の結果から明らかなように、脂環式構造含有熱可塑性樹脂からなる樹脂シートをホログラム記録媒体のシールド材に用いることにより、ホログラム記録媒体として長期保存性が得られる。一方、汎用されるポリカーボネート樹脂シートをホログラム記録媒体のシールド材に用いた場合、ホログラム記録媒体の長期保存性が得られないことが分かる。即ち、本発明によれば、汎用されるポリカーボネート樹脂では得られない良好なシールド材が得られることが分かる。
Figure 2011107182
本発明のシールド材は、情報光、参照光を用いて記録再生を行うホログラム記録媒体に使用することができる。特に、コリニア方式ホログラム記録媒体、二光束干渉方式ホログラム記録媒体、マイクロホログラフィック・ストレージ用記録材料のシールド材などに利用できる。
1 ホログラム記録媒体
1a 記録領域
1b 開口部
2 第1の基板
3 反射層
3a エンボスピット
4 ギャップ層
5 第2の基板
6 記録層
6a 干渉縞
7 スペーサー
8 記録再生光
9 位置制御光
10 シールド材
11 波長選択層
12a 位置制御層

Claims (4)

  1. 30℃における酸素透過係数が400(cm・100μm/m/24hr/atm)以下、且つガラス転移温度が120〜180℃の範囲である脂環式構造含有熱可塑性樹脂から形成されたホログラム記録媒体用シールド材。
  2. 脂環式構造含有熱可塑性樹脂がノルボルネン系重合体である請求項1記載のホログラム記録媒体用シールド材。
  3. シールド材は、シート状の形状を有し、厚みが5〜500μm、幅が1〜15mmである請求項1または請求項2記載のホログラム記録媒体用シールド材。
  4. エンボスピットが形成された第1の基板と、光透過性の第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間にホログラム記録層を有し、ホログラム記録層が請求項1〜3のいずれか1項に記載のシールド材に保護されたホログラム記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016188905A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 セイコーエプソン株式会社 頭部装着型表示装置および体積ホログラフィック素子の製造方法
WO2022153617A1 (ja) * 2021-01-13 2022-07-21 ソニーグループ株式会社 ホログラム記録媒体、ホログラム光学素子、光学装置、光学部品及びホログラム回折格子の形成方法

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