JP2011106025A - Al基合金スパッタリングターゲット - Google Patents

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Abstract

【課題】スパッタリングターゲットとしてAl−(Ni,Co)−(La,Nd)系合金またはAl−(Ni,Co)−(La,Nd)−(Cu,Ge)系合金を用いた場合にスプラッシュ、特に初期スプラッシュの発生を低減し得る技術を提供する。
【解決手段】本発明のAl基合金スパッタリングターゲットは、A群(Ni,Co)から選択される少なくとも1種と、B群(La,Nd)から選択される少なくとも1種を含有し、スパッタリングターゲットの圧延面に対して垂直な断面のうち、圧延方向と平行な面における、圧延方向の結晶粒径を測定したとき、平均結晶粒径が500μm以下であり、且つ、最大結晶粒径が1500μm以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、Al基合金スパッタリングターゲットに関し、詳細には、スパッタリングターゲットを用いて薄膜を成膜する際、スパッタリングの初期段階で発生する初期スプラッシュを低減することが可能なAl基合金スパッタリングターゲットに関するものである。本発明で対象とするAl基合金は、A群(Ni,Co)から選択される少なくとも1種と、B群(La,Nd)から選択される少なくとも1種を含有するAl基合金;または、更にC群(Cu,Ge)から選択される少なくとも1種を含有するAl基合金であり、各Al基合金は、更にTiおよびBを含有していても良い。以下では、前者のAl基合金を、「Al−(Ni,Co)−(La,Nd)系合金」と呼び、後者のAl基合金を、「Al−(Ni,Co)−(La,Nd)−(Cu,Ge)系合金」と呼ぶ場合がある。
Al基合金は、電気抵抗率が低く、加工が容易であるなどの理由により、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD:Electro Luminescence Display)、フィールドエミッションディスプレイ(FED:Field Emission Display)、メムス(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)、タッチパネル、電子ペーパーの分野で汎用されており、配線膜、電極膜、反射電極膜などの材料に利用されている。
例えば、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイは、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)、導電性酸化膜から構成される画素電極、および走査線や信号線を含む配線を有するTFT基板を備えており、走査線や信号線は、画素電極に電気的に接続されている。走査線や信号線を構成する配線材料には、一般に、純AlやAl−Nd合金の薄膜が用いられるが、これらの薄膜を画素電極と直接接触させると、絶縁性の酸化アルミニウムなどが界面に形成されて接触電気抵抗が増加するため、これまでは、上記Alの配線材料と画素電極の間に、Mo,Cr,Ti,W等の高融点金属からなるバリアメタル層を設けて接触電気抵抗の低減化を図ってきた。
しかしながら、上記のようにバリアメタル層を介在させる方法は、製造工程が煩雑になって生産コストの上昇を招くなどの問題がある。
そこで、本出願人は、バリアメタル層を介さずに、画素電極を構成する導電性酸化膜を配線材料と直接接触することが可能な技術(ダイレクトコンタクト技術)を提供するため、配線材料として、Al−Ni合金や、NdやYなどの希土類元素を更に含有するAl−Ni−希土類元素合金の薄膜を用いる方法を提案している(特許文献1)。Al−Ni合金を用いれば、界面に導電性のNi含有析出物などが形成され、絶縁性酸化アルミニウム等の生成が抑制されるため、接触電気抵抗を低く抑えることができる。また、Al−Ni−希土類元素合金を用いれば、耐熱性が更に高められる。
ところで、Al基合金薄膜の形成には、一般にスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法が採用されている。スパッタリング法とは、基板と、薄膜材料と同一の材料から構成されるスパッタリングターゲットとの間でプラズマ放電を形成し、プラズマ放電によってイオン化させた気体をスパッタリングターゲットに衝突させることによってスパッタリングターゲットの原子をたたき出し、基板上に積層させて薄膜を作製する方法である。
スパッタリング法は、真空蒸着法とは異なり、スパッタリングターゲットと同じ組成の薄膜を形成できるというメリットを有している。特に、スパッタリング法で成膜されたAl基合金薄膜は、平衡状態では固溶しないNdなどの合金元素を固溶させることができ、薄膜として優れた性能を発揮することから、工業的に有効な薄膜作製方法であり、その原料となるスパッタリングターゲットの開発が進められている。
近年、FPDの生産性向上などに対応するため、スパッタリング工程時の成膜速度は、従来よりも高速化する傾向にある。成膜速度を速くするためには、スパッタリングパワーを大きくすることが最も簡便であるが、スパッタリングパワーを増加させると、スプラッシュ(微細な溶融粒子)などのスパッタリング不良が発生し、配線膜等に欠陥が生じるため、FPDの歩留りや動作性能が低下するなどの弊害をもたらす。
そこで、スプラッシュの発生を防止する目的で、例えば、特許文献2〜5に記載の方法が提案されている。このうち、特許文献2〜4は、いずれも、スプラッシュの発生原因がスパッタリングターゲットの組織中にある微細な空隙に起因するという観点に基づいてなされたものであり、Alマトリックス中のAlと希土類元素との化合物粒子の分散状態を制御したり(特許文献2)、Alマトリックス中のAlと遷移元素との化合物の分散状態を制御したり(特許文献3)、スパッタリングターゲット中の添加元素とAlとの金属間化合物の分散状態を制御したり(特許文献4)することによって、スプラッシュの発生を防止している。また、特許文献5には、スプラッシュの原因であるアーキング(異常放電)を低減するため、スパッタ面の硬度を調整した後、仕上機械加工を行うことにより、機械加工に伴う表面欠陥の発生を抑制する方法が開示されている。
他方、特許文献6には、スプラッシュの発生を防止する技術として、Alを主体とするインゴットを300〜450℃の温度範囲で75%以下の加工率で圧延により板状にし、次いで圧延時温度以上で550℃以下の加熱処理を行い、圧延面側をスパッタリング面とすることにより、得られるAl−Ti−W合金等のスパッタリングターゲットのビッカース硬さを25以下とすることが記載されている。
特開2004−214606号公報 特開平10−147860号公報 特開平10−199830号公報 特開平11−293454号公報 特開2001−279433号公報 特開平9−235666号公報
前述したように、これまでにも、スプラッシュの発生を低減してスパッタリング不良を改善するための種々の技術は提案されているが、一層の改善が求められている。特に、スパッタリングの初期段階で発生する初期スプラッシュは、FPDの歩留まりを低下させるため、深刻な問題をもたらしているが、前述した特許文献2〜5のスプラッシュ発生防止技術は、初期スプラッシュの発生を充分有効に防止できるものではない。
特に、Al基合金のなかでも前述したダイレクトコンタクト技術に適用できるAl基合金、すなわち、画素電極を構成する導電性酸化膜と直接接触し得る配線材料として有用であり、好ましくは、フォトリソグラフィの工程で形成したフォトレジスト(樹脂)を剥離する洗浄液(代表的にはアミン類を含む有機剥離液)に対する耐食性(剥離液耐食性)にも優れており、更には薄膜トランジスタの半導体層と直接接触し得る配線材料としても適用可能なAl−(Ni,Co)−(La,Nd)系合金、またはAl−(Ni,Co)−(La,Nd)−(Cu,Ge)系合金の形成に用いられるAl基合金スパッタリングターゲットにおいて、従来の溶解鋳造法によっても、初期スプラッシュの発生を効果的に防止できる技術の提供が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スパッタリングターゲットとしてAl−(Ni,Co)−(La,Nd)系合金またはAl−(Ni,Co)−(La,Nd)−(Cu,Ge)系合金を用いた場合にスプラッシュ、特に初期スプラッシュの発生を低減し得る技術を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明のAl基合金スパッタリングターゲットは、A群(Ni,Co)から選択される少なくとも1種と、B群(La,Nd)から選択される少なくとも1種を含有し、前記スパッタリングターゲットの圧延面に対して垂直な断面のうち、圧延方向と平行な面における、圧延方向の結晶粒径を測定したとき、平均結晶粒径が500μm以下であり、且つ、最大結晶粒径が1500μm以下であるところに要旨を有するものである。
本発明の好ましい実施形態において、前記A群の総含有量は0.05原子%以上、2.5原子%以下であり、前記B群の総含有量は0.1原子%以上、1原子%以下である。
本発明の好ましい実施形態において、上記Al基合金スパッタリングターゲットは、更にC群(Cu,Ge)から選択される少なくとも1種を含有する。
本発明の好ましい実施形態において、前記C群の総含有量は0.1原子%以上、1原子%以下である。
本発明の好ましい実施形態において、上記Al基合金スパッタリングターゲットは、更に、TiおよびBを含有する。
本発明の好ましい実施形態において、Ti含有量は0.0002原子%以上0.012原子%以下であり、B含有量が0.0002原子%以上0.012原子%以下である。
本発明の好ましい実施形態において、上記Al基合金スパッタリングターゲットは、前記A群からNiのみが選択され、前記B群からNdのみが選択されるものである。
本発明の好ましい実施形態において、上記Al基合金スパッタリングターゲットは、前記A群からNiのみが選択され、前記B群からLaのみが選択されるものである。
本発明の好ましい実施形態において、上記Al基合金スパッタリングターゲットは、前記A群からNiのみが選択され、前記B群からNdのみが選択され、前記C群からGeのみが選択されるものである。
本発明の好ましい実施形態において、上記Al基合金スパッタリングターゲットは、ビッカース硬さ(Hv)が26以上である。
また、本発明には、上記のスパッタリングターゲットを用いて得られるAl基合金膜であって、透明導電膜と直接接続されているAl基合金膜も包含される。
本発明の好ましい実施形態において、上記Al基合金膜は、A群(Ni,Co)から選択される少なくとも1種と、B群(La,Nd)から選択される少なくとも1種と、C群(Cu,Ge)から選択される少なくとも1種と、TiおよびBと、を含有し、Ti含有量が0.0004原子%以上0.008原子%以下であり、B含有量が0.0004原子%以上0.008原子%以下であり、これにより、剥離液耐食性が格段に高められる。
本発明によれば、スパッタリングターゲットとしてAl−(Ni,Co)−(La,Nd)系合金またはAl−(Ni,Co)−(La,Nd)−(Cu,Ge)系合金を用いたとき、圧延方向と平行な面における、圧延方向の結晶粒径(平均結晶粒径および最大結晶粒径)が適切に制御されているため、スプラッシュの発生、特に初期スプラッシュの発生が抑えられ、スパッタリング不良が効果的に抑制される。
また、本発明のスパッタリングターゲットを用いて得られるAl基合金膜は、透明導電膜と直接接触される表示装置用Al合金膜として有用であり、特に、上述したAl−(Ni,Co)−(La,Nd)系合金またはAl−(Ni,Co)−(La,Nd)−(Cu,Ge)系合金に所定のTiおよびBを含むスパッタリングターゲットを用いて得られるAl基合金膜は、剥離液耐食性に極めて優れている。
図1は、実施例1のNo.3、No.4、およびNo.20の結晶粒径を示す光学顕微鏡写真である。 図2は、実施例2において、Al合金膜と透明画素電極のコンタクト抵抗の測定に用いたケルビンパターン(TEGパターン)を示す図である。
本発明者らは、スパッタリング成膜時に発生するスプラッシュ、特に、スパッタリング成膜時の初期段階に発生する初期スプラッシュを低減することが可能なAl基合金スパッタリングターゲットを提供するため、鋭意検討してきた。特に本発明では、上述したダイレクトコンタクト技術に適用可能なAl−(Ni,Co)−(La,Nd)系合金またはAl−(Ni,Co)−(La,Nd)−(Cu,Ge)系合金の成膜に有用な、Al−(Ni,Co)−(La,Nd)系合金スパッタリングターゲットまたはAl−(Ni,Co)−(La,Nd)−(Cu,Ge)系合金スパッタリングターゲットであって、TiおよびBを更に含んでいても良いスパッタリングターゲット(以下、これらを総称して「Al基合金スパッタリングターゲット」と略記する場合がある。)を対象とし、従来の溶解鋳造法によって上記スパッタリングターゲットを製造しても、スプラッシュの発生を効果的に防止できる技術を提供するという観点から検討を行なった。
その結果、上記のAl基合金スパッタリングターゲットについて、(ア)圧延面に対して垂直な断面のうち、圧延方向と平行な面における、圧延方向の結晶粒径(平均結晶粒径および最大結晶粒径)を適切に制御すれば、スプラッシュの発生が効果的に抑制されること、(イ)好ましくは、ビッカース硬さ(Hv)を26Hv以上に増加することによってスプラッシュの発生が著しく低減されることを見出し、本発明を完成した。
本明細書において、「初期スプラッシュの発生を防止(低減)できる」とは、後記する実施例に示す条件(スパッタリング時間81秒)でスパッタリングを行なったときに発生するスプラッシュの平均値が9〜20個/cm2のもの(実施例の評価基準△)を意味し
、好ましくは8個/cm2以下のもの(実施例の評価基準○)を意味する。このように、本発明では、スパッタリング時間を81秒としており、スパッタリング成膜の初期段階におけるスプラッシュを評価している点で、初期段階におけるスプラッシュの発生を評価していない前述した特許文献2〜5の技術とは、評価基準が相違している。
まず、本発明で対象とするAl−(Ni,Co)−(La,Nd)系合金またはAl−(Ni,Co)−(La,Nd)−(Cu,Ge)系合金について説明する。
まず、本発明のAl基合金スパッタリングターゲットは、A群(Ni,Co)から選択される少なくとも1種と、B群(La,Nd)から選択される少なくとも1種を含有している。
このうちA群(Ni,Co)は、Al基合金膜と、このAl基合金膜に直接接触する画素電極との接触電気抵抗を低減するのに有効な元素である。また、スプラッシュ発生防止に有用な結晶粒径の制御にも有用である。A群を構成するNiおよびCoは、それぞれ単独で用いても良いし、併用しても良い。このうち好ましいのはNiである。
A群の総含有量は、0.05〜2.5原子%とすることが好ましい。総含有量を0.05原子%以上としたのは、接触電気抵抗を低減する効果を一層有効に発揮させるためであり、より好ましくは0.07原子%以上、さらに好ましくは0.1原子%以上である。一方、A群の総含有量を多くし過ぎると、Al基合金膜の電気抵抗率が高くなってしまうため、好ましくは2.5原子%以下とする。より好ましくは1.5原子%であり、さらに好ましくは1.3原子%以下、さらにより好ましくは1.1原子%以下である。
また、B群(La,Nd)は、このAl基合金スパッタリングターゲットを用いて形成されるAl基合金膜の耐熱性を向上させ、Al基合金膜の表面に形成されるヒロックを防止するのに有効な元素である。B群を構成するLaおよびNdは、それぞれ単独で用いても良いし、併用しても良い。
B群の総含有量は、0.1〜1原子%とすることが好ましい。総含有量を0.1原子%以上としたのは、耐熱性の向上効果、すなわちヒロックの防止効果を一層有効に発揮するためであり、より好ましくは0.2原子%以上、さらに好ましくは0.3原子%以上である。一方、C群の総含有量を多くし過ぎると、Al基合金膜の電気抵抗率が高くなってしまうため、好ましくは1原子%以下とする。より好ましくは0.8原子%以下、さらに好ましくは0.6原子%以下である。
本発明に用いられるAl基合金は、A群(Ni,Co)から選択される少なくとも1種と、B群(La,Nd)から選択される少なくとも1種を含有し、残部Alおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、製造過程などで不可避的に混入する元素、例えば、Fe、Si、C、O、Nなどが挙げられ、その含有量としては、各元素それぞれ0.05原子%以下とすることが好ましい。
更に上記のAl基合金は、C群(Cu,Ge)から選択される少なくとも1種を含有しても良い。C群(Cu,Ge)は、このAl基合金スパッタリングターゲットを用いて形成されるAl基合金膜の耐食性を向上させるのに有効な元素である。C群を構成するCuおよびGeは、それぞれ単独で用いても良いし、併用しても良い。
C群の総含有量は、0.1〜1原子%とすることが好ましい。総含有量を0.1原子%以上としたのは、耐食性向上の効果を一層有効に発揮させるためであり、より好ましくは0.2原子%以上、さらに好ましくは0.3原子%以上である。一方、C群の総含有量を多くし過ぎると、Al基合金膜の電気抵抗率が高くなってしまうため、好ましくは1原子%以下とする。より好ましくは0.8原子%以下、さらに好ましくは0.6原子%以下である。
本発明に用いられる好ましいAl基合金としては、具体的には例えば、Al−Ni−Nd合金、Al−Ni−La合金、Al−Ni−Nd−Ge合金、Al−Ni−La−Cu合金、Al−Co−La−Ge合金、Al−Co−Nd−Ge合金などが挙げられる。
更に上記のAl基合金は、TiおよびBを含有しても良い。これらは、結晶粒の微細化に寄与する元素であり、TiおよびBの添加により製造条件の幅(許容範囲)が広がる。ただし、過剰に添加するとAl基合金膜の電気抵抗率が高くなってしまう。TiおよびBの好ましい含有量は、Ti:0.0002原子%以上0.012原子%以下、B:0.0002原子%以上0.012原子%以下であり、より好ましくは、Ti:0.0004原子%以上0.006原子%以下、B:0.0004原子%以上0.006原子%以下である。また、剥離液耐食性にも優れたAl基合金膜を提供するという観点からすると、TiおよびBの好ましい含有量はいずれも、0.0004原子%以上0.008原子%以下であり、より好ましくは、0.001原子%以上0.006原子%以下である。
TiおよびBの添加に当たっては、通常用いられている方法を採用でき、代表的には、Al−Ti−B微細化剤として溶湯中に添加することが挙げられる。上記Al−Ti−Bの組成は、所望となるAl基合金スパッタリングターゲットが得られるものであれば特に限定されないが、例えば、Al−5質量%Ti−1質量%B、Al−5質量%Ti−0.2質量%Bなどが用いられる。これらは市販品を用いることができる。
次に、本発明に係るAl基合金スパッタリングターゲットの結晶粒径について説明する。本発明では、Al基合金スパッタリングターゲットの圧延面に対して垂直な断面のうち、圧延方向と平行な面における、圧延方向の結晶粒径を測定したとき、平均結晶粒径が500μm以下であり、且つ、最大結晶粒径が1500μm以下を満足していることが必要である。これにより、スプラッシュの発生を効果的に防止することができる。
上記結晶粒径は、インターセプト法により測定されたものである。具体的な測定手順は、以下のとおりである。
まず、Al基合金スパッタリングターゲットの測定面(圧延面に対して垂直な断面のうち、圧延方向と平行な面であり、上記スパッタリングターゲットの厚さtに対し、1/2×tの範囲)が出るように、上記スパッタリングターゲットを切断する。次いで、測定面を平滑にするため、エメリー紙での研磨やダイヤモンドペースト等で研磨を行った後、Barker氏液(HBF4(テトラフルオロホウ酸)と水を体積比で1:30の比で混合した水溶液)による電解エッチングを行い、偏光顕微鏡による組織観察を行なう。詳細には、組織撮影時の倍率を50倍とし、スパッタリングターゲットの板厚方向に向って表層側、1/4×t部、1/2×t部の合計3箇所において、2視野(1視野は縦1300μm×横1800μm)ずつ撮影し、組織画像を得る。このようにして得られた各組織画像について、合計長さが所定長さ(L1μm、後記する実施例では所定長さL1を1800μmとする。)相当となる直線を、圧延方向に平行な方向にランダムに複数本(5〜10本程度)引く。そして、各組織画像を直線が横切る結晶粒数(N1個)を数え、画像上での直線長さ(L1μm)を結晶粒数(N1個)で除した値(L1/N1)を求める。測定視野全体に対して同様の操作を行い、これらの平均を、平均結晶粒径(μm)とする。また、全測定視野において、各測定画像を直線が横切る長さの最大値を最大結晶粒径(μm)とする。
このようにして測定されるAl基合金スパッタリングターゲットの平均結晶粒径および最大結晶粒径は、小さいほど良く、これによりスプラッシュの発生が一層低減される。好ましい平均結晶粒径は200μm以下であり、好ましい最大結晶粒径は800μm以下である。より好ましい平均結晶粒径は150μm以下であり、より好ましい最大結晶粒径は500μm以下である。
上記平均結晶粒径および最大結晶粒径の下限は特に限定されないが、主に、製造方法との関係で決定され得る。後に詳しく説明するが、本発明では、製造コストや製造工程の低減化、歩留まりの向上などを目的として溶解鋳造法を採用している。溶解鋳造法とは、Al合金溶湯から鋳塊を製造する方法であり、スパッタリングターゲットの製造に汎用されている。本発明で採用される溶解鋳造法に基づく好ましい結晶粒微細化手段によれば、平均結晶粒径の下限は、おおむね10μm〜30μm程度となり、最大結晶粒径の下限は、おおむね70〜120μm程度である。
なお、結晶粒径の更なる微細化を目指して、溶解鋳造法を用いてAl基合金スパッタリングターゲットを製造するに当たり、例えば圧延開始温度を極力下げたり、総圧下率を極力増大させたり、1パス圧下率を極力増大させたりするなどして、平均結晶粒径や最大結晶粒径を、更に微細化させることは可能であるが、現行の設備がそのまま使えなくなる恐れがあるなど実用的でない。
また、スパッタリングターゲットの製造方法としては、上記のほか、例えば、スプレイフォーミング法が挙げられ、このスプレイフォーミング法を採用すれば、結晶粒をより微細化でき、例えば、平均結晶粒径が数μmレベルの結晶粒を得ることもできる。ここで、スプレイフォーミング法は、不活性ガス雰囲気中のチャンバー内でAl合金溶湯流に高圧の不活性ガスを吹き付けて噴霧化し、半溶融状態・半凝固状態・固相状態に急冷させた粒子を堆積させ、所定形状の素形材(プリフォーム)を得る方法である。しかしながら、本発明で採用する溶解鋳造法を用いた結晶粒径微細化手段を用いれば、スプレイフォーミング法を採用したときとほぼ同程度のスプラッシュ発生抑制効果が得られることを、実験によって確認している。
更に本発明のAl基合金スパッタリングターゲットは、ビッカース硬さが26Hv以上であることが好ましい。本発明者らの検討結果によれば、スパッタリングターゲットとしてAl−(Ni,Co)−(La,Nd)系合金またはAl−(Ni,Co)−(La,Nd)−(Cu,Ge)系合金を用いたとき、上記スパッタリングターゲットの硬さが低いと初期スプラッシュが発生し易くなることが判明したからである。その理由は、詳細には不明であるが、以下のように推察される。すなわち、上記スパッタリングターゲットの硬さが低いと、当該スパッタリングターゲットの製造に用いるフライス盤や旋盤などによる機械加工の仕上げ面の微視的平滑さが悪化するため、言い換えると、素材表面が複雑に変形し、粗くなるため、機械加工に用いる切削油等の汚れがスパッタリングターゲットの表面に取り込まれ、残留する。このような汚れは、後工程で表面洗浄を行っても十分に取り除くことが困難である。以上のように、スパッタリングターゲットの表面に残留した汚れが、スパッタリング時の初期スプラッシュの発生起点になっていると考えられる。このような汚れをスパッタリングターゲットの表面に残留させないようにするには、機械加工時の加工性(切れ味)を改善し、素材表面が粗くならないようにすることが必要である。そのため、本発明では、スパッタリングターゲットの硬さを増大させることにした次第である。
本発明に係るAl基合金スパッタリングターゲットのビッカース硬さは、スプラッシュ発生防止の観点からすれば高いほど良く、例えば、35Hv以上であることがより好ましく、更に好ましくは40以上、更により好ましくは45以上である。なお、ビッカース硬さの上限は特に限定されないが、高すぎると、硬度調整のための冷延の圧延率を増大させる必要があり、圧延が行い難くなるため、好ましくは160Hv以下、より好ましくは140Hv以下、更に好ましくは120Hv以下である。
以上、本発明のAl基合金スパッタリングターゲットについて説明した。
次に、上記Al基合金スパッタリングターゲットを製造する方法について説明する。
上述したとおり、本発明では、溶解鋳造法を用い、Al基合金スパッタリングターゲットを製造する。特に本発明では、結晶粒径が適切に制御されたAl基合金スパッタリングターゲットを製造するため、溶解鋳造→(必要に応じて均熱)→熱間圧延→焼鈍の工程において、熱間圧延条件(例えば圧延開始温度、圧延終了温度、1パス最大圧下率、総圧下率など)、均熱条件(均熱温度、均熱時間など)、焼鈍条件(焼鈍温度、焼鈍時間など)の少なくともいずれかを、適切に制御することが好ましい。上記工程の後、冷間圧延→焼鈍(2回目の圧延→焼鈍の工程)を行っても良い。
更に本発明では、好ましくはAl基合金スパッタリングターゲットのビッカース硬さを適切に制御するため、上述した2回目の圧延→焼鈍の工程に当たり、冷延率を制御するなどして硬度を調整することが好ましい。
厳密には、Al基合金の種類により適用し得る結晶粒径微細化手段や硬度調整手段も相違するため、Al基合金の種類に応じ、例えば上記手段を、単独または組合わせるなどして適切な手段を採用すれば良い。以下、本発明に用いられる好ましい方法について、工程毎に、詳しく説明する。
(溶解鋳造)
溶解鋳造工程は特に限定されず、スパッタリングターゲットの製造に通常用いられる工程を適宜採用することができる。例えば鋳造方法として、代表的にはDC(半連続)鋳造、薄板連続鋳造(双ロール式、ベルトキャスター式、プロペルチ式、ブロックキャスター式など)などが挙げられる。
(必要に応じて、均熱)
上記のようにしてAl基合金鋳塊を造塊した後、熱間圧延を行なうが、必要に応じて、均熱を行っても良い。結晶粒径制御のためには、均熱温度をおおむね300〜600℃程度、均熱時間をおおむね1〜8時間程度に制御することが好ましい。
(熱間圧延)
上記の均熱を必要に応じて行なった後、熱間圧延を行なう。結晶粒径制御のためには、熱間圧延開始温度をおおむね200〜500℃程度、熱間圧延終了温度をおおむね50〜300℃程度、1パス最大圧下率をおおむね2〜25%程度、総圧下率をおおむね60〜95%程度に制御することが好ましい。
具体的には、例えば、Al−Ni−Nd−Ge合金スパッタリングターゲットを製造する場合、熱間圧延について、圧延開始温度:200〜400℃、圧延終了温度:50〜200℃、1パス最大圧下率:3〜25%、総圧下率:70〜95%とすることが好ましい。
(焼鈍)
上記のようにして熱間圧延を行なった後、焼鈍する。結晶粒径制御のためには、焼鈍温度をおおむね250〜450℃程度、焼鈍時間をおおむね1〜10時間程度に制御することが好ましい。
(必要に応じて、冷間圧延→焼鈍)
上記の方法によりAl基合金スパッタリングターゲットの結晶粒径を制御することができるが、その後に、更に冷間圧延→焼鈍(2回目の圧延、焼鈍)を行なっても良い。結晶粒径制御のためには、冷間圧延条件は特に限定されないが、焼鈍条件を制御することが好ましく、焼鈍温度をおおむね150〜250℃程度、焼鈍時間をおおむね1〜5時間程度に制御することが推奨される。
また、上記Al基合金スパッタリングターゲットの硬度を制御するには、冷延率をおおむね15〜30%に制御することが好ましい。
本発明には上記Al基合金スパッタリングターゲットを用いて得られるAl基合金膜も包含される。このようなAl基合金膜は電気抵抗率が低く、透明導電膜(画素電極を構成する導電性酸化膜)と直接接続させてもコンタクト抵抗を低く抑えることができるため、ダイレクトコンタクト用の表示装置配線膜として好適に用いられる。
特に、TiおよびBを含むAl基合金膜は、後記する実施例で実証したように、剥離液に対する耐食性に極めて優れている。TFT基板の製造工程では複数のウェットプロセスを通るが、Alよりも貴な金属が合金元素として含まれていると、ガルバニック腐食の問題が現れ、耐食性が劣化してしまう。例えば、フォトリソグラフィの工程で形成したフォトレジスト(樹脂)を剥離する洗浄工程では、アミン類を含む有機剥離液を用いて連続的に水洗が行なわれている。ところがアミン類と水が混合するとアルカリ性溶液になるため、短時間でAlを腐食させてしまうという問題が生じる。ところでAl合金膜は、剥離洗浄工程よりも以前に熱履歴を受けており、この熱履歴の過程で合金元素を含むAl系析出物がAlマトリクス中に形成される。このAl系析出物とAlマトリクスの電位差が大きいため、剥離洗浄工程にて、有機剥離液の成分であるアミン類が水と接触した瞬間に前記ガルバニック腐食が生じて、電気化学的に卑であるAlがイオン化して溶出し、ピット状の孔食(黒点)が形成されてしまう、といった問題がある。黒点が発生すると透明画素電極(ITO膜)が不連続になり、外観検査で欠陥として認識される場合があり、歩留まりの低下を招く恐れがある。
後記する実施例に示すように、TiおよびBの添加によって剥離的耐食性は変化する。所望の特性を確保するためには、TiおよびBの好ましい含有量はいずれも、0.0004原子%以上0.008原子%以下であり、より好ましい含有量はいずれも、0.001原子%以上0.006原子%以下である。
TiおよびBの添加によって剥離液耐食性(腐食密度)が変化する理由は詳細には不明であるが、例えば下記(1)〜(3)のような機構が推察される。
(1)剥離液洗浄工程における腐食起点はAl−A群の金属化合物である。上記金属間化合物が析出する温度域において、適量のTiおよびBを添加することによりAl合金膜の結晶粒成長が同時に生じるため、腐食起点となる上記金属間化合物の析出サイト(粒界三重点)が多数存在し、腐食起点が分散するため剥離液耐食性が向上すると推察される。これに対し、TiおよびBの添加量が不足すると、上記金属間化合物の析出前に結晶粒成長が生じてしまい、上記析出サイトが増加せず剥離液耐食性が向上しないと推察される。一方、TiおよびBの添加量が過剰になると逆にAl合金膜の結晶粒成長が抑制され、やはり上記析出サイトが増加せず剥離液耐食性が向上しないと推察される。
(2)上記好ましい範囲のTi量およびB量を添加した場合、TiおよびB(特にTi)は、表示装置の製造プロセスにおける熱履歴で析出することはなく、Al合金膜中に固溶している可能性が高いと考えられる。その場合、マトリックスの耐食性を向上させる効果があり、上記金属間化合物とのガルバニック腐食速度を低減させることで剥離液耐食性が向上すると推察される。
(3)あるいは、Al合金膜表面に形成される酸化被膜中にTiおよびBを含む酸化物が形成され、剥離液洗浄工程で剥離液がマトリックスおよび金属間化合物に接触するまでの潜伏時間が延長することによって剥離液耐食性が向上することも考えられる。
剥離液に対する耐食性の向上には、上記のようにTiおよびBを添加する方法が有用であるが、あるいは、A群(Ni,Co)の総含有量と、B群(La,Nd)の総含有量との比(A群/B群)を0.1超7以下に制御しても良い。上記の比は小さいほど良く、例えば1.0以下が好ましく、0.4以下がより好ましい
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
(実施例1)
表1に示す種々のAl基合金を用意し、厚み100mmの鋳塊をDC鋳造法によって造塊した後、表1に記載の条件で熱間圧延および焼鈍を行って圧延板を作製した。参考のため、作製した圧延板の厚さを表1に示す。
ここで、TiおよびBを含むAl基合金は、Al−5質量%Ti−1質量%B微細化剤の形で溶湯中に添加することによって作製した。例えば、表1のNo.2のAl基合金(Ti:0.0005原子%、B:0.0005原子%)を作製するときは、Al基合金全体の質量に対して上記の微細化剤を0.02質量%の割合で添加し;一方、表1のNo.3のAl基合金(Ti:0.0046原子%、B:0.0051原子%)を作製するときは、Al基合金全体の質量に対して上記の微細化剤を0.2質量%の割合で添加した。
更に、冷間圧延および焼鈍(200℃で2時間)を行った。ここで、No.1〜3、5〜9、11〜25については、冷間圧延時の冷延率を22%とし、それ以外のNo.4および10については、冷延率を5%とした。
次に、機械加工(丸抜き加工および旋盤加工)を行って、円板状のAl基合金スパッタリングターゲット(サイズ:直径101.6mm×厚さ5.0mm)を製造した。
このようにして製造された各スパッタリングターゲットの圧延方向の結晶粒径(平均結晶粒径および最大結晶粒径)を、上記の方法によって測定した。
更に、上記の各スパッタリングターゲットのビッカース硬さ(Hv)は、ビッカース硬度計(株式会社明石製作所製、AVK−G2)を用いて測定した。
次に、上記の各スパッタリングターゲットを用い、以下の条件でスパッタリングを行なったときに発生するスプラッシュ(初期スプラッシュ)の個数を測定した。
まず、Siウェーハ基板(サイズ:直径100.0mm×厚さ0.50mm)に対し、株式会社島津製作所製「スパッタリングシステムHSR−542S」のスパッタリング装置を用いてDCマグネトロンスパッタリングを行った。スパッタリング条件は、以下の通りである。
背圧:3.0×10−6Torr以下
Arガス圧:2.25×10−3Torr
Arガス流量:30sccm、スパッタリングパワー:811W
極間距離:51.6mm
基板温度:室温
スパッタリング時間:81秒間
このようにして、スパッタリングターゲット1枚につき、16枚の薄膜を形成した。従って、スパッタリングは、81(秒間)×16(枚)=1296秒間行なった。
次に、パーティクルカウンター(株式会社トプコン製:ウェーハ表面検査装置WM−3)を用い、上記薄膜の表面に認められたパーティクルの位置座標、サイズ(平均粒径)、および個数を計測した。ここでは、サイズが3μm以上のものをパーティクルとみなしている。その後、この薄膜表面を光学顕微鏡観察(倍率:1000倍)し、形状が半球形のものをスプラッシュとみなし、単位面積当たりのスプラッシュの個数を計測した。
詳細には、上記薄膜1枚につき、上記のスパッタリングを行なう工程を、Siウェーハ基板を差し替えながら、連続して、薄膜16枚について同様に行い、スプラッシュの個数の平均値を「初期スプラッシュの発生数」とした。本実施例では、このようにして得られた初期スプラッシュの発生数が8個/cm以下のものを○、9〜20個/cmのものを△、21個/cm以上のものを×と評価した。本実施例では、○または△を合格(初期スプラッシュ軽減効果あり)と評価した。
これらの試験結果を表1に併記する。
表1より、以下のように考察することができる。
まず、No.4および10は、合金組成、および圧延方向の結晶粒径(平均結晶粒径および最大結晶粒径)が本発明の要件を満足する例であり、初期スプラッシュの発生数は20個/cm以下に抑制され、初期スプラッシュの軽減効果が認められた。
また、No.1〜3、5〜9、11〜18は、2回目の圧延時の冷延率を適切に制御した例であり、合金組成および結晶粒径に加え、ビッカース硬度も本発明の好ましい要件を満足している。そのため、初期スプラッシュの発生数が一層抑制されて8個/cm以下であり、初期スプラッシュの更なる軽減効果が認められた。
これに対し、本発明の要件のいずれかを満足しない下記例は、初期スプラッシュの発生を効果的に防止することができなかった。
詳細には、まず、No.19は、Ni量が少ない例であり、平均結晶粒径および最大結晶粒径が両方大きくなり、初期スプラッシュの発生数が上昇した。
No.20は、Al−Ni−Nd−Ge合金を用いたときに推奨される熱間圧延開始温度の上限(400℃)よりも高い温度で製造した例であり、平均結晶粒径および最大結晶粒径が両方大きくなり、初期スプラッシュの発生数が上昇した。
No.21は、熱間圧延時の総圧下率が本発明で推奨される下限(60%)を下回る範囲で製造した例であり、平均結晶粒径および最大結晶粒径が両方大きくなり、初期スプラッシュの発生数が上昇した。
No.22は、熱間圧延開始温度が本発明で推奨される上限(500℃)よりも高い温度で製造した例であり、平均結晶粒径および最大結晶粒径が両方大きくなり、初期スプラッシュの発生数が上昇した。
No.23は、熱間圧延時の1パス最大圧下率が本発明で推奨される下限(2%)を下回る範囲で製造した例であり、平均結晶粒径および最大結晶粒径が両方大きくなり、初期スプラッシュの発生数が上昇した。
No.24は、熱間圧延開始温度が本発明で推奨される上限(500℃)よりも高い温度で製造した例であり、平均結晶粒径および最大結晶粒径が両方大きくなり、初期スプラッシュの発生数が上昇した。
No.25は、熱間圧延時の1パス最大圧下率が本発明で推奨される下限(2%)を下回る範囲で製造した例であり、最大結晶粒径が大きくなり、初期スプラッシュの発生数が上昇した。
参考のため、図1に、No.3および4(以上、本発明例)、並びにNo.20(比較例)について、圧延方向の結晶粒径を示す光学顕微鏡写真を示す。これらの写真に示すように、No.3および4では、圧延方向の平均結晶粒径および最大結晶粒径が小さく制御されているのに対し、No.20では、圧延方向の結晶粒径が長く延びていることが分かる。
(実施例2)
本実施例では、Al基合金スパッタリングターゲットを用いて得られたAl基合金膜の特性を評価した。
詳細には、表2に記載の種々のAl基合金(残部:Alおよび不可避的不純物)を用意し、前述した実施例1に記載の方法でスパッタリングターゲットを製造した。ここで、熱間圧延および焼鈍条件は表2に記載のとおりであり、冷間圧延および焼鈍の条件は以下のとおりである。このようにして得られたスパッタリングターゲットの圧延方向の結晶粒径(平均結晶粒径および最大結晶粒径)、ビッカース硬さ、および初期スプラッシュの個数を、前述した実施例1と同様にして測定した結果を、表2に併記している。なお、表2のNo.1およびNo.4は、それぞれ前述した表1のNo.2およびNo.3に対応している。
このようにして得られたスパッタリングターゲットを用い、DCマグネトロン・スパッタ法[基板=ガラス基板(コーニング社製Eagle2000)、雰囲気ガス=アルゴン、圧力=2mTorr、基板温度=25℃(室温)]によって種々のAl合金膜(膜厚=300nm)を成膜した。このようにして得られた種々のAl合金膜におけるNi、Ge、Ndの各合金元素の含有量は、ICP発光分析(誘導結合プラズマ発光分析)法によって求めた。その結果は表2に記載のとおりであり、Al合金膜形成に用いたスパッタリングターゲットの組成と一致している。
なお、Al合金膜中の極微量添加元素であるTiおよびBの含有量は、4インチのガラス基板に1000nm膜厚で5枚分のAl合金膜(約100mg)を成膜した後、以下の方法でそれぞれ分析した。
Ti量について、ICP発光分析により算出。
B量について、添加量に応じてICP発光分析または蒸留分離−クルクミン吸光光度法により算出。
上記のようにして成膜したAl合金膜を用いて、熱処理後のAl合金膜自体の電気抵抗率、Al合金膜を透明画素電極に直接接続したときのITOとのコンタクト抵抗(以下、「コンタクト抵抗」と略記する。)、および剥離液耐食性を、それぞれ下記に示す方法で測定した。
(1)熱処理後のAl合金膜自体の電気抵抗率
上記Al合金膜に対し、10μm幅のラインアンドスペースパターンを形成し、不活性ガス雰囲気中、5℃/分の昇温速度で加熱し、270℃で30分間または320℃で30分間の熱処理を施してから、4端子法で電気抵抗率を測定した。
(2)透明画素電極とのコンタクト抵抗
Al合金膜と透明画素電極を直接接触したときのコンタクト抵抗は、透明画素電極(ITO;酸化インジウムに10原子%の酸化スズを加えた酸化インジウムスズ)を、下記条件でスパッタリングすることによって図2に示すケルビンパターン(コンタクトホールサイズ:10μm角)を作製し、4端子測定(ITO−Al合金膜に電流を流し、別の端子でITO−Al合金間の電圧降下を測定する方法)を行なった。具体的には、図2のI1−I2間に電流Iを流し、V1−V2間の電圧Vをモニターすることにより、コンタクト部Cのコンタクト抵抗Rを[R=(V2−V1)/I2]として求めた。そして下記基準で、コンタクト抵抗の良否を判定した。なお、純Al合金膜のコンタクト抵抗は15,000Ωである。
(透明画素電極の成膜条件)
・雰囲気ガス=アルゴン
・圧力=0.8mTorr
・基板温度=25℃(室温)
(3)剥離液耐食性
剥離液洗浄後に生じる黒点(正確にはクレーター腐食密度)を観察し、剥離液耐食性を評価した。この黒点は、前述したように析出物を基点とし、析出物周りに発生するものである。
詳細には、上記熱処理(320℃で30分間)を施して得られたサンプルに対し、東京応化工業製のアミン系レジスト剥離液(TOK106)を用い、(pH=10.5に調整した剥離液水溶液に1分間浸漬)→(pH=9.5に調整した剥離液水溶液に5分間浸漬)→(純水で水洗)→(乾燥)の順に処理を行った。剥離液洗浄処理後のサンプルを光学顕微鏡で倍率1000倍にて観察(8600μm2程度)し、画像解析を行って黒点密度(個数/100μm2)を測定した。
(判定基準)
○:4.0個以下/100μm2
×:4.0個超/100μm2
これらの結果を表3にまとめて示す。表2と表3の各No.はそれぞれ対応しており、例えば表2のNo.1の特性は表3のNo.1に示すとおりである。
表2および表3の結果から、以下のように考察することができる。
表2に記載のAl基合金スパッタリングターゲットは、いずれも本発明の要件を満足するものであり、このようなスパッタリングターゲットを用いて得られるAl基合金膜は、表3に示すように、熱処理後の電気抵抗率が低く、ITOとのコンタクト抵抗も低く抑えられており、ITOとのダイレクトコンタクト用配線膜として有用である。
このうち表2のNo.1〜5のようにTi量およびB量が好ましい範囲に制御されたものは、TiおよびBを添加しない表2のNo.6や、好ましい量のTiおよびBを含有しない表2のNo.7に比べ、剥離液耐食性に優れていることが分かる。剥離液耐食性は、TiおよびBの含有量が増加するにつれ、上昇する傾向が見られた。
また、表2のNo.5は、A群(Ni,Co)の総含有量と、B群(La,Nd)の総含有量との比(A群/B群=0.10/0.27≒0.37)が、本発明のより好ましい範囲(0.4以下)を満足する例であり、腐食密度を0個に抑えることができた。

Claims (12)

  1. A群(Ni,Co)から選択される少なくとも1種と、
    B群(La,Nd)から選択される少なくとも1種
    を含有し、
    前記スパッタリングターゲットの圧延面に対して垂直な断面のうち、圧延方向と平行な面における、圧延方向の結晶粒径を測定したとき、平均結晶粒径が500μm以下であり、且つ、最大結晶粒径が1500μm以下であることを特徴とするAl基合金スパッタリングターゲット。
  2. 前記A群の総含有量が0.05原子%以上、2.5原子%以下、
    前記B群の総含有量が0.1原子%以上、1原子%以下、
    である請求項1に記載のAl基合金スパッタリングターゲット。
  3. 更に、C群(Cu,Ge)から選択される少なくとも1種
    を含有する請求項1または2に記載のAl基合金スパッタリングターゲット。
  4. 前記C群の総含有量が0.1原子%以上、1原子%以下
    である請求項3に記載のAl基合金スパッタリングターゲット。
  5. 更に、TiおよびBを含有する請求項1〜4のいずれかに記載のAl基合金スパッタリングターゲット。
  6. Ti含有量が0.0002原子%以上0.012原子%以下であり、B含有量が0.0002原子%以上0.012原子%以下である請求項5に記載のAl基合金スパッタリングターゲット。
  7. 前記A群からNiのみが選択され、前記B群からNdのみが選択されるものである請求項1、2、5または6に記載のAl基合金スパッタリングターゲット。
  8. 前記A群からNiのみが選択され、前記B群からLaのみが選択されるものである請求項1、2、5または6に記載のAl基合金スパッタリングターゲット。
  9. 前記A群からNiのみが選択され、前記B群からNdのみが選択され、前記C群からGeのみが選択されるものである請求項3、4、5または6に記載のAl基合金スパッタリングターゲット。
  10. ビッカース硬さ(Hv)が26以上である請求項1〜9のいずれかに記載のAl基合金スパッタリングターゲット。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いて得られるAl基合金膜であって、透明導電膜と直接接続されているAl基合金膜。
  12. A群(Ni,Co)から選択される少なくとも1種と、B群(La,Nd)から選択される少なくとも1種と、C群(Cu,Ge)から選択される少なくとも1種と、TiおよびBと、を含有し、
    Ti含有量が0.0004原子%以上0.008原子%以下であり、B含有量が0.0004原子%以上0.008原子%以下である請求項11に記載のAl基合金膜。
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