JP2011105873A - ポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾン層破壊係数が零で、地球温暖化係数の小さい有機媒体を使用して、引張り強度や伸度等に優れた成形品を得ることが可能なPTFE造粒粉末の製造方法を提供する。
【解決手段】平均粒径200μm以下のポリテトラフルオロエチレン粉末を、水と下式(1)で表されるヒドロフルオロアルキルエーテルとからなる2相液体媒質中で攪拌して造粒し、ポリテトラフルオロエチレン造粒粉末を製造する。
−O−R ・・・(1)
(式(1)中、R及びRはポリフルオロアルキル基であり、R及びRの少なくとも一方は水素原子を有し、RとRの合計の炭素原子数は3〜8である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、引張強度や伸度等の特性に優れる成形品を得ることが可能なポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造方法に関する。
ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)は、熱可塑性樹脂とは異なり溶融成形できないため、粉末の形のままで成形に供される。このため、PTFEの成形に供される粉末には特別の粉体特性が要求される。要求される粉末特性としては、流動性が良いこと、かさ密度が大きいこと、脆すぎず壊れにくいことなどが挙げられる。
テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」という)を懸濁重合して得られるPTFEの粒状固体を微粉砕したPTFEの一次粉末(以下、「PTFE粉末」という)は、平均粒径が200μm以下であり、また、上記粉体特性を有していない。このため、PTFE粉末を造粒して、上記粉体特性を有するPTFE造粒粉末が製造される。
PTFE粉末の造粒方法としては、PTFE粉末を、水と有機媒体とからなる2相液体媒質中で攪拌してPTFE粉末を凝集し、造粒する方法が主に行われている。
有機媒体としては、従来よりハロゲン化炭化水素(特許文献1)や、ヒドロフルオロカーボン(特許文献2)等が使用されている。しかしながら、ハロゲン化炭化水素はオゾン破壊係数が大きいため、2020年で使用が禁止される。ヒドロフルオロカーボンは地球温暖化係数が大きい。そこで、近年においては、オゾン破壊係数が零で、かつ、地球温暖化係数の小さい有機媒体を用いる試みがなされている。
下記特許文献3には、平均粒径200μm以下のPTFE粉末を、水とR−O−R’(式中、Rは炭素数2〜6のポリフルオロアルキル基であり、R’は炭素数1または2のアルキル基である)で表される(ポリフルオロアルキル)アルキルエーテルとからなる2相液体媒質中で攪拌、造粒してPTFE造粒粉末を製造することが開示されている。
特許第2909918号公報 特許第3263235号公報 特許第3666210号公報
しかしながら、特許文献3の方法で使用される(ポリフルオロアルキル)アルキルエーテルは、オゾン破壊係数が零で、かつ、地球温暖化係数が小さいが、得られるPTFE造粒粉末は、得られる成形品の引張り強度や伸度等の物性が十分ではなかった。
したがって、本発明の目的は、オゾン層破壊係数が零で、地球温暖化係数の小さい有機媒体を使用して、引張り強度や伸度等に優れた成形品を得ることが可能なPTFE造粒粉末の製造方法を提供することにある。
本発明は、以下を提供する。
[1] 平均粒径200μm以下のPTFE粉末を、水と下式(1)で表されるヒドロフルオロアルキルエーテルとからなる2相液体媒質中で攪拌して造粒することを特徴とする、PTFE造粒粉末の製造方法。
−O−R ・・・(1)
(式(1)中、R及びRはポリフルオロアルキル基であり、R及びRの少なくとも一方は水素原子を有し、RとRの合計の炭素原子数は3〜8である。)
[2] 前記ヒドロフルオロアルキルエーテルの沸点が25〜60℃である、[1]に記載のPTFE造粒粉末の製造方法。
[3] 前記ヒドロフルオロアルキルエーテルが、CFCHOCFCHF及びCFCFCHOCHFからなる群から選ばれる1種以上である、[1]又は[2]に記載のPTFE造粒粉末の製造方法。
[4] 前記2相液体媒質は、前記PTFE粉末の1質量部に対し、前記水の1〜40質量部、前記ヒドロフルオロアルキルエーテルの0.1〜3質量部、を含むものである、[1]〜[3]のいずれかに記載のPTFE造粒粉末の製造方法。
[5] 前記PTFE粉末を、前記2相液体媒質中にて、10℃〜前記ヒドロフルオロアルキルエーテルの沸点以下の温度範囲で攪拌し、最終的に前記ヒドロフルオロアルキルエーテルの沸点まで昇温して前記ヒドロフルオロアルキルエーテルを蒸発させ、除去する、[1]〜[4]のいずれかに記載のPTFE造粒粉末の製造方法。
[6] PTFE粉末の造粒物を分別し、乾燥する、[1]〜[5]のいずれかに記載のPTFE造粒粉末の製造方法。
本発明のPTFE造粒粉末の製造方法によれば、引張り強度や伸度等に優れた成形品を得ることが可能なPTFE造粒粉末を製造できる。また、上式(1)で表されるヒドロフルオロアルキルエーテルは、オゾン破壊係数が零であり、地球温暖化係数が小さいので、環境負荷が極めて小さい。
本発明のPTFE造粒粉末の製造方法は、平均粒径200μm以下のPTFE粉末を、水と下式(1)で表されるヒドロフルオロアルキルエーテル(以下、「HFE」という)とからなる2相液体媒質中で攪拌して造粒する。
−O−R ・・・(1)
(式(1)中、R及びRはポリフルオロアルキル基であり、R及びRの少なくとも一方は水素原子を有し、RとRの合計の炭素原子数は3〜8である。)
本発明のPTFE造粒粉末の製造方法で使用するPTFE粉末は、平均粒径200μm以下のものである。このようなPTFE粉末としては、例えば、TFEを懸濁重合して得られるPTFEの粒状固体を、平均粒径200μm以下の一次粉末に微粉砕したものが挙げられる。PTFE粉末の平均粒径は、10〜70μmが好ましく、15〜60μmがより好ましい。PTFE粉末の平均粒径が200μmを超えると、かさ密度の小さいPTFE造粒粉末になり易い。更には、PTFE造粒粉末中に空隙が残り易く、均一性が損なわれ易い。PTFE粉末の平均粒径が10μm未満であると、PTFE粉末の造粒性の低下や、PTFE成形品の引張強度や伸度が低下する傾向となる。本発明において、平均粒径が200μm以下のPTFE粉末の平均粒径はレーザー式粒径測定器で測定した値である。
PTFE粉末は、未焼成であることが好ましい。未焼成のPTFE粉末は造粒に適しているので、造粒に要する時間を低減できる。本発明において未焼成とは、TFEの重合後、その融点以上に加熱されていない状態の粉末を意味する。
なお、本発明において、PTFEとしては、TFEの単独重合体に加えて、実質的に溶融加工性を付与しない程度の微量、好ましくは2質量%以下の割合でTFEと共重合しうるコモノマーに基づく重合単位を含むPTFEである、いわゆる変性PTFEを含むものとする。該コモノマーとしては、ヘキサフルオロプロピレン等の炭素数3〜6のペルフルオロアルケン、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)等の炭素数3〜6のペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)等が挙げられる。
本発明のPTFE造粒粉末の製造方法では、水とHFEとからなる2相液体媒質を用いる。
HFEは、オゾン破壊係数が零であり、更には地球温暖化係数が小さいので、環境負荷が極めて小さい。また表面張力が小さく、水不溶性の有機媒体である。HFEのみを媒体として用い、PTFE粉末の造粒を行った場合、得られるPTFE造粒粉末の内部が固くしまった状態になり、引張り強度や伸度等に優れた成形品が得られ難い。また、HFEの代わりに有機媒体として特許第3666210号公報に記載されている、(ポリフルオロアルキル)アルキルエーテル(以下、「PFAE」という)を用いて、水とPFAEとの2相液体媒質中でPTFE粉末を造粒しても、後述する実施例(比較例)の例2及び3に示すように、引張り強度や伸度等に優れた成形品が得られ難い。これに対し、水とHFEとからなる2相液体媒質中でPTFE粉末を造粒することにより、引張り強度や伸度等に優れた成形品を得ることが可能なPTFE造粒粉末を製造できる。この理由は、必ずしも明らかではないが、HFEの方がPFAEよりも比熱が大きく、蒸発潜熱も大きいことから、湿潤状態のPTFE粉末の造粒物(以下、「PTFE造粒物」という)と有機媒体との分別が穏やかに進行すると考えられる。そのため、水とHFEとからなる2相液体媒質中でPTFE粉末を攪拌し、造粒することにより、PTFE粉末が適度に湿潤し、PTFE粉末の凝集が過度に進まず、適度に軟らかく、内部は均一で空隙が少なく、かさ密度が大きく、表面が平滑で流動性のよいPTFE造粒粉末が得られると考えられる。
HFEは、上式(1)のR及びRが、直鎖状又は分岐状のヒドロフルオロアルキル基又はペルフルオロアルキル基が好ましい。また、RとRは同一又は異なるポリフルオロアルキル基であってよい。RとRが有するフッ素原子の合計数は、水素原子の合計数よりも多いことが好ましい。R及びRが有するフッ素原子の割合は、水素原子とフッ素原子の合計数に対して60%以上が好ましく、65%以上がより好ましい。R及びRが有するフッ素原子の割合が少なすぎると、PTFE造粒粉末が固くなりやすい傾向となる。RとRの合計の炭素原子数は、3〜8個であり、4〜6個が好ましい。RとRの合計の炭素原子数が少なすぎると、HFEの沸点が低くなり、造粒に用いる有機媒体としての取り扱い性が損なわれ易い。また、得られるPTFE造粒粉末は、かさ密度が小さく、流動性の悪いPTFE造粒粉末となる傾向となる。RとRの合計の炭素原子数が多すぎると、HFEの沸点が高くなり、造粒媒体からPTFE造粒物を分別することが困難になる。更には、得られるPTFE造粒粉末が固くなり易く、成形品の引張強度、伸度が損なわれ易い。
HFEの沸点は、25〜60℃が好ましく、40〜60℃がより好ましく、45〜60℃が最も好ましい。HFEの沸点が高すぎると、PTFE造粒物からHFEを除去する際に温度を高める必要がある。その結果、PTFE造粒物の内部が固くしまり、成形品の引張強度、伸度が損なわれ易い。HFEの沸点が低すぎると、PTFE粉末の凝集が不完全になり易く、得られるPTFE造粒粉末は、小さい外力で壊れ易くなる傾向にある。
HFEは、好ましくは、下式(2)で表わされる化合物である。
1a−CH−O−R2a ・・・(2)
(式(2)中、R1a及びR2bは、水素原子を有しても良いポリフルオロアルキル基であり、R1aとR2bの合計の炭素原子数は2〜7である。)
(2)において、R1aは、直鎖状又は分岐状のヒドロフルオロアルキル基又はペルフルオロアルキル基が好ましい。R2aは、直鎖状又は分岐状のヒドロフルオロアルキル基が好ましい。
HFEの好ましい具体例としては、CFCHOCFCHF(沸点56℃)、CFCFCHOCHF(沸点46℃)等が挙げられる。
本発明のPTFE造粒粉末の製造方法で使用する上記2相液体媒質は、PTFE粉末の1質量部に対し、水の1〜40質量部、HFEの0.1〜3質量部、を含むことが好ましく、水の2〜30質量部、HFEの0.2〜2質量部、を含むことがより好ましく、水の2〜20質量部、HFEの0.2〜1.5質量部、を含むことが最も好ましい。PTFE粉末に対する2相液体媒質中のHFEの割合がこの範囲より多いと、PTFE造粒粉末の平均粒径が大きくなる傾向にあり、HFEの割合がこの範囲より少ないと、PTFE造粒粉末の平均粒径が小さくなる傾向にある。PTFE造粒粉末に対し、水とHFEとをそれぞれ上記割合で含む2相液体媒質を用いることにより、引張り強度や伸度等に優れた成形品を得ることが可能な、適度な粒径のPTFE造粒粉末が得られ易くなる。
また、水の使用量は特に限定されないが、HFEとPTFE粉末との総容量に対して20〜1500容量%が好ましく、50〜1100容量%がより好ましい。
PTFE粉末の造粒は、攪拌翼を備えた造粒装置などに、PTFE粉末、水、HFEを加え、攪拌することによって行う。造粒装置としては、通常の攪拌槽、邪魔板付き攪拌槽等を使用できる。攪拌翼としては、タービン翼、イカリ型翼等の通常使用される攪拌翼が使用できる。
攪拌温度は、10℃〜HFEの沸点以下の温度範囲が好ましく、20℃〜HFEの沸点以下の温度範囲がより好ましく、25℃〜HFEの沸点以下の温度範囲が最も好ましい。10℃未満の温度下で攪拌を行っても、PTFE粉末が十分に軟化しないので、PTFE粉末が凝集し難く、造粒に時間を要する。HFEの沸点よりも高い温度下で攪拌すると、PTFE造粒物の内部が固くしまり、成形品の引張強度、伸度が損なわれ易い。
なお、PTFE造粒物は、HFEを含んでいるので、最終的にHFEの沸点まで昇温してPTFE造粒物が含んでいるHFEを蒸発させ、除去して、PTFE造粒粉末を得ることが好ましい。PTFE粉末の造粒は、10℃以上で、かつ、HFEの沸点よりも10℃以上低い温度で攪拌を開始し、次第に温度を高めて、最終的にHFEの沸点まで昇温してHFEを蒸発させ、除去することが好ましい。HFEを蒸発させる際にPTFE造粒物の内部が適度にしまり、適度な強度のPTFE造粒粉末が得られる。HFEの沸点まで昇温するには、連続的に昇温してもよく、段階的に昇温してもよい。また、PTFE造粒物から蒸発させたHFEは、別工程で回収して再利用することが好ましい。
攪拌時間は、1分〜10時間が好ましく、3分〜5時間がより好ましく、5分〜3時間が最も好ましい。
攪拌速度は、攪拌翼の周速度として0.5〜100m/秒が好ましく、1〜50m/秒がより好ましく、2〜50m/秒が最も好ましい。攪拌翼の周速度が速いと、PTFE粉末が強固に凝集し易いので、得られるPTFE造粒粉末は内部が固くしまり、かさ密度が大きくなる傾向にある。攪拌翼の周速度が遅いと、PTFE粉末の凝集が不十分になり易いので、得られるPTFE造粒粉末が脆く、流動性が損なわれる傾向にある。
また、造粒後のPTFE造粒物を媒体から分別し易くするため、減圧下でPTFE粉末、水、HFEの混合物を攪拌しても良い。減圧下で攪拌することにより、系内からHFEの蒸気を多量に含むガスが吸引され、混合物から連続的に速やかにHFEを蒸発させることができる。また、吸引ガスからHFEを回収して再利用する上でも有利となる。
PTFE粉末、水、HFEの他に、更に、ガラス繊維、カーボン繊維、ブロンズ、グラファイト等の粉末状のフィラー、溶融成形可能な他のフッ素樹脂や耐熱性樹脂等のPTFE以外の粉末材料を配合して造粒を行うと、PTFE以外の粉末材料を含有するPTFE造粒粉末が得られる。PTFE以外の粉末材料を配合する場合、PTFE粉末と他の粉末材料とを予め乾式で均一に混合して混合粉末を得て、この混合粉末を水とHFEとの2相液体媒質中で、攪拌して造粒することが好ましい。
また、フィラーを配合する場合、造粒時に平均粒径0.1〜0.5μmのPTFEコロイド状分散液を更に配合することが好ましい。該PTFEコロイド状分散液を配合するとPTFE粉末とフィラーの分離が防止できる。PTFEコロイド状分散液の配合は、フィラーの配合割合が多い場合により有用である。PTFEコロイド状分散液の使用量は、PTFE粉末に対し1〜5質量%が好ましい。
造粒後、PTFE造粒物を媒体から分別し、得られたPTFE造粒物を乾燥することによってPTFE造粒粉末が得られる。
分別は、メッシュフィルター、フルイ等を用いて行うことができる。また、PTFE造粒物の乾燥は、50〜320℃で30分〜24時間行うことが好ましい。これにより、PTFE造粒物から、含有される水やHFEをほぼ完全に除去できる。
本発明の製造方法によって得られるPTFE造粒粉末の平均粒径は、原料であるPTFE粉末の平均粒径の好ましくは5倍以上であって、150〜1000μmが好ましい。より好ましくは200〜800μmである。本明細書において、PTFE造粒粉末の平均粒径は、実施例に記載の方法で、メッシュのフルイを重ねて、PTFE造粒粉末をフルイ分けし、その質量が積算で50%となる値である。
PTFE造粒粉末のかさ密度は0.50〜1.20が好ましく、0.60〜1.00がより好ましい。この範囲にあると、圧縮成形時の圧力伝達性が良好で、引張強さや伸びに優れた成形品を与えることができる。
次に、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[測定方法]
PTFE造粒粉末のかさ密度:JIS−K 6891に準じて、100ml容量のPTFE造粒粉末の質量を測定し、求めた。
PTFE造粒粉末の平均粒径:上から順に16、20、24、28、35、60および150メッシュのフルイを重ね、16メッシュのフルイに100gのPTFE造粒粉末をのせてふるい、各フルイ上に残る粉末の質量を求め、積算で50%となる粒径(D=50)を平均粒径とした。
引張強度及び伸び:PTFE造粒粉末を、31.4MPaの圧力で予備成形を行い、380℃で4時間焼成したのち、室温まで冷却して得られたブロックを厚さ0.5mmにかつら剥きしたシートを、JIS−K 6891に規定された3号ダンベルで打ち抜いた試料を用い、JIS−K 6891の条件で測定した。
[例1(実施例)]
容量135リットルで、中央に平ブレード6枚羽根を上下2段に配した攪拌機を有する邪魔板4枚付きのステンレス製円筒形の造粒槽に、水の79kgと、有機媒体としてCFCHOCFCHF(沸点は56℃)の11.2kgと、平均粒径36μmのグラニュラータイプのPTFE粉末の16.2kgとを加えた。槽内温度を28℃に調整し、回転数600rpmで45分間攪拌を続けた。次いで、回転数を340rpmとし、槽内温度を有機媒体の沸点まで上昇させながら36分間攪拌を行った。そして、回転数を340rpmとし、槽内温度を有機媒体の沸点に維持し、蒸気を10分間かけて回収した。その後、回転数を130rpmとし、槽内温度を有機媒体の沸点に維持した状態で10分かけて槽内圧力を0.023MPa(絶対圧)に減圧し、有機媒体を蒸発回収してPTFE粉末が凝集した造粒物を得た。槽内温度を室温まで冷却し、水中に分散した造粒物をひらき目200μmのメッシュフィルターで分別し、300℃で9時間乾燥してPTFE造粒粉末を得た。得られたPTFE造粒粉末のかさ密度は、0.80g/mlで、平均粒径は440μmであった。また、このPTFE造粒粉末を用いて得た成形品の引張強度は40.4MPaで、伸びは349%であった。
[例2(比較例)]
実施例1において、有機媒体として、CFCHOCFCHFのかわりに、CFCFCFCFOCH(沸点は61℃)を用いた以外は例1と同等の操作を行い、PTFE造粒粉末を製造した。得られたPTFE造粒粉末のかさ密度は、0.82g/mlで、平均粒径は460μmであった。また、このPTFE造粒粉末を用いて得た成形品の引張強度は34.9MPaで、伸びは319%であった。
[例3(比較例)]
実施例1において、有機媒体として、CFCHOCFCHFのかわりに、CFCFCFCFOCHCH(沸点は76℃)を用い、有機媒体を蒸発回収時に槽内温度を有機媒体の沸点に維持した状態で10分かけて槽内圧力を0.040MPa(絶対圧)に減圧した以外は例1と同等の操作を行い、PTFE造粒粉末を製造した。得られたPTFE造粒粉末のかさ密度は、0.84g/mlで、平均粒径は470μmであった。また、このPTFE造粒粉末を用いて得た成形品の引張強度は34.7MPaで、伸びは329%であった。
上記結果を表1にまとめて記す。

Claims (6)

  1. 平均粒径200μm以下のポリテトラフルオロエチレン粉末を、水と下式(1)で表されるヒドロフルオロアルキルエーテルとからなる2相液体媒質中で攪拌して造粒することを特徴とする、ポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造方法。
    −O−R ・・・(1)
    (式(1)中、R及びRはポリフルオロアルキル基であり、R及びRの少なくとも一方は水素原子を有し、RとRの合計の炭素原子数は3〜8である。)
  2. 前記ヒドロフルオロアルキルエーテルの沸点が25〜60℃である、請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造方法。
  3. 前記ヒドロフルオロアルキルエーテルが、CFCHOCFCHF及びCFCFCHOCHFからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載のポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造方法。
  4. 前記2相液体媒質は、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末の1質量部に対し、前記水の1〜40質量部、前記ヒドロフルオロアルキルエーテルの0.1〜3質量部、を含むものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造方法。
  5. 前記ポリテトラフルオロエチレン粉末を、前記2相液体媒質中にて、10℃〜前記ヒドロフルオロアルキルエーテルの沸点以下の温度範囲で攪拌し、最終的に前記ヒドロフルオロアルキルエーテルの沸点まで昇温して前記ヒドロフルオロアルキルエーテルを蒸発させ、除去する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造方法。
  6. ポリテトラフルオロエチレン粉末の造粒物を分別し、乾燥する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリテトラフルオロエチレン造粒粉末の製造方法。
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